JP6565688B2 - 中空糸型逆浸透膜エレメント及びモジュール - Google Patents

中空糸型逆浸透膜エレメント及びモジュール Download PDF

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Description

本発明は、耐汚染性に優れ、しかも中空糸膜の中空部の流動圧損が小さく、膜透水量が大きい中空糸型逆浸透膜エレメント及びモジュールに関するものである。より詳しくは、有機物の濃縮、回収や排水の濃縮による減容化、海水淡水化に用いることができるものである。特に、大型の海水淡水化プラントに用いる大型の中空糸型逆浸透膜モジュールに好適に使用できるものである。
膜分離法による液状混合物の分離・濃縮は、蒸留などの従来の分離技術に比べて相変化を伴わないため省エネルギー法であり、かつ物質の状態変化を伴わないことから、果汁の濃縮、ビール酵母の分離などの食品分野、あるいは工業排水からの有機物の回収といった多分野において幅広く利用されており、膜による水処理は、最先端技術を支える不可欠のプロセスとして定着している。
このような膜を用いた水処理は、膜を集合させて一つの構成要素とした膜エレメントを圧力容器に装填した膜モジュールとして用いられており、特に、中空糸膜エレメントは、スパイラル型膜エレメントに比べ単位膜面積当たりの透水量は大きくないが、膜モジュール容積当たりの膜面積を大きくとることができるため、全体として透水量を大きくとることができ、容積効率が非常に高いという利点があり、コンパクト性に優れる。
中空糸型逆浸透膜の場合、効率面から両端開口型が用いられている(特許文献1,2参照)。その場合の膜透過水の流れは、例えば図1の説明図に示すように、中空糸膜の外側から内側(中空部内)に流れ、両端の開口部から流出する。膜透過水が中空部を流れる流動長は、図1から明らかなように、中空糸膜全長の約半分である。この場合、中空糸膜の外側に海水が流れ、しかも中空糸膜の外側が加圧されるため、汚染物質が膜外表面に圧着される方向の流れが発生し、海水中の汚れ成分が隣接する中空糸膜間に捕捉、堆積し、膜エレメントが汚染して性能に悪影響を及ぼす傾向がある。
このような逆浸透膜の場合、中空糸膜の膜透過による膜汚染を防止するため、例えば特許文献1では、膜エレメントを構成する中空糸膜を交差配置することによって、耐汚染性を向上させている。具体的には、中空糸膜の交差部を形成させることで、中空糸膜間の間隙を確保し、偏流、濃度分極の発生を抑制し、中空糸膜の外側表面に海水の濁質成分を溜まりにくくしている。この場合、交差配置された中空糸膜のエレメント長あたりのワインド数が大きい方が好ましく、それにより中空糸膜の交差部も多くなり、耐汚染性が向上する。特許文献1の逆浸透膜では、図面から明らかなように、ワインド数2のものが開示されている。また、特許文献2の逆浸透膜でも、ワインド数が2のものが具体的に開示されている。
一方、大型プラントの場合、逆浸透膜モジュール本数が多くなり、接続ヘッダ配管が多くなるとプラントのスペースが大きくなるばかりか、配管の費用が大きくなる。特に、海水淡水化のような高圧仕様で、耐腐食性の配管材質が求められる場合は、経済的な負担が大きくなり好ましくない。よって、大型逆浸透膜モジュール、具体的には、従来、実用化されていた外径が260mm以上の大口径(以下、大口径と称する)の逆浸透膜モジュールが好ましい。このような大口径の逆浸透膜モジュールの場合にも耐汚染性を向上させるために、ワインド数2の交差配置の構造を適用すると、中空部を流れる透過水の流動圧損が大きく、中空糸膜の有している透水性能を十分に発揮できない。これは、中空糸膜の中空部を流れる透過水の流動圧損が大きいためであり、特に、大口径の逆浸透膜モジュールの場合は、外層部周辺はワインド数が大きいこと、すなわち、中空糸膜長が長くなることによる流動圧損への影響が外径260mm未満の従来径(以下、従来径と称する)の逆浸透膜モジュールの場合より大きくなるためである。したがって、逆浸透膜モジュールで採用されている中空糸膜の交差配置を大口径の逆浸透膜モジュールにそのまま採用することはできない。
以上のように、大口径の中空糸型逆浸透膜モジュールにおいて、中空糸膜の耐汚染性を向上させるための有力な手段はなく、中空糸膜の交差配置を考慮したとしても、十分な透水性能を確保しながら耐汚染性も両立したものが実現できていないのが現状である。
特公平03−014492号公報 特開2003−290632号公報
本発明は、上記の従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、耐汚染性に優れ、しかも流動圧損が少ない(十分な透水量がある)大口径の中空糸型逆浸透膜エレメント、及びそれを使用した膜モジュールを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために従来径、具体的には実用化されている外径が260mm未満の中空糸型逆浸透膜エレメントで採用されている交差配置についてさらに鋭意検討した結果、大口径の中空糸型逆浸透膜エレメントで交差配置を行なった場合に、特に中空糸膜の長さが長い中空糸膜巻上げ体の外層部のワインド数をある程度小さくしても、大口径の中空糸型逆浸透膜エレメントの外層部は供給海水が濃縮され有効圧力差が小さく、中空糸膜の膜透過流量が大きくないため、耐汚れ性の低下が従来径の中空糸型逆浸透膜エレメントの場合に比べて極めて少ないこと、そして、それにより高い流動圧損による透水量の低下の影響を軽減できることを見い出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(3)の構成を有するものである。
(1)多孔分配管の周りに中空糸膜を螺旋状に巻回することにより中空糸膜を交差状に配置した中空糸膜巻上げ体の両端部を開口させた両端開口型の中空糸型逆浸透膜エレメントであって、
a)前記エレメントの外径が260mm以上であり、
b)前記中空糸膜巻上げ体の最外層部から少なくとも巻上げ体の厚みの1/8以上の部分のエレメント長あたりのワインド数を0.33〜1.75とし、
c)前記中空糸膜巻上げ体の最内層から巻上げ体の厚みの少なくとも1/4までの範囲において、エレメント長あたりのワインド数を1.75超としたことを特徴とする中空糸型逆浸透膜エレメント。
(2)前記エレメントの外径が260〜420mm、長さが1.0〜1.6mであることを特徴とする(1)に記載の中空糸型逆浸透膜エレメント。
(3)(1)または(2)に記載の中空糸型逆浸透膜エレメント1本以上を容器に装填したことを特徴とする中空糸型逆浸透膜モジュール。
本発明の中空糸型逆浸透膜エレメント及びモジュールは、従来径のものに比べてエレメント長あたりのワインド数を、特に中空糸膜が長い外層部をかなり小さくしているので、逆浸透運転における中空部内の流体の流動圧損の影響を低減することができ、結果として高い膜透水量を得ることが可能である。また、ワインド数を本発明で規定される範囲で低減しても、逆浸透運転時では、従来径の場合とは異なり、高い耐汚染性が維持される。
中空糸型逆浸透膜の場合の膜透過水の流れの説明図である。 本発明の中空糸膜エレメントの一例を示す説明図である。 中空糸膜束単位で構成した交差配置の一例を示す写真である。 ワインド数が2.0,1.5,1.0のときの中空糸膜の状態を示す概略図である。 エレメント容積あたりの透水量と差圧上昇率との関係を表すグラフである。
本発明の中空糸型逆浸透膜エレメント及びモジュールについて以下詳述する。
逆浸透は、高濃度で浸透圧が高い水溶液に半透膜を接触させ圧力を印加すると、淡水が移動する現象を利用した水処理方法である。例えば、中空糸膜の外側に高濃度で浸透圧が高い水溶液を流し、中空糸膜の中空部に膜を透過した淡水が流れる場合には、中空部内の流動圧損が大きいと中空部内を流れる水量が低下し膜透水量が低下する。また、中空糸膜の外側に海水を流す場合には、中空糸膜間や膜面に汚染物質が付着、堆積し、経時的な透水量の低下が生じる。
本発明の中空糸型逆浸透膜エレメントは、スパイラル型の平膜と比べてエレメントあたりの膜面積を多くとることができ、中空糸膜の大きさにもよるが、ほぼ同サイズのエレメントの場合、スパイラル型のおよそ10倍の膜面積を得ることができる。従って、中空糸膜は、同じ透水量を得る際に単位膜面積あたりの処理量が極めて少なくて良く、スパイラル型に比べて供給水が膜を透水する際に生じる膜面の汚れを減少でき、膜の洗浄までの運転時間を長くとることができる。さらに、エレメント内の偏流が生じにくいため、偏流による濃度差の影響を受ける水処理を行う場合は好適である(図2)。
本発明の中空糸膜の素材は、通常の逆浸透膜相当レベルの高い分離性能を発現できる限り、特に限定されず、例えば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、スルホン化ポリスルホン系等の樹脂が使用可能である。この中では、酢酸セルロース系樹脂、スルホン化ポリスルホンやスルホン化ポリエーテルスルホンなどのスルホン化ポリスルホン系樹脂が、殺菌剤である塩素に対する耐性があり、微生物の増殖を容易に抑制することができる点で好ましい。特に、膜面での微生物汚染を効果的に抑制できる特徴がある。酢酸セルロースの中では、耐久性の点で三酢酸セルロースが好ましい。
本発明の中空糸膜の外径は、好ましくは130〜270μmである。外径が前記範囲より小さいと、必然的に内径も小さくなるため、後述する内径と同じ問題が生じうる。一方、外径が前記範囲より大きいと、モジュールにおける単位容積あたりの膜面積を大きくすることができなくなり、中空糸型逆浸透膜モジュールのメリットの一つであるコンパクト性が損なわれる。
本発明の中空糸膜の中空率は、好ましくは13〜35%である。中空率が前記範囲より小さいと、中空部の流動圧損が大きくなり、所望の透水量が得られない可能性がある。また、中空率が前記範囲より大きいと、通常の逆浸透処理での使用の場合でも十分な耐圧性を確保できない可能性がある。
なお、中空率(%)は下記式により求めることができる。
中空率(%)=(内径/外径)×100
本発明の中空糸膜の内径は、前記好ましい外径に対して前記中空率を充足する範囲であればよく、好ましくは45〜130μmである。内径が前記範囲より小さいと、中空部を流れる流体の圧力損失が一般に大きくなり、エネルギーロスの原因となりうる。一方、内径が前記範囲より大きいと、中空率とモジュール膜面積のトレードオフの関係となり、使用圧力における耐久性または単位容積あたりの膜面積のいずれかを犠牲にする必要が生じうる。
本発明の中空糸型逆浸透膜エレメントは、中空糸膜巻上げ体の両端部を樹脂で封止した後、樹脂の一部を切断し中空糸膜の両端部を開口させたものであり、中空糸膜巻上げ体は、多孔分配管の周りに中空糸膜または中空糸膜の束を螺旋状に巻上げることによって、中空糸膜が巻上げ体の半径方向に積層されることにより形成される。その場合に、中空糸膜は交差状に配置される。図3に、中空糸膜が交差状に配置された本発明の中空糸型逆浸透膜エレメントの一例の概略図を示す。交差配置を取ることにより、中空糸膜の交差部に空隙が規則的に形成される。この規則的な空隙が存在するため、中空糸膜の外側を流れる流体中の非溶解成分や粒子成分等が、中空糸膜間に捕捉されることが少なく、中空糸膜の外側を流れる流体の圧力損失の増大が生じにくい。一方、中空糸膜同士が平行に配置されている場合は、最密充填でない限り中空糸膜間隙にばらつきが生じやすく、流体中の非溶解成分や粒子成分等が中空糸膜間に捕捉され、圧力損失が増大したり、偏流を生じる原因となる。従って、中空糸膜を交差状に配置することで、中空糸膜の外側を流れる流体の非溶解成分からなる汚染物質の許容量が平行配置の場合に比べ大きくなり、結果的に中空糸型逆浸透膜エレメントの耐汚染性が向上することになる。なお、この交差配置の形成は中空糸膜が細く強度が十分ない場合は、中空糸膜束単位で形成しても、同様の効果が得られる。
多孔分配管は、供給液を中空糸膜の外側に供給する場合、供給流体入口から供給される供給液を中空糸膜全体に分配させる機能を有する管状部材である。多孔分配管は、中空糸膜巻上げ体の好ましくは中心部に位置させる。多孔分配管の径が大きすぎると、モジュール内の中空糸膜が占める領域が減少し、結果としてエレメントまたはモジュールの膜面積が減少するため容積あたりの透水量が低下することがある。また、多孔分配管の径が小さすぎると、供給液が多孔分配管内を流動する際に圧力損失が大きくなり、結果として中空糸膜にかかる有効差圧が小さくなり処理効率が低下することがある。また、強度が低下して、供給液が中空糸膜間を流れる際に受ける中空糸膜の張力により多孔分配管が破損する場合がある。これらの影響を総合的に考慮し、最適な径を設定することが重要である。中空糸型逆浸透膜エレメントの断面積に対して多孔分配管の断面積の占める面積割合は、4〜20%が好ましい。
エレメントの外径は、好ましくは260〜420mmである。外径が大きすぎると、膜交換作業等の維持管理での操作性が悪くなりうる。外径が小さすぎると、単位膜エレメント当りの膜面積が減少し、処理量が小さくなり、経済性の点で好ましくない。
エレメントの長さは、好ましくは1.0〜1.6mである。この長さが長すぎると、中空糸膜の中空部の流動圧損が大きくなり逆浸透性能が低下しうる。短すぎると、単位エレメント当りの膜面積が減少し、処理量が小さくなり、経済性の点で好ましくない。
中空糸膜巻上げ体における中空糸膜の充填率は、好ましくは40〜65%である。充填率が大きすぎると、中空糸膜間の隙間が小さくなりすぎて交差配置の効果が発現しにくい。また、充填率が小さすぎると、中空糸膜本数が少なくなり、膜面積が小さくなるため、処理量が小さくなり、経済性の面で好ましくない。この充填率は、中空糸膜巻上げ体の中心軸と垂直の断面において、巻上げ体の断面積に対する中空糸膜の外径が占める総面積の割合であり、次式で計算されることができる。
充填率(%)=中空糸膜の外径(m)×π/4×中空糸膜本数/巻上げ体の断面積(m)×100
本発明の中空糸型逆浸透膜エレメントは、交差状に配置された中空糸膜のエレメント長あたりのワインド数が前記中空糸膜巻上げ体の最外層から巻上げ体の厚みの少なくとも1/8の部分(外層部)を0.33〜1.75で、最内層から巻上げ体の厚みの少なくとも1/4の部分(内層部)において、エレメント長あたりのワインド数を1.75超とすることを最大の特徴とする。外層部のワインド数はより好ましくは0.5〜1.5である。ここで、ワインド数とは、前述の交差配置を形成する場合の中空糸膜巻上げ体の一端から他端まで移動する間に巻上げられる回数を言う。ワインド数が大きいほど中空糸膜の交差部の数が増加する。例えば、ワインド数が1.0の場合は、交差部の軸方向位置が捲き上げ体の中央部となる。また、ワインド数が1.5の場合は、交差部が軸方向に2ケ所となり、ワインド数が2.0の場合は、交差部が軸方向に3ケ所となる(図4)。
なお、中空糸膜巻上げ体の最内層とは、多孔分配管を除いた中空糸膜層の最内層を指し、巻上げ体の厚みとは、最外層から最内層までの厚みを指す。
また、ワインド数を小さくする巻上げ体の範囲は、中空糸膜長が長い外層であるほど効果があるが、最外層から巻上げ体の厚みの少なくとも1/8の部分とする。例えば、エレメント径が260mm程度の場合には、最外層から巻上げ体の厚みの少なくとも1/8程度の部分についてワインド数を小さくすればよい。しかし、外径が420mmのような比較的大口径のエレメントの場合には、最外層から巻上げ体の厚みの1/4とか、1/3とか、最大3/4程度の部分のワインド数を小さくするのが好ましい。また、最外層から巻上げ体の厚みの1/4までの部分は、ワインド数を0.33〜0.75とし、1/4を超えて1/2までの部分は、ワインド数を0.75〜1.25とし、さらに1/2を超えて3/4までの部分は、ワインド数を1.25〜1.75とするような、巻上げ体の外側にいくに従い段階的にワインド数を小さくする態様も本発明の範囲内である。なお、エレメント径が小さい場合に、本発明を適用しても大きな問題は無いが、エレメント径が260mm以上の場合に本発明の効果が顕著に現れるため好ましい。ワインド数を小さくする部分を最外層から巻上げ体の厚みの1/8未満とすると、効果が得られる範囲が狭く全体的な効果が小さい。一方、ワインド数を小さくする部分を最外層から巻上げ体の厚みの3/4を超えるような中空糸膜長が短い内層部まで広げると、圧損の低減効果が小さく、耐汚染性が低下する可能性がある。したがって、最内層から巻上げ体の厚みの1/4以下の部分のワインド数は1.75超とすることが好ましい。
本発明の大口径の中空糸型逆浸透膜エレメントにおいて、ワインド数が2である従来径の中空糸型逆浸透膜エレメントの交差配置をそのまま採用すると、高い耐汚染性を得ることはできるが、中空部を流れる流体の流動圧損が大きすぎるため、十分な透水量を確保できない。これは、中空糸型逆浸透膜エレメントの外層部ほど中空糸膜長が長いためその影響が大きい。従って、外層部のワインド数は、流動圧損の影響を大きく受けないように上で規定される本発明の範囲の上限以下に低くすることが必要である。一方、ワインド数を小さくすると、従来径の逆浸透膜では、耐汚染性が著しく低下してしまうが、大口径の逆浸透膜エレメントではワインド数の減少による耐汚染性の低下が従来径の逆浸透膜エレメントに比べて小さい。これは、従来径のエレメントと大口径のエレメントの外層部の中空糸膜の膜透過水の流束の差異によるものである。具体的には、従来径のエレメントの中空糸膜長より、大口径のエレメントの外層部の中空糸膜は大幅に長いため、また、濃縮海水濃度も高くなるため、膜透過流束は小さく、汚染物質が膜表面に堆積し難い特徴を有するからである。但し、ワインド数をあまり小さくしすぎると、大口径のエレメントであっても耐汚染性が低下するので、上で規定される本発明の範囲の下限以上のワインド数にすることが必要である。
本発明の中空糸膜は、例えば、特許3591618号公報に記載されているように、三酢酸セルロース、エチレングリコール(EG)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を含む製膜溶液を3分割ノズルより吐出し、空中走行部を経て、水/EG/NMPを含む凝固液中に浸漬させて中空糸膜を得、次いで中空糸膜を水洗した後、熱処理することにより酢酸セルロース系中空糸膜を製造することができる。また、テレフタル酸ジクロリド及び4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ピペラジンより低温溶液重合法で得た共重合ポリアミドを精製した後、CaCl及びジグリセリンを含むジメチルアセトアミド溶液に溶解して製膜溶液とし、この溶液を3分割ノズルより空中走行部を経て凝固液中に吐出させ、得られた中空糸膜を水洗した後、熱処理することによりポリアミド系中空糸膜を製造することができる。
上記のようにして得られた中空糸膜は、従来公知の方法により中空糸型逆浸透膜エレメントに組み込まれる。中空糸膜の組み込みは、例えば、特許4412486号公報、特許4277147号公報、特許3591618号公報、特許3008886号公報などに記載されているように、中空糸膜を45〜90本集めて1つの中空糸膜束とし、さらにこの中空糸膜束を複数横に並べて偏平な中空糸膜集合体として、多数の孔を有する多孔分配管にトラバースさせながら巻き付ける。この時の多孔分配管の長さ及び回転速度、中空糸膜束または集合体のトラバース速度を調節することによって、巻上げ体の特定位置の周面上に交差部が形成されるように巻上げる。次に、この巻上げ体の両端部を接着した後、両側を切削して中空糸膜開口部を形成させ中空糸膜エレメントを作製する。
上述のようにして作製された本発明の大口径の中空糸型逆浸透膜エレメントは、1本以上を容器、特に運転圧力に耐える耐圧性を有する圧力容器に装填することにより、大口径の中空糸型逆浸透膜モジュールとすることができる。
このようにして作製されたこの大口径の中空糸型逆浸透膜モジュールにより、大型プラントにおいても、少ないモジュール本数で従来径と同等以上の透水量を得ることができるだけでなく、配管ヘッダも少ないものとなるためコスト面でも有利である。
本発明のエレメントおよびモジュールを用いて、性能評価した結果の一部をまとめたのが図5である。例えば、外層から内層に至るまでワインド数を2とした従来タイプのエレメントを用いた比較例1では、容積あたりの透水量が0.19L/min/Lであるのに対して、外層から中空糸膜巻上げ体の厚みの1/8までの部分のワインド数を1.75とした実施例2では、容積あたりの透水量が0.21L/min/Lとなり、比較例1に対して10%超の性能向上を達成していることがわかる。これは、実プラントにおいて従来は、比較例1のモジュールが100本必要だったところ、実施例2のモジュールであれば90本以下で済む計算になり、格別顕著な作用効果があると言える。
なお、図5に示されるように、透水量が大きくなるに従い、差圧上昇率も大きくなる。これは、膜面に被処理水中の汚濁成分が付着ないし堆積していることを示し、逆洗作業の頻度を高める必要性を示唆している。ここで、従来タイプのエレメントおよびモジュールを実プラントで稼動してきた実績からみて、差圧上昇率が10以下であれば、同等以上に使用できると言える。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例で測定された特性値の測定は、以下の方法に従った。
(1)内径、外径、中空率の測定
中空糸膜の内径、外径は、中空糸膜をスライドグラスの中央に開けられたφ3mmの穴に中空糸膜が抜け落ちない程度に適当本数通し、スライドグラスの上下面に沿ってカミソリにより中空糸膜をカットし、中空糸膜断面サンプルを得た後、投影機Nikon PROFILE PROJECTOR V−12を用いて中空糸膜断面の短径、長径を測定することにより得られる。中空糸膜断面1個につき2方向の短径、長径を測定し、それぞれの算術平均値を中空糸膜断面1個の内径および外径とした。5つの断面について同様に測定を行い、平均値を内径、外径とした。
中空率は(内径/外径)×100で算出した。
(2)エレメント長の測定
中空糸膜巻上げ体の両端部を樹脂で封止した後、樹脂の一部を切断し中空糸膜の両端部を開口させた中空糸型逆浸透膜エレメントの一方の開口端部から他方の開口端部までの中心軸と平行な直線距離を測定して求めた。
(3)エレメント径の測定
中空糸型逆浸透膜エレメントの樹脂で封止して形成された開口端部の直径を測定した。
(4)エレメントあたりの膜面積の測定
膜面積は、中空糸膜の外径、中空糸型逆浸透膜エレメントに存在する中空糸膜の本数、中空糸膜の平均有効長から求めた。
膜面積(m)=π×中空糸膜外径(m)×中空糸膜本数×中空糸膜の平均有効長(m)
なお、中空糸膜の平均有効長は、以下のように算出した。
エレメントの端部の樹脂の内側同士の距離、すなわち見かけの中空糸膜の有効長(LE)、エレメント胴部の外径(DO)、多孔分配管の外径(DI)を測定し、これらの測定値をワインド数(WD)とともに下記の式に代入することにより、平均有効長を算出することができる。
LO2=(LE)+(π×DO×WD)
LI2=(LE)+(π×DI×WD)
平均有効長=((LO2)0.5+(LI2)0.5)/2
(5)エレメント容積の測定
前述のエレメント径とエレメント長より下記式により求めた。
エレメント容積(m)=π×エレメント径(m)/4×エレメント長(m)
(6)ワインド数の測定
ワインド数は、巻上げ体の中空糸膜の一方の端部から他方の端部に渡るまでの中心軸に対する巻付いている回数(回転回数)から求めた。
(7)充填率の測定
中空糸膜巻上げ体に存在する中空糸膜総容積(中空糸膜外径基準)を中空糸膜巻上げ体の容積で割って求めた。
充填率(%)=π×(中空糸膜の外径)/4(m)×中空糸膜の総全長(m)/中空糸膜巻上げ体容積(m)×100%
なお、中空糸膜巻上げ体容積=π×(DO)×(LE)
中空糸膜の総延長=平均有効長×中空糸膜本数
(8)透水量の測定
中空糸膜エレメント1本を圧力容器に装填して中空糸膜モジュールを作製し、塩化ナトリウム濃度35g/Lの高濃度水溶液を中空糸膜の外側に連通する多孔分配管に供給ポンプで供給し、中空糸膜の外側を通過させた後、圧力容器の側面に配置するノズルから流出させ、流量調整バルブで、圧力と流量を測定しながら下記の条件に調整する。
すなわち、高濃度水溶液の供給圧力をPF(MPa)、淡水の流出圧力をPP(kPa)を設定し、高濃度水溶液の排出水量をQB(L/min)、淡水の透過流量をQP(L/min)を調整する。下記条件を満足する場合のQPをモジュールの透水量と求める。温度は25℃に調整した。さらに、エレメント容積あたりの透水量は、下式のようにQPをエレメント容積で割って算出する。
PF=5.4MPa
PP=10kPa以下
QP/(QP+QB)=0.3
エレメント容積あたりの透水量(L/min/L)
=QP(L/min)/エレメント容積(m)×1000
(9)耐汚染性の測定
高濃度水溶液の代わりに耐汚染性測定用の高汚染模擬海水を用いた以外は上記の透水量の測定と同様の運転条件で連続運転を実施し、高濃度水溶液の供給圧力(PF)と出口圧力(PB)との差圧(PF−PB)の推移等を測定し、100時間後の差圧と高濃度水溶液の場合の差圧との比を差圧上昇率として、中空糸型逆浸透膜エレメントの汚染状況を測定した。なお、この高汚染模擬海水の組成は、逆浸透膜処理水に塩化ナトリウム濃度35g/L、アルギン酸ナトリウム0.8g/L、コロイダルシリカ(PL−7)90mg−SiO/L、塩化第二鉄六水和物10mg/Lからなる。
(実施例1)
三酢酸セルロース(CTA、ダイセル化学工業社、LT35)41重量%、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、三菱化学社)41.1重量%、エチレングリコール(EG、三菱化学社)17.6重量%、安息香酸(ナカライテスク社)0.3重量%を180℃で均一に溶解して製膜原液を得た。得られた製膜原液を減圧下で脱泡した後、アーク型(三分割)ノズルより163℃で外気と遮断された空間中に吐出し、空間時間0.03秒を経て、NMP/EG/水=25/10/65からなる14℃の凝固浴に浸漬した。引続き、多段傾斜桶水洗方式で中空糸膜の洗浄を行い、湿潤状態のまま振り落した。得られた中空糸膜を98℃の水に浸漬し、20分間熱水処理を行った。
得られた中空糸膜は、内径が53μm、外径が137μmであった。
得られた中空糸膜を多孔分配管の周りに交差状に配置させ、中空糸膜巻き上げ体を形成させた。多孔分配管をその軸を中心に回転させながら中空糸膜集合体をトラバースさせ、多孔分配管の周りに捲きつけることにより中空糸膜を交差状に配置させた。この中空糸膜巻上げ体の両端部をエポキシ樹脂でポッティングさせて固定させた後、樹脂部の両端部を切断して中空糸膜の中空部を開口させて中空糸型逆浸透膜エレメントを作製した。
得られた中空糸型逆浸透膜エレメントのワインド数は、外層部(最外層から巻上げ体の厚みの1/8までの範囲)は0.33であり、それ以外の部分(内層部)では2.0であり、長さ約100cm、外径400mm、中空糸膜の充填率55%、膜面積は1500mであった。この中空糸型逆浸透膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸型逆浸透膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、外層部のワインド数を1.75に変更した以外は、実施例1と同様にして中空糸型逆浸透膜エレメントを作成した。この中空糸型逆浸透膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸型逆浸透膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、外層部(最外層から巻上げ体の厚みの3/4までの範囲)のワインド数を0.33、それ以外の部分(内層部)のワインド数を2.0に変更した以外は、実施例1と同様にして中空糸型逆浸透膜エレメントを作成した。この中空糸型逆浸透膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、外層部(最外層から巻上げ体の厚みの3/4までの範囲)のワインド数を1.75、それ以外の部分(内層部)のワインド数を2.0に変更した以外は、実施例1と同様にして中空糸型逆浸透膜エレメントを作成した。この中空糸型逆浸透膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(実施例5)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、エレメントの外径を260mmに変更した以外は、実施例3と同様にして中空糸型逆浸透膜エレメントを作成した。この中空糸型逆浸透膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(実施例6)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、エレメントの外径を260mmに変更した以外は、実施例2と同様にして中空糸型逆浸透膜エレメントを作成した。この中空糸型逆浸透膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(実施例7)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、エレメントの外径を400mm、外層部(最外層から巻上げ体の厚みの1/3までの範囲)のワインド数を0.5、前記外層部に続き最外層から巻上げ体の厚みの2/3までの範囲のワインド数を1.0、それ以外の部分(内層部)のワインド数を2.0に変更した以外は、実施例1と同様にして中空糸型逆浸透膜エレメントを作成した。この中空糸型逆浸透膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。エレメント容積あたりの透水量は0.31L/min/L、差圧上昇率は5.7であった。
(比較例1)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、エレメントの外径を400mmでエレメントの最外層から最内層に至る全ての部分のワインド数を2に変更した以外は、実施例1と同様にして中空糸型逆浸透膜エレメントを作成した。この中空糸型逆浸透膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、エレメントの外径を240mmに変更した以外は、実施例6と同様にして中空糸型逆浸透膜エレメントを作成した。この中空糸型逆浸透膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(比較例3)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、外層部(最外層から巻上げ体の厚みの1/10までの範囲)のワインド数を1.75、それ以外の部分(内層部)のワインド数を2.0に変更した以外は、実施例6と同様にして中空糸型逆浸透膜エレメントを作成した。この中空糸型逆浸透膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(比較例4)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、最外層から最内層に至る全ての部分のワインド数を2.0に変更した以外は、実施例6と同様にして中空糸型逆浸透膜エレメントを作成した。この中空糸型逆浸透膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(比較例5)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、外層部(最外層から巻上げ体の厚みの4/5までの範囲)のワインド数を0.33、それ以外の部分(内層部)のワインド数を2.0に変更した以外は、実施例1と同様にして中空糸型逆浸透膜エレメントを作成した。この中空糸型逆浸透膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
(比較例6)
実施例1と同様の中空糸膜を用いて、外層部(最外層から巻上げ体の厚みの3/4までの範囲)のワインド数を0.25、それ以外の部分(内層部)のワインド数を2.0に変更した以外は、実施例1と同様にして中空糸型逆浸透膜エレメントを作成した。この中空糸型逆浸透膜エレメントを圧力容器に装填してモジュールとして各種試験を行なった。その結果を中空糸膜とエレメントの詳細とともに表1に示す。
Figure 0006565688
表1から明らかなように、実施例1〜7の中空糸型逆浸透膜エレメントはいずれも、高い透水量(容積あたりの高い膜透水量)と耐汚染性(低いモジュール差圧上昇率)を両立している。一方、比較例1は、耐汚染性は良好であったが、外層部のワインド数が大きく中空糸膜の平均有効長が長いため、透水量が低い結果となった。比較例2は、耐汚染性は良好であったが、エレメントの外径が十分大きくないため、ワインド数を小さくした効果が小さく、基準となる比較例1に対して透水量の増大が10%以下であった。比較例3は、耐汚染性は良好であったが、ワインド数を小さくした部分が少ないため、効果が十分発揮されなかった。比較例4は、最外層から最内層までワインド数を2としたため、本発明の効果が発揮されていない。比較例5は、低ワインド数とした部分を大きく取りすぎたため、透水量は高くなったが、耐汚染性が低く実用的に問題がある。比較例6は、外層部のワインド数を小さくしすぎたため、透水量の割りに耐汚染性が低い問題が生じた。
本発明の大口径の中空糸型逆浸透膜エレメントは、膜の透水性能が高く、しかも耐汚染性に優れる構造に設計されているので、大型海水淡水化プラントの分野において極めて有用である。

Claims (3)

  1. 多孔分配管の周りに中空糸膜を螺旋状に巻回することにより中空糸膜を交差状に配置した中空糸膜巻上げ体の両端部を開口させた両端開口型の中空糸型逆浸透膜エレメントであって、
    a)前記エレメントの外径が260mm以上であり、
    b)前記中空糸膜巻上げ体の最外層から巻上げ体の厚みの少なくとも1/8までの範囲において、エレメント長あたりのワインド数を0.33〜1.75とし、
    c)前記中空糸膜巻上げ体の最内層から巻上げ体の厚みの少なくとも1/4までの範囲において、エレメント長あたりのワインド数を1.75超としたことを特徴とする中空糸型逆浸透膜エレメント。
  2. 前記エレメントの外径が260〜420mm、長さが1.0〜1.6mであることを特徴とする請求項1に記載の中空糸型逆浸透膜エレメント。
  3. 請求項1または2に記載の中空糸型逆浸透膜エレメント1本以上を容器に装填したことを特徴とする中空糸型逆浸透膜モジュール。
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