JP6445129B2 - 反射防止膜および光学部材 - Google Patents

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Description

本発明は、凹凸構造体層を含む反射防止膜および光学部材に関するものである。
従来、ガラス、プラスチックなどの透光性部材を用いたレンズ(透明基材)においては、表面反射による透過光の損失を低減するために光入射面に反射防止膜が設けられている。
例えば、可視光に対する反射防止膜として、誘電体多層膜や、可視光の波長よりも短いピッチの微細凹凸層などが知られている(特許文献1〜3など)。
一般に、微細凹凸層を構成する材料と透明基材の屈折率は異なる。従って、透明基材の反射防止に利用する場合には、凹凸層透明基材との間の屈折率段差を整合させる手段が必要となることが知られている。
特許文献1には、基材上に透明薄膜層(中間層)を介してアルミナをベーマイト化して得られた微細な凹凸層が形成された構成が開示されている。
また、特許文献2には、基材とアルミナをベーマイト化して得られた微細な凹凸層との間の中間層として、凹凸層と基材との中間の屈折率を持つ整合層を2層、具体的には、基材の屈折率>第1の整合層の屈折率>第2の整合層の屈折率>凹凸層の屈折率の関係の第1および第2の整合層を、基材側から第1の整合層、第2の整合層の順に配置した構成が開示されている。
さらに、特許文献3には5層構造の中間層を有する構成が開示されており、400nm〜850nmの波長帯域において、入射角度0度において0.4%以下の反射率が得られている。
特開2005−275372号公報 特開2013−47780号公報 特開2015−4919号公報
本発明者らは、凹凸構造体層を備えた反射防止構造について、より厳密に検討していくうちに、アルミナ(Al)膜をベーマイト化して得られたアルミナの水和物からなる凹凸構造体層を反射防止構造に備えると、わずかながら無視できないレベルの散乱光が生じ、レンズ等の製品において、その反射防止膜形成面の曇りとして認識されることで光学素子の品位に大きな影響を与える場合があるという問題点を見出た。そして、アルミナ膜に代えて、アルミニウム(Al)膜をベーマイト化して得られた凹凸構造は、アルミナ膜から作製された凹凸構造よりも散乱光を抑制することができることを見出し、散乱光を抑制可能な凹凸構造体層を備えた反射防止膜を提案している(特願2014−196274号:本出願時未公開)。また、散乱光の抑制には凹凸構造の空間周波数ピーク値が6.0μm−1以上であることが好ましいことを明らかにしている。
一方で、さらなる検討の結果、従来のアルミナ膜をベーマイト化して得られた凹凸構造体層においては、450nm以上に亘る広い帯域幅において反射率0.4%以下の反射防止特性を達成していたのに対して、アルミニウム(Al)膜をベーマイト化して得られた凹凸構造体層を備えた場合には、反射率0.4%以下を満たす帯域幅が狭くなっていることが明らかになってきた。以下に、具体的な例を挙げて詳細に説明する。
まず、従来のアルミナ膜をベーマイト化することにより得られる凹凸構造体層を備えた反射防止膜として、S−LAH55V(オハラ社製)からなる平板ガラス上に屈折率1.547のシリコン酸窒化物(SiON)を膜厚85nm積層した後にアルミナを膜厚65nm成膜し、100℃の温水に3分間浸漬することによって反射防止膜を作製した。この場合の散乱光量は16.6であり、凹凸構造の空間周波数ピーク値を調べると5.8μm−1であった。この反射防止膜について反射率の波長依存性を測定した結果を図16に示す。
一方、アルミニウム膜をベーマイト化することにより得られる凹凸構造体層を備えた反射防止膜として、S−LAH55V(オハラ社製)からなる平板ガラス上に屈折率1.537のSiONを膜厚110nm積層した後にアルミニウムを50nm成膜し、100℃の温水に3分間浸漬することによって反射防止膜を作製した。この場合、散乱光量は7.3であり、凹凸構造の空間周波数ピーク値は6.5μm−1であった。この反射防止膜について反射率の波長依存性を測定した結果を図17に示す。
ここで、空間周波数ピーク値は次のように求めた。走査型電子顕微鏡S-4100(日立)で撮像した顕微鏡画像(倍率3万倍、加速電圧7.0 kV)を600×400ピクセルに切り出し、画像処理ソフトIgorを用いて二次元フーリエ変換を施した。得られた二次元の空間周波数の二乗強度スペクトルを方位角方向に積算し、空間周波数の大きさに対応するスペクトルの強度を求めることで一次元の空間周波数とスペクトル強度の関係を算出した。そして、画像処理ソフトIgorを用いて、頂点近傍をローレンツ関数でフィッティングすることで最大強度を取る空間周波数値を空間周波数ピーク値として求めた。
また、散乱光量の測定は、図18に示す散乱光強度測定方法に示すように、ハロゲン光源(LA−150FBU:林時計工業社製)11から射出された光をコア径600μmの光ファイバー12で導光した後、レンズ(焦点距離f=50mm)13でコリメートし、レンズ(焦点距離f=200mm)14により試料Sで示す光学部材の凹凸構造体層の表面に対し、入射角45°で集光する。焦点距離f=8mm、F値1.4のカメラレンズを装着したCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ(ARTCAM−900MI:アートレイ社製)15でグローバルゲイン64、シャッタースピード値2400として試料表面を撮影した。128×128ピクセルの集光領域のピクセル値のバックグラウンドを差し引いた平均値を散乱光量値とした。
反射率の波長依存性は、後記の実施例に記載の方法で測定した。
アルミナ膜から形成した凹凸構造体層は、アルミニウム膜から形成した凹凸構造体層に比べて散乱光量は大きくなるが、図16に示すように、波長400nm〜800nmの広い範囲に亘って、0.2%以下の反射率が得られ、測定した波長380nm〜800nmの全域に亘って0.4%以下の反射率と良好な反射防止性能を示している。一方、アルミニウム膜から形成した凹凸構造体層は、散乱光量は抑制されているが、図17に示すように、0.4%以下の反射率が得られたのは、波長430nm〜660nmの230nmの波長帯域幅に過ぎなかった。実用化にあたっては、散乱光を抑制すると共に、広い入射角度に対して低い反射率を維持するために、反射率0.4%以下を450nm以上の帯域幅に亘って満たし、かつ、高い耐久性を有する反射防止膜が望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、散乱光を抑制し、450nm以上の帯域幅に亘って、良好な反射防止性能を維持し、さらに高い耐久性を有する反射防止膜および反射防止膜を備えた光学部材を提供することを目的とするものである。
本発明の第1の反射防止膜は、基材の表面に設けられる反射防止膜であって、
反射防止すべき光の波長よりも小さい凸部間距離の凹凸構造を有する、アルミナの水和物を主成分とする凹凸構造体層と、凹凸構造体層と基材との間に配される中間層とからなり、
凹凸構造体層は、凹凸構造の空間周波数ピーク値が6.5μm−1以上であり、膜厚が250nm以上であり、
中間層は、凹凸構造体層側から基材側へ、少なくとも第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層および第8層をこの順に含む複数層からなり、
第1層は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が2nm以上20nm以下であり、
第2層は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下であり、
第3層は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が10nm以上200nm以下であり、
第4層は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下であり、
第5層は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が10nm以上200nm以下であり、
第6層は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下であり、
第7層は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が10nm以上200nm以下であり、
第8層は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下である反射防止膜である。
ここで、凹凸構造の空間周波数ピーク値とは、凹凸構造の空間周波数の強度分布(スペクトル)を求めた場合の最大強度を示す空間周波数の値をいう。空間周波数の強度分布の求め方は既述の通りである
本発明の第2の反射防止膜は、基材の表面に設けられる反射防止膜であって、
反射防止すべき光の波長よりも小さい凸部間距離の凹凸構造を有する、アルミナの水和物を主成分とする凹凸構造体層と、凹凸構造体層と基材との間に配される中間層とからなり、
凹凸構造体層は、アルミニウム膜を温水処理して得られたものであって、膜厚が250nm以上であり、
中間層は、凹凸構造側から基材側へ、少なくとも第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層および第8層をこの順に含む複数層からなり、
第1層は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が2nm以上20nm以下であり、
第2層は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下であり、
第3層は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が10nm以上200nm以下であり、
第4層は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下であり、
第5層は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が10nm以上200nm以下であり、
第6層は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下であり、
第7層は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が10nm以上200nm以下であり、
第8層は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下である反射防止膜である。
本明細書において「主成分」とは、全成分のうちの90質量%以上を占める成分をいうものとする。また、屈折率は波長540nmの光に対する値と定義する。
本発明の反射防止膜は、中間層において、第8層の基材側に、さらに第9層を備えてもよく、この場合、第9層は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が10nm以上200nm以下であることが好ましい。
本発明の反射防止膜は、中間層において、第9層の基材側に、さらに第10層を備えてもよく、この場合、第10層は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下であることが好ましい。
第1層が、シリコン酸化物またはシリコン酸窒化物からなることが好ましい。
第2層が、ニオブ酸化物からなることが好ましい。
中間層を構成する複数層のうち奇数層は同一の材料で形成されていることが好ましい。奇数層とは、第1層、第3層、第5層など凹凸構造体層側から奇数番目に積層されている層をいう。
中間層を構成する複数層のうち偶数層は同一の材料で形成されていることが好ましい。偶数層とは、第2層、第4層、第6層など凹凸構造体層側から偶数番目に積層されている層をいう。
本発明の光学部材は、上記反射防止膜と、その反射防止膜が表面に形成されてなる透明基材とを備えてなる。
透明基材の屈折率は1.73以上であることが好ましい。
本発明の第1の反射防止膜は、反射防止すべき光の波長よりも小さい凸部間距離の凹凸構造を有する、アルミナの水和物を主成分とする凹凸構造体層と、凹凸構造体層と基材との間に配される中間層とからなり、凹凸構造体層は、凹凸構造の空間周波数ピーク値が6.5μm−1以上であり、膜厚が250nm以上であるので、散乱光強度を従来と比較して抑制することができると共に、高い耐久性を有する。また、中間層が、凹凸構造体層側から基材側へ、少なくとも第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層および第8層をこの順に含む複数層からなり、各層について上記規定の屈折率および膜厚を有しているので、上記の凹凸構造体層と組み合わせた場合に、幅広い帯域に亘って良好な反射防止性能を得ることができる。
本発明の第2の反射防止膜は、反射防止すべき光の波長よりも小さい凸部間距離の凹凸構造を有する、アルミナの水和物を主成分とする凹凸構造体層と、凹凸構造体層と基材との間に配される中間層とからなり、凹凸構造体層は、アルミニウム膜を温水処理して得られた、膜厚が250nm以上の層であるので、散乱光強度を従来と比較して抑制することができると共に、高い耐久性を有する。また、中間層が、凹凸構造体層側から基材側へ、少なくとも第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層および第8層をこの順に含む複数層からなり、各層について上記規定の屈折率および膜厚を有しているので、上記の凹凸構造体層と組み合わせた場合に、幅広い帯域に亘って良好な反射防止性能を得ることができる。
本発明の実施形態に係る光学部材の概略構成を示す断面模式図である。 凹凸構造体層の膜厚の測定方法を説明するための図である。 実施例1の光学部材の屈折率分布を示す図である。 実施例1の光学部材の反射率波長依存性を示す図である。 実施例2の光学部材の屈折率分布を示す図である。 実施例2の光学部材の反射率波長依存性を示す図である。 実施例3の光学部材の屈折率分布を示す図である。 実施例3の光学部材の反射率波長依存性を示す図である。 実施例4の光学部材の屈折率分布を示す図である。 実施例4の光学部材の反射率波長依存性を示す図である。 実施例5の光学部材の屈折率分布を示す図である。 実施例5の光学部材の反射率波長依存性を示す図である。 実施例6の光学部材の屈折率分布を示す図である。 実施例6の光学部材の反射率波長依存性を示す図である。 比較例1の光学部材の屈折率分布を示す図である。 比較例1の光学部材の反射率波長依存性を示す図である。 比較例2の光学部材の屈折率分布を示す図である。 比較例2の光学部材の反射率波長依存性を示す図である。 参考例1の光学部材の屈折率分布を示す図である。 参考例1の光学部材の反射率波長依存性を示す図である。 比較例3の光学部材の屈折率分布を示す図である。 比較例3の光学部材の反射率波長依存性を示す図である。 比較例4の光学部材の屈折率分布を示す図である。 比較例4の光学部材の反射率波長依存性を示す図である。 比較例5の光学部材の屈折率分布を示す図である。 比較例5の光学部材の反射率波長依存性を示す図である。 実施例1の耐久試験前後の反射率波長依存性を示す図である。 比較例5の耐久試験前後の反射率波長依存性を示す図である。 アルミナ膜をベーマイト化して得られた凹凸構造体層を備えた反射防止膜の反射率依存性を示す図である。 アルミニウム膜をベーマイト化して得られた凹凸構造体層を備えた反射防止膜の反射率依存性を示す図である。 散乱光測定方法の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1Aは、本発明の実施形態に係る反射防止膜を備えた光学部材1の概略構成を示す断面模式図である。図1Aに示すように、本実施形態の光学部材1は、透明基材2と、透明基材2の表面に形成された反射防止膜3とを備えている。反射防止膜3は、反射防止すべき光の波長よりも小さい凸部間距離の凹凸構造を有する、アルミナの水和物を主成分とする凹凸構造体層10と、凹凸構造体層10と透明基材2との間に配された中間層5とからなる。反射すべき光は、用途によって異なるが、一般的には可視光領域の光であり、必要に応じて赤外線領域の光の場合もある。本実施形態においては、主として可視光領域(400nm〜750nm)の光を対象とする。
透明基材2の形状は特に限定なく、平板、凹レンズ、凸レンズなど主として光学装置において用いられる光学素子であり、正または負の曲率を有する曲面と平面の組合せで構成された基材であってもよい。透明基材2の材料としては、ガラスやプラスチックなどを用いることができる。ここで、「透明」とは、光学部材において反射防止したい光(反射防止対象光)の波長に対して透明である(内部透過率が概ね10%以上)であることを意味する。
透明基材2の屈折率nとしては、1.73以上のものが好ましい。これを満たす材料としては、具体的には、FDS90(HOYA社製)やS−LAL18、YGH51、S−LAL61、S−LAL59、S−LAH51、S−LAH55V、L−BBH1(いずれもオハラ社製)のほか、MR174(三井化学社製)などが挙げられる。
凹凸構造体層10は、凹凸構造の空間周波数ピーク値が6.5μm−1よりも大きいものであり、膜厚が250nm以上である。凹凸構造体層10を構成するアルミナの水和物とは、アルミナ1水和物であるベーマイト(Al23・H2OあるいはAlOOHと表記される。)、アルミナ3水和物(水酸化アルミニウム)であるバイヤーライト(Al23・3H2OあるいはAl(OH)3と表記される。)などである。
凹凸構造体層10は、透明であり、凸部の大きさ(頂角の大きさ)や向きはさまざまであるが概ね鋸歯状の断面を有している。この凹凸構造体層10の凸部間の距離とは凹部を隔てた最隣接凸部の頂点同士の距離である。その平均距離は反射防止すべき光の波長以下であり、数10nm〜数100nmオーダーである。150nm以下であることが好ましく、100nm以下がより好ましい。凹凸構造体層10は、空気層と接する表面側で最も空隙が大きく疎となり、空気層と接する表面側から基材側に向けて厚み方向に屈折率1.0から徐々に大きくなる領域を有するものである。
凸部間の平均的な距離は、SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)で凹凸構造の表面画像を撮影し、画像処理をして2値化し、統計的処理によって求めるものとする。
凹凸構造体層10の凹凸構造はランダムな形状であるが、光の波長程度の長波長の揺らぎが存在すると散乱光の発生原因となることを本発明者らは見出した。微細な凹凸構造の長波長の揺らぎの程度は、構造パターンのフーリエ変換から見積もることができる。凹凸構造パターンを上面から観察した電子顕微鏡画像を離散フーリエ変換することで空間周波数の強度スペクトルを計算することができ、その強度ピークを取る空間周波数値(空間周波数ピーク値)は構造サイズの目安を与えるものである。既述の特願2014−196274号において、発明者らはこの空間周波数ピーク値が高周波数側にあるほど散乱光強度が小さくなることを見出した。そして、凹凸構造の空間周波数が6.5μm−1より大きいものであれば、散乱光の発生を効果的に抑制することができることを見出している。
アルミナの水和物からなる凹凸構造体層は、一般に、アルミニウムを含む化合物、特にはアルミナの薄膜を形成し、温水処理を行うことで得られることが知られている。凹凸構造の有する空間周波数のピークは、アルミナの水和物であるベーマイトの自己組織化のプロセスに依存すると考えられるが、本発明者らの検討によると温水処理時間、温水処理水の温度、温水処理水のpHなどをはじめとする温水処理の条件変更を行っても空間周波数のピークに大きな変化はなかった。一方で、凹凸構造体層の前駆体となる材料として、従来のアルミナに代えて、アルミニウムを用いることにより、空間周波数のピークを高周波側にシフトできることを見出した。
空間周波数ピーク値が6.5μm−1である凹凸構造体層10は、その前駆体としてアルミニウム膜を形成し、アルミニウム膜を70℃以上の温水で1分以上浸漬させて温水処理することで得ることができる。特に、真空蒸着、プラズマスパッタ、電子サイクロトロンスパッタ、イオンプレーティングなどの気相成膜でアルミニウム膜を成膜後、温水処理を行うことが好ましい。なお、温水処理液の電気伝導度は、温水処理槽の汚染や空気中のガスの吸収、添加剤の添加などの要因で変化するが、温水処理の処理原料液として、水温25℃における電気抵抗率が12MΩ・cm以上の超純水を用いることが好ましい。
また、凹凸構造体層10の膜厚は、中間層との界面位置から凸部先端までと定義し、試料の断面の電子顕微鏡像から測定する。
具体的な膜厚の測定方法について図1Bを参照して説明する。図1Bは、後記の比較例1の反射防止膜について、断面を走査型電子顕微鏡S−4100(日立)で撮像した5万倍の倍率の電子顕微鏡画像である。
中間層は積層面に沿った面内方向(図1Bの画像中左右方向)に構造を持たず、凹凸構造体層は面内方向に構造を持つので、試料の断面電子顕微鏡画像のうち面内方向に構造を持つ領域と持たない領域の境界を中間層と凹凸構造体層との界面として定義する。次に、中間層と凹凸構造体層との界面を表す直線Liと平行な直線のうち、凹凸構造体層が存在する領域を通り、かつ、直線Liと最も距離が大きくなるような直線を凹凸構造体層の凸部先端を通る直線Lと定義する。このときの2つの平行な直線LiとLの間の距離dを凹凸構造体層の膜厚と定義する。凹凸構造体層の膜厚の測定に用いる電子顕微鏡像としては、撮像範囲は少なくとも面内方向に1μm以上の領域にわたり撮像されていることを要する。
膜厚を250nm以上とすることにより、高い耐久性を有する反射防止膜を構成できることを本発明者らは見出している(後記実施例参照。)。膜厚は280nm以上がより好ましく、300nm以上がさらに好ましい。
従来知られているアルミナの水和物からなる凹凸構造体層は、厚み方向に、基材から離れるほどに屈折率が単調に減少して小さくなり、1に近づく屈折率プロファイルを有するものであった。しかしながら、本発明において用いられるアルミニウムを温水処理して得られた凹凸構造体層は、空間周波数ピーク値が6.5μm−1より大きい凹凸構造を有し、凹凸構造体層の膜厚方向の中心から中間層との界面との間で最大屈折率を示す(後記実施例1等参照)。
より詳細には、本実施形態の凹凸構造体層の膜厚方向の屈折率は、表面(空気層)側から徐々に大きくなり、膜厚方向の中心から中間層との界面との間で最大ピークを示し、界面に向けて屈折率が最大ピークよりも1割以上小さくなるプロファイルを示している。
中間層5は、図1Aのaに示すように、凹凸構造体層10側から基材2側へ、少なくとも第1層51、第2層52、第3層53、第4層54、第5層55、第6層56、第7層57および第8層58をこの順に含む複数層からなる。このとき、第1層51は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が2nm以上20nm以下であり、第2層52は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下であり、第3層53は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が10nm以上200nm以下であり、第4層54は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下であり、第5層55は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が10nm以上200nm以下であり、第6層56は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下であり、第7層57は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が10nm以上200nm以下であり、第8層58は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下である。
中間層5は、少なくとも上記のような第1層51から第8層58を含む8層以上の積層構造からなり、図1Aのbに示すように、第9層59を備えてもよいし、図1Aのcに示すように第9層59および第10層60をさらに備えていても良い。ここで、第9層59は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が10nm以上200nm以下であり、第10層60は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下である。
なお、中間層5は11層以上含んでいてもよく、その場合、第11層以降においても、1.42以上1.7未満の屈折率を有する層(以下において「低屈折率層」と称する場合がある。)と1.7以上2.7以下の屈折率を有する層(以下において「高屈折率層」と称する場合がある。)とが交互となるように配置すればよい。
1.42以上1.7未満の屈折率を有する奇数層同士は、同一の屈折率でなくても構わないが、同一材料、同一屈折率とすれば、材料コスト、成膜コスト等を抑制する観点から好ましい。同様に、1.7以上2.7以下の屈折率を有する偶数層同士は、同一の屈折率でなくても構わないが、同一材料、同一屈折率とすれば、材料コスト、成膜コスト等を抑制する観点から好ましい。
低屈折率を有する材料としては、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物、ガリウム酸化物、アルミニウム酸化物、ランタン酸化物、ランタンフッ化物、マグネシウムフッ化物などが挙げられる。
高屈折率を有する材料としては、ニオブ酸化物(Nb25、n=2.361)、チタン酸化物(TiO、n=2.659)、ジルコニウム酸化物(ZrO、n=2.167)、タンタル酸化物(Ta、n=2.161)、シリコン酸窒化物(SiON、n=1.7〜1.986)、シリコン窒化物(SiN、n=1.986)およびシリコンニオブ酸化物(NbSiO、n=1.7〜2.361)等が挙げられる。
第1層51は、シリコン酸化物(特には、二酸化ケイ素SiO)またはシリコン酸窒化物(SiON)であることが望ましい。SiONは、組成比を適宜設定することにより、屈折率1.42以上1.7未満を満たすものとすることができる。またシリコンニオブ酸化物(NbSiO)を用いてもよい。NbSiOも組成比を適宜設定することによりn=1.42〜1.7未満を満たすものとすることができる。
また、第2層52は、ニオブ酸化物(特には、五酸化ニオブNb)であることが望ましい。
中間層5の各層の成膜においても、真空蒸着、プラズマスパッタ、電子サイクロトロンスパッタ、イオンプレーティングなどの気相成膜法を用いることが好ましい。気相成膜によれば多様な屈折率、層厚の積層構造を容易に形成することができる。
上記実施形態においては、透明基材2の表面に反射防止膜3を形成した光学部材1について述べたが、本発明の反射防止膜は、光の反射を防止すべき面を有するいかなる部材にも形成して用いることができる。例えば、入射光の9割超を吸収するような吸収体の表面に設けて、反射防止して吸収性能を向上させるなども考えられる。
以下、本発明の実施例および比較例を説明すると共に、本発明の構成および効果についてより詳細に説明する。
[実施例1]
基材FDS90(HOYA社製)上に、中間層の低屈折率層としてシリコン酸窒化物、高屈折率層としてニオブ酸化物層を交互に4層ずつ積層し、第1層のシリコン酸化物層の上に膜厚50nmのアルミニウム薄膜を形成した。すなわち、中間層として第1層から第8層を備えた。
その後、100℃に加熱した温水に3分間浸漬し温水処理を行うことにより、アルミナの水和物を主成分とする透明な凹凸構造を有する凹凸構造体層を作製して、実施例1の反射防止膜を備えた光学部材を得た。本実施例1の基材から凹凸構造体層までの層構成は下記表1に示す通りである。なお、表1において、中間層の各層の屈折率および膜厚は、設計値であり、予め取得した、ターゲット組成、スパッタ時のガス流量などのスパッタ条件と屈折率との関係、および成膜厚みとスパッタ時間との関係から、表に記載の屈折率および膜厚となるスパッタ条件およびスパッタ時間を設定して成膜したものである。以降の実施例および比較例においても同様とする。なお、膜厚は全て物理膜厚である。
また、凹凸構造体層の膜厚は走査型電子顕微鏡S-4100(日立)で撮像した5万倍の倍率の電子顕微鏡画像から既述の方法に従って求めた。
本実施例1において凹凸構造体層の膜厚は310nmであった。なお、以下の実施例および比較例において、本実施例1と同様に50nmの膜厚のアルミニウム薄膜を温水処理して得た凹凸構造体層についてはいずれも同等の膜厚と看做した。
ここで、シリコン酸窒化物およびニオブ酸化物は反応性スパッタリングにより、アルミニウム膜はRF(radio frequency)スパッタリングにより成膜した。温水処理液としては、電気抵抗率12MΩ・cmの純水を用いた。温水処理液の電気抵抗率は水温25℃時に、電気抵抗率計HE-200R(HORIBA)にて測定した。
Figure 0006445129
実施例1の反射防止膜の厚み方向における屈折率分布を図2Aに示す。図2Aにおいて、屈折率1の部分は空気、横軸180nm〜490nmの範囲が凹凸構造体層であり、横軸180nmが凹凸構造体層の表面、490nmが凹凸構造体層の基材側の面(中間層との界面)の位置である。図2Aに示すように、屈折率は、表面側から基材側に向けて徐々に大きくなり、層厚方向の中心から中間層との界面との間で最大ピークを示し、界面に向けて小さくなるプロファイルを示している。図2Aにおいて、490nmから、屈折率1.857で一定になる730nm近傍までが中間層であり、屈折率1.857の領域は基材である。
図2Aにおける凹凸構造体層の厚み方向の屈折率分布は、シリコン基板にアルミニウム薄膜50nmを形成し、上記と同じ条件で温水処理を行った試料について、エリプソメトリーおよび分光反射率を測定し、屈折率分布をもとめた。
本実施例の反射防止膜を備えた光学部材における反射防止膜の反射率の波長依存性(以下において、「光学部材の反射率の波長依存性」という。)の測定を分光器で測定した。反射率の測定は入射角度0°の条件で行った。測定結果を図2Bに示す。図2Bに示す通り、本実施例の反射防止膜は、波長380nm〜850nmの470nmの帯域に亘って反射率0.4%以下であり、良好な反射防止特性が得られた。
[実施例2]
実施例1の製造方法において、基材をS−LAL18(オハラ社)とし、同様の手順で実施例2の反射防止膜を備えた光学部材を作製した。中間層として実施例1と同様に第1層から第8層の8層構造とし、第1層、第3層、第5層および第7層の奇数層をシリコン酸窒化物とし、第2層、第4層、第6層および第8層の偶数層をニオブ酸化物とした。それぞれの膜厚は実施例1のものと異なる。本実施例2の基材から凹凸構造体層までの層構成は下記表2に示す通りである。
Figure 0006445129
実施例2の反射防止膜の厚み方向における屈折率分布を図3Aに示し、反射率の波長依存性を図3Bに示す。実施例2において、凹凸構造体層を実施例1と同じ条件で作製しているので、図3Aの凹凸構造体層の領域については実施例1と同一の屈折率分布で示している。
図3Bに示す通り、本実施例2の反射防止膜は、波長380nm〜890nmの510nmの帯域に亘って反射率0.4%以下であり、良好な反射防止特性が得られた。
[実施例3]
実施例1の製造方法において、アルミニウム膜の膜厚を40nmとし、同様の手順で実施例3の反射防止膜を備えた光学部材を作製した。中間層として実施例1と同様に第1層から第8層の8層構造とし、第1層、第3層、第5層および第7層の奇数層をシリコン酸窒化物とし、第2層、第4層、第6層および第8層の偶数層をニオブ酸化物とした。それぞれの膜厚は実施例1のものと異なる。本実施例3の基材から凹凸構造体層までの層構成は下記表3に示す通りである。凹凸構造体層の膜厚は、実施例1と同様の方法で測定した。本実施例における凹凸構造体層の膜厚は、280nmであった。
Figure 0006445129
実施例3の反射防止膜の厚み方向における屈折率分布を図4Aに示し、反射率の波長依存性を図4Bに示す。実施例3における凹凸構造体層の厚み方向の屈折率分布は、シリコン基板にアルミニウム薄膜40nmを形成し、本実施例と同じ条件で温水処理を行った試料について、エリプソメトリーおよび分光反射率を測定し、屈折率分布をもとめた。
実施例3における凹凸構造体層の屈折率分布は、アルミニウム薄膜50nmを温水処理して得られた実施例1の場合と同一ではないが、同様に、表面側から基材側に向けて徐々に大きくなり、層厚方向の中心から中間層との界面との間で最大ピークを示し、界面に向けて小さくなるプロファイルを示している。
図4Bに示す通り、本実施例3の反射防止膜は、波長400nm〜850nmの450nmの帯域に亘って反射率0.4%以下であり、良好な反射防止特性が得られた。
[実施例4]
実施例1の製造方法において、中間層の奇数層をシリコン酸化物とした点以外は、同様の手順で実施例4の反射防止膜を備えた光学部材を作製した。すなわち、中間層を第1層から第8層の8層構造とし、第1層、第3層、第5層および第7層の奇数層をシリコン酸化物とし、第2層、第4層、第6層および第8層の偶数層をニオブ酸化物とした。本実施例4の基材から凹凸構造体層までの層構成は下記表4に示す通りである。
Figure 0006445129
実施例4の反射防止膜の厚み方向における屈折率分布を図5Aに示し、反射率の波長依存性を図5Bに示す。実施例4において凹凸構造体層を実施例1と同じ条件で作製しているので、図5Aの凹凸構造体層の領域については実施例1と同一の屈折率分布で示している。
図5Bに示す通り、本実施例4の反射防止膜は、波長380nm〜860nmの480nmの帯域に亘って反射率0.4%以下であり、良好な反射防止特性が得られた。
[実施例5]
実施例1の製造方法において、中間層に第9層を備えた点以外は、同様の手順で実施例5の反射防止膜を備えた光学部材を作製した。すなわち、中間層を第1層から第9層の9層構造とし、第1層、第3層、第5層、第7層および第9層の奇数層をシリコン酸窒化物とし、第2層、第4層、第6層および第8層の偶数層をニオブ酸化物とした。本実施例5の基材から凹凸構造体層までの層構成は下記表5に示す通りである。
Figure 0006445129
実施例5の反射防止膜の厚み方向における屈折率分布を図6Aに示し、反射率の波長依存性を図6Bに示す。実施例5における凹凸構造体層は、実施例1と同じ条件で作製しているので、図6Aにおける凹凸構造体層の領域については実施例1と同一の屈折率分布で示している。
図6Bに示す通り、本実施例5の反射防止膜は、波長380nm〜930nmの550nmの帯域に亘って反射率0.4%以下であり、良好な反射防止特性が得られた。
[実施例6]
実施例1の製造方法において、中間層に第9層および第10層を備えた点以外は、同様の手順で実施例6の反射防止膜を備えた光学部材を作製した。すなわち、中間層を第1層から第10層の10層構造とし、第1層、第3層、第5層、第7層および第9層の奇数層をシリコン酸窒化物とし、第2層、第4層、第6層、第8層および第10層の偶数層をニオブ酸化物とした。本実施例6の基材から凹凸構造体層までの層構成は下記表6に示す通りである。
Figure 0006445129
実施例6の反射防止膜の厚み方向における屈折率分布を図7Aに示し、反射率の波長依存性を図7Bに示す。実施例6における凹凸構造体層は、実施例1と同じ条件で作製しているので、図7Aにおける凹凸構造体層の領域については実施例1と同一の屈折率分布で示している。
図7Bに示す通り、本実施例6の反射防止膜は、波長390nm〜930nmの540nmの帯域に亘って反射率0.4%以下であり、良好な反射防止特性が得られた。
[比較例1]
実施例1の製造方法において、中間層を5層とした点以外は、同様の手順で比較例1の反射防止膜を備えた光学部材を作製した。すなわち、中間層を下記表7に示すように、シリコン酸窒化物とニオブ酸化物とを交互に積層した5層構造とした。
Figure 0006445129
比較例1の反射防止膜の厚み方向における屈折率分布を図8Aに示し、反射率の波長依存性を図8Bに示す。比較例1における凹凸構造体層は、実施例1と同じ条件で作製しているので、図8Aにおける凹凸構造体層の領域については実施例1と同一の屈折率分布で示している。
図8Bに示す通り、本比較例1の反射防止膜は、波長370nm〜780nmの410nmの帯域に亘って反射率0.4%以下であった。帯域幅450nm以上に亘り反射率0.4%以下を満たす良好な反射防止特性は得られなかった。
[比較例2]
実施例1の製造方法において、基材としてS−LAL18(オハラ社)を用い、中間層を5層とした点以外は、同様の手順で比較例2の反射防止膜を備えた光学部材を作製した。すなわち、中間層を下記表8に示すように、シリコン酸窒化物とニオブ酸化物とを交互に積層した5層構造とした。
Figure 0006445129
比較例2の反射防止膜の厚み方向における屈折率分布を図9Aに示し、反射率の波長依存性を図9Bに示す。比較例2における凹凸構造体層は、実施例1と同じ条件で作製しているので、図9Aにおける凹凸構造体層の領域については実施例1と同一の屈折率分布で示している。
図9Bに示す通り、本比較例2の反射防止膜は、波長370nm〜810nmの440nmの帯域に亘って反射率0.4%以下であった。帯域幅450nm以上に亘り反射率0.4%以下を満たす良好な反射防止特性は得られなかった。
[参考例1]
実施例1の製造方法において、基材としてS−NBH5(オハラ社)を用い、中間層を5層とした点以外は、同様の手順で参考例1の反射防止膜を備えた光学部材を作製した。すなわち、中間層を下記表9に示すように、シリコン酸窒化物とニオブ酸化物とを交互に積層した5層構造とした。
Figure 0006445129
参考例1の反射防止膜の厚み方向における屈折率分布を図10Aに示し、反射率の波長依存性を図10Bに示す。参考例1における凹凸構造体層は、実施例1と同じ条件で作製しているので、図10Aにおける凹凸構造体層の領域については実施例1と同一の屈折率分布で示している。
図10Bに示す通り、本参考例1の反射防止膜は、波長370nm〜890nmの520nmの帯域に亘って反射率0.4%以下であり、良好な反射防止特性が得られた。ここでは、上記実施例1〜6と比較して基材の屈折率が1.659と比較的低い。このように基材の屈折率が1.659と低い場合には、中間層を5層としても本例のように良好な反射防止特性が得られることが分かった。一方で、上記比較例1、2に示した通り、実施例1〜6と同等の屈折率の基材に対しては、5層の中間層では十分な反射防止特性が得られなかった。
[比較例3]
実施例1の製造方法において、アルミニウム膜の膜厚を40nmとし、中間層を5層とした点以外は、同様の手順で比較例3の反射防止膜を備えた光学部材を作製した。本比較例3においては、中間層を下記表10に示すように、シリコン酸窒化物とニオブ酸化物とを交互に積層した5層構造とした。また、凹凸構造体層の膜厚は、上記実施例3と同様の条件であることから、実施例3と同一の280nmと看做した。
Figure 0006445129
比較例3の反射防止膜の厚み方向における屈折率分布を図11Aに示し、反射率の波長依存性を図11Bに示す。比較例3における凹凸構造体層は、実施例3と同じ条件で作製しているので、図11Aにおける凹凸構造体層の領域については実施例3と同一の屈折率分布で示している。
図11Bに示す通り、本比較例3の反射防止膜は、波長380nm〜740nmの360nmの帯域に亘って反射率0.4%以下であった。帯域幅450nm以上に亘り反射率0.4%以下を満たす良好な反射防止特性は得られなかった。
[比較例4]
実施例1の製造方法において、アルミニウム膜の膜厚を30nmとし、中間層を5層とした点以外は、同様の手順で比較例4の反射防止膜を備えた光学部材を作製した。すなわち、中間層を下記表11に示すように、シリコン酸窒化物とニオブ酸化物とを交互に積層した5層構造とした。比較例4において、凹凸構造体層の膜厚は、実施例1と同様の方法で測定したところ、240nmであった。
Figure 0006445129
比較例4の反射防止膜の厚み方向における屈折率分布を図12Aに示し、反射率の波長依存性を図12Bに示す。比較例4における凹凸構造体層の厚み方向の屈折率分布は、シリコン基板にアルミニウム薄膜30nmを形成し、本比較例と同じ条件で温水処理を行った試料について、エリプソメトリーおよび分光反射率を測定し、屈折率分布をもとめた。
比較例4における凹凸構造体層の屈折率分布は、やはり、表面側から基材側に向けて徐々に大きくなり、層厚方向の中心から中間層との界面との間で最大ピークを示し、界面に向けて小さくなるプロファイルを示している。
図12Bに示す通り、本比較例4の反射防止膜は、波長420nm〜測定上限値950nmを超える530nm以上の帯域に亘って反射率0.4%以下であり、非常に広い帯域に亘って、反射率0.4%以下を満たす良好な反射防止特性が得られた。
[比較例5]
実施例1の製造方法において、アルミニウム膜の膜厚を20nmとし、中間層を5層とした点以外は、同様の手順で比較例5の反射防止膜を備えた光学部材を作製した。すなわち、中間層を下記表12に示すように、シリコン酸窒化物とニオブ酸化物とを交互に積層した5層構造とした。比較例5において、凹凸構造体層の膜厚は、実施例1と同様の方法で測定したところ、210nmであった。
Figure 0006445129
比較例5の反射防止膜の厚み方向における屈折率分布を図13Aに示し、反射率の波長依存性を図13Bに示す。比較例5における凹凸構造体層の厚み方向の屈折率分布は、シリコン基板にアルミニウム薄膜20nmを形成し、本比較例と同じ条件で温水処理を行った試料について、エリプソメトリーおよび分光反射率を測定し、屈折率分布をもとめた。
比較例5における凹凸構造体層の屈折率分布は、やはり、表面側から基材側に向けて徐々に大きくなり、層厚方向の中心から中間層との界面との間で最大ピークを示し、界面に向けて小さくなるプロファイルを示している。
図13Bに示す通り、本比較例5の反射防止膜は、波長390nm〜測定上限値950nmを超える560nm以上の帯域に亘って反射率0.4%以下であり、非常に広い帯域に亘って、反射率0.4%以下を満たす良好な反射防止特性が得られた。
上記実施例1〜6、比較例1〜5、参考例1の反射防止膜の耐久性試験を行い、その前後における反射率の波長依存性の変化を調べた。
耐久性試験として、各実施例および比較例の光学部材を−40℃で1時間保持、+85℃で1時間保持を24サイクル実施した。この耐久性試験の前後において反射率の波長依存性を測定し、波長400nm〜780nmの波長域での耐久性試験の前後における反射率の変化が0.1%以下であれば「変化なし」すなわち良好な耐久性を有するものと評価し、反射率の変化が0.1%超える箇所が1か所でもあれば「変化あり」すなわち耐久性が低いと評価した。
測定結果の一例として、実施例1の耐久性試験の前後における反射率の波長依存性を図14に、比較例5の耐久性試験の前後における反射率の波長依存性を図15に示す。
図14に示すように、実施例1については、試験前後でプロファイルに大きな変化がなく、反射率の変化が0.1%以下であった。一方、比較例5では、試験後では測定領域の全域に亘って明らかに反射率が増加しており、反射率の最大変化量は0.2%を超えていることがわかる。
表13に、実施例1〜6、比較例1〜5および参考例1についての主要構成および耐久性試験の結果を纏めて示す。
Figure 0006445129
表13に示すように、凹凸構造体層の膜厚が240nm、210nmであった比較例4、5は耐久性試験の結果「変化あり」で耐久性に劣ることが明らかになった。他方、凹凸構造体層の膜厚が280nm以上の例では全て耐久性試験の結果「変化なし」で良好な耐久性が得られていることが明らかである。
なお、本実施例および比較例においては、いずれもアルミニウム薄膜を温水処理して凹凸構造体層を形成しているため、凹凸構造の空間周波数ピーク値は6.5μm−1のものが得られており、従って、散乱光を十分に抑制することができる反射防止膜が得られている。
1 光学部材
2 透明基材
3 反射防止膜
5 中間層
10 凹凸構造体層
51 第1層
52 第2層
53 第3層
54 第4層
55 第5層
56 第6層
57 第7層
58 第8層

Claims (5)

  1. 基材の表面に設けられる反射防止膜であって、
    反射防止すべき光の波長よりも小さい凸部間距離の凹凸構造を有する、アルミナの水和物を主成分とする凹凸構造体層と、該凹凸構造体層と前記基材との間に配される中間層とからなり、
    前記凹凸構造体層は、前記凹凸構造の空間周波数ピーク値が6.5μm-1以上であり、膜厚が250nm以上であり、
    前記凹凸構造体層の膜厚方向の屈折率は、表面から徐々に大きくなり、膜厚方向の中心から前記中間層との界面の間で最大ピークを示し、前記界面に向けて前記最大ピークよりも1割以上小さくなるプロファイルを示し、
    前記中間層が、前記凹凸構造体層側から前記基材側へ、少なくとも第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層および第8層をこの順に含む複数層からなり、
    該複数層のうちの奇数層は、シリコン酸化物もしくはシリコン酸窒化物からなり、偶数層は、ニオブ酸化物からなり、
    前記第1層は、膜厚が10nmであり、
    前記第2層は、膜厚が6nm以上8nm以下であり、
    前記第3層は、膜厚が80nm以上100nm以下であり、
    前記第4層は、膜厚が6nm以上13nm以下であり、
    前記第5層は、膜厚が56nm以上73nm以下であり、
    前記第6層は、膜厚が10nm以上22nm以下であり、
    前記第7層は、膜厚が34nm以上48nm以下であり、
    前記第8層は、膜厚が6nm以上14nm以下である反射防止膜。
  2. 前記中間層において、前記第8層の前記基材側に、さらに第9層を備え、
    該第9層は、屈折率が1.42以上1.7未満、膜厚が10nm以上200nm以下である請求項1記載の反射防止膜。
  3. 前記中間層において、前記第9層の前記基材側に、さらに第10層を備え、
    該第10層は、屈折率が1.7以上2.7以下、膜厚が2nm以上30nm以下である請求項記載の反射防止膜。
  4. 請求項1からいずれか1項に記載の反射防止膜と、該反射防止膜が表面に形成されてなる透明基材とを備えてなる光学部材。
  5. 前記透明基材の屈折率が1.73以上である請求項記載の光学部材。
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