JP6926769B2 - 金属接着用ゴム組成物 - Google Patents

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本発明は、加工性および金属部材との接着性に優れた金属接着用ゴム組成物に関する。
空気入りタイヤには、スチールコードをコートゴム(金属接着用ゴム組成物)で被覆したカーカス層およびベルト層で、そのトレッド部を構成するものがある。これらの金属部材とゴム部材との接着性が低下すると故障が起きやすくなりタイヤ耐久性が低下する虞がある。接着を強固にするため金属接着用ゴム組成物のゴム硬度を大きくすることが考えられるが、粘度が高くなり加工性が悪化することが懸念される。一方、ゴム粘度を小さくするため、オイルや脂肪酸などを配合することがあるが、金属部材との接着性が悪化し、ゴム強度も低下する不具合がある。すなわち金属接着用ゴム組成物には、スチールコードをゴム引きする際の成形加工性に優れること、スチールコードに対する接着性が高く、更に厳しい加熱または湿熱環境におかれても接着力を維持することが求められる。またタイヤの転がり抵抗を低減させて燃費性能を高くするため、発熱性を小さくすることも強く求められている。
特許文献1は、ジエン系ゴムに有機酸コバルト塩を配合したゴム組成物により、スチールコードの接着性を改良することを提案している。しかし、このゴム組成物では、ゴム粘度を小さくし、発熱性を小さくする効果が必ずしも十分ではなく、またスチールコードとの接着性についても更なる改良の余地があった。
特開2007−99868号公報
本発明の目的は、ゴム粘度、低発熱性および接着性を従来レベル以上に向上するようにした金属接着用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の金属接着用ゴム組成物は、天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを80質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に、飽和脂肪酸アルキルエステルを0.5〜10質量部配合してなることを特徴とする。
本発明の金属接着用ゴム組成物は、天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを80質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に、飽和脂肪酸アルキルエステルを0.5〜10質量部配合するようにしたので、ゴム組成物の粘度、発熱性を小さくしながら、接着性を維持・向上することができる。特に加熱または湿熱環境下における接着性(以下、「耐久接着性」ということがある。)を従来レベル以上に向上することができる。
前記脂肪酸エステルは、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸のアルキルエステルであり、脂肪酸エステルの炭素数が10〜22であるとよい。
前記脂肪族アルコールは、炭素数が6〜20の長鎖炭化水素基を有するとよく、この長鎖炭化水素基は、0〜3個の炭素−炭素二重結合を有するとよい。
また前記ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを20〜80質量部、酸化亜鉛を5〜12質量部、硫黄を5〜10質量部配合するとよい。更にコバルト含有化合物を含むことができる。
本発明の金属接着用ゴム組成物は、コバルトを含む金属部材またはコバルトを含まない金属部材に接着させることによりゴム複合体を構成することができる。このゴム複合体は、発熱性を小さくしながら、金属部材との接着性および耐久接着性を従来レベル以上に向上することができる。また加工性が良好で、優れた品質を有するゴム複合体を安定して得ることができる。
本発明の金属接着用ゴム組成物において、ジエン系ゴムは、天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを必ず含み、天然ゴム或いは合成イソプレンゴムのいずれか、または天然ゴムおよび合成イソプレンゴムの両方を含むことができる。天然ゴムおよび合成イソプレンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、80質量%以上、好ましくは90〜100質量%である。天然ゴムおよび合成イソプレンゴムの含有量が80質量%未満であるとスチールコード等の金属部材に対する接着性(例えばクロスプライ剥離力)を確保することができない。また発熱性を小さくする効果も十分には得られない。
本発明の金属接着用ゴム組成物は、ジエン系ゴムとして天然ゴムおよび合成イソプレンゴム以外の他のジエン系ゴムを配合することができる。他のジエン系ゴムとしては、例えばブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等を例示することができる。なかでもブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ハロゲン化ブチルゴムがよい。これらジエン系ゴムは、単独または任意のブレンドとして使用することができる。他のジエン系ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、20質量%以下、好ましくは0〜10質量%である。
本発明の金属接着用ゴム組成物は、脂肪族アルコールまたはその誘導体または脂肪酸エステルを配合することにより、金属部材に対する接着性を高くする。脂肪族アルコール、その誘導体または脂肪酸エステルの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し0.5〜10質量部、好ましくは0.7〜8質量部、より好ましくは1〜5質量部にする。この配合量が0.5質量部未満であると、金属部材に対する初期接着性、耐久接着性を十分に高くすることができない。また配合量が10質量部を超えると金属部材に対する加熱時の耐久接着性が却って低下する。
本発明において、脂肪酸エステルは飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸と低級アルコールとのアルキルエステルである。通常、ステアリン酸などの脂肪酸を金属接着用ゴム組成物に配合すると、配合量の増加に伴いゴム粘度は小さくなるが、金属との接着性、特に耐久接着性が低下する。また発熱性が大きくなる傾向がある。これに対し、脂肪酸のアルキルエステルを配合するとゴム粘度が小さくなると共に、耐久接着性が低下するのを大幅に抑制することができ、かつ発熱性が小さくなるという予期し得ない効果を奏する。
脂肪酸エステルの炭素数は好ましくは10〜22、より好ましくは12〜20、更に好ましくは16〜20であるとよい。脂肪酸エステルの全体の炭素数を10以上にすることにより、ゴム加工時の温度が沸点を超えずに済むようになる。また脂肪酸エステルの炭素数を22以下にすることにより、ゴム加工温度で融解するためゴムと混ざりやすくなる。
脂肪酸エステルの脂肪酸は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれでもよく、直鎖状脂肪酸、分岐状脂肪酸のいずれでもよい。また主鎖および/または分岐鎖に環構造を有してもよい。脂肪酸の炭素数は、特に制限されるものではないが、好ましくは9〜20、より好ましくは10〜18であるとよい。脂肪酸として、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、(9,12,15)−リノレン酸、(6,9,12)−リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、ミード酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ナフテン酸、ネオデカン酸等を挙げることができる。なかでもラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ナフテン酸、ネオデカン酸等が好ましい。
脂肪酸エステルにおいて、低級アルコールに由来するアルキルエステルの部分は、炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2であるとよい。このようなアルキル鎖として、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等を挙げることができる。なかでもメチル、エチルが好ましい。
脂肪酸エステルとして、好ましくはデカン酸メチル、デカン酸エチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、ナフテン酸メチル、ナフテン酸エチル、ネオデカン酸メチル、ネオデカン酸エチル、等を挙げることができる。
本発明の金属接着用ゴム組成物において、脂肪族アルコールは、非環式または環式の炭化水素基、および少なくとも1つのヒドロキシル基からなるモノアルコールまたは多価アルコールである。非環式炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。また炭化水素基は、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基のいずれでもよいが、芳香族環を有しないものとする。炭化水素基として、炭素数が6〜20の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数が6〜20の長鎖炭化水素基、更に好ましくは炭素数が14〜20の長鎖炭化水素基であるとよい。また長鎖炭化水素基は、0〜3個の炭素−炭素二重結合を有することができる。ステアリン酸などの脂肪酸は、耐水接着性に悪影響を及ぼすのに対し、脂肪族アルコールは、耐水接着性を改良し、更に加工性(ゴム粘度)および低発熱性を改良することができる。
脂肪族アルコールとして、例えばヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、シス−9−ヘキサデセン−1−オール、ヘプタデカノール、オクタデカノール(ステアリルアルコール)、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、リシノレイルアルコール、ノナデカノール、エイコサノール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、シクロノナノール、2,4−ヘキサジエン−1−オール、2,4−オクタジエン−1−オール、等を挙げることができる。
本発明において、脂肪族アルコールの誘導体として、脂肪酸とのエステル、炭素数1〜5のカルボン酸とのエステル、脂肪族アルコール由来のエーテル、脂肪族アルコール由来のケトン等を例示することができる。脂肪族アルコールの誘導体として、特に制限されることはないが、例えばステアリン酸ステアリル、酢酸ステアリル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ジステアリルケトン等を挙げることができる。
本発明の金属接着用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に、好ましくはカーボンブラックを20〜80質量部、酸化亜鉛を5〜12質量部、硫黄を5〜10質量部配合するとよい。
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積N2SAが好ましくは20〜150m2/g、より好ましくは40〜140m2/gであるとよい。N2SAが20m2/g未満であると補強性が低下する虞がある。またN2SAが150m2/gを超えると、発熱性が大きくなる虞がある。本明細書においてカーボンブラックのN2SAは、JIS K6217−7に準拠して、測定するものとする。
カーボンブラックは、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは20〜80質量部、より好ましくは30〜70質量部配合するとよい。カーボンブラックの配合量が20質量部未満であると、ゴム硬度が不足し、加熱時および湿熱時の耐久接着性が悪化する虞がある。またカーボンブラックの配合量が80質量部を超えると、ゴム粘度や発熱性が大きくなる虞がある。
本発明の金属接着用ゴム組成物では、シリカを含有しない方がよく、シリカを配合すると加熱時および湿熱時の耐久接着性が悪化する虞がある。
また金属接着用ゴム組成物に加える酸化亜鉛および硫黄の配合量を好適な範囲内にすることにより、金属部材に対する耐久接着性をさらに改良することができる。酸化亜鉛の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し好ましくは5〜12質量部、より好ましくは8〜10質量部である。酸化亜鉛の配合量が5質量部未満であると、加熱時および湿熱時の耐久接着性が悪化する。更に発熱性が増大し、ゴム硬度が低下する。また酸化亜鉛の配合量が12質量部を超えると、加熱時の耐久接着性が却って悪化する。
硫黄の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し好ましくは5〜10質量部、より好ましくは5質量部を超えて8質量部以下、更に好ましくは6〜8質量部である。硫黄の配合量が5質量部未満であると、湿熱時の耐久接着性およびゴム硬度が低下する。また硫黄の配合量が10質量部を超えると、ゴムの耐老化物性、湿熱時の耐久接着性が却って悪化する。
本発明において、金属接着用ゴム組成物に、コバルト含有化合物を配合することができる。コバルト含有化合物を含有することにより、金属接着用ゴム組成物の接着性、耐久接着性をより優れたものにすることができる。コバルト含有化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し好ましくは0.3〜1.5質量部、より好ましくは0.5質量部を超え1.5質量部以下にするとよい。コバルト含有化合物の配合量が0.3質量部未満であると、金属部材に対する初期接着性、耐久接着性を十分に高くすることができない虞がある。またコバルト含有化合物の配合量が1.5質量部を超えると金属部材に対する耐久接着性が却って低下する虞がある。
コバルト含有化合物として、有機酸コバルト塩、有機コバルト錯体が例示され、例えばナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト、ネオデカン酸ホウ酸コバルト、アセチルアセトナートコバルト等を挙げることができる。また、これらの有機酸コバルト塩のなかでも、ホウ素を含む有機酸コバルト塩が好ましく、例えば有機酸の一部をホウ酸等で置き換えた複合塩であるとよい。
金属接着用ゴム組成物には、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明の金属接着用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明の金属接着用ゴム組成物は、金属部材と接触または金属部材を被覆するゴム材料として好適であり、とりわけ空気入りタイヤのスチールコードの被覆ゴムを構成するのに好適であり、ベルト層および/またはカーカス層のスチールコードを被覆するコートゴムに使用することができる。ここでスチールコード等の金属部材は、コバルトを含んでも含まなくてもよいが、金属部材がコバルトを含むことにより、金属接着用ゴム組成物との接着性、耐久接着性をより優れたものにすることができる。なお金属部材がコバルトを含むとは、金属部材がコバルトを含有する合金でもよく、或は金属部材に施す表面処理剤がコバルトを含有してもよい。
金属/ゴム複合体として、例えばスチールコードを金属接着用ゴム組成物で被覆したベルト層および/またはカーカス層、およびこれらからなる空気入りタイヤが挙げられる。このような空気入りタイヤは、発熱性が小さく耐久接着性が優れるので、スチールコードと被覆ゴムとの剥離を抑制することができる。同時に、ゴム組成物のゴム硬度を高くするので、空気入りタイヤの耐久性および操縦安定性を従来レベル以上に維持・向上することができる。さらに粘度が低く成形加工性が良好な金属接着用ゴム組成物を使用するので、上述した高品質の空気入りタイヤを安定的に製造することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1,2に示す配合からなる19種類のゴム組成物(実施例1〜13、比較例1〜6)を調製するに当たり、それぞれ硫黄および加硫促進剤を除く成分を秤量し、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、そのマスターバッチをミキサー外に放出し室温冷却した。このマスターバッチを同バンバリーミキサーに供し、硫黄および加硫促進剤を加えて混合し、金属接着用ゴム組成物を得た。
上記で得られたゴム組成物を、それぞれ所定形状の金型中で、170℃、10分間加硫して試験片を作製し、下記に示す方法により60℃のtanδの評価を行った。
60℃のtanδ
得られた試験片をJIS K6394に準拠して、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で、温度60℃における損失正接tanδを測定した。得られたtanδの結果は、比較例1の値を100とする指数として「tanδ(60℃)」の欄に示した。発熱性の指数が小さいほど発熱性が小さく、タイヤにしたとき転がり抵抗を小さくすることを意味する。
得られた金属接着用ゴム組成物を使用して、ムーニー粘度、金属部材に対する接着性(初期および湿熱老化後)および湿熱老化後の引抜力を以下の方法で測定した。
ムーニー粘度
得られたゴム組成物のムーニー粘度をJIS K6300−1:2001に準拠して、ムーニー粘度計にてL形ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃の条件で測定した。得られた結果は、比較例1の値を100とする指数で表わし「ムーニー粘度」の欄に示した。この指数が小さいほど粘度が低く、成形加工性が良好であることを意味する。
初期接着性(ゴム付)
得られたゴム組成物を使用し、12.7mm間隔で平行に並べたブラスめっきスチールコードを被覆すると共に、埋め込み長さ12.7mmで埋め込み、170℃×10分間の加硫条件で加硫接着してゴム付評価用サンプルを作製した。ASTM D−2229に準拠し、得られたゴム付評価用サンプルからスチールコードを引き抜き、その表面を被覆するゴム付着量(%)を評価した。得られた結果は比較例1の値を100にする指数として「初期接着性(ゴム付)」の欄に記載した。この指数が大きいほどスチールコードに対する初期接着性が優れることを意味する。
湿熱劣化後のゴム付
上記と同様にしてゴム付評価用サンプルを作製し、温度70℃、相対湿度96%の条件で、2週間(336時間)および4週間(672時間)の湿熱劣化の促進試験を行った。湿熱劣化させたサンプルを用い上記と同様にしてスチールコードを引き抜き、その表面を被覆するゴム付着量(%)を評価した。得られた結果は比較例1の値を100にする指数として「湿熱劣化2週間後ゴム付」および「湿熱劣化4週間後ゴム付」の欄に記載した。この指数が大きいほどスチールコードに対し湿熱劣化後の耐久接着性が優れることを意味する。
湿熱劣化後の引抜力
上記と同様にしてゴム付評価用サンプルを作製し、温度70℃、相対湿度96%の条件で、2週間(336時間)の湿熱劣化の促進試験を行った。湿熱劣化させたサンプルを用い、ASTM D−2229に準拠し、スチールコードを引き抜き、その時の引抜き力を測定した。得られた結果は比較例1の値を100にする指数として「湿熱劣化2週間後引抜力」の欄に記載した。この指数が大きいほどスチールコードに対し湿熱劣化後の耐久接着性が優れることを意味する。
Figure 0006926769
Figure 0006926769
表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、RSS#3
・カーボンブラック:東海カーボン社製シースト300
・ステアリン酸:花王社製ルナックS−70V
・ステアリン酸エチル:東京化成工業社製
・デカン酸エチル:東京化成工業社製
・オレイン酸メチル:東京化成工業社製
・ステアリルアルコール:関東化学社製
・オクチルアルコール:関東化学社製 1−オクタノール
・オレイルアルコール:関東化学社製
・ナフテン酸コバルト:DIC社製DICNATE NBC−II
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・老化防止剤:フレキシス社製サントフレックス 6PPD
・硫黄:アクゾノーベル社製クリステックスHSOT20
・加硫促進剤:大内新興化学社製ノクセラー DZ−G
表1,2から明らかなように実施例1〜13の金属接着用ゴム組成物は、ムーニー粘度、発熱性(60℃のtanδ)、初期接着性、並びに湿熱劣化2週間後および4週間後の耐久接着性が従来レベル以上に維持・向上することが確認された。
比較例2,3および4のゴム組成物は、脂肪酸エステルを配合せずに、ステアリン酸を配合したので、湿熱劣化後の耐久接着性が悪化し、また発熱性が大きくなる傾向があった。
比較例5のゴム組成物は、脂肪酸エステルの配合量が10質量部を超えたので、スチールコードに対する初期接着性、湿熱劣化2週間後および4週間後の耐久接着性が劣る。
比較例6のゴム組成物は、脂肪族アルコールの配合量が10質量部を超えたので、初期接着性、湿熱劣化2週間後および4週間後の耐久接着性が劣る。

Claims (6)

  1. 天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを80質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に、飽和脂肪酸アルキルエステルを0.5〜10質量部配合してなることを特徴とする金属接着用ゴム組成物。
  2. 前記飽和脂肪酸アルキルエステルの炭素数が10〜22であることを特徴とする請求項1に記載の金属接着用ゴム組成物。
  3. 前記飽和脂肪酸アルキルエステルが、モノアルコールと飽和脂肪酸とのエステルである、請求項1または2に記載の金属接着用ゴム組成物。
  4. 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを20〜80質量部、酸化亜鉛を5〜12質量部、硫黄を5〜10質量部配合してなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属接着用ゴム組成物。
  5. 更にコバルト含有化合物を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属接着用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の金属接着用ゴム組成物を、コバルトを含む金属部材またはコバルトを含まない金属部材に接着させてなることを特徴とするゴム複合体。
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