JP6365542B2 - 正浸透用中空糸膜エレメント及び膜モジュール - Google Patents

正浸透用中空糸膜エレメント及び膜モジュール Download PDF

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Description

本発明は、耐汚染性に優れ、しかも中空糸膜の中空部の流動圧損が小さく、膜透過水量が大きい正浸透用中空糸膜エレメント及び膜モジュールに関するものである。より詳しくは、本発明は、有機物の濃縮、回収や排水の濃縮による減容化、海水淡水化、または、低濃度の水溶液と高濃度の加圧状態の水溶液との濃度差を駆動力として淡水を透過させ、透過した淡水により増加した加圧状態の高濃度側の水溶液の流量と圧力でタービンを回すなどしてエネルギーを生成させることができるものである。特に、海水または濃縮海水と淡水との濃度差による浸透圧を利用して電力などのエネルギーを生成するための造水処理などに使用されることができるものである。
膜分離法による液状混合物の分離・濃縮は、蒸留などの従来の分離技術に比べて相変化を伴わないため省エネルギー法であり、かつ物質の状態変化を伴わないことから、果汁の濃縮、ビール酵母の分離などの食品分野、あるいは工業排水からの有機物の回収といった多分野において幅広く利用されており、膜による水処理は、最先端技術を支える不可欠のプロセスとして定着している。
このような膜を用いた水処理は、膜を集合させて一つの構成要素とした膜エレメントを圧力容器に装填した膜モジュールとして用いられており、特に、中空糸膜エレメントは、スパイラル型膜エレメントに比べ単位膜面積当たりの透水量は大きくないが、膜モジュール容積当たりの膜面積を大きくとることができるため、全体として透水量を大きくとることができ、容積効率が非常に高いという利点があり、コンパクト性に優れる。また、高濃度水溶液と淡水の両方をモジュール内に供給して半透膜を介して接触させる場合に、膜表面の濃度分極を小さく抑えられる。
中空糸型逆浸透膜の場合、効率面から両端開口型が用いられている(特許文献1,2参照)。その場合の膜透過水の流れは、例えば図1の説明図に示すように、中空糸膜の外側から内側(中空部内)に流れ、両端の開口部から流出する。膜透過水が中空部を流れる流動長は、図1から明らかなように、中空糸膜全長の約半分である。この場合、中空糸膜の外側に海水が流れ、しかも中空糸膜の外側が加圧されるため、汚染物質が膜表面に圧着される方向の流れが発生し、海水中の汚れ成分が隣接する中空糸膜間に捕捉、堆積し、膜エレメントが汚染して性能に悪影響を及ぼす傾向がある。
一方、中空糸型正浸透膜の場合もまた、両端開口型が用いられている(特許文献3参照)。その場合の膜透過水の流れは、例えば図2の説明図に示されるように、中空糸膜の内側(中空部内)から外側に流れる。例えば、高浸透圧のドローソリューション(DS)(海水)が中空糸膜の外側を流れ、低浸透圧のフィードソリューション(FS)(淡水)が中空糸膜の中空部を流れる場合は、膜透過水は中空糸膜の内側から外側に向かって流れる。この場合、膜透過水のもととなる淡水は、図2から明らかなように、中空糸膜の中空部を流れ、中空糸膜の一方の端部から他方の端部まで流れることになり、その流動長は中空糸膜の全長である。したがって、正浸透膜(FO膜)の場合の中空部内の流動圧損は、逆浸透膜(RO膜)の場合に比べて極めて大きい。
RO膜の場合、中空糸膜の膜透過水による膜汚染を防止するため、例えば特許文献1では、膜エレメントを構成する中空糸膜を交差配置することによって、耐汚染性を向上させている。具体的には、中空糸膜の交差部を形成させることで、中空糸膜間の間隙を確保し、偏流、濃度分極の発生を抑制し、中空糸膜の外側表面に海水の濁質成分を溜まりにくくしている。この場合、交差配置された中空糸膜のエレメント長あたりのワインド数が大きい方が好ましく、それにより中空糸膜の交差部も多くなり、耐汚染性が向上する。特許文献1のRO膜では、図面から明らかなように、ワインド数2のものが開示されている。また、特許文献2のRO膜でも、ワインド数が2のものが具体的に開示されている。
FO膜の場合にも耐汚染性を向上するために、ワインド数2の交差配置の構造を適用すると、中空部を流れるFSの圧損が大きくなるため、中空糸膜の有している透水性能を十分に発揮できない。これは、エレメント外層部ほど中空糸膜の長さが長くなるため中空部を流れるFSの流動圧損が大きくなり、特に、FO膜の場合は、FSの流路長がRO膜の場合の約2倍あることによる。したがって、RO膜で採用されている中空糸膜の交差配置をFO膜にそのまま採用することはできない。
以上のように、FO用の中空糸膜の耐汚染性を向上させるための有力な手段はなく、RO用の中空糸膜の交差配置を考慮したとしても、十分な透水性能を確保しながら耐汚染性も両立したものが従来から実現できていないのが現状である。
特公平3−14492号公報 特開平2003−290632号公報 WO2012/002263号公報
本発明は、上記の従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、耐汚染性に優れ、しかも流動圧損が少ない(十分な透過水量がある)正浸透用中空糸膜エレメント、及びそれを使用した膜モジュールを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するためにRO膜で採用されている交差配置についてさらに鋭意検討した結果、正浸透用の中空糸膜で交差配置を行なった場合にワインド数をある程度減らしても、膜透過水の流れ方向が逆浸透膜とは逆方向であるため、耐汚れ性の低下が逆浸透の場合に比べて極めて少ないこと、そしてそうすることにより高い流動圧損による透過水量の低下の影響を軽減できることを見い出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(5)の構成を有するものである。
(1)多孔分配管の周りに中空糸膜を螺旋状に巻回することにより中空糸膜を交差状に配置した中空糸膜巻上げ体の両端部を開口させた両端開口型の中空糸膜エレメントであって、交差状に配置された中空糸膜のエレメント長あたりのワインド数が0.33〜1.75であることを特徴とする正浸透用中空糸膜エレメント。
(2)中空糸膜が、酢酸セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びスルホン化ポリスルホン系樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂からなることを特徴とする(1)に記載の正浸透用中空糸膜エレメント。
(3)中空糸膜の外径が160〜270μmであることを特徴とする(1)または(2)に記載の正浸透用中空糸膜エレメント。
(4)中空糸膜巻上げ体の外径が100〜420mm、長さが0.2〜1.6mであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の正浸透用中空糸膜エレメント。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の正浸透用中空糸膜エレメント1本以上を容器に装填したことを特徴とする正浸透用中空糸膜モジュール。
本発明の中空糸膜エレメント及び中空糸膜モジュールは、エレメント長あたりのワインド数を従来の逆浸透用に比べてかなり小さくしているので、正浸透運転における中空部内の流体の流動圧損の影響を低減することができ、結果として高い膜透過水量を得ることが可能である。また、ワインド数を本発明で規定される範囲で低減しても、正浸透運転時では、逆浸透の場合とは異なり、高い耐汚染性が維持される。
中空糸型逆浸透膜の場合の膜透過水の流れの説明図である。 中空糸型正浸透膜の場合の膜透過水の流れの説明図である。 本発明の中空糸膜エレメントの一例を示す説明図である。 本発明の中空糸膜モジュールの一例を示す説明図である。 中空糸膜束単位で構成した交差配置の一例を示す写真である。 ワインド数が2.0,1.5,1.0のときの中空糸膜の状態を示す概略図である。 本発明の中空糸膜エレメントの容積あたりの透過水量と耐汚染性の関係について、ワインド数の影響を表すグラフである。 本発明の中空糸膜エレメントの容積あたりの透過水量と耐汚染性の関係について、エレメント径の影響を表すグラフである。 本発明の中空糸膜エレメントの容積あたりの透過水量と耐汚染性の関係について、エレメント長の影響を表すグラフである。 本発明の中空糸膜エレメントの容積あたりの透過水量と耐汚染性の関係について、中空糸膜外径の影響を表すグラフである。
本発明の正浸透用中空糸膜エレメント及び膜モジュールについて以下詳述する。
本発明の膜エレメントが使用される正浸透処理は、高濃度で浸透圧が高い水溶液と低濃度で浸透圧が低い水溶液とを半透膜を介して接触させた際に、浸透圧の低い水溶液から浸透圧の高い水溶液側に淡水が移動する現象を利用した水処理方法である。例えば、中空糸膜の外側に高濃度で浸透圧が高い水溶液を流し、中空糸膜の中空部に低濃度で浸透圧が低い水溶液を流す場合には、中空部内の流動圧損が大きいと中空部内を流れる水量が低下し膜透過水量が低下する。また、中空糸膜の外側に高濃度で浸透圧が高い水溶液として海水を流す場合には、中空糸膜間や膜面に汚染物質が付着、堆積し、経時的な透過水量の低下が生じる。
本発明の中空糸膜エレメントは、スパイラル型の平膜と比べてエレメントあたりの膜面積を大きくとることができ、中空糸膜の大きさにもよるが、ほぼ同サイズのエレメントの場合、スパイラル型のおよそ10倍の膜面積を得ることができる。従って、中空糸膜は、同じ透水量を得る際に単位膜面積あたりの処理量が極めて少なくて良く、スパイラル型に比べて供給水が膜を透水する際に生じる膜面の汚れを減少でき、膜の洗浄までの運転時間を長くとることができる。さらに、エレメント内の偏流が生じにくいため、濃度差を駆動力として水処理を行う場合は好適である。
本発明の中空糸膜の素材は、逆浸透膜相当レベルの高い分離性能を発現できる限り、特に限定されず、例えば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、スルホン化ポリスルホン系等の樹脂が使用可能である。この中では、酢酸セルロース系樹脂、スルホン化ポリスルホンやスルホン化ポリエーテルスルホンなどのスルホン化ポリスルホン系樹脂が、殺菌剤である塩素に対する耐性があり、微生物の増殖を容易に抑制することができる点で好ましい。特に、膜面での微生物汚染を効果的に抑制できる特徴がある。酢酸セルロースの中では、耐久性の点で三酢酸セルロースが好ましい。
本発明の中空糸膜の外径は、好ましくは160〜270μmである。外径が前記範囲より小さいと、必然的に内径も小さくなるため、上述の内径と同じ問題が生じうる。一方、外径が前記範囲より大きいと、モジュールにおける単位容積あたりの膜面積を大きくすることができなくなり、中空糸膜モジュールのメリットの一つであるコンパクト性が損なわれる。
本発明の中空糸膜の中空率は、好ましくは20〜42%である。中空率が前記範囲より小さいと、中空部の流動圧損が大きくなり、所望の透過水量が得られない可能性がある。また、中空率が前記範囲より大きいと、正浸透処理での使用であっても十分な耐圧性を確保できない可能性がある。
なお、中空率(%)は下記式により求めることができる。
中空率(%)=(内径/外径)×100
本発明の中空糸膜の内径は、前記好ましい外径に対して前記中空率を充足する範囲であればよく、好ましくは70〜175μmである。内径が前記範囲より小さいと、中空部を流れる流体の圧力損失が一般に大きくなり、そのため中空糸膜の長さを比較的長くした場合に所望の淡水流量を流す場合に過大に高い圧力が必要となり、エネルギーロスの原因となりうる。一方、内径が前記範囲より大きいと、中空率とモジュール膜面積のトレードオフの関係となり、使用圧力における耐久性または単位容積あたりの膜面積のいずれかを犠牲にする必要が生じうる。
本発明の中空糸膜エレメントは、中空糸膜巻上げ体の両端部を樹脂で封止した後、樹脂の一部を切断し中空糸膜の両端部を開口させたものであり、中空糸膜巻上げ体は、多孔分配管の周りに中空糸膜または中空糸膜の束を螺旋状に巻上げることによって、中空糸膜が半径方向に積層されることにより形成される。その場合に、中空糸膜は交差状に配置される。図3に、中空糸膜が交差状に配置された本発明の中空糸膜エレメントの一例の概略図を示す。交差配置を取ることにより、中空糸膜の交差部に空隙が規則的に形成される。この規則的な空隙が存在するため、中空糸膜の外側を流れる流体中の非溶解成分や粒子成分等が、中空糸膜間に捕捉されることが少なく、圧力損失の増大が生じにくい。一方、中空糸膜が平行に配置されている場合は、最密充填でない限り中空糸膜間隙にばらつきが生じやすく、流体中の非溶解成分や粒子成分等が中空糸膜間に捕捉され、圧力損失が増大したり、偏流を生じる原因となる。従って、中空糸膜を交差状に配置することで、中空糸膜の外側を流れる流体の非溶解成分からなる汚染物質の許容量が平行配置の場合に比べ大きくなり、結果的に中空糸膜エレメントの耐汚染性が向上することになる。なお、この交差配置の形成は中空糸膜が細く強度が十分ない場合は、中空糸膜束単位で形成しても、同様の効果が得られる。
多孔分配管は、供給液を中空糸膜の外側に供給する場合、供給流体入口から供給される流体を中空糸膜集合体に分配させる機能を有する管状部材である。多孔分配管は、中空糸膜集合体の好ましくは中心部に位置させる。多孔分配管の径は大きすぎると、膜モジュール内の中空糸膜が占める領域が減少し、結果として膜エレメントまたは膜モジュールの膜面積が減少するため容積あたりの透水量が低下することがある。また、多孔分配管の径が小さすぎると、供給流体が多孔分配管内を流動する際に圧力損失が大きくなり、結果として中空糸膜にかかる有効差圧が小さくなり処理効率が低下することがある。また、強度が低下して、供給流体が中空糸膜層を流れる際に受ける中空糸膜の張力により多孔分配管が破損する場合がある。これらの影響を総合的に考慮し、最適な径を設定することが重要である。中空糸膜エレメントの断面積に対して多孔分配管の断面積の占める面積割合は、4〜20%が好ましい。
中空糸膜巻上げ体の外径は、好ましくは100〜420mmである。外径が大きすぎると、膜交換作業等の維持管理での操作性が悪くなりうる。外径が小さすぎると、単位膜エレメント当りの膜面積が減少し、処理量が小さくなり、経済性の点で好ましくない。
中空糸膜巻上げ体の長さは、好ましくは0.2〜1.6mである。この長さが長すぎると、中空糸膜の中空内部の流動圧損が大きくなり正浸透性能が低下しうる。短すぎると、単位膜エレメント当りの膜面積が減少し処理量が少なくなり、経済性の点で好ましくない。
中空糸膜巻上げ体における中空糸膜の充填率は、好ましくは40〜65%である。充填率が大きすぎると、中空糸膜間の隙間が小さくなりすぎて交差配置の効果が発現しにくい。また、充填率が小さすぎると、中空糸膜本数が少なく膜面積が少ないため処理量が少なく経済性の面で好ましくない。この充填率は、中空糸膜巻上げ体の中心軸と垂直の断面において、巻上げ体の断面積に対する中空糸膜の外径が占める総面積の割合であり、次式で計算されることができる。
充填率(%)=中空糸膜の外径(m)^2×π/4×中空糸膜本数/巻上げ体の断面積(m)×100
本発明の中空糸膜エレメントは、交差状に配置された中空糸膜のエレメント長あたりのワインド数が0.33〜1.75であることを最大の特徴とする。好ましくは0.5〜1.5である。ここで、ワインド数とは、前述の交差配置を形成する場合の中空糸膜巻上げ体の一端から他端まで移動する間に巻き上げられる回数を言う。ワインド数が大きいほど中空糸膜の交差部の数が増加する。例えば、ワインド数が1.0の場合は、交差部の軸方向位置が捲き上げ体の中央部となる。また、ワインド数が1.5の場合は、交差部が軸方向に2ケ所となり、ワインド数が2.0の場合は、交差部が軸方向に3ケ所となる。中空糸膜が巻き上げ体の中心軸となす角度は、中空糸膜捲き上げ体の内層で小さく、外層部ほど大きくなる。その角度は、捲き上げ体の長さと外径で決まる。
中空糸膜が交差状に配置された中空糸膜エレメントは、逆浸透用において従来提案されているが、いずれもワインド数が本発明で規定する範囲より大きく、具体的にはワインド数が2である。本発明の正浸透用中空糸膜エレメントにおいて、ワインド数が2である従来の中空糸膜の交差配置をそのまま採用すると、高い耐汚染性を得ることはできるが、中空部を流れる流体の流動圧損が大きすぎるため、十分な透過水量を確保できない。これは、図1と図2の比較から明らかなように、逆浸透と正浸透では、中空糸膜の中空部を流れる流体の流動長に約2倍の差があり、正浸透の方がワインド数の増加による流動圧損の影響を大きく受けるためである。従って、ワインド数は、流動圧損の影響を大きく受けないように上で規定される本発明の範囲の上限以下に低くすることが必要である。一方、ワインド数を小さくすると、逆浸透用では、耐汚染性が著しく低下してしまうが、正浸透用ではワインド数の減少による耐汚染性の低下が逆浸透用に比べて極めて小さい。これは、逆浸透と正浸透の膜透過水の流れ方向の違いに起因するものである。具体的には、図1及び図2から明らかなように、逆浸透の場合には、中空糸膜の外側を流れる海水を加圧することにより、海水中の淡水が膜を透過するため、汚染物質が中空糸膜間に捕捉、堆積しやすいのに対して、正浸透の場合には、同様に中空糸膜の外側を海水が流れるが、中空糸膜の中空部を流れる流体中の淡水が中空糸膜を透過するため、汚染物質が膜表面に堆積し難い特徴を有するからである。但し、ワインド数をあまり小さくしすぎると、正浸透であっても耐汚染性が低下するので、上で規定される本発明の範囲の下限以上のワインド数にすることが必要である。
本発明の中空糸膜は、例えば、特許3591618号公報に記載されているように、三酢酸セルロース、エチレングリコール(EG)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)よりなる製膜溶液を3分割ノズルより吐出し、空中走行部を経て、水/EG/NMPよりなる凝固液中に浸漬させて中空糸膜を得、次いで中空糸膜を水洗した後、熱処理することにより酢酸セルロース系中空糸膜を製造することができる。また、テレフタル酸ジクロリド及び4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ピペラジンより低温溶液重合法で得た共重合ポリアミドを精製した後、CaCl及びジグリセリンを含むジメチルアセトアミド溶液に溶解して製膜溶液とし、この溶液を3分割ノズルより空中走行部を経て凝固液中に吐出させ、得られた中空糸膜を水洗した後、熱処理することによりポリアミド系中空糸膜を製造することができる。
上記のようにして得られた本発明の中空糸膜は、従来公知の方法により中空糸膜エレメントに組み込まれる。中空糸膜の組み込みは、例えば、特許4412486号公報、特許4277147号公報、特許3591618号公報、特許3008886号公報などに記載されているように、中空糸膜を45〜90本集めて1つの中空糸膜集合体とし、さらにこの中空糸膜集合体を複数横に並べて偏平な中空糸膜束として、多数の孔を有する多孔分配管にトラバースさせながら巻き付ける。この時の多孔分配管の長さ及び回転速度、中空糸膜束のトラバース速度を調節することによって、巻き上げ体の特定位置の周面上に交差部が形成するように巻き上げる。次に、この巻き上げ体の両端部を接着した後、両側を切削して中空糸膜開口部を形成させ中空糸膜エレメントを作製する。
上述のようにして作製された本発明の正浸透用中空糸膜エレメントは、1本以上を容器、特に運転圧力に耐える耐圧性を有する圧力容器に装填することにより、正浸透用中空糸膜モジュールとすることができる。この正浸透用中空糸膜モジュールは、図4に示されるように4ケ所のノズルを有している。そのうちの2ケ所は、高浸透圧を有する高濃度溶液の入口ノズルと出口ノズルであり、高濃度溶液は中空糸膜の外側に接液する空間と連通しているものであって、入口ノズルはエレメントの多孔分配管の入口と連通し、出口ノズルは中空糸膜エレメントの最外層部と接液する空間と連通している。一方、他の2ケ所は、低浸透圧の低濃度の淡水の入口ノズルと出口ノズルであり、中空糸膜の中空部の開口端部とそれぞれ接液する空間と連通している。
後述する実施例の結果に基づいて、膜エレメント容積あたりの透過水量と耐汚染性(差圧上昇率)との関係を表すグラフを図7に示す。このグラフから明らかなように、従来型のRO用の膜エレメント(ワインド数(WD)が2)に対して、ワインド数を少なくするに従い、膜エレメント容積あたりの透過水量と差圧上昇率が指数関数的に上昇することが読み取れる。例えば、ワインド数を2から1.5にすると、膜エレメント容積あたりの透過水量はおよそ1.2倍、ワインド数を0.5にすると、同透過水量はおよそ1.7倍にもなる。一方、差圧上昇率は、ワインド数が1を下回るあたりから急激に大きくなる傾向がある。また、このような曲線の傾きから考えるとワインド数を小さくしすぎると膜エレメント間での性能のばらつきが大きくなることが容易に予想できる。このような関係から、本発明においては、より大きな透過水量を確保しながら差圧上昇率を極力抑えることができる膜エレメントのワインド数を0.33〜1.75、好ましくは0.5〜1.5としている。なお、膜エレメントあたりの透過水量および差圧上昇率の数値自体は、中空糸膜の性能に依存するため、特に数値自体には大きな意味を持つものではない。
膜エレメント容積あたりの透過水量および差圧上昇率に影響を与えるパラメーターとして、膜エレメント径、膜エレメント長、中空糸膜外径についても同様に関係性を調べた。その関係をそれぞれ表すグラフが図8〜10である。これらのパラメーターは、差圧上昇率には影響を与えないが、膜エレメントあたりの透過水量には影響を与える。例えば、図8は膜エレメント径の変化による影響を見たものであるが、膜エレメント径を大きくするに従い、膜エレメント容積あたりの透過水量は漸次低下していき最終的にほぼ横ばいになる。すなわち、膜エレメント径は小さいほど膜エレメントあたりの透過水量が大きくなり好ましいが、膜エレメント径が小さい場合には、中空糸膜中空部の流動圧損を低減するという本発明の目的効果が発揮されないため、膜エレメント径は100mm以上が好ましい。また、膜エレメント径は大きいほど本発明の効果が優位になるため好ましいが、膜エレメント製造のし易さなどの面から420mm程度が上限と思われる。
図9は、膜エレメント長による影響を見たものである。膜エレメント長を0.3m程度から長くしていくと、膜エレメント容積あたりの透過水量は、特定の長さでピークを迎え、それよりも長くなると次第に同透過水量が低下していく傾向が見られる。図9からみると、図7におけるワインド数1.5と同等程度の性能を発現する膜エレメント長としては、およそ0.2mから1.6m程度が好ましいことがわかる。
図10は、中空糸膜外径による影響を見たものである。中空糸膜外径が大きくなるに従い、透過水量は大きくなるが、特定の中空糸膜外径を超えると、透過水量は次第に低下する。これは、膜エレメントの容積を一定とした際に、中空糸膜外径を大きくしていくと膜面積は逆に減少していくことによるものである。図10から、本発明の効果が発揮される中空糸膜外径を読み取ると、およそ160μmから270μmの範囲で図7におけるワインド数1.5と同等程度の性能を発現することが読み取れる。
このようにして作製された正浸透用中空糸膜モジュールは、中空糸膜の外側と内側(中空部)を流れる水の塩分濃度の差によって生じる浸透圧差から浸透流として透過水量を得ることができる。これにより、低濃度供給液から淡水を取出したり、淡水を取出すことにより、低濃度供給液を濃縮したり、浸透流からエネルギーを回収することができる。具体的には、加圧状態の高浸透圧水溶液(海水)と低圧の低浸透圧の淡水を正浸透膜を介して接触させることで、浸透圧差により低圧の淡水が、膜を介して高い圧力の高浸透圧水溶液へ流入し、その加圧状態の水溶液でタービン等を回転させてエネルギーを回収することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例で測定された特性値の測定は、以下の方法に従った。
(1)内径、外径、中空率の測定
中空糸膜の内径、外径は、中空糸膜をスライドグラスの中央に開けられたφ3mmの穴に中空糸膜が抜け落ちない程度に適当本数通し、スライドグラスの上下面に沿ってカミソリにより中空糸膜をカットし、中空糸膜断面サンプルを得た後、投影機Nikon PROFILE PROJECTOR V−12を用いて中空糸膜断面の短径、長径を測定することにより得られる。中空糸膜断面1個につき2方向の短径、長径を測定し、それぞれの算術平均値を中空糸膜断面1個の内径および外径とした。5つの断面について同様に測定を行い、平均値を内径、外径とした。
中空率は(内径/外径)×100で算出した。
(2)エレメント長の測定
中空糸膜巻上げ体の両端部を樹脂で封止した後、樹脂の一部を切断し中空糸膜の両端部を開口させた中空糸膜エレメントの一方の開口端部から他方の開口端部までの中心軸と平行な直線距離を測定して求めた(図4参照)。
(3)エレメント径の測定
中空糸膜エレメントの樹脂で封止して形成された開口端部の直径を測定した。
(4)エレメントあたりの膜面積の測定
膜面積は、中空糸膜の外径、中空糸膜エレメントに存在する中空糸膜の本数、中空糸膜の平均有効長から求めた。
膜面積(m)=π×中空糸膜外径(m)×中空糸膜本数×中空糸膜の平均有効長(m)
なお、中空糸膜の平均有効長は、以下のように算出した。
エレメントの端部の樹脂の内側同士の距離、すなわち見かけの中空糸膜の有効長(LE)、エレメント胴部の外径(DO)、多孔分配管の外径(DI)を測定し、これらの測定値をワインド数(WD)とともに下記の式に代入することにより、平均有効長を算出することができる。
LO2=LE^2+(π×DO×WD)^2
LI2=LE^2+(π×DI×WD)^2
平均有効長=((LO2)^0.5+(LI2)^0.5)/2
(5)エレメント容積の測定
前述の膜エレメント径と膜エレメント長より下記式により求めた。
エレメント容積(m)=π×エレメント端部外径(m)^2/4×エレメント長(m)
(6)ワインド数の測定
ワインド数は、捲き上げ体の中空糸膜の一方の端部から他方の端部に渡るまでの中心軸に対する捲き付いている回数(回転回数)から求めた。
(7)充填率の測定
中空糸膜巻き上げ体に存在する中空糸膜総容積(中空糸膜外径基準)を中空糸膜捲き上げ体の容積で割って求めた。
充填率(%)=π×中空糸膜の外径^2/4(m)×中空糸膜の総全長(m)/中空糸膜巻上げ体容積(m)×100%
なお、中空糸膜捲き上げ体容積=π×DO^2×LE
中空糸膜の総延長=平均有効長×中空糸膜本数
(8)透水量の測定
中空糸膜エレメント1本を圧力容器に装填して中空糸膜モジュールを作成し、中空糸膜のそれぞれの開口部に連通するノズルのうち、一方のノズルより塩化ナトリウム濃度0.2g/Lの淡水を供給ポンプで供給し、他方のノズルから淡水を流出させた。一方、塩化ナトリウム濃度70g/Lの高濃度水溶液を中空糸膜の外側に連通する多孔分配管に供給ポンプで供給し、中空糸膜の外側を通過させた後、中空糸膜集合体の外側に連通する圧力容器の側面に配置するノズルから流出させ、流量調整バルブで、圧力と流量を調整する。高濃度水溶液の供給圧力をPDS1(MPa)、供給流量をQDS1(L/min)、高濃度水溶液の排出水量をQDS2(L/min)、淡水の供給流量をQFS1(L/min)、淡水の流出流量をQFS2(L/min)、淡水の流出圧力をPFS2(kPa)とした場合、その条件での高濃度水溶液の流量増分(QDS2−QDS1)をモジュールの透水量として測定した。温度は25℃に調整した。
PDS1=2.2MPa
PFS2=10kPa以下
QDS1/(QDS2−QDS1)=2
QFS2/(QDS2−QDS1)=0.1
ただし、淡水の入口圧力は0.1MPaとし、0.1MPaを越える場合は、0.1MPaとなるようにQFS1を設定した。
(9)耐汚染性の測定
高濃度水溶液の代わりに耐汚染性測定用の高汚染模擬海水を用いた以外は上記の透水量の測定と同様の運転条件で連続運転を実施し、高濃度水溶液の供給圧力(PDS1)と出口圧力(PDS2)との差圧(PDS1−PDS2)の推移等を測定し、100時間後の差圧と高濃度水溶液の場合の差圧との比を差圧上昇率として、中空糸膜エレメントの汚染状況を測定した。なお、この高汚染模擬海水の組成は、逆浸透膜処理水に塩化ナトリウム濃度70g/L、アルギン酸ナトリウム0.8g/L、コロイダルシリカ(PL−7)90mg−SiO/L、塩化第二鉄六水和物10mg/Lからなる。
(実施例1)
三酢酸セルロース(CTA、ダイセル化学工業社、LT35)41重量%、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、三菱化学社)50重量%、エチレングリコール(EG、三菱化学社)8.7重量%、安息香酸(ナカライテスク社)0.3重量%を180℃で均一に溶解して製膜原液を得た。得られた製膜原液を減圧下で脱泡した後、アーク型(三分割)ノズルより163℃で外気と遮断された空間中に吐出し、空間時間0.03秒を経て、NMP/EG/水=4.25/0.75/95からなる12℃の凝固浴に浸漬した。引続き、多段傾斜桶水洗方式で中空糸膜の洗浄を行い、湿潤状態のまま振り落した。得られた中空糸膜を90℃の水に浸漬し、20分間熱水処理を行った。
得られた中空糸膜は、内径が85μm、外径が175μmであった。
得られた中空糸膜を多孔分配管の周りに交差状に配置させ、中空糸膜の集合体を形成させた。多孔分配管をその軸を中心に回転させながら中空糸膜の束をトラバースさせ、多孔分配管の周りに捲きつけることにより中空糸膜を交差状に配置させた。この中空糸膜の集合体の両端部をエポキシ樹脂でポッティングさせて固定させた後、樹脂部の両端部を切断して中空糸膜の中空部を開口させて中空糸膜エレメントを作製した。
得られた中空糸膜エレメントのワインド数は0.5であり、長さ約70cm、外径130mm、中空糸膜の充填率51%、膜面積は67mであった。この中空糸膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、ワインド数を1.0に変更した以外は、実施例1と同様にして中空糸膜エレメントを作成した。この中空糸膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、ワインド数を1.5に変更した以外は、実施例1と同様にして中空糸膜エレメントを作成した。この中空糸膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、ワインド数を2.0に変更した以外は、実施例1と同様にして中空糸膜エレメントを作成した。この中空糸膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、ワインド数を0.3に変更した以外は、実施例1と同様にして中空糸膜エレメントを作成した。この中空糸膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(実施例4)
テレフタル酸ジクロリド及び70mol%の4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、30mol%のピペラジンより低温溶液重合法で得た共重合ポリアミドを精製した後、このもの36重量部をCaCl 4重量部(ポリマーに対して)及びジグリセリン3.6重量部(ポリマーに対して)を含むジメチルアセトアミド溶液に80℃で溶解し、製膜溶液とした。この溶液を脱泡した後、3分割ノズルより吐出し、空中走行部を経て4〜6℃に冷却した凝固液中に浸漬し中空糸膜を得た。次いで得られた中空糸膜を水洗した後、75〜85℃で30分間熱処理した。得られた中空糸膜は、内径100μm、外径200μmであった。
得られた中空糸膜を多孔分配管の周りに交差状に配置させ、中空糸膜の集合体を形成させた。多孔分配管をその軸を中心に回転させながら中空糸膜の束をトラバースさせ、多孔分配管の周りに捲きつけることにより中空糸膜を交差状に配置させた。この中空糸膜の集合体の両端部をエポキシ樹脂でポッティングして固定させた後、樹脂部の両端部を切断して中空糸膜の中空部を開口させて中空糸膜エレメントを作製した。
得られた中空糸膜エレメントのワインド数は1.0であり、長さ約70cm、外径130mm、中空糸膜の充填率51%、膜面積は58mであった。この中空糸膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(実施例5)
3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン2ナトリウム塩(S−DCDPS)11.5mol%、2,6−ジクロロベンゾニトリル(DCBN)38.5mol%、4,4’−ビフェノール50mol%を重合して得たスルホン化ポリアリールエーテルスルホン(SPN−23)を、予め110℃12時間乾燥した後、80重量部量りとり、続いてNMP108重量部、EG12重量部を170℃で攪拌溶解して製膜溶液を得た。
この製膜溶液を150℃に保ちチューブインオリフィス型ノズルから、EGを内液として吐出した。エアギャップ長を20mmとし、濃度3.5重量%の塩水からなる凝固浴に浸漬した。引続き、多段傾斜桶水洗方式で中空糸膜の洗浄を行い、湿潤状態のまま振り落した。得られた中空糸膜を濃度14.5重量%の塩水に浸漬させ、温度98℃、時間20分の条件でアニール処理を行った。
得られた中空糸膜を多孔分配管の周りに交差状に配置させ、中空糸膜の集合体を形成させた。多孔分配管をその軸を中心に回転させながら中空糸膜の束をトラバースさせ、多孔分配管の周りに捲きつけることにより中空糸膜が交差状に配置された。この中空糸膜の集合体の両端部をエポキシ樹脂でポッティングして固定させた後、樹脂部の両端部を切断して中空糸膜の中空部を開口させて中空糸膜エレメントを作製した。
得られた中空糸膜エレメントのワインド数は1.0であり、長さ約70cm、外径130mm、中空糸膜の充填率51%、膜面積は71mであった。この中空糸膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜5の中空糸膜エレメントはいずれも、高い透水量(容積あたりの高い膜透過水量)と耐汚染性(低いモジュール差圧上昇率)を両立している。一方、比較例1は、耐汚染性が良好であったが、透水量が低い。また、比較例2は、透水量が高いが、耐汚染性が低いため、実用的に問題がある。
本発明の正浸透用中空糸膜エレメントは、膜の透水性能が高く、しかも耐汚染性に優れる構造に設計されているので、正浸透用の水処理や濃度差を駆動力としてエネルギーを生成する分野において極めて有用である。

Claims (5)

  1. 多孔分配管の周りに中空糸膜を螺旋状に巻回することにより中空糸膜を交差状に配置した中空糸膜巻上げ体の両端部を開口させた両端開口型の中空糸膜エレメントであって、交差状に配置された中空糸膜のエレメント長あたりのワインド数が0.33〜1.75であることを特徴とする正浸透用中空糸膜エレメント。
  2. 中空糸膜が、酢酸セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びスルホン化ポリスルホン系樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の正浸透用中空糸膜エレメント。
  3. 中空糸膜の外径が160〜270μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の正浸透用中空糸膜エレメント。
  4. 中空糸膜巻上げ体の外径が100〜420mm、長さが0.2〜1.6mであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の正浸透用中空糸膜エレメント。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の正浸透用中空糸膜エレメント1本以上を容器に装填したことを特徴とする正浸透用中空糸膜モジュール。
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