JP6929240B2 - 電池用硫酸コバルトの製造方法 - Google Patents

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Description

この明細書は、電池に用いられる硫酸コバルトを製造する方法に関する技術を開示するものである。
たとえば、製品寿命もしくは製造不良その他の理由より廃棄されたリチウムイオン二次電池廃棄物から、コバルト等の有価金属を回収するための処理や、超硬工具スクラップ中のコバルト回収の処理では、コバルトは、コバルトが溶解した溶液に対して電気分解を行った結果として、電気コバルトとして得られることがある。
なお、電気コバルトが得られるまでのリチウムイオン二次電池廃棄物に対する一連のプロセスは、たとえば特許文献1、2に記載されている。またこの種のコバルトの電気分解ないし電解採取についての技術としては、特許文献3、4等に記載されたものがある。
特許第5706457号公報 特開2016−194105号公報 特開2016−186115号公報 特開2017−218648号公報
上述した電気コバルトは、それを得るまでに経る各工程で他の金属元素等が有効に取り除かれていることから、不純物が少なく比較的純度の高いものである。
しかるに、リチウムイオン二次電池その他の電池の原料として用いられる硫酸コバルト等のコバルト原料は、さらに不純物の含有量が少ないものであることが要求されるところ、上記の電気コバルトは不純物として特にニッケルをある程度含むので、電池原料のニッケル含有量についてのスペックを満たさない。それ故に、かかる電気コバルトをそのまま電池の原料として用いることができないという問題がある。
この明細書は、このような問題に対処するため、電気分解により得られた電気コバルトから、それに含まれるニッケルを有効に除去することのできる電池用硫酸コバルトの製造方法を提案するものである。
この明細書で開示する電池用硫酸コバルトの製造方法は、電気分解により得られ、ニッケルを含有する電気コバルトから、電池用硫酸コバルトを製造する方法であって、前記電気コバルトを酸で溶解する溶解工程と、溶解工程で得られるコバルト溶液中のコバルトイオンを抽出するに当り、コバルト溶液と抽出剤とを接触させる際または前もしくは後に、コバルト溶液にアンモニアイオンを添加してpHを調整し、コバルトイオンを抽出するとともに逆抽出する抽出工程と、抽出工程後の逆抽出後液中のコバルトイオンを結晶化させ、硫酸コバルトを得る結晶化工程とを含むものである。
上記の電池用硫酸コバルトの製造方法によれば、所定の溶解工程、抽出工程及び結晶化工程を含むことから、電気コバルトに含まれるニッケルを有効に除去することができ、それにより、電池の原料として用いることができる硫酸コバルトを製造することができる。
一の実施形態に係る電池用硫酸コバルトの製造方法を示すフロー図である。 電気コバルトを得る方法の一例を示すフロー図である。 試験例1でpH調整剤として水酸化ナトリウム、アンモニア水をそれぞれ使用した場合の平衡pHに対するコバルトイオン及びニッケルイオンの抽出率を示すグラフである。 試験例2でPC−88AとALBRITECT TH1のそれぞれを抽出剤とした場合のコバルト及びニッケルの典型的な抽出曲線を示すグラフである。 試験例2で二種類の溶液のそれぞれについてpH調整剤として水酸化ナトリウムを用いて抽出した結果を示すグラフである。
以下に、この明細書で開示する発明の実施の形態について詳細に説明する。
一の実施形態に係る電池用硫酸コバルトの製造方法は、図1に例示するように、ニッケルを含有する電気コバルトを酸で溶解する溶解工程と、溶解工程で得られるコバルト溶液中のコバルトイオンを抽出するとともに逆抽出する抽出工程と、抽出工程後の逆抽出後液中のコバルトイオンを結晶化させ、硫酸コバルトを得る結晶化工程とを含むものである。
特にこの方法では、抽出工程で、コバルト溶液中のコバルトイオンを抽出するに際し、コバルト溶液と抽出剤とを接触させる際または前もしくは後に、pH調整剤として、アンモニアイオンを添加することとし、このアンモニアイオンをニッケルイオンのマスキング剤としても機能させることにより、コバルトイオンのみを選択的に抽出することを特徴とする。
(電気コバルト)
電気コバルトは、電解採取を含む電気分解により得られたものであって、ニッケルを含有するものであれば、どのようなものであってもよい。このような比較的多い量でニッケルを含む電気コバルトは、リチウムイオン二次電池等の電池の原料として用いられるコバルトのニッケル含有量についての厳しい要求特性を満たさない。この実施形態は、後述する工程を行うことにより、電気コバルト中のニッケルを効果的に除去して、電池原料として用いることができる硫酸コバルトを製造するものである。
電気コバルトは、携帯電話その他の種々の電子機器等で使用され得るリチウムイオン二次電池で、電池製品の寿命や製造不良またはその他の理由によって廃棄されたリチウムイオン二次電池廃棄物に対して、所定の処理を施すことにより得られることがある。
上記の所定の処理とは、たとえば、図2に示すように、前処理工程として、リチウムイオン二次電池廃棄物に対して焙焼、破砕及び篩別を順次に行った後、それにより得られる電池粉末を酸で浸出させる浸出工程を行い、その後、必要に応じて浸出後液に含まれる不要な金属等を除去し、溶媒抽出法により浸出後液中のコバルトイオンを抽出するとともに逆抽出する抽出工程を行い、さらにその逆抽出後液に対して電解採取工程を行うというものである。電解採取工程で陰極表面に電着する金属として、電気コバルトが得られる。各工程の具体的な方法及び条件については、公知のものを参照して適宜決定することができる。
あるいは、超硬工具スクラップからコバルトを回収するため、超硬工具スクラップに対して所定の処理を施した後に、電気コバルトが得られることもある。
このようにして得られる電気コバルトは、ニッケルを、典型的には100質量ppm〜1000質量ppm、たとえば500質量ppm程度で含有することがある。
(溶解工程)
溶解工程では、上述したような電気コバルトを、硫酸または、硫酸及び酸化剤等の酸で溶解させる。酸化剤は不要である場合もある。このときに、コバルトとともに、電気コバルトに含まれていたニッケルも溶解する。それにより、少なくともコバルトイオン及びニッケルイオンを含むコバルト溶液が得られる。
溶解時の硫酸酸性溶液のpHは、たとえば1〜5、好ましくは2〜4とすることができる。このpHが高すぎると、コバルトの浸出が緩慢となることが懸念され、またpHが低すぎると、後工程の抽出工程に添加するpH調整剤の量が増大するおそれがある。
コバルト溶液中のコバルト濃度は、たとえば10g/L〜150g/L、好ましくは100g/L〜130g/Lとすることができる。
(抽出工程)
溶解工程で得たコバルト溶液からコバルトイオンを、ニッケルイオンから分離させて選択的に抽出するため、溶媒抽出法による抽出工程を行う。
ここで、所定の抽出剤を用いる場合、横軸をpHとするとともに縦軸を抽出率としたグラフにおけるコバルトの抽出曲線は、ニッケルの抽出曲線よりもpHが低い側に位置するところ、コバルト溶液では、たとえば図2の抽出工程の抽出前液等に比して、コバルト濃度が高いことから、抽出曲線がpHのより高い側にシフトする。この場合、コバルトイオンを十分に抽出できるpHに設定すると、多くのニッケルイオンまで抽出されてしまい、コバルトのみを選択的に抽出することができない。
これに対し、発明者は、ニッケルイオンをマスキングして抽出時に水相に残すマスキング剤を用いることを考えた。そして、このマスキング剤として、アンモニアイオン、S23 2-、EDTA等の様々な試薬を検討した結果、アンモニアイオンが、コバルトイオンをマスキングしないがニッケルイオンをマスキングするものとして有効であり、しかも抽出時のpH調整剤としても機能し得ることを見出した。
このような知見の下、この実施形態では、コバルト溶液中のコバルトイオンを抽出するに当り、コバルト溶液と抽出剤とを接触させる際または前もしくは後に、コバルト溶液にアンモニアイオンを添加してpHを調整し、コバルトイオンを抽出する。これにより、多くのニッケルを水相に残しつつ、コバルトイオンを有機相(抽出剤)に移すことができる。
アンモニアイオンを添加する時期は、コバルト溶液と抽出剤とを接触させる際やその前もしくは後のいずれであってもよいが、撹拌接触中とすることが好ましい。その理由は、pH調整の為に適宜、アンモニアイオンの添加が必要であるからである。
アンモニアイオンは、たとえば、アンモニア水または、塩化アンモニウム(NH4Cl)と水酸化ナトリウム(NaOH)等の形態として添加することができる。
アンモニア水を添加する場合、アンモニア水の添加量は、コバルト溶液に対する体積比で1%〜10%とすることが好適である。
水酸化アンモニウム(NH4OH)またはアンモニア(NH3)は、ニッケル1mоlに対して、たとえば1〜10倍モル当量、好ましくは1〜6倍モル当量で添加することができるが、これに限定されない。
コバルト溶液と接触させる抽出剤は、ホスホン酸(phosphonic acid)系抽出剤やリン酸(phosphoric acid)系抽出剤とすることも可能であるが、ホスフィン酸(phosphinic acid)系抽出剤とすることが好ましく、なかでも、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸を含むことがより一層好ましい。具体的には、SOLVAY社のALBRITECT TH1(商品名)または、Cyanex272とすることが特に好適であるが、これらに限定されるものではない。これにより、たとえば、2−エチルヘキシルホスフィン酸2−エチルヘキシル(PC−88A、Ionquest801)等の抽出剤に比して、pHの低い側と高い側に十分離れたコバルト及びニッケルの抽出曲線となって、コバルトイオンは抽出するがニッケルイオンは抽出しない範囲が拡大することになる。つまり、コバルトイオンのみの選択的な抽出がさらに容易になる。抽出剤がビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸を含む場合、その純度は、たとえば95%以上とすることができる。
抽出剤は、芳香族系、パラフィン系、ナフテン系等の炭化水素系有機溶剤を用いて、濃度が10〜30体積%となるように希釈して使用することができる。
抽出の手順の一例としては、アンモニア水等を添加しつつ、コバルト溶液(水相)と上記の抽出剤(有機相)を接触させ、ミキサーにより、たとえば200〜500rpmで5〜60分にわたって攪拌混合し、コバルトイオンを抽出剤と反応させる。この際の液温は、15℃〜60℃とする。その後、セトラーにより、混合した有機相と水相を比重差により分離する。
溶媒抽出は繰り返し行ってもよく、たとえば有機相と水相が向流接触するようにした多段方式とすることもできる。O/A比(水相に対する有機相の体積比)は0.1〜10とすることが一般的である。
抽出時の平衡pHは4〜7とすることが好ましく、特に5〜6とすることがより一層好ましい。これにより、ニッケルイオンを水相に残し、コバルトイオンを有機相に有効に抽出することができる。言い換えると、抽出時の平衡pHが低いとコバルトイオンが十分に抽出されず、この一方で、平衡pHが高いとニッケルイオンも抽出されることが懸念される。但し、適切なpH範囲は、コバルト濃度や抽出剤の体積分率、油と水の相比、温度などの組み合わせによって変化するので、上記の範囲外とする場合もあり得る。
抽出後は、コバルトイオンを含有する有機相に対して逆抽出を行う。逆抽出は、硫酸もしくは塩酸の酸性水溶液等の逆抽出液を使用して、ミキサー等により、200〜500rpmで5〜60分にわたって撹拌混合することにより行うことができる。
逆抽出液としては、次工程である硫酸コバルトの結晶化工程を考慮すると、硫酸を使用することが好ましい。逆抽出液の酸濃度はpH:1.0〜3.0に調整することが好ましく、pH:1.5〜2.5に調整することがより好ましい。
逆抽出は、15℃〜60℃以下で実施することができる。
逆抽出により、コバルトイオンは有機相から水相側に移動し、コバルトイオンを含む逆抽出後液(水相)を得ることができる。ここでは、先述したように抽出時に多くのニッケルイオンを水相に残したことから、逆抽出後液にはニッケルイオンがほぼ含まれない。
抽出後液中のコバルト濃度は、たとえば1g/L〜200g/L、典型的には80g/L〜100g/Lになる。また抽出後液中のニッケル濃度は、たとえば2mg/L以下、典型的には1mg/L以下とすることができる。
(結晶化工程)
抽出工程で得られた逆抽出後液に対しては、そこに含まれるコバルトイオンを結晶化させる結晶化工程を行う。
ここでは、逆抽出後液を、たとえば40℃〜50℃に加熱して濃縮し、コバルトを硫酸コバルトとして晶析させる。
なお、逆抽出後液は、先述した工程を経たことによりコバルトイオン以外の不純物が十分に除去されている。そのため、この実施形態では、抽出工程の後、結晶化工程に先立って、不純物を除去するための洗浄工程を行うことを要しない。したがって、この実施形態では、抽出工程で得られた逆抽出後液に対し、当該洗浄工程を経ることなく、逆抽出工程で得られるコバルト溶液をそのまま、結晶化工程を行うことができる。
このようにして製造した硫酸コバルトは、ニッケル含有量が、好ましくは5質量ppm以下であり、ニッケルが十分に除去されていることから、リチウムイオン二次電池その他の電池の製造の原料として有効に用いることができる。
次に、上述したような電池用硫酸コバルトの製造方法についての試験を行ったので以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的としたものであり、それに限定されることを意図するものではない。
(試験例1:マスキング剤の検討)
コバルト濃度が20g/Lでニッケル濃度が20mg/Lであるコバルト溶液に対し、水酸化ナトリウムとアンモニア水の二種類のpH調整剤のそれぞれを用いて、コバルト溶液中のコバルトイオンの抽出を行った。ここで用いた抽出剤はALBRITECT TH1(SOLVAY社製)とし、抽出条件は、抽出剤25vol% 希釈剤(Solvesso D70)75vol%、Co:23g/L、Ni:19mg/L 抽出溶媒:抽出対象水溶液=50ml:50ml、操作温度:室温、抽出時間:1時間とした。その結果を図3にグラフで示す。
図3に示すところから、pH調整剤を水酸化ナトリウムとした場合は、平衡pHの上昇に伴い、コバルトのみならずニッケルの抽出率も増加することから、コバルトイオンを十分に抽出するとニッケルイオンもある程度抽出されてしまうことが解かる。
一方、pH調整剤をアンモニア水とした場合は、平衡pHの上昇に伴い、コバルトの抽出率は増加するもニッケルの抽出率はほぼ増加しないことから、コバルトイオンのみを有効に抽出できることが明らかである。
(試験例2:抽出剤の検討)
PC−88AとALBRITECT TH1のそれぞれを抽出剤とした場合のコバルト及びニッケルの典型的な抽出曲線を図4に示す。ALBRITECT TH1を用いた場合は、コバルトの抽出曲線とニッケルの抽出曲線とが、図4に実線で示すように、破線で示すPC−88Aに比して、pHの低い側と高い側に大きく離れて位置することになり、コバルトイオンとニッケルイオンの抽出率が50%のときのpHの差ΔpH50が、PC−88AのΔpH50よりも飛躍的に大きくなる。したがって、PC−88AよりもALBRITECT TH1のほうが、コバルトイオンとニッケルイオンの分離性に優れることが解かる。
但し、ALBRITECT TH1を用いたとしても、図5にグラフで示すように、コバルト濃度が比較的高い溶液に対して抽出を行うと、コバルトの抽出pHがpHの高い側にシフトし、その結果として、ニッケルイオンも多く抽出してしまうことが解かる。それゆえに、試験例1で述べたマスキング剤としても機能するアンモニア水の添加が重要となる。
なお、図5の結果は、コバルト濃度が1g/Lでニッケル濃度が1mg/Lである溶液と、コバルト濃度が20g/Lでニッケル濃度が20mg/Lである溶液のそれぞれについて、pH調整剤として水酸化ナトリウムを用いて、その他の条件は試験例1と同様にして抽出を行って得られたものである。

Claims (6)

  1. 電気分解により得られ、ニッケルを含有する電気コバルトから、電池用硫酸コバルトを製造する方法であって、
    前記電気コバルトを酸で溶解する溶解工程と、溶解工程で得られるコバルト溶液中のコバルトイオンを抽出するに当り、コバルト溶液と抽出剤とを接触させる際または前もしくは後に、コバルト溶液にアンモニアイオンを添加してpHを調整し、コバルトイオンを抽出するとともに逆抽出する抽出工程と、抽出工程後の逆抽出後液中のコバルトイオンを結晶化させ、硫酸コバルトを得る結晶化工程とを含む、電池用硫酸コバルトの製造方法。
  2. 前記抽出工程で、前記抽出剤をホスフィン酸系抽出剤とする、請求項1に記載の電池用硫酸コバルトの製造方法。
  3. 前記抽出工程で、前記抽出剤がビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸を含む、請求項2に記載の電池用硫酸コバルトの製造方法。
  4. 前記抽出工程で、抽出時の平衡pHを4〜7に調整する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電池用硫酸コバルトの製造方法。
  5. 前記電気コバルトとして、少なくともコバルト及びニッケルを含有するリチウムイオン電池スクラップを処理して得られる電気コバルトを用いる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池用硫酸コバルトの製造方法。
  6. ニッケルの含有量が5質量ppm以下である硫酸コバルトを製造する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電池用硫酸コバルトの製造方法。
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