JP6921639B2 - 吐出キャップ - Google Patents
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Description
すなわち、たしかに特許文献1のようなスクイズ容器でも、ある程度は液状内容物の残留に伴う液ダレや該液状内容物の固化に伴う注出栓の閉塞、弁体の作動不良等を回避し得る点では有効である。
このように特許文献1を含む従来技術は、液状内容物の少量注出における液ダレの課題と、多量注出における液飛散の課題とを同時に解決できるものではなかった。
また本実施形態においては、説明の便宜上、吐出キャップ100に嵌合する容器200は容器口部201周辺のみを図示しているが、容器200の他の構造は公知の構造を適用してもよい。
同図のとおり、吐出キャップ100は、容器口部201に嵌合されるとともに、当該容器内部に収容された液状内容物Pを傾けながらスクイズして押し出す方式の吐出キャップである。なお、液状内容物Pとしては、特に限定はないが、水より粘度の高い醤油やポン酢あるいは麺つゆなどの液体調味料が好適である。
なお、弁体132は、本実施形態では後述する逆止弁が例示されるが、弁体132としては、例えばスリット弁など他の公知の弁構造を適用してもよい。
そして係合壁部114の下端部には内方に突出する突条114aが形成され、係合壁部114の内周面であって吐出時に傾斜した際の吐出方向側には、下方に開放した溝部114bが3箇所設けられている(図3なども参照)。
中栓131は、図3(b)に示すとおり、中央に容器200の内部と連通する供給孔135を有する円環状の底部133と、この底部133の外縁部から上方に延出する複数の係合柱部136と、この底部133の内縁側から下方に延出する円環状の筒部137とを有している。また、底部133の上面から筒部137の内面との弧状接続領域には、後述する弁部138の弁シール面138aと当接する弁座134が形成されている。
なお、本実施形態では、上蓋120はヒンジ部139を介してキャップ本体110とヒンジ接続される例を示したが、この形態に限定されず例えば上蓋120に螺子が形成されて閉栓時にキャップ本体110と螺合するなど他の形態であってもよい。
次に本実施形態の吐出キャップ100による液状内容物Pの吐出動作について説明するが、この吐出動作は上記した特願2017−051534号を適宜参照してもよい。
ここで本実施形態の吐出態様は、比較的多量の液状内容物Pを吐出する形態と、比較的少量の液状内容物Pを吐出する形態とを有している。
同様に、本実施形態の吐出キャップ100による液状内容物Pの回収動作について説明する。
まず必要な量の液状内容物Pが吐出キャップ100を介して吐出された後は、容器200への押圧が解除され、これにより容器200内の液状内容物Pへの加圧も解除される。すると、液状内容物Pが弁体132の弁部138を押し上げる力もなくなるため、供給孔135は弁体132の弁部138によって閉塞される。このとき、弁室130内の液状内容物Pは、弁体132の閉塞までのわずかな時間に供給孔135から容器200内へ戻ることができるが、全量が戻ることはなく上記した閉塞の後にも弁室130内に液状内容物Pが残留する。
同図に示すとおり、本実施形態の吐出筒113は、本体天面111の下面111aと吐出筒113の上端113hとの中点(図4におけるH/2の高さ位置)以上の位置に設置される縮径部113dと、この縮径部113dよりも上方に位置する易注出部113bと、を備える。
このように、本実施形態でいう「漸次減少する」とは、連続的に径が縮小する例に留まらず、内側円筒面113iなどを経由して段階的に縮小する例も含むものとする。
ここで、吐出筒113の外周面113gの外径をD4、吐出口接続部113fの下端における内径をD3とした場合、本実施形態の吐出筒113は以下の少なくとも1つの関係を有していてもよい。
D1<D2、
D2<D3、
D4<D3、
D2<D4
なお、本実施形態では、D4<D3であるが、D3=D4でもよいし、D3<D4であってもよい。
これにより、スクイズ動作時に縮径部113dを通る液状内容物Pの注出速度が低下してしまうことが抑制される。
さらに、閉塞栓122の先端についても、閉蓋操作時に吐出筒113の縮径部113dに干渉しないよう、閉塞栓122の先端における径が鉛直シール面を閉塞する部分の径よりも小さく設定されていてもよい。
しかしながら本実施形態ではこの態様に限定されず、例えば上蓋120がキャップ本体100とヒンジ接続されない場合にはこの限りでなくともよく、例えば上記した高さHと高さhがほぼ同じ高さとなっていてもよい。
このとき、大径部113cのうち、易注出部113bの鉛直シール面113eから連続する内周面113b1は、傾斜面を含む内周面であることが好ましい。
なお、上記した構造の突出部113b2は本実施形態では必ずしも設ける必要はなく、例えば先端が径方向外方を指向する(且つ下方には指向しない)など液ダレを抑制可能な他の形態の突出部であってもよい。
本発明者らが鋭意検討した結果、スクイズ動作時に液状内容物Pが飛散するメカニズムは、例えば以下のごときものであると推定できた。
すなわち図6(a)に示すとおり、縮径部113dの設置高さが低い場合、スクイズ動作によって縮径部113dを通過して吐出された液状内容物Pが、易注出部113bの内周面113b1に衝突して飛散してしまう。
すなわち図6(b)に示すとおり、例えば鉛直シール面113eの軸方向の長さL1が、鉛直シール面113eの最下点113e2から本体天面111の下面111aまでの長さL2よりも長い場合、スクイズ動作によって縮径部113dを通る液状内容物Pが鉛直シール面113eとの接触により注出速度が低下する。このような場合、液状内容物Pは、液流が乱れ、注出筒113から外部へ注出した際に広がって飛散してしまう。
上記した実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、実施形態に適宜適用が可能な変形例について説明する。そして以下の各変形例において上記した実施形態と機能が共通する構成は、同じ参照番号を付して適宜その説明を省略する。
図7は、変形例に係る吐出筒113の構造を示す断面図である。
上記した実施形態では、吐出口接続部113fは、本体天面111の下面111aから鉛直シール面113eの最下点113e2にかけて、その内径が漸次減少する形態であった。
これに対して図7(a)では、内側円筒面113iが下方に延長されて、本体天面111の下面111aと垂直に接続されている形状となっている。
図8は、他の変形例に係る吐出筒113の断面図を示す。
上記した実施形態では、易注出部113bの内周面113b1は、鉛直シール面113e頂点113e1から吐出口113aにかけて曲面状の内周面となっていた。
しかしながら本発明は上記した実施形態に限定されず、例えば易注出部113bの内周面113b1は、その断面が2つの平面113b1sと113b1tとで構成される傾斜面となっていてもよい。
このように、上記実施形態で説明した「傾斜面を含む内周面」とは、当該変形例のごとき態様も含む概念である。
なお、図8(b)では、易注出部113bの上端外面に設けられていた突出部113b2が省略されている。このように突出部113b2は液飛散抑制の観点からは必須ではなく、液ダレが抑制できる限りにおいて適宜省略してもよい。
100 吐出キャップ
110 キャップ本体
111 本体天面
111a 下面
112 嵌合壁部
113 吐出筒
113a 吐出口
113b 易注出部
113c 易注出部
113d 縮径部
113e 鉛直シール面
113f 吐出口接続部
113g 外周面
113h 上端
114 係合壁部
114a 突条
114b 溝部
115 スカート壁
116 係合リブ
117 係合凸部
120 上蓋
121 上蓋天面
122 閉塞栓
130 弁室
131 中栓
132 弁体(逆止弁)
133 底部
134 弁座
135 供給口
136 係合柱部
137 筒部
138 弁部
139 ヒンジ部
140 基部
141 接続片
142 回収流路
200 容器
201 容器口部
202 係止突条
Claims (7)
- 容器口部に嵌合されるとともに、当該容器内部に収容された液状内容物を傾けながらスクイズして押し出す吐出キャップであって、
前記液状内容物が吐出される吐出口を具備する吐出筒と、
前記吐出筒が立設される本体天面と、
前記容器内部と前記吐出筒とを区画するとともに、前記スクイズの作用によって稼働する弁体が設けられた弁室と、を備えたキャップ本体と、
前記吐出口に挿入される閉塞栓を備えた上蓋と、を含み、
前記吐出筒は、
前記本体天面の下面と前記吐出筒の上端との中点以上の位置に設置される縮径部と、前記縮径部よりも上方に位置する易注出部と、を備えるとともに、
前記縮径部には、前記吐出筒の内径のうち最狭の径を有して前記閉塞栓と閉塞可能な鉛直シール面が形成されており、
前記易注出部には、前記鉛直シール面から連続する内周面であって、前記鉛直シール面の内径よりも大きな大径部が形成され、
前記大径部は、前記鉛直シール面から連続するとともに前記吐出筒の外周面側に窪んだ曲面となる前記鉛直シール面側の内周面と、前記鉛直シール面側の内周面と前記吐出筒の上端との間に設けられて内側に膨らむよう傾斜する前記吐出口側の内周面と、を有すること、
を特徴とする吐出キャップ。 - 前記本体天面の下面から前記鉛直シール面の最下点にかけて、前記吐出筒の内径は漸次減少する請求項1に記載の吐出キャップ。
- 前記易注出部の前記鉛直シール面から連続する内周面は、傾斜面を含む内周面である請求項1又は2に記載の吐出キャップ。
- 前記鉛直シール面の軸方向の長さは、前記鉛直シール面の最下点から前記本体天面の下面までの長さよりも短い請求項1〜3のいずれか一項に記載の吐出キャップ。
- 前記易注出部の上端外面には、先細形状を有するとともに、当該先端が径方向外方且つ下方を指向する突出部が形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の吐出キャップ。
- 前記上蓋は、前記キャップ本体の周縁部にヒンジ接続されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の吐出キャップ。
- 前記閉塞栓が干渉しないように、前記ヒンジ接続される側における前記吐出筒の高さは、前記ヒンジ接続される側とは反対の前記吐出筒の高さよりも低い請求項6に記載の吐出キャップ。
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