JP6918208B2 - 反射防止膜および光学部材 - Google Patents

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Description

本開示は、反射防止膜および反射防止膜を備えた光学部材に関するものである。
従来、レンズなどの光学部材においては、表面反射による透過光の損失やゴースト、フレアを低減するために光入射面に反射防止機能が付与されている。
可視光に対する反射防止機能を付与する反射防止膜として、可視光の波長よりも短いピッチの微細凹凸層を含む構成が知られている(例えば、国際公開第2016/031133号(以下において、特許文献1という。))。また、微細凹凸構造を備えない反射防止膜としては、低屈折率層と高屈折率層とを交互に積層してなる誘電体多層膜が知られている(例えば、特開2009−84143号公報(以下において、特許文献2という。))。
特許文献1には、基材上に低屈折率層と高屈折率層とを交互に積層してなる中間層(誘電体層)、アルミナの水和物を主成分とする微細凹凸層を順に備えた反射防止膜が開示されている。
特許文献2には、誘電体多層膜からなる反射防止膜が開示されており、反射防止膜を備えた透明基材に対して、ガラスの軟化温度または軟化点に近い温度での熱処理において光学的性質が変化するのを抑制する手法が提案されている。具体的には、ガラス基材に含まれるナトリウムイオンのようなアルカリイオンと接触して劣化しやすい層とガラス基材との間にアルカリイオンの拡散を遮蔽する遮蔽層を備えることが提案されている。
発明者らの鋭意研究により、特許文献1のようなアルミナの水和物を主成分とする微細凹凸層を備えた反射防止膜は、100℃を超えないような環境下において、経時により性能の低下が生じる場合があることが明らかになった。特許文献2には誘電体多層膜からなる反射防止膜において、ガラス基材の軟化温度に近い高温(例えば、550℃など)で熱処理した場合にナトリウムイオンの拡散が問題になることが記載されている。しかし、特許文献2に記載の反射防止膜は微細凹凸層を備えた構成ではなく、また、100℃を超えないような環境下における反射防止膜の耐久性の低下については論じられていない。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものである。本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、環境耐久性に優れた反射防止膜および光学部材を提供することにある。
本発明者らは、100℃を超えないような環境下におけるアルミナの水和物を主成分とする微細凹凸層を備えた反射防止膜の光学特性の劣化について検討を行った。その結果、湿度の低い環境下では85℃の温度にあっても劣化が生じず、他方、85℃、85%の温湿度では劣化が生じることを見出した。劣化した反射防止膜においては、炭酸ナトリウム(NaCO)の析出がアルミナ水和物中で観測された。このNaCOの析出により、微細凹凸層の屈折率に変化が生じ、反射率が変化したと推測される。NaCOは、ガラス基材中に含まれるNaが誘電体層を通過してアルミナ水和物中に拡散し、かつ、空気中の二酸化炭素と反応して析出されたと考えられる。また、Naイオンと水が存在すると、水酸化ナトリウム(NaOH)が生成される。アルミニウムは両性金属であるため、その水和物はNaOHに対して溶解性がある。このNaOHにより溶解が生じてアルミナ水和物の構造が変化し、その結果、屈折率分布が変化し、最終的に反射率が変化(増加)したと推測される。本開示は、以上の知見に基づいてなされたものである。
本開示の反射防止膜は、基材の一表面に設けられる反射防止膜であって、
基材側に配置される誘電体多層膜と、誘電体多層膜に積層して設けられたアルミナ水和物を主成分とする微細凹凸層とを備え、
誘電体多層膜が、相対的に高い屈折率を有する高屈折率層と相対的に低い屈折率を有する低屈折率層との交互層を含み、
誘電体多層膜が、高屈折率層および低屈折率層のうちの1層として窒化ケイ素を含むバリア層を含み、
バリア層の密度が2.7g/cm以上、かつ厚みが15nm以上150nm以下である。
ここで、「相対的に高い屈折率を有する」、「相対的に低い屈折率を有する」とは、高屈折率層と低屈折率層との相対的な関係をいうものであり、高屈折率層が低屈折率層よりも高い屈折率を有し、低屈折率層が高屈折率層よりも低い屈折率を有することを意味する。
本開示の反射防止膜においては、バリア層の密度が3.1g/cm以下であることが好ましい。
本開示の反射防止膜においては、バリア層の厚みが20nm以上であることが好ましい。
本開示の反射防止膜においては、バリア層の厚みが100nm以下であることが好ましい。
本開示の反射防止膜においては、バリア層が基材に隣接して設けられていてもよい。あるいは、基材に隣接して低屈折率層の1層が配置され、基材に隣接して配置された低屈折率層に隣接してバリア層が設けられていてもよい。
本開示の反射防止膜においては、バリア層が微細凹凸層に隣接して設けられていてもよい。あるいは、微細凹凸層に隣接して低屈折率層の1層が配置され、微細凹凸層に隣接して配置された低屈折率層に隣接してバリア層が設けられていてもよい。
本開示の反射防止膜においては、誘電体多層膜がバリア層を2層以上含んでいてもよい。
本開示の反射防止膜においては、バリア層が高屈折率層の1層として備えられており、
低屈折率層が酸窒化ケイ素からなるものであってもよい。
本開示の光学部材は、基材と、基材の一表面に備えられた本発明の反射防止膜とを備えている。
本開示の光学部材においては、基材の、波長500nmにおける屈折率が1.6以上であってもよい。
本発明の反射防止膜は、基材側に配置される誘電体多層膜と、誘電体多層膜に積層して設けられたアルミナ水和物を主成分とする微細凹凸層とを備えているので、非常に低い反射率、すなわち高い反射防止性能を実現することができる。誘電体多層膜が、高屈折率層および低屈折率層のうちの1層として窒化ケイ素からなるバリア層を含み、バリア層の密度が2.7g/cm以上、かつ厚みが15nm以上150nm以下であるので、本開示の反射防止膜は、優れた環境耐久性を実現している。
即ち、本開示の反射防止膜では、このようなバリア層を備えているので、例えば、ナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンを含む基材上に備えられた場合に、アルカリ金属イオンの微細凹凸層側への拡散を抑制することができる。従って、経時による微細凹凸層の屈折率変化、又は屈折率変化および構造変化を抑制することができる。
本発明の一実施形態の反射防止膜および光学部材を示す断面模式図である。 設計変更例1の反射防止膜を説明するための断面模式図である。 設計変更例2の反射防止膜を説明するための断面模式図である。 設計変更例3の反射防止膜を説明するための断面模式図である。 設計変更例4の反射防止膜を説明するための断面模式図である。 設計変更例5の反射防止膜を説明するための断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
図1は、本発明の実施形態に係る反射防止膜1を備えた光学部材10の概略構成を示す断面模式図である。図1に示すように、本実施形態の光学部材10は、基材12と、基材12の一表面に形成された反射防止膜1とを備えている。
反射防止膜1は、基材側に配置される誘電体多層膜20と、誘電体多層膜20に積層して設けられたアルミナ水和物を主成分とする微細凹凸層30とを備えている。
誘電体多層膜20は、相対的に高い屈折率を有する高屈折率層21と相対的に低い屈折率を有する低屈折率層22との交互層からなる。
誘電体多層膜20において、高屈折率層21と低屈折率層22とは、それぞれ2層以上備えていることが好ましい。高屈折率層21と低屈折率層22とは、交互に積層されていれば、最も基材12側は低屈折率層であっても高屈折率層であってもよい。より広い帯域において好ましい反射防止性能を得るためには、誘電体多層膜20は、5層以上から構成されていることが好ましい。また、成膜コストおよび成膜時間の観点から誘電体多層膜20は20層以下であることが好ましい。
高屈折率層21および低屈折率層22の屈折率は相対的に定められるものであるため、特に限定されないが、高屈折率層21の屈折率は1.6〜2.4程度であるのが好ましく、低屈折率層22の屈折率は1.3〜1.8程度であることが好ましい。高屈折率層21の屈折率は1.8以上であることがより好ましく、低屈折率層22の屈折率は1.7未満であることがより好ましい。また、隣接する高屈折率層と低屈折率層との屈折率差は0.4以上あることが好ましく、0.6以上であることがより好ましい。屈折率は特に断らない限り、波長500nmでエリプソメトリーによって測定される値である。
高屈折率層21同士は、同一の材料でなくてもよく、また、同一の屈折率でなくても構わないが、同一材料として同一屈折率とすれば、材料コストおよび成膜コストなどを抑制する観点から好ましい。同様に、低屈折率層22同士は、同一の材料でなくてもよく、また、同一の屈折率でなくても構わないが、同一材料として同一屈折率とすれば、材料コストおよび成膜コストなどを抑制する観点から好ましい。
高屈折率層21および低屈折率層22を構成する材料は、屈折率の条件を満たすものであれば、特に限定されない。これらは、反射防止したい光の波長に対して透明であれば、化学量論的組成(ストイキオメトリ)に限定されず、非化学量論的組成(ノンストイキオメトリ)も使用できる。屈折率などの光学特性、機械特性の調整および生産性を向上するなどのために不純物の導入も許容される。ここで、「透明」とは、光学部材において反射防止したい光(反射防止対象光)の波長に対して内部透過率が10%以上であることを意味する。
低屈折率層22の材料としては、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化ランタン、弗化ランタン、および弗化マグネシウム、並びに、これらの混合物が挙げられる。特には酸窒化ケイ素が好ましい。
高屈折率層21の材料としては、酸化ニオブ、酸化ケイ素ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、窒化ケイ素、酸化チタン、酸化ハフニウム、およびチタン酸ランタン、並びに、これらの混合物が挙げられる。
誘電体多層膜20の各層の成膜には、真空蒸着(特にはEB蒸着)、スパッタなどの物理的気相成膜法や各種の化学的気相成膜法(CVD)を用いることが好ましい。気相成膜によれば多様な屈折率、層厚の積層構造を容易に形成することができる。
そして、誘電体多層膜20は、高屈折率層21および低屈折率層22のうちの少なくとも1層として窒化ケイ素からなるバリア層25を含む。なお、このバリア層25の密度は2.7g/cm以上であり、かつ厚みが15nm以上150nm以下である。なお、バリア層25を構成する窒化ケイ素には不純物として酸素が含まれている。バリア層25は、少なくとも成膜時において、膜中の酸素原子数と窒素原子数の比を酸化率=酸素原子数/窒素原子数とした場合において、酸化率が20%以下である。
既述の通り、本発明者らは、基材として用いられる高屈折ガラスに含まれるNaなどのアルカリ金属が微細凹凸層の屈折率変化および構造変化の要因となっていることを見出した。そして、窒化ケイ素からなる膜が密度2.7g/cmかつ、厚み15nm以上であれば、85℃、85%の温湿度環境下で1000時間環境試験後における反射率の上昇を抑制することができることを見出している(後記実施例参照。)。なお、本明細書において湿度は全て相対湿度である。
本開示におけるバリア層の密度は、2.7g/cm以上である。バリア層の密度が2.7g/cm以上であることで、反射率の環境変化が小さく抑えられる。バリア層25の密度は3.1g/cm以下であることが好ましく、2.9g/cm以上であることがより好ましい。密度が3.1g/cm以下であれば、膜の応力により膜自体に剥離が生じるのを抑制することができ、好ましい。ここで、密度は、X線反射率法(X-Ray Reflectivity:XRR)により測定した値とする。
バリア層25の密度は成膜条件によって調整することが可能である。スパッタ成膜においては、スパッタ時の投入電力やチャンバ圧力および導入ガス種などを変えることによって、バリア層の組成および密度などの膜質を調整することができる。一般的にスパッタガスイオンの衝突エネルギーが大きいほど成膜された膜の密度が大きくなる。したがって、投入電力を上げる、あるいは基板−ターゲット間距離を近づけることなどにより衝突エネルギーを増加させることによって膜の密度を大きくすることができる。逆に、成膜圧力を上げる、投入電力を下げる、基板−ターゲット間距離を遠ざけることにより衝突エネルギーを低下させることによって、膜の密度を小さくすることができる。
また、本開示におけるバリア層の厚みは、15nm以上150nm以下の範囲である。
バリア層の厚みが15nm以上であることで、反射率の環境変化が小さく抑えられる。また、バリア層の厚みが150nm以下であることで、膜の応力を小さくでき、クラックの発生や膜の剥離を抑制できる利点がある。中でも、バリア層25の厚みは20nm以上であることが好ましく、また、100nm以下であることが好ましい。厚みは、任意の断面についてのSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)画像を取得し、取得画像中における平均厚みとする。
バリア層25は高屈折率層として備えられていてもよいし、低屈折率層として備えられていてもよい。バリア層25よりも低い屈折率を有する層をバリア層25に隣接して備えれば、バリア層25は高屈折率層として機能する。他方、バリア層25よりも高い屈折率を有する層をバリア層25に隣接して備えれば、バリア層25は低屈折率層として機能する。
基材12から拡散されたアルカリ金属が微細凹凸層30に到達しなければ、微細凹凸層30の屈折率変化および構造変化は生じず、反射防止性能の劣化は抑制される。したがって、バリア層25は、基材12と微細凹凸層30との間、すなわち誘電体多層膜20中であれば、どこに備えられていてもよい。
バリア層25は、アルカリ金属に対してのみならず、水蒸気や酸素の侵入をも抑制することができ、耐酸化性にも優れている。酸化の原因となる水蒸気や酸素は、表面および基材から反射防止膜中に侵入する。誘電体多層膜を構成する層に水や酸素によって酸化され易い層が用いられている場合、酸化により屈折率が変化してしまうことがあり、そのような屈折率変化によって、全体としての反射防止性能、すなわち反射率の変化を生じることがある。従って、水蒸気や酸素の誘電体多層膜内部への侵入を抑制するために微細凹凸層30の直下、あるいは、基材12直上にバリア層25を備えることが好ましい。窒化ケイ素のバリア層自体も酸化が進む場合もあるが、上記密度範囲のものを用いれば、85℃85%の環境下で100時間後の酸化率は20%以下であり、反射率変化を小さく抑制することができる。
特には、図1に示すように、バリア層25は誘電体多層膜20中において、最も基材12側に、基材12に隣接して備えられていることが好ましい。図2においては、バリア層25が高屈折率層21として備えられている形態が示されているが、バリア層25が低屈折率層22として、基材12に隣接して備えられていてもよい。また、バリア層25が高屈折率層21の一つとして備えられる場合には、図2に示すように、基材12に隣接して低屈折率層22を備え、その低屈折率層22に隣接して設けられることも好ましい。誘電体多層膜20中において、基材12に接して、もしくは基材12から二番目の層としてバリア層25を備えることにより、基材12側から誘電体多層膜20へ侵入する水分や酸素による光学特性の劣化を抑制することができる。
あるいは、図3に示すように、バリア層25は誘電体多層膜20中において、最も微細凹凸層30側に、微細凹凸層30に隣接して備えられていることが好ましい。図3においては、バリア層25が高屈折率層21として備えられている形態が示されているが、バリア層25が低屈折率層22として、微細凹凸層30に隣接して備えられていてもよい。また、バリア層25が高屈折率層21の一つとして備えられる場合には、図4に示すように、微細凹凸層30に隣接して低屈折率層22を備え、その低屈折率層22に隣接して設けられることも好ましい。誘電体多層膜20中において、微細凹凸層30に接してもしくは微細凹凸層30から二番目の層としてバリア層25を備えることにより、微細凹凸層30側から誘電体多層膜20へ侵入する水分や酸素による光学特性の劣化を抑制することができる。
バリア層25は誘電体多層膜20中に1層備えられていればよいが、図5に示すように、2層以上備えられていてもよい。
また、バリア層25が窒化ケイ素からなるため、製造の観点からは、高屈折率層21を窒化ケイ素膜とし、低屈折率層22を酸窒化ケイ素膜とすることが特に好ましい。反応性スパッタによる成膜で同一のシリコンターゲットを用い、ガス種を変更するのみで誘電多層膜を成膜することができるため、コスト低減の効果が見込まれる。また、同じシリコン系物質であるため、層間の密着性も良好なものとなる。高屈折率層21として窒化ケイ素膜を用いる場合、複数の窒化ケイ素膜のうち、1層がバリア層25であればよく、他の窒化ケイ素膜は、上記の密度および膜厚を満たしてない、バリア性を有していない膜であってもよい。
しかし、密度が低い、あるいは厚みが薄い窒化ケイ素膜は酸化されやすく、酸素や水分により酸化が進んでしまう場合があるため、高屈折率層21として用いられる窒化ケイ素膜はすべてがバリア機能を有するバリア層25であることが好ましい。あるいは、複数の高屈折率層21のうち、最も基材12側および最も微細凹凸層30側に配置される高屈折率層をバリア層25とすることが好ましい。
最も好ましいのは、図6に示すように、高屈折率層21が全てバリア層25であり、低屈折率層22がすべて酸窒化ケイ素膜26からなる構成である。図6に示す設計変更例の反射防止膜は、基材12上に窒化ケイ素からなるバリア層25を高屈折率層21とし、酸窒化ケイ素膜26を低屈折率層22として、バリア層25と酸窒化ケイ素膜26を交互に積層してなる誘電体多層膜20と、アルミナ水和物を主成分とする微細凹凸層30を備える。このような反射防止膜は、耐久性に優れ、長期信頼性に優れる。なお、図6においては、最も基材12側および微細凹凸層30側に隣接した低屈折率層22に隣接してバリア層25としての高屈折率層21を備えているが、最も基材12側は低屈折率層22であってもよい。また、最も微細凹凸層30側はバリア層25としての高屈折率層21であってもよい。
微細凹凸層30は、アルミナの水和物を主成分とする層である。ここで、「主成分」とは、微細凹凸層30に占めるアルミナの水和物の含有率が80質量%以上であることをいう。微細凹凸層30を構成するアルミナの水和物とは、アルミナ1水和物であるベーマイト(Al23・H2OあるいはAlOOHと表記される。)、アルミナ3水和物(水酸化アルミニウム)であるバイヤーライト(Al23・3H2OあるいはAl(OH)3と表記される。)などである。
微細凹凸層30は、透明であり、凸部の大きさ(頂角の大きさ)や向きはさまざまであるが概ね鋸歯状の断面を有している。反射防止性能を奏するために、微細凹凸層30における凸部間の距離は反射防止すべき光の波長よりも小さいことを要する。微細凹凸層30の凸部間の距離とは凹部を隔てた隣り合う凸部の頂点間の距離をいう。凸部間の距離は、数10nm〜数100nmのオーダーであることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることがさらに好ましい。平均的な凸部間の距離は、SEMで微細凹凸層の表面画像を撮影し、画像処理をして2値化し、統計的処理によって求めることができる。
微細凹凸層30の厚みは5nm〜1000nmであることが好ましく、20〜500nmであることがより好ましい。
アルミナの水和物からなる微細凹凸層30は、アルミニウムやアルミニウム合金の薄膜あるいはアルミナなどのアルミニウムを含む化合物の薄膜(以下において、アルミニウム含有層と総称する。)を形成し、温水処理することで得られる。ここで、温水処理は、60℃以上の温水に1分以上浸漬させる処理である。アルミニウム含有層は、スパッタ法、真空蒸着法もしくはゾルゲル法などにより形成することができる。特に、真空蒸着、プラズマスパッタ、電子サイクロトロンスパッタ、イオンプレーティングなどの気相成膜でアルミニウム膜を成膜後、温水処理することが好ましい。なお、温水処理には超純水を用いることが好ましい。ここで、超純水とは、電気伝導度が10MΩ・cm以上の純水である。
基材12は、例えば、平板、凹レンズ、凸レンズ、および、正または負の曲率を有する曲面と平面とが対向するレンズなど主として光学装置において用いられる光学素子である。基材12の材料としては、ガラスやプラスチックなどを用いることができる。本開示は、波長500nmの光に対して屈折率が1.6以上であるような基材(例えば、高屈折率ガラス)を用いる際に好適である。高屈折率ガラスにはTiOなどの金属酸化物が含まれており、これと同時にNaなどのアルカリ金属が不可避な不純物として含まれるためである。基材としては、通常は透明な基材を用いる。但し、本開示の反射防止膜の基材は、透明基材に限るものではなく、反射防止したい表面を有する基材であれば特に限定されない。
本実施形態のようにアルミナ水和物を主成分とする微細凹凸層と、誘電体多層膜とを組み合わせることで、誘電体多層膜のみからなる反射防止膜と比較して大幅に反射率を低減した超低反射膜を実現することができる。それ故に、Naの拡散はわずかであっても性能低下への影響が大きい。
本開示においてはNaの拡散を抑制するバリア層を基材と微細凹凸層との間に備えることにより、微細凹凸層側へのNaの拡散が抑制され、微細凹凸層の屈折率の変化および構造の変化が抑制されている。
以下、本開示の実施例および比較例を説明し、本開示の構成および効果についてより詳細に説明する。
[窒化ケイ素膜の密度とNa拡散長との関係]
FDS−90SG(HOYA社製)の基材上に5種類の異なる成膜条件でそれぞれ30nmの窒化ケイ素膜をスパッタ成膜し、各膜について、密度および拡散長を測定した。各膜をそれぞれSiN−A,SiN−B,SiN−C、SiN−DおよびSiN−Eとする。密度は拡散長測定のための環境試験前にXRRにより測定した。また、各膜について85℃、85%の温湿環境下で100時間環境試験を行った後、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)により膜表面から深さ方向にNaの測定を行い、基材表面からのNaが検出される深さ位置までの距離を拡散長とした。各膜についての、密度および拡散長を表1に示す。
Figure 0006918208

SiN−Aは、密度が2.7g/cm以上との要件を満たしておらず、バリア層ではない。表1に示すように、密度が2.7g/cm以上であるSiN−B、SiN−C、SiN−DおよびSiN−Eは、いずれも環境試験後のNa拡散長が10nm以下であり、Naの拡散の抑制効果があることが明らかである。また、密度が2.9g/cm以上であればNa拡散長を5nm以下に抑制できた。
次に、基材上に、比較例および実施例の反射防止膜を形成し、環境試験前後の反射率を測定し、耐久性を評価した。
後記の表2、表3および表4に比較例1〜3および実施例1〜30の反射防止膜の誘電多層膜の構成(上段は材料、下段は厚みを示す。)および評価結果をまとめて示す。誘電体多層膜はいずれも高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された8層、もしくは9層構造とした。表中において、便宜上、誘電体多層膜について、基材側から1層目、2層目…として、1、2、…の番号を付与している。
[作製方法]
誘電体多層膜を構成する各層のうち、窒化ケイ素(SiN)膜、酸窒化ケイ素(SiON)膜、および酸化ニオブ(Nb)膜、並びに微細凹凸層の前駆体であるアルミナ(Al)膜は、それぞれ反応性スパッタにより成膜した。誘電体多層膜を構成する層のうち、フッ化マグネシウム(MgF)膜は真空蒸着により成膜した。
なお、SiN膜は、SiN−A〜SiN−Eのいずれかの成膜条件で成膜し、表2〜4においては、採用した成膜条件に対応させてSiN−A〜SiN−Eと表記している。
FDS−90SG(HOYA製)基材上に、表2〜4に示されている組成および厚みからなる各層を順次成膜し、誘電体多層膜を形成した。
その後、100℃の沸騰水に1分間浸漬して温水処理を行い、アルミナ膜を水和化し、アルミナの水和物を主成分とする微細凹凸層とした。
以上の手順で各比較例および実施例の反射防止膜を作製した。
各実施例および比較例の反射防止膜について、波長400nm〜700nmの範囲の平均反射率測定を、85℃、85%の温湿環境下で1000時間の環境試験前後に行った。環境試験前後の反射率およびその差分、並びに評価結果を表2〜4に示す。また、差分Δに基づく評価を併せて示した。評価は以下の基準で行った。
A:反射率の差分が0.05以下である。
B:反射率の差分が0.05超、0.1以下である。
C:反射率の差分が0.1超、0.3以下である。
D:反射率の差分が0.3超、0.5以下である。
E:反射率の差分が0.5超である。
Figure 0006918208

[比較例1〜3]
比較例1〜3はバリア層を備えていない反射防止膜である。比較例1は、微細凹凸層と窒化ケイ素膜を備えない誘電体多層膜のみからなる反射防止膜である。比較例2は、微細凹凸層を備え、誘電体多層膜中に窒化ケイ素膜を有していない反射防止膜である。また、比較例3は、微細凹凸層を備え、誘電体多層膜中にSiN−Aの膜を備えた反射防止膜である。
比較例1および2から、微細凹凸層を備えることにより初期反射率を非常に小さいものとすることができることが分かる。一方で、環境試験前後での反射率の変化が比較例1では0.04%に過ぎなかったが、比較例2では0.92%も生じた。これは、微細凹凸層における屈折率および/または構造の変化によるものであることを示す結果といえる。
比較例3では、誘電体多層膜中に窒化ケイ素膜SiN−Aを備えているが、反射率の変化が大きく、バリア層として機能していないことが明らかである。
[実施例1〜5]
実施例1〜4は、SiN−B〜SiN−Eの1つをバリア層として、誘電体多層膜中の1層目として、すなわち基材に隣接する位置に備えた反射防止膜である。実施例1〜4におけるバリア層の厚みは21.5nmと共通とした。
実施例5は、SiN−Cからなるバリア層を、誘電体多層膜の7層目として、すなわち、微細凹凸層に隣接する低屈折率層に隣接する位置に配置した反射防止膜とした。
実施例1〜5はいずれも比較例2および比較例3と比べて、反射率変化が小さく、バリア層によるバリア機能が効いていることを示す結果が得られた。特に、密度が2.9g/cm以上であるSiN−C、SiN−D、SiN−Eを備えた実施例2〜5では、反射率変化が0.1%以下と非常に効果が高かった。実施例2、5では、バリア層の位置が異なるが、バリア層としてSiN−Cを備えている。実施例2、5はいずれも非常に反射率変化が小さく、バリア層の位置に寄らず同様の効果が得られることが明らかである。
[実施例6〜9]
実施例6〜9は、SiN−Bからなるバリア層を、誘電体多層膜中の基材に隣接する位置に備えた反射防止膜であり、それぞれバリア層の厚みを15nm、20nm、100nmおよび150nmとした。
実施例6〜9の結果によれば、SiN−Bからなるバリア層については、膜厚が大きいほど反射率変化の抑制効果が高かった。
Figure 0006918208

[実施例10〜13]
実施例10〜13は、SiN−Cからなるバリア層を、誘電体多層膜中の基材に隣接する位置に備えた反射防止膜であり、それぞれバリア層の厚みを15nm、20nm、100nmおよび150nmとした。
実施例10〜13の結果によれば、SiN−Cからなるバリア層については、厚みに拘わらず反射率変化が0.1%未満であり非常に高い耐久性が得られた。
[実施例14〜17]
実施例14〜17は、SiN−Dからなるバリア層を、誘電体多層膜中の基材に隣接する位置に備えた反射防止膜であり、それぞれバリア層の厚みを15nm、20nm、100nmおよび150nmとした。
実施例14〜17の結果によれば、SiN−Dからなるバリア層については、SiN−Cの場合と同様の傾向が得られた。すなわち、厚みに拘わらず反射率変化が0.1%未満であり非常に高い耐久性が得られた。
[実施例18〜21]
実施例18〜21は、SiN−Eからなるバリア層を、誘電体多層膜中の基材に隣接する位置に備えた反射防止膜であり、それぞれバリア層の厚みを15nm、20nm、100nmおよび150nmとした。
実施例18〜21の結果によれば、SiN−Eからなるバリア層については、厚みが15nm、20nmで、反射率変化が0.1%未満の高い耐久性が得られた。バリア層の厚みが100nm、150nmの場合にも反射率の変化は0.3%以下であった。これは、SiN―Eの密度が高く、また膜厚が厚い場合、膜の応力が強くクッラクが生じてバリア性能が低下したためと推定される。
Figure 0006918208

[実施例22、23]
実施例22、23は、誘電体多層膜の基材に隣接する位置にSiN−Cからなるバリア層を備え、かつ、誘電体多層膜中の5層目にバリア層ではない窒化ケイ素膜を備えた反射防止膜とした。実施例23においては、さらに7層目にSiN−Cからなるバリア層を備えた。
[実施例24、25]
実施例24、25は、誘電体多層膜の基材に隣接する位置にSiN−Cからなるバリア層を備え、かつ、誘電体多層膜中の7層目として、すなわち、微細凹凸層に隣接する低屈折率層に隣接する位置にSiN−Bからなるバリア層を備えた反射防止膜とした。なお、実施例24と実施例25とではSiN−Bの厚みが異なる。
[実施例26]
実施例26は、実施例25において、7層目のバリア層をSiN−Cとした反射防止膜である。
[実施例27]
実施例27は、誘電体多層膜中の高屈折率層をすべてSiN−Cからなるバリア層とし、低屈折率層をすべてSiON膜とした反射防止膜である。
[実施例28]
実施例28は、実施例27において、低屈折率層をすべてMgFとした反射防止膜である。
[実施例29、30]
実施例29および実施例30は、誘電体多層膜中の高屈折率層をすべてSiN−Cからなるバリア層とし、低屈折率層をすべてSiON膜とし、誘電体多層膜を9層構造とした反射防止膜である。実施例29は、誘電体多層膜の最も基材側が低屈折率層であり、実施例30は、誘電体多層膜の最も基材側高屈折率層である。
誘電体層中において、SiN−Cからなるバリア層を、最も基材側および微細凹凸層から低屈折率層を挟んだ位置に備えた実施例23、26〜30では、反射率変化が0.1%以下であり非常に高い耐久性が得られた。
[窒化ケイ素膜の酸化率]
実施例22、23の5層目のSiN−A、実施例24、25の7層目のSiN−Bおよび実施例26の7層目のSiN−Cの各窒化ケイ素膜について酸化率を測定した。
各膜について、85℃、85%の温室環境下で100時間の環境試験を行った。その環境試験の前後において、X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy :XPS)により深さ方向の元素分析を行い、酸化率を測定した。各窒化ケイ素膜中の酸素原子数と窒素原子数の比を酸化率=酸素原子数/窒素原子数として求めた。なお、酸素原子数、窒素原子数とは、深さ方向の測定結果を積算した膜全体の原子数である。
Figure 0006918208

実施例23では、5層目のSiN−Aは1層目のSiN−Cおよび7層目のSiN−Cによって水および酸素の侵入が抑制されているために、環境試験前後において酸化率変化も抑制されていると考えられる。他方、実施例22は、SiN−Aの微細凹凸層側に、バリア層を備えていないため、微細凹凸層側からの水および酸素の侵入を防止できず、酸化が進んだと思われる。そして、表4の反射率の変化について、実施例22が実施例23と比較して大きいのは、SiN−Aの酸化の影響によると推測される。
実施例24と実施例25とでは、SiN−Bの厚みが異なり、厚みが厚いほど、酸化率の増加を抑制できることが分かった。また、実施例25、26の結果から、膜の密度が大きいSiN−Cの方が、SiN−Bよりも酸化率を抑制することができていることが分かる。
なお、100時間の環境試験後において、7層目の窒化ケイ素膜の酸化率が20%以下である実施例25および実施例26では、表4に示す反射率の変化が0.1%以下であり、非常に高い耐久性が得られていることが分かる。また、さらには酸化率が15%以下である実施例26の反射防止膜では、反射率の変化が0.02%と特に高い耐久性が得られた。
[密着性の評価]
実施例27および実施例28について、別途誘電体多層膜までのサンプルを形成し、環境試験後、表面に粘着テープを貼付し、引き剥がす密着性の試験を行った。
密着性試験の結果、実施例28に対応するサンプルではテープ剥離が見られ、実施例27に対応するサンプルではテープ剥離は見られなかった。これは、実施例27の反射防止膜は実施例28と比較して層間の密着性が高いことを示す。実施例27の反射防止膜は、高屈折率層はSiN膜、低屈折率層はSiON膜から形成されており、誘電体多層膜を構成するすべての層がシリコン系物質であるため、誘電体多層膜の各層の密着性が良好であると推測される。
2018年3月29日に出願された日本出願特願2018−063900の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (12)

  1. 基材の一表面に設けられる反射防止膜であって、
    前記基材側に配置される誘電体多層膜と、該誘電体多層膜に積層して設けられたアルミナ水和物を主成分とする微細凹凸層とを備え、
    前記誘電体多層膜が、相対的に高い屈折率を有する高屈折率層と相対的に低い屈折率を有する低屈折率層との交互層を含み、
    前記誘電体多層膜が、前記高屈折率層および前記低屈折率層のうちの1層として窒化ケイ素を含むバリア層を含み、
    前記バリア層の密度が2.7g/cm以上、かつ厚みが15nm以上150nm以下である反射防止膜。
  2. 前記バリア層の密度が3.1g/cm以下である請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 前記バリア層の厚みが20nm以上である請求項1または請求項2に記載の反射防止膜。
  4. 前記バリア層の厚みが100nm以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  5. 前記バリア層が前記基材に隣接して設けられている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  6. 前記基材に隣接して前記低屈折率層の1層が配置され、該基材に隣接して配置された低屈折率層に隣接して前記バリア層が設けられている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  7. 前記バリア層が前記微細凹凸層に隣接して設けられている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  8. 前記微細凹凸層に隣接して前記低屈折率層の1層が配置され、該微細凹凸層に隣接して配置された低屈折率層に隣接して前記バリア層が設けられている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  9. 前記誘電体多層膜が前記バリア層を2層以上含む請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  10. 前記バリア層が前記高屈折率層の1層として備えられており、
    前記低屈折率層が酸窒化ケイ素からなる請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  11. 基材と、該基材の一表面に備えられた請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の反射防止膜とを備えた光学部材。
  12. 前記基材の、波長500nmにおける屈折率が1.6以上である請求項11に記載の光学部材。
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