JP2007041194A - 反射防止膜及び光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 広い入射角度において、従来より高い反射防止性能を可視域において有すること。
【解決手段】 屈折率が2.0以上2.4以下の光学基板2上に5層で積層されるものであって、光学基板2側から数えて第1層A及び第3層Cが、それぞれ中間屈折率膜と低屈折率膜とのうちいずれか一方の屈折率膜であり、第2層B及び第4層Dが高屈折率膜であり、第5層Eが低屈折率膜である反射防止膜3を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、400nmから700nmの可視域で使用される反射防止膜及び該反射防止膜を用いた光学素子に関するものである。
一般的にレンズやプリズム等の光学基板上には、反射防止膜が施されている。その主な目的は、多数の光学基板で構成される光学ユニットの透過率を向上させることである。特に、光学ユニットの用いる光学素子の可視域での反射を抑えることで、像の明るさや見え易さを向上させた光学ユニットにすることである。
近年、光学素子に高屈折率の光学基板が使われるようになってきている。その理由としては、屈折率が高い光学基板を使えば、同じ光路長で、光学基板の厚さを薄くでき、光学機器を小型化できるということが挙げられる。
このような高屈折率の光学基板に対応できる従来の反射防止膜としては、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。この発明によれば、屈折率が2.0以上の基板上に、該基板より低い高屈折率層と、中間屈折率層と、低屈折率層とで6層構成の交互多層膜を積層し、各層の光学的膜厚を最適化している。このようにすることで、この発明では0〜10°の入射角範囲で、可視域全域における反射率が0.5%以下の反射防止膜を実現している。
特開2000−347002号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されている反射防止膜では、以下のような課題が残されていた。
反射防止膜を形成した光学素子に入射する光線の様子を図9に示す。この反射防止膜は、誘電体多層膜で構成され、光学基板の両面に形成されている。このような光学素子において、光学素子に入射する光線は、全てが光学素子に対して垂直入射するとは限らない。即ち、光学素子に入射する光線のうちいくちかは、ある入射角度を持って光学素子に入射する(斜入射する)。そのため、反射防止膜には、光線の入射角度に関わらず高い反射防止効果を有する光学特性が必要である。
ここで、特許文献1に記載されている反射防止膜について、特許文献1に記載されている条件でシミュレーションを行う。すると、この反射防止膜では、35°の入射角範囲では400nmから700nmの波長域における平均反射率が0.6%を越えてしまう。そのため、この反射防止膜を有する光学素子を複数備える光学機器では、十分な透過率を得ることができない。従って、この反射防止膜は、光線が斜入射する場所で用いられる光学素子の反射防止膜としては不十分なものであった。
この発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、その目的は、広い範囲の入射角度に対して、従来より高い反射防止性能を有する反射防止膜及び該反射防止膜を有する光学素子を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
請求項1に係る発明は、屈折率が2.0以上2.4以下の光学基板上に5層で積層される反射防止膜であって、前記光学基板側から数えて第1層及び第3層が、それぞれ中間屈折率膜と低屈折率膜とのうちいずれか一方の屈折率膜であり、第2層及び第4層が高屈折率膜であり、第5層が低屈折率膜である反射防止膜を提供する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の反射防止膜において、設計波長500nmにおいて、前記高屈折率膜の屈折率が、1.8以上2.3以下であり、前記中間屈折率膜の屈折率が、1.5以上1.8未満であり、前記低屈折率膜の屈折率が、1.3以上1.5未満である反射防止膜を提供する。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の反射防止膜において、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層が(0.01〜0.15)×λであり、第2層が(0.07〜0.30)×λであり、第3層が(0.04〜0.18)×λであり、第4層が(0.53〜0.63)×λであり、第5層が(0.21〜0.29)×λに設定されている反射防止膜を提供する。
本発明に係る反射防止膜においては、屈折率が2.0以上2.4以下の光学基板に、高屈折率膜、中間屈折率膜及び低屈折率膜で、上述した膜構成及び膜厚を限定することにより、広い範囲の入射角度に対して高い反射防止効果を有することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の反射防止膜と、該反射防止膜の第1層が表面上に成膜され、屈折率が2.0以上2.4以下である光学基板とを備える光学素子を提供する。
本発明に係る光学素子においては、広い範囲の入射角度に対して高い反射防止効果を有する反射防止膜を光学基板上に備えている。よって、光線が斜入射する場所においても、像の明るさや見え易さを向上することができる。
本発明に係る反射防止膜によれば、広い範囲の入射角度に対して、従来より高い反射防止効果を有することができる。また、設計波長を適時選択することにより、可視域において高い反射防止効果を得ることができる。
また、本発明に係る光学素子によれば、像の明るさや見え易さを向上することができる。
以下、本発明に係る反射防止膜及び光学素子の一実施形態について、図1を参照して説明する。
本実施形態の光学素子1は、図1に示すように、光学基板2と反射防止膜3とを備えている。光学基板2は、屈折率が2.0以上2.4以下の材料で構成されている。また、反射防止膜3は、光学基板2の表面上に積層された誘電体多層膜を有する。
この反射防止膜3において、各誘電体多層膜は、光学基板2側から順に第1層A、第2層B、第3層C、第4層D及び第5層Eとなっている。ここで、第1層A及び第3層Cは、それぞれ、中間屈折率膜と低屈折率膜とのうちいずれか一方の屈折率膜である。また、第2層B及び第4層Dは、高屈折率膜であり、第5層Eが低屈折率膜である。
また、この反射防止膜3は、3層等価膜である。即ち、第1の層Xが、上記第1層A、第2層B及び第3層Cで構成され、第2の層Yが第4層Dで構成され、第3の層Zが第5層Eで構成されているものとみなすことができる。第1の層Xから第3の層Zの層構成は、「第1の層X:中間屈折率層又は低屈折率層−第2の層:高屈折率層−第3の層Z:低屈折率層」による構成である。
なお、光学基板2の材料は、屈折率が2.0以上2.4以下であるならば、ガラスの他に結晶材料やプラスチック等でも構わない。
また、設計波長500nmにおいて、高屈折率膜の屈折率は1.8以上2.3以下であり、中間屈折率膜の屈折率は1.5以上1.8未満であり、低屈折率膜の屈折率は1.3以上1.5未満である。なお、中間屈折率膜の材料として、安価なAlを用い、第5層Eの低屈折率膜の材料としてはMgFを用いると良い。これらのような膜を選択することにより、製造コストの低減が可能となったり、所望の反射防止膜3を形成することができる。
また、各層の光学的膜厚ndが設計波長に対して、第1層Aが(0.01〜0.15)×λ、第2層Bが(0.07〜0.30)×λ、第3層Cが(0.04〜0.18)×λ、第4層Dが(0.53〜0.63)×λ、第5層Eが(0.20〜0.29)×λであると良い。本実施形態では、λ=500nmとするが、設計波長を変えることにより、反射防止の効果が得られる波長域を、シフトさせることが可能である。
なお、(0.01〜0.15)×λの書き方は、例えばλ=500nmとしたときに、光学的膜厚ndが(0.01〜0.15)×500nm=5〜75nmとなることを意味している。また、第4層Dは、おおよそ光学的膜厚ndがλ/2であり、反射防止膜の低反射率領域を広げている。
上述したように、本実施形態に係る反射防止膜3によれば、屈折率が2.0以上2.4以下の光学基板2に、高屈折率膜、中間屈折率膜及び低屈折率膜で、上述した膜構成及び膜厚を限定することにより、広い範囲の入射角度に対して、従来より高い反射防止効果を有することができる。また、設計波長を適時選択することにより、可視域で同様の性能が得られる。
また、本実施形態の光学素子1によれば、広い範囲の入射角度に対して高い反射防止効果を有する反射防止膜3を光学基板2上に備えている。よって、像の明るさや見え易さを向上することができる。
次に、上述した反射防止膜3を様々な条件のもとで、実際に光学基板2上に成膜した場合の実施例について以下に説明する。
また、反射防止膜3の成膜は、図2に示すイオンアシスト蒸着装置10を用いて行った。このイオンアシスト蒸着装置10は、真空チャンバー11の右側面に設けられた排気口12と、左側面に設けられたガス導入口13とを備えている。排気口12は、真空チャンバー11内の排気を行う。また、ガス導入口13は、成膜中にOガスを真空チャンバー11内に導入する。真空チャンバー11の底部には、坩堝14、15、電子銃16、17、シャッター18、19及びイオンガン20が設けられている。電子銃16、17から照射される電子ビームによって、坩堝14、15内の蒸着材料を蒸発させる。成膜の開始及び終了は、シャッター18、19の開閉で行う。
真空チャンバー11の中央上部には、ドーム21が設けられている。このドーム21には、光学基板2を入れたヤトイ22が設置されており、成膜中は回転するようになっている。また、真空チャンバー11の上部には、クリスタル監視計23と光学監視計24とが設けられている。クリスタル監視計23は、クリスタル基板25に成膜される物理膜厚及び成膜速度を測定し、光学監視計24は、成膜中のモニターガラス26の反射率変化の測定を行う。
(第1実施例)
まず、反射防止膜3の第1実施例について、図3を参照して説明する。本実施例では、光学基板2として、基板屈折率が2.10の透光性セラミックスを用いた。そして、上述したイオンアシスト蒸着装置10を用いて、真空チャンバー11内を1.0×10−3Paまで排気し、光学基板2上に反射防止膜3を成膜した。
また、設計波長を500nmとして、それぞれ光学基板2側から第1層A、第3層Cに中間屈折率膜としてAlを、第2層B、第4層Dに高屈折率膜としてZrOを、第5層Eに低屈折率膜としてMgFを用いて、表1に示す光学的膜厚nd(設計波長における膜の屈折率×物理的膜厚)で真空蒸着により成膜した。
成膜後の各層の屈折率は、500nmの波長において、高屈折率層が2.05、中間屈折率層が1.60、低屈折率層が1.38であった。
Figure 2007041194
なお、本実施例の反射防止膜3は、蒸着により形成されたが、これに限定されるものではなく、スパッタリング法やイオンアシスト法によっても同等の特性を得ることができる。また、本実施例では、高屈折率膜としてZrO、中間屈折率膜としてAl、低屈折率膜としてMgFをそれぞれ用いたが、これに限定されるものではない。例えば、高屈折率膜として屈折率が1.8以上2.3以下のZrO、TiO、Ta、WO、La、CeO、HfOのいずれか又はこれらの混合物、中間屈折率膜として屈折率が1.5以上1.8未満のAl、CeF、MgO、LaFのいずれか又はこれらの混合物、低屈折率膜として屈折率が1.3以上1.5未満のSiO、MgFのいずれか又はこれらの混合物を用いて良い。このように、各膜と同等な屈折率の範囲にある膜を用いれば、本実施例と同等の特性を有する反射防止膜3を得ることができる。
図3に、本実施例の反射防止膜3の分光特性を示す。図3に示すように、400nmから700nmの波長域において、0°入射での平均反射率は0.18%である。また、35゜入射での平均反射率は0.30%である。このように、本実施の反射防止膜3は、0〜35゜の入射角度範囲で、平均反射率が0.3%以下の良好な反射防止性能を有している。
なお、本実施例では、設計波長λを500nmにしているが、設計波長λを490nmから510nmにしても良い。この設計波長においても、0〜35°の入射角度範囲で、平均反射率が0.35%以下の良好な反射防止性能を実現することができる。
上述したように、本実施例の反射防止膜3によれば、0〜35゜の入射角度範囲に対して、400nmから700nmの波長域において高い反射防止効果を得ることができる。また、最も薄い層でも物理膜厚dが24nmであることから、成膜制御性が高い反射防止膜3を得ることができる。
(第2実施例)
次に、反射防止膜3の第2実施例について、図4を参照して説明する。本実施例では、光学基板2として、上記第1実施例と同様に基板屈折率が2.10の透光性セラミックスを用いた。そして、第1実施例と同様にイオンアシスト蒸着装置10を用いて、真空チャンバー11内を9.0×10−4Paまで排気し、光学基板2上に反射防止膜3を成膜した。
また、設計波長を500nmとして、それぞれ光学基板2側から第1層A、第3層C及び第5層Eに低屈折率膜としてMgFを、第2層B及び第4層Dに高屈折率膜としてZrOを用いて、表2に示す光学的膜厚nd(設計波長における膜の屈折率×物理的膜厚)で真空蒸着により成膜した。
成膜後の各層の屈折率は、500nmの波長において、高屈折率層が2.05、低屈折率層が1.38であった。
Figure 2007041194
なお、本実施例の反射防止膜3は、蒸着により形成されたが、これに限定されるものではなく、スパッタリング法やイオンアシスト法によっても同等の特性を得ることができる。また、本実施例では、高屈折率膜としてZrO、低屈折率膜としてMgFをそれぞれ用いたが、これに限定されるものではない。例えば、高屈折率膜として屈折率が1.8以上2.3以下のZrO、TiO、Ta、WO、La、CeO、HfOのいずれか又はこれらの混合物、低屈折率膜として屈折率が1.3以上1.5未満のSiO、MgFのいずれか又はこれらの混合物を用いて良い。このように、各膜と同等な屈折率の範囲にある膜を用いれば、本実施例と同等の特性を有する反射防止膜3を得ることができる。
図4に、本実施例の反射防止膜3の分光特性を示す。図4に示すように、400nmから700nmの波長域において、0°入射での平均反射率は0.18%である。また、35°入射での平均反射率は0.31%である。このように、本実施例の反射防止膜3は、0〜35°の入射角範囲で0.32%以下の良好な反射防止性能を有している。
上述したように、本実施例の反射防止膜3によれば、0〜35°の入射角範囲に対して、400nmから700nmの波長域において高い反射防止効果を得ることができる。また、屈折率差が大きくなる蒸着材料を用いることで、反射防止帯城を広くすることができる。
(第3実施例)
次に、反射防止膜3の第3実施例について、図5を参照して説明する。本実施例では、光学基板2として、基板屈折率が2.30のLiNbOを用いた。そして、第1実施例と同様にイオンアシスト蒸着装置10を用いて、真空チャンバー11内を1.0×10−3Paまで排気し、光学基板2上に反射防止膜3を成膜した。
また、設計波長を550nmとして、それぞれ基板側から第1層A及び第3層Cに低屈折率膜としてSiOを、第2層B及び第4層Dに高屈折率膜としTaを、第5層Eに低屈折率膜としてMgFを用いて、表3に示す光学的膜厚nd(設計波長における膜の屈折率×物理的膜厚)を、第1層A、第2層B、第3層C及び第4層Dはイオンアシスト法で、第5層Eを蒸着でそれぞれ成膜した。
成膜後の各層の屈折率は、550nmの波長において、高屈折率層は2.25、中間屈折率層は1.47、低屈折率層は1.38であった。
Figure 2007041194
なお、本実施例の反射防止膜3は、イオンアシスト法及び蒸着により形成されたが、これに限定されるものではなく、スパッタリング法によっても同等の特性を得ることができる。また、本実施例では、高屈折率膜としてTa、低屈折率膜としてSiOとMgFとをそれぞれ用いたが、これに限定されるものではない。例えば、高屈折率膜として屈折率が1.8以上2.3以下のZrO、TiO、WO、La、CeO、HfOのいずれか又はこれらの混合物、低屈折率膜として屈折率が1.3以上1.5未満のSiO、MgFのいずれか又はこれらの混合物を用いて良い。このように、各膜と同等な屈折率の範囲にある膜を用いれば、本実施例と同等の特性を有する反射防止膜3を得ることができる。
図5に、本実施例の反射防止膜3の分光特性を示す。図5に示すように、400nmから700nmの波長域において、0°入射での平均反射率は0.2%である。また、35°入射での平均反射率は0.33%である。このように、本実施例の反射防止膜3は、0〜35°の入射角範囲で0.33%の良好な反射防止性能を有している。
上述したように、本実施例の反射防止膜3によれば、0〜35°の入射角範囲に対して、400nmから700nmの波長域において高い反射防止効果を得ることができる。また、緻密な膜を成膜できるイオンアシスト法で成膜することで、耐性に強い反射防止膜3を得ることができる。
(第4実施例)
次に、反射防止膜3の第4実施例について、図6を参照して説明する。本実施例では、光学基板2として、基板屈折率が2.02のOHARA製S−LAH79を用いた。そして、第1実施例と同様にイオンアシスト蒸着装置10を用いて、真空チャンバー11内を1.0×10−3Paまで排気し、光学基板2上に反射防止膜3を成膜した。
また、設計波長を500nmとして、それぞれ光学基板2側から第1層A、第3層C及び第5層Eに低屈折率膜としてMgFを、第2層B及び第4層Dに高屈折率膜としCeOを用いて、表4に示す光学的膜厚nd(設計波長における膜の屈折率×物理的膜厚)を蒸着により成膜した。
成膜後の各層の屈折率は、500nmの波長において、高屈折率層は2.13、低屈折率層は1.38であった。
Figure 2007041194
なお、本実施例の反射防止膜3は、蒸着により形成されたが、これに限定されるものではなく、スパッタリング法やイオンアシスト法によっても同等の特性を得ることができる。また、本実施例では、高屈折率膜としてCeO、低屈折率膜としてMgFをそれぞれ用いたが、これに限定されるものではない。例えば、高屈折率膜として屈折率が1.8以上2.3以下のZrO、TiO、Ta、WO、La、HfOのいずれか又はこれらの混合物、低屈折率膜として屈折率が1.3以上1.5未満のSiO、MgFのいずれか又はこれらの混合物を用いて良い。このように、各膜と同等な屈折率の範囲にある膜を用いれば、本実施例と同等の特性を有する反射防止膜3を得ることができる。
図6に、本実施例の反射防止膜3の分光特性を示す。図6に示すように、400nmから700nmの波長域において、0°入射での平均反射率は0.16%である。また、35°入射での平均反射率は0.33%である。このように、本実施例の反射防止膜3は、0〜35°の入射角範囲で0.33%以下の良好な反射防止性能を有している。
上述したように、本実施例の反射防止膜3によれば、0〜35°の入射角範囲に対して、400nmから700nmの波長域において高い反射防止効果を得ることができる。
(第5実施例)
次に、反射防止膜3の第5実施例について、図7を参照して説明する。本実施例では、光学基板2として、基板屈折率が2.40のダイヤモンドを用いた。そして、第1実施例と同様にイオンアシスト蒸着装置10を用いて、真空チャンバー11内を0.9×10−4Paまで排気し、光学基板2上に反射防止膜3を成膜した。
また、設計波長を500nmとして、それぞれ基板側から第1層A及び第3層Cに中間屈折率膜としてAlを、第2層B及び第4層Dに高屈折率膜としてCeOを、第5層Eに低屈折率膜としてMgFを用いて、表5に示す光学的膜厚nd(設計波長における膜の屈折率×物理的膜厚)を蒸着により成膜した。
成膜後の各層の屈折率は、500nmの波長において、高屈折率層は2.13、中間屈折率層は1.60、低屈折率層は1.38であった。
Figure 2007041194
なお、本実施例の反射防止膜3は、蒸着により形成されたが、これに限定されるものではなく、スパッタリング法やイオンアシスト法によっても同等の特性を得ることができる。また、本実施例では、高屈折率膜としてCeO、中間屈折率膜としてAl、低屈折率膜としてMgFをそれぞれ用いたが、これに限定されるものではない。例えば、高屈折率膜として屈折率が1.8以上2.3以下のZrO、TiO、Ta、WO、La、HfOのいずれか又はこれらの混合物、中間屈折率膜として屈折率が1.5以上1.8未満のAl、CeF、MgO、LaFのいずれか又はこれらの混合物、低屈折率膜として屈折率が1.3以上1.5未満のSiO、MgFのいずれか又はこれらの混合物を用いて良い。このように、各膜と同等な屈折率の範囲にある膜を用いれば、本実施例と同等の特性を有する反射防止膜3を得ることができる。
図7に、本実施例の反射防止膜3の分光特性を示す。図7に示すように、400nmから700nmの波長域において、0°入射での平均反射率は0.20%である。また、35°入射での平均反射率は0.33%である。このように、本実施例の反射防止膜3は、0〜35°の入射角範囲で0.33%以下の良好な反射防止性能を有している。
上述したように、本実施例の反射防止膜3によれば、0〜35°の入射角範囲に対して、400nmから700nmの波長域において高い反射防止効果を得ることができる。また、安価なAlを用いることで低コストの反射防止膜3を得ることができる。
(第6実施例)
次に、反射防止膜3の第6実施例について、図8を参照して説明する。本実施例では、光学基板2として、基板屈折率が2.02のOHARA製S−LAH79を用いた。そして、第1実施例と同様にイオンアシスト蒸着装置10を用いて、真空チャンバー11内を1.9×10−3Paまで排気し、光学基板2上に反射防止膜3を成膜した。
また、設計波長を500nmとして、それぞれ光学基板2側から第1層A、第3層C及び第5層Eに低屈折率膜としてMgFを、第2層B及び第4層Dに高屈折率膜としてCeO、保護膜としてSiOを用いて、表6に示す光学的膜厚nd(設計波長における膜の屈折率×物理的膜厚)を蒸着により成膜した。
成膜後の各層の屈折率は、500nmの波長において、高屈折率層は2.13、低屈折率層は1.38、保護膜は1.47であった。
Figure 2007041194
なお、本実施例の反射防止膜3は、蒸着により形成されたが、これに限定されるものではない。例えば、スパッタリング法やイオンアシスト法によっても同等の特性を得ることができる。また、本実施例では、高屈折率膜としてCeO、低屈折率膜としてMgFをそれぞれ用いたが、これに限定されるものではなく、高屈折率膜として屈折率が1.8以上2.3以下のZrO、TiO、Ta、WO、La、HfOのいずれか又はこれらの混合物、低屈折率膜として1.3以上1.5以下のSiO、MgFのいずれか又はこれらの混合物、保護膜としてSiOを用いて良い。このように、各膜と同等な屈折率の範囲にある膜を用いれば、本実施例と同等の特性を有する反射防止膜3を得ることができる。
図8に、本実施例の保護膜を有する反射防止膜3の分光特性を示す。図8に示すように、400nmから700nmの波長域において、0°入射での平均反射率は0.15%以下である。また、35°入射での平均反射率は0.35%である。このように、本実施例の反射防止膜3は、0〜35°の入射角範囲で0.35%以下の良好な反射防止性能を有している。
上述したように、本実施例の反射防止膜3によれば、0〜35°の入射角範囲に対して、400nmから700nmの波長域において高い反射防止効果を得ることができる。
また、保護膜を設けることで耐性に強い反射防止膜3を得ることができる。なお、本実施例のように、光学特性にほとんど影響のない範囲で最表層に保護膜や汚染層などを設けても良い。また、光学基板2から1層目に、光学基板2と屈折率がほぼ同等で、光学特性にほとんど影響のない層を、耐久性向上等の目的で設けることは、本発明の範囲を逸脱しない。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本発明に係る反射防止膜及び光学素子の一実施形態を示す断面図である。 図1に示す反射防止膜を光学基板上に成膜する際に用いるイオンアシスト蒸着装置の構成図である。 図2に示すイオンアシスト蒸着装置を用いて、光学基板上に成膜した反射防止膜の第1実施例に係る分光特性を示した図である。 図2に示すイオンアシスト蒸着装置を用いて、光学基板上に成膜した反射防止膜の第2実施例に係る分光特性を示した図である。 図2に示すイオンアシスト蒸着装置を用いて、光学基板上に成膜した反射防止膜の第3実施例に係る分光特性を示した図である。 図2に示すイオンアシスト蒸着装置を用いて、光学基板上に成膜した反射防止膜の第4実施例に係る分光特性を示した図である。 図2に示すイオンアシスト蒸着装置を用いて、光学基板上に成膜した反射防止膜の第5実施例に係る分光特性を示した図である。 図2に示すイオンアシスト蒸着装置を用いて、光学基板上に成膜した反射防止膜の第6実施例に係る分光特性を示した図である。 従来の光学素子の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 光学素子
2 光学基板
3 反射防止膜
A 第1層
B 第2層
C 第3層
D 第4層
E 第5層


Claims (4)

  1. 屈折率が2.0以上2.4以下の光学基板上に5層で積層される反射防止膜であって、
    前記光学基板側から数えて第1層及び第3層が、それぞれ中間屈折率膜と低屈折率膜とのうちいずれか一方の屈折率膜であり、第2層及び第4層が高屈折率膜であり、第5層が低屈折率膜であることを特徴とする反射防止膜。
  2. 請求項1に記載の反射防止膜において、
    設計波長500nmにおいて、前記高屈折率膜の屈折率が、1.8以上2.3以下であり、前記中間屈折率膜の屈折率が、1.5以上1.8未満であり、前記低屈折率膜の屈折率が、1.3以上1.5未満であることを特徴とする反射防止膜。
  3. 請求項1又は2に記載の反射防止膜において、
    前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層が(0.01〜0.15)×λであり、第2層が(0.07〜0.30)×λであり、第3層が(0.04〜0.18)×λであり、第4層が(0.53〜0.63)×λであり、第5層が(0.21〜0.29)×λに設定されていることを特徴とする反射防止膜。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の反射防止膜と、
    該反射防止膜の第1層が表面上に成膜され、屈折率が2.0以上2.4以下である光学基板とを備えることを特徴とする光学素子。




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JP2010066681A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Canon Inc 光学素子及びそれを有する光学系
JP2010271404A (ja) * 2009-05-19 2010-12-02 Olympus Corp 反射防止膜
JP7405405B2 (ja) 2019-05-15 2023-12-26 株式会社シグマ 反射防止膜及びこれを有する光学素子、反射防止膜の製造方法

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