JP6926474B2 - 反射フィルムおよび面光源装置用反射ユニット - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されている導光板表面に低屈折率層を形成した構成の場合、導光板上下面の全反射での導光であるため、反射面間の距離は、導光板厚みと同じになる。ディスプレイの薄型化のためには導光板の厚みを薄くする必要があるが、導光板を薄くすることにより、全反射回数は増加してしまうことになる。また、導光板に低屈折率層を設けるためには、枚葉処理が必要となり、凹凸パターンのある表面に均一に低屈折率層を形成することは難易度が高いことから、生産性も低下する。
[1]反射シートの少なくとも片面に屈折率が1.01〜1.38である低屈折率層を有する反射フィルムであって、前記低屈折率層と前記反射シートとが接し、前記反射シートが設けられた側とは反対側の前記低屈折率層表面の凹み個数が、50個/mm以下であり、低屈折率層の厚みが150〜1,000nm、低屈折率層の表面粗さが、5〜50nmであることを特徴とする反射フィルム。
[2]前記低屈折率層がアクリル樹脂および中空粒子を含有することを特徴とする前記[1]に記載の反射フィルム。
[3]前記中空粒子の数平均粒子径が50〜100nmであることを特徴とする前記[4]に記載の反射フィルム。
[4]導光板、粘着層および前記[1]〜[3]いずれかに記載の反射フィルムの順に積層してなり、前記粘着層と前記低屈折率層とが接していることを特徴とする面光源装置用反射ユニット。
(1)低屈折率層の厚みの測定
サンプルの断面を超薄切片に切り出し、透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA型)で加速電圧100kVにて観察(10万倍の倍率で観察)し、その断面写真から低屈折率層の厚みを測定した。
低屈折率層の屈折率は、屈折率が既知のフィルム上に低屈折率層(例えば、厚み約100nm)を積層したサンプルを用い、低屈折率層の厚みと低屈折率層の反射スペクトルを用いて算出した。低屈折率層の厚みは、上記(1)と同様の方法で算出した。反射スペクトルは、(株)島津製作所の分光光度計UV−3150を用いて300〜800nmの反射率を10nm刻みで測定した。反射スペクトル測定時には、低屈折率層とは反対側のポリエステルフィルム面に#320〜400の耐水サンドペーパーで均一に傷をつけた後、黒色塗料(黒マジックインキ(登録商標)液)を塗布して、低屈折率層とは反対側の面からの反射を完全に無くした状態にして測定した。
低屈折率層に含有される材料の組成はEDX,FT−IR等の分析手法を適宜選択することで確認できる。また、低屈折率層に含有される中空粒子の数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA型)で加速電圧100kVにて観察(10万倍の倍率で観察)し、任意の粒子30点の円相当直径を測定し、その平均値を数平均粒子径とした。また、同時に数平均粒子径の測定を行った粒子の切断面を観察し、内部が空洞になっていれば中空粒子であると判断した。
日本ミクロトーム研究所(株)製ロータリー式ミクロトームを使用し、ナイフ傾斜角度3°にて反射フィルム平面に垂直な方向に切断して作成したサンプルを、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−3400N)で観察して測定した。図2に示すように、低屈折率層の厚みをT2、低屈折率層表面から凹み部の最深部まで距離をT1とした場合、T1/T2が0.9以下であるものを表面凹みとし、その個数を測定した。任意の3箇所について、長さ1mmを観察し、長さ1mm上に存在する表面凹みの個数を測定し、その平均値を表面凹み個数とした。観察方法における倍率は適宜調整可能であるが、例としては、表面観察(倍率2,500倍)で厚み測定を実施する凹み部分を選定し、断面観察(倍率50,000倍)で厚み測定を実施することで、表面凹み個数を測定する。
JIS B0601(2001)に基づき、低屈折率層表面の中心面平均粗さ(SRa)を(株)小坂研究所製、触針式表面粗さ計(型番:ET 4000A)を用いて測定した。1つのサンプルについて5回測定を行い、それらの平均値を当該サンプルにおける低屈折率層の表面粗さとした。これを異なる3つのサンプルについて行い、各サンプルにおける低屈折率層の表面粗さを算出した。当該3つのサンプルそれぞれについて得られた低屈折率層の表面粗さをさらに平均し、平均値を低屈折率層の表面粗さとした。測定条件は以下の通りである。
触針先端半径:0.1μm
触針荷重:100μN
測定長:1.0mm
カットオフ値:0.25mm。
導光評価には、CHIMEI製24型LEDモニター(型番:24LH)から取り出した導光板を用いた。モニターのLEDバー長さ方向中央部に対応する位置から、LEDバーに平行方向に5cm、垂直方向に10cmの長方形を切り出した。低屈折率層を有する反射フィルムと切り出した導光板を、低屈折率層とドット面が対向するように、厚み20μmに調整したアクリル系粘着剤で貼り合わせ、ドット周辺の気泡を取り除くために適宜オートクレーブ処理して評価用サンプルを作成した。モニター内で入光部となる端面から光を入光させて、導光板表面から目視観察し、明るさおよびムラを比較評価した。また比較評価のために、モニターに搭載されていた光学シート(導光板側から、拡散シート、プリズムシート、拡散シートの順)を用いた。導光が良好である場合は、正面から観察したときに均一な明るさであり、導光が良好でない場合は、入光部付近にLEDバーに平行な明部ムラが発生する。評価基準は以下のとおりである。
A級:LEDに対して垂直方向の明るさ分布がほぼ均一である
B級:LED付近に弱い明部ムラが視認される
C級:LED付近に強い明部ムラが視認されるが、光学シートを載せて観察すると視認されない
D級:LED付近に強い明部ムラが視認され、光学シートを載せて観察しても視認される。
輝度ムラ評価は、(6)導光評価と同一のサンプルを観察した。低屈折率層の厚みムラなどがある場合は、入光部の明部ムラとは別に、明暗が面内に分布する輝度ムラが発生するため、LEDから5cm以上離れた部分の輝度ムラについて、目視観察による比較評価を実施した。評価基準は以下のとおりである。
A級:輝度ムラが視認されない
B級:薄い輝度ムラが視認される
C級:輝度ムラが視認されるが、光学シートを載せて観察すると視認されない
D級:輝度ムラが視認され、光学シートを載せて観察しても視認される。
反射フィルムの低屈折率層側の面を、株式会社巴川製紙製アクリル粘着剤“TD43A”を使用して、三菱レイヨン株式会社製アクリル板“アクリライト”Sに貼り合わせて測定用サンプルを作成した。サンプル幅は25mmとし、空気が噛みこまないように2kg/25mmの加圧条件でゴムローラーを1往復して圧着した。作成した測定サンプルは、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で30分保管後、同雰囲気下で、引張試験機(株式会社オリエンテック製“テンシロン”RTM−100を用い、JIS−Z2337(2000)に準拠して引張速度300mm/分で180度剥離した際の剥離強度を測定した。判定基準は以下のとおりである。
A級:0.3N/25mm以上
B級:0.3N/25mm未満。
以下の要領で反射フィルムを作製した。
(中空シリカ粒子の作成)
平均粒径5nm、SiO2濃度20質量%のシリカゾル100gと純水1,900gの混合物を80℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にSiO2として1.17質量%の珪酸ナトリウム水溶液9,000gとAl2O3として0.83質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9,000gとを同時に添加した。その間、反応液の温度を80℃に保持した。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20質量%のSiO2・Al2O3一次粒子分散液を調製した。この一次粒子分散液500gに純水1,700gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、濃度0.5質量%の硫酸ナトリウム50,400gを添加し、ついでSiO2として濃度1.17質量%の珪酸ナトリウム水溶液3,000gとAl2O3としての濃度0.5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9,000gを添加して複合酸化物微粒子の分散液を得た。ついで、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13質量%になった複合酸化物微粒子の分散液500gに純水1125gを加え、さらに濃塩酸(濃度35.5質量%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離して固形分濃度20質量%の中空シリカ粒子の水分散液とし、ついで限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20質量%の中空シリカ粒子のアルコール分散液を調製した。
中空シリカ粒子のアルコール分散液をエタノールで固形分濃度5質量%に希釈した分散液50gと、アクリル樹脂(ヒタロイド1007、日立化成(株)製)3gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(質量比)、混合溶媒47gとを充分に混合して塗布液を調製した(調合1)。
この塗布液(調合1)を白色フィルム(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E81E(厚み50μm)にバーコーター法で塗布し、80℃で、1分間乾燥させて、厚みが130nmの低屈折率層を形成し、反射フィルムを作成した。
参考例10と同じ塗布液(調合1)を用い、表1に記載の低屈折率の厚みとなるよう、バーコーターの番手を調整して、反射シート(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E81E(厚み50μm)にバーコーター法で塗布して低屈折率層を形成し、反射フィルムを作成した。
参考例10と同じ塗布液(調合1)を用い、表1に記載の低屈折率層の厚みとなるよう、バーコーターの番手を調整して、反射シート(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E81E(厚み50μm)にバーコーター法で塗布して低屈折率層を形成し、反射フィルムを作成した。ただし、塗布膜形成時の乾燥温度は90℃に変更した。
参考例10と同じ塗布液(調合1)を用い、表1に記載の低屈折率層の厚みとなるよう、バーコーターの番手を調整して、反射シート(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E81E(厚み50μm)にバーコーター法で塗布して低屈折率層を形成し、反射フィルムを作成した。ただし、塗布膜形成時の乾燥温度は100℃に変更した。
参考例10と同じ塗布液(調合1)を用い、表1に記載の低屈折率層の厚みとなるよう、バーコーターの番手を調整して、反射シート(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E81E(厚み50μm)にバーコーター法で塗布して低屈折率層を形成し、反射フィルムを作成した。ただし、塗布膜形成時の乾燥温度は110℃に変更した。
参考例10と同じ塗布液(調合1)を用い、表1に記載の低屈折率層の厚みとなるよう、バーコーターの番手を調整して、反射シート(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E81E(厚み50μm)にバーコーター法で塗布して低屈折率層を形成し、反射フィルムを作成した。ただし、塗布膜形成時の乾燥温度は120℃に変更した。
参考例10と同じ塗布液(調合1)を用い、表1に記載の低屈折率層の厚みとなるよう、バーコーターの番手を調整して、反射シート(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E81E(厚み50μm)にバーコーター法で塗布して低屈折率層を形成し、反射フィルムを作成した。ただし、塗布膜形成時の乾燥温度は130℃に変更した。
参考例10と同じ塗布液(調合1)を用い、表1に記載の低屈折率層の厚みとなるよう、バーコーターの番手を調整して、反射シート(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E6SR(厚み188μm)にバーコーター法で塗布して低屈折率層を形成し、反射フィルムを作成した。
参考例10と同じ塗布液(調合1)を用い、表1に記載の低屈折率層の厚みとなるよう、バーコーターの番手を調整して、反射シート(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E81C(厚み188μm)にバーコーター法で塗布して低屈折率層を形成し、反射フィルムを作成した。
参考例10と同じ塗布液(調合1)を用い、表1に記載の低屈折率層の厚みとなるよう、バーコーターの番手を調整して、反射シート(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E6SJ(厚み188μm)にバーコーター法で塗布して低屈折率層を形成し、反射フィルムを作成した。
参考例10と同じ塗布液(調合1)を用い、表1に記載の低屈折率層の厚みとなるよう、バーコーターの番手を調整して、反射シート(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E82C(厚み188μm)にバーコーター法で塗布して低屈折率層を形成し、反射フィルムを作成した。
中空シリカ粒子の作成製造条件において各工程の温度、時間を適宜調整し、表1に記載した数平均粒子径となるように、中空シリカ粒子を作成した。作成した中空シリカ粒子のアルコール分散液をエタノールで固形分濃度5質量%に希釈した分散液50gと、アクリル樹脂(ヒタロイド1007、日立化成(株)製)3gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(質量比)、混合溶媒47gとを充分に混合して塗布液を調製した(調合2〜4)。
この塗布液(調合2〜4)を白色フィルム(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E81E(厚み50μm)にバーコーター法で塗布し、80℃で、1分間乾燥させて、厚みが300nmの低屈折率層を形成し 、反射フィルムを作成した。
DIC株式会社製“ディフェンサ”OP−3801(フッ素樹脂、屈折率1.38)を白色フィルム(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E81E(厚み50μm)にバーコーター法で塗布し、メタルハライドランプでUV照射(20kJ/m2)後、厚み300nmの低屈折率層を形成し、反射フィルムを作成した。
日産化学工業株式会社製“HIPRETECH”(登録商標)FM−107M(屈折率1.29)を白色フィルム(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E81E(厚み50μm)にバーコーター法で塗布し、120℃で3分乾燥後、メタルハライドランプでUV照射(400mJ/cm2)後、厚み300nmの低屈折率層を形成し、反射フィルムを作成した。
反射シート2として、東レ製“ルミラー”(登録商標)E6SR(厚み225μm)を用いた。
上記の実施例および比較例で作製した反射フィルムについて、前述した測定および評価を行った。その結果を表2に示す。
2 反射シート
3 低屈折率層
4 粘着層
5 導光板
5a 導光体
5b 光拡散部
6 反射フィルム
Claims (4)
- 反射シートの少なくとも片面に屈折率が1.01〜1.38である低屈折率層を有する反射フィルムであって、前記低屈折率層と前記反射シートとが接し、前記反射シートが設けられた側とは反対側の前記低屈折率層表面の凹み個数が、50個/mm以下であり、低屈折率層の厚みが150〜1,000nm、低屈折率層の表面粗さが、5〜50nmであることを特徴とする反射フィルム。
- 前記低屈折率層がアクリル樹脂および中空粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の反射フィルム。
- 前記中空粒子の数平均粒子径が50〜100nmであることを特徴とする請求項2に記載の反射フィルム。
- 導光板、粘着層および前記請求項1〜3のいずれかに記載の反射フィルムの順に積層してなり、前記粘着層と前記低屈折率層とが接していることを特徴とする面光源装置用反射ユニット。
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