JP6921563B2 - 遷移金属化合物及びオレフィン系重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、特定の構造を有する遷移金属化合物、該遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物、及び有機アルミニウム化合物を接触させてなるオレフィン類重合用触媒が開示されている。また、特許文献2には、特定の構造を有する遷移金属化合物、及び有機ホウ素化合物を含有する重合用触媒が開示されている。
[1]下記一般式(I)〜(IV)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、周期律表第3〜10族またはランタノイド系列の遷移金属化合物。
(式中、Xはσ結合性またはπ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合には複数のXは同じでも異なっていてもよい。Yはルイス塩基を示しYが複数ある場合、複数のYは同一でも異なっていてもよい。また、Yは他のYやXと架橋していてもよい。qは1〜5の整数で[(Mの原子価)−2]を示し、rは0〜3の整数である。R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基、珪素含有基またはヘテロ原子含有基である。R3〜R10は、R4、R5、R8及びR9が置換もしくは無置換の炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基であり、かつR3、R6、R7及びR10が水素原子である組み合わせ、又はR4、R5、R8及びR9が水素原子であり、かつR3、R6、R7及びR10が置換もしくは無置換の炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基である組み合わせである。なお、R4とR5、及びR8とR9は、それぞれ互いに結合して炭素数5〜8の置換もしくは無置換の環状構造を形成してもよい。Mは周期律表第3〜10族またはランタノイド系列の金属元素である。R11〜R14は、置換もしくは無置換の炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基である。A1〜A4はそれぞれ独立に第14族(C、Si、Ge、Sn)からなる架橋基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。)
[2]前記一般式(IV)で表される化合物からなる、上記[1]に記載の遷移金属化合物。
[3]前記R4、R5、R8、及びR9が、それぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基である上記[1]又は[2]に記載の遷移金属化合物。
[4]前記R4、R5、R8、及びR9が、それぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜8の直鎖のアルキル基である請求項上記[1]〜[3]のいずれかに記載の遷移金属化合物。
[5]前記R4、R5、R8、及びR9が、それぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜4の直鎖のアルキル基である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の遷移金属化合物。
[6]前記R4、R5、R8、及びR9が、それぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜2のアルキル基である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の遷移金属化合物。
[7]前記R4、R5、R8、及びR9の少なくとも1つがメチル基である上記[1]〜[6]のいずれかに記載の遷移金属化合物。
[8]前記R4とR5、及び/又は前記R8とR9が同一の基である上記[1]〜[7]のいずれかに記載の遷移金属化合物。
[9]前記R4、R5、R8、及びR9がメチル基であり、前記R3、R6、R7、及びR10が水素原子である上記[1]〜[8]のいずれかに記載の遷移金属化合物。
[10]上記[1]〜[9]のいずれかに記載の遷移金属化合物を用いることを特徴とするオレフィン系重合体の製造方法。
[11]上記[1]〜[9]のいずれかに記載の遷移金属化合物、及び該遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうるホウ素化合物を含有する重合用触媒の存在下、オレフィン類を重合することを特徴とするオレフィン系重合体の製造方法。
本発明の遷移金属化合物は、下記一般式(I)〜(IV)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、周期律表第3〜10族またはランタノイド系列の遷移金属化合物である。当該遷移金属化合物は、後述するオレフィン系重合体の製造方法において特定の助触媒と組み合わせて用いることにより、触媒の活性を高く保ちつつ、より立体規則性の低いオレフィン系重合体を合成することができる。
(式中、EはC、Si、Ge、Snを示し、R15及びR16はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基でそれらは互いに同一でも異なっていてもよく、また互いに結合して環を形成していてもよい。eは1〜4の整数を示す。)
σ結合性の配位子としては、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアミド基、炭素数1〜20の珪素含有基、炭素数1〜20のホスフィド基、炭素数1〜20のスルフィド基、炭素数1〜20のスルホキシド基及び炭素数1〜20のアシル基などが挙げられる。なかでもハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、前記と同様である。
アミンとしては、炭素数1〜20のアミンが挙げられ、具体的には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン等のアルキルアミンや、ビニルアミン、プロペニルアミン、シクロヘキセニルアミン、ジビニルアミン、ジプロペニルアミン、ジシクロヘキセニルアミンなどのアルケニルアミン;フェニルエチルアミン、フェニルプロピルアミンなどのアリールアルキルアミン;フェニルアミン、ジフェニルアミン、ジナフチルアミンなどのアリールアミンが挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、オクチル基などのアルキル基や、フェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアリールアルキル基;トリル基、キシリル基などのアルキルアリール基などが挙げられる。
炭素数1〜20の炭化水素基が有することのある置換基としては、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
なお、活性と規則性制御の観点から、R3〜R10は、R4、R5、R8及びR9が置換もしくは無置換の炭素数1〜8の直鎖のアルキル基であることがより好ましい。
また、R4とR5、及びR8とR9は、それぞれ互いに結合して炭素数5〜8の置換もしくは無置換の環状構造を形成してもよい。
炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基が有することのある置換基としては、メチル基、エチル基、ブチル基等が挙げられる。
また、R4、R5、R8及びR9の少なくとも1つがメチル基であることが触媒活性を高める観点から好ましい。
本発明のオレフィン系重合体の製造方法は、前述の遷移金属化合物((A)成分)を用いることを特徴とする。特に、前述の遷移金属化合物((A)成分)、及び該遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうるホウ素化合物((B)成分)を含有する重合用触媒の存在下、オレフィン類を重合することを特徴とする。
本発明では、重合用触媒として、上記(A)成分と上記(B)成分とを組み合わせて用いることにより、触媒活性を好ましくは3000kgPP/gZr以上、より好ましくは5000kgPP/gZr以上、更に好ましくは6000kgPP/gZr以上とすることができる。
前述の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうるホウ素化合物としては、複数の基がホウ素に結合したアニオンとカチオンとからなる配位錯化合物を挙げることができる。
複数の基がホウ素に結合したアニオンとカチオンとからなる配位錯化合物としては様々なものがあるが、例えば、一般式(VI)又は(VII)で表される化合物を好ましく用いることができる。
([L1−H]s+)t([BZ1Z2Z3Z4]−)1・・・(VI)
([L2]s+)t([BZ1Z2Z3Z4]−)1・・・(VII)
〔式(VI)又は(VII)中、L2は後述のM1、R17R18M2又はR19 3Cであり、L1はルイス塩基、M1は周期律表の1族及び8族〜12族から選ばれる金属、M2は周期律表の8族〜10族から選ばれる金属、Z1〜Z4はそれぞれ水素原子、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、置換アルキル基、有機メタロイド基又はハロゲン原子を示す。
R17及びR18は、それぞれシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基、R19はアルキル基を示す。
sはL1−H、L2のイオン価数で1〜7の整数、tは1以上の整数、l=t×s)である。〕
Z1〜Z4の具体例としては、例えば、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基など、アルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基など、アリールオキシ基としてフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、ナフチルオキシ基など、炭素数1〜20のアルキル基としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基など、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基としてフェニル基、p−トリル基、ベンジル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基、4−ターシャリ−ブチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、1,2−ジメチルフェニル基など、ハロゲンとしてF、Cl、Br、I、有機メタロイド基としてテトラメチルアンチモン基、トリメチルシリル基、トリメチルゲルミル基、ジフェニルアルシン基、ジシクロヘキシルアンチモン基、ジフェニル硼素基などが挙げられる。
R17及びR18のそれぞれで表される置換シクロペンタジエニル基の具体例としては、メチルシクロペンタジエニル基、ブチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基などが挙げられる。
また、金属カチオンとしては、Cp2Fe+、(MeCp)2Fe+、(tBuCp)2Fe+、(Me2Cp)2Fe+、(Me3Cp)2Fe+、(Me4Cp)2Fe+、(Me5Cp)2Fe+、Ag+、Na+、Li+などが挙げられ、又、その他カチオンとしては、ピリジニウム、2,4−ジニトロ−N,N−ジエチルアニリニウム、ジフェニルアンモニウム、p−ニトロアニリニウム、2,5−ジクロロアニリニウム、p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリニウム、キノリニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウムなどの窒素含有化合物、トリフェニルカルベニウム、トリ(4−メチルフェニル)カルベニウム、トリ(4−メトキシフェニル)カルベニウムなどのカルベニウム化合物、CH3PH3 +、C2H5PH3 +、C3H7PH3 +、(CH3)2PH2 +、(C2H5)2PH2 +、(C3H7)2PH2 +、(CH3)3PH+、(C2H5)3PH+、(C3H7)3PH+、(CF3)3PH+、(CH3)4P+、(C2H5)4P+、(C3H7)4P+などのアルキルフォスフォニウムイオン、及びC6H5PH3 +、(C6H5)2PH2 +、(C6H5)3PH+、(C6H5)4P+、(C2H5)2(C6H5)PH+、(CH3)(C6H5)PH2 +、(CH3)2(C6H5)PH+、(C2H5)2(C6H5)2P+などのアリールフォスフォニウムイオンなどが挙げられる。
本発明においては、上記金属カチオンとアニオンの任意の組み合わせによる配位錯化合物が挙げられる。
一般式(VI)の化合物としては、例えば、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム、ヘキサフルオロ砒素酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピロリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸N,N−ジメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウムなどが挙げられる。
一方、一般式(VII)の化合物としては、例えば、テトラフェニル硼酸フェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸アセチルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ホルミルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸シアノフェロセニウム、テトラフェニル硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラフェニル硼酸トリチル、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル、テトラフルオロ硼酸銀などが挙げられる。
好ましい配位錯化合物としては、非配位性アニオンと置換トリアリールカルベニウムとからなるものであって、該非配位性アニオンとしては、例えば、一般式(VIII)
(BZ1Z2Z3Z4)− ・・・(VIII)
[式中、Z1〜Z4はそれぞれ水素原子、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基(ハロゲン置換アリール基を含む)、アルキルアリール基、アリールアルキル基、置換アルキル基及び有機メタロイド基又はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物を挙げることができる。
〔CR20R21R22〕+・・・(IX)
で表わされる化合物を挙げることができる。
一般式(IX)におけるR20、R21及びR22は、それぞれフェニル基、置換フェニル基、ナフチル基及びアントラセニル基などのアリール基であって、それらは互いに同一であっても、異なっていてもよいが、その中の少なくとも一つは、置換フェニル基、ナフチル基又はアントラセニル基である。
C6H5−kR23 k・・・(X)
で表わすことができる。
一般式(X)におけるR23は、炭素数1〜10のヒドロカルビル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、チオアルコキシ基、チオアリーロキシ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基及びハロゲン原子を示し、kは1〜5の整数である。
kが2以上の場合、複数のR23は同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記(A)成分/(B)成分の使用割合(モル比)は、好ましくは1/100〜1/1、より好ましくは1/10〜1/1である。
これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、重合に用いるα−オレフィン等の単量体を溶媒として用いてもよい。
また、上述した他のオレフィン類についても、上記オレフィン類の中から適宜選定すればよい。
重合圧力は、常圧〜20MPa(gauge)が好ましく、常圧〜10MPa(gauge)がより好ましい。
重合時間は、5分〜15時間が好ましい。
なお、メソペンタッド分率[mmmm]及び極限粘度[η]は、実施例に記載の方法により測定することができる。
下記実施例及び比較例における各測定値は、下記の方法を用いて測定した。なお、結果を表1−1及び表1−2に示す。
〔極限粘度 [η]〕
株式会社離合社製VMR−053型自動粘度計を用い、デカリン溶媒中135℃において測定した。
以下に示す装置および条件で、13C−NMRスペクトルの測定を行った。なお、ピークの帰属は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,8,687(1975)」で提案された方法に従った。
装置:日本電子(株)製、「JNM−EX400型13C−NMR装置」
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/mL
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
<プロピレン系重合体>
2,1−結合分率=[(A+B)/2]/(A+B+C+D)×100(モル%)
3,1−結合分率=(D/2)/(A+B+C+D)×100(モル%)
A:15〜15.5ppmの積分値
B:17〜18ppmの積分値
C:19.5〜22.5ppmの積分値
D:27.6〜27.8ppmの積分値
2−ブロモ−4,7−ジメチルインデンは文献(Organometallics 2000, 19, 5464-5470)に従って合成した。
300mL二口フラスコにマグネシウム片1.70g(69.8mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)20mLを投入し、次いで、1,2−ジブロモエタン0.2mLを滴下し、5分間撹拌した。ここにTHF60mLに溶解させた2−ブロモ−4,7−ジメチルインデン7.4g(33.2mmol)を滴下した。反応混合物を室温(25℃)で終夜撹拌した後、溶媒を留去し、ヘキサン500mLを用いて2回抽出する事でジメチルビス(4,7−ジメチルインデン−2−イル)シランを黄白色固体として得た(10.8g,31.2mmol,収率94%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.51(6H,−Si(CH3)2),2.35,2.47(6H,−CH3),3.39(4H,−CH2−),7.32(2H,−CH=),6.94,7.03(4H,−ArH)であった。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ−0.64(6H,−Si(CH3)2),−0.76(6H,−Si(CH3)2),2.52,2.47(12H,−CH3),3.83(2H,−CH−),6.96,6.99(4H,−ArH),7.42(2H,−CH=)であった。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.92,1.07(6H,−Si(CH3)2),2.27,2.52(6H,−CH3),7.19(2H,−CH=),6.87,6.99(4H,−ArH)であった。
(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4,7−ジメチルインデン)4.0g(10.1mmol)にジエチルエーテル80mLを加え、氷浴で冷却し、次いで、n−ブチルリチウム(2.65M,8.0mL,21.2mmol)を滴下した。生成した黄白色沈殿を濾別し減圧乾燥後、この固体をTHF70mLに溶解させた。この溶液にヨウ化メチルトリメチルシラン3.0mL(20.2mmol)を滴下し室温(25℃)で4時間撹拌した。反応混合物から溶媒を留去後、該反応混合物にジエチルエーテル200mLを加えて抽出し、有機層を水50mLで洗浄した。有機層を乾燥後、溶媒を留去することで、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチル−4,7−ジメチルインデン)5.12gを白色固体として得た(収率88%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ−0.50(18H,−Si(CH3)3),0.55,0.63(12H,−Si(CH3)2−),2.43,2.64(12H,−CH3),3.75(2H,−CH−),6.89,7.03(4H,−ArH)であった。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ−0.16(18H,−Si(CH3)3),0.94,1.05(12H,Si−CH3),2.30,2.60(12H,−CH3),2.44,3.05(4H,−CH2−Si),6.76,6.93(4H,−ArH)であった。
(3−0)5,6−ジメチル−1−インダノンの合成
500mL三口フラスコに塩化アルミニウム150g(1125mol)とジクロロメタン450mLを入れ、次いで、o−キシレン60.3mL(500mmol)と3−クロロプロピオニルクロリド47.7mL(500mmol)の混合物を室温(25℃)で1時間かけて滴下した。反応混合物を室温(25℃)で3時間撹拌した後、該反応混合物を氷水500gと濃塩酸50mLの混合液に投入した。次いで、反応混合物をジクロロメタン500mLで抽出し、水、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去し、(3−クロロ−1−(3,4−ジメチルフェニル)−プロパン−1−オン(94.4g,480mmol)を得た(収率96%)。
三口フラスコに濃硫酸480mLをとり、室温(25℃)で3−クロロ−1−(3,4−ジメチルフェニル)−プロパン−1−オン(94.4g,480mmol)を滴下した。90℃で4時間撹拌した後、反応混合物を冷却し、次いで、氷水1000gに投入した。反応混合物をトルエン500mLで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、ブラインで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、濾過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた粗生成物をヘキサン2500mLに溶解、濾過し、4℃で結晶化することにより5,6−ジメチル−1−インダノン14.2gを得た(収率19%)。
5,6−ジメチル−1−インダノン25.0g(156.0mmol)を脱水メタノール200mLに溶解させ、ウォーターバスで35℃に温めた後、ここに水素化ホウ素ナトリウム5.9g(156.0mmol)を固体のまま少しずつ添加した。添加終了後、60℃で2時間撹拌し、室温(25℃)まで冷却した後5%塩酸350mLを加え加水分解した。次いで、反応混合物をジエチルエーテル500mLで抽出後、分液し有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに、溶媒を留去することにより、5,6−ジメチル−1−インダノールをベージュ色固体として24.66g得た(収率99%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ1.91,2.44,2.74,2.98(m,−CH2CH2−,4H);2.26(s,−CH3,6H);5.18(s,−CH−,1H),7.03,7.18(s,Ar−H,2H)であった。
得られた5,6−ジメチル−1−インダノール24.66gにトルエン225mLを加え、p−トルエンスルホン酸・ピリジニウム塩1.6gを加え、この混合物を2.5時間加熱還流し、放冷後、水洗し有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、トルエンを留去することで、5,6−ジメチルインデンを褐色オイルとして18.39g得た(収率81%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ2.30(s,−CH3,6H);3.33(s,−CH2−,2H),6.46,6.81(m,−CH=,2H),7.19,7.24(s,Ar−H,2H)であった。
5,6−ジメチルインデン37.02g(256.7mmol)にジメチルスルホキシド(DMSO)200mLと水9.4mLを加えた。この混合物にN−ブロモスクシンイミド45.8gを固体のまま少しずつ添加し、終夜撹拌した後、水200mLを加えジエチルエーテル500mLで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ジエチルエーテルを留去することで5,6−ジメチル−2−ブロモ−1−インダノールを褐色固体として56.04g(232.4mmol)得た(収率91%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ2.28(s,−CH3,6H);3.14,3.49(m,−CH2CH2−,4H),4.24(m,−CH(Br)−,1H);5.25(m,−CH−,1H),6.99,7.11(s,Ar−H,2H)であった。
得られた5,6−ジメチル−2−ブロモ−1−インダノール56.04g(232.4mmol)をトルエン600mLに溶解し、p−トルエンスルホン酸4.5gを加えて加熱還流し、次いで、3時間加熱後トルエンを減圧下で留去すると、黒褐色の固体が得られた。この固体をヘキサンから再結晶化することにより5,6−ジメチル−2−ブロモインデンを褐色粉末として24.89g得た(収率46%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ2.26(s,−CH3,6H);3.52(s,−CH2−,2H),6.83(s,−CH=,1H),7.07,7.13(s,Ar−H,2H)であった。
THF100mLに懸濁させたマグネシウム片5.3gを1,2−ジブロモエタン0.2mLで活性化した。ここに5,6−ジメチル−2−ブロモインデン24.89g(106.8mmol)のTHF100mL溶液をゆっくり添加し、室温(25℃)で2時間撹拌後、0℃でジクロロジメチルシラン6.4mL(53.4mmol)を加えた。さらに室温(25℃)で4時間撹拌後、減圧下でTHFを留去した。次いで、反応混合物を、ヘキサン150mLを用いて4回抽出し、溶媒を留去することにより、ジメチルビス(5,6−ジメチルインデン−2−イル)シランを白色固体として18.4g得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.44(s,Si―CH3,6H);2.32(s,−CH3,12H);3.41(m,−CH2−,4H);7.21,7.24,7.30(m,−CH=,Ar−H,6H)であった。
得られたジメチルビス(5,6−ジメチルインデン−2−イル)シラン18.4g(53.4mmol)にジエチルエーテル120mLを加え−20℃でn−ブチルリチウム(2.66M)のヘキサン溶液を42.2mL滴下し、次いで、室温(25℃)で2時間撹拌後静置した。上澄みを濾別し、沈殿部を減圧乾燥した。ここにTHF150mLを加えると黄褐色均一溶液となった。0℃でジクロロジメチルシラン6.4mL(53.4mmol)を加えて55℃で6時間加熱撹拌した。生成した白色沈殿を濾別し、減圧下で乾燥すると(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(5,6−ジメチルインデン)が15.6g得られた(収率73%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ−0.71,0.67(s,Si−CH3,12H);2.31(s,−CH3,12H);3.53(2,−CH−,2H);7.18,7.24,7.27(s,−CH=,Ar−H,6H)であった。
(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(5,6−ジメチルインデン)3.34g(8.3mmol)をジエチルエーテル50mLに懸濁させ、−78℃でn−ブチルリチウム(2.65M)6.6mLを滴下し、次いで、室温(25℃)まで上げ5時間撹拌後、生成した黄白色沈殿を濾別・乾燥し、THF50mLに溶解させた。−78℃でヨウ化メチルトリメチルシラン2.6mL(17.4mmol)を滴下し、室温(25℃)で4時間撹拌後、水50mLを加えて加水分解した。反応混合物をジエチルエーテル100mLで抽出し分液後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで、溶媒を留去すると薄黄色固体が4.71g得られた。この固体をジエチルエーテル50mLに溶解し、−78℃でn−ブチルリチウム(2.65M)6.5mLを滴下し、室温(25℃)で3時間撹拌後、生成した沈殿を濾別し、乾燥させた。この固体をトルエン30mLに懸濁し、トルエン15mLに懸濁させた四塩化ジルコニウム1.4g(6.0mmol)を−78℃で添加し、室温(25℃)で終夜撹拌すると黄色懸濁液となった。沈殿部を濾別後、ジクロロメタン60mLで抽出し、濾過し、溶媒を留去することにより黄色固体が2.25g得られた(収率40%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.11(s,Si(CH3)3,18H);0.88,0.96(s,Si(CH3)2,12H);2.15,2.53(d,−CH2−Si,4H);7.04,7.09(s,Ar−H,4H)であった。
3,5,6,7−テトラヒドロ−2H−s−インダセン−1−オンは文献(Synth. Commun. 2003,33, 2029-2043)に従って合成した。
1Lの三口フラスコに3,5,6,7−テトラヒドロ−2H−s−インダセン−1−オン52.56g(305mmol)を投入し、乾燥メタノール450mLを加えた。この混合物に、40℃で水素化ホウ素ナトリウム11.5g(305mmol)を1時間かけて添加した後、60℃に温め、2時間撹拌した。次いで、上記混合物を冷却し、5%希塩酸750mLでクエンチした後、ジエチルエーテル750mLで抽出した。有機層を分離し、水500mLで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去し、白色固体として1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−1−オール53.48g(307mmol)を得た。
次いで、ディーン・スターク装置を組み込んだ1L三口フラスコに、2−ブロモ−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−1−オール73.0g(288mmol)のトルエン懸濁溶液600mLを調製した。該懸濁溶液にp−トルエンスルホン酸4.0gを窒素下で加え、3時間加熱還流した。次いで、暗褐色の懸濁液をろ過し、ろ液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘプタン)で精製し、6−ブロモ−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン45.17g(192mmol)を得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.10(s,Si(CH3)3,18H);0.87,0.96(s,Si(CH3)2,12H);2.15,2.53(d,−CH2Si,4H);2.01,2.82,2.93(m,−CH2CH2CH2−,12H);7.08,7.15(s,Ar−H,4H)であった。
実施例3の(3−4)でヨウ化メチルトリメチルシランの代わりに臭化エチルを加えた以外は同様に合成したところ、黄色固体を得た(収率30%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.91,1.00(s,Si(CH3)2,12H);2.26,2.29(s,Ar−CH3,12H);1.08(t,−CH3,6H);2.60,2.99(m,−CH2−,4H);7.07,7.21(s,Ar−H,4H)であった。
実施例4でヨウ化メチルトリメチルシランのかわりに臭化エチルを用い、ヘキサンから結晶化することにより(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−エチル−6,7−ジヒドロ−5H−s−インダセニル)ジルコニウムジクロリドを得た(収率35%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ1.08(t,−CH2 CH 3 ,6H);0.91,1.01(s,Si(CH3)2,12H);1.99,2.83,2.93(m,−CH2CH2CH2−,12H);2.05,2.60(m,−CH 2 CH3,4H);7.11,7.25(s,Ar−H,4H)であった。
実施例3の(3−4)でヨウ化メチルトリメチルシランの代わりに臭化n−ブチルを加えた以外は同様に合成したところ黄色固体が得られた(収率38%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.90,1.00(s,Si(CH3)2,12H);2.27,2.30(s,Ar−CH3,12H);0.88(t,−CH3,6H);1.20−1.40,1.46,2.58,2.99(m,−CH2CH2CH2−,12H);7.07,7.20(s,Ar−H,4H)であった。
実施例3の(3−4)でヨウ化メチルトリメチルシランの代わりにヨウ化2,2−ジメチルプロパンを加えた以外は同様に合成したところ、黄色固体を得た(収率31%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.94,1.00(s,Si(CH3)2,12H);2.60,2.99(s,Ar―CH3,12H);0.82(s,−CH3,18H);2.44,2.93(d,−CH2−,4H);7.08,7.20(s,Ar−H,4H)であった。
実施例3の(3−4)でヨウ化メチルトリメチルシランの代わりにヨウ化メチルを加えた以外は同様に合成したところ、黄色固体を得た(収率33%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.90,0.99(s,Si(CH3)2,12H);2.30,2.33,2.42(s,−CH3,18H);7.06,7.18(s,Ar−H,4H)であった。
実施例3の(3−4)でヨウ化メチルトリメチルシランの代わりにブロモメチルシクロヘキサンを添加した以外は同様に合成したところ黄色固体を得た(収率29%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.91,1.00(s,Si(CH3)2,12H);2.26,2.29(s,Ar−CH3,12H);1.10,1.26,1.50,1.63(m,−シクロヘキシル基,22H);2.44,2.89(d,−CH2−,4H);7.08,7.20(s,Ar−H,4H)であった。
実施例3の(3−4)でヨウ化メチルトリメチルシランの代わりにブロモメチルシクロプロパンを添加した以外は同様に合成したところ黄色固体を得た(収率25%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.90,1.04(s,Si(CH3)2,12H);2.27,2.30(s,Ar−CH3,12H);0.01,0.17,0.34,0.41,0.84(m,−シクロプロピル基,10H);2.48,3.02(m,−CH2−,4H);7.08,7.23(s,Ar−H,4H)であった。
(12−1)1−シクロプロピル−5,6−ジメチルインデンの合成
5,6−ジメチル−1−インダノン39.4g(246mmol)のジエチルエーテル溶液に、臭化シクロプロピル37.8g(271mmol)とマグネシウム7.9gから調製した臭化シクロプロピルマグネシウムのジエチルエーテル溶液を滴下し、次いで、室温(25℃)で3時間撹拌後、氷水200mLでクエンチした。この反応混合物に20%希硫酸100mLを加えて40℃で3時間加熱撹拌した後、水100mLを加えてジエチルエーテル200mLで抽出した。抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水、ブラインで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに溶媒を留去後、得られた固体をシリカゲルカラム(展開溶媒:ヘキサン)で精製することにより1−シクロプロピル−5,6−ジメチルインデンを薄黄色油状物として22.3g得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.68,0.90,1.81(m,シクロプロピル,10H);2.38,2.35(s,Ar−CH3,6H);3.26(d,−CH2−,2H);5.99(m,−CH=,1H);7.19,7.32(m,Ar−H,2H)であった。
1−シクロプロピル−5,6−ジメチルインデン22.3g(121mmol)にDMSO180mL、水4.4mLを加え、N−ブロモスクシンイミド21.2gをゆっくり添加した。次いで、室温(25℃)で4時間撹拌後、0℃で水100mLを加え、反応混合物をジエチルエーテル200mLで抽出した。抽出物を乾燥後、溶媒を留去すると褐色油状物が得られた。褐色油状物を、ディーン・スターク装置を組み込んだ1L三口フラスコにトルエン100mLと、p−トルエンスルホン酸1.5gとともに入れ、3時間加熱還流を行った。反応混合物を放冷後、水とブラインで洗浄し溶媒を減圧下で留去すると黒褐色油状物が得られた。この油状物をシリカカラム(展開溶媒:ヘキサン)で精製すると白色固体として1−シクロプロピル−2−ブロモ−5,6−ジメチルインデン16.68g(63.3mmol、収率52%)が得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.97,1.77(m,シクロプロピル,5H);3.48(m,−CH2−,2H);2.26,2.30(s,Ar−CH3,6H);7.07−7.15(m,Ar−H,2H)であった。
実施例3の(3−3)で、5,6−ジメチル−2−ブロモインデンの代わりに1−シクロプロピル−5,6−ジメチルインデン8.0g(30.4mmol)を用いた以外は同様にして(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−シクロプロピル−5,6−ジメチルインデン)を白色固体として2.52g(5.2mmol、収率34%)得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ−0.73,0.82(s,Si(CH3)2,12H);0.7−0.9,1.00,1.97(m,シクロプロピル,10H);3.52(s,−CH=,2H);2.34(s,Ar−CH3,12H);7.23,7.41(m,Ar−H,4H)であった。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.99,1.00(s,Si(CH3)2,12H);2.30(s,Ar−CH3,12H);0.40,0.59,0.89,1.28(m,−シクロプロピル基,10H);7.11,7.43(s,Ar−H,4H)であった。
実施例3の(3−4)でヨウ化メチルトリメチルシランの代わりにブロモメチルシクロブタンを添加した以外は同様に実施したところ黄色固体を得た(収率37%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.90,1.02(s,Si(CH3)2,12H);2.28,2.30(s,Ar−CH3,12H);1.58,1.65,1.77,1.84,1.94(m,−シクロブチル基,14H);2.63,3.13(m,−CH2−,4H);7.08,7.22(s,Ar−H,4H)であった。
実施例3の(3−4)でヨウ化メチルトリメチルシランの代わりにブロモメチルシクロペンタンを添加した以外は同様に実施したところ黄色固体を得た(収率22%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)による測定の結果は、δ0.92,1.02(s,Si(CH3)2,12H);2.28,2.30(s,Ar−CH3,12H);1.14,1.47,1.58,1.85(m,−シクロペンチル基,18H);2.53,3.04(m,−CH2−,4H);7.08,7.22(s,Ar−H,4H)であった。
特開2000−256411号公報の実施例1に記載の方法によって(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドを合成した。
特開2000−256411号公報の実施例9に記載の方法によって(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを合成した。
特開2000−256411号公報の実施例3に記載の方法によって(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを合成した。
特開2000−256411号公報の実施例9において、ヨードメチルトリメチルシランの代わりにヨウ化2,2−ジメチルプロパンを加えた以外は同様に実施して(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−ネオペンチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを合成した。
特開2000−256411号公報の実施例2に記載の方法によって(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを合成した。
特開2000−256411号公報の実施例9において、ヨードメチルトリメチルシランの代わりにブロモメチルシクロヘキサンを加えた以外は同様に実施して(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−シクロヘキシルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを合成した。
特開2000−256411号公報の実施例9において、ヨードメチルトリメチルシランの代わりにブロモメチルシクロプロパンを加えた以外は同様に実施して(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−シクロプロピルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを合成した。
実施例13で5,6−ジメチル−1−インダノンの代わりに1−インダノンを用いた以外は同様に実施することによって、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−シクロプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリドを得た。
特開2000−256411号公報の実施例9において、ヨードメチルトリメチルシランの代わりにブロモメチルシクロブタンを加えた以外は同様に実施して(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−シクロブチルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを合成した。
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、窒素雰囲気下、室温(25℃)で乾燥ヘプタン400mLを投入し、次いでトリイソブチルアルミニウム(2M,0.2mL,0.4mmol)を投入し、撹拌した。さらに実施例1で得られた(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド〔遷移金属化合物a1〕のヘプタンスラリー(10μmol/mL,0.02mL,0.2μmol)、及びN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのヘプタンスラリー(10μmol/mL,0.08mL,0.8μmol)を投入した。さらに、水素(0.05MPa)を投入後、プロピレン圧を徐々に上げつつ、昇温し、全圧0.8MPa、温度60℃を一定に保ち30分間重合した。重合反応終了後、5mLのエタノールで重合を停止し、得られた重合溶液を加熱窒素気流下で乾燥させポリプロピレン159.46gを得た。得られたポリマーのメソペンタッド分率[mmmm]は4.1%、デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]は0.19dL/g、重合活性は8740kgPP/gZrであった。
表1−1及び表1−2に記載の遷移金属化合物及び重合温度、重合時間に変更した以外は実施例15と同様にして実施例16〜56及び比較例10〜36のポリプロピレンを得た。
Claims (10)
- 下記一般式(IV)で表される周期律表第3〜10族またはランタノイド系列の遷移金属化合物。
(式中、Xはσ結合性またはπ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合には複数のXは同じでも異なっていてもよい。Yはルイス塩基を示しYが複数ある場合、複数のYは同一でも異なっていてもよい。また、Yは他のYやXと架橋していてもよい。qは1〜5の整数で[(Mの原子価)−2]を示し、rは0〜3の整数である。R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基、珪素含有基またはヘテロ原子含有基である。R3〜R10は、R4、R5、R8及びR9が置換もしくは無置換の炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基であり、かつR3、R6、R7及びR10が水素原子である組み合わせ、又はR4、R5、R8及びR9が水素原子であり、かつR3、R6、R7及びR10が置換もしくは無置換の炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基である組み合わせである。なお、R4とR5、及びR8とR9は、それぞれ互いに結合して炭素数5〜8の置換もしくは無置換の環状構造を形成してもよい。Mは周期律表第3〜10族またはランタノイド系列の金属元素である。A3〜A4は下記一般式(V)で表される架橋基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。)
(式(V)中、EはC、Si、Ge、Snを示し、R15及びR16はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基でそれらは互いに同一でも異なっていてもよく、また互いに結合して環を形成していてもよい。eは1〜4の整数を示す。) - 前記R4、R5、R8、及びR9が、それぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基である請求項1に記載の遷移金属化合物。
- 前記R4、R5、R8、及びR9が、それぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜8の直鎖のアルキル基である請求項1又は2に記載の遷移金属化合物。
- 前記R4、R5、R8、及びR9が、それぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜4の直鎖のアルキル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の遷移金属化合物。
- 前記R4、R5、R8、及びR9が、それぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜2のアルキル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の遷移金属化合物。
- 前記R4、R5、R8、及びR9の少なくとも1つがメチル基である請求項1〜5のいずれか1項に記載の遷移金属化合物。
- 前記R4とR5、及び/又は前記R8とR9が同一の基である請求項1〜6のいずれか1項に記載の遷移金属化合物。
- 前記R4、R5、R8、及びR9がメチル基であり、前記R3、R6、R7、及びR10が水素原子である請求項1〜7のいずれか1項に記載の遷移金属化合物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の遷移金属化合物を用いることを特徴とするオレフィン系重合体の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の遷移金属化合物、及び該遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうるホウ素化合物を含有する重合用触媒の存在下、オレフィン類を重合することを特徴とするオレフィン系重合体の製造方法。
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