JP6931274B2 - 積層繊維布帛およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)本発明に係る積層繊維布帛は、繊維布帛を構成する繊維の表面の少なくとも一部に、炭化水素系化合物および/またはシリコン系化合物を含有する撥水性樹脂被膜を有しており、前記繊維布帛の片面に、中綿抜け防止性(ダウンプルーフ性)、防風性および防水性の少なくとも一の性能を有する樹脂皮膜が積層されていることを特徴とする。
(2)さらに、前記撥水性樹脂被膜は、撥水性が3級以上であり、撥油性が1級以下であるとよい。
(3)さらに、前記積層繊維布帛の通気度は、0.01cm3/cm2・s〜10cm3/cm2・sであるとよい。
(4)さらに、前記積層繊維布帛の耐水圧は、250mm以上であるとよい。
(5)また、本発明に係る繊維製品は、上記のいずれかの積層繊維布帛を少なくとも一部に用いた繊維製品であって、衣服、鞄、テント、寝袋およびダウンパックからなる群より選択される繊維製品である。
(6)また、本発明の積層繊維布帛に係る製造方法は、繊維布帛に撥水剤として炭化水素系化合物および/またはシリコン系化合物を含有する樹脂液を付与し、熱処理し、前記繊維布帛を構成する繊維の表面の少なくとも一部に炭化水素系化合物および/またはシリコン系化合物を含有する撥水性樹脂被膜を形成する工程と、前記繊維布帛の片面に、中綿抜け防止性(ダウンプルーフ性)、防風性および防水性の少なくとも一の性能を付与するための樹脂および水を含有する樹脂液を付与し、前記繊維布帛の片面に、中綿抜け防止性(ダウンプルーフ性)、防風性および防水性の少なくとも一の性能を有する樹脂皮膜を形成する工程とを含む。
本実施の形態に係る積層繊維布帛は、繊維布帛を構成する繊維の表面の少なくとも一部に、炭化水素系化合物および/またはシリコン系化合物を含有する撥水性樹脂被膜を有しており、繊維の表面に撥水性樹脂被膜を有する前記繊維布帛の片面に、中綿抜け防止性(ダウンプルーフ性)、防風性および防水性の少なくとも一の性能を有する樹脂皮膜が積層されたものである。
本実施の形態における繊維製品は、上記積層繊維布帛を少なくとも一部に用いたものであり、たとえば、コート、ジャケット、ジャンパー、ダウンウエアー、帽子、手袋、スキーウエアー、ウインドブレーカー、または、作業着などの衣服、あるいは、鞄、テント、寝袋、ダウンパックなどである。
次に、本実施の形態に係る積層繊維布帛の製造方法について説明する。なお、既に説明した内容については、説明を省略または簡略化する。
[A:撥水性]
JIS L1092:2009 はっ水度試験 スプレー法に準じて試験を行い、撥水性を確認した。
[B:撥油性]
AATCC Test Method 118―1997 撥油性試験に準じて試験を行い、撥油性を確認した。
[C:通気性]
JIS L1096:2010 A法(フラジール形法)に準じて試験を行い、通気度測定し、中綿抜け防止性、防風性および通気性を確認した。
[D:防水性]
JIS L1092:2009 耐水度試験(静水圧法) A法(低水圧法)に準じて試験を行い、耐水圧を測定し、防水性を確認した。
また、水圧をかけることにより試験片が伸びる場合には、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cm当りの縦糸と横糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付けて測定を行った。
[E:外観品位]
繊維布帛に中綿抜け防止性、防風性および/または防水性を付与するための樹脂および水を含有する樹脂液を付与した面とは反対側の面の表面を目視にて観察した。
[F:風合い]
繊維布帛を手で触って確認した。
[G:洗濯処理]
JIS L0217 103法に準じて洗濯処理を10回行った。なお、洗濯時間を25分、1回あたりのすすぎ時間を10分とし処理したものを5回の洗濯処理とし、この作業を2回行い、10回の洗濯処理とした。乾燥は、10回の洗濯処理の後、つり干しにて1回を行った。また、タンブラーを用いて乾燥した後の撥水性能も測定した。
ポリエステル繊維を用いた編物(天竺。46ゲージ、56デシテックス/96フィラメント。加工糸。丸断面糸。)を、分散染料で青色に染色し、熱セットを行った。
ネオシードNR−158(撥水剤、炭化水素系化合物、日華化学(株)製) 5%
ベッカミンM−3(DIC(株)製) 0.3%
キャタリストACX(DIC(株)製) 0.05%
水 残部
ニューコートCS−654SHN(新中村化学工業(株)製)(アクリル樹脂、界面活性剤(浸透剤として、ジアルキルスルホコハク酸エステルソーダ塩を含む。)40%、水60%)から、浸透剤として含まれている、ジアルキルスルホコハク酸エステルソーダ塩を全て除いたもの
実施例1で用いた、中綿抜け防止性、防風性および/または防水性を付与するための樹脂を含有する樹脂溶液から、さらに界面活性剤を減らしたものを用いた以外は、実施例1と同様にして積層繊維布帛を得た。得られた積層繊維布帛の性能を表1に記載した(撥水性、撥油性も再度測定した。)。
中綿抜け防止性、防風性および/または防水性を付与するための樹脂を含有する樹脂液として、ニューコートCS−654SHN(新中村化学工業(株)製)から浸透剤としてのジアルキルスルホコハク酸エステルソーダ塩を除かなかった以外は、実施例1と同様にして積層繊維布帛を得た。得られた積層繊維布帛の性能を表1に記載した。
撥水剤として、C8撥水剤(アサヒガードAG710、旭硝子(株)製)を用いた以外は、比較例1と同様にして積層繊維布帛を得た。得られた積層繊維布帛の性能を表1に記載した。
ナイロン織物(平織物。経糸、緯糸とも56デシテックス96フィラメント。生糸。丸断面糸。密度:タテ241本/2.54cm×ヨコ106本/2.54cm。)を酸性染料で赤色に染色し、熱セットを行った。その後、140℃でカレンダー加工を施した。
中綿抜け防止性、防風性および/または防水性を付与するための樹脂を含有する樹脂液として、ニューコートCS−654SHN(新中村化学工業(株)製)から浸透剤としてのジアルキルスルホコハク酸エステルソーダ塩を除かなかった以外は、実施例3と同様にして積層繊維布帛を得た。得られた積層繊維布帛の性能を表1に記載した。
撥水剤として、C8撥水剤(アサヒガードAG710、旭硝子(株)製)を用いた以外は、比較例3と同様にして積層繊維布帛を得た。得られた積層繊維布帛の性能を表1に記載した。
繊維布帛として、ナイロン織物(平織物。経糸、緯糸とも22デシテックス20フィラメント。生糸。密度:タテ160本/2.54cm×ヨコ160本/2.54cm。)を用いた以外は実施例2と同様にして積層繊維布帛を得た。得られた積層繊維布帛の性能を表1に記載した(撥水性、撥油性も再度測定した。)。
Claims (11)
- 繊維布帛と、
前記繊維布帛を構成する繊維の表面の少なくとも一部に形成された、フッ素原子を含まず、脂肪族系炭化水素、脂肪族カルボン酸、ポリオレフィン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、シリコーンからなる群より選ばれる撥水性化合物を含有する撥水性樹脂被膜と、
前記繊維布帛の片面のみに積層された水系樹脂からなる樹脂皮膜とを有し、
前記樹脂皮膜は、前記撥水性樹脂被膜の表面の少なくとも一部に形成され、
前記繊維布帛を構成する繊維の表面および前記樹脂皮膜の表面には、前記樹脂皮膜の形成時に由来する界面活性剤が存在しておらず、
前記積層繊維布帛の通気度は、10cm3/cm2・s以下である
積層繊維布帛。 - 前記撥水性樹脂被膜は、撥水性が3級以上であり、撥油性が1級以下である請求項1に記載の積層繊維布帛。
- 前記積層繊維布帛の通気度が0.01cm3/cm2・s〜1.5cm3/cm2・sである請求項1または2に記載の積層繊維布帛。
- 前記積層繊維布帛の耐水圧が250mm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層繊維布帛。
- 前記繊維布帛は、前記繊維を用いた糸により構成されており、前記糸は、加工糸である請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層繊維布帛。
- 前記繊維布帛が編物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層繊維布帛。
- 前記樹脂皮膜を構成する樹脂は、前記繊維布帛の前記片面とは反対側の面にまで含浸していない請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層繊維布帛。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層性繊維布帛を少なくとも一部に用いた繊維製品であって、
前記繊維製品は、衣服、鞄、テント、寝袋およびダウンパックからなる群より選択される繊維製品。 - 繊維布帛に撥水剤として、フッ素原子を含まず、脂肪族系炭化水素、脂肪族カルボン酸、ポリオレフィン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、シリコーンからなる群より選ばれる撥水性化合物を含有する樹脂液を付与し、熱処理し、前記繊維布帛を構成する繊維の表面の少なくとも一部に前記撥水性化合物を含有する撥水性樹脂被膜を形成する工程と、
前記繊維布帛の片面のみに樹脂および水を含有する樹脂液を付与し、前記繊維布帛の片面のみに樹脂皮膜を形成する工程とを含み、
前記樹脂皮膜を形成する工程では、前記樹脂液として、前記樹脂液中の界面活性剤の含有量が5質量%以下の樹脂液を用いており、
前記積層繊維布帛の通気度は、10cm3/cm2・s以下である
積層繊維布帛の製造方法。 - 前記樹脂皮膜を形成する工程では、コーティング法によって前記樹脂液を前記繊維布帛の片面のみに付与する請求項9に記載の積層繊維布帛の製造方法。
- 前記樹脂皮膜を形成する工程で用いる前記樹脂液の粘度が30000mPa・s以上100000mPa・s以下である請求項9または請求項10に記載の積層繊維布帛の製造方法。
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