JP6819911B2 - リチウムイオン二次電池用の負極 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用の負極 Download PDF

Info

Publication number
JP6819911B2
JP6819911B2 JP2019021514A JP2019021514A JP6819911B2 JP 6819911 B2 JP6819911 B2 JP 6819911B2 JP 2019021514 A JP2019021514 A JP 2019021514A JP 2019021514 A JP2019021514 A JP 2019021514A JP 6819911 B2 JP6819911 B2 JP 6819911B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
active material
electrode active
ion secondary
composite binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019021514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020129479A (ja
Inventor
小山 裕
裕 小山
直利 小野寺
直利 小野寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2019021514A priority Critical patent/JP6819911B2/ja
Publication of JP2020129479A publication Critical patent/JP2020129479A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6819911B2 publication Critical patent/JP6819911B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用の負極に関する。
リチウムイオン二次電池は、既存の電池に比べて軽量かつエネルギー密度が高いことから、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として用いられている。リチウムイオン二次電池は、特に、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両の駆動用高出力電源として今後ますます普及していくことが期待されている。
リチウムイオン二次電池に用いられる負極は、典型的には、負極集電体上に、負極活物質層が設けられた構成を有する。負極活物質層は、典型的には、負極活物質およびバインダを含む。負極活物質は、電荷担体であるリチウムイオンを挿入/脱離可能な炭素系材料である。また、バインダは、負極活物質同士および負極活物質と負極集電体とを結着させる役割を果たす。かかるバインダとしては、セルロースナノファイバー等が用いられる。かかるバインダの一例が特許文献1〜2に開示されている。また、特許文献3には、負極活物質(リチウムイオン電池負極材料)の改質処理において、分散剤(リグニンスルホン酸ナトリウム等)を使用することが開示されている。
国際公開第2013/42720号 特開2018−116818号公報 特開2015−95455号公報
ところで、上記リチウムイオン二次電池においてハイレート充放電を繰り返すと、電池抵抗が上昇しやすくなる。このハイレート充放電の繰り返しによる電池抵抗の上昇は、負極活物質の膨張収縮によるポンプ効果や非水電解液の体積膨張等によって、負極活物質層から非水電解液が流出し、非水電解液の分布ムラが生じることによって発生する。これに対して、近年の電池性能の向上への要請により、上記ハイレート充放電の繰り返しによる電池抵抗の上昇への耐性(ハイレート劣化耐性)をさらに向上できる技術の開発が求められている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハイレート充放電を繰り返した場合でも電池抵抗を低い状態に維持できるハイレート劣化耐性の高い電池を実現する技術を提供することである。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池用の負極(以下、単に「負極」ともいう)は、負極集電体と、該負極集電体の表面に付与された負極活物質層とを備えている。この負極の負極活物質層は、リチウムイオンを挿入/脱離可能な炭素系材料を含む負極活物質と、リグニンスルホン酸塩およびセルロースナノファイバーを含有する複合バインダとを含んでいる。そして、ここに開示される負極では、負極活物質の表面の少なくとも一部が複合バインダによって被覆されており、複合バインダ中のリグニンスルホン酸塩の含有量Aに対するセルロースナノファイバーの含有量の重量比(B/A)が1.0〜2.5であり、負極活物質の添加量を100wt%としたときの複合バインダの添加量が0.75wt%〜3.0wt%である。
ここに開示される負極では、リグニンスルホン酸塩とセルロースナノファイバーとを含有する複合バインダによって負極活物質の表面の少なくとも一部が被覆されている。これによって、ハイレート充電時の負極活物質の膨張を規制できるため、ハイレート充放電を繰り返した場合でも負極活物質層の形状を維持できる。このため、負極活物質層からの非水電解液の流出を防止することができ、非水電解液の分布ムラの発生を抑制できる。また、リグニンスルホン酸塩を含有する複合バインダは、リチウムイオンの伝導を促進することができるため、電池抵抗の低減にも貢献できる。このため、ここに開示される負極によると、ハイレート充放電を繰り返した場合でも電池抵抗を低い状態に維持できるハイレート劣化耐性の高い電池を作製できる。
なお、ここに開示される負極では、複合バインダによる膨張規制効果を適切に発揮させるために、リグニンスルホン酸塩とセルロースナノファイバーとの重量比(B/A)と、複合バインダの添加量の範囲を上記のように規定している。
本発明の一実施形態に係る負極の断面構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る負極活物質のハイレート充電時の断面構造を示す模式図である。 交流インピーダンス測定によって得られるCole−Coleプロット(ナイキスト・プロット)の一例を示す図である。
以下、本発明の好適な一実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、その他の構成要素や一般的な製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
≪リチウムイオン二次電池用の負極≫
ここに開示されるリチウムイオン二次電池用の負極は、少なくとも負極集電体と、該負極集電体の表面に付与された負極活物質層とを備えている。そして、ここに開示される負極は、負極活物質層に、リグニンスルホン酸塩およびセルロースナノファイバーを含有する複合バインダが含まれることによって特徴づけられる。したがって、その他の構成要素については特に限定されず、種々の基準に照らして任意に決定することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は、必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
図1は、本実施形態に係る負極の断面構造を示す模式図である。また、図2は、本実施形態に係る負極活物質のハイレート充電時の断面構造を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る負極10は、負極集電体12と、当該負極集電体12の表面に形成された負極活物質層14とを備える。負極集電体12としては、良好な導電性を有する金属材(例えば、銅、ニッケル等)を採用できる。なお、負極活物質層14は、負極集電体12の一方の表面に形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。
本実施形態の負極活物質層14は、負極活物質16を含んでいる。負極活物質16は、電荷担体であるリチウムイオンを挿入/脱離可能な炭素系材料を含む。かかる負極活物質16に用いられる炭素系材料としては、例えば黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等が好適であり、エネルギー密度等の観点から、特には黒鉛が好ましい。なお、負極活物質16の平均粒径は、1〜30μm、典型的には5〜20μm、例えば10〜15μm程度であることが好ましい。
上記したように、リチウムイオン二次電池の負極活物質層には、負極活物質同士および負極活物質と負極集電体とを結着させるバインダが含まれている。本実施形態に係る負極10では、このバインダとして、リグニンスルホン酸塩およびセルロースナノファイバーを含有する複合バインダ18が用いられている。
リグニンスルホン酸塩は、植物の細胞壁に含まれるリグニンに由来する芳香族高分子化合物である。かかるリグニンスルホン酸塩の具体例は、特に限定されないが、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウム、リグニンスルホン酸マグネシウム等が挙げられる。なお、リグニンスルホン酸塩は、フーリエ変換型赤外分光(FT−IR:Fourier−transform infrared spectroscopy)、核磁気共鳴分光法(NMR:Nuclear Magnetic Resonance spectroscopy)等の分析によって確認できる。
セルロースナノファイバーは、植物の細胞壁の骨格をなすセルロースを含む微細な繊維である。かかるセルロースナノファイバーの繊維径(直径)は、10nm〜100nm程度であり、繊維長(長さ)は、1μm〜10μm程度である。かかるセルロースナノファイバーは、SEM(Scanning Electron Microscope)などを用いて、負極活物質層14の断面を観察することによって確認できる。
これらの材料を複合化させると、リグニンスルホン酸塩の作用によって、セルロースナノファイバーが結着・固化する。これによって、植物の細胞壁に似た構造を有し、外力に対する反発力に優れた複合バインダ18が得られる。このような複合バインダ18を適切に生成するためには、リグニンスルホン酸塩とセルロースナノファイバーとを適切な重量比で複合化させることが求められる。このため、本実施形態では、リグニンスルホン酸塩の含有量Aに対するセルロースナノファイバーの含有量Bの重量比(B/A)が1.0〜2.5(好ましくは1.5〜2.0)の範囲内に規定されている。なお、リグニンスルホン酸塩とセルロースナノファイバーとの複合化処理の詳細な手順は後述する。
そして、本実施形態に係る負極10では、複合バインダ18によって負極活物質16の表面が被覆されている。上記したように、本実施形態における複合バインダ18は、外力に対する反発力に優れている。このため、ハイレート充電時の負極活物質16が膨張しようとする外力(図2中の矢印X参照)に対して、複合バインダ18が矢印Yのように反発し、負極活物質16の膨張を規制する。このため、本実施形態では、ハイレート充放電を繰り返した場合でも、負極活物質層14からの非水電解液の流出を防止し、非水電解液の分布ムラの発生を抑制することができる。
また、複合バインダ18に含まれるリグニンスルホン酸塩は、スルホン基、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の官能基を有しており、当該官能基を介してリチウムイオンを伝達する、いわゆる電解質としての性質を有している。このため、本実施形態では、図2中の矢印Lに示すように、複合バインダ18を介してリチウムイオンを伝達させることができるため、負極活物質層14におけるリチウムイオンの伝導を促進し、電池抵抗の低減に貢献することもできる。
以上のように、本実施形態では、負極活物質の膨張収縮による非水電解液の分布ムラを抑制できると共に、電池抵抗の低減に貢献することもできる。このため、本実施形態に係る負極によると、ハイレート充放電を繰り返した場合でも電池抵抗を低い状態に維持できるハイレート劣化耐性の高い電池を作製できる。
なお、複合バインダ18による膨張規制効果を適切に発揮させるため、本実施形態では、負極活物質16の全重量(100wt%)に対する複合バインダ18の添加量が0.75wt%以上に規定されている。また、膨張規制効果をより好適に発揮させるという観点から、複合バインダ18の添加量は1.0wt%以上であることが好ましく、1.25wt%以上であることがより好ましい。一方で、複合バインダ18の膜厚が厚くなりすぎると、負極活物質16へのリチウムイオンの挿入/脱離が阻害され、反応抵抗が増加する可能性がある。このため、本実施形態における複合バインダ18の添加量の上限は、3.0wt%以下(好ましくは1.75wt%以下)に規定されている。
また、ここに開示される負極における複合バインダは、負極活物質の表面の少なくとも一部を被覆していればよく、全ての負極活物質の表面が複合バインダに被覆されていなくてもよい。但し、ハイレート劣化耐性をより好適に向上させるという観点から、複合バインダは、負極活物質の表面積の50%以上(より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上)を被覆していることが好ましい。
また、ここに開示される負極の負極活物質層には、一般的なリチウムイオン二次電池の負極活物質層と同様に種々の任意成分を含ませることができる。例えば、負極活物質層は、導電材を含み得る。導電材としては、アセチレンブラック等のカーボンブラックやその他(グラファイト、カーボンナノチューブ等)の炭素材料を好適に使用し得る。また、負極活物質層は、リグニンスルホン酸塩およびセルロースナノファイバーを含有する複合バインダ以外に、この種の電池のバインダとして用いられ得る樹脂材料を含んでいてもよい。かかるバインダ材料としては、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、CMC(カルボキシメチルセルロース)等が挙げられる。
≪負極の製造≫
次に、本実施形態に係る負極10を製造する手順の一例について説明する。なお、ここに開示される負極は、その製造方法に限定されるものではない。
本実施形態に係る負極10は、例えば、大まかに以下の手順:複合化処理(S1);負極ペーストの調製(S2);負極ペーストの塗布(S3);プレス処理(S4);によって作製することができる。
複合化処理(S1)では、リグニンスルホン酸塩と、セルロースナノファイバーとを所定の溶媒(例えば水)に分散混合させる。このとき、リグニンスルホン酸塩の含有量Aに対するセルロースナノファイバーの含有量Bの重量比(B/A)が1.0〜2.5になるように各々の添加量を調節することによって、外力に対する反発力に優れた複合バインダが得られる。なお、本工程では、上記分散混合液を1000rpm〜8000rpm(例えば4000rpm)の回転数で撹拌することが好ましい。これによって、複合バインダを効率良く作製できる。
負極ペーストの調製(S2)では、負極活物質と、複合バインダとを適当な溶媒中で混練して、負極ペーストを調製する。このとき、負極活物質の添加量を100wt%としたときの複合バインダ18の添加量を0.75wt%〜3.0wt%にすることによって、反応抵抗の大幅な増加を生じさせずに、複合バインダによる膨張規制効果を適切に発揮させることができる。この負極ペーストの調製には、例えば、ボールミル、ロールミル、ニーダ等の従来公知の攪拌・混合装置を用いることができる。また、負極活物質等の材料としては、既に上述したものを適宜用いることができる。また、溶媒としては、水系溶媒(例えば、イオン交換水)、有機溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP))、あるいは水とアルコールとを混合した混合溶媒等を使用できる。
負極ペーストの塗布(S3)では、上記調製した負極ペーストを負極集電体の表面に塗布した後、乾燥雰囲気に曝すことによって負極ペースト(塗膜)から溶媒を乾燥除去する。ペーストの塗布には、例えば、ダイコーター、スリットコーター、グラビアコーター等の従来公知の塗布装置を用いることができる。また、負極集電体としては、既に上述したものを用いることができる。乾燥には、自然乾燥、熱風、真空等の従来公知の乾燥手法を用いることができる。
プレス処理(S4)では、負極活物質層を挟み込んで均質に加圧することで、該負極活物質層の厚みや密度を調整する。プレス処理には、例えばロールプレス法、平板プレス法等の従来公知の各種プレス方法を用いることができる。
このようにして、本実施形態に係る負極10を製造できる。かかる負極10では、反発力に優れ、かつ、リチウムイオンの伝導を促進し得る複合バインダ18によって負極活物質16の表面の少なくとも一部が被覆されているため、ハイレート充放電を繰り返した場合でも電池抵抗を低い状態に維持できる。
≪リチウムイオン二次電池≫
上記負極は、リチウムイオン二次電池の製造に用いることができる。すなわち、ここに開示される技術によれば、上記負極と、正極と、非水電解液と、を電池ケース内に収容してなるリチウムイオン二次電池が提供される。
正極は、正極集電体と、該正極集電体の表面に付与された正極活物質層とを備える、正極活物質層には、正極活物質、バインダ、導電材等が含まれている。正極活物質としては、例えば、リチウムニッケル系酸化物、リチウムコバルト系酸化物、リチウムマンガン系酸化物、リチウム鉄系酸化物等の層状構造またはスピネル構造の酸化物や、リン酸マンガンリチウム、リン酸鉄リチウム等のオリビン構造のリン酸塩が好適に用いられる。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリエチレンオキサイド(PEO)等が好適に用いられる。導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)等の炭素材料が好適に用いられる。
また、非水電解液は、典型的には非水溶媒と支持塩とを含有する。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒が好適に用いられる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が好適に用いられる。支持塩としては、LiPF、LiBF等が好適に用いられる。また、電池ケースとしては、例えばアルミニウム等の軽量な金属材料からなるものが好適に用いられる。
なお、本実施形態において、負極10を除く各部材(例えば正極、セパレータ、非水電解液、電池ケース等)は、従来の一般的なリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様のものを制限なく使用可能であり、本発明を特徴づけるものではないため、詳細な説明を省略する。
≪リチウムイオン二次電池の用途≫
ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、ハイレート充放電を繰り返した場合でも電池抵抗を低い状態に維持し得る(すなわち、高いハイレート劣化耐性を発揮し得る)。したがって、かかる特徴を活かして、ハイレート充放電が頻繁に行われる用途、例えば車両の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等が挙げられる。なお、かかるリチウムイオン二次電池は、それらの複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態で使用されてもよい。
以下、ここで開示される負極に関する試験例を説明するが、本発明をかかる試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
[試験例]
1.サンプルの作製
(1)サンプル1
まず、リグニンスルホン酸ナトリウムとセルロースナノファイバー(繊維径:約10nm、繊維長:約1μm)とを溶媒(水)に添加し、ディスパーを用いて回転数4000rpmで分散混合する複合化処理を実施することによって複合バインダを作製した。このとき、リグニンスルホン酸ナトリウムの添加量Aに対するセルロースナノファイバーの添加量Bの重量比(B/A)が2になるように各々の配合量を調節した。
次に、負極活物質(天然黒鉛)と、複合バインダとを溶媒(水)に添加し、撹拌造粒機を用いて混練することによって負極ペーストを調製した。このとき、負極活物質の添加量を100wt%としたときの複合バインダの添加量が1.5wt%になるように配合比を調節した。このため、本サンプルでは、負極活物質の添加量(100wt%)に対するリグニンスルホン酸ナトリウムの添加量Aが0.5wt%となり、セルロースナノファイバーの添加量Bが1.0wt%となる。
そして、調製した負極ペーストを銅製の負極集電体(厚み:10μm)の表面に塗布し、乾燥させた後に、所定の寸法(長さ:3300mm、幅:100mm、厚み:80μm)に加工することによってシート状の負極を作製した。
一方、正極活物質(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)と、導電材(アセチレンブラック)と、バインダ(PVdF)を、有機溶媒(NMP)に添加した後に、混練することによって正極ペーストを調製した。このとき、正極活物質と、導電材と、バインダとが質量比で100:8:2になるように各々の材料の配合比を調節した。そして、調製した正極ペーストをアルミニウム製の正極集電体(厚み:15μm)の表面に塗布し、乾燥させた後に、所定の寸法(長さ:3000mm、幅:94mm、厚み:70μm)に加工することによってシート状の正極を作製した。
次に、アルミナ粒子を含むHRL層が表面に形成されたセパレータ(ポリエチレン製)を介して正極と負極とを積層させた積層体を形成し、当該積層体を捲回することによって捲回電極体を作製した。このとき、HRL層と負極活物質層とが対向するように各々の材料を積層させた。そして、捲回電極体に正負極の電極端子を接続させ、角型のケース内に収容した後に、ケース内に非水電解液を注液した。本例では、非水電解液として、ECとDMCとEMCとを30:35:35の体積比で含む混合溶媒に、支持塩(LiPF)を1mol/Lの濃度で含ませたものを使用した。そして、捲回電極体と非水電解液とが収容されたケースを密閉し、初期充放電を行うことによって、4Ahの試験用リチウムイオン二次電池を得た。なお、上記初期充放電では、4Aで4.1Vに達するまで充電する初期充電と、4Aで3.0Vに達するまで放電する初期放電とを実施した。
(2)サンプル2〜11
負極活物質の添加量(100wt%)に対するリグニンスルホン酸ナトリウムの添加量Aおよび/またはセルロースナノファイバーの添加量Bを表1に示すように異ならせた点を除いて、サンプル1と同様の条件および工程によって試験用リチウムイオン二次電池を作製した。
(3)サンプル12
セルロースナノファイバーを添加しなかった点を除いて、サンプル10と同様の条件および工程によって試験用リチウムイオン二次電池を作製した。
(4)サンプル13
リグニンスルホン酸ナトリウムを添加しなかった点を除いて、サンプル8と同様の条件および工程によって試験用リチウムイオン二次電池を作製した。
(5)サンプル14
リグニンスルホン酸ナトリウムに代えてCMC(カルボキシメチルセルロース)を使用した点を除いて、サンプル5と同様の条件および工程によって試験用リチウムイオン二次電池を作製した。
(6)サンプル15
複合化処理を行っていないCMC(1.0wt%)とSBR(1.0wt%)をバインダとして使用した点を除いて、サンプル1と同様の条件および工程によって試験用リチウムイオン二次電池を作製した。
(7)サンプル16
複合化処理を行っていないリグニンスルホン酸塩とセルロースナノファイバーとを添加したことを除いて、サンプル1と同様の条件および工程によって試験用リチウムイオン二次電池を作製した。
2.評価試験
(1)ばね定数の測定
各サンプルで使用した負極を40mm×40mmのサイズに切り出し、30枚積層させた試験用積層体を作製した。そして、かかる試験用積層体に対して、積層方向に沿った60Nの荷重を加えた。そして、荷重印加に伴う試験用積層体の厚みの変異を測定し、以下の式(1)に基づいて「ばね定数」を算出した。結果を表1に示す。なお、このばね定数が大きいほど、負極活物質層の強度が強く、負極が潰されにくくなる。
ばね定数(kN/mm)=荷重(kN)/積層方向における変位量(mm) (1)
(2)反応抵抗の測定
各サンプルの電池を3.7Vまで充電した後、−10℃にて周波数1×10−2〜1×10、電圧振幅5mVの交流電圧を印加した状態でインピーダンス測定を行った。そして、得られたCole−Coleプロット(図3参照)の円弧の直径Rを反応抵抗として測定した。結果を表1に示す。
(3)ハイレート劣化耐性の評価
各サンプルの電池の抵抗増加率を測定し、これをハイレート劣化耐性の評価指標とした。この抵抗増加率が低いほうが、優れたハイレート劣化耐性を有しているといえる。具体的には、各サンプルの電池を25℃の恒温槽中に保持し、SOC(State of Carge)を60%に調節した。そして、20C、40秒間の条件で4.3Vまで充電した後、2C、400秒間の条件で2.5Vまで放電する充放電サイクルを1000サイクル繰り返した。そして、1サイクル後の電池抵抗と、1000サイクル後の電池抵抗とを測定し、下記の式(2)に基づいて抵抗増加率(%)を算出した。結果を表1に示す。
抵抗増加率(%)={1000サイクル後の電池抵抗(Ω)/1サイクル後の電池抵抗(Ω)}×100 (2)
Figure 0006819911
サンプル1〜6とサンプル12〜16とを比較すると、サンプル1〜6の方がばね定数が高く、抵抗増加率(%)が低くなっていた。このことからリグニンスルホン酸塩とセルロースナノファイバーとを複合化させた複合バインダを使用することによって、ハイレート充電時の負極活物質の膨張を抑制し、ハイレート劣化耐性を向上できることが分かった。
また、サンプル1〜6とサンプル7〜11とを比較した結果、反応抵抗の大幅な増加を生じさせずに、複合バインダによる膨張規制効果を適切に発揮させるためには、リグニンスルホン酸塩の含有量Aに対するセルロースナノファイバーの含有量の重量比(B/A)を1.0〜2.5とすると共に、負極活物質の添加量を100wt%としたときの複合バインダの添加量を0.75wt%〜3.0wt%とする必要があることが分かった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 負極
12 負極集電体
14 負極活物質層
16 負極活物質
18 複合バインダ

Claims (1)

  1. 負極集電体と、該負極集電体の表面に付与された負極活物質層とを備えたリチウムイオン二次電池用の負極であって、
    前記負極活物質層は、リチウムイオンを挿入/脱離可能な炭素系材料を含む負極活物質と、リグニンスルホン酸塩およびセルロースナノファイバーを含有する複合バインダとを含み、
    前記負極活物質の表面の少なくとも一部が前記複合バインダによって被覆されており、
    前記リグニンスルホン酸塩の含有量Aに対する前記セルロースナノファイバーの含有量の重量比(B/A)が1.0〜2.5であり、
    前記負極活物質の添加量を100wt%としたときの前記複合バインダの添加量が0.75wt%〜3.0wt%である、リチウムイオン二次電池用の負極。
JP2019021514A 2019-02-08 2019-02-08 リチウムイオン二次電池用の負極 Active JP6819911B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019021514A JP6819911B2 (ja) 2019-02-08 2019-02-08 リチウムイオン二次電池用の負極

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019021514A JP6819911B2 (ja) 2019-02-08 2019-02-08 リチウムイオン二次電池用の負極

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020129479A JP2020129479A (ja) 2020-08-27
JP6819911B2 true JP6819911B2 (ja) 2021-01-27

Family

ID=72174738

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019021514A Active JP6819911B2 (ja) 2019-02-08 2019-02-08 リチウムイオン二次電池用の負極

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6819911B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111584868B (zh) * 2019-02-15 2023-07-25 株式会社村田制作所 锂离子二次电池负极添加剂及包含其的负极浆料
WO2023100726A1 (ja) * 2021-11-30 2023-06-08 日本ゼオン株式会社 非水電解液二次電池用導電材ペースト、非水電解液二次電池負極用スラリー組成物、非水電解液二次電池用負極、および非水電解液二次電池

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016001716A (ja) * 2014-05-19 2016-01-07 横浜ゴム株式会社 電極形成用導電性ペーストおよび電気化学素子
CN106025283B (zh) * 2016-05-25 2019-05-14 华南理工大学 用于锂离子电池负极的木质素基水性黏结剂和基于其的电极片与锂离子电池
US10662327B2 (en) * 2016-10-28 2020-05-26 GranBio Intellectual Property Holdings, LLC Nanocellulose nucleating agents for crystallization of polylactides and other polymers
EP3691002A4 (en) * 2017-09-29 2021-06-30 Attaccato Limited Liability Company BINDING AGENT FOR LITHIUM-ION BATTERIES AND ELECTRODE AND SEPARATOR WITH IT

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020129479A (ja) 2020-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5594548B2 (ja) 電池用電極の製造方法
KR101887952B1 (ko) 리튬 이온 2차 전지용 음극 재료
JP5611453B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極及びその負極を用いたリチウムイオン二次電池
EP3179543B1 (en) Carbonaceous material for negative electrode of non-aqueous electrolyte secondary battery
JP2013084397A (ja) リチウム二次電池の製造方法
JP6836728B2 (ja) リチウムイオン二次電池用の負極
Sun et al. Effect of poly (acrylic acid)/poly (vinyl alcohol) blending binder on electrochemical performance for lithium iron phosphate cathodes
JP2008047512A (ja) 非水電解質二次電池用正極
EP4170755A1 (en) Positive electrode material, positive electrode pole piece, lithium secondary battery, battery module, battery pack, and apparatus
CN108987792B (zh) 全固体电池
JP2004186075A (ja) 二次電池用電極及びこれを用いた二次電池
KR101687100B1 (ko) 비수 전해질 2차 전지용의 정극과 그 제조 방법
JP6819911B2 (ja) リチウムイオン二次電池用の負極
JP5679206B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極の製造方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法
JP7484790B2 (ja) 全固体電池
JP6919820B2 (ja) リチウムイオン二次電池用の負極
JP4416070B2 (ja) 負極材料、その製造方法及び用途
JP2013098070A (ja) リチウムイオン二次電池用負極及びその負極を用いたリチウムイオン二次電池
JP2015125915A (ja) リチウムイオン二次電池用の正極
JP6245470B2 (ja) 二次電池の製造方法
WO2021177291A1 (ja) 二次電池電極用添加剤
US20230163306A1 (en) Electrode for secondary battery and manufacturing method of electrode for secondary battery
WO2022045218A1 (ja) 電気化学素子用導電材分散液、電気化学素子電極用スラリー、電気化学素子用電極及び電気化学素子
JP6166013B2 (ja) 非水電解質二次電池の正極合剤層形成用材料および非水電解質二次電池の製造方法
US20230290955A1 (en) Carbon-based conductive agent, secondary battery, and electrical device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200813

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201216

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6819911

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250