JP6927036B2 - 化学品の製造方法および微生物の培養方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ケーンモラセスを主成分として含有する発酵原料を用いた連続培養による化学品の製造方法に関する。
乳酸などの生分解性ポリマー原料やエタノールなどのバイオ燃料に代表されるバイオマス由来の化学品は、大気中への二酸化炭素の排出問題やエネルギー問題の顕在化と共にサスティナビリティー(持続可能性)およびライフサイクルアセスメント(LCA)対応型製品として強い注目を浴びている。これら生分解性ポリマー原料やバイオ燃料の製造方法としては、とうもろこしなどの可食性バイオマスから精製した六炭糖であるグルコースや、サトウキビから砂糖を精製する過程で生じる糖蜜(ケーンモラセス)を原料として、微生物による発酵産物として得るのが一般的である。ケーンモラセスは、ブラジルやタイなどの砂糖生産国においてはエタノール発酵原料として多量に消費されており、重要な発酵原料となっている。
一般に、微生物培養による化学品の製造方法としてはバッチ培養法、フェドバッチ培養法または連続培養法などが用いられるが、特許文献1では分離膜を用いた連続培養方法により発酵産物である化学品の生産速度や収率が向上することが開示されている。一方で当該特許文献では、ケーンモラセス含有原料の使用に関する記載はない。また、特許文献2では、前処理バイオマスを酵素糖化した後にケーンモラセスを添加することで、糖化酵素の膜による回収率が向上することおよび得られた糖液を原料とした微生物発酵によるエタノール生産方法が開示されている。
WO2007/097260 WO2012/118171
本発明者は、ケーンモラセスを主成分として含有する発酵原料を用いた分離膜利用連続培養を検討した結果、ケーンモラセス非含有発酵原料では膜閉塞が発生しない濾過速度(フラックス)であっても、膜閉塞が発生してしまうという課題を新規に見出した。そこで本発明では、ケーンモラセスを主成分として含有する発酵原料を用いた場合においても、ケーンモラセス非含有発酵原料を用いた場合と同様の分離膜利用連続培養を実現できる方法を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討した結果、ケーンモラセスを主成分として含有する発酵原料を用いた分離膜利用連続発酵において、培養液の遠心上清中に、平均粒子径100nm以上の微生物由来の粒子を含有せしめる微生物を培養することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(5)の通りである。
(1)微生物を、ケーンモラセスを主成分として含む発酵原料で培養し、培養液を分離膜で濾過して微生物が分離された化学品を含む濾過液を回収し、さらに微生物を含む未濾過液を培養液に保持または還流し、かつ発酵原料を培養液に追加して連続発酵する化学品の製造方法において、前記培養液の遠心上清中に平均粒子径が100nm以上の粒子を含有せしめる微生物を培養する、化学品の製造方法。
(2)前記粒子の平均粒子径が300nm以上である、(1)に記載の化学品の製造方法。
(3)前記発酵原料がケーンモラセスおよびセルロース含有バイオマス由来糖液の混合物を含む、(1)または(2)に記載の化学品の製造方法。
(4)前記微生物がシゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属に属する酵母である、(1)〜(3)のいずれかに記載の化学品の製造方法。
(5)微生物を、ケーンモラセスを主成分として含む発酵原料で培養し、培養液を分離膜で濾過して微生物を含む未濾過液を培養液に保持または還流し、かつ発酵原料を培養液に追加して連続培養する微生物の培養方法において、前記培養液の遠心上清中に平均粒子径100nm以上の粒子を含有せしめる微生物を培養する、微生物の培養方法。
本発明によれば、ケーンモラセス含有発酵原料を用いた分離膜利用連続発酵をおこなっても、分離膜の膜閉塞を防ぐことができ、化学品を効率よく製造することができる。
ケーンモラセス含有原料を用いたシゾサッカロミセス・ポンベNBRC1628株による分離膜利用連続発酵時のろ過フラックスおよび膜間差圧推移を示す図である。 ケーンモラセス含有原料を用いたサッカロミセス・セレビセNBRC2260株による分離膜利用連続発酵時のろ過フラックスおよび膜間差圧推移を示す図である。 ケーンモラセス含有原料を用いた連続ろ過時のろ過フラックスおよび膜間差圧推移を示す図である。 ケーンモラセス含有原料を用いたシゾサッカロミセス・ジャポニカスNBRC1609株による分離膜利用連続発酵時のろ過フラックスおよび膜間差圧推移を示す図である。 ケーンモラセス非含有原料を用いたサッカロミセス・セレビセNBRC2260株による分離膜利用連続発酵時のろ過フラックスおよび膜間差圧推移を示す図である。
本発明は、微生物を、ケーンモラセスを主成分とする発酵原料で培養して、培養液を分離膜で濾過して微生物が分離された化学品を含む濾過液を回収し、さらに微生物を含む未濾過液を培養液に保持または還流し、かつ発酵原料を培養液に追加して連続発酵する化学品の製造方法であって、前記培養液の遠心上清中に平均粒子径が100nm以上の粒子を含有せしめる微生物を培養することを特徴とする、化学品の製造方法および微生物の培養方法に関する。
本発明で使用する微生物は、化学品を生産する能力を有する微生物であり、かつ、当該微生物を、ケーンモラセスを主成分として含む発酵原料で培養した際に培養液の遠心上清中に、平均粒子径が100nm以上の粒子を含有せしめる微生物であれば特に制限はない。そのような微生物の好ましい具体例としては、Shizosaccharomyces属に属する酵母が挙げられる。Shizosacharomyces属に属する酵母としては、Shizosaccharomyces pombe、Shizosaccharomyces japonicus、Shizosaccharomyces octosporusまたはShizosaccharomyces cryophilusを好適に用いることができる。
本発明における粒子とは、培養液中に含まれる微生物以外の不溶性の粒状物質を意味する。培養液中に存在する粒子の平均粒子径の測定は、動的光散乱法(DLS、光子相関法)により行う。具体的には、動的光散乱法による測定によって得られた散乱強度の揺らぎから、キュムラント(Cumulant)解析によって自己相関関数を求め、散乱強度に対する粒度分布へ変換した後に、解析範囲最小値を1nm、最大値を5000nmとして平均粒子径に換算する。測定には、大塚電子株式会社のELS−Z2を用いる。また、培養液中には微生物も粒子として存在していることから、室温の培養液を1000×G、10分の条件で遠心することにより微生物を沈殿させ、その遠心上清に含まれる粒子の平均粒子径を測定する。
前記粒子の平均粒子径は100nm以上であり、好ましくは300nm以上、より好ましくは300〜1500nmである。このような平均粒子径が100nm以上の粒子を培養液中に含有せしめる微生物を利用することで、詳細な作用機序は明らかではないが、後述の実施例・比較例で示されるように分離膜の膜閉塞を顕著に抑制することができる。なお、粒子の平均粒子径の上限は、膜閉塞の発生により濾過フラックスを低下させない範囲においては特に制限されないが、前記遠心によっても微生物とともに沈殿しないような粒子の平均粒子径が上限となり、好ましい上限値としては1500nmである。
ケーンモラセスとは、サトウキビの絞り汁あるいは粗糖より、製糖の過程で生成する副産物である。すなわち、製糖過程における結晶化工程で結晶化の後に残った糖成分を含む晶析母液のことを指す。一般的に、結晶化工程は、複数回行うことが通常であり、1回目の結晶化を行い得た結晶成分である1番糖、さらに1番糖の残り液(1番糖蜜)の結晶化を行い得た結晶成分である2番糖、さらに2番糖の残り液(2番糖蜜)の結晶化を行い得た3番糖、のように結晶化を繰り返し行い、その際に残った晶析母液として得た最終段階の糖蜜のことをケーンモラセスという。結晶化の回数が多くなるに伴い、糖成分以外の無機塩がケーンモラセス中に濃縮される。本発明で使用するケーンモラセスとしては、結晶化回数が多く経た後のケーンモラセスであることが好ましく、少なくとも2回以上、さらに好ましくは3回以上結晶化を行った後に残るケーンモラセスであることが好ましい。ケーンモラセスに含まれる糖成分としては、スクロース、グルコース、フルクトースを主成分として含んでおり、キシロース、ガラクトースなどのその他の糖成分も若干含まれる場合がある。ケーンモラセス中の糖濃度は、一般的に200〜800g/L程度である。ケーンモラセス中の糖濃度は、HPLCなどの公知の測定手法によって定量することができる。
発酵原料とは、微生物が増殖するために必要な栄養が全て含まれるものである。本発明で使用する発酵原料にはケーンモラセスが主成分として含まれていればよく、その他、炭素源、窒素源、無機塩類、および必要に応じてアミノ酸、ビタミンなどの有機微量栄養素を適宜添加してもよい。なお、本発明においてケーンモラセスを主成分として含む発酵原料とは、発酵原料に含まれる物質(水を除く)のうち50重量パーセント以上がケーンモラセスであることを意味する。
炭素源としては、グルコース、シュークロース、フラクトース、ガラクトース、ラクトース等の糖類、これら糖類を含有する澱粉糖化液、甘藷糖蜜、甜菜糖蜜、ハイテストモラセス、更には酢酸等の有機酸、エタノールなどのアルコール類、グリセリンなどの他、セルロース含有バイオマス由来糖液が好ましく使用される。
セルロース含有バイオマスとしては、バガス、スイッチグラス、コーンストーバー、稲わら、麦わらなど草木系バイオマスと、樹木、廃建材などの木質系バイオマスなどを例として挙げることができる。セルロース含有バイオマスは、糖が脱水縮合した多糖であるセルロースあるいはヘミセルロースを含有しており、こうした多糖を加水分解することで発酵原料として利用可能な糖液が製造される。
セルロース含有バイオマス由来糖液の調製方法は特に制限はなく、こうした糖の製造方法としては、濃硫酸を使用してバイオマスを酸加水分解して糖液を製造する方法(特表平11−506934号公報、特開2005−229821号公報)、バイオマスを希硫酸で加水分解処理した後に、さらにセルラーゼなどの酵素処理することより糖液を製造する方法が開示されている(A.Adenら、“Lignocellulosic Biomass to Ethanol Process Design and Economics Utilizing Co−Current Dilute Acid Prehydrolysis and Enzymatic Hydrolysis for Corn Stover”NREL Technical Report(2002))。また酸を使用しない方法として、250〜500℃程度の亜臨界水を使用しバイオマスを加水分解して糖液を製造する方法(特開2003−212888号公報)、またバイオマスを亜臨界水処理した後に、さらに酵素処理することにより糖液を製造する方法(特開2001−95597号公報)、バイオマスを240〜280℃の加圧熱水で加水分解処理した後に、さらに酵素処理することにより糖液を製造する方法(特許3041380号公報)が開示されている。以上のような処理の後、得られた糖液とケーンモラセスを混合して精製してもよい。その方法は、例えば、WO2012/118171に開示されている。
窒素源としてはアンモニアガス、アンモニア水、アンモニウム塩類、尿素、硝酸塩類、その他補助的に使用される有機窒素源、例えば油粕類、大豆加水分解液、カゼイン分解物、その他のアミノ酸、ビタミン類、コーンスティープリカー、酵母または酵母エキス、肉エキス、ペプトン等のペプチド類、各種発酵菌体およびその加水分解物などが使用される。
無機塩類としてはリン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩等を適宜添加することができる。
また、本発明に使用する微生物が生育のために特定の栄養素を必要とする場合にはその栄養物を標品もしくはそれを含有する天然物として添加して使用できる。
本発明に用いる分離膜については、微生物の培養で得られた培養液を微生物から分離濾過する機能を有するものであれば特に制限はなく、材質としては、例えば、多孔質セラミック膜、多孔質ガラス膜、多孔質有機高分子膜、金属繊維編織体、不織布などを用いることができるが、これらの中で特に多孔質有機高分子膜もしくはセラミック膜が好適である。
本発明で分離膜の構成としては、例えば、耐汚れ性の点から、多孔質樹脂層を機能層として含む分離膜であることが好ましい。
多孔質樹脂層を含む分離膜は、好ましくは、多孔質基材の表面に、分離機能層として作用とする多孔質樹脂層を有している。多孔質基材は、多孔質樹脂層を支持して分離膜に強度を与える。また、多孔質基材の表面に多孔質樹脂層を有している場合、多孔質基材に多孔質樹脂層が浸透していても、多孔質基材に多孔質樹脂層が浸透していなくてもどちらでも良い。
多孔質基材の平均厚みは、好ましくは50〜3000μmである。
多孔質基材の材質は、有機材料および/または無機材料等からなり、有機繊維が望ましく用いられる。好ましい多孔質基材は、セルロース繊維、セルローストリアセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維およびポリエチレン繊維などの有機繊維なる織布や不織布であり、より好ましくは、密度の制御が比較的容易であり製造も容易で安価な不織布が用いられる。
多孔質樹脂層は、有機高分子膜を好適に使用することができる。有機高分子膜の材質としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、セルロース系樹脂およびセルローストリアセテート系樹脂などが挙げられる。有機高分子膜は、これらの樹脂を主成分とする樹脂の混合物であってもよい。ここで主成分とは、その成分が50重量%以上、好ましくは60重量%以上含有することをいう。有機高分子膜の材質は、溶液による製膜が容易で物理的耐久性や耐薬品性にも優れているポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂およびポリアクリロニトリル系樹脂が好ましく、ポリフッ化ビニリデン系樹脂またはそれを主成分とする樹脂が最も好ましく用いられる。
ここで、ポリフッ化ビニリデン系樹脂としては、フッ化ビニリデンの単独重合体が好ましく用いられる。さらに、ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、フッ化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体との共重合体も好ましく用いられる。フッ化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよび三塩化フッ化エチレンなどが例示される。
本発明で使用される分離膜は、発酵に使用される微生物が通過できない細孔径を有していればよいが、発酵に使用される微生物の分泌物や発酵原料中の微粒子による目詰まりが起こりにくく、かつ、濾過性能が長期間安定に継続する範囲であることが望ましい。よって、多孔性分離膜の平均細孔径が、0.01〜5μmであることが好ましい。また、さらに好ましくは、分離膜の平均細孔径が、0.01〜1μmであると、微生物がリークすることのない高い排除率と、高い透水性を両立させることができ、透水性を長時間保持することができる。
微生物の大きさに近いと、これらが直接孔を塞いでしまう場合があるので、分離膜の平均細孔径は1μm以下であることが好ましい。分離膜の平均細孔径は、微生物の漏出、すなわち排除率が低下する不具合の発生を防止するため、微生物の大きさと比較して大きすぎないことが好ましい。微生物のうち、細胞の小さい細菌などを用いる場合には、平均細孔径として0.4μm以下が好ましく、0.2μm以下がより好ましく、0.1μm以下がさらに好ましい。平均細孔径が小さすぎると分離膜の透水性能が低下し、膜が汚れていなくても効率的な運転ができなくなるため、本発明における分離膜の平均細孔径は、好ましくは0.01μm以上であり、より好ましくは0.02μm以上であり、さらに好ましくは0.04μm以上である。
ここで、平均細孔径は、倍率10,000倍の走査型電子顕微鏡観察における、9.2μm×10.4μmの範囲内で観察できる細孔すべての直径を測定し、平均することにより求めることができる。平均細孔径は、あるいは膜表面を、走査型電子顕微鏡を用いて倍率10,000倍で写真撮影し、10個以上、好ましくは20個以上の細孔を無作為に選び、それら細孔の直径を測定し、数平均して求めることもできる。細孔が円状でない場合、画像処理装置等によって、細孔が有する面積と等しい面積を有する円(等価円)を求め、等価円直径を細孔の直径とする方法により求められる。
本発明で用いられる分離膜の平均細孔径の標準偏差σは、0.1μm以下であることが好ましい。平均細孔径の標準偏差σは小さければ小さい方が望ましい。平均細孔径の標準偏差σは、上述の9.2μm×10.4μmの範囲内で観察できる細孔数をNとして、測定した各々の直径をXkとし、細孔直径の平均をX(ave)とした下記の(式1)により算出される。
Figure 0006927036
本発明で用いられる分離膜においては、発酵培養液の透過性が重要な性能の一つである。分離膜の透過性の指標として、使用前の分離膜の純水透過係数を用いることができる。本発明において、分離膜の純水透過係数は、逆浸透膜による25℃の温度の精製水を用い、ヘッド高さ1mで透水量を測定し算出したとき、5.6×10−10/m/s/pa以上であることが好ましく、純水透過係数が、5.6×10−10/m/s/pa以上6×10−7/m/s/pa以下であれば、実用的に十分な透過水量が得られる。
本発明で用いられる分離膜において、表面粗さとは、表面に対して垂直方向の高さの平均値である。膜表面粗さは、分離膜表面に付着した微生物が、撹拌や循環ポンプによる液流による膜面洗浄効果で剥離しやすくするための因子の一つである。分離膜の表面粗さは、特に制限はなく、膜に付着した微生物、ならびにその他の固形物が剥がれる範囲であればよいが、0.1μm以下であることが好ましい。表面粗さが0.1μm以下であると、膜に付着した微生物、ならびにその他の固形物が剥がれやすくなる。
さらに好ましくは、分離膜の膜表面粗さが0.1μm以下であり、平均細孔径が0.01〜1μmであり、分離膜の純水透過係数が2×10−9/m/s/pa以上の分離膜を使用することにより、膜面洗浄に必要な動力を過度に必要としない運転が、より容易に可能であることがわかった。分離膜の表面粗さを、0.1μm以下とすることにより、微生物の濾過において、膜表面で発生する剪断力を低下させることができ、微生物の破壊が抑制され、分離膜の目詰まりも抑制されることにより、長期間安定な濾過が、より容易に可能になる。また、分離膜の表面粗さを、0.1μm以下とすることにより、より低い膜間差圧で連続発酵が実施可能であり、分離膜が目詰まりした場合でも高い膜間差圧で運転した場合に比べて、洗浄回復性が良好である。分離膜の目詰まりを抑えることにより、安定した連続発酵が可能になることから、分離膜の表面粗さは小さければ小さいほど好ましい。
ここで、分離膜の膜表面粗さは、下記の原子間力顕微鏡装置(AFM)を使用して、下記の条件で測定したものである。
・装置 原子間力顕微鏡装置(Digital Instruments(株)製“Nanoscope IIIa”)
・条件 探針 SiNカンチレバー(Digital Instruments(株)製)
走査モード コンタクトモード(気中測定)
水中タッピングモード(水中測定)
走査範囲 10μm、25μm四方(気中測定)
5μm、10μm四方(水中測定)
走査解像度 512×512
・試料調製 測定に際し膜サンプルは、常温でエタノールに15分浸漬後、RO水中に24時間浸漬し洗浄した後、風乾し用いた。RO水とは、濾過膜の一種である逆浸透膜(RO膜)を用いて濾過し、イオンや塩類などの不純物を排除した水を指す。RO膜の孔の大きさは、概ね2nm以下である。
膜表面粗さdroughは、上記の原子間力顕微鏡装置(AFM)により各ポイントのZ軸方向の高さから、下記の(式2)により算出する。
Figure 0006927036
本発明で用いられる分離膜の形状は特に限定されず、平膜や中空糸膜などを用いることができるが、好ましくは中空糸膜である。分離膜が中空糸膜の場合、中空糸の内径は、好ましくは200〜5000μmであり、膜厚は、好ましくは20〜2000μmである。また、有機繊維または無機繊維を筒状にした織物や編物を中空糸の内部に含んでいても良い。
なお、前述の分離膜は、例えばWO2007/097260に記載される製造方法により製造することができる。
本発明での連続発酵は、微生物の培養液を分離膜で濾過して微生物が分離された化学品を含む濾過液を回収し、さらに微生物を含む未濾過液を培養液に保持または還流し、かつ発酵原料を培養液に追加して濾過液中から生産物を回収する連続発酵であることを特徴とする。
本発明の化学品の製造方法においては、濾過時の膜間差圧は特に制限されることはなく、発酵培養液を濾過できればよい。しかし、培養液を濾過するために、有機高分子膜において150kPaより高い膜間差圧で濾過処理すると、有機高分子膜の構造が破壊される可能性が高くなり、化学品を生産する能力が低下することがある。また、0.1kPaより低い膜間差圧では、発酵培養液の透過水量が十分得られない場合が多く化学品を製造するときの生産性が低下する傾向がある。したがって、本発明の化学品の製造方法では、有機高分子膜においては、濾過圧力である膜間差圧を好ましくは0.1〜150kPaの範囲とすることにより、発酵培養液の透過水量が多く、膜の構造の破壊による化学品製造能力の低下もないことから、化学品を生産する能力を高く維持することが可能である。膜間差圧は、有機高分子膜においては、好ましくは0.1〜50kPaの範囲であり、さらに好ましくは0.1〜20kPaの範囲である。
酵母の発酵における温度は、用いる酵母に適した温度を設定すればよく、微生物が生育する範囲であれば特に限定されないが、温度が20〜75℃の範囲で行われる。
本発明の化学品の製造方法では、培養初期にバッチ培養またはフェドバッチ培養を行って微生物濃度を高くした後に、連続発酵(培養液の濾過)を開始しても良い。また、高濃度の菌体をシードし、培養開始とともに連続発酵を行っても良い。本発明の化学品の製造方法では、適当な時期から、発酵原料の供給および培養液の濾過を行うことが可能である。発酵原料の供給と培養液の濾過の開始時期は、必ずしも同じである必要はない。また、培地供給と培養液の濾過は連続的であってもよいし、間欠的であってもよい。
供給する発酵原料には、菌体増殖に必要な栄養素を添加し、菌体増殖が連続的に行われるようにすればよい。培養液中の微生物の濃度は、化学品の生産性を高い状態で維持することが効率よい生産性を得るのに好ましい。培養液中の微生物の濃度は、一例として、乾燥重量として、5g/L以上に維持することで良好な生産効率が得られる。
本発明の化学品の製造方法では、連続発酵の途中において必要に応じて、発酵槽内から微生物を含んだ培養液の一部を取り除いた上、発酵原料を供給して希釈することによって、培養槽内の微生物濃度を調整してもよい。例えば、発酵槽内の微生物濃度が高くなりすぎると、分離膜の閉塞が発生しやすくなることから、微生物を含んだ培養液の一部を取り除き、発酵原料を供給して希釈することで、閉塞から回避することができることがある。本発明の化学品の製造方法では、発酵槽の数は問わない。
本発明で用いられる連続発酵装置は、酵母の培養液を分離膜で濾過し、濾液から生産物を回収するとともに微生物を含む未濾過液を前記の培養液に保持または還流し、かつ、発酵原料を前記の培養液に追加して濾過液中の生産物を回収する連続発酵による化学品の製造装置であれば特に制限はないが、具体例を挙げると、WO2007/097260、WO2010/038613に記載される装置が使用できる。
本発明により製造される化学品としては、アルコール、有機酸など発酵工業において大量生産されている物質を挙げることができる。例えば、アルコールとしては、エタノール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセロール、ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、イソプロパノールなど、有機酸としては、酢酸、乳酸、アジピン酸、ピルビン酸、コハク酸、リンゴ酸、イタコン酸、クエン酸を挙げることができる。また、本発明は、酵素、抗生物質、組み換えタンパク質のような物質の生産に適用することも可能である。これら化学品は周知の方法(膜分離、濃縮、蒸留、晶析、抽出等)により濾過液より回収される。
また、本発明は、前述のような化学品の製造方法に限定されず、前述の方法による微生物の増殖を目的とした培養方法であってもよい。このような具体例としては、微生物を製造目的物とする培養が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(参考例1)糖類、エタノールの分析方法
原料中の糖類、エタノール濃度は、下記に示すHPLC条件で、標品との比較により定量した。
カラム:Shodex SH1011(昭和電工株式会社製)
移動相:5mM 硫酸(流速0.6mL/分)
反応液:なし
検出方法:RI(示差屈折率)
温度:65℃。
(参考例2)ケーンモラセス含有原料の調製
バガスを水熱処理して得られる固形分(C6画分)および水を混合し、固形分仕込濃度10%とした混合液に糖化酵素を20mg/g−乾燥バガスを添加して48時間糖化反応を行った。なお、糖化反応は50℃で行い、pH制御は行わなかった。48時間後に最終的に表1に示す割合になるようにケーンモラセスを添加した後に、フィルタープレスによって糖化残渣と糖化液の固液分離を行い、その後、精密濾過膜、限外濾過膜を通じて、ケーンモラセス含有原料を得た。参考例1に示す方法によるケーンモラセス含有原料の分析結果を表2に示す。
Figure 0006927036
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(実施例1)シゾサッカロマイセス・ポンベNBRC1628株を用いた分離膜利用連続発酵
培養微生物としてエタノール生産酵母シゾサッカロマイセス・ポンベNBRC1628株、培地として表2に示すケーンモラセス含有原料を用い、分離膜を利用した連続培養を行なった。分離膜エレメントとしては特開2010−22321に記載の中空糸の形態を採用した。シゾサッカロマイセス・ポンベNBRC1628株を5mlの表2に示す原料を投入した試験管に植菌し一晩振とう培養した(前々々培養)。得られた培養液を、新鮮な45mlの表2に示す原料を投入した三角フラスコに植菌し、30℃、120rpmで8時間振とう培養した(前々培養)。前々培養液50mLのうち35mLを分取して、700mLの表2に示すケーンモラセス含有原料を投入した連続発酵装置に植菌し、発酵反応槽を付属の撹拌機によって300rpmで撹拌し、24時間培養を行った(前培養)。なお、植菌後直ちに発酵液循環ポンプを稼動させ、分離膜モジュールと発酵槽間の液循環をおこなった。前培養終了後、ろ過ポンプを稼動させて分離膜モジュールより発酵液の抜き出しを開始した。ろ過開始後は、連続発酵装置の発酵液量を700mLになるよう発酵原料添加制御を行いながら以下の連続発酵条件で約300時間の連続培養を行った。連続培養中の膜間差圧およびろ過速度の推移を図1に示す。
[連続発酵条件]
発酵反応槽容量:2(L)
使用分離膜:ポリフッ化ビニリデン製ろ過膜
膜分離エレメント有効濾過面積:218(cm
温度調整:30(℃)
発酵反応槽通気量:無通気
発酵反応槽撹拌速度:300(rpm)
pH調整:無調整
ろ過フラックス設定値:0.1(m/m/日)
滅菌:分離膜エレメントを含む培養槽は121℃、20minのオートクレーブにより高圧蒸気滅菌
平均細孔径:0.1μm
平均細孔径の標準偏差:0.035μm
膜表面粗さ:0.06μm
純水透過係数:50×10−9/m/s/pa。
その結果、図1に示したように、約300時間の連続培養中、膜間差圧はほぼ一定であり、膜閉塞も起こらずろ過フラックスも安定して一定値で推移した。また、連続培養終了時点のエタノール濃度は64g/Lであった。
(比較例1)サッカロマイセス・セレビセNBRC2260株を用いた分離膜利用連続発酵1
培養微生物としてエタノール生産酵母のサッカロマイセス・セレビセNBRC2260株を用いた以外は実施例1と同様の方法にて連続培養を行った。連続培養中の膜間差圧およびろ過フラックスの推移を図2に示す。図2に示したように、300時間の連続培養中、100時間を経過した後から膜間差圧の急激な上昇が起こり、膜閉塞が起こったためろ過フラックスも設定値より低下していくことがわかった。また、連続培養終了時点のエタノール濃度は65g/Lであった。
(参考例3)ケーンモラセス含有原料を用いた連続ろ過試験
次に、表2に示すケーンモラセス含有原料のみを用いた連続ろ過試験を行った。ろ過中の温度、攪拌速度、pH等の条件は実施例1に記載した方法と同様の方法で行った。600時間の連続ろ過試験中の膜間差圧およびろ過フラックスの推移を図3に示す。図3に示したように膜間差圧はほぼ一定であり、膜閉塞も起こらずろ過フラックスも安定して一定値で推移した。
(実施例2)シゾサッカロマイセス・ジャポニカスNBRC1609株を用いた分離膜利用連続発酵
培養微生物としてシゾサッカロマイセス・ジャポニカスNBRC1609株を用いた以外は実施例1と同様の方法にて連続培養を行った。連続培養中の膜間差圧およびろ過フラックスの推移を図4に示す。図4に示したように、約300時間の連続培養中、膜間差圧はほぼ一定であり、膜閉塞も起こらずろ過フラックスも安定して一定値で推移した。
(参考例4)サッカロマイセス・セレビセNBRC2260株を用いた分離膜利用連続発酵試験2
培養微生物としてエタノール生産酵母のサッカロマイセス・セレビセNBRC2260株を用い、発酵原料として表3に示すケーンモラセス非含有原料を用いて実施例1と同様の方法で連続培養を行った。ただし設定ろ過フラックスは0.2(m/m/日)で実施した。連続培養中の膜間差圧およびろ過速度の推移を図5に示す。
その結果、設定ろ過フラックスが比較例2の2倍であるにもかかわらず、約300時間の連続培養中、膜間差圧はほぼ一定であり、膜閉塞も起こらずろ過フラックスも安定して一定値で推移した。また、連続培養終了時点のエタノール濃度は47g/Lであった。
膜閉塞は使用する発酵原料や酵母の組み合わせで発生したり発生しなかったりすることが明らかになった。
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(実施例3)培養液上清中の平均粒子径測定結果
実施例1、実施例2、比較例1、参考例3のそれぞれの培養液および、ケーンモラセス含有原料を遠心分離し、得られた上清の平均粒子径測定を実施した。具体的には、参考例2のケーンモラセス含有原料を5mL加えた試験管に、シゾサッカロマイセス・ポンベNBRC1628株、NBRC1609株またはサッカロマイセス・セレビセNBRC2260株を植菌し、30℃、120rpmで72時間培養した。各酵母培養液および参考例3のケーンモラセス含有原料を1000×Gで10分間遠心して、それぞれの上清3mLを回収した。回収した上清30μLをpH5のクエン酸緩衝液970μLに加えて希釈し、希釈した各溶液を1mL容量のディスポセルに入れ、動的光散乱により平均粒子径を測定した。
[測定条件]
・光源のピンホールサイズ:100μm
・測定波長:660nm
・測定角度:165°
・測定積算回数:70回
・溶媒屈折率:1.3313
・溶媒粘度:0.8852cp。
次に、測定結果を以下の条件にて解析した。
[解析条件]
粒子径の解析には、大塚電子株式会社のゼータ電位・粒子測定システムELS−Z2を用い、25℃の条件で、大気中で測定を行った。動的光散乱によって得られた散乱強度の揺らぎからキュムラント解析によって自己相関関数を求め、散乱強度に対する粒度分布へ変換した。粒度分布のヒストグラム解析範囲は最小値を1nm、最大値を5000nmとした。得られた平均粒子径を表4に示す。
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その結果、表4に示したようにケーンモラセス含有原料で分離膜を用いた連続培養中に、膜閉塞が起こらずろ過速度の低下が発生しなかったシゾサッカロマイセス・ポンベNBRC1628株およびシゾサッカロマイセス・ジャポニカスNBRC1609株の培養液上清中には平均粒子径300nm以上の粒子が含まれていた。一方で、連続培養中に膜閉塞が起こりろ過速度の低下が発生したサッカロマイセス・セレビセNBRC2260株の培養液上清中には平均粒子径300nm以上の粒子が含まれていなかった。なお、ケーンモラセス含有原料にも粒子の存在は認められなかった。つまりケーンモラセス含有培地を用いた分離膜利用連続発酵では、培養液の遠心上清中に、平均粒子径100nm以上の粒子を含有せしめる微生物を発酵に用いると膜閉塞が生じないことがわかった。

Claims (4)

  1. 微生物を、ケーンモラセスを主成分として含む発酵原料で培養し、培養液を分離膜で濾過して微生物が分離された化学品を含む濾過液を回収し、さらに微生物を含む未濾過液を培養液に保持または還流し、かつ発酵原料を培養液に追加して連続発酵する化学品の製造方法において、前記培養液の遠心上清中に平均粒子径が100nm以上の粒子を含有せしめるシゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属に属する酵母を培養する、化学品の製造方法。
  2. 前記粒子の平均粒子径が300nm以上である、請求項1に記載の化学品の製造方法。
  3. 前記発酵原料がケーンモラセスおよびセルロース含有バイオマス由来糖液の混合物を含む、請求項1または2に記載の化学品の製造方法。
  4. 微生物を、ケーンモラセスを主成分として含む発酵原料で培養し、培養液を分離膜で濾過して微生物を含む未濾過液を培養液に保持または還流し、かつ発酵原料を培養液に追加して連続培養する微生物の培養方法において、前記培養液の遠心上清中に平均粒子径100nm以上の粒子を含有せしめるシゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属に属する酵母を培養する、微生物の培養方法。
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