JP6915736B1 - 衛生薄葉紙ロールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施した後に、原紙シートをロール状に巻き取って巻取ロールを形成する巻取ロール形成工程を含む、衛生薄葉紙ロールの製造方法であって、巻取ロール形成工程において、カレンダーロールの下流であって、前記カレンダーロールのニップに近接し、カレンダー処理が施された直後の原紙シートに帯電している静電気の除去を行い、原紙シートに帯電した静電気に起因するカレンダーロールへの原紙シートの巻き付きを防止する位置に配置された静電気除去手段によって、カレンダー処理が施された直後の原紙シートに帯電している静電気の除去を行う衛生薄葉紙ロールの製造方法。
[2] 原紙シートの搬送方向において互いに離間するように設置された複数のカレンダーロールを用いてカレンダー処理を多段階に施し、当該複数のカレンダーロールのそれぞれの下流であって、前記カレンダーロールのニップに近接し、カレンダー処理が施された直後の原紙シートに帯電している静電気の除去を行い、原紙シートに帯電した静電気に起因するカレンダーロールへの原紙シートの巻き付きを防止する位置に配置された複数の静電気除去手段のそれぞれによって静電気の除去を行う、[1]に記載の衛生薄葉紙ロールの製造方法。
(衛生薄葉紙ロールの製造方法)
第1の実施形態の衛生薄葉紙ロールの製造方法は、原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施した後に、原紙シートをロール状に巻き取って巻取ロールを形成する巻取ロール形成工程を含み、カレンダーロールの下流に配置された静電気除去手段によって、カレンダー処理が施された直後の原紙シートに帯電している静電気の除去を行うものである。
本実施形態に適用可能な原反ロールは、当技術分野において知られている製紙技術により製造することができる。例えば、原反ロールは、抄紙機を用いて原紙シートを形成しつつ、形成された原紙シートを巻芯に巻き取る工程によって得ることができる。抄紙機には、ツインワイヤフォーマ方式、円網フォーマ方式、サクションプレストフォーマ方式、クレセントフォーマ方式等の知られている抄紙機が用いられてもよい。
原紙シートは、繊維原料であるパルプ成分を含むスラリーを抄紙することによって得られる。
パルプ成分としては、木材パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプを挙げることができる。木材パルプとしては例えば、広葉樹パルプ(広葉樹クラフトパルプ(LKP))、針葉樹パルプ(針葉樹クラフトパルプ(NKP))、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ等が挙げられる。また、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプが挙げられるが、特に限定されない。非木材パルプとしてはコットンリンターやコットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わら、バガス等の非木材系パルプ、ホヤや海草等から単離されるセルロース、キチン、キトサン等が挙げられるが、特に限定されない。脱墨パルプとしては古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられるが、特に限定されない。パルプ成分は上記の1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。これらパルプ成分は衛生用紙の品質に大きく影響するので、要求品質に合わせて所定の種類および配合割合で適宜配合される。
原紙シートには、要求品質および操業の安定のために、任意成分として様々な薬品が添加されていてもよい。任意成分としては、例えば、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、柔軟剤、嵩高剤、染料、香料、分散剤、濾水向上剤、ピッチコントロール剤、歩留向上剤等を挙げることができる。乾燥紙力剤としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド(PAM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。湿潤紙力剤としては、ポリアミドエピクロロヒドリン、尿素、メラミン、熱架橋性ポリアクリルアミド等を挙げることができる。柔軟剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等を挙げることができる。上記の任意成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
原紙シートの坪量は、要求品質に合わせて、例えば、7〜30g/m2とすることができる。例えば、原紙シートの坪量は、好ましくは9g/m2以上とすることができ、および好ましくは19g/m2以下とすることができる。坪量は、日本工業規格JIS P8124の規定に従って測定される。
本実施形態において、巻取ロールは、原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施し、静電気除去手段により原紙シートの静電気を除去して、原紙シートをロール状に巻き取ることにより形成される。
図1は、本実施形態を適用可能な巻取ロール形成機の例を示す模式図である。図1に示す巻取ロール形成機1は、1または複数の原反ロール36から、単プライまたは複数プライの巻取ロール58を形成可能に構成されている。図1を参照して、本実施形態に係る、原反ロールから巻取ロールを形成する巻取ロール形成工程を具体的に説明する。
図1に示される巻取ロール形成機1において、カレンダー手段50は、トップロール53およびボトムロール54からなる1対のカレンダーロール対を含む1台のカレンダー装置である。原紙シート31は、トップロール53とボトムロール54のニップ間で挟持されおよび押圧されることで、カレンダー処理が施される。
図1に示される巻取ロール形成機1は、原紙シート31に帯電した静電気を除去するための静電気除去手段60を備える。
本実施形態によると、衛生薄葉紙ロールを製造する際の巻取ロール形成工程において、静電気除去手段60により、カレンダー手段50によるカレンダー処理直後の原紙シート31に帯電している静電気を除去することができる。したがって、本実施形態によれば、原紙シート31に帯電した静電気に起因するカレンダーロール53、54への原紙シート31の巻き付きを防止することができ、これにより、原紙シート31の皺寄りやプライ剥がれを防止することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。特段の記載のない限り、第1の実施形態に適用可能な構成は、本実施形態に適用可能である。
本実施形態によれば、巻取ロール形成工程においてカレンダー処理を多段階で行う態様において、原紙シート31に帯電する静電気の蓄積を効果的に防止することができる。そのため、原紙シートに帯電した静電気に起因して生じ得るカレンダーロール53、54への原紙シート31の巻き付きを、より確実に防止することができ、原紙シート31の皺寄りや、複数プライの原紙シート31の場合におけるプライ剥がれを防止することができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。特段の記載のない限り、第1および第2の実施形態に適用可能な構成は、本実施形態に適用可能である。
静電気除去手段60を原紙シート31の搬送路を挟んで両側のそれぞれに配置する本実施形態によると、搬送路を走行する原紙シート31の両面のそれぞれに対して静電気除去処理を行うことができる。これにより、原紙シート31からの静電気の除去効果が高まり、原紙シート31のカレンダーロール53、54への巻き付きを抑制する効果が向上する。
本発明は、単数プライまたは複数プライの衛生薄葉紙ロールの製造に適用可能である。本発明は、トイレットロールおよびペーパータオルロールのようなロール状の衛生薄葉紙製品はもちろん、箱入りまたは袋入りのティシュペーパー、キッチンペーパーのような、巻取ロールの形態を経た後に紙束状に加工される衛生薄葉紙製品の製造にも適用可能である。
31 原紙シート
36 原反ロール
50 カレンダー手段
51 重合ローラ
53 カレンダーロール(トップロール)
54 カレンダーロール(ボトムロール)
55 スリッターパート
56 リールドラム
58 巻取ロール
60 静電気除去手段
Claims (2)
- 原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された前記原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施した後に、前記原紙シートをロール状に巻き取って巻取ロールを形成する巻取ロール形成工程を含む、衛生薄葉紙ロールの製造方法であって、
前記巻取ロール形成工程において、前記カレンダーロールの下流であって、前記カレンダーロールのニップに近接し、前記カレンダー処理が施された直後の前記原紙シートに帯電している静電気の除去を行い、前記原紙シートに帯電した静電気に起因する前記カレンダーロールへの前記原紙シートの巻き付きを防止する位置に配置された静電気除去手段によって、前記カレンダー処理が施された直後の前記原紙シートに帯電している静電気の除去を行うことを特徴とする衛生薄葉紙ロールの製造方法。 - 前記原紙シートの搬送方向において互いに離間するように設置された複数の前記カレンダーロールを用いて前記カレンダー処理を多段階に施し、当該複数の前記カレンダーロールのそれぞれの下流であって、前記カレンダーロールのニップに近接し、前記カレンダー処理が施された直後の前記原紙シートに帯電している静電気の除去を行い、前記原紙シートに帯電した静電気に起因する前記カレンダーロールへの前記原紙シートの巻き付きを防止する位置に配置された複数の前記静電気除去手段のそれぞれによって前記静電気の除去を行うことを特徴とする請求項1に記載の衛生薄葉紙ロールの製造方法。
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