JP6853923B2 - 内容物放出構造ならびにこの内容物放出構造を備えたエアゾール式製品およびポンプ式製品 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばボタン本体(内容物放出側本体)の前開口空間域へ組み込まれるノズルの内容物放出口を含む回動操作対象の放出作動部の表面側に、外部空間域への放出パターンを線分状に設定するための広がり方向規制部を形成した内容物放出構造に関する。
特に、ノズル内面との間の内容物通路を設定して放出作動部の回動操作によりノズルと同期回動する中子をノズル後開口空間域に配設し、この中子の後端側と、ボタン本体の前開口空間域底面側とを弾性保持するようにした内容物放出構造に関する。
この弾性保持の結果、ノズル後開口空間域の底面側とこれに対向する中子前端面部分との当接状態が、放出作動部の回動操作にともなうノズルおよび中子の同期回動のために初期設定状態から前後方向などにずれてしまう、といったようなことは生じない。
したがって、当接状態のノズルおよび中子によって設定される放出口側通路は上記同期回動後も初期設定態様のままであり、この放出口側通路を経て外部空間域に放出される線分状パターンはその上下,左右などの向きにかかわらず略同一のパターン形状となる。
本発明の内容物放出構造は、エアゾール式製品およびポンプ式製品のそれぞれに搭載可能である。その用途も、ガラスクリーナ,網戸クリーナ,ペイント,殺菌剤,除菌剤やその他の後述の各種分野にわたっている。
本明細書における「線分状」の語は、「一の字状」や「長楕円状」などのように長手方向としての任意の延長部分からなる態様の意で用いる。また、「ボタン本体」を、内容物放出側本体の一例として用いる。
本明細書では必要に応じて、図1の左右方向におけるノズル側(左側)を「前」といい、その反対側(図1の右側)を「後」という。また、図1の左右方向を「横」とし、同図の上下方向を「縦」とする。
従来、ボタン本体の前開口空間域へ組み込まれるノズルの内容物放出口を含む回動操作対象の放出作動部の表面側に、外部空間域への放出パターンを長楕円状に設定するための広がり方向規制部を形成した内容物放出構造が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−70843号公報
この従来の広がり方向規制部を形成した内容物放出構造においては、外部空間域への内容物放出パターンの形状が広がり方向規制部なしの場合のようにいわば「中抜け」態様の環状になる、ことはない。
本発明では、この広がり方向規制部を有する放出作動部(ノズル)の後開口空間域に、ノズル内面との間の内容物通路を設定してノズルと同期回動する中子を、中子後端側がボタン本体の前開口空間域底面側に弾性保持される形で配設している。
この弾性保持作用は、例えば中子の後端側周回方向に設けた複数の弾性脚部を、ボタン本体の前開口空間域底面に形成した円錐台状側面で受けることにより担保される。
本発明は、中子後端側とボタン本体の前開口空間域底面側との弾性保持作用により、当接状態のノズルおよび中子で設定される放出口側通路を回動操作後も初期態様のままにして、外部空間域に放出される線分状パターンの略同一形状化を図ること目的とする。
また、広がり方向規制部を構成する対向平面のそれぞれを、内容物放出口から第1方向およびこれとは逆の第2方向の双方に延びる態様で形成して、放出口側通路から外部空間域へ放出される内容物の線分状パターンの明確化,安定化を図ることを目的とする。
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
(1)内容物放出側本体(例えば後述のボタン本体1)へ組み込まれるノズル(例えば後述のノズル2)の内容物放出口(例えば後述のオリフィス2f)を含んで回動操作対象の放出作動部(例えば後述の放出作動部2a)の表面側に、外部空間域への放出パターンを線分状に設定するための対向平面からなる広がり方向規制部(例えば後述の広がり方向規制部2g)を形成し、
かつ、前記ノズルと、その後開口空間域(例えば後述の後開口横鞘状部2bの内部空間域)に配設されて、ノズル内周面との間の長手方向通路(例えば後述の下流側流路S2)ならびにこれから順に続くノズル底面の溝状部(例えば後述の渦巻き溝状部2e)および前記内容物放出口との間の放出口側通路(例えば後述の放出流路S3)を設定する中子(例えば後述の中子3)と、で構成される放出部を、同期回動可能な形で前記内容物放出側本体の前開口空間域(例えば後述の前開口横鞘状部1bの内部空間域)に組み込んだ内容物放出構造において、
前記中子は、
その後端部分に、前記前開口空間域の底面側で受けられる被受け部(例えば後述の弾性脚部3f)を形成し、
前記内容物放出側本体は、
前記前開口空間域の底面側に、前記被受け部の受け部(例えば後述の円錐台状側面1d)を形成し、
前記被受け部および前記受け部の間の弾性作用により、前記中子が、前記ノズル底面に対して、前記溝状部の開口側の一部を塞ぐ形の当接状態に保持される、
構成態様のものを用いる。
(2)上記(1)において、
前記被受け部は、
前記後端部分の周回方向飛び飛びの位置に形成された弾性脚部であり、
前記受け部は、
円錐台状側面である、
構成態様のものを用いる。
(3)上記(1),(2)において、
前記対向平面は、
それぞれの平面が、前記内容物放出口からの、第1の方向およびこれとは逆の第2の方向の双方に延びる態様で形成されている、
構成態様のものを用いる。
このような構成からなる内容物放出構造ならびに当該内容物放出構造を備えたエアゾール式製品およびポンプ式製品を本発明の対象としている。
本発明は以上の課題解決手段により、
(11)当接状態のノズルおよび中子で設定される放出口側通路を放出作動部の回動操作後も初期態様に維持して、外部空間域に放出される線分状パターンを略同一形状に設定し、
(12)広がり方向規制部の対向平面のそれぞれを、内容物放出口から第1方向およびこれとは逆の第2方向の双方に延びる態様で形成して、放出口側通路から外部空間域へ放出される内容物の線分状パターンを明確で安定なものに設定する、
といった効果を奏している。
内容物放出用のノズルと、これとともに回動する中子とのいわば周方向一体物をボタン本体の前開口横鞘状部に取り付けた内容物放出構造の縦断面を示す説明図部である。 図1のノズルおよび中子それぞれの斜視状態を示す説明図である。 図1のノズル・中子の一体構造およびこれが組み込まれるボタン本体それぞれの斜視状態を示す説明図である。 外部空間域への長楕円状の内容物放出パターンを示す説明図である。
図1〜図4を用いて本発明を実施するための形態を説明する。
上述したように、本発明の内容物放出構造はエアゾール式製品およびポンプ式製品の双方に搭載されえるが、以下の記載では単なる説明の便宜上、必要に応じてエアゾール式製品を前提とする。
なお、原則として、各図で用いるアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば下開口縦鞘状部1a)は当該参照番号の数字部分の構成要素(例えばボタン本体1)の一部である。
図示の内容物放出構造は、概略、後述のボタン本体1,このボタン本体に組み込まれるノズル2および中子3ならびにこのボタン本体の内容物流入側に取り付けられる周知のステム4の、計四個の構成要素からなっている。
図1〜図4において、
S1はステム4からボタン本体1の内部空間域にいたる内容物の上流側流路,
S2は上流側流路S1に連続して、ボタン本体1,ノズル2および中子3の各構成要素により設定される内容物の下流側流路,
S3は下流側流路S2に連続した外部空間域流出側における内容物の放出流路,
S4は長楕円状(線分状)の内容物放出パターン(図4参照),
をそれぞれ示している。
また、
1は内容物放出操作の対象となるボタン本体,
1aは当該ボタン本体の中央上下方向に形成されてステム流出側と嵌合する内容物通過用の下開口縦鞘状部,
1bは下開口縦鞘状部1aの上部分からその下流側に形成された前開口横鞘状部,
1cは下開口縦鞘状部1aと前開口横鞘状部1bとを連通させる横孔部,
1dは前開口横鞘状部1bの底面部分に横孔部1cを取り囲む態様で環状に形成されて、後述の弾性脚部3fそれぞれの自由端部分を受ける後方広がりの円錐台状側面,
1eは前開口横鞘状部1bの内周前面の後側部分に形成されて、後述の内側環凸状部2hを回動可能な状態で保持する外側環凹状部,
1fは外側環凹状部1eの隣接前側に形成されて、後述の内側環凹状部2jを回動可能かつ前後方向の位置置決め状態で保持する外側環凸状部,
をそれぞれ示している。
また、
2は後述の中子3とともに前開口横鞘状部1bの内周面に回動可能な形で取り付けられて、外部空間域への放出内容物のパターン形状の安定化作用を呈する筒状のノズル(放出作動部2a+後開口横鞘状部2b),
2aはノズル2の前端部分であり、後述のオリフィス2fや広がり方向規制部2gを備えて当該ノズルの回動操作対象となりえる長方形状の放出作動部,
2bはノズル2の後側を構成する後開口横鞘状部,
2cは後述の中子3の前端面の小径プレート状部3bと当接する円形状底部,
2dは円形状底部2cに形成された内容物旋回合流用の中央凹状部,
2eは円形状底部2cの異なる外縁部分からそれぞれ中央凹状部2dの径方向へと続き、全体としては周方向の略90度間隔の態様で形成された内容物通過用の計四個の渦巻き溝状部,
2fは中央凹状部2dに形成された内容物放出用のオリフィス,
2gはオリフィス2fを挟む態様で形成されて、当該オリフィスから放出される内容物の放出作動部2aのいわば表面エリアでの広がり方向を、通常の放射状ではなく、当該オリフィスからその両側へ延びる略単一の線分状に設定するための、それぞれ平面同士が平行な対向状態に設定された半円柱状からなる一対の広がり方向規制部,
2hは後開口横鞘状部2bの外周面後側に形成されて、外側環凹状部1eに回動可能な状態で保持される内側環凸状部,
2jは内側環凸状部2hの隣接前側に形成されて、外側環凸状部1fに回動可能かつ前後方向の位置置決め状態で保持される内側環凹状部,
2kは後開口横鞘状部2bの内周面の前後方向に形成されて、後述の横溝状部3cとの係合作用によりノズル2および中子3をいわば同期回動させる計四個の横凸状ガイド部,
をそれぞれ示している。
なお、後開口横鞘状部2bおよび内側環凸状部2hそれぞれの後端側部分は、内容物放出構造組立て時にノズル2をボタン本体1の前開口横鞘状部1bに組み込みやすくするため、後方短径化の環状テーパ面に設定されている。
横凸状ガイド部2kの一対の長手方向側面も、ノズル2へ中子3を組み込み際のその横溝状部3cのいわば周方向位置合わせを簡単にするため、それぞれの間が後方狭まりで後端部分にて交わる形に設定されている。
また、
3はノズル2と同期回動可能な形で、ボタン本体1の前開口横鞘状部1bとノズル2の後開口横鞘状部2bとで構成される円筒状空間域に組み込まれて、自らの外周面側に、横孔部1cから渦巻き溝状部2eまでの内容物流路を設定する中子,
3aは後開口横鞘状部2bの内面部分との間で内容物流路の設定作用を呈する大径円柱状部,
3bは大径円柱状部3aの前端面部分に形成されて、その外側周回方向に環状の内容物流路を設定するための小径プレート状部(凸状部),
3cは大径円柱状部3aの外周面横方向に形成されて、横凸状ガイド部2kとの間で被案内作用を呈する計四個の横溝状部,
3dは横溝状部3cの前端部分からその周方向両側へ「ハの字状」に連続形成されて、中子3が、ノズル2への取付け作業初期段階においてその周回方向位置を当該ノズルの横凸状ガイド部2kの後端斜面部分に合致するように案内される一対の中子初期被誘導部,
3eは大径円柱状部3aの前端面の一部であって小径プレート状部3bの周回部分を構成する環状平面,
3fは大径円柱状部3aの後端面外縁の周方向等間隔部分から後方向に形成されて、それぞれの自由端部分がボタン本体1の円錐台状側面1dに保持される計四個の弾性脚部,
をそれぞれ示している。
また、
4はボタン本体1の押下げ操作などに連動して周知のバルブ作用を呈することにより、容器本体(図示省略)の内容物を、概略、「下開口縦鞘状部1a−横孔部1c−前開口横鞘状部1bの後側内部空間域−後開口横鞘状部2bの内周面と大径円柱状部3aの外周面との間の環状域−ノズル2の渦巻き溝状部2e−中央凹状部2d−オリフィス2f」の経路により外部空間域に放出する機能を備えたステム,
4aは鞘状で内容物通過用の内部空間域,
をそれぞれ示している。
ここで、ボタン本体1,ノズル2および中子3はポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものであり、ステム4は例えば金属製,プラスチック製のものである。
図示の内容物放出構造の基本的特徴は、
(21)ノズル2の前端部分を含む放出作動部2aに、オリフィス2fから外部空間域に放出される内容物放出パターンを長楕円状に設定するための対向平面からなる広がり方向規制部2gを形成し、かつ、ボタン本体1の前開口横鞘状部1bに、その前開口側から後方へ、内容物下流側流路の設定用の「ノズル2+中子3」からなる放出側一体物をボタン本体に対して回動可能な形で組み入れることを前提とし、
(22)ボタン本体1への組入れ後における中子3の後端部分、すなわち前開口横鞘状部1bの底面側の受け対象である後端部分に例えば計四個の弾性脚部3fを形成し、
(23)前開口横鞘状部1bの底面側には、この弾性脚部3fの受け部としての円錐台状側面1dを形成した、
ことである。
このように前開口横鞘状部1bの底面側と中子3の後端側との間における受け態様は、底面側の円錐台状側面1dおよび後端側の弾性脚部3fの間の弾性当接作用によって所定のいわば適切状態に自動設定される。
すなわち、この前開口横鞘状部1bと中子3との弾性当接作用により、各構成要素のサイズ,形状などが本来の設計値と多少違っている場合にも、中子3の小径プレート状部3bはノズル2の円形状底部2cと適切状態で当接しえる。
例えば、中子3の前後方向の長さ(小径プレート状部3bの前端面から弾性脚部3fの後端部分までの長さ)が設計値よりもいくらか大きい場合や、
「ノズル2+中子3」を前開口横鞘状部1bに組み込んだ状態での横孔部1cの前端部分から円形状底部2cまでの長さが設計値よりもいくらか小さい場合は、
弾性脚部3fの自由端側が円錐台状側面1dに案内されながら自弾性力に抗する形で外方へと広がる。
この弾性脚部3fの外方への広がりに対応して、その小径プレート状部3bとノズル2の円形状底部2cとの当接関係も図1と同様の状態に移行する。
これとは逆に、中子3の前後方向の長さが設計値よりもいくらか小さい場合や、
「ノズル2+中子3」を前開口横鞘状部1bに組み込んだ状態での横孔部1cの前端部分から円形状底部2cまでの長さが設計値よりもいくらか大きい場合は、
弾性脚部3fの自由端側が自弾性力により円錐台状側面1dに案内されながら内方へと復帰する。
そして、この弾性脚部3fの内方への復帰に対応して、その小径プレート状部3bとノズル2の円形状底部2cとの当接関係も図1と同様の状態に移行する。
円形状底部2cと小径プレート状部3bとの上記適切状態での当接作用は、前開口横鞘状部1bに「ノズル2+中子3」が組み込まれたときの初期周回位置や、その後の放出作動部2aの回動操作で任意に設定される選択周回位置のいずれにおいても担保される。
図1の内容物放出機構(ボタン本体1,ノズル2,中子3,ステム4)の組立ては、
(31)先ず中子3を、その小径プレート状部3bの前側からノズル2の後開口横鞘状部2bに、横溝状部3cが横凸状ガイド部2kに合致する位置関係で挿入して、これによりノズル2および中子3を同期回動態様に設定し(図2参照)、
(32)この設定後のノズル2および中子3の中間一体物の後側を、ボタン本体1の前開口横鞘状部1bの開口側に、ノズル2の内側環凸状部2hおよび内側環凹状部2jがそれぞれボタン本体1の外側環凹状部1eおよび外側環凸状部1fに係合するまで嵌めこみ、
(33)このはめ込み後の一体物(ボタン本体1,ノズル2および中子3)の下開口縦鞘状部1aの開口側をステム4の上開口端部側の外周面などに係合保持させる、
といった手順などになる。
この組立後の内容物放出機構は、
(41)ノズル2および中子3の中間一体物がその放出作動部2aの回動操作によりボタン本体1に対して同期回動し、
(42)ボタン本体1の押下げ操作に基づいてステム4が下方に移動し、この移動にともない周知の弁機構(図示省略)がそれまでの閉状態から開状態に移行し、
(43)この弁機構の開状態への移行にともない、周知の容器本体(図示省略)に収容された内容物が、図示の上流側流路S1および下流側流路S2を経てオリフィス2fから外部空間域に放出流路S3の形で放出される。
このように利用者は、ノズル2の放出作動部2aをつまんで回動することにより長楕円状の内容物放出パターンS4の長軸方向(短軸方向)を変えることができる。
このとき、ノズル2および中子3は、それぞれの横凸状ガイド部2kと横溝状部3cとの周方向係合作用によりいわば同一位相で同期回動し、かつ、中子後端側の四個の弾性脚部3fがそれぞれボタン本体1の円錐台状側面1dに当接している。
そのため、ノズル2(内側環凸状部2h,内側環凹状部2j)とボタン本体1(外側環凹状部1e,外側環凸状部1f)とが係合した形で、円形状底部2cと小径プレート状部3bとは弾性脚部3fの変形作用により所定の当接状態に確実に保持される。
例えばボタン本体の前開口横鞘状部1bの円錐台高面部分およびノズルの円形状底部2c(小径プレート状部3bとの当接部分)の間の前後方向長さと、中子3の前後方向全長との相対関係が設計値からずれた場合にも、弾性脚部3fの変形作用がそれを補償する。
すなわち、この設計値からのずれに応じて弾性脚部3fがいわば自動変形し、これにより円形状底部2cと小径プレート状部3bとは所定の安定状態で当接する。
この当接状態は、放出作動部2aの回動操作にともない中子3がノズル2と同一位相で同期回動した後の段階でも同様に担保されるので、当該回動操作によって内容物放出パターンS4の形状が変化することはない。
図1および図4に示すように、ボタン本体1を押し下げると、これに連動するステム4が下方に移動して周知の弁機構が開状態となり、容器本体(弁機構)からオリフィス2fまでの「上流側流路S1−下流側流路S2−放出流路S3」の経路が設定される。
ここで、周知の容器本体(図示省略)に収容済みの内容物がステム4の内部空間域4aからボタン本体1の下開口縦鞘状部1aを通って横孔部1cに流入し、上流側流路S1を構成する。
横孔部1cから前開口横鞘状部1bの後側内部空間域へと流入した内容物は、ノズル2の後開口横鞘状部2bの内周面と中子3の大径円柱状部3aの外周面とで画定される環状空間域を通り、四個の渦巻き溝状部2eを経て中央凹状部2dで合流した渦流となる。この渦流は、ノズル2のオリフィス2fから外部空間域に拡散放出される。
図4で示すように、外部空間域への放出内容物は、オリフィス2fの両側に形成された広がり方向規制部2gの対向平面それぞれのいわば整形作用により、長楕円状の内容物放出パターンS4になっている。
本発明が以上の実施形態に限定されないことは勿論であり例えば、
(51)押下げ形式の内容物放出操作用のボタン本体1に代えて、トリガレバー形式の内容物放出操作部を用いる、
(52)弾性脚部3fに代えてボタン本体1の前開口横鞘状部1bの底面側を弾性仕様に設定する、
(53)弾性脚部3f、および前開口横鞘状部1bの底面側の弾性仕様部分を併用する、
(54)弾性脚部3fとして、板バネ,コイルスプリングや皿バネなどの各種弾性部材を用いる、
(55)凹状部(溝状部)および凸状部の組合せからなる各構成要素について、その凹凸関係を逆に設定する、
ようにしてもよい。
本発明が適用されるエアゾール式製品およびポンプ式製品としては、洗浄剤,清掃剤,冷却剤,筋肉消炎剤,育毛剤,染毛剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,日焼け止め,化粧水,クレンジング剤,制汗剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,園芸用剤,殺虫剤,害虫忌避剤,動物忌避剤,消臭剤,洗濯のり,消火器,塗料,接着剤,潤滑剤,ウレタンフォームなどの各種用途のものがある。
容器本体に収容される内容物としては、液状,クリーム状,ゲル状など種々の形態のものを用いる。内容物に配合される成分は例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分,水などである。
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,塩化マグネシウム,シリカ,酸化亜鉛,酸化チタン,ゼオライト,ナイロンパウダー,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
油成分としては、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン油,ミリスチン酸イソプロピルなどのエステル油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油などの油脂,流動パラフィンなどの炭化水素油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などの脂肪酸などを用いる。
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールやセタノールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコール,1,3−ブチレングリコールやグリセリンなどの多価アルコールなどを用いる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤,ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリグリセリン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤,ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤,塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
高分子化合物としては、ヒドロキシエチルセルロース,メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼイン,キサンタンガム,カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
各用途に応じた有効成分としては、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,過酸化水素水などの酸化剤,アクリル系樹脂やワックスなどのセット剤,パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルなどの紫外線吸収剤,レチノールやdl−α−トコフェロールなどのビタミン,ヒアルロン酸などの保湿剤,サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤,安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤,ピレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤,パラフェノールスルホン酸亜鉛などの制汗剤,カンフル,メントールなどの清涼剤,エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬,スクラロース,アスパルテームなどの甘味料,エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料,パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,過酸化水素水などの酸化剤,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,乳化剤,酸化防止剤,金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
内容物放出射用の放出剤としては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,亜酸化窒素,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,ハイドロフルオロオレフィンなどの液化ガスを用いる。
S1:内容物の上流側流路
S2:内容物の下流側流路
S3:内容物の放出流路
S4:長楕円状の内容物放出パターン(図4)
1:ボタン本体
1a:下開口縦鞘状部
1b:前開口横鞘状部
1c:横孔部
1d:円錐台状側面
1e:外側環凹状部
1f:外側環凸状部
2:ノズル(放出作動部2a+後開口横鞘状部2b)
2a:長方形状の放出作動部
2b:後開口横鞘状部
2c:円形状底部
2d:中央凹状部
2e:計四個の渦巻き溝状部
2f:オリフィス
2g:一対の広がり方向規制部
2h:内側環凸状部
2j:内側環凹状部
2k:計四個の横凸状ガイド部
3:中子
3a:大径円柱状部
3b:小径プレート状部
3c:計四個の横溝状部
3d:中子初期被誘導部
3e:環状平面
3f:計四個の弾性脚部
4:ステム
4a:内容物通過用の内部空間域

Claims (5)

  1. 内容物放出側本体へ組み込まれるノズルの内容物放出口を含んで回動操作対象の放出作動部の表面側に、外部空間域への放出パターンを線分状に設定するための対向平面からなる広がり方向規制部を形成し、
    かつ、前記ノズルと、その後開口空間域に配設されて、ノズル内周面との間の長手方向通路ならびにこれから順に続くノズル底面の溝状部および前記内容物放出口との間の放出口側通路を設定する中子と、で構成される放出部を、同期回動可能な形で前記内容物放出側本体の前開口空間域に組み込んだ内容物放出構造において、
    前記中子は、
    その後端部分に、前記前開口空間域の底面側で受けられる被受け部を形成し、
    前記内容物放出側本体は、
    前記前開口空間域の底面側に、前記被受け部の受け部を形成し、
    前記被受け部および前記受け部の間の弾性作用により、前記中子が、前記ノズル底面に対して、前記溝状部の開口側の一部を塞ぐ形の当接状態に保持される、
    ことを特徴とする内容物放出構造。
  2. 前記被受け部は、
    前記後端部分の周回方向飛び飛びの位置に形成された弾性脚部であり、
    前記受け部は、
    円錐台状側面である、
    ことを特徴とする請求項1記載の内容物放出構造。
    記載の内容物放出構造。
  3. 前記対向平面は、
    それぞれの平面が、前記内容物放出口からの、第1の方向およびこれとは逆の第2の方向の双方に延びる態様で形成されている、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の内容物放出構造。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内容物放出構造を備え、かつ、放出剤および放出対象内容物を収容した、
    ことを特徴とするエアゾール式製品。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内容物放出構造を備え、かつ、放出対象内容物を収容した、
    ことを特徴とするポンプ式製品。
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