JP6931541B2 - エアゾール容器用のアクチュエーター、エアゾールバルブ及びエアゾール製品 - Google Patents

エアゾール容器用のアクチュエーター、エアゾールバルブ及びエアゾール製品 Download PDF

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Description

本発明は、エアゾール内容物を噴射するエアゾール容器用のアクチュエーター、当該アクチュエーターを備えるエアゾールバルブ、及び当該アクチュエーター又は当該エアゾールバルブを備えるエアゾール製品に関する。
エアゾール容器には、気化した高圧の液化ガス・圧縮ガス等の噴射剤と、粉体及び又は液体のエアゾール内容物が充填されており、エアゾール製品は、エアゾール内容物がエアゾール容器の外に放出されたときの減圧・膨張によって、霧状のエアゾール内容物を対象に噴射するものである。エアゾール内容物を霧状のエアゾールとして対象に噴射・付着させることができるため、噴射対象が人体等の皮膚等の場合、対象箇所において、エアゾール内容物を手で塗り広げるより均一に薄く塗布することができ、さらに噴射剤の気化熱による冷涼効果を付与できる。それ以外の場合等であっても、エアゾールのため、乾きやすさに優れたものとなる。
一方で、エアゾール内容物を対象に直接塗布するのと異なり、対象にエアゾール内容物を付着させるためには、所定の噴射圧で対象に噴射する必要があることから、噴射圧が強くなる傾向があり、噴射対象が人体等の皮膚等の場合には、冷感や刺激感を与えることになってしまう。他方で、噴射圧が弱すぎると、エアゾール内容物は、噴射対象に付着するよりも、大気中に拡散しやすくなってしまい、噴射対象への付着率が劣るものになってしまう。
特許文献1には、付着率を向上させつつ、冷感を低減させることを目的に、エアゾール内容物を噴射するノズルについて、孔径を0.4mm以上1.0mm以下、長さを0.3mm以上2.0mm以下とし、ノズルの噴口にノズルの孔径よりも大きな孔径を備える部材を設け、孔径を1.0mm以上3.0mm以下、長さを3.0mm以上20.0mm以下とする、粉末エアゾール用アクチュエーターが開示されている。
特開2000−238867号公報
しかし、特許文献1に記載のアクチュエーターのように、ノズルの内径が、容器外に向かって段階的に拡大する形状のアクチュエーターでは、構造上、噴射範囲が比較的広いアクチュエーターとなる傾向にある。そのため、人体の皮膚等にエアゾール内容物を噴射すると、広く薄くエアゾール内容物を噴射・付着させることができ、サラサラ感を与えやすい一方で、噴射対象外の大気中にエアゾール内容物が拡散しやすく、付着率に劣るものになりやすい。ここで、拡散を防止するために噴射圧を強めすぎると、冷感・刺激感を与えやすく、また、構造上、内径が段階的に拡大していることから、噴射音が増大しやすくなる。
一方で、アクチュエーターのノズルの内径を容器外に向かって段階的に拡大させずに、一様にすると、構造上、噴射範囲が比較的狭いアクチュエーターとなる傾向がある。そのため、人体の皮膚等の対象物にエアゾール内容物を噴射したときに、エアゾール内容物が拡散しにくく、付着率が良好になる一方で、噴射対象にエアゾール内容物が噴射される範囲が狭いために、噴射圧が高くなる傾向があり、冷感や刺激感に加え痛感を与えることもある。
したがって、本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、良好な付着率が得られ、かつ、噴射範囲・噴射圧が調整されて冷感・刺激感が低減され、噴射音も良好に制御された、エアゾール容器用のアクチュエーター、当該アクチュエーターを備えるエアゾールバルブ、及び当該アクチュエーター又は当該エアゾールバルブを備えるエアゾール容器にエアゾール内容物が充填されたエアゾール製品を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、エアゾール容器用のアクチュエーターに、鉛直方向に延在し、鉛直方向下端がバルブステムの鉛直方向上端と連通する連通路と、連通路に水平方向に一端が連通する、内径が一様のノズルと、ノズルの他端に位置する噴口と、を設け、ノズルの孔径及び噴口の孔径を0.8mm以上1.2mm以下とし、ノズルの孔長を4mm以上8mm以下とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1) 本発明の第一の態様は、エアゾール容器用のアクチュエーターであって、鉛直方向に延在し、鉛直方向下端がバルブステムの鉛直方向上端と連通する連通路と、前記連通路に水平方向に一端が連通する、内径が一様のノズルと、前記ノズルの他端に位置する噴口と、を有し、前記ノズルの孔径及び前記噴口の孔径が0.8mm以上1.2mm以下であり、前記ノズルの孔長が4mm以上8mm以下であるアクチュエーターである。
(2) (1)のアクチュエーターは、さらに前記噴口を絞るインサートチップを有し、前記インサートチップのチップ孔の孔径が0.7mm以上1.1mm以下であってもよい。
(3) 本発明の第二の態様は、(1)又は(2)のアクチュエーターを備える、エアゾール容器用のエアゾールバルブであって、バルブステムの側面に少なくとも1つのステム孔を有し、前記ステム孔の孔面積が0.16mm以上0.40mm以下であるエアゾールバルブである。
(4) (3)のエアゾールバルブは、さらに前記バルブステムを配設する筒状のステムハウジングの側面に、少なくとも1つのベーパータップを有し、前記ベーパータップの孔径が0.3mm以上0.9mm以下であり、前記ステムハウジングの鉛直方向下端に位置するアンダータップの孔径が0.5mm以上2.0mm以下であってもよい。
(5) 本発明の第三の態様は、(1)若しくは(2)のアクチュエーター又は(3)若しくは(4)のエアゾールバルブを備えるエアゾール容器にエアゾール内容物が充填されたエアゾール製品であって、前記エアゾール製品は、エアゾール内容物を0.1wt%以上50wt%以下含有していてもよい。
(6) (5)のエアゾール製品は、制汗剤用であってもよい。
本発明の第一の態様である、エアゾール容器用のアクチュエーターは、鉛直方向に延在し、鉛直方向下端がバルブステムの鉛直方向上端と連通する連通路と、連通路に水平方向に一端が連通する、内径が一様のノズルと、ノズルの他端に位置する噴口を有する。これにより、良好な付着率が得られ、噴射音が良好に制御されたアクチュエーターとすることができる。また、本発明のアクチュエーターは、ノズルの孔径及び噴口の孔径が0.8mm以上1.2mm以下であり、ノズルの孔長が4mm以上8mm以下である。これにより、噴射範囲が狭すぎず、噴射圧が強すぎず、冷感・刺激感が低減されたアクチュエーターとすることができる。
また、本発明の第二の態様である、エアゾール容器用のエアゾールバルブは、本発明の第一の態様のエアゾール容器用のアクチュエーターを備え、バルブステムの側面に少なくとも1つのステム孔を有し、ステム孔の孔面積が0.16mm以上0.40mm以下である。これにより、エアゾールバルブに設けられるアクチュエーターのノズル部分に加えて、ステム孔においても、噴射圧を更に調整し、冷感・刺激感がより低減されたエアゾールバルブとすることができる。また、エアゾール容器外に配設されているアクチュエーターにおけるノズル部分だけでなく、エアゾール容器内に配設されるステム孔において、エアゾール内容物の噴射量を調整するため、噴射音がより良好に制御されたエアゾールバルブとすることができる。
また、本発明の第三の態様であるエアゾール製品は、本発明の第一の態様のエアゾール容器又は本発明の第二の態様のエアゾールバルブを備えるエアゾール容器に、エアゾール内容物を、0.1wt%以上50wt%以下含有するエアゾール製品である。これにより、拡散しやすいエアゾール内容物の拡散範囲を、所定のノズルを有するアクチュエーターや所定のバルブステムによって、良好な付着率を得られるエアゾール製品とすることができる。
本発明の第三の態様であるエアゾール製品の斜視図である。 本発明の第一の態様である、エアゾール容器用のアクチュエーターを、図1におけるA−A断面で示す断面図である。 本発明の第二の態様である、エアゾール容器用のエアゾールバルブを、図1におけるA−A断面で示す断面図である。 本発明の第三の態様であるエアゾール製品を、図1におけるA−A断面で示す断面図である。
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたものであって、これらにより本発明を限定するものではない。図1に示すように、通常想定されるエアゾール製品と同様、本発明のエアゾール製品4を平滑な地面に通常想定されるように設置したときの態様において、設置面と水平な方向を水平方向とし、当該水平方向に対して鉛直な方向を鉛直方向とした。そして、図1では、水平方向のうち、エアゾール製品4が有するノズル12、ステム孔212及びベーパータップ242のように、水平方向に孔を備える部材において、当該孔の中心点を通る水平方向中心軸の方向をX軸方向とし、便宜上、当該X軸方向を当該部材同士で統一させて示した。なお、本発明を実施するにあたり、ノズル12、ステム孔212等の中心点を通る水平方向中心軸を統一させてもよいが、統一させなくてもよいことは言うまでもない。また、図1では、X軸方向におけるエアゾール製品4のX軸方向水平断面の中心点を通る垂線である鉛直方向中心軸の方向をY軸方向とした。
[第一の態様]
本発明の第一の態様は、エアゾール容器3用のアクチュエーター1であって、鉛直方向に延在し、鉛直方向下端がバルブステム21の鉛直方向上端と連通する連通路11と、連通路11に水平方向に一端が連通する、内径が一様のノズル12と、ノズル12の他端に位置する噴口13と、を有し、ノズル12の孔径及び噴口13の孔径が0.8mm以上1.2mm以下であり、ノズル12の孔長が4mm以上8mm以下であるアクチュエーター1である。
本発明のアクチュエーター1は、例えば、図1に示すようなエアゾール容器3に用いることができ、エアゾール容器3を作動させて、エアゾール容器3に充填されているエアゾール内容物31を噴射するためのボタンとなる。
〔アクチュエーター〕
本発明のアクチュエーター1は、エアゾール容器3用のアクチュエーター1である。これにより、噴射によって拡散しやすいエアゾール内容物31であっても、後述するノズル12によって、拡散範囲が調整されたアクチュエーター1とすることができる。なお、エアゾール内容物31は、粉体であってもよく、液体であってもよく、又は粉体と液体の混合物でもよい。
本発明のアクチュエーター1は、エアゾール容器3に通常用いられるアクチュエーターの素材であれば、特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
(連通路)
図2に示すように、本発明のアクチュエーター1は、鉛直方向に延在し、鉛直方向の下端がバルブステム21の鉛直方向上端と連通する連通路11を有する。これにより、後述するバルブステム21の導出路211からアクチュエーター1の連通路11に流入するエアゾール内容物31を、エアゾール容器3外に噴射することができる。
連通路11は、の内径形状は特に制限はないが、内径が一様であることが好ましい。また、内径形状は、ストレート孔形状であればよく、例えば、円形状、楕円形状のほか、三角形状、四角形状等の多角形状であってもよく、星形多角柱状、Y字形状、C字形状、I字形状、アスタリスクのような放射線状等であってもよいが、円形状であることが好ましい。
また、連通路11の孔径は、2mm以上5mm以下であることが好ましく、連通路11の鉛直方向の寸法である孔長は、2mm以上12mm以下であることが好ましい。
(ノズル)
図2に示すように、本発明のアクチュエーター1は、連通路11に水平方向に一端が連通する、内径が一様のノズル12と、ノズル12の他端に位置する噴口13と、を有する。これにより、バルブステム21の導出路211から連通路11を経由して流入したエアゾール内容物31を、エアゾール容器3外に噴射することができる。
ノズル12は、内径が一様である。そのため、内径が噴口13に向けて拡大していないため、噴射範囲が広くなりすぎず、付着率が良好なアクチュエーター1とすることができる。また、内径が噴口13に向けて拡大していないため、噴射音を良好に制御しやすいアクチュエーター1とするこができる。
ノズル12の内径形状は、ノズル12と連通路11の連通部分における内径が、噴口13向けて拡大しない、ストレート孔形状であればよく、例えば、円形状、楕円形状のほか、三角形状、四角形状等の多角形状であってもよく、星形多角柱状、Y字形状、C字形状、I字形状、アスタリスクのような放射線状等であってもよいが、円形状であることが好ましい。また、ノズル12の外形は、内径形状が一様であれば、特に制限はなく、ストレート形状、蛇腹形状、波形状等形状であってもよいが、ストレート形状であることが好ましい。
ノズル12の孔径及び噴口13の孔径は、0.8mm以上1.2mm以下であり、0.85mm以上1.1mm以下であることが好ましく、0.9mm以上1.0mm以下であることがより好ましい。また、ノズル12の孔長は、3mm以上10mm以下であり、4mm以上9mm以下であることが好ましく、4.5mm以上8.0mm以下であることがより好ましい。これにより、付着率が良好なアクチュエーター1において、噴射範囲を狭くしすぎないように、また、噴射圧が強すぎないように調整され、低刺激感や噴射音が低減されたアクチュエーター1とすることができる。
ノズル12は、連通路11に水平方向に一端が連通していればよく、連通路11の鉛直方向の上端付近のほか、下端付近で連通していてもよく、後述するバルブステムの嵌合部14とバルブステム21との位置関係によって適宜変更することができる。
(インサートチップ)
本発明のアクチュエーター1は、ノズル12の側面と嵌合するインサートチップ15を有していてもよい。これにより、ノズル12の噴口13を保護しつつ、付着率等を好適に調整することができる。
インサートチップ15は、アクチュエーター1のノズル12の側面と嵌合するように設ければよく、接着させていてもよく、嵌合等できる形状であれば、略中空円状、略中空四角柱状等の形状であってもよい。また、インサートチップ15は、噴口13の孔径と同じ孔径又は噴口13の孔径を絞る孔径のチップ孔を備えていてもよく、噴口13の孔径を絞る場合には、チップ孔は0.7mm以上1.1mm以下であることが好ましい。これにより、ノズル12の孔径及び噴口13の孔径を絞る孔径とすることで、噴射範囲をより狭く、噴射圧をより強くすることができ、付着率をより良好なものとすることができる。
インサートチップ15の材質は、エアゾール容器3用に好適に用いられるものであれば、特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
(嵌合部)
本発明のアクチュエーター1は、図3に示すように、バルブステム21の鉛直方向上端と嵌合する嵌合部14を備える、オス型のエアゾール容器3用のアクチュエーター1であってもよい。なお、後述するバルブステム21をアクチュエーター1の嵌合部14に配設し、メス型のエアゾール容器用のアクチュエーター1に適宜変更してもよい。
[第二の態様]
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様のアクチュエーター1を備える、エアゾール容器3用のエアゾールバルブ2であって、バルブステム21のステム孔212は、少なくとも1つであり、ステム孔212の孔面積が0.16mm以上0.40mm以下であるエアゾールバルブ2である。
〔エアゾールバルブ〕
本発明のエアゾールバルブ2は、例えば、図1に示すようなエアゾール容器3に用いることができる。また、本発明のエアゾールバルブ2は、図3に示すように、少なくとも、バルブステム21、ステムガスケット22、スプリング23、ステムハウジング24、ディップチューブ25、マウンティングカップ26及びマウンティングガスケット27を有していてもよい。また、図3に示すように、エアゾール容器3用のエアゾールバルブ2として、それぞれを好適に配置することができる。
(バルブステム)
本発明のバルブステム21は、鉛直方向上端がアクチュエーター1の連通路11の鉛直方向下端と連通するように設けられることが好ましい。バルブステム21の材質は、エアゾール容器のバルブステムに通常用いられるものであれば好適に用いることができ、例えば、ポリアミド、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
バルブステム21を、後述するマウンティングカップ26の鉛直方向の上端部に設けるカールから突出させ、オス型のエアゾール容器3とした場合の、突出部の鉛直方向の寸法であるステムハイトは、本発明のエアゾールバルブ2に好適に用いられる寸法であればよい。
((導出路))
バルブステム21は、連通路11の鉛直方向下端と連通するように導出路211を有していることが好ましい。導出路211の内径形状は、円形状、楕円形状のほか、例えば、三角柱状、四角柱状等の多角形状であってもよく、星形多角柱状、Y字形状、C字形状、I字形状、アスタリスクのような放射線状等であってもよいが、円形状であることが好ましい。また、連通路11の外形は、内径が一様であれば特に制限はなく、ストレート形状、蛇腹形状、波形状等の孔形状であってもよい。
導出路211の孔径は、1mm以上3mm以下であることが好ましく、1.4mm以上2.5mm以下であることがより好ましい。また、導出路211の孔長は、バルブステム21に好適に用いられる寸法であればよい。
((ステム孔))
バルブステム21は、バルブステム21の側面に少なくとも1つのステム孔212を有していることが好ましく、ステム孔212は、バルブステム21を貫通し連通路11に至る貫通孔であることが好ましい。
ステム孔212は、1つ以上2つ以下であることがより好ましく、1つであることが更に好ましい。ノズルの内径が一様のため、ステム孔の数は少ない方が、より噴射範囲・噴射圧等を調整しやすい。2つ以上設ける場合には、鉛直方向中心軸に対して、それぞれのステム孔212を対称となるように設けてもよく、非対称に設けてもよい。また、ステム孔212は、図3に示すように、ノズル12と水平方向で平行であってもよく、平行でなくてもよい。
また、ステム孔212の孔面積は、0.16mm以上0.40mm以下であることが好ましく、0.2mm以上0.3mm以下であることがより好ましい。これにより、エアゾールバルブ2に設けられるアクチュエーター1のノズル12の部分に加えて、ステム孔212においても、噴射圧を更に調整することで、冷感・刺激感がより低減されたエアゾールバルブとすることができる。また、エアゾール製品4のエアゾール容器3の外に配設されているアクチュエーター1におけるノズル12の部分だけでなく、エアゾール容器3の内に配設されるステム孔212において、エアゾール内容物31の噴射量を調整するため、噴射音がより良好に制御されたエアゾールバルブ2とすることができる。
ステム孔212の内径形状は、ステム孔212の孔面積が上記数値範囲内となるような形状に適宜変更することができ、例えば、円形、楕円形の他、三角形、正方形、長方形等とすることができる。また、ステム孔212の孔径は0.48mm以上0.72mm以下であることが好ましく、0.50mm以上0.60mm以下であることがより好ましい。また、ステム孔212の孔長は、0.1mm以上3mm以下であることが好ましく、0.2mm以上2mm以下であることがより好ましい。なお、ステム孔212の孔面積が、少なくとも連通路11と接する面において上記数値範囲内となっていればよく、内径が一様であってもよく、例えば、バルブステムの内径から外径に向けて拡大していてもよく、また、後述するステムガスケット22の形状等に合わせて、階段状等にしてもよい。
ステム孔212は、バルブステム21の側面を貫通し連通路11に至るように設ければよく、例えば、導出路211の鉛直方向の下端から上端の方向に、0.1mm以上5mm以下となるように、バルブステム21の側面に設けてもよい。
(ステムガスケット)
本発明のエアゾールバルブ2は、エアゾール容器に通常設けるように、ステム孔212をシールするステムガスケット22を設けてもよい。ステムガスケット22は、アクチュエーター1の操作によって、バルブステム21が上下動し、スプリング23が伸縮することで、開弁及び閉弁する。また、後述するマウンティングカップ26のカールと、ステムハウジング24とに挟持され、エアゾール容器3を密封する。
ステムガスケット22は、エアゾール容器に通常用いられるステムガスケットの素材であればよく、例えば、ニトリルゴム、クロロプロレンゴム、ブチルゴム等の合成ゴムや天然ゴム等であればよい。
(スプリング)
本発明のエアゾールバルブ2は、バルブステム21の鉛直方向の下端に、通常のエアゾール容器に設けるように、スプリング23を設けてもよく、バルブステム21の鉛直方向の下端の側面をコイル状に巻くコイルスプリングであってもよい。スプリング23は、バルブステム21を、後述するステムガスケット22に圧着させ、気密性を保持するとともに、押し下げられたバルブステム21を元に復元する。
スプリング23は、エアゾール容器に通常用いられるスプリングの素材であればよく、例えば、ステンレス等の金属や合成樹脂等の弾性体に通常用いられる素材であればよい。また、好適な付勢を与えられるように形成すればよい。また、スプリング23の付勢力等も適宜好適な付勢力となるように調整することができる。
(ステムハウジング)
本発明のエアゾールバルブ2は、エアゾール容器に通常設けるように、バルブステム21の外周に、導入路241を形成するように配設する、円筒状ステムハウジング24を設けてもよい。ステムハウジング24は、ステムハウジング24の鉛直方向の上端においてステムガスケット22によってシールされ、導入路241の鉛直方向の下端においてスプリング23の基板となる。導入路241は、後述するベーパータップ242とアンダータップ243から流入するエアゾール内容物31の流路となる。
ステムハウジング24は、エアゾール容器に通常用いられるステムハウジングの素材であればよく、ポリアセタール、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂等の素材であればよい。
((導入路))
ステムハウジング24は、鉛直方向下端が、後述するアンダータップ243と接続する導入路241を有していることが好ましい。導入路241の孔径は、0.5mm以上4mm以下であることが好ましい。また、導入路241の内径形状は、適宜変更することができ、例えば、円形、楕円形の他、三角形、正方形、長方形等とすることができる。また、導入路241の孔長は、2mm以上30mm以下であることが好ましい。なお、導入路241の内径は一様であってもよく、例えば、バルブステムの内径から外径に向けて拡大していてもよく、また、後述するステムガスケット22の形状等に合わせて、階段状等にしてもよい。
((ベーパータップ))
ステムハウジング24は、ステムハウジング24の側面を貫通し導入路241に至るベーパータップ242を少なくとも1つ以上有していることが好ましい。
ベーパータップ242は、1つ以上2つ以下であることがより好ましく、1つであることが更に好ましい。2つ以上設ける場合には、鉛直方向中心軸に対して、それぞれのベーパータップ242を対称となるように設けてもよく、非対称に設けてもよい。また、ベーパータップ242は、図3に示すように、ノズル12と水平方向で平行であってもよく、平行でなくてもよい。
また、ベーパータップ242の孔径は、0.3mm以上0.9mm以下であることが好ましく、0.4mm以上0.7mm以下であることがより好ましい。これにより、ステム孔212の孔径よりも大きい孔径のベーパータップ242とすることで、エアゾール容器3内に位置するベーパータップ242においても、噴射範囲・噴射圧をより調整し、冷感・刺激感や噴射音をより低減するとともに、噴射音をより良好に制御することができる。
ベーパータップ242の内径形状は、ベーパータップ242の孔径が上記数値範囲内となるような形状に適宜変更することができ、例えば、円形、楕円形の他、三角形、正方形、長方形等とすることができる。なお、ベーパータップ242の孔径が、少なくとも導入路241と接する面において上記数値範囲内となっていればよく、内径が一様であってもよく、例えば、ステムハウジング24の内径から外径に向けて拡大していてもよく、また、階段状等にしてもよい。
ベーパータップ242は、ステムハウジング24の側面を貫通し導入路241に至るように設ければよく、例えば、導入路241の鉛直方向の下端から鉛直方向に、8mm以上14mm以下となるように、ステムハウジング24の側面に設けてもよい。
((アンダータップ))
ステムハウジング24は、鉛直方向の下端に、アンダータップ243を有していることが好ましく、アンダータップ243の孔径は、0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましい。これにより、ノズル12の孔径及び噴口13の孔径よりも大きい孔径のアンダータップ243とすることで、エアゾール容器3内に位置するアンダータップ243においても、噴射範囲・噴射圧をより調整し、冷感・刺激感や噴射音をより低減するとともに、噴射音をより良好に制御することができる。
アンダータップ243の孔長は、0.1mm以上5mm以下であることが好ましい。また、アンダータップ243の内径形状は、アンダータップ243の孔径が上記数値範囲内となるような形状に適宜変更することができ、例えば、円形、楕円形の他、三角形、正方形、長方形等とすることができる。なお、アンダータップ243の内径は、一様であってもよく、例えば、アンダータップ243と導入路241との接続面において、アンダータップ243の孔径が上記数値範囲内であれば、鉛直方向下端から上端に向けて拡大していても、縮小していてもよい。
(ディップチューブ)
本発明のエアゾールバルブ2は、ステムガスケット22のアンダータップ243部分の側面を覆うか、又はアンダータップ243に差し込むディップチューブ25を設けていてもよい。
(マウンティングカップ)
本発明のエアゾールバルブ2は、バルブステム21、ステムガスケット22、スプリング23及びステムハウジング24を組み込むマウンティングカップ26を設けてもよい。マウンティングカップ26は、エアゾール容器3の蓋となる。マウンティングカップ26は、エアゾール容器に通常用いられる素材であればよく、アルミニウム、ステンレススチール等であってもよく、更に樹脂コーティングされていてもよい。
(マウンティングガスケット)
本発明のエアゾールバルブ2は、マウンティングカップ26とエアゾール容器3との接合部にマウンティングガスケット27を設けてもよい。マウンティングガスケット27は、エアゾール容器3に充填されたエアゾール内容物31をシールする。マウンティングガスケット27は、エアゾール容器のマウンティングガスケットに通常用いられる素材であればよく、例えば、ニトリルゴム、クロロプロレンゴム、ブチルゴム等の合成ゴムや天然ゴム等や、オレフィン系エラストマーやポリエチレン等の合成樹脂等であればよい。
[第三の態様]
本発明の第三の態様は、図4に示すように、本発明の第一の態様を備えるアクチュエーター1又は本発明の第二の態様を備えるエアゾールバルブ2を備えるエアゾール容器3にエアゾール内容物31が充填されたエアゾール製品4である。これにより、拡散しやすいエアゾール内容物31を、上述したような所定のノズル12を有するアクチュエーター1や、上述したような所定のバルブステム21によって、良好な噴射範囲に調整し、付着率を良好なものとすることができる。
エアゾール製品4の用途は特に制限はなく、医薬品、医薬部外品、化粧品、害虫駆除剤等として用いることができ、具体的には、化粧料、制汗剤、防臭剤、育毛剤、昆虫忌避剤、室内消臭剤、衣類消臭剤等が挙げられるが、制汗剤用であることが好ましい。
エアゾール製品4は、本発明の第一の態様を備えるアクチュエーター1又は本発明の第二の態様を備えるエアゾールバルブ2を備えるエアゾール容器3に、エアゾール内容物31が充填される。エアゾール製品4は、エアゾール内容物31を0.1wt%以上50wt%以下含有していることが好ましく、4wt%以上35wt%以下含有していることがより好ましい。これにより、大気中に拡散しやすい粉体であっても、噴射範囲を調整しやすく、付着率をより良好なものとすることができる。なお、エアゾール内容物31は、粉体であってもよく、液体であってもよく、又は粉体と液体の混合物でもよい。
エアゾール容器に充填されるエアゾール内容物31は、特に制限はなく、例えば、制汗剤、ヘアセットスプレー、ヘアトリートメントスプレー、ヘアカラースプレー、コールドスプレー、ボディースプレー、筋肉消炎剤、水虫薬、傷薬、防曇剤、除菌・消臭剤、帯電防止剤等におけるエアゾール内容物31であってもよく、制汗剤用であることが好ましい。
制汗剤のエアゾール内容物31とする場合、制汗成分や抗菌剤としては、例えば、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、アラントインクロロヒドロキシアルミニウム等のアルミニウム塩、パラフェノールスルホン酸亜鉛、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、3,4,4−トリクロロカルバニリド(T.C.C)、トリエチルシトレート(T.E.C)、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、レゾルシン、フェノール、ソルビン酸、サリチル酸、ヘキサクロロフェン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、銀担持ゼオライト、銀担持シリカ、β−グリチルレチン酸等が挙げられる。そして、消臭成分としては、酸化亜鉛等の金属酸化物、アルキルジエタノールアミド、ヒドロキシアパタイト、茶抽出物等の植物エキス、香料、酸化防止剤等が挙げられる。皮膚が比較的薄い腋窩に対して噴射す場合には、噴射圧をより調整し冷感や刺激感を調整する必要がある。また、顔面に近い箇所に対して噴射する場合には、噴射範囲をより調整して、冷感や刺激感を低減させる必要がある。本発明のエアゾール製品4であれば、エアゾール内容物31として、制汗剤を充填した場合であっても、冷感や刺激感が良好に低減させることができうる。
また、エアゾール製品4は、さらに、噴射剤を含有していることが好ましく、50wt%以上99.9wt%以下含有していることがより好ましい。
噴射剤は、液化石油ガス(LPG)、炭酸ガス、窒素ガス、ジメチルエーテル及びフロン類ガス等が挙げられ、液化石油ガスが好ましい。また、液化石油ガスとしては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン及びこれらの混合物が挙げられる。
エアゾール内容物31は、粉体や液体を分散させるためや各剤の有効成分を溶解させるため、媒体を含有するのが好ましい。媒体としては、特に限定されず、水、非水系媒体及びこれらの混合物が挙げられる。当該非水系媒体は水以外の媒体であり、非水系媒体としては、低級アルコール、グリコール、シリコーン油、炭化水素、脂肪族アルコール、冷感剤、界面活性剤、油脂、脂肪酸エステル、ポリマー等が挙げられる。これらを1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
低級アルコールとしては、エチルアルコールが挙げられ、グリコールとしては1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。これらを1種又は2種以上使用することができる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン混合物等が挙げられる。これらを1種又は2種以上使用することができる。
炭化水素としては、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン、イソヘキサデカン、イソドデカン、スクワラン、スクワレン、ワセリン、軽質流動イソパラフィン、流動パラフィン等が挙げられる。これらを1種又は2種以上使用することができる。
脂肪族アルコールは、炭素数6〜26、好ましくは14〜20の脂肪族アルコールであって、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノ−ル等が挙げられる。これらを1種又は2種以上使用することができる。
冷感剤としては、メントール;メンチルグリセリルエーテル、メンチルラクテートカンファー等のメントール誘導体;ユーカリ油等が挙げられる。これらを1種又は2種以上使用することができる。
油脂としては、アボガド油、オリーブ油、ゴマ油、サンフラワー油、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ油、綿実油、カカオ油、パーム油、ヤシ油等が挙げられる。これらを1種又は2種以上使用することができる。
脂肪酸エステルとしては、アジピン酸ジイソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソオクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。これらを1種又は2種以上使用することができる。
ポリマーとしては、寒天、カラギーナン、キサンタンガム、セルロース、カチオン化グアーガム等の天然物由来高分子や、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、アクリル酸アルキル共重合体等の合成高分子等が挙げられる。これらを1種又は2種以上使用することができる。
上記非水系媒体のうち、好ましくは、エタノール、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、スクワラン、スクワレン、オクチルドデカノ−ル、イソステアリルアルコール、メントール、メントール誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエーテル変性シリコーン、ホホバ油、ヒマワリ油、アボガド油、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。これらを1種又は2種以上使用することができる。
エアゾール内容物31は、上記媒体を0.1wt%以上50wt%以下含有することが好ましい。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、以下に説明するアクチュエーター、バルブステム、エアゾール容器、エアゾール内容物である原液及び噴射剤を備えたエアゾール製品を用意し、付着率、冷たさ、噴射音及びボタン着火について評価を行った。
実施例1のエアゾール製品のアクチュエーターについて、孔径が一様であるノズルの直径(孔径)を0.90mm、ノズルの長さ(孔長)を7.00mm、噴口の直径(孔径)を0.90mmとした。また、実施例1のエアゾール製品のバルブステムについて、孔径が一様であるステム孔の直径(孔径)を0.51mm、ステム孔を1個、ステム孔面積を0.20mm、ハウジングの流入口(アンダータップ)の直径(孔径)を1.27mm、ベーパータップの直径(孔径)を0.64mmとした。また、エアゾール容器に充填される、エアゾール内容物である原液の処方を表1に示す処方例1とし、原液と噴射剤を混合したエアゾール内容物全体の処方も、表1に示した。
Figure 0006931541
〔付着率〕
実施例1のエアゾール製品について、以下の条件で付着率を測定した。なお、付着率については、70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましい。
まず、エアゾール製品本体との離間距離15cmの位置に、10cm×10cmの正方形状の人工皮革により形成した測定用パネルを配置した。そして、この測定用パネルに向かって、噴射装置であるエアゾール製品からエアゾール内容物を1秒間噴射した。そして、この噴射の完了から120秒後に上記測定用パネルに付着しているエアゾール内容物の重量を、噴射されたエアゾール内容物(噴射剤を除く。)の総重量で割った値を100分率で示したものを、付着率として評価した。
〔冷たさの官能評価〕
実施例1のエアゾール製品について、以下の条件で冷たさについての官能評価を測定した。一方の前腕内側へ10cm離した位置から1秒間噴霧した時の冷たさを3名のパネラーにより、冷たすぎるか否かで評価を行った。冷たすぎると回答したものが0名の場合には「3」の評価を、冷たすぎると回答したものが1名以上2名以下場合には「2」の評価を、冷たすぎると回答したものが3名の場合には「1」の評価とした。
〔噴射音〕
実施例1のエアゾール製品について、以下の条件で噴射音を測定した。なお、噴射音については、80db以下であることが好ましく、78db以下であることがより好ましい。
エアゾール製品からエアゾール内容物を5秒間噴射させ、エアゾール製品本体との離間距離3cmの位置に配置した騒音計(METERICS社製、SMART SENSOR AS824)の音検知部によって測定される音圧レベルの最大値を噴射音の音圧レベルとして評価した。
〔ボタン着火〕
実施例1のエアゾール製品について、以下の条件でボタン着火について測定した。ガスバーナーから15cm離れた所からバーナーの火に向かってエアゾール容器からエアゾール内容物を噴射し、火がボタンに及ばないか確認し、火がボタンに及んだ場合を「ボタン着火有」、火がボタンに及ばなかった場合を「ボタン着火無」と評価した。
実施例1のエアゾール製品の構成及び測定結果については、表2にまとめた。
Figure 0006931541
[実施例2から実施例4]
実施例1のエアゾール製品について、アクチュエーターにおけるノズル直径とノズルの長さと噴口直径を変更したものが実施例2、さらにインサートチップを設けたものが実施例3及び実施例4である。その他の構成、エアゾール内容物については、実施例1と同様とし、付着率、冷たさ、噴射音及びボタン着火について評価を行い、それらを表1にまとめた。
[実施例5から実施例11]
実施例5から実施例11のエアゾール製品は、エアゾール製品の構成を実施例1と同様とし、エアゾール内容物をそれぞれ表3に示す処方とし、冷たさ、噴射音及びボタン着火について評価を行った。それらをまとめたものが表3である。
Figure 0006931541
[比較例1から比較例6]
比較例1から比較例3のエアゾール製品は、実施例1のエアゾール製品について、アクチュエーターにおけるノズル直径とノズルの長さと噴口直径を変更したものであり、比較例3ではさらにインサートチップを設けた。比較例4から6のエアゾール製品は、実施例1のエアゾール製品について、バルブステムのステム孔直径、ステム孔数、ステム孔面積又はアンダータップ直径を変更したものであり、比較例5ではさらにアクチュエーターのノズル直径と長さについても変更した。そして、実施例1と同様とし、付着率、冷たさ、噴射音及びボタン着火について評価を行い、各構成と結果を表1にまとめた。
表2の実施例1及び実施例2に示すように、ノズルの内径を一様とすることで、付着率が良好であり、噴射音が良好に制御されたアクチュエーターを備えるエアゾール製品とすることができた。また、ノズルの孔径及び噴口の孔径を0.8mm以上1.2mm以下とし、ノズルの孔長を4mm以上8mm以下とすることで、良好な付着率のまま、噴射範囲が狭すぎず、噴射圧が強すぎず、冷感・刺激感が低減されたアクチュエーターを備えるエアゾール製品とすることができた。一方で、ノズルの内径が一様ではあるものの、ノズルの孔長が8mmを超えるアクチュエーターである比較例1のエアゾール製品では、ボタン着火がおきる結果となった。また、ノズルの内径が噴口にむけて拡大するアクチュエーターである比較例2のエアゾール製品では、付着率と噴射音が、実施例1及び実施例2のエアゾール製品におけるものよりも劣る結果となった。
表2の実施例3及び実施例4に示すように、ノズルの内径を一様としつつ、インサートチップのチップ孔により噴口を絞ることで、ノズルの噴口を保護しつつ、付着率、噴射音、冷感が良好なアクチュエーターを備えるエアゾール製品とすることができた。一方で、インサートチップのチップ孔によって、噴口を0.51mmに絞ったアクチュエーターである比較例3のエアゾール製品は、噴口が絞られ過ぎた結果、付着率が劣るだけでなく、冷感の官能評価も劣るものとなった。
また、実施例1から4のバルブステムに対して、ステム孔直径とアンダータップ直径を変更したバルブステムである比較例4のエアゾール製品では、ステム孔の直径がノズル及び噴口の直径に対して小さすぎるため、エアゾール内容物の噴霧量が少なくなり過ぎ、付着率が劣るものとなった。また、ステム孔直径は実施例1から変えずにステム孔を2つ設けたバルブステムであり、比較例2のアクチュエーターである比較例5のエアゾール製品では、付着率だけでなく、噴射音も比較例2と比べて劣るものとなった。また、ステム孔直径とアンダータップ直径を、比較例4から実施例1のものと同様とし、ステム孔を2つ設け、比較例4のアクチュエーターである比較例6のエアゾール製品は、比較例4に比べて、噴射量が多くなったため付着率が向上したが、噴射音が劣り、冷感の官能評価も冷たすぎるものとなった。
また、実施例5から実施例8のエアゾール製品では、実施例1と同様、噴射剤に液化石油ガスに加えて、イソペンタンを配合した。ただし、イソペンタンの配合量を実施例1、実施例5から7に比べて少なくした実施例8から9のエアゾール製品では、エアゾール内容物の粉体と液体の混合状態が良好であったため、付着率が良好なものとなった。さらに、実施例9、10のエアゾール製品では、セリサイトやセルロースも配合する処方としたが付着率が良好なものとなった。また、実施例11のエアゾール製品では、原液にエタノール等を配合する処方としたが、付着率が良好なものとなった。さらに、実施例12では、原液にエタノールを82.35重量%配合し、エアゾール内容物を液体とする処方であっても、付着率、冷たさ、噴射音が良好なものとなった。
1 アクチュエーター
11 連通路
12 ノズル
13 噴口
14 嵌合部
15 インサートチップ
2 エアゾールバルブ
21 バルブステム
211 導出路
212 ステム孔
22 ステムガスケット
23 スプリング
24 ステムハウジング
241 導入路
242 ベーパータップ
243 アンダータップ
25 ディップチューブ
26 マウンティングカップ
27 マウンティングガスケット
3 エアゾール容器
31 エアゾール内容物
4 エアゾール製品

Claims (5)

  1. エアゾール容器用のエアゾールバルブであって、
    エアゾール容器用のアクチュエーターを備え、
    前記アクチュエーターは、
    鉛直方向に延在し、鉛直方向下端がバルブステムの鉛直方向上端と連通する連通路と、
    前記連通路に水平方向に一端が連通する、内径が一様のノズルと、
    前記ノズルの他端に位置する噴口と、を有し、
    前記ノズルの孔径及び前記噴口の孔径が0.8mm以上1.2mm以下であり、
    前記ノズルの孔長が4mm以上8mm以下であり、
    前記バルブステムのステム孔は、少なくとも1つであり、
    さらに、前記バルブステムを配設する筒状のステムハウジングの側面に、1つ又は2つのベーパータップと、
    前記ステムハウジングの鉛直方向下端に位置するアンダータップと、を有し、
    前記ベーパータップの孔径が0.64mm以上0.9mm以下であり、
    前記アンダータップの孔径が1.27mm以上2.0mm以下である、エアゾールバルブ
  2. 前記アクチュエーターは、さらに、前記噴口を絞るインサートチップを有し、
    前記インサートチップのチップ孔の孔径が0.7mm以上1.1mm以下である、請求項1に記載のエアゾールバルブ
  3. 記ステム孔の孔面積が0.16mm以上0.40mm以下であ
    請求項1又は請求項2に記載のアクチュエーターを備えるエアゾールバルブ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のエアゾールバルブを備えるエアゾール容器にエアゾール内容物が充填されたエアゾール製品であって、
    前記エアゾール製品は、エアゾール内容物を0.1mass%以上50mass%以下含有するエアゾール製品。
  5. 制汗剤用である、請求項に記載のエアゾール製品。
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