JP5669459B2 - 巻きずれ防止材 - Google Patents

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Description

本発明は、吸湿している場合でも紙材を繰り出す際に原反に巻きずれを防止して安定して操業可能な巻きずれ防止材に関し、例えば、マルチスタンド式インターフォルダに供するティシュペーパー製品用二次原反ロールに適用可能なものである。
ティシュペーパーの箱詰め製品は、一般的に、インターフォルダ(折り畳み設備)によって複数の連続するティシュペーパーを折り畳みながら積み重ね、所定の長さに切断するなどしてティシュペーパー束を得、このティシュペーパー束を収納箱(ティシュカートン)内に収納することによって製造される。
そして、このようなインターフォルダの例として、ロータリー式インターフォルダの他、マルチスタンド式インターフォルダなどが知られている。このマルチスタンド式インターフォルダを用いた製造方法の従来例としては、次のようなものがある。
まず、抄紙設備において衛生用薄葉紙を抄造して巻き取ることで、一次原反ロール(一般にジャンボロールともいわれている)を製造し、次いで、この一次原反ロールをプライマシンにセットし、複数の一次原反ロールから繰り出した一次連続シートを重ね合わせて巻き取ると共にスリット(幅方向にティシュペーパー製品の製品幅毎)し、ティシュペーパー製品の製品幅の偶数倍幅とし、紙管を共通とした、複数のプライからなる二次原反ロールを製造する。
この後、プライマシンで製造された二次原反ロールは、プライマシンから取り出された後、必要な数だけマルチスタンド式インターフォルダにセットされる。次いで、二次原反ロールから二次連続シートを繰り出して、折畳機構部へ送り込み、ここで折り畳みながら積み重ね、その後、所定の長さに切断されてティシュペーパー束とし、収納箱内に収納する。尚、このようなマルチスタンド式インターフォルダを用いた製造方法は、他の折り畳み設備を用いた製造方法に比べて、多数(80〜100機程度)の折畳機構部を有しているため生産性が高いという利点を有している。ここでいう折畳機構部の1機とは、ティシュー製品の製品幅にスリットした2列のティシュペーパーを、互いに内側に入り込むように折り畳み加工する機構の単位である。
ところで、現在、ティシュペーパー製品に保湿剤などの薬液を付与されたティシュペーパー製品である保湿ティシュペーパーは、800トン/月の需要があると言われているが、近年、保湿ティシューの認知率の増加に伴い使用人口及び使用量は増加しつづけ、需要が拡大している。したがって、保湿ティシューの需要の拡大に伴い、より生産性の高いマルチスタンド式インターフォルダで保湿ティシューを製造する必要があった。
マルチスタンド式インターフォルダで保湿ティシュペーパーを製造するには、抄紙工程、プライマシン工程(二次原反ロール製造)、折り畳み工程(マルチスタンド式インターフォルダ)の各工程の何れかで、各種の印刷方式、噴霧方式、スプレー方式、インクジェット方式などの方式を用いて、薬液を塗布、塗工することが必要である。しかし、抄紙工程でのオンマシン塗布は、通常1000m/分以上の高速で低粘度の薬液塗布を行なうため、薬液飛散、低い薬液歩留など技術的に難しい課題があり商業的に成功することは難しい。
また、マルチスタンド式インターフォルダでのオンライン薬液塗布をするには、供給される二次原反ロール幅に対応する幅毎(ティシュー製品幅の偶数倍のシート幅)に多数の薬液塗布装置を、二次原反ロールの繰り出し部から折畳機構部までの間などに設置する必要があるが、この際に、個々の薬液塗布装置の塗布量を一定に管理することは難しく、かつ多大な設備費用がかかるため実際的ではない。
これに対しプライマシン工程での薬液塗布は、比較的高速(通常700m/分以上)での塗布が必要であるものの、基本的に広幅のプライシートに対し均一に薬液塗布することが可能で、薬液の循環再生処理と使用も容易であるため、実際に有効な薬液塗布方法の1つである。
ただし、プライマシンで薬液塗布する場合、薬液が塗布された状態の衛生用薄葉紙がこのプライマシンで一旦巻き取られて二次原反ロールになるが、この場合においても、いくつかの課題がある。
つまり、この二次原反ロールは薬液を含んだ原反となるが、この二次原反ロールは直径が1m超程度の大きさの大巻きの原反であるものの、この大巻きの二次原反ロールにおいては、ローション薬液を塗布された衛生用薄葉紙がローション薬液に含まれる水分に加え、時間経過により空気中の水分を吸湿することで、衛生用薄葉紙が伸びることになる。また、塗布した薬液によりシート表面の摩擦抵抗が下がり、ティシュー同士がすべり易くなることになる。
そして、ローション薬液を塗布し吸水および吸湿したこの大巻きの二次原反ロールからマルチスタンド式インターフォルダに衛生用薄葉紙を繰り出す場合、二次原反ロールの外周側に駆動ベルトを当接させ、この駆動ベルトにより理想的には加速度の小さい安定した速度で原反の外周側から衛生用薄葉紙を押出すことになる。
しかし、衛生用薄葉紙が伸びて原反ロールの巻きが緩くなること、薬液塗布によりティシューが滑りやすくなること、また二次原反ロールが大きく、実際の操業では角加速度が加わり、加工開始時には慣性モーメントにより外側の押出す力が内側に伝わりにくくなり原反ロールが締まったり、あるいは外側の押出しを止めた時に内側が慣性により回転し原反ロールがゆるむこともあって、ティシュー幅毎にスリットの入っている二次原反ロールをマルチスタンド式インターフォルダにより加工する際には、二次原反ロールが進行方向に対して左右に、および/あるいは前後に巻きずれを生じて、ティシュー製品にしわを発生させてしまうことがあった。
この一方、ロータリー式インターフォルダでは、二次原反ロールはスリットされることなく通常はティシュー長さ(230mm)の5倍以上の広幅で供給され、ティシューシート同士の摩擦があり巻きずれを起こしにくく、2つの二次原反ロールから繰り出されるティシューシートの幅位置のずれはペーパーロールで調整できる範囲にある。また広幅原反ロールの巻きずれがあっても、全幅が一緒にずれるため加工したティシューウエブ製品でのしわは基本的に生じない。
これに対し、ティシュー製品幅(200mm)でスリットされるマルチスタンド式インターフォルダで加工する場合、薬液塗布し吸湿した二次原反ロールは駆動ベルトにより安定した速度で押出されるが、押出し開始時および押出し停止時、もしくは加減速時には、二次原反ロールの内周側は外周側と比べて異なった回転速度で回転しようする力が働き、二次原反ロールの内周側と外周側との間で進行方向と左右に巻ずれが生じる他、長手方向に沿った巻きずれも生じてしまうことがあった。
つまり、マルチスタンド式インターフォルダでは、設置される二次原反ロールの幅がティシュー製品幅の2倍であっても、あるいはティシュー製品幅の2倍の複数倍であっても、スリットはティシュー製品幅で入っているため、個々のシート毎に、シートの繰り出し方向に対し左右にあるいは/そして前後に巻きずれを生じる。そして、この巻ずれの発生に伴って、完成品となるティシュペーパーに皺が入った不良品が発生する欠点があった。
ここで二次原反ロールの幅は、ティシュー製品幅の2倍、もしくはティシュー製品幅の2倍の複数倍である必要がある。これは、二次原反ロールの繰り出し機構は当然に二次原反ロール毎であり、異なる二次原反ロールから同じ折畳機構部にシートを供給し加工すると、その2つのシートは同調させることは事実上できないため、折畳機構部でシートがずれてしわが入ることになるからである。
これに対して、原反を構成する紙材の皺防止のためには種々の構造が知られている。
例えば、特許文献1に示す巻取装置の巻取り制御方法、特許文献2に示すロール紙の幅方向での巻を均一にし、皺の発生を防止する巻替装置及び、特許文献3に示す搬送ロールとフィルムのエアー厚みを調整し、フィルムを搬送中にフィルムに傷や皺が入らない運搬装置等が知られている。
特開昭63-123743号公報 特開2009-220991号公報 特開2007-106508号公報
しかし、これらの特許文献に示された構造であっても、例えばティシュペーパー等の紙材である家庭用紙に関して巻きずれを防止するようなものはなく、また、時間経過により原反である二次原反ロールを構成する衛生用薄葉紙が吸湿する結果として二次原反ロールからの衛生用薄葉紙の送り出し時に、二次原反ロールが巻きずれしてしまうことを防止できるものはなかった。
他方、原反の巻径よりも長いプレート等で原反の側面である側端部を押さえることにより、薬液塗布した原反であっても幅方向のズレを抑えることが可能であることが判明した。しかし、原反の巻径よりも長いような大きなプレートは、プレートの重量が例えば8Kg程度と重く、また、プレートの長さが1600mm程度と長く、作業者がこのプレートを原反の側面に取付けることが困難であり、作業性が低かった。さらには、操業時においては、大きなプレートと原反の側面が擦れ、特に原反の外周側寄りの箇所で、プレートとの摩擦により傷ついて紙粉が堆積し易くなる欠点もあった。
そして、ティシュペーパーのような家庭用紙はクレープ紙であるため、後述の図6に示すMD方向のテンションに対し伸びやすく、かつMD方向の引張強度が比較的小さい。これに加えて保湿剤を含む薬液を塗布したティシュペーパーでは吸湿によりさらに伸びやすく、紙の厚みが薄くなり易く、ティシュペーパー表面の薬液によりシート表面が滑りやすくなるため、二次原反ロールが巻きずれしやすい。加えて、吸湿によりMD方向の引張強度がさらに小さくなり、巻きずれにより幅方向のテンションが偏ってしまうことも影響して、操業において紙が切れやすい傾向にあった。
そこで、本発明の主たる課題は、吸湿している場合でも紙材を繰り出す際に原反に巻きずれを防止して安定して操業可能な巻きずれ防止材を提供することにある。
請求項1に係る巻きずれ防止材は、紙材が巻かれた原反に隣接して片持ち状に配置されたガイド部材と、
原反の側端部と対向しつつ、ガイド部材の先端側に回転可能に支持されたローラと、
を有する。
請求項1に係る巻きずれ防止材の作用を以下に説明する。
本請求項の巻きずれ防止材によれば、片持ち状のガイド部材が紙材を巻いた原反に隣接して配置され、このガイド部材の先端側に原反の側端部と対向してローラが回転可能に支持されている。
操業の際には、原反から紙材がスムーズに繰り出される必要があるが、本請求項では、原反の側端部を回転可能なローラで案内できるので、薬液が塗布されて吸湿している原反が回転された場合でも、ローラによりこの原反が支持されて巻きずれすることなく、原反から紙材を送り出すことができる。
このことから、本請求項に係る巻きずれ防止材によれば、吸湿している場合でも紙材を繰り出す際において原反の巻きずれが防止されて、安定した操業が可能になる。
これに伴い、薬液塗布済の原反であっても問題なく加工が可能であることから、薬液が塗布された製品を例えばマルチスタンド式インターフォルダで無駄なく生産可能になって、生産数量が向上するため、製造コストの低減が図れる。
他方、前述のように原反の側端部をプレート等の大型の板状の部材で単に押さえた場合には、原反の側端部における特に外周側寄りの箇所がこの板状の部材との摩擦により傷ついて、紙粉が堆積し易くなるが、回転可能なローラで原反の側端部を押さえることで、この板状の部材で単に押さえた場合と比較して、操業時において紙粉が堆積しないようになる。
また、本請求項では、ガイド部材が対向する原反の側端部より内周側の原反の側端部と対向した位置に、固定板が設置されたという構成を有している。
つまり、本請求項によれば、原反の側端部の内周側寄りを固定板で支持し、原反の側端部の外周側寄りを回転可能なローラで支持することで、ローラが届かないような箇所においても、原反の内周側と外周側との原反のずれ及び幅方向の原反のずれを防止して、薬液塗布した原反でも最後まで巻きずれすることなく安定した操業が可能になる。
また、固定板が小型となった結果、固定板の設置が簡単となるだけでなく、大型の板状の部材でなく小型の部材なので、原反の側端部における特に外周側寄りの箇所がこの固定板との摩擦により傷つくことがなく、これに伴い紙粉が堆積し難くなる。
請求項に係る巻きずれ防止材の作用を以下に説明する。
本請求項に係る巻きずれ防止材は請求項1の発明と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、ガイド部材が、原反の両側にそれぞれ隣接して配置された一対のガイド部材とされ、ローラが、一対のガイド部材の先端側にそれぞれ回転可能に支持された一対のローラとされたという構成を有している。
つまり、本請求項によれば、両側端部から原反を押さえることで、原反の巻ずれをより確実に防止できるようになる。
請求項に係る巻きずれ防止材の作用を以下に説明する。
本請求項に係る巻きずれ防止材は請求項1又は2記載の発明と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、ガイド部材が、相互に平行に2本設けられると共に、これらガイド部材の先端側に回動可能に中間部材がそれぞれ取り付けられ、これら2つの中間部材間に掛け渡される形でローラが回転可能に支持され、ガイド部材と中間部材との間を繋ぐ弾性部材がこれらの間に配置されて、弾性部材がこのローラを原反側に付勢するという構成を有している。
つまり、本請求項によれば、回転可能に支持されたローラを弾性部材で原反側に付勢することで安定した力でローラが原反に接する他、この付勢力に抗してローラを移動することで原反との間に隙間を設けることが可能になる。
この結果として、原反と接触する時に、板状の部材が接触した場合と比較して、ローラには角部が無いことから、原反に傷が生じ難くなる。他方、原反の入替時においては、原反の側面部を板状の部材等で全て固定した場合と比較し、弾性部材による原反側への付勢力に抗してローラを逃がすことで、原反との隙間を容易に設けることが可能となるのに伴い、原反を出し入れすることが容易になるので、原反の替え時間を短縮出来るようにもなる。
また、2本のガイド部材間に掛け渡される形でローラが支持されることで、ローラが安定的に支持されるようにもなる。
以上のとおり本発明の巻きずれ防止材によれば、吸湿している場合でも紙材を繰り出す際に原反に巻きずれを防止して安定して操業可能になるという優れた効果を奏するようになる。
一次原反ロールの製造設備、製造方法を示す概略図である。 マルチスタンド式インターフォルダの一例を示す概略図であり、正面から見た状態を示している。 マルチスタンド式インターフォルダの一例を示す概略図であり、側面から見た状態を示している。 マルチスタンド式インターフォルダの一例を示す概略図であり、正面から見た状態を示している。 折り畳まれたティシュペーパーの縦断面図である。 (b)収納箱に収納されたティシュペーパーの取出す様子を示す一部破断図である。 折り板に関する部位の要部拡大斜視図である。 二次連続シート(ティシュペーパー)の折り畳み方を示す要部拡大斜視図である。 二次連続シート(ティシュペーパー)の折り畳み方を示す要部拡大斜視図である。 二次連続シート(ティシュペーパー)の折り畳み方を示す要部拡大斜視図である。 二次原反ロールの製造設備、製造方法を示す概略図である。 図11で示す薬液付与手段周辺の要部拡大図である。 コンタクトエンボス手段によって積層連続シートにコンタクトエンボスを付与している様子を示す図である。 本発明に係る巻きずれ防止材の一実施の形態におけるローラ及びガイド部材等を示す拡大正面図である。 本発明に係る巻きずれ防止材の一実施の形態におけるローラ及びガイド部材等を示す拡大平面図である。 本発明に係る巻きずれ防止材の一実施の形態を示す正面図である。 本発明に係る巻きずれ防止材の一実施の形態を示す平面図である。 本発明に係る巻きずれ防止材の一実施の形態における固定板等を示す分解斜視図である。
次に、本発明の実施形態を説明する。なお、図中の矢印HDは水平方向を、矢印LDは上下方向を示している。
〔一次原反ロールの製造方法〕
一次原反ロールの製造方法の一例を、図1を参照しつつ説明する。
図1に示すように、ワイヤーパートを経た湿紙Wがボトムフェルト111に載せられて移送され、その後、トップフェルト110及びボトムフェルト111に挟持されたまま、トップロール112とボトムロール113の間を通過し搾水される。その後、搾水された湿紙Wは、トップフェルト110に載せられた状態で、タッチロール116を介してヤンキードライヤー115の表面に付着させられる。そして、湿紙Wは、ヤンキードライヤー115によって乾燥され、ドクターブレード117により引き剥がされた後、巻き取られることで一次原反ロールJRとされる。
この抄紙に際しては、例えば、分散剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、柔軟剤、剥離剤、コーティング剤、苛性ソーダ等のpH調整剤、消泡剤、染料などの適宜の薬品を添加することができる。
なお、本一次原反ロールの製造方法においては、ドクターブレード117により引き剥がされた後でカレンダー手段118によって平滑化処理を施すこともできる。
〔ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備〕
図11に示すように、本発明に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X1(プライマシンX1)は、上述の製造方法などで製造された一次原反ロールJRを、少なくとも2つ以上セット可能とされており、これらの一次原反ロールJRから繰り出した一次連続シートS1を、その連続方向に沿って積層して積層連続シートS2とするプライ手段51を有している。
プライ手段51の後段には、プライ手段51から流れてくる積層連続シートS2に対して薬液を付与する一対の薬液付与手段53が設けられており、これらの薬液付与手段53の後段には、並設された複数のカッターから成り、薬液付与手段53から移送されてきた積層連続シートS2をティシュペーパー製品の製品幅毎にスリットするスリット手段55が配置されている。そして、スリット手段55の後段には、スリット手段55によってスリットされた積層連続シートS2を同軸で巻取ってティシュペーパー製品の製品幅の2倍の幅又は製品幅の2倍の幅の複数倍幅の、複数の二次原反ロールRを形成する巻取り手段56が設けられている。ここで、この巻取り手段56は、スリットされた各積層連続シートS2を二次原反ロールRに案内するための2つのワインディングドラム56Aを有していて、これら2つのワインディングドラム56Aが二次原反ロールRの外周面に接して積層連続シートS2を案内している。
(カレンダー手段)
ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X1には、積層連続シートS2をカレンダー処理するカレンダー手段52を一つ以上設けることもできる。
カレンダー手段52におけるカレンダーの種別は、特に限定されないが、表面の平滑性向上と紙厚の調整の理由からソフトカレンダー又はチルドカレンダーとすることが好ましい。ソフトカレンダーとは、ウレタンゴム等の弾性材を被覆したロールを用いたカレンダーであり、チルドカレンダーとは金属ロールからなるカレンダーの事である。
カレンダー手段52の数は、適宜変更することができる。複数設置すれば加工速度が速くとも十分に平滑化できるという利点を有する一方、一つであるとスペースが狭くとも設置可能であるという利点を有する。
二つ以上のカレンダー手段52を設置する場合、水平方向、上下方向、或いは斜め方向に並設することができ、また、これらの設置方向を組み合わせて配置しても良い。水平方向に並設すると、抱き角度を小さくなるため加工速度が高速とすることができ、上下方向に並設すると設置スペースを小さくすることができる。なお、ここで言う抱き角度とはロールの軸中心から見てシートが接している間(軸と直行する断面の円弧の一部)の角度を意味している。
カレンダー処理条件におけるカレンダー種別、ニップ線圧、ニップ数なども制御要因として抄紙を行うようにし、これらの制御要因は、求めるシートの品質すなわちシートの紙厚や表面性によって適宜変更することが好ましい。
また、カレンダー手段52の設置位置は特に限定されないが、プライ手段51の後段であって且つ薬液付与手段53の前段や、薬液付与手段53の後段であって且つコンタクトエンボス手段54の前段とすることができる。
(薬液付与手段)
積層連続シートS2に対して薬液を付与する薬液塗布工程は、薬液付与手段53により実行されるが、具体的には、この薬液付与手段53はそれぞれドクターチャンバー形式による2つの薬液付与部53A、53Bにより構成され、これら2つの薬液付与部53A、53Bにより薬液を付与するようにされている。そして、積層連続シートS2を700m/分以上で、好ましくは900m/分以上の速度で搬送しつつ、薬液とされるローション剤をこれら薬液付与手段53A、53Bによって両面の合計で1.5g〜5g/m2の塗布量で塗布している。
塗布量は、操業中にプライ後の薬液を塗布しない場合の各々のシート米坪と、対応する塗布した直後の各々のシート米坪との差異により算出した。
(塗布量g/m2)=(塗布直後の米坪g/m2)−(塗布しない場合の米坪g/m2
両表層の塗布量、もしくは両面の塗布量の合計とは、プライされたティシュペーパーのシートの単位面積当たりの塗布量の合計であり、各シートの塗布量を加算したものとする。
つまり、図11及び図12に示すように一方のドクターチャンバー形式とされる薬液付与部53Aは、薬液の入っているドクターチャンバー61Aが、回転可能なアニロックスロール63Aと対向して配置されていて、ドクターチャンバー61Aからアニロックスロール63Aに薬液を受け渡すようになっている。また、このアニロックスロール63Aと接し且つ積層連続シートS2の一面とも接する刷版ロール64Aが回転可能に設置されていて、このアニロックスロール63Aから刷版ロール64Aに薬液を受け渡すようになっている。さらに、積層連続シートS2を挟んでこの刷版ロール64Aと対向している圧胴65Aとで積層連続シートS2に圧力を付与しつつ、刷版ロール64Aから積層連続シートS2に薬液を付与するようになっている。
そして、本実施の形態では、この薬液付与部53Aが後述するコンタクトエンボス手段54のコロ54Aと対向し且つ、前述のワインディングドラム56Aとも対向する積層連続シートS2の面側に位置している。尚、前述のドクターチャンバー61Aに対して薬液を付与する供給ポンプ(図示しない)及び、このドクターチャンバー61Aから薬液を戻すための排出供給ポンプ(図示しない)が、ドクターチャンバー61Aに設置されている。
他方、図11及び図12に示すように他方のドクターチャンバー形式とされる薬液付与部53Bは、薬液の入っているドクターチャンバー61Bが、回転可能なアニロックスロール63Bと対向して配置されていて、ドクターチャンバー61Bからアニロックスロール63Bに薬液を受け渡すようになっている。また、このアニロックスロール63Bと接し且つ積層連続シートS2の他の面とも接する刷版ロール64Bが回転可能に設置されていて、このアニロックスロール63Bから刷版ロール64Bに薬液を受け渡すようになっている。さらに、積層連続シートS2を挟んでこの刷版ロール64Bと対向している圧胴65Bとで積層連続シートS2に圧力を付与しつつ、刷版ロール64Bから積層連続シートS2に薬液を付与するようになっている。
そして、本実施の形態では、この薬液付与部53Bがコロ54Aと非対向とされ且つ、前述のワインディングドラム56Aとも非対向となる積層連続シートS2の他の面側に位置している。尚、前述のドクターチャンバー61Bに対して薬液を付与する供給ポンプ(図示しない)及び、このドクターチャンバー61Bから薬液を戻すための排出供給ポンプ(図示しない)が、ドクターチャンバー61Bにも設置されている。
従って、積層連続シートS2の両面に薬液付与部53A及び薬液付与部53Bから薬液がそれぞれ付与されるが、この際、薬液付与部53Aによるコロ54Aと対向する積層連続シートS2の面側の塗布量を薬液付与部53Bによる他の面側の塗布量に対して少なくしつつ、積層連続シートS2の両面からそれぞれ積層連続シートS2に対して薬液を付与している。
但し、両面の合計塗布量は、前述のように1.5〜5g/m2であり、プライ原反ロールである二次原反ロールRの外周面の塗布量が、二次原反ロールRの内周面の塗布量より少なくされている。そして、紙の両面に対するローション剤の合計塗布量の内、二次原反ロールRの外周面への塗布量は、全体の20%以上で50%未満が良いが、具体的な値は、二次原反ロールRの滑りと品質のバランス、シートの厚みやローション剤の浸透性、転移性により最適条件が異なるので、上記の範囲で変化する。
具体的には、片面毎の塗布量を変えるだけでなく、フレキソ版の線数を15〜40線程度、頂点面積率を20〜40%程度の薬液が飛散しない程度に粗くすることが考えられ、このようにすることで、塗布直後はドット柄が残り、瞬間的に塗布部分と未塗布部分ができるようになる。
従って、本実施の形態によれば、フレキソ形式を用いて版が樹脂であり弾力性があるため衛生用薄葉紙に多少の凹凸があっても印圧で調整可となるので、グラビア印刷のような金属ロールで塗布するよりも積層連続シートS2にシワが入り難くなる。他方、フレキソ印刷を応用したフレキソ形式を用いることにより、加工速度が高速であっても塗布量を安定させることができ、また、一つのロールで幅広い薬液の粘度を安定的に塗布することができるようになる。具体的には、積層連続シートS2を700m/分以上とし、好ましくは900m/分以上の速度で搬送しつつ、薬液とされるローション剤を1.5g〜5g/m2の塗布量で塗布する際にも、塗布が均一で蛇行無く積層連続シートS2を巻き取れるようになる。
尚、本実施の形態において使用する原紙は1プライで、米坪10〜25g/m2、クレープ率10〜30%とされ、同じく2プライで、伸び10〜25%、乾燥紙力縦が200〜700cN/25mm、乾燥紙力横が100〜300cN/25mm、原紙の湿潤紙力は横が50〜150cN/25mmの衛生薄葉紙である。
本実施の形態の薬液付与手段53は単数或いは複数設置することができ、複数設置する場合、水平方向、上下方向、或いは斜め方向に並設しても良く、水平方向を含めたこれらの設置方向を組み合わせて配置しても良い。水平方向に並設すると抱き角度を小さくなるため、加工速度が高速とすることができ、上下方向に並設すると設置スペースを小さくすることができる。
薬液付与手段53の前後に配置される手段(図11の例ではカレンダー手段52及びコンタクトエンボス手段54)は、相互に近接して配置することが好ましい。そうすることによって、薬液が付与されないティシュペーパー製品を製造する場合には、積層連続シートS2を薬液付与手段53の前段から後段に直接移送し、薬液付与手段53を通さずに積層連続シートS2を流すだけでよくなるため、薬液付与の有無を容易に切り替えることが可能となる。例えば、図11に示すティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X1では、薬液が付与されないティシュペーパー製品を製造する場合、図11において二点鎖線で示すように、積層連続シートS2をカレンダー手段52からコンタクトエンボス手段54に直接移送し、薬液付与手段53を通さずに積層連続シートS2を流すだけで良い。
また、付随する薬液付与手段53の要件としては、以下のものが考えられる。
2ロールフレキソ方式の薬液付与手段では、薬液タンク等の塗布装置内で循環する薬液に含まれる紙粉やエアーのろ過装置を設置する必要があるが、本実施の形態のようなドクターチャンバー形式の薬液付与手段53とした場合、紙粉等を除去する必要が無くなるので、ろ過装置の負荷が軽減されることも考えられる。さらに、ドクターチャンバー61A、61B等の塗布装置内で薬液の温度をコントロールし、薬液粘度を安定させる必要が考えられるが、ドクターチャンバー61A、61Bに繋がる中間タンク及び配管にヒーターを設置することにできる。他方、操業中に積層連続シートS2の幅方向の水分率で塗布量を管理する必要が考えられるが、例えば赤外線の検査機等を用いて常に幅方向の水分量とバラツキをチェックするようにできる。
(薬液)
塗布する薬液について、粘度は高速加工を行う観点から40℃で1〜700mPa・sが望ましい。1mPa・sより小さいとアニロックスロール、刷版ロール、グラビアロール等のロール上で薬液が飛散しやすくなり、逆に700mPa・sより大きいと各ロールや薄葉紙への塗布量をコントロールしにくくなる。成分はポリオールを70〜90%、水分を1〜15%、機能性薬剤を0.01〜22%含むものとする。
ポリオールはグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、およびその誘導体等の多価アルコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロース等の糖類を含む。
機能性薬剤としては、柔軟剤、界面活性剤、無機および有機の微粒子粉体、油性成分などがある。柔軟剤、界面活性剤はティシューに柔軟性を与えたり表面を滑らかにする効果があり、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤を適用する。無機および有機の微粒子粉体は表面を滑らかな肌触りとする。油性成分は滑性を高める働きがあり、流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを用いることができる。
また機能性薬剤としてポリオールの保湿性を助けたり、維持させる薬剤として親水性高分子ゲル化剤、コラーゲン、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、加水分解シルク、ヒアルロン酸若しくはその塩、セラミド等の1種以上を任意の組合せ等の保湿剤を加えることができる。
また機能性薬剤として香料、各種天然エキス等のエモリエント剤、ビタミン類、配合成分を安定させる乳化剤、薬液の発泡を抑え塗布を安定させるための消泡剤、防黴剤、有機酸などの消臭剤を適宜配合することができる。さらには、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化剤を含有させてもよい。
上記成分のうち、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールを主成分とすることが、薬液の粘度、塗布量を安定させる上で好ましい。
薬液塗布時の温度は30℃〜60℃、好ましくは35℃〜55℃とすることが好ましい。
(コンタクトエンボス手段)
ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X1には、積層連続シートS2に対してコンタクトエンボスを付与するコンタクトエンボス手段54を設けることができる。そして、このコンタクトエンボス手段54により、積層連続シートS2に対して層間剥離を防止するライン状の接合部分であるコンタクトエンボスCEを形成するための接合工程が実行される。
ここで、コンタクトエンボス手段54は、図13に示すように、受けロールである圧胴54Bと表面に細かい凸部54Cを有した金属製で硬質のコロ54Aとが所定の圧力を有して相互に外周面同士を当接しつつ、それぞれ回転可能に設置されている。そして、積層連続シートS2におけるティシュペーパー製品の幅方向中央に該当する部分に対して、左右各2つずつ存在する凸部54Cと圧胴54Bとの間で積層連続シートS2を挟みつつ搬送することで、積層連続シートS2に対して、積層連続シートS2の連続方向に沿って層間剥離を防止するライン状のコンタクトエンボスCEを施すようになっている。
尚、このコンタクトエンボスCEを施すコロ54Aと対向した側の面を外周側として前述の巻取り手段56が、積層連続シートS2を巻取ることになる。
このようにコンタクトエンボスCEを付与することによって、複数の一次連続シートS1を積層して成る積層連続シートS2の層間剥離を防止する。なお、コンタクトエンボスCEは、ティシュペーパー製品の端部が層間剥離し難くなるように、ティシュペーパー製品の幅方向両側部に位置するよう形成されることが好ましい。
なお、コンタクトエンボス手段54の設置箇所は特に限定されないが、薬液付与手段53の後段であって且つスリット手段55の前段や、カレンダー手段52の後段であって且つ薬液付与手段53の前段とすることが考えられる。つまり、カレンダー手段52の後段であって且つスリット手段55の前段の何れかの箇所で有ればよいことになる。
また、この接合工程において、本実施形態ではコロとして表面に細かい凸部54Cを有した金属製で硬質のコロ54Aを用いたが、積層連続シートS2に対して層間剥離を防止するライン状の接合部分が形成できればよく、例えばコロ54Aの替りに、表面に細かい針状の部材を有したローラをコロとすることもできる。
さらに、接合する為の手段としては上記例に限定されず、凸部の先端形状が、点状、正方形、長方形、円形、楕円形等の形状のものをコロとして用いても良く、凸部の先端形状が、細長い線状、細く斜めに伸びる線状等のものをコロとして用いても良い。
他方、凸部の配列としては等間隔が考えられるが、千鳥状としたり、等間隔としなくとも良く、また、凸部を1列に配置してコンタクトエンボスを連続して付与する他に、凸部を2列以上の複数列配置することも考えられる。そして、コンタクトエンボスを緊密に複数列付与するように凸部が配置された群を複数並べて、複数のコンタクトエンボス群を付与するようにしても良い。尚、接合工程としては、上記のように機械的に圧力を加えて接合する他に、超音波等の他の手段により接合しても良い。
(一次連続シート)
一次連続シートS1の原料パルプは、特に限定されず、ティシュペーパー製品の用途に応じて適宜の原料パルプを選択して使用することができる。原料パルプとしては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
特に原料パルプは、NBKPとLBKPとを配合したものが好ましい。適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、風合いなどの点で、NBKPとLBKPのみから構成されているのがよく、その場合の配合割合(JIS P 8120)としては、NBKP:LBKP=2:8〜8:2がよく、特に、NBKP:LBKP=4:6〜7:3が望ましい。
一次連続シートS1は、JIS P 8124による坪量が、10〜25g/m2とされ、好ましくは12〜20g/m2とされ、より好ましくは13〜16g/m2とされる。坪量が10g/m2未満であると、柔らかさの点においては好ましいが、適正な強度を確保することができなくなる。他方、坪量が25g/m2を超えると、硬くなりすぎて、肌触りが悪化する。
また、紙厚(尾崎製作所製ピーコックにより測定)は2プライで80〜250μm、好ましくは100〜200μm、より好ましくは130〜180μmとされる。
ここで、紙厚の測定としては、5組のサンプルを適宜採取し、これらサンプルを恒温恒湿室内で2時間〜4時間放置後、紙厚をそれぞれ測定する。尚この際、紙厚は2枚(若しくは3枚)で測定し、紙厚計としては、上記尾崎製作所製のものであるダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)0.01mmタイプのG型を用いることが考えられる。
また、紙厚は、例えば下記の式から具体的に求められる。
紙厚(μm)=(測定値の合計)/n数 (μm単位)
また、一次連続シートS1は、クレープ率が10〜30%であるのが好ましく、12〜25%であるのがより好ましく、13〜20%であるのが特に好ましい。クレープ率が10%未満であると、加工時に断紙しやすいとともに伸びの少ないコシのないティシュペーパー製品となる。クレープ率が30%以上であると、加工時のシートの張力コントロールが難しくシワが発生したり、また肌触りの悪いティシュペーパー製品となる。
一次連続シートS1は、JIS P 8113に規定される乾燥引張強度(以下、乾燥紙力ともいう)の縦方向が、2プライで200〜700cN/25mm、好ましくは250〜600cN/25mm、特に好ましくは300〜600cN/25mmとされ、他方、横方向が、2プライで100〜300cN/25mm、好ましくは130〜270cN/25mm、特に好ましくは150〜250cN/25mmとされる。原紙の乾燥引張が低過ぎると、製造時に破れや伸び等のトラブルが発生し易くなり、高過ぎると使用時にごわごわした肌触りとなる。
これらの紙力は公知の方法により調整でき、例えば、紙力剤を内添(ドライヤーパートよりも前の段階、例えばパルプスラリーに添加)する、パルプのフリーネスを低下(例えば30〜40ml程度低下)させる、NBKP配合率を増加(例えば50%以上に)する等の手法を適宜組み合わせることができる。
乾燥紙力剤としては、澱粉、ポリアクリルアミド、CMC(カルボキシメチルセルロース)若しくはその塩であるカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース亜鉛等を用いることができる。湿潤紙力剤としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性付与PAM等を用いることができる。湿潤紙力剤を内添する場合、その添加量はパルプスラリーに対する重量比で5〜20kg/t程度とすることができる。また、乾燥紙力剤を内添する場合、その添加量はパルプスラリーに対する重量比で0.5〜1.0kg/t程度とすることができる。
〔ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法〕
次に、本発明に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法の一例を説明する。本形態に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法は、例えば、上述したティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X1を用いて行うことができる。
図11に示すように、本発明に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法においては、プライ手段51で複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シートS1をその連続方向に沿って積層して積層連続シートS2とし(積層工程)、この積層連続シートS2に対して一対の薬液付与手段53で薬液を付与し(薬液塗布工程)、スリット手段55によって積層連続シートS2をティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットし(スリット工程)、次に、スリット工程でスリットされた積層連続シートS2を同軸で巻取ってティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールRを、巻き取り手段56によって形成する。
なお、本形態に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法では、上述したティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X1と同様に、積層工程の後段であって且つ薬液塗布工程の前段に、積層連続シートS2に対して一対のカレンダー手段52で平滑化処理する平滑化工程を設けることもできる。また、薬液塗布工程の後段であって且つスリット工程の前段に、積層連続シートS2に対してコンタクトエンボス手段54で層間剥離を防止するライン状のコンタクトエンボスを施すコンタクトエンボス工程を設けることもできる。
本実施形態に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備又は製造方法においては、加工速度は100〜1100m/分とされ、好ましくは300〜1050m/分とされ、より好ましくは450〜1000m/分とされる。1200m/分超過であると、積層連続シートS2が断紙する頻度が高くなり、薬液塗布工程では刷版ロールやアニロックスロール表面のローション剤の幅方向の不均一性により、薬液の塗布ムラが生じる可能性があり、またローション剤の飛散が多くなる。
本実施形態に係る衛生用薄葉紙製品用二次原反ロールの製造設備又は製造方法においては、薬液を積層連続シートS2の両面に塗布する場合、両面の合計の薬液塗布量は、1.5〜5.0g/m2とされ、好ましくは2.0〜4.5g/m2とされ、より好ましくは2.5〜4.0g/m2とされる。5.0g/m2超過であると、紙力低下や伸びなどにより断紙したり、ワインディングドラムで巻き取りの際に巻きズレを起こしたり、また品質的にべたつき感が過ぎる場合も出てくる。1.5g/m2未満であると滑らかさやしっとり感など未塗布面との差異を感じられなくなってしまう。
なお、両塗布面への塗布量に大きな差異があると、表裏差を生じてしまうことから、一方の塗布量が全体の20%以上で50%未満が良い。塗布後にプライ原反で保管されてから折り加工されるまでの時間(平均的に8時間〜24時間)に、両塗布面は接していることから、しだいに両者の薬液量は均等化していき表裏差は改善される。
薬液を積層連続シートの片面のみに塗布する場合、薬液の塗布は、巻きズレを起こしにくいことからS1への塗布がよい。塗布量は、1.5〜5.0g/m2とされ、好ましくは2.0〜4.5g/m2とされ、より好ましくは2.5〜4.0g/m2とされる。
〔マルチスタンド式インターフォルダ〕
上述のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備、製造方法で製造された二次原反ロールRは、マルチスタンド式インターフォルダに多数セットされ、セットされた二次原反ロールRから二次連続シートを繰り出して折り畳むと共に積層することによってティシュペーパー束が製造される。以下では、そのマルチスタンド式インターフォルダの一例について説明する。
図2及び図3に、マルチスタンド式インターフォルダの一例を示した。図中の符号2は、マルチスタンド式インターフォルダ1の図示しない二次原反ロール支持部にセットされた二次原反ロールR,R…を示している。この二次原反ロールR,R…は、必要数が図示平面と直交する方向(図2における水平方向、図3における紙面前後方向)に横並びにセットされている。各二次原反ロールRは、上述のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備、製造方法でティシュペーパー製品幅にスリットが入れられており、ティシュペーパー製品の複数倍幅、図示例では2倍幅で巻き取られ、セットされている。
二次原反ロールRから巻き出された連続する帯状の二次連続シート3A及び3Bは、ガイドローラG1、G1等のガイド手段に案内されて折畳機構部20へ送り込まれる。また、折畳機構部20には、図4に示すように、折板P,P…が必要数並設されてなる折板群21が備えられている。各折板Pに対しては、一対の連続する二次連続シート3A又は3Bを案内するガイドローラG2,G2やガイド丸棒部材G3,G3が、それぞれ適所に備えられている。さらに、折板P,P…の下方には、折り畳みながら積み重ねられた積層帯30を受けて搬送するコンベア22が備えられている。
この種の折板P,P…を用いた折畳機構は、例えば、米国特許4052048号特許明細書等によって公知の機構である。この種の折畳機構は、図5に示すように、各連続する二次連続シート3A,3B…を、Z字状に折り畳みながら、かつ隣接する連続する二次連続シート3A,3B…の側端部相互を掛け合わせながら積み重ねる。
図7〜図10に、折畳機構部20の特に折板Pに関する部位を、詳しく示した。本折畳機構部20においては、各折板Pに対して、一対の連続する二次連続シート3A及び3Bが案内される。この際、連続する二次連続シート3A及び3Bは、ガイド丸棒部材G3,G3によって、側端部相互が重ならないように位置をずらされながら案内される。
折板Pに案内された時点で下側に重なっている連続する二次連続シートを第1の連続する二次連続シート3Aとし、上側に重なっている連続する二次連続シートを第2の連続する二次連続シート3Bとすると、これら連続する二次連続シート3A及び3Bは、図5及び図8に示すように、第1の連続する二次連続シート3Aの第2の連続する二次連続シート3Bと重なっていない側端部e1が、折板Pの側板P1によって、第2の連続する二次連続シート3Bの上側に折り返されるとともに、図5及び図9に示すように、第2の連続する二次連続シート3Bの第1の連続する二次連続シート3Aと重なっていない側端部e2が、折板PのスリットP2から折板P下に引き込まれるようにして下側に折り返される。この際、図5及び図10に示すように、上流の折板Pにおいて折り畳みながら積み重ねられた連続する二次連続シート3Aの側端部e3(e1)が、折板PのスリットP2から第2の連続する二次連続シート3Bの折り返し部分間に案内される。このようにして、各連続する二次連続シート3A,3B…は、Z字状に折り畳まれるとともに、隣接する連続する二次連続シート3A及び3Bの側端部相互が掛け合わされ、したがって、製品使用時において、最上位のティシュペーパーを引き出すと、次のティシュペーパーの側端部が引き出されることになる。
以上のようにしてマルチスタンド式インターフォルダ1で得られた積層帯30は、図2に示すように、後段の切断手段41において流れ方向FLに所定の間隔をおいて裁断(切断)されてティシュペーパー束30aとされ、図6(a)に示すように、このティシュペーパー束30aは、更に後段設備において収納箱Bに収納される。なお、以上のようなマルチスタンド式インターフォルダ1では、積層帯30の紙の方向は、流れ方向FLに沿って縦方向(MD方向)となっており、流れ方向と直交する方向に沿って横方向(CD方向)となっている。このため、積層帯30を所定の長さに切断して得られたティシュペーパー束30aを構成するティシュペーパーの紙の方向は、図6(a)に示すように、ティシュペーパーの折り畳み部の延在方向に沿って縦方向(MD方向)となり、ティシュペーパーの折り畳み部の延在方向と直交する方向に沿って横方向(CD方向)となる。
図6(b)に、収納箱Bにティシュペーパー束30aを収納して成る製品の一例を示した。収納箱Bの上面にはミシン目Mが設けられており、このミシン目Mで収納箱B上面の一部を破断することにより収納箱Bの上面が開口するようになっている。この開口は中央にスリットを有するフィルムFによって覆われており、このフィルムFに設けられたスリットを介してティシュペーパーTを取出すことができるようになっている。
ところで、前述したように、ティシュペーパー束30aを構成するティシュペーパーの紙の方向は、ティシュペーパーの折り畳み部の延在方向と直交する方向に沿って横方向(CD方向)となるため、図6(b)に示すように、ティシュペーパーTを収納箱Bから引き出す際には、その引き出し方向は、ティシュペーパーTの横方向(CD方向)と沿うようになっている。
次に、本発明に係る巻きずれ防止材の一実施の形態を図14から図18に示し、これら図面を参照しつつ本実施の形態を詳細に説明する。
上記のように薬液が塗布された積層連続シートS2が、巻心RMに巻かれて二次原反ロールRが形成されることになる。そして、この二次原反ロールRは前述のように所定時間保持後にマルチスタンド式インターフォルダにて折り畳まれて、多数の製品である収納箱B入りのテッシュペーパーになる。
他方、本実施の形態に係る巻きずれ防止材70は、図14から図17に示すように、相互に同一形状であって相互に平行に延びる2本の金属製のガイド部材81が、片持ち状に2次原反ロールRに隣接して配置されている。但し、上側に位置するガイド部材81の基端側はクランク状に屈曲されていて、2本のガイド部材81の基端側間の距離が相互に狭くなっている。
また、これら2本のガイド部材81の基端側寄り及び先端側寄りそれぞれには、金属製の棒材であるステー材82がボルト止めされていて、2本のガイド部材81がこれらステー材82により相互に繋がれている。このことで、2本の金属製のガイド部材81の位置関係が維持されるだけでなく、巻きずれ防止材70の強度の維持が図られている。
これら2本のガイド部材81の基端側は、二次原反ロールRが配置された箇所に隣接して建物の床面から垂直に延びる柱材96に固定されている。つまり、本実施の形態では、図15に示すように、金属製でガイド部材81の断面形状とほぼ同一の断面形状の四角形とされた挟持部材83がガイド部材81の基端側と対向して配置されている。この挟持部材83の両端側寄りには、それぞれネジ穴83Aが形成されており、これに対向するガイド部材81の部分には、座繰部分を有した2つの貫通穴81Aが形成されている。尚、これらネジ穴83A間及び貫通穴81A間の挟持部材83やガイド部材81の相互に対向する部分は、一段低く形成されている。
これにより、柱材96を挟み付ける形でこれら挟持部材83及びガイド部材81を配置して、これらを相互にねじ止めすることで、巻きずれ防止材70の内の2本のガイド部材81及びローラ90等が固定されることになる。これに伴い、2本のガイド部材81の基端側が柱材96に固定されてそれぞれ片持ち状に支持されている。
これら2本のガイド部材81の先端側には、図14及び図15に示すように、回動の際の中心軸となる支持軸85が設置されている。この支持軸85廻りには、く字形に形成された中間部材86がそれぞれ回動可能に取り付けられていて、この中間部材86の先端側には、これら2つの中間部材86間に掛け渡される形でステンレス鋼製であって円筒形のローラ90が回転可能に支持されている。
つまり、図14に示すように、このローラ90には、両端がそれぞれ中間部材86の先端側に固定されたセットカラー87が内蔵されており、このローラ90の内周面とセットカラー87との間にはベアリング88が配置されていて、このセットカラー87に対してローラ90が回転可能になっている。
これに伴い、2次原反ロールRの側端部RTと対向しつつ、ガイド部材81の先端側にローラ90が回転可能に支持されることになる。また、ガイド部材81と中間部材86との間には、弾性部材であるコイルスプリング91が配置されていて、このコイルスプリング91がこれらの間を繋いでこのローラ90を2次原反ロールR側に付勢している。
そして、中間部材86にはストッパピン92が、図14において下側に突出するように、取り付けられていて、このストッパピン92と対向するガイド部材81の部分が先端側に突出して当接部81Bとされている。この為、コイルスプリング91により付勢されて中間部材86が回動した場合でも、ストッパピン92がこの当接部81Bに当たることで、図15に示す2点鎖線Aの位置までしかローラ90が2次原反ロールR側に飛びでないようになっている。
以上より、中間部材86を介して2本のガイド部材81の先端側に回転可能に支持されたローラ90がこれら2の本ガイド部材81間を繋いだ構造とされているが、本実施の形態では、これら2本のガイド部材81、2本の中間部材86及び、ローラ90が、2次原反ロールRの両側端部RTにそれぞれ配置されている。
他方、ガイド部材81やローラ90が対向する2次原反ロールRの側端部RTより内周側の2次原反ロールRの側端部RTと対向した位置には、図18に示す円板状に形成された一対の固定板71、72が設置されている。
以下これら一対の固定板71、72の具体的な取り付け構造を説明する。
まず、図18に示すように、円管状に形成された軸部73Aが中程に備えられた金属製の雄側シャフト部材73を有しており、この軸部73Aが二次原反ロールRの巻心RM内に嵌り込むような外径を有している。そして、この雄側シャフト部材73の中程を滑らかな円管状の軸部73Aが形成する他、先端部は一段細く形成されていて、この先端部の外周側に雄ねじ73Bが形成されている。また、この雄側シャフト部材73の基端部には、巻心RMの内径より大きいフランジ部73Cが、一周に亘って外周側に広がるように形成されている。
さらに、雄側シャフト部材73の軸部73Aと同一径の滑らかな円管状に形成された軸部74Aを中程に備えた金属製の雌側シャフト部材74が有り、この雌側シャフト部材74の先端部における内周側には、雄側シャフト部材73の先端部に形成された雄ねじ73Bに螺合し得る雌ねじ74Bが形成されている。この雌側シャフト部材74の基端部には、雄側シャフト部材73と同様に、巻心RMの内径より大きいフランジ部74Cが、一周に亘って外周側に広がるように形成されている。尚、これらフランジ部73C、74Cには、図16に示す支持部材97に形成されたノッチ97Aに支持される凸部75がそれぞれ形成されている。
この一方、本実施に係る巻きずれ防止材70は、エンジニアリングプラスチックの一種類であるポリカーボネートにより平面状且つ円板状に形成された透明な一対の固定板71、72を備えている。そして、二次原反ロールRの外周側に向かって例えば1800mm程度の直径の二次原反ロールRの場合には、500mm程度の直径になるようにこれら一対の固定板71、72は形成されている。これら一対の固定板71、72の中心には、雄側シャフト部材73の軸部73A及び雌側シャフト部材74の軸部74Aが貫通可能であって、各フランジ部73C、74Cの外径より小さな内径の貫通穴部71A、72Aが円形にそれぞれ形成されている。
また、前述のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備により形成されて、薬液が塗布されている積層連続シートS2が巻かれた二次原反ロールRは、一定時間保存されて積層連続シートS2が薬液を吸湿することになるが、この後に、この二次原反ロールRから積層連続シートS2が送り出されて折り畳まれると共に所定長さ毎に切断されて、テッシュペーパーとなる。
この際、この二次原反ロールRの両側端部RTに各固定板71、72を配置し、雄側シャフト部材73及び雌側シャフト部材74を貫通穴部71A、72Aに貫通させてから、二次原反ロールRの内周側に挿入する。そして、これらシャフト部材73、74の雄ねじ73Bと雌ねじ74Bを螺合させることで、各フランジ部73C、74Cが貫通穴部71A、72Aの周囲の部分に係合して、固定板71、72の内周側を二次原反ロールRに取り付けることが可能となる。これにより、螺合された状態の雄側シャフト部材73及び雌側シャフト部材74のフランジ部73C、74Cを除く長さが、二次原反ロールRの幅寸法に合うようになる。
この一方、前述の2本のガイド部材81、2本の中間部材86及びローラ90等からなる部材を、2次原反ロールRの両側端部RTにそれぞれ配置する。
この後、マルチスタンド式インターフォルダに二次原反ロールRがセットされ、セットされた二次原反ロールRから積層連続シートS2を繰り出して折り畳むと共に積層することによってティシュペーパー束を製造することになる。
但しこの際、図示しないモータ等の駆動源に繋がっていてこの駆動源により回転される図16に示す駆動ベルト80が、このようにローラ90や一対の固定板71、72等が取り付けられた二次原反ロールRの上部に常時接する状態となるように、矢印Y方向に沿って上下動可能に配置されることになる。そして、この駆動ベルト80が矢印A方向に回転するのに伴い二次原反ロールRが矢印B方向に回転して、二次原反ロールRの外周側から巻き出されて連続する帯状の二次連続シート3A、3Bが、駆動ベルト80により安定した速度で送り出されるようになっている。
次に、本実施の形態に係る巻きずれ防止材70の作用を説明する。
本実施の形態の巻きずれ防止材70によれば、相互に平行に延びる2本の片持ち状のガイド部材81が、紙材である積層連続シートS2を巻いた二次原反ロールRに隣接して配置され、これらガイド部材81の先端側に回動可能に中間部材86がそれぞれ取り付けられている。これら2つの中間部材86の先端側間に掛け渡される形でローラ90が回転可能に取り付けられるのに伴い、2次原反ロールRの側端部RTと対向してローラ90が回転可能に支持されている。
さらに、ガイド部材81と中間部材86との間を繋ぐコイルスプリング91がこれらの間に配置されて、このコイルスプリング91がこのローラ90を2次原反ロールR側に付勢している。
この一方、ガイド部材81が対向する2次原反ロールRの側端部RTより内周側の2次原反ロールRの側端部RTと対向した位置に、円板状の固定板71、72が設置されている。そして、本実施の形態では、このような巻きずれ防止材70が2次原反ロールRの両側端部RTにそれぞれ配置されている。
操業の際には、2次原反ロールRから積層連続シートS2がスムーズに繰り出される必要があるが、本実施の形態では、2次原反ロールRの両側端部RTの外周側寄りを回転可能なローラ90で案内したことで、薬液が塗布されて吸湿している2次原反ロールRが回転された場合でも、ローラ90によりこの2次原反ロールRが案内されてこのローラ90が案内する部分まで巻きずれすることなく、2次原反ロールRから積層連続シートS2を送り出すことができる。
さらに、2次原反ロールRの両側端部RTの内周側寄りを固定板71、72で支持したことで、2次原反ロールRの内周と外周とに隙間が生じる2次原反ロールRのずれや、2次原反ロールRの幅方向のずれを確実に防止して、薬液塗布した2次原反ロールRでも最後まで巻きずれすることなく操業が可能になる。
つまり、テッシュペーパーの製造に際しては、図16に示す駆動ベルト80により安定した速度で二次原反ロールRの外周側から積層連続シートS2が押出されるが、二次原反ロールRの両側端部RTをローラ90や固定板71、72で案内することができるので、薬液が塗布されて吸湿している二次原反ロールRが回転された場合でも、ローラ90や固定板71、72によりこの二次原反ロールRが支持されて最後まで巻きずれすることなく、二次原反ロールRから二次連続シート3A、3Bを送り出すことができる。
以上のことから、本実施の形態に係る巻きずれ防止材70によれば、吸湿している場合でも、二次原反ロールRの両側を巻きずれ防止材70で押さえることにより、二次原反ロールRの長手方向及び幅方向のずれの両方を抑えて、二次連続シート3A、3Bを繰り出す際において二次原反ロールRの巻きずれが防止される。この為、二次原反ロールRの内周側は惰性により回転するが、積層連続シートS2の搬送方向及び二次原反ロールRの幅方向の何れの方向においても巻きずれが生じることがなく、安定した操業が可能になる。
これに伴い、薬液塗布済の2次原反ロールRであっても問題なくティシュペーパーへの加工が可能であることから、薬液が塗布された製品をマルチスタンド式インターフォルダにより無駄なく生産可能になるのに伴って生産数量が向上する結果、製造コストの低減が図れる。
他方、2次原反ロールRの側端部RTを大型の板状の部材で単に押さえた場合には、2次原反ロールRの側端部RTにおける特に外周側寄りの箇所がこの板状の部材との摩擦により傷ついて、操業時において紙粉が堆積し易くなるが、回転可能なローラ90で2次原反ロールRの側端部RTの外周側寄りを押さえるのに伴い、固定板71、72が小型で良くなることからこのようなこともない。また、固定板71、72が小型で良くなることから、固定板71、72の設置が簡単ともなる。
さらに、本実施の形態によれば、ローラ90をコイルスプリング91により2次原反ロールR側に付勢した構造とされている。この為、この付勢力に抗してローラ90を図15の2点鎖線Bの位置まで移動することで、2次原反ロールRとの間に隙間を設けることが可能になり、2次原反ロールRの入替時においてローラ90により2次原反ロールRが傷付かないようになる。これにより、2次原反ロールRの替え時間を短縮出来るようにもなる。また、2本のガイド部材81間に掛け渡される形でローラ90が支持されることで、ローラ90が安定的に支持されるようにもなる。
尚、上記実施の形態では、固定板の材質をエンジニアリングプラスチックの一種の透明な材質であるポリカーボネートとしたが、その理由はポリカーボネートが強度、耐摩擦性、透明性に優れ、かつ安価であることにある。他のエンジニアリングプラスチックとして、m−PPE、PET、POM、PA6、PA66、PBT、U−PE、PVDF等ポリカーボネートと同様の強度、耐摩擦性有するエンジニアリングプラスチックを使用しても良い。また、固定板の硬さとしては、硬さ(JIS K6253 プラスチック硬度測定)で70〜100°の範囲のものが最適である。透明性の低いエンジニアリングプラスチックを用いる場合には、固定板に小さな穴を多数設けたり、固定板を網目状にするなどして、原反のシートの繰り出し状態を透視可能とすることができる。
他方、固定板の二次原反ロールRとの対向面には、二次原反ロールRとの間の摩擦力を高めて巻ずれ防止の効果を向上するべく、摩擦係数の高いゴム系の部材を配置しても良い。ゴム系の部材としては、例えばNBRが考えられる。また、上記実施の形態では、固定板を円板状に形成したが、巻ずれを防止の効果を向上させるために、たとえば固定板の内側に中心部から放射状に、あるいは中心部からリングの縞模様状に、透視可能部を避けて薄いゴム系部材を配置することができる。
本発明は、ティシュペーパー製品用二次原反ロールのマルチスタンド式インターフォルダへの送り出しに適用できるものである。
70 巻きずれ防止材
71 固定板
72 固定板
81 ガイド部材
86 中間部材
90 ローラ
91 コイルスプリング(弾性部材)

Claims (3)

  1. ティシュペーパーとする紙材が巻かれた原反に隣接して片持ち状に配置されたガイド部材と、原反の側端部と対向しつつ、ガイド部材の先端側に回転可能に支持されて、前記原反の側端部を支持するローラと、
    ローラが対向する原反の側端部より内周側の原反の側端部と対向した位置に設置され、ローラが支持する原反の側端部より内周側の原反の側端部を支持する固定板と、を有する
    ことを特徴とする巻きずれ防止材。
  2. ガイド部材が、原反の両側にそれぞれ隣接して配置された一対のガイド部材とされ、
    ローラが、一対のガイド部材の先端側にそれぞれ回転可能に支持された一対のローラとされた請求項1記載の巻きずれ防止材。
  3. ガイド部材が、相互に平行に2本設けられると共に、これらガイド部材の先端側に回動可能に中間部材がそれぞれ取り付けられ、これら2つの中間部材間に掛け渡される形でローラが回転可能に支持され、
    ガイド部材と中間部材との間を繋ぐ弾性部材がこれらの間に配置されて、弾性部材がこのローラを原反側に付勢する請求項1又は2記載の巻きずれ防止材。
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