JP6919820B2 - リチウムイオン二次電池用の負極 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用の負極に関する。
リチウムイオン二次電池は、既存の電池に比べて軽量かつエネルギー密度が高いことから、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として用いられている。リチウムイオン二次電池は、特に、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両の駆動用高出力電源として今後ますます普及していくことが期待されている。
リチウムイオン二次電池に用いられる負極は、典型的には、負極集電体上に、負極活物質層が設けられた構成を有する。負極活物質層は、典型的には、負極活物質およびバインダを含む。負極活物質は、電荷担体であるリチウムイオンを挿入/脱離可能な炭素系材料である。また、バインダは、負極活物質同士および負極活物質と負極集電体とを結着させる役割を果たす。かかるバインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)や、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の樹脂材料が用いられる。かかるバインダの一例が特許文献1〜3に開示されている。
特開平10−172573号公報 特開2014−026824号公報 特開2014−044899号公報
ところで、上記リチウムイオン二次電池においてハイレート充放電を繰り返すと、電池抵抗が上昇しやすくなる。このハイレート充放電の繰り返しによる電池抵抗の上昇は、負極活物質の膨張収縮によるポンプ効果や非水電解液の体積膨張等によって、負極活物質層から非水電解液が流出し、非水電解液の分布ムラが生じることによって発生する。これに対して、近年の電池性能の向上への要請により、上記ハイレート充放電の繰り返しによる電池抵抗の上昇への耐性(ハイレート劣化耐性)をさらに向上させることができる技術の開発が求められている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハイレート充放電を繰り返した場合に負極活物質層で非水電解液の分布ムラが生じることを防止し、ハイレート劣化耐性を向上させることができる技術を提供することである。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池用の負極(以下、単に「負極」ともいう)は、負極集電体と、該負極集電体の表面に付与された負極活物質層とを備えている。この負極の負極活物質層は、リチウムイオンを挿入/脱離可能な炭素系材料を含む負極活物質と、ポリメタクリル酸メチルとを含み、負極活物質の粒子間にモノリス構造のポリメタクリル酸メチルが存在している。
ここに開示される負極では、高い強度を有するモノリス構造のポリメタクリル酸メチル(PMMA)が負極活物質の粒子間に存在しているため、ハイレート充電時の負極活物質の膨張を規制することができる。このため、ハイレート充放電を繰り返した場合でも負極活物質層の形状を維持し、負極活物質層からの非水電解液の流出を防止できる。また、モノリス構造のPMMAは、サブミクロンサイズの細孔を複数有しており、内部に非水電解液を保持することができる。このため、ここに開示される負極が使用された電池によると、負極活物質層における非水電解液の分布ムラが生じることを防止し、ハイレート劣化耐性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る負極の断面構造を示す模式図である。 サンプル1〜7で使用したPMMAのSEM写真である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、その他の構成要素や一般的な製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
≪リチウムイオン二次電池用の負極≫
ここに開示されるリチウムイオン二次電池用の負極は、少なくとも負極集電体と、該負極集電体の表面に付与された負極活物質層とを備え、負極活物質層が、負極活物質と、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)とを含んでいる。そして、ここに開示される負極は、負極活物質の粒子間にモノリス構造のPMMAを存在させることによって特徴づけられる。したがって、その他の構成要素については特に限定されず、種々の基準に照らして任意に決定することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は、必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
図1は、本実施形態に係る負極の断面構造を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態に係る負極10は、負極集電体12と、当該負極集電体12の表面に形成された負極活物質層14とを備える。負極集電体12としては、良好な導電性を有する金属材(例えば、銅、ニッケル等)を採用できる。なお、負極活物質層14は、負極集電体12の一方の表面に形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。
本実施形態の負極活物質層14は、負極活物質16を含んでいる。負極活物質16は、電荷担体であるリチウムイオンを挿入/脱離可能な炭素系材料を含む。かかる負極活物質16に用いられる炭素系材料としては、例えば黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等が好適であり、エネルギー密度等の観点から、特には黒鉛が好ましい。なお、負極活物質16の平均粒径は、1μm〜30μm、典型的には5μm〜20μm、例えば10μm〜15μm程度であることが好ましい。
そして、本実施形態に係る負極10は、バインダとして、ポリメタクリル酸メチル(PMMA:Polymethyl methacrylate)18が用いられている。本実施形態におけるPMMA18は、負極活物質16の粒子間に存在している。かかるPMMA18は、負極活物質16同士および負極活物質16と負極集電体12とを結着させる役割を果たす。
また、本実施形態におけるPMMA18は、モノリス構造を有している。ここで、モノリス構造とは、ネットワーク状の骨格と連通孔とから形成される多孔構造体を指す。このモノリス構造は、SEM(Scanning Electron Microscope)などを用いて、PMMA18の表面を観察することによって確認できる。また、PMMA18は、(Cで表される合成樹脂である。このPMMA18の重量平均分子量(Mw)は、1×10以上1×10以下であることが好ましい。なお、PMMA18の重量平均分子量は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS:Time−of−Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)、核磁気共鳴分光法(NMR:Nuclear Magnetic Resonance spectroscopy)等によって分析できる。
本実施形態におけるPMMA18は、上記モノリス構造を有しているため、リチウムイオン二次電池の負極用のバインダとして使用されている他の樹脂材料(SBR、CMC、PVdF等)と比較して強度が強い。このようなモノリス構造のPMMA18を負極活物質16の粒子間に存在させることによって、ハイレート充電時の負極活物質16の膨張を規制できる。このため、ハイレート充放電を繰り返した場合でも負極活物質層14の形状を維持し、負極活物質層14からの非水電解液の流出を防止できる。さらに、上記したように、モノリス構造のPMMA18は、多孔構造体であり、サブミクロンサイズの細孔が複数形成されているため、内部に非水電解液を保持できる。従って、本実施形態に係る負極10によると、ハイレート充放電を繰り返した場合でも、負極活物質層14における非水電解液の分布ムラが生じることを防止でき、ハイレート劣化耐性を向上させることができる。
なお、負極活物質層14における負極活物質16の全重量を100wt%としたときのPMMA18の含有量は、0.5wt%以上であることが好ましく、1wt%以上であることがより好ましい。これによって、ハイレート劣化耐性をより好適に向上させることができる。また、初期抵抗の上昇を抑制するという観点から、PMMA18の含有量の上限は、2.5wt%以下であることが好ましく、2wt%以下であることがより好ましい。
また、一般的なリチウムイオン二次電池の負極活物質層と同様に、負極活物質層14には、負極活物質16およびPMMA18以外の種々の任意成分を含ませることができる。例えば、負極活物質層14は、導電材を含み得る。導電材としては、アセチレンブラック等のカーボンブラックやその他(グラファイト、カーボンナノチューブ等)の炭素材料を好適に使用し得る。また、負極活物質層14は、モノリス構造のPMMA18以外のバインダを含んでいてもよい。かかるバインダとしては、PVDF、PTFE、SBR、CMC等が挙げられる。
≪負極の製造≫
次に、本実施形態に係る負極10を製造する手順の一例について説明する。なお、ここに開示される負極は、その製造方法に限定されるものではない。
本実施形態に係る負極10は、例えば、大まかに以下の手順:モノリス構造のPMMAの作製(S1);負極ペーストの調製(S2);負極ペーストの塗布(S3);プレス処理(S4);によって作製することができる。
モノリス構造のPMMAの作製(S1)では、アルコールと水の混合溶媒を用いて、PMMAを溶液化する。これによって、モノリス構造のPMMAを得ることができる。なお、本工程で使用するアルコールとしては、エタノール、メタノール、ブタノール等が挙げられる。また、上記混合溶媒中のアルコールの含有量は、50vol%以上95vol%以下であることが好ましく、例えば80vol%程度である。また、PMMAを溶液化する際には、50℃〜80℃(例えば60℃)に加温した状態で、1000rpm〜8000rpm(例えば4000rpm)の回転数で撹拌することが好ましい。これによって、モノリス構造のPMMAを効率良く得ることができる。
負極ペーストの調製(S2)では、負極活物質と、モノリス構造のPMMAとを適当な溶媒中で混練して、負極ペーストを調製する。ペーストの調製には、例えば、ボールミル、ロールミル、ニーダ等の従来公知の攪拌・混合装置を用いることができる。また、負極活物質等の材料としては、既に上述したものを適宜用いることができる。また、溶媒としては、水系溶媒(例えば、イオン交換水)、有機溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP))、あるいは水とアルコールとをコングした混合溶媒等を使用できる。なかでも、PMMAのモノリス構造を適切に維持するという観点から、モノリス構造のPMMAの作製(S1)で使用した混合溶媒と同じ溶媒を好ましく用いることができる。
負極ペーストの塗布(S3)では、上記調製した負極ペーストを負極集電体の表面に塗布した後、乾燥雰囲気に曝すことによって負極ペースト(塗膜)から溶媒を乾燥除去する。ペーストの塗布には、例えば、ダイコーター、スリットコーター、グラビアコーター等の従来公知の塗布装置を用いることができる。また、負極集電体としては、既に上述したものを用いることができる。乾燥には、自然乾燥、熱風、真空等の従来公知の乾燥手法を用いることができる。
プレス処理(S4)では、負極活物質層を挟み込んで均質に加圧することで、該負極活物質層の厚みや密度を調整する。プレス処理には、例えばロールプレス法、平板プレス法等の従来公知の各種プレス方法を用いることができる。
このようにして、本実施形態に係る負極10を製造できる。この負極10では、負極活物質16の粒子間に、モノリス構造のPMMA18が存在している。かかる負極10を用いた電池では、ハイレート充放電を繰り返した場合でも、負極活物質層14における非水電解液の分布ムラが生じることを防止できるため、高いハイレート劣化耐性を発揮し得る。
≪リチウムイオン二次電池≫
上記負極は、リチウムイオン二次電池の製造に用いることができる。すなわち、ここに開示される技術によれば、上記負極と、正極と、非水電解液と、を電池ケース内に収容してなるリチウムイオン二次電池が提供される。
正極は、正極集電体と、該正極集電体の表面に付与された正極活物質層とを備える、正極活物質層には、正極活物質、バインダ、導電材等が含まれている。正極活物質としては、例えば、リチウムニッケル系酸化物、リチウムコバルト系酸化物、リチウムマンガン系酸化物、リチウム鉄系酸化物等の層状構造またはスピネル構造の酸化物や、リン酸マンガンリチウム、リン酸鉄リチウム等のオリビン構造のリン酸塩が好適に用いられる。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリエチレンオキサイド(PEO)等が好適に用いられる。導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)等の炭素材料が好適に用いられる。
また、非水電解液は、典型的には非水溶媒と支持塩とを含有する。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒が好適に用いられる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が好適に用いられる。支持塩としては、LiPF、LiBF等が好適に用いられる。また、電池ケースとしては、例えばアルミニウム等の軽量な金属材料からなるものが好適に用いられる。
なお、本実施形態において、負極10を除く各部材(例えば正極、セパレータ、非水電解液、電池ケース等)は、従来の一般的なリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様のものを制限なく使用可能であり、本発明を特徴づけるものではないため、詳細な説明を省略する。
≪リチウムイオン二次電池の用途≫
ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、ハイレート充放電を繰り返した場合でも、負極活物質層における非水電解液の分布ムラが生じることを防止できるため、高いハイレート劣化耐性を発揮し得る。したがって、かかる特徴を活かして、ハイレート充放電が頻繁に行われる用途、例えば車両の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等が挙げられる。なお、かかるリチウムイオン二次電池は、それらの複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態で使用されてもよい。
以下、ここで開示される負極に関する試験例を説明するが、本発明をかかる試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
[試験例]
1.サンプルの作製
(1)サンプル1
まず、Mwが約1.4×10のポリメタクリル酸メチル((C)を準備した。このPMMAを混合溶媒(エタノール:80vol%、水:20vol%)に添加し、60℃に加温しながらディスパーを用いて回転数4000rpmで撹拌した。この溶液中のPMMAを採集して乾燥させた後に、PMMAの表面をSEMで観察した結果、モノリス構造のPMMAが形成されていることが確認された(図2参照)。
次に、負極活物質(天然黒鉛)と、モノリス構造のPMMAとを、混合溶媒(エタノール:80vol%、水:20vol%)に添加し、撹拌造粒機を用いて混練することによって負極ペーストを調製した。このとき、負極活物質100wt%に対して、モノリス構造のPMMAの含有量が0.5wt%になるように配合比を調節した。そして、調製した負極合材ペーストを銅製の負極集電体(厚み:10μm)の表面に塗布し、乾燥させた後に、所定の寸法(長さ:3300mm、幅:100mm、厚み:80μm)に加工することによってシート状の負極を作製した。
一方、正極活物質(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)と、導電材(アセチレンブラック)と、バインダ(PVdF)を、有機溶媒(NMP)に添加した後に、混練することによって正極合材ペーストを調製した。このとき、正極活物質と、導電材と、バインダとが質量比で100:8:2になるように各々の材料の配合比を調節した。そして、調製した正極合材ペーストをアルミニウム製の正極集電体(厚み:15μm)の表面に塗布し、乾燥させた後に、所定の寸法(長さ:3000mm、幅:94mm、厚み:70μm)に加工することによってシート状の正極を作製した。
次に、アルミナ粒子を含むHRL層が表面に形成されたセパレータ(ポリエチレン製)を介して正極と負極とを積層させた積層体を形成し、当該積層体を捲回することによって捲回電極体を作製した。このとき、本例では、HRL層と負極活物質層とが対向するように各々の材料を積層させた。そして、捲回電極体に正負極の電極端子を接続させ、角型のケース内に収容した後に、ケース内に非水電解液を注液した。本例では、非水電解液として、ECとDMCとEMCとを30:35:35の体積比で含む混合溶媒に、支持塩(LiPF)を1mol/Lの濃度で含ませたものを使用した。そして、捲回電極体と非水電解液とが収容されたケースを密閉し、初期充放電を行うことによって、4Ahの試験用リチウムイオン二次電池(サンプル1)を得た。なお、上記初期充放電では、4Aで4.1Vに達するまで充電する初期充電と、4Aで3.0Vに達するまで放電する初期放電とを実施した。
(2)サンプル2〜7
負極活物質100wt%に対するモノリス構造のPMMAの含有量(wt%)を表1に示すように異ならせた点を除いて、サンプル1と同様の条件および工程によって試験用リチウムイオン二次電池(サンプル2〜7)を作製した。
(3)サンプル8
PMMAを溶解させる混合溶媒をテトラヒドロフラン(THF)と水との混合溶媒(THF:80vol%、水:20vol%)に変更し、モノリス構造でないPMMAを作製したことを除いて、サンプル2と同様の条件および工程によって試験用リチウムイオン二次電池(サンプル8)を作製した。
(4)サンプル9
バインダとして、CMCとSBRとを使用し、負極活物質100wt%に対して、各々を1wt%添加したことを除いて、サンプル1と同様の条件および工程によって試験用リチウムイオン二次電池(サンプル9)を作製した。
2.評価試験
(1)ばね定数の測定
各サンプルで使用した負極を40mm×40mmのサイズに切り出し、30枚積層させた試験用積層体を作製した。そして、かかる試験用積層体に対して、積層方向に沿った7kNの荷重を加えた。そして、荷重印加に伴う試験用積層体の厚みの変異を測定し、以下の式(1)に基づいて「ばね定数」を算出した。結果を表1に示す。なお、このばね定数が大きいほど、負極活物質層の強度が強く、負極が潰されにくくなる。
ばね定数(kN/mm)=荷重(kN)/積層方向における変位量(mm) (1)
(2)初期抵抗の測定
各サンプルの電池を3.7Vまで充電した後、25℃にて40A(10C)で10秒間放電した。そして、このときの電圧低下量ΔV(V)に基づいて初期抵抗を算出した。なお、初期抵抗Rは、以下の式(2)に基づいて算出した。結果を表1に示す。
R(Ω)=ΔV(V)/40(A) (2)
(3)ハイレート劣化耐性の評価
各サンプルの電池の抵抗増加率を測定し、これをハイレート劣化耐性の評価指標とした。この抵抗増加率が低いほうが、優れたハイレート劣化耐性を有しているといえる。具体的には、各サンプルの電池を25℃の恒温槽中に保持し、SOC(State of Carge)を60%に調節した。そして、20C、40秒間の条件で4.3Vまで充電した後、2C、400秒間の条件で2.5Vまで放電する充放電サイクルを1000サイクル繰り返した。そして、1サイクル後の電池抵抗と、1000サイクル後の電池抵抗とを測定し、下記の式(3)に基づいて抵抗増加率(%)を算出した。結果を表1に示す。
抵抗増加率(%)={1000サイクル後の電池抵抗(Ω)/1サイクル後の電池抵抗(Ω)}×100 (3)
Figure 0006919820
表1に示されるように、サンプル1〜7で使用した負極は、いずれもサンプル8、9よりも高いばね定数を有していた。そして、これらの負極を使用したサンプル1〜7の電池では、抵抗増加率(%)が低下していた(ハイレート劣化耐性が向上していた)。このことから、モノリス構造のPMMAを負極活物質層のバインダとして使用することによって、負極活物質層の強度を強くし、ハイレート劣化耐性を向上できることが分かった。
また、サンプル1〜7を比較すると、サンプル1〜4およびサンプル6、7において特に高いばね定数が得られ、ハイレート劣化耐性が顕著に向上していた。このことから、モノリス構造のPMMAを使用することによる効果は、PMMAの含有量を0.5wt%以上にすることによって好適に発揮されることが確認された。また、サンプル1〜7の初期抵抗を比較すると、サンプル1〜5において好ましい初期抵抗が得られていた。このことから、PMMAの含有量の上限値は、2wt%以下が好ましいことが分かった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 負極
12 負極集電体
14 負極活物質層
16 負極活物質
18 モノリス構造のPMMA

Claims (1)

  1. 負極集電体と、該負極集電体の表面に付与された負極活物質層とを備えたリチウムイオン二次電池用の負極であって、
    前記負極活物質層は、リチウムイオンを挿入/脱離可能な炭素系材料を含む負極活物質と、ポリメタクリル酸メチルとを含み、
    前記負極活物質の粒子間にモノリス構造の前記ポリメタクリル酸メチルが存在しており、
    前記負極活物質層における負極活物質の全重量を100wt%としたときの前記ポリメタクリル酸メチルの含有量が1wt%以上2wt%以下である、リチウムイオン二次電池用の負極。
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