JP6922744B2 - 逆浸透用または正浸透用の中空糸型半透膜 - Google Patents

逆浸透用または正浸透用の中空糸型半透膜 Download PDF

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Description

本発明は、運転コストを低減させながら透水性能と除去性能の両方を高いレベルで長期間維持することができる逆浸透用または正浸透用の中空糸型半透膜に関するものであり、海水またはかん水の淡水化による飲料水、工業用水の製造、超純水の製造などに使用されるものである。
半透膜には、逆浸透膜(RO膜:Reverse Osmosis Membrane)、正浸透膜(FO膜:Forward Osmosis Membrane)、ナノろ過膜(NF膜:Nanofiltration Membrane)、限外ろ過膜(UF膜:Ultrafiltration Membrane)、精密ろ過膜(MF膜、Microfiltration Membrane)と呼ばれる半透膜があり、RO膜およびFO膜の孔径は約2nm以下であり、UF膜の孔径は約2〜100nmである。NF膜は、RO膜のうちイオンや塩類の阻止率が比較的低いものであり、通常、NF膜の孔径は約1〜2nmである。
逆浸透法および正浸透法による液状混合物の分離・濃縮は、蒸留などの分離技術に比べて省エネルギー法でありかつ物質の状態変化を伴わないことから、果汁の濃縮、ビール酵母の分離などの食品分野、海水及びかん水の淡水化による飲料水、工業用水などの製造、電子工業における超純水の製造や医薬品工業や医療分野における無菌水の製造などの水精製分野あるいは工業排水からの有機物の回収といった多くの分野において幅広く利用されており、逆浸透または正浸透による水処理は、最先端技術を支える不可欠のプロセスとして定着している。
例えば、逆浸透膜や正浸透膜を用いた海水やかん水の淡水化は、クリーンなプロセスであり、蒸発法・電気透析法と比較して省エネルギー・低コスト・操作の簡便性の点で有利であり、これまでに大きな実績をあげている。特に、中空糸型膜は、スパイラル型膜に比べ単位膜面積当たりの透水性は小さいが、モジュール当たりの膜面積を大きくとることができるため、全体として透水性を大きくとることができ、容積効率が非常に高いという利点から多く採用されている。
このような中空糸型半透膜は一般に、ポリマー素材として酢酸セルロースを含む製膜原液を調製し、これを紡糸口金から空気中に吐出し、続いて水溶液中で凝固させ、水洗後に熱水処理して膜収縮させることにより製造される。例えば、特許文献1には、三酢酸セルロースからなる高圧仕様の中空糸型逆浸透膜が記載されており、供給液中の塩化ナトリウム濃度:35000mg/l、供給液温度:25℃、操作圧力:55Kg/cmの条件で測定した逆浸透性能が表1に示されている。具体的には、外径が85〜168μm、内径が27〜85μm、塩除去率が98.90〜99.90%、透水性が22.6〜91.5L/m・日、−m値が0.005〜0.070である。ここで、−m値は、透水性の経時安定性を示すものであるが、その評価は高々運転開始2時間後及び100時間後の透水性より求めた透水性の減少係数であり、長期使用における逆浸透性能の安定性を示すものとはいえない。
また、特許文献2には、25±1℃における6wt/vol%粘度が20〜220mPa・sである酢酸セルロースからなる半透膜が記載されている。そして、実施例2に25±1℃における6wt/vol%粘度が68mPa・sの酢酸セルロースを用いて作製した半透膜が記載されているが、純水透過流速や膜表面構造、断面構造からみて限外ろ過膜〜精密ろ過膜である。
また、特許文献3には、限外ろ過用の中空繊維型のセルロース透析膜として、膜の形状安定性を達成するために、繊維軸線に対して垂直方向の横断面においてその周辺に沿って壁厚は隣接する断面に対して異なる厚さを有するものが記載されている。そして、具体的な中空部形状として、円形、楕円形、三角形、方形或いは多角形などの種々の形状が列挙されている。
一方、近年の経済性を重視するユーザから、中空糸型逆浸透膜による造水コストの低減が強く望まれている。例えば、海水淡水化においては、造水コストのうち、動力費(高圧ポンプの電力費)がおよそ半分を占めており、従来の海水淡水化用の高圧タイプの逆浸透膜を使用すると、洗浄(膜再生)コストや長期使用における性能低下が大きいために造水コストを抑えることができない。また、造水コストを低下させるために、膜の透水性能を高めると、耐つぶれ性(耐圧性)が低下し、長期間透水性能を維持することができない。
以上のように、高圧用の用途であっても低い運転コストで透水性能と除去性能を高いレベルで両立し、長期間使用可能とした逆浸透用または正浸透用の中空糸型半透膜は存在しないのが現状である。
特開昭59−36715号公報 国際公開第2000/09247号 特公昭59−30122号公報
本発明は、上記の従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、液状混合物からの固体分離または溶質分離において低い運転コストで透水性能と除去性能と耐つぶれ性を高いレベルで達成した逆浸透用または正浸透用の中空糸型半透膜を提供することにある。特に、本発明は、透水性能の長期安定性を高いレベルで達成した中空糸型半透膜を提供することにある。
本発明者は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、膜を構成する酢酸セルロースポリマーの粘度を低く設定することにより耐つぶれ性に影響を与えずに透水性能を高め、さらに膜の断面外形を円形とし、断面内形を特定の条件の三角形にすることにより耐つぶれ性を向上させることによって、長期使用においても膜形状の変形や潰れを効果的に抑制しながら透水性能と除去性能を高いレベルで達成できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(4)の構成を有するものである。
(1)酢酸セルロースからなる逆浸透用または正浸透用の中空糸型半透膜であって、前記酢酸セルロースの6wt/vol%粘度が40〜80mPa・sであること、前記中空糸型半透膜の断面外形が円形であり、断面内形が三角形であること、前記断面内形の三角形の頂点部付近の膜厚(最薄膜厚)と、三角形の辺部分の膜厚(最厚膜厚)との比が、0.65以上0.90以下であること、及び前記中空糸型半透膜の中空率が10〜50%であることを特徴とする中空糸型半透膜。
(2)前記中空糸型半透膜が5〜8MPaの分離操作圧力で使用されるものであることを特徴とする(1)に記載の中空糸型半透膜。
(3)(1)または(2)に記載の中空糸型半透膜が組み込まれた中空糸型半透膜エレメント。
(4)(3)に記載の中空糸型半透膜エレメント1本以上が組み込まれた中空糸型半透膜モジュール。
本発明の中空糸型半透膜は、高い塩除去率を維持しながら、高圧濾過時の透水性が長期間高く維持されるように設計されているので、低い運転コストで透水性能と除去性能を両立しながら、液状混合物の固体分離または溶質分離、特に海水淡水化など、海水からの水製造に好適である。
本発明の中空糸型半透膜の製造に用いる製膜装置の概略を示す図である。 本発明の中空糸型半透膜の製造に用いるノズルの開口部を示す模式図である。 本発明の中空糸型半透膜の断面形状を表す模式図である。
従来、酢酸セルロースからなる中空糸型半透膜は、膜構造の緻密化に主眼がおかれ、製膜原液中の酢酸セルロース濃度を高めに設定し、かつ製膜後の膜に高温の熱水処理を施すことにより膜構造を更に締める方向での開発が行われてきた。この開発方針は、耐圧性付与や分画特性向上の面からは正しいが、この方針を押し進めると、透水量が低下し、それを補うために、透水性を上げようとすると耐久性が低下し、運転コストの増大を最終的にもたらすことになる。
そこで、本発明者は、高い塩除去性能を維持しながら透水性能を高めるとともに耐つぶれ性を向上させて長期使用における性能安定性を図る方針で開発を進めた。その結果、膜を構成する酢酸セルロースのポリマー粘度を低い範囲に設定すること、そして膜の断面外形及び断面内形を特定の条件を満たすものにすることによって、本発明は完成に至ったものである。
本発明の逆浸透用または正浸透用の半透膜は、酢酸セルロースからなる中空糸型の膜を採用する。酢酸セルロースは、殺菌剤である塩素に対する耐性があり、微生物の増殖抑制を容易に行うことができることを特徴とする。従って、膜面でのバクテリア汚染を効果的に抑制できるメリットがある。酢酸セルロースとしては、耐久性の点で三酢酸セルロースが好ましい。中空糸型の膜は、スパイラル型の膜と比べてモジュールあたりの膜面積を大きくとることができ、ほぼ同サイズのモジュールの場合、スパイラル型のおよそ10倍の膜面積を得ることができる。従って、中空糸型の膜は、同じ透水性を得る際に単位膜面積あたりの処理量が極めて少なくて済むので、膜面の汚れを減少でき、膜の洗浄までの運転時間を長くとることができる。
逆浸透膜を操作圧力で分類すると、一般に、5〜8MPaの操作圧力で使用する高圧用、2.5〜4MPaの操作圧力で使用する中圧用、2MPa以下の操作圧力で使用する低圧用がある。高圧用の膜は、海水淡水化に使用され、海水の浸透圧を超える圧力に耐えるために非常に緻密な構造を有する。中圧用の膜は、かん水(塩濃度0.1〜3重量%)の淡水化や超純水製造を目的としたものであり、低圧用の膜は、ほとんど塩を含まない処理水を対象とし、超純水、工業用水、飲料水を得ることを目的としたものである。従来の高圧用や中圧用の膜は、耐圧性を持たせるために緻密な構造を有するので、操作圧力を低下させると、透水性が圧力に比例して低下する。透水性を高めるために膜の構造を粗くすると、耐圧性が低下するか、又は分画性(塩除去率)が低下する。また、従来の低圧用の膜は、高い透水性を達成できる構造を有していない。本発明の逆浸透膜は、特に5〜8MPaの高圧の分離操作圧力で透水性と塩除去性を高いレベルで長期間維持できるようにしたものであり、従来に存在しない設計思想のものである。
本発明の中空糸型半透膜を構成する酢酸セルロースは、25±1℃における6wt/vol%粘度(以下、6%粘度と略記することがある)が40〜80mPa・sであることを特徴とする。中空糸型半透膜を構成する酢酸セルロースの6%粘度が前記範囲であれば、透水性と塩除去率を高いレベルで発現することができる。また、透水性の長期安定性の指標である耐久性能の高い中空糸型半透膜とすることができる。透水性と塩除去率はトレードオフの関係にあり、6%粘度が前記範囲を外れると、透水性は高いが塩除去率は低くなるとか、塩除去率は高いが透水性が低くなるなど、性能バランスを高い次元で両立することができない。
また、本発明の中空糸型半透膜は、図3に示されるように膜断面の外形が円形で、膜断面の内形(中空部の外形)が三角形であることを特徴とする。ここで、円形とは、真円(正円)だけでなく、略丸い形であればよい。また、三角形とは、略三角形状であることを意味し、おにぎり形(おむすび形)やルーローの三角形のような辺が直線でないものや角のない形も含む。従来、中空糸型半透膜の外側を流れる海水等の被処理液に圧力を加えて中空糸型半透膜の内側(中空部)に水などの処理液を浸透またはろ過する、いわゆる外圧型の中空糸型半透膜においては、真円度を高める方向で開発が行われてきた。しかし、特に海水淡水化のような5MPaを超えるような高圧での処理においては、極少数含まれる真円度の低い中空糸型半透膜が長期使用において潰れを生じるため、経時的あるいは一定期間後に性能の低下を引き起こすことがある。本発明においては、中空部の外形を円形ではなく三角形とすることにより前記課題を解決した。
また、本発明の中空糸型半透膜は、前記三角形の頂点付近の膜厚(最薄膜厚)と三角形の辺付近の膜厚(最厚膜厚)との比(最薄膜厚/最厚膜厚)が0.65以上0.90以下であることを特徴とする。前記比が0.65未満の場合は、最薄膜厚が薄すぎて変形しやすく(潰れ易く)なる問題がある。一方、前記比が0.90より大きい場合は、従来膜と同様膜断面の内形が略円形に近づくため長期使用において潰れの問題が内在することになる。
このように、膜断面の外形が円形で、中空部の外形が三角形の中空糸型半透膜とする方法としては、例えば後述するように製膜溶液を押し出すノズルとして、三分割ノズルを用い、ノズルスリット長とスリット幅の比(ノズルスリット長/ノズルスリット幅)を特定の範囲に制御する方法が挙げられる。この方法では、スリット長/スリット幅を大きくするに従い、三角形(おにぎり)が丸みを増し円形に近づく傾向にある。
本発明の中空糸型半透膜の内径は、50〜200μm、好ましくは50〜150μm、より好ましくは50〜120μmである。内径が上記範囲より小さいと、中空部を流れる流体の圧力損失が一般に大きくなるため、中空糸型半透膜の長さを比較的長くした場合に所望の透水性が得られない可能性がある。一方、内径が上記範囲より大きいと、中空率とモジュール膜面積の取り合いになり、耐圧性または単位容積あたりの膜面積のいずれかを犠牲にする必要が生じうる。
本発明の中空糸型半透膜の外径は、100〜300μm、好ましくは115〜250μm、より好ましくは130〜180μmである。外径が上記範囲より小さいと、必然的に内径も小さくなるため、上述の内径と同じ問題が生じうる。一方、外径が上記範囲より大きいと、モジュールにおける単位容積あたりの膜面積を大きくすることができなくなり、中空糸型モジュールのメリットの一つであるコンパクト性が損なわれる。
本発明の中空糸型半透膜の中空率は、10〜50%、好ましくは10〜40%である。中空率が上記範囲より小さいと、膜抵抗が大きくなり、所望の透水性が得られない可能性がある。また、中空率が上記範囲より大きいと、高圧での使用に十分な耐圧性を確保できない。
なお、中空率(%)は下記式により求めることができる。
中空率(%)=(中空部断面積/(膜部断面積+中空部断面積))×100
本発明の中空糸型半透膜の長さは、15〜500cm、好ましくは20〜300cmである。この長さは、中空糸型モジュールで一般に使用される可能性のある範囲である。但し、長さが上記範囲を逸脱すると、低い運転コストで透水性と塩除去性を両立することが困難になる可能性がある。
本発明の中空糸型半透膜は、塩化ナトリウム濃度35000mg/Lの供給水溶液を25℃、圧力5.4MPaで中空糸型半透膜の外側から内側へ向かって濾過したときの透水性が50〜180L/m/日であることが好ましい。また、同条件で測定した塩除去率が98〜99.9%であることが好ましい。また、後述する耐久性能試験における耐久性能が35L/m/日以上であることが好ましく、外径長短比が0.75以上であることが好ましい。
次に、本発明の中空糸型半透膜の製造方法を説明する。製造方法は、特に限定されないが、例えば図1に示すように、製膜原液を紡糸口金から空中走行部を経て凝固浴中に吐出して中空糸型半透膜を製造し、この中空糸型半透膜を水洗した後に熱水処理に供して膜を収縮させることによって製造されることができる。
製膜原液としては、膜素材の酢酸セルロースと溶媒と非溶媒を含むものを使用し、必要により有機酸および/または有機アミンを加えたものを使用する。酢酸セルロースは、三酢酸セルロースを使用することが好ましい。溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルスルホキシドから選ばれる1種以上を使用することが好ましい。より好ましくは、N−メチル−2−ピロリドンである。非溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールから選ばれる1種以上を使用することが好ましい。より好ましくは、エチレングリコールである。有機酸は、アミノ酸、芳香族カルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸、二塩基酸またはそのヒドロキシモノエステルが好ましい。より好ましくは、フタル酸、酒石酸、ε−アミノ−n−カプロン酸、安息香酸、4−メチルアミノ酪酸、p−オキシ安息香酸、マレイン酸であり、1種以上を混合して使用することができる。有機アミンは、一級、二級、三級ヒドロキシアルキルアミンのいずれでも使用できる。具体的には、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンが好ましい。トリイソプロパノールアミンが特に好ましい。
製膜原液中の酢酸セルロースの濃度は40〜45重量%であることが好ましい。酢酸セルロースの濃度が上記範囲より低いと、中空糸膜構造が粗くなりすぎて十分な分離性能および膜強度が得られないことがあり、上記範囲より高いと、製膜原液の粘度が高くなり、製膜の安定性が得られないとか、得られる膜の透水性を高めることができなくなる可能性がある。また、製膜原液中の溶媒/非溶媒の重量比は70/30〜60/40であることが好ましい。溶媒/非溶媒の重量比が上記範囲より低いと、溶媒蒸発が進行しないため膜表面の構造が緻密化せず、透水性は大きく変化しないが塩除去性能が低いものとなり、上記範囲より高いと、極端な非対称膜化が進行して膜強度が得られない可能性がある。
次に、上記のようにして得られた製膜原液を90〜190℃に加熱して溶解し、得られた製膜原液を150〜180℃に加熱した三分割ノズルより押出す。三分割ノズルとしては、例えば図2に記載のものを使用することができる。この場合、例えばスリット長/スリット幅を6〜13の範囲に設定するのが好ましい。押出された製膜原液は、0.02〜0.4秒間、空中走行部(気体雰囲気中)を通過した後、続いて水性凝固浴に浸漬して凝固される。
凝固浴は、製膜原液に使用した溶媒、非溶媒と同一組成のものを使用することが好ましい。凝固浴の組成割合は、溶媒/非溶媒/水(重量比)=0〜15/0〜8/100〜77が好ましい。水の比率が低すぎると、膜の相分離が進行し、細孔径が大きくなりすぎることがある。水100%でも良いが、連続製膜において凝固浴からの廃液の量が多くなる。
凝固浴から引き上げた中空糸型半透膜は、残存する溶媒、非溶媒等を水で洗浄除去する。水洗方式としては、例えば、長尺傾斜樋に水洗水を流下させ、その水洗水中に中空糸型半透膜を通して水洗する多段傾斜樋水洗方式、また2本の長尺ローラーに互いに角度をもたせ、ローラーに中空糸型半透膜を何重にも捲き上げるネルソンローラーにおいて、ネルソンローラー表面を常に水洗水で濡らし、該水洗水と中空糸型半透膜との接触で水洗するネルソンローラー水洗方式、更にネット上に中空糸型半透膜を振り落し、シャワー水によって水洗するネットシャワー水洗方式、また中空糸型半透膜を直接深槽水洗水中に浸漬水洗する浸漬水洗方式等がある。本発明においては、いずれの水洗方式で水洗してもよい。
水洗処理を施した中空糸型半透膜は、無緊張状態で水中に浸漬し、50〜98℃で5〜60分間、熱水処理を行うことが好ましい。熱水処理を施すことによって、膜構造の固定化や寸法安定性の向上、熱安定性の向上を図ることができる。このような目的のため、通常、熱水処理は、ガラス転移温度よりも高く融点よりも低い温度が採用される。本発明においては、50〜98℃の比較的低い処理温度を採用することにより膜構造の過度の緻密化を抑制している。
熱水処理温度が上記範囲より高いと、膜構造の緻密化が進みすぎて塩除去性と透水性のバランスが崩れることがあり、逆に、上記範囲より低いと、膜構造の非対称性が十分でなく、所望の塩除去性能が得られないことがある。熱水処理時間は、通常5〜60分である。処理時間が短すぎると、十分なアニール効果が得られない可能性がある。また、膜構造に不均一が生じることがある。処理時間が長すぎると、製造コストアップに繋がるだけでなく、膜が緻密化しすぎて所望の性能バランスが得られないことがある。
上記のようにして得られた本発明の中空糸型半透膜は、従来公知の方法により中空糸膜モジュールとして組み込まれる。中空糸型半透膜の組み込みは、例えば、特許第4412486号公報、特許第4277147号公報、特許第3591618号公報、特許第3008886号公報などに記載されているように、例えば、中空糸型半透膜を45〜90本集めて1つの中空糸型半透膜集合体とし、さらにこの中空糸型半透膜集合体を複数横に並べて偏平な中空糸型半透膜束として、多数の孔を有する芯管にトラバースさせながら巻き付ける。この時の巻き付け角度は5〜60度とし、巻き上げ体の特定位置の周面上に交差部が形成するように巻き上げる。次に、この巻き上げ体の両端部を接着した後、片側のみ/または両側を切削して中空糸開口部を形成させ中空糸型半透膜エレメントを作成する。得られた中空糸型半透膜エレメントを圧力容器に挿入して中空糸型半透膜モジュールを組立てる。
本発明の中空糸膜モジュールは、5〜8MPaの高い分離操作圧力で液状混合物を濾過して液状混合物の固液分離または溶質分離を行うのに好適である。好ましい液状混合物は、かん水、下水、工場または家庭の排水であり、好ましい液状混合物の浸透圧は0.1〜3.5MPaである。本発明の中空糸膜モジュールによれば、これらの液状混合物から低コストで飲料水、工業用水、超純水などの水を製造することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例で測定された特性値の測定は、以下の方法に従った。
(1)内径、外径、膜厚
中空糸型半透膜の内径、外径および膜厚は、中空糸型半透膜をスライドグラスの中央に開けられたφ3mmの孔に中空糸膜が抜け落ちない程度かつ潰れない程度に適当本数通し、スライドグラスの上下面に沿ってカミソリにより中空糸膜をカットし、中空糸型半透膜断面サンプルを得た後、投影機Nikon PROFILE PROJECTOR V−12を用いて中空糸型半透膜断面の短径、長径を測定することにより得られる。中空糸型半透膜断面1個につき2方向の短径、長径を測定し、それぞれの算術平均値を中空糸型半透膜断面1個の内径および外径とし、膜厚は(外径−内径)/2で算出した。5断面について同様に測定を行い、平均値を内径、外径、膜厚とした。
(2)中空率
前記中空糸型半透膜断面サンプルの写真撮影をマイクロスコープ(KEYENCE社 VHX−1000)を用いて行い、前記マイクロスコープの面積測定機能より中空部の断面積と、中空糸型半透膜部の断面積を求め、次式より中空率を算出した。
中空率(%)=中空部断面積/(膜部断面積+中空部断面積)×100
(3)最薄膜厚/最厚膜厚
最薄膜厚/最厚膜厚の算出方法について中空糸型半透膜の断面を表わす図3を用いて説明する。図3の半透膜の断面において三角形状の三つの頂点をそれぞれa、b、cとし、3点を直線で結んだ三角形の三つの辺をab、bc、caとした。点aから辺bcに向かって垂線adを引き、垂線adの延長上での中空糸型半透膜断面外周との交点をg、およびjとする。また、中空糸型半透膜断面内周との交点をdとする。点bおよび点cからもそれぞれ辺ca、辺abに垂線を引き、図3のごとく点e、点h、点k、点f、点i、点lを定めた。本発明の中空糸型半透膜の断面外形は略円形であり、中空部は略三角形であるが、図3のように中空部はおにぎり形であってもよい。図3に示すように最薄膜厚aj、bk、clと、それに向かい合う最厚膜厚dg、eh、fiについて、前記最薄膜厚/最厚膜厚の比を前記中空率測定で用いた断面写真より測定、算出した。
(4)透水性
中空糸型半透膜を束ねて、プラスチック製スリーブに挿入した後、熱硬化性樹脂をスリーブに注入し、硬化させ封止した。熱硬化性樹脂で硬化させた中空糸型半透膜の端部を切断することで中空糸型半透膜の開口面を得て、外径基準の膜面積がおよそ0.1mの評価用モジュールを作製した。この評価用モジュールを供給水タンク、ポンプからなる膜性能試験装置に接続し性能評価した。
塩化ナトリウム濃度35000mg/Lの供給水溶液を25℃、圧力5.4MPaで中空糸型半透膜の外側から内側へ向かって濾過して1時間運転した。その後、中空糸型半透膜の開口面より膜透過水を採取して、電子天秤(島津製作所 LIBROR EB−3200D)で透過水重量を測定した。透過水重量は、下記式にて25℃の透過水量に換算した。
透過水量(L)=透過水重量(kg)/0.99704(kg/L)
透水性(FR)は下記式より算出した。
FR[L/m/日]=透過水量[L]/外径基準膜面積[m]/採取時間[分]×(60[分]×24[時間])
(5)塩除去率
前記透水性の測定で採取した膜透過水と、同じく透水性の測定で使用した塩化ナトリウム濃度35000mg/L供給水溶液を電気伝導率計(東亜ディーケーケー社CM−25R)を用いて塩化ナトリウム濃度を測定した。塩除去率は下記式より算出した。
塩除去率[%]=(1−膜透過水塩濃度[mg/L]/供給水溶液塩濃度[mg/L])×100
(6)耐久性能試験
前記透水性の測定と同じく膜性能試験装置に評価用モジュールを接続して塩化ナトリウム濃度70000mg/Lの供給水溶液を、30℃、圧力7.45MPaで中空糸型半透膜の外側から内側へ向かって濾過して20時間運転した。20時間運転後に中空糸膜の開口面より透過水を採取して透水性を測定した。
経過時間による透水性変化は、時間と透水性の両対数の傾きから算出可能であり、x=log(経過時間)、y=log(透水性)としたとき、回帰直線式より耐久性能係数は下記式により算出される。
Figure 0006922744
耐久性能は、前記透水性(FR)と、前記耐久性能係数を用いて下記式より算出した。
耐久性能[L/m/日]=透水性×(24×365×4/2)(−1×耐久性能係数)
(7)6%粘度
混合溶剤[塩化メチレン:メタノール=91:9(重量比)]61.67gを三角フラスコに採取し、105±5℃で2時間乾燥した試料3.00gを投入し、密栓した。その後、横振り振盪機で約1.5時間振盪し、さらに回転振盪機で約1時間振盪して、完全に溶解させた。次に、得られた6wt/vol%溶液の温度を恒温槽で25±1℃に調整し、オストワルト粘度計を用いて計時用標線間の流下時間を測定し、下記式から粘度を求めた。
6%粘度(mPa・s)=流下時間(sec)/粘度計係数
なお、粘度計係数は、粘度計校正用標準液を用いて、上記と同様の操作で流下時間(sec)を測定し、下記式から求めた。
粘度計係数=[標準液絶対粘度(mPa・s)×溶液の密度(1.235g/cm)]/[標準液の密度(g/cm)×標準液の流下時間(sec)]
(8)耐つぶれ性(外径長短比)
前記透水性の測定に用いた評価用モジュール(但し、20時間運転)の中空糸膜断面をマイクロスコープ(KEYENCE社 VHX−1000)を用いて写真撮影を行い、前記マイクロスコープの長さ測定機用より外径長短比を算出した。中空糸膜断面1個につき2方向の中空糸膜外径の短径、長径を測定し、5断面について同様に測定を行い短径および長径の平均値を用いて下記式より外径長短比を算出する。
外径長短比(−)=短径/長径
(実施例1)
三酢酸セルロース(CTA、ダイセル化学工業社、6%粘度:56mPa・s)41質量%、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、三菱化学社)35.2質量%、エチレングリコール(EG、三菱化学社)23.5質量%、安息香酸(ナカライテスク社)0.3質量%を均一に溶解して製膜原液を得た。得られた製膜原液を減圧下で脱泡した後、三分割ノズルより163℃で外気と遮断された空間中に吐出し、空間時間0.3秒を経て、NMP/EG/水=27/18/55からなる12℃の凝固浴に浸漬した。引続き、多段傾斜桶水洗方式で中空糸型半透膜の洗浄を行い、湿潤状態のまま振り落した。得られた中空糸型半透膜を98℃の水に浸漬し、40分間アニール処理を行った。なお、三分割ノズルは、スリット長さとスリット幅の比(スリット長さ/スリット幅)が、6.9のものを使用した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が55μm、外径が138μm、中空率が16%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。実施例1の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(実施例2)
三酢酸セルロースとして、6%粘度が48mPa・sのものを用いた以外は、実施例1と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が56μm、外径が140μm、中空率が16%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。実施例2の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(実施例3)
三酢酸セルロースとして、6%粘度が75mPa・sのものを用いた以外は、実施例1と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が55μm、外径が138μm、中空率が16%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。実施例3の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(実施例4)
三分割ノズルとして、スリット長さとスリット幅の比(スリット長さ/スリット幅)が、6.5のものを使用した以外は、実施例1と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が55μm、外径が138μm、中空率が16%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。実施例4の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(実施例5)
三分割ノズルとして、スリット長さとスリット幅の比(スリット長さ/スリット幅)が、7.2のものを使用した以外は、実施例1と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が55μm、外径が138μm、中空率が16%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。実施例5の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(実施例6)
製膜原液において、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、三菱化学社)を38.2質量%、エチレングリコール(EG、三菱化学社)を20.5質量%とし、凝固浴において、NMP/EG/水=29/16/55を用いた以外は、実施例1と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が55μm、外径が138μm、中空率が16%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。実施例6の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(実施例7)
製膜原液において、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、三菱化学社)を41.1質量%、エチレングリコール(EG、三菱化学社)を17.6質量%とし、凝固浴において、NMP/EG/水=32/13/55を用いた以外は、実施例1と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が55μm、外径が138μm、中空率が16%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。実施例7の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(実施例8)
製膜原液において、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、三菱化学社)を34.8質量%、エチレングリコール(EG、三菱化学社)を23.2質量%、安息香酸0.3質量%、トリイソプロパノールアミンを0.7質量%とした以外は、実施例1と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が55μm、外径が138μm、中空率が16%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。実施例8の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(比較例1)
三酢酸セルロースとして、6%粘度が32mPa・sのものを用いた以外は、実施例1と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が64μm、外径が150μm、中空率が18%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。比較例1の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(比較例2)
三酢酸セルロースとして、6%粘度が95mPa・sのものを用いた以外は、実施例1と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が55μm、外径が138μm、中空率が16%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。比較例2の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(比較例3)
三分割ノズルとして、スリット長さとスリット幅の比(スリット長さ/スリット幅)が、15.2のものを使用した以外は、実施例1と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が63μm、外径が163μm、中空率が15%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。比較例3の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(比較例4)
三分割ノズルとして、スリット長さとスリット幅の比(スリット長さ/スリット幅)が、5.0のものを使用した以外は、実施例1と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が55μm、外径が138μm、中空率が16%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。比較例4の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(比較例5)
三分割ノズルとして、スリット長さとスリット幅の比(スリット長さ/スリット幅)は6.9であるが小口径のノズルを使用した以外は、実施例1と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が39μm、外径が138μm、中空率が8%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。比較例5の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(比較例6)
三分割ノズルとして、スリット長さとスリット幅の比(スリット長さ/スリット幅)は6.9であるが大口径のノズルを使用した以外は、実施例1と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が100μm、外径が138μm、中空率が53%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。比較例6の詳細と評価結果を表1にまとめる。
(比較例7)
製膜原液において、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、三菱化学社)を41.1質量%、エチレングリコール(EG、三菱化学社)を17.6質量%とし、凝固浴において、NMP/EG/水=32/13/55を用いた以外は、比較例2と同様にして中空糸型半透膜を製造した。
得られた中空糸型半透膜は、内径が55μm、外径が138μm、中空率が16%であった。
本実施例の中空糸型半透膜を用いて長さ1000mmの評価用モジュールを作製した。比較例7の詳細と評価結果を表1にまとめる。
Figure 0006922744
表1から明らかなように、実施例1〜8の中空糸型半透膜はいずれも、高圧使用で十分な耐圧性を持ちながら、高い塩除去率と高い透水性を長期間維持しているので、低い運転コストで液状混合物を分離することができる。これに対して、比較例1は、酢酸セルロースの粘度が低すぎるためか、熱水処理での膜収縮が不十分で透水性は大きいが塩除去性能が低い結果となった。また、耐久性能や耐つぶれ性も低い結果であった。比較例2は、比較的粘度の高いポリマーを用いたため分離層が密になり過ぎ、透水性能、耐久性能ともに低い結果であった。比較例3は、ノズルスリット長/スリット幅が大きいノズルを用いたため、最薄膜厚/最厚膜厚が大きくなるとともに、最薄膜厚が薄すぎて耐久性能や耐つぶれ性(外径長短比)が低下した。比較例4は、ノズルスリット長/スリット幅が小さいノズルを用いたため、中空部三角形状が極端となり、その結果、頂点最薄膜厚が薄くなりすぎて、耐久性能や耐つぶれ性が低下した。比較例5は、中空率が小さく、内径も小さいため、中空部の水の流路が抵抗となり透水性が低下した。比較例6は、中空率が大きく、内径も大きいため、耐久性や耐つぶれ性が低下した。比較例7は、比較的高い粘度のポリマーを用いたうえに溶媒比率を高めたため、最薄膜厚が薄すぎて耐久性能や耐つぶれ性が低下した。
本発明の中空糸型半透膜は、透水性能と除去性能を高いレベルで維持しながら低い運転コストで飲料水、工業用水、超純水などの水を製造することができるので、逆浸透や正浸透による水製造の分野において極めて有用である。
a:中空糸膜中空部の三角形状の一頂点
b:中空糸膜中空部の三角形状の一頂点
c:中空糸膜中空部の三角形状の一頂点
d:上記三角形の辺bcに対して、点aから引いた垂線状の中空部辺側の交点
e:上記三角形の辺acに対して、点bから引いた垂線状の中空部辺側の交点
f:上記三角形の辺abに対して、点cから引いた垂線状の中空部辺側の交点
g:線adの延長線上での中空糸膜断面外形との交点
h:線beの延長線上での中空糸膜断面外形との交点
i:線cfの延長線上での中空糸膜断面外形との交点
j:線adの延長線上で、点gに対する中空糸膜断面外形との交点
k:線beの延長線上で、点hに対する中空糸膜断面外形との交点
l:線cfの延長線上で、点iに対する中空糸膜断面外形との交点

Claims (4)

  1. 酢酸セルロースからなる逆浸透用または正浸透用の中空糸型半透膜であって、前記酢酸セルロースの6wt/vol%粘度が40〜80mPa・sであること、前記中空糸型半透膜の断面外形が円形であり、断面内形が三角形であること、前記断面内形の三角形の頂点部付近の膜厚(最薄膜厚)と、三角形の辺部分の膜厚(最厚膜厚)との比が、0.65以上0.90以下であること、及び前記中空糸型半透膜の中空率が10〜50%であることを特徴とする中空糸型半透膜。
  2. 前記中空糸型半透膜が5〜8MPaの分離操作圧力で使用されるものであることを特徴とする請求項1に記載の中空糸型半透膜。
  3. 請求項1または2に記載の中空糸型半透膜が組み込まれた中空糸型半透膜エレメント。
  4. 請求項3に記載の中空糸型半透膜エレメント1本以上が組み込まれた中空糸型半透膜モジュール。
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