JP7351045B2 - 内容物噴射操作ボタンおよびこの内容物噴射操作ボタンを備えたエアゾール式製品 - Google Patents

Description

本発明は、ステムの下流側空間域に配設された中子の長手方向外回り部分の内容物噴射口までにわたる環状隙間空間域と、この環状隙間空間域の内容物噴射口側に設定された環状ノズルと、からなる環直線状の内容物通路部を持つ内容物噴射操作ボタンに関する。

特に、内容物通路部を、中子との間の内容物通過断面積が大きくて内容物の流勢を弱める上流側環直線状横通路部と、その下流側で中子との間の内容物通過断面積が内容物流れ方向に小さくなって噴射口にいたる下流側環直線状横通路部と、で構成している。

また、噴射口側の環状ノズルの内周面前端側部分に、中子との間の内容物噴射口から外部空間域に噴射される内容物の流れ方向を環状内側に設定するための噴射方向規制部を設けている。

また、中子外周面に環状ノズル内周面が当接するのを阻止して両者間の環状隙間空間域が部分的にも閉塞されないようにし、さらには中子を中空形状態様で設定している。

本発明は、内容物噴射操作ボタンにこのような環状隙間空間域および環状ノズルからなり内容物通過断面積が変化する環直線状の内容物通路部を備え、また、この環状ノズルに噴射方向規制部を設けることなどにより、後述するように、
・内容物の均一な噴霧化
・噴射対象部への内容物の高付着率化
・内容物噴射時の消音化
・使用樹脂量の軽減化
などを図っている。

本明細書では、中子ならびにその外回り部分の環状隙間空間域および環状ノズルそれぞれの長手方向を前後方向（横方向）とし、内容物流出側を「前」，それとは反対の内容物流入側を「後」と記す。すなわち、図１，図２，図４，図６および図７の左側を「前」、右側を「後」とする。

従来、ステムの下流側空間域に配設された中子の長手方向外回り部分に、噴射口までの内容物通路部としての環状隙間空間域を設けた内容物噴射操作ボタンはすでに提案されている（特許文献１参照）。

ただ、この内容物噴射操作ボタンの場合、
(11)ステム側から流入する内容物を環直線状通路部の自上流側部分で弱い流勢状態にしてから外部空間域に噴射する、
(12)環状隙間空間域の環状ノズル噴射口側で、外部空間域や患部などの略環状の噴射対象部の外側方向への内容物拡散を少しでも阻止する、
(13)中子を中空形状にする、
などについての考察がされていない。

特開２００７－３３０８６１号公報

本発明は、上記(11)～(13)などの点について考慮したものである。

すなわち、内容物通路部を、内容物の流勢を弱める上流側環直線状横通路部と、中子との間の内容物通過断面積が内容物流れ方向に小さくなって噴射口にいたる下流側環直線状横通路部と、で構成し、
中子との間の内容物噴射口から外部空間域に噴射される内容物の流れ方向を環状内側に設定するための噴射方向規制部を、環状ノズルに設け、
環状ノズルに中子外周面との当接を阻止する離間設定部を形成するなどして、
内容物の均一な噴霧化、噴射対象部（外部空間域，患部など）への内容物の高付着率化や、上述の内容物噴射時の消音化を図ることを目的とする。

また、中子を中空形状のプラスチック製のものに設定して、使用樹脂量の軽減化を図ることを目的とする。

本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
（１）弁作用を呈する内容物噴射作動用のステム（例えば後述のステム５）の下流噴射側空間域に内容物の流れ方向の形で配設された中子（例えば後述の中子１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｇ）およびこの中子の外回り部分に前記内容物の噴射口（例えば後述の噴射口Ａ）まで設定された内容物通路用かつ直線状の環状隙間、ならびにこの環状隙間の噴射口側に設定された常時開状態の環状ノズル（例えば後述の環状ノズル２）からなるエアゾール用の内容物噴射操作ボタンにおいて、
前記環状ノズルおよび前記環状隙間により環直線状の内容物通路部（例えば後述の上流側環直線状横通路部Ｂ＋下流側環直線状横通路部Ｃ）が画定され、
前記環直線状の内容物通路部は、
前記中子との間の内容物通過断面積が大きくて内容物の流勢を弱める上流側環状横通路部と、その下流側で前記中子との間の内容物通過断面積が前記上流側環状横通路部よりも前記流れ方向に小さくなって前記噴射口にいたる下流側環状横通路部とを有し、
前記環状ノズルは、
自内周面の前端部分と前記中子の外周面との当接を阻止するための離間設定部（例えば後述の離間設定凸状部２ｅ）を、内周面の前端部分に備えた、
構成態様のものを用いる。
（２）上記（１）において、
前記環状ノズルは、
前記下流側環状横通路部を構成し、その内周面の径が前記噴射口のほうで小さくなる前端側狭まりの内テーパ面（例えば後述の環状テーパ面２ａ）態様により設定された、
構成態様のものを用いる。
（３）弁作用を呈する内容物噴射作動用のステム（例えば後述のステム５）の下流噴射側空間域に内容物の流れ方向の形で配設された中子（例えば後述の中子１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｇ）およびこの中子の外回り部分に前記内容物の噴射口（例えば後述の噴射口Ａ）まで設定された内容物通路用かつ直線状の環状隙間、ならびにこの環状隙間の噴射口側に設定された常時開状態の環状ノズル（例えば後述の環状ノズル２）からなるエアゾール用の内容物噴射操作ボタンにおいて、
前記環状ノズルおよび前記環状隙間により環直線状の内容物通路部（例えば後述の上流側環直線状横通路部Ｂ＋下流側環直線状横通路部Ｃ）が画定され、
前記環状ノズルは、
前記中子との間の前記噴射口から外部空間域に噴射される内容物の流れ方向を環状内側に設定するための噴射方向規制部（例えば後述の前端円周状内面２ｂ）を、内周面前端側部分に備え、かつ自内周面の前端部分と前記中子の外周面との当接を阻止するための離間設定部（例えば後述の離間設定凸状部２ｅ）を、内周面の前端部分に備えた、
構成態様のものを用いる。
（４）上記（１），（２）において、
前記環状ノズルは、
前記中子との間の前記噴射口から外部空間域に噴射される内容物の流れ方向を環状内側に設定するための噴射方向規制部を、内周面前端側部分に備えた、
構成態様のものを用いる。
（５）上記（１）～（４）において、
前記中子（例えば後述の中子１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｇ）は、
中空形状のプラスチック製要素である、
構成態様のものを用いる。

このような構成からなる内容物噴射操作ボタンおよびこの内容物噴射操作ボタンを備えたエアゾール式製品を発明の対象としている。

本発明は、以上の構成をとることにより、後述の(41)～(47)などで述べるように、
(21)内容物の均一な噴霧化を図り、
(22)噴射対象部への内容物の高付着率化を図り、
(23)内容物噴射時の消音化を図り、
(24)使用樹脂量の軽減化を図る、
ことなどができる。

中実円柱形状の中子からなる噴射操作ボタン（ボタン本体部＋環状ノズル）の縦断面を示す説明図である。 図１の環状噴射口（環状隙間）の部分を拡大した状態を示す説明図である。 図１の正面視を示す説明図である。なお、この正面視は図１，図２で示す噴射操作ボタンをその前方からみたときの形状である。 前開口・縦円断面で鞘形状の中子からなる噴射操作ボタンの縦断面を示す説明図である。 図４（および図６，図７）の正面視を示す説明図である。なお、この正面視は図４，図６，図７で示す噴射操作ボタンをそれぞれの前方からみたときの形状である。 第一の円筒形状の中子からなる噴射操作ボタンの縦断面を示す説明図である。 第二の円筒形状の中子からなる噴射操作ボタンの縦断面を示す説明図である。 図７の噴射操作ボタンにおける、内容物噴射パターンの検証例を示す説明図である。

図１～図８を用いて本発明の実施形態を説明する。

図１～図３はその外回り部分に内容物通過用の環直線状空間域を設定するための中子を中実の円柱形状とした内容物噴射操作ボタンを示し、図４～図７はこの中子を中空の鞘形状や円筒形状とした内容物噴射操作ボタンを示している。

本明細書で用いるアルファベット付き参照番号の構成要素（例えば筒状縦通路部１ａ）は原則として、この参照番号の数字部分の構成要素（例えばボタン本体部１）の一部であることを示している。

図１～図７において、
Ａは外部空間域へ内容物が噴射される環状隙間態様の噴射口，
Ｂは内容物通過断面積が大きくて内容物の流勢を弱める上流側環直線状横通路部，
Ｃは内容物通過断面積が内容物流れ方向に小さくなって噴射口Ａにいたる下流側環直線状横通路部，
φ１は中子前端面の外径，
φ２は環状ノズル前端面の内径（＞φ１），
θは環状テーパ面の中子長手方向に対する傾き，
Ｌは環状テーパ面の前後方向長さ，
をそれぞれ示している。
噴射口Ａの環状隙間の径方向長さは（φ２－φ１）／２となる。

また、
１は容器本体内容物の噴射操作ボタンを構成するボタン本体部，
１ａはボタン本体部１に形成されて周知の弁作用を呈する後述のステム５と連通する内容物通過用の筒状縦通路部，
１ｂは筒状縦通路部１ａの流出部分と連通する環直線状で内容物通過用の環状横通路部，
１ｃは自外周りに環状横通路部１ｂを形成する中実円柱形状の中子（図１～図３参照），
１ｄは自外周りに環状横通路部１ｂを形成する前開口・縦円断面で鞘形状の中子（図４，図５参照），
１ｅは自外周りに環状横通路部１ｂを形成する第一の円筒形状の中子（図６参照），
１ｆは中子１ｅの後端開口部から下直線方向に連通する態様で形成された外気通過用の縦通路域，
１ｇは外周りに環状横通路部１ｂを形成する第二の円筒形状の中子（図７参照），
１ｈは中子１ｇの後端開口部から後直線方向に連通する態様で形成された外気通過用の横通路域，
１ｊは環状横通路部１ｂの外方内周面に形成されて、その開口側から取り付けられる環状ノズル２の後端環状面２ｃを受けて係合する環状段部，
１ｋは環状横通路部１ｂの外方内周面における環状段部１ｊより前側部分に形成されて、環状ノズル２の環状凸部２ｄと係合する環状凹部，
１ｍは噴射操作時の押下げ対象となる天面，
をそれぞれ示している。

また、
２は環状横通路部１ｂの前端側部分（開口部側）に取り付けられてボタン本体部１とともに噴射操作ボタンを構成し、中子１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｇの前端環状部分それぞれとの間に、環状の内容物噴射口Ａを画定する環状ノズル，
２ａは環状ノズル２の内周斜面全体であって、中子１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｇそれぞれの外周面との間の縦方向環状断面積が噴射口側ほど小さくなる前狭まり態様の環状テーパ面，
２ｂは環状テーパ面２ａに続く内周面前端部分に、中子１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｇそれぞれの前端面よりも前側に飛び出る図示水平方向の態様で形成されて、外部空間域への噴射内容物の流れ方向を環状内側にいわば規制する噴射方向規制部としての前端円周状内面，
２ｃはボタン本体部１の環状段部１ｊと係合する後端環状面，
２ｄはボタン本体部１の環状凹部１ｋと係合する環状凸部，
２ｅは環状ノズル内周面の前端部分に周方向の等間隔態様で形成されて、これ以外の内周面と中子１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｇの外周面との当接を阻止し、これら周面双方を離して中子外回りの環状前後方向の通路部を確保するための例えば計三個で四角柱形状の離間設定凸状部，
をそれぞれ示している。

また、
３は後述の内容物および噴射用ガスを収納したエアゾール式製品の周知の容器本体，
４は容器本体３の開口端の巻締め部分に取り付けられた周知のマウンティングカップ，
５はその上端側部分がマウンティングカップ４の中央開口部から上方に突出して筒状縦通路部１ａとの係合態様で設定され、上方への付勢力に抗して押し下げることにより周知のバルブ作用を呈するステム，
をそれぞれ示している。

ここで、ボタン本体部１および環状ノズル２はプラスチック製のもので、例えばポリプロピレン，ポリエチレン，ポリアセタール，ナイロン，ポリブチレンテレフタレートなどからなる。

容器本体３，ステム５は例えばプラスチック製，金属製のものである。また、マウンティングカップ４は例えば金属製のものである。

図示の内容物噴射操作ボタンの基本的特徴は、
(31)ボタン本体部１の環状横通路部１ｂの噴射口Ａ側に、環状ノズル２を、その環状テーパ面２ａが中子１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｇそれぞれの外周面と対向する形で設定し、
(32)この「環状横通路部１ｂ＋環状ノズル２」の状態で噴射口Ａにいたる上流側環直線状横通路部Ｂおよび下流側環直線状横通路部Ｃを画定し、
(33)中子１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｇそれぞれの前端面を環状ノズル前端面よりも後退させて、
(34)中子前端面外回りの環状ノズル２の内周面前端側部分に、この環状ノズル内周面と中子１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｇそれぞれの外周面との当接を阻止する離間設定凸状部２ｅを形成し、
(35)プラスチック製のボタン本体部１にいわば中空態様の中子１ｄ，１ｅ，１ｇを形成した、
ことなどである。

なお、環状ノズル２の前端円周状内面２ｂの前後方向の幅（長さ）は約０．５ｍｍであり、上記(33)における図示対応の後退長さは約０．３ｍｍである。

ここで
(41)上流側環直線状横通路部Ｂは、中子との間の内容物通過断面積が大きくてステム５からの流入内容物の流勢を弱め、下流側環直線状横通路部Ｃは、環状テーパ面２ａと中子外周面との間に内容物通過断面積が連続的に減少する態様で設けられ、中子外周面に対する離間設定凸状部２ｅの当接作用でそれ以外の環状隙間通路部が確実に設定される。これにより流入内容物の乱流状態を抑えて噴射口Ａからの略安定・均一な内容物噴射が担保される。
(42)また、噴射口Ａを環状とすることにより、従来の丸穴形状の噴射口と比較して同じ噴射量でも噴射の流勢が低減し、内容物が噴射対象部に付着しないまま噴射用ガスの流勢により拡散されることを防止して、噴射対象部への内容物付着率が向上する。
(43)また、噴射口Ａを環状に大きくして噴射流勢を低減したことで噴射音が低減できるほか、環状テーパ面２ａを用いて噴射口Ａに至る内容物通過断面積を連続的にいわばリニアに小さくしたことでも、乱流などによる圧力変動がおさえられて内容物が気化しにくく、気化内容物の噴射口通過音を低減できる。
(44)また、下流側環直線状横通路部Ｃを通過する内容物の流れ方向が、環状テーパ面２ａの案内作用で噴射口Ａに近づくほど内側に変位し、これにより噴射口Ａからの噴射内容物が環状内側領域へ噴射されやすく、この噴射内容物の環状外方への拡散が抑止される（図８参照）。
(45)また、この噴射内容物の外方拡散抑止作用は、環状ノズル２の前端内周面部分に前端円周状内面２ｂを形成することにより、これが噴射内容物に対する周回外壁となってさらに効果的なものとなる。なお、環状テーパ面２ａに加えて前端円周状内面２ｂを設けるかどうかは任意である。
(46)このように図示の内容物噴射操作ボタンは、内容物の均一な噴霧化、噴射対象部への内容物の高付着率化や内容物噴射時の消音化が担保される。
(47)また、プラスチック製のボタン本体部１にいわば中空態様の中子１ｄ，１ｅ，１ｇを形成し、これによりボタン本体部作成の使用樹脂量軽減化が担保される。

図１～図７の内容物噴射操作ボタンは図示のようにステム５に取り付けた状態で使用される。

利用者などが内容物噴射操作ボタンの天面１ｍを押し下げると、この操作用ボタン全体およびこれと一体のステムが下方に移動する。

ステム５の下方への移動動にともない、ステムおよびステムガスケットの周知の弁作用部がそれまでの閉状態から開状態に移行して、容器本体３の内容物が噴射用ガスの作用でステム５から筒状縦通路部１ａへ流入する。

筒状縦通路部１ａに流入した内容物は、「上流側環直線状横通路部Ｂ－下流側環直線状横通路部Ｃ－環状の噴射口Ａ」の流れにより外部空間域へと噴射される。

図８の内容物噴射パターンは、
φ１（中子前端面の外径）：６．５ｍｍ
φ２（環状ノズル前端面の内径：７．０ｍｍ
θ（環状テーパ面の中子長手方向に対する傾き）：１５度
Ｌ（環状テーパ面の前後方向長さ）：６．３ｍｍ
内容物および噴射用ガス：エチルアルコールを0.5％加えたＬＰＧ
噴射時間：１秒
噴射距離：２０ｍｍ
における検証例である。

図示の検証パターンは感熱紙に内容物を噴射したときの観測例であり、図示点線内の部分が噴射パターンそのものとなっている。点線内から下方に延びている部分は噴射内容物が下方にいわば垂れた部分であり、これは噴射パターンそのものではない。

すなわち、図示点線内の噴射パターン自体からは内容物が略ムラなく噴射されていることを確認でき、上記(21)，(22)などの効果がうかがえる。

本発明が以上の実施形態に限定されないことは勿論であり、
(51)環状テーパ面２ａに代えて前狭まり態様の段部を任意の個数設定する、
(52)噴射口Ａの隙間縦断面形状を円以外の楕円，多角形などの各種形状に設定する、
(53)離間設定凸状部２ｅを任意の個数設定する、
(54)押下げタイプ以外の、傾動タイプやトリガレバーなどの各種ボタンタイプの操作部に対応した内容物噴射通路部に適用する、
ようにしてもよい。

本発明が適用される製品としては、洗浄剤，清掃剤，制汗剤，冷却剤，筋肉消炎剤，ヘアスタイリング剤，ヘアトリートメント剤，染毛剤，育毛剤，化粧品，シェービングフォーム，食品，栄養補助食品（ビタミンなど）医薬品，医薬部外品，塗料，園芸用剤，忌避剤（殺虫剤），クリーナー，消臭剤，洗濯のり，ウレタンフォーム，消火器，接着剤，潤滑剤などの各種用途のものがある。

容器本体に収納する内容物は、液状，クリーム状，ゲル状など種々の形態のものを用いることができ、内容物に配合される成分としては例えば、粉状物，油成分，アルコール類，界面活性剤，高分子化合物，各用途に応じた有効成分，水などが挙げられる。

粉状物としては、金属塩類粉末，無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク，カオリン，アルミニウムヒドロキシクロライド（アルミ塩），アルギン酸カルシウム，金粉，銀粉，雲母，炭酸塩，硫酸バリウム，セルロースおよびこれらの混合物などを用いる。

油成分としては、シリコーン油，パーム油，ユーカリ油，ツバキ油，オリーブ油，ホホバ油，パラフィン油，ミリスチン酸，パルミチン酸，ステアリン酸，リノール酸，リノレン酸などを用いる。

アルコール類としては、エタノールなどの１価の低級アルコール，ラウリルアルコールなどの１価の高級アルコール，エチレングリコール，グリセリン，1,3－ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。

界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。

高分子化合物としては、メチルセルロース，ゼラチン，デンプン，カゼイン，ヒドロキシエチルセルロース，キサンタンガム，カルボキシビニルポリマーなどを用いる。

各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル，インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム，クレゾールなどの除菌剤、ピレスロイド，ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル，メントールなどの清涼剤、エフェドリン，アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース，アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂，ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン，アミノフェノールなどの染料，リン酸二水素アンモニウム，炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。

さらに、上記内容物以外の、懸濁剤，紫外線吸収剤，乳化剤，保湿剤，酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。

エアゾール式製品における噴射用ガス（噴射剤）としては、炭酸ガス，窒素ガス，圧縮空気，酸素ガス，希ガス，これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス，ジメチルエーテル，フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。

Ａ：環状隙間の噴射口
Ｂ：上流側環直線状横通路部
Ｃ：下流側環直線状横通路部

１：ボタン本体部
１ａ：筒状縦通路部
１ｂ：環状横通路部
１ｃ：中実円柱形状の中子（図１～図３）
１ｄ：前開口・縦円断面で鞘形状の中子（図４，図５）
１ｅ：第一の円筒形状の中子（図６）
１ｆ：外気通過用の縦通路域（図６）
１ｇ：第二の円筒形状の中子（図７）
１ｈ：外気通過用の横通路域（図７）
１ｊ：環状段部
１ｋ：環状凹部
１ｍ：天面

２：環状ノズル
２ａ：前狭まり態様の環状テーパ面
２ｂ：前端円周状内面
２ｃ：後端環状面
２ｄ：環状凸部
２ｅ：離間設定凸状部

３：容器本体
４：マウンティングカップ
５：ステム

Claims (6)

1. 弁作用を呈する内容物噴射作動用のステムの下流噴射側空間域に内容物の流れ方向の形で配設された中子およびこの中子の外回り部分に前記内容物の噴射口まで設定された内容物通路用かつ直線状の環状隙間、ならびにこの環状隙間の噴射口側に設定された常時開状態の環状ノズルからなるエアゾール用の内容物噴射操作ボタンにおいて、
   前記環状ノズルおよび前記環状隙間により環直線状の内容物通路部が画定され、
   前記環直線状の内容物通路部は、
   前記中子との間の内容物通過断面積が大きくて内容物の流勢を弱める上流側環状横通路部と、その下流側で前記中子との間の内容物通過断面積が前記上流側環状横通路部よりも前記流れ方向に小さくなって前記噴射口にいたる下流側環状横通路部とを有し、
   前記環状ノズルは、
   自内周面の前端部分と前記中子の外周面との当接を阻止するための離間設定部を、内周面の前端部分に備えている、
   ことを特徴とする内容物噴射操作ボタン。
2. 前記環状ノズルは、
   前記下流側環状横通路部を構成し、その内周面の径が前記噴射口のほうで小さくなる前端側狭まりの内テーパ面態様により設定されている、
   ことを特徴とする請求項１記載の内容物噴射操作ボタン。
3. 弁作用を呈する内容物噴射作動用のステムの下流噴射側空間域に内容物の流れ方向の形で配設された中子およびこの中子の外回り部分に前記内容物の噴射口まで設定された内容物通路用かつ直線状の環状隙間、ならびにこの環状隙間の噴射口側に設定された常時開状態の環状ノズルからなるエアゾール用の内容物噴射操作ボタンにおいて、
   前記環状ノズルおよび前記環状隙間により環直線状の内容物通路部が画定され、
   前記環状ノズルは、
   前記中子との間の前記噴射口から外部空間域に噴射される内容物の流れ方向を環状内側に設定するための噴射方向規制部を、内周面前端側部分に備え、かつ自内周面の前端部分と前記中子の外周面との当接を阻止するための離間設定部を、内周面の前端部分に備えている、
   ことを特徴とする内容物噴射操作ボタン。
4. 前記環状ノズルは、
   前記中子との間の前記噴射口から外部空間域に噴射される内容物の流れ方向を環状内側に設定するための噴射方向規制部を、内周面前端側部分に備えている、
   ことを特徴とする請求項１または２記載の内容物噴射操作ボタン。
5. 前記中子は、
   中空形状のプラスチック製要素である、
   ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の内容物噴射操作ボタン
6. 請求項１乃至請求項５のいずれかに記載の内容物噴射操作ボタンを備え、かつ、容器本体に噴射用ガスおよび内容物を収容した、
   ことを特徴とするエアゾール式製品。

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