JP2016001716A - 電極形成用導電性ペーストおよび電気化学素子 - Google Patents

電極形成用導電性ペーストおよび電気化学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れた電気化学素子を得ることができ、かつ、安定性も良好な電極形成用導電性ペースト及び電気化学素子を提供する。
【解決手段】電極形成用導電性ペーストは、炭素材料と、増粘剤と、溶媒とを含有し、炭素材料の比表面積が、750〜3000m2/gであり、メチレンブルー吸着性能が、150ml/g以上であり、励起波長532nmのレーザーラマン分光測定により求めたスペクトルが、1250〜1700cm-1の範囲に少なくとも3つのピークを示し、かつ、上記増粘剤が、1質量%水溶液にしたときの粘度が300〜18000mPa・sとなるセルロース系高分子を含有し、さらに増粘剤の含有量が、炭素材料100質量部に対して0.2〜1.5質量部である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極形成用導電性ペーストおよびそれを用いて形成した電極を有する電気化学素子に関する。
電気化学素子としてリチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタが知られている。
一般に、リチウムイオン二次電池は、電気二重層キャパシタと比べ、エネルギー密度が高く、また長時間の駆動が可能である。
一方、電気二重層キャパシタは、リチウムイオン二次電池と比べ、急速な充放電が可能であり、また繰り返し使用の寿命が長い。
また近年、このようなリチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタのそれぞれの利点を兼ね備えた電気化学素子としてリチウムイオンキャパシタが開発されており、更に、コスト低減の観点から、ナトリウムイオンキャパシタ(ナトリウムイオン型蓄電デバイス)が開発されている。
例えば、本出願人は、特許文献1において、電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタに利用することができる電極材料として、「窒素原子を有する導電性高分子と多孔質炭素材料との複合体であって、
前記導電性高分子が、前記多孔質炭素材料の表面に結合しており、
Horvath−Kawazoe法およびBJH法で測定した0.5〜100.0nmの直径を有する全細孔の全細孔容積が、0.3〜3.0cm3/gであり、
BJH法で測定した2.0nm以上20.0nm未満の直径を有する細孔の細孔容積の比率が、前記全細孔容積に対して10〜30%であり、
Horvath−Kawazoe法およびBJH法で測定した0.5nm以上2.0nm未満の直径を有する細孔の細孔容積の比率が、前記全細孔容積に対して70〜90%である複合体。」を提供している([請求項1][請求項5]〜[請求項8])。
特開2013−161835号公報
本発明者らは、特許文献1に記載の複合体や電極材料について検討し、静電容量の更なる向上の観点から、ペースト状に調製する際に配合する増粘剤や結着剤の配合量を減らした場合には、ペーストの安定性が劣り、また、静電容量の容量維持率(以下、「耐久性」ともいう。)も劣ることを明らかとした。
そこで、本発明は、耐久性に優れた(静電容量の維持率が高い)電気化学素子を得ることができ、かつ、安定性も良好な電極形成用導電性ペーストおよび電気化学素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の炭素材料と、特定の増粘剤と、溶媒とを含有し、所定の増粘剤の含有量を少量配合した導電性ペーストが、耐久性に優れた(静電容量の維持率が高い)電気化学素子を得ることができ、かつ、安定性も良好であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 炭素材料(A)と、増粘剤(B)と、溶媒(C)とを含有し、
上記炭素材料(A)の比表面積が、750〜3000m2/gであり、
上記炭素材料(A)のメチレンブルー吸着性能が、150ml/g以上であり、
上記炭素材料(A)の励起波長532nmのレーザーラマン分光測定により求めたスペクトルが、1250〜1700cm-1の範囲に少なくとも3つのピークを示し、
上記増粘剤(B)が、1質量%水溶液にしたときの粘度が300〜18000mPa・sとなるセルロース系高分子を含有し、
上記増粘剤(B)の含有量が、上記炭素材料(A)100質量部に対して0.2〜1.5質量部である、電極形成用導電性ペースト。
[2] 上記増粘剤(B)の70質量%以上が、上記セルロース系高分子である、[1]に記載の電極形成用導電性ペースト。
[3] 上記炭素材料(A)が、多孔質炭素材料と導電性高分子との複合体からなる、[1]または[2]に記載の電極形成用導電性ペースト。
[4] 上記導電性高分子が、窒素原子を有する導電性高分子および/または硫黄原子を有する導電性高分子である、[3]に記載の電極形成用導電性ペースト。
[5] 上記窒素原子を有する導電性高分子が、ポリアニリン、ポリピロール、ポリピリジン、ポリキノリン、ポリチアゾール、ポリキノキサリンおよびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、[4]に記載の電極形成用導電性ペースト。
[6] 上記硫黄原子を有する導電性高分子が、ポリチオフェン、ポリシクロペンタジチオフェンおよびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、[4]または[5]に記載の電極形成用導電性ペースト。
[7] 上記増粘剤(B)が、更に、スルホン化リグニンを含有し、
上記スルホン化リグニンの含有量が、上記炭素材料(A)100質量部に対して0.1〜0.4質量部である、[1]〜[6]のいずれかに記載の電極形成用導電性ペースト。
[8] 温度25℃、回転速度50rpmで回転させて測定した粘度(μ50)に対する、温度25℃、回転速度5rpmで回転させて測定した粘度(μ5)の割合(μ5/μ50)が、1以上5以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の電極形成用導電性ペースト。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の電極形成用導電性ペーストを用いて形成した電極を有する電気化学素子。
以下に説明するように、本発明によれば、耐久性に優れた(静電容量の維持率が高い)電気化学素子を得ることができ、かつ、安定性も良好な電極形成用導電性ペーストおよび電気化学素子を提供することができる。
また、本発明は、活物質(所定の炭素材料)の質量あたりの静電容量が高くなり、さらに導電性ペーストにおける活物質の配合割合を多くすることもできるため、電極形成用の導電性ペーストとして有用である。
実施例および比較例で使用する炭素材料(複合体および活性炭)のラマンスペクトルを示すチャート図である。
[電極形成用導電性ペースト]
本発明の電極形成用導電性ペースト(以下、単に「本発明の導電性ペースト」ともいう。)は、炭素材料(A)と、増粘剤(B)と、溶媒(C)とを含有し、
上記炭素材料(A)の比表面積が、750〜3000m2/gであり、
上記炭素材料(A)のメチレンブルー吸着性能が、150ml/g以上であり、
上記炭素材料(A)の励起波長532nmのレーザーラマン分光測定により求めたスペクトル(以下、単に「ラマンスペクトル」ともいう。)が、1250〜1700cm-1の範囲に少なくとも3つのピークを示し、
上記増粘剤(B)が、1質量%水溶液にしたときの粘度が300〜18000mPa・sとなるセルロース系高分子を含有し、
上記増粘剤(B)の含有量が、上記炭素材料(A)100質量部に対して0.2〜1.5質量部である、電極形成用の導電性ペーストである。
ここで、「比表面積」とは、JIS K1477:2007で規定された試験方法に従い、窒素吸着によるBET法を用いて測定した測定値をいう。
ここで、「メチレンブルー吸着性能」とは、JIS K1474:2007で規定された活性炭試験方法に従い、メチレンブルー溶液の吸着量から算出される値をいう。
また、「ラマンスペクトル」とは、ラマン効果によって散射された光について、どの波長の光がどの程度の強さで散射されたかを示すスペクトルをいい、本発明においては、顕微レーザーラマン分光分析装置 Holo Lab 5000R(Kaiser Optical System Inc.製)を用いて、532nmの励起波長で測定したスペクトルをいう。
このような導電性ペーストを電極材料として用いることにより、ペーストの安定性が良好となり、耐久性に優れた(静電容量の維持率が高い)電気化学素子を得ることができる。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
まず、炭素材料(A)の比表面積の範囲(750〜3000m2/g)は、活性炭等の多孔質炭素材料の比表面積と同程度であることを示す規定である。
また、炭素材料(A)のメチレンブルー吸着性能の値は、比表面積と同様、多孔質炭素材料の値と同程度であることを示す規定である。
また、炭素材料(A)のラマンスペクトルの規定(1250〜1700cm-1の範囲に少なくとも3つのピークを示すこと)は、約1350cm-1と約1600cm-1に現れる公知の炭素材料(例えば、活性炭、カーボンブラック等)で見られるSP2結合カーボン由来のピークの他に少なくとも1つのピークを示すことを意味し、本発明で用いる炭素材料(A)が、多孔質炭素材料のみから構成されるものではないことを示す規定である。
以上のことから、炭素材料(A)は、表面性状は多孔質炭素材料と同程度であるにも関わらず、その内部(例えば、多孔質炭素材料の細孔内)に選択的に有機材料(例えば、後述する導電性高分子)が存在していることになるため、接触抵抗にならず、電解質中に存在する支持塩の吸着(取り込み)を阻害することなく、静電容量の向上を図ることができたと考えられる。
また、このような炭素材料(A)を用いることにより、ペーストを調製する際の溶媒(例えば、水)との濡れ性を改善することができ、増粘剤(B)自体の配合量を少量とすることができるため、溶媒の安定性が失われず、ペーストの安定性を良好に維持することができたと考えられる。
以下に、炭素材料(A)、増粘剤(B)および溶媒(C)ならびに任意の添加剤(導電助剤、結着剤など)について詳述する。
〔炭素材料(A)〕
本発明の導電性ペーストが含有する炭素材料(A)は、上述した通り、比表面積が750〜3000m2/gであり、メチレンブルー吸着性能が150ml/g以上であり、かつ、ラマンスペクトルが1250〜1700cm-1の範囲に少なくとも3つのピークを示す炭素材料である。
炭素材料(A)の比表面積は、支持電解質の吸脱着の観点から、750〜2800m2/gであるのが好ましく、800〜2600m2/gであるのがより好ましい。
また、炭素材料(A)は、より高い静電容量の電気化学素子を得ることができる電極材料となる理由から、メチレンブルー吸着性能が150〜300ml/gであるのがより好ましく、160〜300ml/gであるのが更に好ましい。
本発明においては、炭素材料(A)は、半永久的な充放電特性や高速充放電特性を維持することができ、より高い静電容量の電気化学素子を得ることができる電極材料となる理由から、後述する多孔質炭素材料と導電性高分子との複合体からなるのが好ましい。
ここで、「複合体」とは、一般的に、複合して(二つ以上のものが合わさって)一体をなしているものをいうが、本発明においては、導電性高分子の少なくとも一部が、多孔質炭素材料の細孔内部に吸着されている状態をいう。
<導電性高分子>
上記複合体を構成する導電性高分子は、ドーパントを導入することで導電性(例えば、電導度が10-9Scm-1以上)を発現する高分子であれば特に限定されず、ドーパントによりドープされた高分子であってもよく、それを脱ドープした高分子であってもよく、例えば、窒素原子を有する導電性高分子(以下、「含窒素導電性高分子」という。)、硫黄原子を有する導電性高分子(以下、「含硫黄導電性高分子」という。)、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。
これらのうち、電気化学的に安定であり、かつ、入手し易いという理由から、後述する含窒素導電性高分子および含硫黄導電性高分子であるのが好ましい。
上記含窒素導電性高分子としては、具体的には、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリピリジン、ポリキノリン、ポリチアゾール、ポリキノキサリン、これらの誘導体等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記含硫黄導電性高分子としては、具体的には、例えば、ポリチオフェン、ポリシクロペンタジチオフェン、これらの誘導体等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、含窒素導電性高分子であるのが好ましく、ポリアニリン、ポリピリジンおよびこれらの誘導体であるのが、原料が安価であり、合成が容易であるという理由からより好ましい。
このような導電性高分子の平均分子量は、多孔質炭素材料の細孔を塞ぐことなく、かつ、安定的な充放電特性を示す理由から、1000〜2000000であるのが好ましく、3000〜1500000であるのがより好ましく、5000〜1000000であるのが更に好ましい。
ここで、平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、分子量が既知のポリスチレンで換算した値、または、光散乱法(静的光散乱法)を用いて測定した値をいう。
また、このような導電性高分子の調製方法は特に限定されず、対応するモノマー(例えば、アニリン、ピリジン等)を非極性溶媒や非プロトン性溶媒中で化学重合(例えば、酸化重合、脱ハロゲン化重合等)させることにより、導電性高分子の分散液として製造することができる。
ここで、上述したドーパントや、化学重合のための添加剤(例えば、酸化剤、分子量調整剤、相間移動触媒等)については、いずれも特許第4294067号公報に記載されたものを適宜用いることができる。
また、このような導電性高分子としては、市販品を用いることもできる。
市販品としては、具体的には、例えば、日産化学産業製のポリアニリン有機溶媒分散液(商品名:オルメコン)、日産化学産業製のポリアニリン水分散液、化研産業製のポリアニリン分散液(トルエン分散液、水分散液)、アルドリッチ社製のポリアニリンキシレン分散液、信越ポリマー製のポリチオフェン分散液(商品名:セプルジーダ)、アルドリッチ社製のポリチオフェン分散液(製品番号:483095、739324、739332など)、日本カーリット製のポリピロール分散液などが挙げられる。
<多孔質炭素材料>
上記複合体を構成する多孔質炭素材料は、比表面積が750〜3000m2/gの炭素材料であるのが好ましい。
上記多孔質炭素材料としては、具体的には、例えば、活性炭、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、ホウ素含有多孔質炭素材料、窒素含有多孔質炭素材料等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、入手が容易である理由から、活性炭、カーボンブラックおよびカーボンナノチューブからなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
ここで、活性炭は、特に限定されず、公知の炭素電極等で用いられる活性炭粒子を使用することができ、その具体例としては、ヤシ殻、木粉、石油ピッチ、フェノール樹脂等を水蒸気、各種薬品、アルカリ等を用いて賦活した活性炭粒子およびファイバー状のものが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、カーボンブラックは、特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタの電極材料で用いられる微粒子炭素を使用することができ、その具体例としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック等が挙げられる。
また、カーボンナノチューブは、特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタの電極材料で用いられる繊維状炭素を使用することができ、グラフェンシートが1層の単層カーボンナノチューブであってもよく、グラフェンシートが2層以上の多層カーボンナノチューブであってもよい。
〔炭素材料(A)の製造方法〕
炭素材料(A)の製造方法は特に限定されないが、例えば、上述した導電性高分子および多孔質炭素材料からなる複合体の調製方法としては、以下に示す各種方法が挙げられる。
<複合体の調製方法(その1)>
多孔質炭素材料を溶媒(例えば、トルエン等の非極性溶媒)に分散させた分散溶液(以下、「多孔質炭素材料分散液」という。)を調製し、90〜130℃程度に加熱して溶媒の粘度を低減させた後、予め導電性高分子を溶媒(例えば、トルエン等の非極性溶媒)に分散させた分散液(以下、「導電性高分子分散液」という。)を添加し、これらを混合させた後、必要に応じて脱ドープによりドーパントを取り除くことで、導電性高分子と多孔質炭素材料とを複合化させることができる。
なお、脱ドープする方法としては、例えば、ドープされている導電性高分子を脱ドーピングし、ドーパントを中和できる塩基処理を施す方法や、ドーパントに対して導電性高分子が壊れない温度で熱処理を施す方法等が挙げられ、具体的には、特許文献2および3に記載された方法を採用することができる。
<複合体の調製方法(その2)>
調製方法(その1)に記載した多孔質炭素材料分散液および導電性高分子分散液をそれぞれ調製し、予め高圧ホモジナイザーで処理した導電性高分子分散液と、多孔質炭素材料分散液とを、高圧ホモジナイザーで混合させた後、必要に応じて脱ドープによりドーパントを取り除くことで、導電性高分子と多孔質炭素材料とを複合化させることができる。
<複合体の調製方法(その3)>
多孔質炭素材料を溶媒(例えば、メタノール等の極性溶媒)に分散させた分散溶液と、導電性高分子を溶媒(例えば、トルエン等の非極性溶媒)に分散させた分散液とを混合させた後、必要に応じて脱ドープによりドーパントを取り除くことで、導電性高分子と多孔質炭素材料とを複合化させることができる。
〔増粘剤(B)〕
本発明の導電性ペーストが含有する増粘剤(B)は、少なくとも、1質量%水溶液にしたときの粘度が300〜18000mPa・sとなるセルロース系高分子を含有するものである。
ここで、1質量%水溶液にしたときの粘度とは、セルロース系高分子のみを1質量%溶解させた水溶液を、B型粘度計DV−Eを用い、粘度計の回転数を30rpmで測定した値をいう。
本発明においては、セルロース系高分子は、1質量%水溶液を短時間に調製しやすく、炭素材料(A)へ投入しやすいという理由から、1質量%水溶液にしたときの粘度が、300〜6000mPa・sとなるのが好ましく、300〜1000mPa・sとなるのがより好ましい。
セルロース系高分子は、ノニオン性、カチオン性及びアニオン性に分類することができる。
ノニオン性セルロース系高分子として、具体的には、例えば、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、エチルセルロース、マイクロクリスタリンセルロースなどのアルキルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、アルキルヒドロキシエチルセルロース、ノノキシニルヒドロキシエチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;等が挙げられる。
カチオン性セルロース系高分子として、具体的には、例えば、低窒素ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド(ポリクオタニウム−4)、塩化−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム−10)、塩化−[2−ヒドロキシ−3−(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム−24)等が挙げられる。
アニオン性セルロース系高分子としては、例えば、上記のノニオン性セルロース系高分子を各種誘導基により置換された構造を有するアルキルセルロースエーテル及びそれらの金属塩やアンモニウム塩が挙げられる。
アニオン性セルロース系高分子の具体例としては、セルロース硫酸ナトリウム、メチルセルロースエーテル、メチルエチルセルロースエーテル、エチルセルロースエーテル、カルボキシメチルセルロースエーテル(CMC)及びそれらの塩等が挙げられる。
本発明においては、上記増粘剤(B)は、得られる電気化学素子の常温(25℃程度)と低温(−30℃程度)との静電容量の温度依存性が小さくなる理由から、上記増粘剤(B)の70質量%以上が上記セルロース系高分子であるのが好ましく、90質量%以上が上記セルロース系高分子であるのがより好ましく、100質量%が上記セルロース系高分子であるのが更に好ましい。
また、本発明においては、上記増粘剤(B)は、作業性が良好となる理由から、上記セルロース系高分子以外に、更にスルホン化リグニンを含有しているのが好ましい。
ここで、スルホン化リグニンとは、クラフトリグニンと亜硫酸塩または重亜硫酸塩化合物とを反応させ、それでクラフトリグニンが水に可溶にされることによって達成され得るような、スルホン酸基をクラフトリグニン分子に導入することによって得られる生成物のことをいう。
また、スルホン化リグニンを含有する場合の含有量は、上記炭素材料(A)100質量部に対して0.1〜0.4質量部であるのが好ましく、0.1〜0.25質量部であるのがより好ましい。
また、上記増粘剤(B)の含有量は、上記炭素材料(A)100質量部に対して0.2〜1.5質量部であり、0.2〜1.0質量部であるのが好ましく、0.3質量部以上1.0質量部未満であるのがより好ましく、0.4〜0.8質量部であるのが更に好ましく、0.4〜0.6質量部であるのが特に好ましい。
〔溶媒(C)〕
本発明の導電性ペーストが含有する溶媒(C)は特に限定されず、例えば、水、水と相溶する有機溶媒(例えば、メタノールなどのアルコール系溶媒)、これらの混合溶媒等を用いることができる。
また、溶媒(C)の含有量は特に限定されないが、塗布性などの観点から、本発明の導電性ペーストの55〜90質量%であるのが好ましく、60〜80質量%であるのがより好ましい。
〔他の添加剤〕
<導電助剤>
本発明の導電性ペーストは、必要に応じて、導電助剤を含有していてもよく、従来公知の導電助剤を用いることができる。
上記導電助剤としては、具体的には、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の導電性カーボンブラック;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛;ポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相法炭素繊維等の炭素繊維;などが挙げられる。
これらうち、導電性カーボンブラックが好ましく、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックがより好ましく、アセチレンブラックであるのが更に好ましい。
上記導電助剤を含有する場合の含有量は、上記炭素材料(A)100質量部に対して2〜20質量部であるのが好ましく、3〜15質量部であるのがより好ましく、5〜12質量部であるのが更に好ましい。
また、上記導電助剤と上述した増粘剤(B)との質量比(導電助剤/増粘剤)は、5〜30であるのが好ましく、10〜20であるのがより好ましい。
<結着剤>
本発明の導電性ペーストは、必要に応じて、結着剤を含有していてもよく、従来公知の導電性ペーストに配合されるバインダーを用いることができる。
上記結着剤としては、具体的には、例えば、ジエン系重合体、ハロゲン系重合体、アクリレート系重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン等の高分子化合物が挙げられる。
これらのうち、ジエン系重合体が好ましく、その具体例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレンなどの共役ジエン単独重合体;ブチルゴムなどの共役ジエン共重合体;カルボキシ変性されていてもよいスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)などの芳香族ビニル・共役ジエン共重合体;アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NBR)などのシアン化ビニル・共役ジエン共重合体;等が挙げられ、中でも、スチレン−ブタジエン共重合体であるのがより好ましい。
上記結着剤を含有する場合の含有量は、上記炭素材料(A)100質量部に対して0.5〜5質量部であるのが好ましく、1.0〜4.5質量部であるのがより好ましく、1.5〜4.0質量部であるのが更に好ましい。
本発明の導電性ペーストは、上述した炭素材料(A)、増粘剤(B)および溶媒(C)ならびに任意の添加剤を含有することにより、温度25℃、回転速度50rpmで回転させて測定した粘度(μ50)に対する、温度25℃、回転速度5rpmで回転させて測定した粘度(μ5)の割合(μ5/μ50)〔以下、「チクソインデックス」ともいう。〕を1以上5以下とすることができる。
ここで、粘度は、ブルックフィールド型粘度計を用い、上述した温度および回転速度で測定した粘度をいう。
本発明の導電性ペーストは、チクソインデックス(TI)を上述した範囲にすることができるため、作業性が良好となる。
〔導電性ペーストの調製〕
本発明の導電性ペーストの調製方法は特に限定されず、上述した炭素材料(A)、増粘剤(B)および溶媒(C)ならびに任意の添加剤を公知の方法、装置(例えば、混錬機、ホモジナイザー、乳鉢、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等)を用いて、混練する方法等が挙げられる。
[電気化学素子]
本発明の導電性ペーストは、例えば、電気化学素子(例えば、電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、ナトリウムイオンキャパシタなど)の電極材料として好適に用いることができる。
具体的には、本発明の導電性ペーストは、電気二重層キャパシタの分極性電極、リチウムイオン二次電池の負極、リチウムイオンキャパシタの負極等の電極材料に好適に用いることができる。
なお、本発明の電気化学素子は、電極材料に上述した本発明の導電性ペーストを用いる以外は、従来公知の構成を採用することができ、従来公知の製造方法により製造することができる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ポリアニリントルエン分散液の調製>
トルエン3000gにアニリン135g、ドデシルベンスルホン酸330gおよび分子量調整剤(末端封止剤)として2,4,6−トリメチルアニリン0.15g(アニリンに対して0.001当量)を溶解させた後、6N塩酸250mLを溶解した蒸留水800gを加えた。
この混合溶液にテトラブチルアンモニウムブロマイド30gを添加し、5℃以下に冷却した後、過硫酸アンモニウム315gを溶解させた蒸留水1200gを加えた。
5℃以下の状態で6時間酸化重合を行なった後、メタノール水混合溶媒(水/メタノール=2/3(質量比))を加え撹拌を行なった。
撹拌終了後、トルエン層を水層に分離した反応溶液のうち、水層のみを除去することによりポリアニリントルエン分散液を得た。
ポリアニリントルエン分散液を一部採取し、トルエンを真空留去したところ分散液中に固形分13質量%(ポリアニリン含有量:4.3質量%、ポリアニリン数平均分子量:100000)が含まれていた。
また、この分散液を孔径1.0μmのフィルターでろ過したところ目詰まりすることはなく、分散液中のポリアニリン粒子の粒子径を超音波粒度分布測定器(APS−100、Matec Applied Sciences社製)で解析した結果、粒度分布は単分散(ピーク値:0.19μm、半値幅:0.10μm)であることが分かった。
さらに、この分散液は室温1年間経過した後も凝集、沈殿することはなく安定であった。元素分析からドデシルベンゼンスルホン酸のアニリンモノマーユニット当りのモル比は0.45であった。得られたポリアニリンの収率は95%であった。
<複合体>
実施例1〜8および比較例5で使用する炭素材料(A)として、以下に示す方法で複合体を作製した。
最初に、トルエン1000g中に、活性炭(NY1151、比表面積:1325m2/g、1次平均粒子径:5μm、比抵抗:1.5×10-1Ω・cm、クラレケミカル社製)300gを分散させた活性炭トルエン分散液を調製した。
次いで、100℃に加熱した活性炭トルエン分散液に、先に調製したポリアニリントルエン分散液(ポリアニリン含有量:4.3質量%)をポリアニリンの配合量が下記第1表に示す値(括弧内の数値)となるように添加し、これらを混合した混合分散液を調製した。
この混合分散液にトリエチルアミン30mLを添加した後、5時間撹拌混合行なった。
撹拌終了後、沈殿物を濾別回収し、メタノールで洗浄した。この時の濾液および洗浄液は、無色透明であった。
洗浄精製された沈殿物を真空乾燥することによりポリアニリン/活性炭複合体からなる炭素材料を調製した。
<活性炭>
比較例1〜4、6および7で使用する炭素材料として、活性炭(NY1151、比表面積:1325m2/g、1次平均粒子径:5μm、比抵抗:1.5×10-1Ω・cm、クラレケミカル社製)を用いた。
<表面性状等>
上述した複合体および活性炭について、比表面積、ラマンスペクトルおよびメチレンブルー吸着性能について、以下に示す方法により測定した。これらの結果を下記第1表に示す。
(比表面積)
JIS K1477:2007で規定された試験方法に従い、高精度ガス/蒸気吸着量測定装置(BELSORP−max、日本ベル社製)を用いて、窒素吸着によるBET法を用いて測定した。
(ラマンスペクトル)
ラマンスペクトルは、顕微レーザーラマン分光分析装置 Holo Lab 5000R(Kaiser Optical System Inc.製)を用いて、532nmの励起波長で測定した。なお、実施例1〜8および比較例1〜7で使用した炭素材料(上述した複合体および活性炭)のラマンスペクトルのチャートを図1に示す。
(メチレンブルー吸着性能)
JIS K1474:2007で規定された活性炭試験方法に従い、分光光度計(UH5300、日立社製)を用いて、メチレンブルー溶液の吸着量を算出した。
〔実施例1〜8、比較例1〜7〕
<リチウムイオンキャパシタの作製>
(正極の作製)
上記複合体、上記活性炭、増粘剤B1(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、粘度:6000mPa・s)、増粘剤B2(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、粘度:1200mPa・s)、増粘剤B3(スルホン化リグニン)または増粘剤X1(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、粘度:200mPa・s)、導電助剤(アセチレンブラック)、および、結着剤(SBRバインダー)を下記第2表に示す組成比で、溶媒としての蒸留水を徐々に加えながら混合して正極用ペーストを調製した。なお、調製した各正極用ペーストについて、ブルックフィールド型粘度計を用いて、上述したチクソインデックスを測定した。測定結果を下記第2表に示す。
上記正極用ペーストを、アプリケーターを用いて、エッチングアルミ箔の片面に塗布し、150℃で5時間、減圧乾燥を行うことにより、正極を作製した。
(負極(黒鉛電極)の作製)
黒鉛(平均粒子径:30μm、比表面積:5m2/g)90質量部と、導電助剤(アセチレンブラック)5質量、増粘剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、粘度:3500Pa・s)2質量部、結着剤(SBRバインダー)3質量部を、溶媒としての蒸留水を徐々に加えながら混合して負極用スラリーを調製した。
上記負極スラリーを、アプリケーターを用いて、厚さ20μmの銅箔の片面に塗布し、150℃で5時間、減圧乾燥を行うことにより、負極を作製した。
(リチウムイオンキャパシタの作製)
上記で製造した電極を、16mm径のディスクとして打ち抜いた。なお、黒鉛電極に関しては、リチウムのプレドープ処理を行った。プレドープ処理の方法としては、黒鉛電極を正極とし、負極にはリチウム金属箔を用い、電解液には1.0mol/LのLiPF6を含むエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶液を使い、ステンレス製二極式フラットセルを用いて、両極を短絡させることにより、黒鉛のリチウムプレドープを行った。その後、セルを解体し、プレドープ処理した黒鉛を取り出した。
ポリプロピレン製のねじ込み式フタ付きのセル(内径約18mm)内において、上記正極とリチウムプレドープ黒鉛(負極)をプロピレン製のセパレーターで挟み込んで積層した。さらに、参照電極として金属リチウムも積層した。これに電解液(1.0mol/LのLiPF6を含むエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶液)を加えてリチウムイオンキャパシタセル(試験セル)とした。
なお、一連操作(リチウムプレドープ黒鉛の作製、プレドープ黒鉛の取り出し、試験セル組み立て)は、乾燥アルゴン雰囲気下のグローブボックス中で行った。
<ペースト安定性>
25℃下、1週間放置した正極用ペーストを用いて、上記と同じ方法で、正極およびセルを作製した。そして、後述する方法で正極の静電容量を求めた。この容量を、調製直後の正極用ペースト(初期ペースト)から作製された正極の容量と比較することにより、調製した各正極用ペーストの安定性を評価した。結果を下記第2表に示す。なお、評価基準は以下に示す通りである。
○:放置後のペーストに対して自転公転ミキサーによる処理を行わなくても、放置後のペーストから調製された電極の容量が、初期ペーストから調製された電極の容量と比較して5%減の範囲内に収まっている。
△:放置後のペーストに対して自転公転ミキサーによる処理を行えば、放置後のペーストから調製された電極の容量が、初期ペーストから調製された電極の容量と比較して5%減の範囲内に収まっている。
×:放置後のペーストに対して自転公転ミキサーによる処理を行っても、放置後のペーストから調製された電極の容量が、初期ペーストから調製された電極の容量と比較して5%超低下している。
<温度依存性>
作製したリチウムイオンキャパシタセルの25℃およびマイナス30℃における静電容量を、充放電試験機(HJ1001SM8A、北斗電工社製)を用いて測定した。
具体的には、各温度で1Cの定電流定電圧充電法という方式で、3.8Vになるまで定電流で充電した後に定電圧で充電し、また1Cの定電流で2.2Vまで放電する充放電試験を行った。充放電試験の放電曲線から正極材料あたりの静電容量(F/g)を測定した。正極材料の静電容量(F/g)は、充放電試験を20回繰り返し、一定値となったころを採用した。
また、25℃における静電容量については、活物質(複合体または活性炭)の質量あたりの静電容量の値〔(静電容量/活物質の質量)×100〕を算出した。
これらの結果を下記第2表に示す。なお、第2表中、変化率とは、25℃における静電容量に対するマイナス30℃における静電容量の比率をいい、変化率が70%以上であると、静電容量の温度依存性が小さいと評価することができる。
<耐久性(静電容量の容量維持率)>
作製したリチウムイオンキャパシタセルの静電容量および耐久性(容量維持率)は、充放電試験機(HJ1001SM8A、北斗電社工製)を用いて行った。
具体的には、製造したリチウムイオンキャパシタを1Cの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電した後、3.8Vの定電圧を1時間印加して、定電流−定電圧充電を行った。
次いで、1Cの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電した。
その後、セル電圧3.8V、25℃の条件下にて、1000時間の連続充電試験を行った。1000時間経過した後に電圧印加を止め、25℃で、3.8V−2.2Vの充放電サイクルを行って静電容量を算出し、1回目の放電における正極材料あたりの静電容量を初期静電容量とし、初期静電容量に対する静電容量維持率を求めた。結果を下記第2表に示す。
上記第1表および第2表に示す結果から、活性炭を炭素材料として用いた比較例1〜4、6および7の導電性ペーストは、いずれもペースト安定性が劣り、また、低粘度の増粘剤を配合せずに調製した比較例1、2、6および7の導電性ペーストは、耐久性も劣ることが分かった。
これに対し、ラマンスペクトルのピーク数が3本であり、かつ、比表面積およびメチレンブルー吸着性能が所定の範囲内にある炭素材料(A)を用い、増粘剤(B)として所定粘度のセルロース系高分子を特定量配合した導電性ペーストは、いずれもペースト安定性が良好であり、耐久性に優れた(静電容量の維持率が高い)電気化学素子が得られることが分かった(実施例1〜8)。
また、実施例1と実施例4との対比から、増粘剤(B)として、1質量%水溶液にしたときの粘度が5000〜18000mPa・sとなるセルロース系高分子を70質量%以上配合することにより、静電容量の温度依存性が小さくなることが分かった。

Claims (9)

  1. 炭素材料(A)と、増粘剤(B)と、溶媒(C)とを含有し、
    前記炭素材料(A)の比表面積が、750〜3000m2/gであり、
    前記炭素材料(A)のメチレンブルー吸着性能が、150ml/g以上であり、
    前記炭素材料(A)の励起波長532nmのレーザーラマン分光測定により求めたスペクトルが、1250〜1700cm-1の範囲に少なくとも3つのピークを示し、
    前記増粘剤(B)が、1質量%水溶液にしたときの粘度が300〜18000mPa・sとなるセルロース系高分子を含有し、
    前記増粘剤(B)の含有量が、前記炭素材料(A)100質量部に対して0.2〜1.5質量部である、電極形成用導電性ペースト。
  2. 前記増粘剤(B)の70質量%以上が、前記セルロース系高分子である、請求項1に記載の電極形成用導電性ペースト。
  3. 前記炭素材料(A)が、多孔質炭素材料と導電性高分子との複合体からなる、請求項1または2に記載の電極形成用導電性ペースト。
  4. 前記導電性高分子が、窒素原子を有する導電性高分子および/または硫黄原子を有する導電性高分子である、請求項3に記載の電極形成用導電性ペースト。
  5. 前記窒素原子を有する導電性高分子が、ポリアニリン、ポリピロール、ポリピリジン、ポリキノリン、ポリチアゾール、ポリキノキサリンおよびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の電極形成用導電性ペースト。
  6. 前記硫黄原子を有する導電性高分子が、ポリチオフェン、ポリシクロペンタジチオフェンおよびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4または5に記載の電極形成用導電性ペースト。
  7. 前記増粘剤(B)が、更に、スルホン化リグニンを含有し、
    前記スルホン化リグニンの含有量が、前記炭素材料(A)100質量部に対して0.1〜0.4質量部である、請求項1〜6のいずれかに記載の電極形成用導電性ペースト。
  8. 温度25℃、回転速度50rpmで回転させて測定した粘度(μ50)に対する、温度25℃、回転速度5rpmで回転させて測定した粘度(μ5)の割合(μ5/μ50)が、1以上5以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の電極形成用導電性ペースト。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の電極形成用導電性ペーストを用いて形成した電極を有する電気化学素子。
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