JP2021155896A - 繊維構造物、およびその製造方法 - Google Patents

繊維構造物、およびその製造方法 Download PDF

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敬一 主森
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Abstract

【課題】 通気性や風合いを損なうことなく、高い撥水性と撥油性を有する繊維構造物とそれを製造する方法を提供する。【解決手段】繊維の表面にフッ素元素を含まない撥水性の炭化水素系化合物が繊維に対して1.5〜8.4質量%固着された繊維構造物であり、通気度が5〜30cc/cm2/secの範囲内であり、かつ、撥水度が4級以上、かつ、撥油度が1〜3級の範囲内であることを特徴とする繊維構造物およびその製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、撥水撥油性を有する繊維構造およびその製造方法に関するものである。
従来、撥水性を高めた繊維構造物を得るためには、繊維表面にフッ素系撥水剤を固着させる手段が一般的であり、種々の技術が提案されてきた。
昨今、フッ素系撥水剤の中には生活環境、生物に影響を及ぼす可能性のある化合物、例えばパーフルオロオクタン酸(以降「PFOA」という。)、パーフルオロオクタンスルホン酸(以降「PFOS」という。)等を含まない繊維製品が要望されている。そのため、フッ素に代わる素材やこれまでとは異なる方法で撥水撥油性を付与する技術の検討が必要となってきた。
このような環境配慮型の撥水加工として、フッ素系撥水剤を使用しない撥水加工としては分子鎖末端に反応基を持つオルガノポリシロキサンからなる撥水処理剤により処理してなる撥水性布帛が提案されている(特許文献1)。
また、フッ素系撥水剤を使用しない撥水加工としては炭化水素系撥水剤としてエステル部分の炭素数が12以上のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを単量体単位として含む非フッ素系ポリマーからなる撥水剤を繊維製品に付着させた撥水性繊維製品が提案されている(特許文献2)。
フッ素系撥水剤を使用せず、撥油性を持たせるために、撥水性樹脂被膜に加え、防風性または防水性を持つ樹脂被膜を繊維布帛の片面に積層する積層繊維布帛が提案されている(特許文献3)。
特開2002−114972号公報 特開2006−328624号公報 特開2018−9268号公報
しかしながら特許文献1に開示された撥水性布帛は、撥水性能が十分ではない上に撥油性もなかった。
また、特許文献2に開示された撥水性繊維製品も撥油性はなく撥水撥油性を実現することはできていなかった。
さらに特許文献3に開示された積層繊維布帛においても得られる撥油性は十分ではなく、樹脂被膜により通気性や風合いを阻害する問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑み、環境問題に配慮し、フッ素元素を含む化合物を必要とせず、通気性や風合いを損なうことなく高い撥水性と撥油性を有する繊維構造物およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
(1)繊維の表面にフッ素元素を含まない撥水性の炭化水素系化合物が繊維に対して1.5〜8.4質量%固着された繊維構造物であり、通気性が5〜30cc/cm/secの範囲内であり、かつ、撥水度が4級以上、かつ、撥油度が1〜3級の範囲内である繊維構造物。
(2)該炭化水素系化合物の繊維に対する固着量が1.5〜6.9質量%である(1)記載の繊維構造物。
(3)織物である(1)または(2)に記載の繊維構造物。
(4)該繊維がポリアミド系繊維である(1)から(3)のいずれかに記載の繊維構造物。
(5)繊維構造物を、フッ素元素を含まない撥水性の炭化水素系化合物が繊維に対して1.5〜8.4質量%固着されるように調整された処理液に含侵する工程の後に、前記繊維構造物を170℃以上の温度で熱処理する工程を通し、通気度が5〜30cc/cm/secの範囲内であり、かつ、撥水度が4級以上、かつ、撥油度が1〜3級の範囲内の繊維構造物を得ることを特徴とする繊維構造物の製造方法。
本発明によれば通気性や風合いを損なうことなく、高い撥水性と撥油性を有する繊維構造物を得ることができる。更に本発明の製造方法によれば、左記繊維構造物を製造することができる。
次に、本発明の繊維構造物を実施するための形態について説明する。
本発明の繊維構造物は、繊維表面にフッ素元素を含まない撥水性の炭化水素系化合物が繊維に対して1.5〜8.4質量%固着された繊維構造物であって、前記の繊維構造物の通気度が5〜30cc/cm/secの範囲内であり、かつ、撥水度が4級以上、かつ、撥油度が1〜3級の範囲内の繊維構造物である。
本発明で固着という単語を定義するのであれば、物理的または科学的に結合している状態をいう。この状態では化合物が洗濯などで容易には脱落しない。
本発明で用いられるフッ素元素を含まない撥水性の炭化水素系化合物としては、炭化水素基含有化合物が挙げられる。炭化水素基含有化合物としては、市販品として、“ネオシード”(登録商標)NR−90(日華化学(株)製)、NR−158(日華化学(株)製)、TH−44(日華化学(株)製)、PW−182(大和化学(株)製)“フォボール”(登録商標)RSH(ハンツマン・ジャパン(株)製)、“パラヂウム”(登録商標)ECO−500(大原パラヂウム化学(株)製)、NX018((株)ナノテックス製)、メイシールドZ−1(明成化学工業(株)製)、ユニダインXF−5005(ダイキン工業(株)製)、ZERAN R−3(ハンツマン・ジャパン(株)製)、およびPM−3705(スリーエム)などが挙げられるが、具体的には次のような化合物が例示される。
炭化水素基含有化合物としては、脂肪族炭化水素、脂肪族カルボン酸、ポリオレフィン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどを用いることができる。
脂肪族炭化水素としては、例えばパラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、炭素数としては12以上が好ましい。
脂肪族カルボン酸としては、飽和、不飽和いずれであってもよく、炭素数としては12以上が好ましい。脂肪族カルボン酸のエステル化物であってもよい。
ポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体が挙げられる。
ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルにおいては、エステル結合を介して存在する炭化水素基の炭素数は12以上であることが好ましい。一方炭素数は、24以下であることが好ましい。この炭化水素基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、飽和炭化水素であっても不飽和炭化水素であってもよく、更には脂環式又は芳香族の環状を有していてもよい。これらの中でも、直鎖状であるものが好ましく、直鎖状のアルキル基であるものがより好ましい。かかるポリマー中のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを単量体は、ポリマーを構成する単量体単位の全量に対して80〜100質量%であることが好ましい。
繊維への固着にあたっては、炭化水素系化合物を含有する被膜用組成物を繊維に接触させることが好ましい。繊維に接触させる際には、上記被膜用組成物のエマルジョン液等の処理液の形態として、繊維に接触させるのが好ましい。
上記処理液には、架橋剤を含んでいても良い。
本発明で使用される架橋剤としてはイソシアネート基を有する化合物、メラミン系化合物が好ましく用いられるが、風合いの観点からイソシアネート基を有する化合物が特に好ましく用いられる。
イソシアネート基を有する化合物としては、イソシアネート基を有する有機化合物が好ましく挙げられ、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニールメタンジイソシアネート、水素添加ジフェニールメタンジイソシアネート、トリフェニールトリイソシアネート、キシレンジイソシアネート、およびジクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
さらに、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、フリセリントリレンジイソシアネートアダクトなど、適温に加熱することにより、イソシアネート基を再生できるような化合物がある。このような化合物としては、イソシアネート化合物に、フェノール、マロン酸ジエチルエステル、メチルエチルケトオキシム、重亜硫酸ソーダ、およびε−カプロラクタムなどを反応させた多官能ブロックイソシアネート基含有化合物が例示される。本発明ではこのようなイソシアネート基がブロックされた構造を有するブロックイソシアネート基含有化合物もイソシアネート化合物に含めるものとする。
本発明においてはこのようなイソシアネート基がブロックされた構造を有するイソシアネート化合物も好ましい。
メラミン樹脂としては、トリメチロールメラミンやヘキサメチロールメラミンなどが挙げられる。メラミン樹脂には、有機アミン系触媒を添加することで反応性を向上させ、洗濯耐久性を向上させることができる。
また、上記処理液には、繊維への浸透性や機械安定性の観点から、ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテルの少なくとも1種を用いる。これらは、水に可溶な有機溶剤であり、撥水性樹脂の凝集抑制効果の顕著な改善に寄与する。
これらの有機溶剤は1種を単独で、または2種を任意の比率で組み合わせて用いることができる。
上記ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテルの少なくとも一種の処方液中の含有量としては、0.5質量%から1.5質量%である。
また、本発明の繊維構造物の好ましい態様としては、炭化水素系化合物が繊維質量に対し1.5〜8.4質量%の割合で固着しているものである。
1.5質量%よりも少ないと、繊維表面を被覆する割合が少なくなり十分な撥油性が得られない。また8.4質量%より多いと、繊維表面の目合い部へも化合物が固着し、通気度や風合いが悪化する。より好ましくは、1.5〜6.9質量%の割合である。それにより、撥水性と撥油性を維持しながら、通気度と風合いを更に向上させることが出来る。
本発明の繊維構造物の通気度は、5〜30cc/cm/secの範囲内である。5cc/cm/secより小さいと蒸れやすく、30cc/cm/secよりも大きくなると、空隙が大きくなり、十分な撥油性が得られない。より好ましくは、6〜25cc/cm/secの範囲内である。
本発明の繊維構造物の撥水性(JIS L1092:2009 スプレー試験法)は、4級以上である。4級未満であると、水の弾き性が十分ではない。より好ましくは4−5級以上である。
本発明の繊維構造物の撥油性(AATCC法)は、1〜3級の範囲内である。1級未満であると、油汚れが付着した場合に汚れの広がりを抑えることが出来ない。また4級以上になると、繊維構造物の空隙が撥水性の炭化水素系化合物で埋められることになるため、通気度が低く、風合いが硬くなってしまう。
本発明の繊維構造物には、織物、編物および不織布などの布帛状物、あるいは紐状物などが含まれるが、撥水撥油効果が求められる用途に適する形態という観点から、織物が好ましく用いられる。
本発明の繊維構造物で使用される繊維は、合成繊維であることが好ましい。合成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリプロピレンテレフタレート繊維およびポリブチレンテレフタレート繊維などの芳香族ポリエステル系繊維、芳香族ポリエステルに第三成分例えば、イソフタル酸、イソフタル酸スルホネートあるいはアジピン酸等のジカルボン酸およびポリエチレングリコールなどが共重合した芳香族ポリエステル系繊維、ポリ乳酸に代表される脂肪族ポリエステル系繊維および上に示したポリエステルの複数種の混合物からなるポリエステル系繊維;ナイロン6繊維やナイロン66繊維などのポリアミド系繊維;ポリアクリルニトリル繊維に代表されるアクリル系繊維;ポリエチレン繊維やポリプロピレン繊維などのポリオレフィン系繊維、およびポリ塩化ビニル系繊維が好ましく使用される。これらの合成繊維と共に、ポリウレタン弾性繊維を併用複合させることができる。
また、合成繊維の他にアセテートやレーヨンなどの半合成繊維、木綿、麻、絹および羊毛などの天然繊維を使用することができる。本発明では、これらの繊維を単独または2種以上の混合物として使用することができるが、特にポリアミド系繊維が好ましく使用される。
また、本発明の繊維構造物の製造にあたっては、本発明で用いられるフッ素元素を含まない撥水性の炭化水素系化合物を含むエマルジョン液(処理液)を繊維に対して1.5〜8.4質量%固着されるように調整し、前記処理液を繊維構造物に接触させた後、170℃以上の温度で熱処理する。熱処理後カレンダー加工を行うこともできるが、快適性を保つために、通気度が5〜30cc/cm/secの範囲となるようにする。これはカレンダー温度や線圧により調整できる。
本発明の繊維構造物は、優れた撥水性と撥油性、および柔軟な風合いを有することから、一般衣料品、作業用ユニフォーム、寝装品、インテリア品および産業資材品等に好適に用いることができる。特に、アウターと呼ばれる衣服や寝装具、具体的には、ダウン用側地、コート、ブルゾン、ウインドブレーカー、ブラウス、ドレスシャツ、スカート、スラックス、手袋、帽子、布団側地、布団干しカバー、カーテンまたはテント類など、衣料用途品、および非衣料用途品などの繊維製品用途に好適に使用される。
次に、実施例により、本発明の繊維構造物について詳細に説明する。評価は、次の方法で実施した。
1.通気度:
JIS L1096−2010 8.26.1 A法「フラジール法」により測定した。
2.撥水度:
JIS L1092:2009「繊維製品の防水性試験方法」に規定される方法でスプレー試験法により、評価を行い級判定した。例えば、4級以上5級未満の撥水性を示す場合は4−5級とする。
3.撥油度:
AATCC TM118で測定した。
(試験用布帛1)
タテ糸とヨコ糸ともに、55デシテックスのナイロン6糸を用い、タテ糸密度:106本/2.54cm、ヨコ糸密度:112本/2.54cmの仕様で、生機(織物)をエアージェットルームで製織した。得られた上記の生機(織物)をオープンソーパーで精練し(温度90℃)、次いでピンテンターで中間セットし(温度180℃×40秒)、そして液流染色機でベージュに染色後、乾燥した。染色後に前処理として染色後に同液流染色機を用い、ナイロンフィックス501(センカ(株)製多価フェノール系縮合物):5%owfを入れた加工液を用いて、浴比(質量比)1:20に調整し、常温から80℃の温度まで2℃/分で昇温し、30分間浴中処理した。次いで、50℃の温度まで降温させた後、廃液し水洗し、脱水後にピンテンターを使用し140℃の温度で乾燥した。得られた布帛(目付70g/m)を、試験用布帛1とした。
(試験用布帛2)
タテ糸とヨコ糸ともに、22デシテックスのナイロン6糸を用い、タテ糸密度:185本/2.54cm、ヨコ糸密度:155本/2.54cmの仕様で、生機(織物)をエアージェットルームで製織した後、試験用布帛1と同条件で加工し、得られた布帛(目付40g/m)を試験用布帛2とした。
(試験用布帛3)
タテ糸とヨコ糸ともに、22デシテックスのナイロン6糸を用い、タテ糸密度:140本/2.54cm、ヨコ糸密度:120本/2.54cmの仕様で、生機(織物)をエアージェットルームで製織した後、試験用布帛1と同条件で加工し、得られた布帛(目付30g/m)を試験用布帛3とした。
(実施例1)
後述の化合物(A)150g/kgと、化合物(D)10g/kgを含み、残量をイオン交換水とする処理液を調整し、この処理液に試験用布帛1を拡布の状態で浸漬してマングルを用いて絞り率90%となるよう絞り、130℃の温度で乾燥し、その後、170℃の温度で加熱処理をし、化合物(A)の付着量が3.4質量%である繊維構造物を得た。得られた繊維構造物の加工上がりの撥水性は4−5級、撥油性は1級、通気度は6.1cc/cm/secとなった。なお、上記の合計の付着量(質量%)は、試験用布帛に対するものであり、以下、同様である。
(実施例2)
実施例1において、化合物(A)を使用せず、化合物(B)を70g/kg使用し、試験用布帛2に加工した以外は実施例1と同様にして、化合物(B)の付着量が1.6質量%である繊維構造物を得た。得られた繊維構造物の加工上がりの撥水性は4級、撥油性は1級、通気度は25.0cc/cm/secとなった。
(実施例3)
実施例1において、化合物(A)を350g/kg用いた以外は実施例1と同様にして、化合物(A)の付着量が7.9質量%である繊維構造物を得た。得られた繊維構造物の加工上がりの撥水性は4−5級、撥油性は2級、通気度は5.1cc/cm/secとなった。
(実施例4)
実施例1において、化合物(A)を300g/kg用い、試験用布帛2に加工した以外は実施例1と同様にして、化合物(A)の付着量が6.8質量%である繊維構造物を得た。得られた繊維構造物の加工上がりの撥水性は4−5級、撥油性は3級、通気度は22.3cc/cm/secとなった。
(比較例1)
実施例1において、化合物(A)を400g/Kg加えた以外は実施例1と同様にして、化合物(A)の付着量が9.0質量%である繊維構造物を得た。得られた繊維構造物の加工上がりの撥水性は4−5級、撥油性は2級、通気度は4.2cc/cm/secとなった。
(比較例2)
実施例1において、化合物(A)を60g/Kg加えた以外は実施例1と同様にして、化合物(A)の付着量が1.4質量%である繊維構造物を得た。得られた繊維構造物の加工上がりの撥水性は4級、撥油性は0級、通気度は6.3cc/cm/secとなった。
(比較例3)
実施例1において、化合物(A)を300g/Kg加え、試験用布帛3に加工した以外は実施例1と同様にして、化合物(A)の付着量が6.8質量%である繊維構造物を得た。得られた繊維構造物の加工上がりの撥水性は4級、撥油性は0級、通気度は35.3cc/cm/secとなった。
(比較例4)
実施例1において、化合物(A)を使用せず、化合物(C)を300g/kg使用した以外は実施例1と同様にして、化合物(C)の付着量が6.8質量%である繊維構造物を得た。得られた繊維構造物の加工上がりの撥水性は4−5級、撥油性は0級、通気度は5.8cc/cm/secとなった。
化合物(A)“メイシールド”Z−1(明成化学工業(株)製、炭化水素系撥水剤、固形分25%)
化合物(B)“ユニダイン”XF−5005(ダイキン工業(株)製、炭化水素系撥水剤、固形分25%)
化合物(C)“ネオシード”NR−8000(日華化学(株)製、シリコーン系撥水剤、固形分30%)
化合物(D)ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ナカライテスク(株)製)
以上の実施例1から4、比較例1から4の生地質量に対する撥水性化合物の付着質量と、得られた繊維構造物の撥水性、撥油性、通気度の結果を表1に示す。
Figure 2021155896
表1から明らかなように、本発明による繊維構造物は、フッ素を含有しないにもかかわらず、撥水性と撥油性を両立し、通気度も備え、一般衣料等に好適に用いられる。
本発明の繊維構造物は、高い撥水性、撥油性を示し、一般衣料等に好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 繊維の表面にフッ素元素を含まない撥水性の炭化水素系化合物が繊維に対して1.5〜8.4質量%固着された繊維構造物であり、通気度が5〜30cc/cm/secの範囲内であり、かつ、撥水度が4級以上、かつ、撥油度が1〜3級の範囲内である繊維構造物。
  2. 該炭化水素系化合物の繊維に対する固着量が1.5〜6.9質量%である請求項1記載の繊維構造物。
  3. 織物である請求項1または2に記載の繊維構造物。
  4. 該繊維がポリアミド系繊維である請求項1から3のいずれかに記載の繊維構造物。
  5. 繊維構造物を、フッ素元素を含まない撥水性の炭化水素系化合物が繊維に対して1.5〜8.4質量%固着されるように調整された処理液に含侵する工程の後に、前記繊維構造物を170℃以上の温度で熱処理する工程を通し、通気度が5〜30cc/cm/secの範囲内であり、かつ、撥水度が4級以上、かつ、撥油度が1〜3級の範囲内の繊維構造物を得ることを特徴とする繊維構造物の製造方法。
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