JP4676552B1 - ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の一次原反ロールJRから繰り出される一次連続シートS1を積層する積層連続シートS2とする積層工程(51)と、積層連続シートS2に対して層間の剥離及びズレを防止するコンタクトエンボスを施すコンタクトエンボス工程(54)と、コンタクトエンボス工程(54)の後に、積層連続シートS2に対して薬液を塗布する薬液塗布工程(53)と、積層連続シートS2をティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット工程(55)と、スリットされた各積層連続シートS2を同軸で巻取ってティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールRを形成する巻取り工程(56)と、を有するティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法とする。
【選択図】図11
Description
プライマシンで製造された二次原反ロールは、プライマシンから取り出された後、必要な数だけマルチスタンド式インターフォルダにセットされる。次いで、二次原反ロールから二次連続シートを繰り出して、折畳機構部へ送り込み、ここで折り畳みながら積み重ね、その後、所定の長さに切断されてティシュペーパー束とし、収納箱内に収納する。
このようなマルチスタンド式インターフォルダを用いた製造方法は、他の折り畳み設備を用いた製造方法に比べて、多数(通常80〜100基)の折畳み機構を有しているため生産性が高いという利点を有している。
そこで、本発明の主たる課題は、薬液塗布工程を有するティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法であって、薬液を塗布した積層連続シートの層間で剥離やズレが生じることを防止可能であるティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法を提供することにある。
〔請求項1記載の発明〕
プライマシンにより、一次原反ロールから連続的に、マルチスタンド式インターフォルダの各原反ロール支持部にセットして用いる複数のティシュペーパー製品用二次原反ロールを製造する方法であって、
抄紙設備により抄造され巻き取られた複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層工程と、
前記積層連続シートに対して層間の剥離及びズレを防止するライン状のコンタクトエンボスを施すコンタクトエンボス工程と、
前記コンタクトエンボス工程の後の工程であって、積層連続シートに対してローション剤としての薬液を両面に塗布し、その際に薬液の塗布量が両面で異なるように塗布する薬液塗布工程と、
積層連続シートをティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット工程と、
スリットされた各積層連続シートを同軸でかつ薬液の塗布量が少ない面が外周面となるように巻取ってティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールを形成する巻取り工程と、
を有することを特徴とするティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法。
積層連続シートの両面の合計の塗布量を1.5〜5.0g/m 2 とする請求項1記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法。
薬液塗布量少ない面の塗布量を両面の合計の塗布量の20%以上50%未満とする請求項1又は2記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法。
前記薬液の塗布をフレキソ印刷方式によって行う、請求項1〜3の何れか1項に記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法。
本発明では、ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法における積層連続シートに対して薬液を塗布するようになっている。このため、プライマシンやマルチスタンド式インターフォルダとは別に薬液塗布工程を設ける場合と比較して、設備コストを低く抑えることができる。また、薬液を塗布しないティシュペーパー製品を製造する場合は、ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造工程から薬液塗布工程を省略するだけで良いため、設備の切り替えが容易にできる。
なお、平滑化工程は、積層工程とコンタクトエンボス工程との間で行われることが好ましい。平滑化工程が積層工程の前であると、ティシュペーパー製品のプライ剥がれを防止する効果を得ることができない。
〔一次原反ロールの製造方法〕
一次原反ロールの製造方法の一例を、図1を参照しつつ説明する。
図1に示すように、ワイヤーパートを経た湿紙Wがボトムフェルト111に載せられて移送され、その後、トップフェルト110及びボトムフェルト111に挟持されたまま、トップロール112とボトムロール113の間を通過し搾水される。その後、搾水された湿紙Wは、トップフェルト110に載せられた状態で、タッチロール116を介してヤンキードライヤー115の表面に付着させられる。そして、湿紙Wは、ヤンキードライヤー115によって乾燥され、ドクターブレード117により引き剥がされた後、巻き取られることで一次原反ロールJRとされる。
この抄紙に際しては、例えば、分散剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、柔軟剤、剥離剤、接着剤、苛性ソーダ等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、スライムコントロール剤、染料、などの適宜の薬品を添加することができる。
なお、本一次原反ロールの製造方法においては、ドクターブレード117により引き剥がされた後でカレンダー手段118によって平滑化処理を施すこともできる。
図11に示すように、本発明に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X3(プライマシンX3)は、上述の製造方法などで製造された一次原反ロールJRを、少なくとも2つ以上セット可能とされており、これらの一次原反ロールJRから繰り出した一次連続シート(図示例ではS11、S12)を、その連続方向に沿って積層して積層連続シートS2とするプライ手段51を有している。
ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X3には、積層連続シートS2をカレンダー処理するカレンダー手段52を一つ以上設けることもできる。
カレンダー手段52におけるカレンダーの種別は、特に限定されないが、表面の平滑性向上と紙厚の調整の理由からソフトカレンダー又はチルドカレンダーとすることが好ましい。ソフトカレンダーとは、ウレタンゴム等の弾性材を被覆したロールを用いたカレンダーであり、チルドカレンダーとは金属ロールからなるカレンダーの事である。
カレンダー手段52の数は、適宜変更することができる。複数設置すれば加工速度が速くとも十分に平滑化できるという利点を有する一方、一つであるとスペースが狭くとも設置可能であるという利点を有する。
二つ以上のカレンダー手段52を設置する場合、水平方向、上下方向、或いは斜め方向に並設することができ、また、これらの設置方向を組み合わせて配置しても良い。水平方向に並設すると、抱き角度を小さくなるため加工速度が高速とすることができ、上下方向に並設すると設置スペースを小さくすることができる。なお、ここで言う抱き角度とはロールの軸中心から見てシートが接している間(軸と直行する断面の円弧の一部)の角度を意味している(以下同じ)。
カレンダー処理条件におけるカレンダー種別、ニップ線圧、ニップ数なども制御要因として抄紙を行うようにし、これらの制御要因は、求めるティシュペーパーの品質すなわち紙厚や表面性によって適宜変更することが好ましい。
また、カレンダー手段52の設置位置は特に限定されないが、プライ手段51の後段であって且つコンタクトエンボス手段54の前段や、薬液塗布手段53の後段であって且つスリット手段55の前段とすることができる。
本実施形態に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備又は製造方法においては、薬液を積層連続シートS2の両面に塗布する場合、両面の合計の薬液塗布量は、1.5〜5.0g/m2とされ、好ましくは2.0〜4.5g/m2とされ、より好ましくは2.5〜4.0g/m2とされる。5.0g/m2超過であると、紙力低下や伸びなどにより断紙したり、ワインディングドラムで巻き取りの際に巻きズレを起こしたり、また品質的にべたつき感が過ぎる場合も出てくる。1.5g/m2未満であると滑らかさやしっとり感など未塗布品との品質差を感じられなくなってしまう。
なお、両塗布面への塗布量に差がある場合、塗布後にプライ原反で保管されてから折り加工されるまでの時間(8時間以上)に、両塗布面は接していることから、次第に両者の薬液量は均等化していき表裏差は小さくなる。
本ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備又は製造方法において、薬液塗布手段53としてグラビア印刷方式を用いる場合、加工速度は100〜1000m/分とし、好ましくは350〜950m/分、特に好ましくは450〜950m/分とする。100m/分未満であると生産性が低く、1000m/分超過であると、塗布ムラが生じ、薬液が飛散し易くなる。また、グラビアロールの線数は、40〜160線とし、好ましくは60〜140線、特に好ましくは80〜120線とする。線数が40線未満であると薬液飛散量が多くなってしまい、他方、線数が160線超過であると紙粉が詰まり易くなる。
フレキソ印刷方式は、加工速度が高速であっても塗布量を安定させることができ、また、一つのロールで幅広い薬液の粘度を安定的に塗布することができる。
ここでは、フキレソ印刷方式におけるドクターチャンバー形式の一例を説明する。
図12に示すように一方のドクターチャンバー形式とされる薬液塗布部53Aは、薬液の入っているドクターチャンバー61Aが、回転可能なアニロックスロール63Aと対向して配置されていて、ドクターチャンバー61Aからアニロックスロール63Aに薬液を受け渡すようになっている。また、このアニロックスロール63Aと接し且つ積層連続シートS2の一面とも接する刷版ロール64Aが回転可能に設置されていて、このアニロックスロール63Aから刷版ロール64Aに薬液を受け渡すようになっている。さらに、積層連続シートS2を挟んでこの刷版ロール64Aと対向している弾性ロール65Aとで積層連続シートS2に圧力を付与しつつ、刷版ロール64Aから積層連続シートS2に薬液を塗布するようになっている。
具体的には、片面毎の塗布量を変えるだけでなく、フレキソ版の線数を15〜40線程度、頂点面積率を20〜40%程度の薬液が飛散しない程度に粗くすることが考えられ、このようにすることで、塗布直後はドット柄が残り、瞬間的に塗布部分と未塗布部分ができるようになる。
2ロールフレキソ形式の薬液塗布手段では、薬液タンク等の塗布装置内で循環する薬液に含まれる紙粉やエアーのろ過装置を設置する必要があるが、本実施の形態のようなドクターチャンバー形式の薬液塗布手段53とした場合、紙粉等が少なくなるので、ろ過装置の負荷が軽減されることも考えられる。さらに、ドクターチャンバー61A、61B等の塗布装置内で薬液の温度をコントロールし、薬液粘度を安定させる必要が考えられるが、ドクターチャンバー61A、61Bに繋がる中間タンク及び配管にヒーターを設置することにできる。他方、操業中に積層連続シートS2の幅方向の水分率で塗布量を管理する必要が考えられるが、例えば赤外線の検査機等を用いて常に幅方向の水分量とバラツキをチェックするようにできる。
次に、ドクターチャンバー形式の実施形態2について、具体的な構造を以下に詳細に説明する。
なお、前述の薬液塗布手段53を構成するドクターチャンバー形式のフレキソ印刷方式による2つの薬液塗布部53A、53Bの一方のみを抜き出した構造の薬液供給装置100を以下に詳細に説明するが、薬液塗布部53A、53Bの他方も同様な構造になっていることは言うまでもない。尚、図14に示す薬液供給装置100の左右方向をX軸方向、上下方向をY軸方向とする。
従って、前述のドクターチャンバー61A、61Bが、本実施形態ではドクターチャンバー130とされ、前述の弾性ロール65A、65Bが、本実施形態では回動部160とされることになる。
押出ホース121は、一端が貯留タンク110内に挿入され、他端がドクターチャンバー130の導入部132と接続されたホースであり、貯留タンク110内の薬液Lを搬送する流路として機能する。供給ポンプ122は、押出ホース121に取り付けられ、図示しない駆動モータにより駆動されて、貯留タンク110内の薬液Lをドクターチャンバー130へ加圧送給する。調整弁123は、供給ポンプ122により押出される薬液Lの流量を弁の開閉により調整する。
引込ホース141は、一端が貯留タンク110内に挿入され、他端が後述のドクターチャンバー130の導出部133と接続されたホースであり、導出部133より導出される薬液Lを貯留タンク110に搬送する流路として機能する。
吸引ポンプ142は、引込ホース141に取り付けられ、図示しない駆動モータにより駆動されて、導出部133より導出される薬液Lを吸引させて貯留タンク110(外部)へ排出させる。
貯留部131aは、アニロックスロール151側の端部が開口し、導入部132及び導出部133と連結され、内部に貯留される薬液Lをアニロックスロール151に供給する。そして、アニロックスロール151への供給量が一定となるように、導入部132より貯留部131aに導入される薬液Lの一部が導出部133を介して導出されることで、循環されるよう構成されている。
従って、前述のアニロックスロール63A、63Bが、本実施形態ではアニロックスロール151とされることになる。
ブレード131b,131cは、アニロックスロール151と当接するように設けられ、アニロックスロール151に押しつけた状態で薬液Lの絞りを行う。
継手133aは、一端が本体部131に接続され、他端が引込部140の引込ホース141に接続され、引込部140と本体部131とを連結する管状の継手である。
つまり、継手133aに孔部133bが設けられているため、継手133a内の薬液Lは外気接触することとなる。そのため、導入部132より導入した薬液Lの一部を排出(導出部133から導出)して薬液Lを循環させる際に、吸引ポンプ142で薬液Lの吸引を行っても、上記孔部133bによって薬液Lが外気接触して、内圧を外気圧に近づけることができるので、ドクターチャンバー130内の内圧変動を抑えることができる。
なお、当該孔部133bは、ドクターチャンバー130内の内圧変動が抑えられればよいため、例えば、本体部131の上面に貯留部131aに連通するように形成してもよい。
つまり、上記チューブ133c内への流入が確認された場合は、貯留部131aに貯留される薬液Lの量が過多になっている(アニロックスロール151に対して薬液Lが過供給状態となっている)ことが把握できる。したがって、上記過多の状態を目視で確認した使用者は、例えば、調整弁123を操作して薬液Lの押出量(流量)を調整することにより、当該過多の状態を解消することが可能となる。
なお、チューブ133cは、内部が空洞で上端側が外気に接触しているため、上記孔部133bの作用を相殺してしまうことはない。
つまり、前述の刷版ロール64A、64Bが、本実施形態では刷版ロール152とされることになる。
さらに、アニロックスロール151は、円柱状をなし、XY平面に直交する軸回りに回動可能に構成されているため、上記のように周面に吸着された薬液Lは、回動によって刷版ロール152に転写することが出来る。
そのため、刷版ロール152は、左端で当接する回動部160がr1方向に回動することでr2方向に回動するとともに、右端で当接するアニロックスロール151をr1方向に回動させる。つまり、刷版ロール152は、アニロックスロール151の周面に吸着された薬液Lを点P2にて取得し、r2方向への回動により点P1まで搬送して積層連続シートS2に転写することができる。
そのため、アニロックスロール151により吸着された薬液Lがアニロックスロール151の周面上に層状に不均一に残ってしまう場合でも、刷版ロール152の周面に移送させることで、積層連続シートS2に薬液Lを均一に転写することができる。
なお、回動部160の回動の向きは、図14においてr1方向としたが、r2方向に回動するように構成しても勿論良い。この場合、アニロックスロール151及び刷版ロール152は図14とは逆方向(つまり、アニロックスロール151:r2方向、刷版ロール152:r1方向)に回動する。
まず、供給ポンプ122を駆動させ、貯留タンク110より薬液Lを押出し、押出ホース121及びドクターチャンバー130の導入部132を介して本体部131の貯留部131aへ供給する。
次いで、回動部160を回動させてアニロックスロール151に貯留部131aの薬液Lを供給し、刷版ロール152を介して薬液Lを積層連続シートS2上に転写させる。
加えて、吸引ポンプ142を駆動させ、導出部133を介して貯留部131aの薬液Lの一部を貯留タンク110へ向けて排出して循環させる。この際、導出部133の継手133a内で、孔部133bを介した外気接触によりドクターチャンバー130内の内圧変動が抑えられる。
また、上記循環の際に、薬液Lのチューブ133c内への流入が確認された場合、調整弁123を操作して薬液Lの流量の調整を行う。
したがって、薬液供給装置100は、ドクターチャンバー130から薬液Lを吸い出す際の、ドクターチャンバー130内の内圧変動を抑えるとともに、極力省スペースで設置できる薬液供給装置100であるといえる。
また、ドクターチャンバー130は、孔部133bに下端が連結され、上方に延伸した透明又は半透明のチューブ133cを備える。
また、チューブ133cの上端(自由端)を下向きにして設けることで、孔部133bへの紙粉等の異物の混入を防止することができる。
次に、ドクターチャンバー形式の実施形態3の薬液供給装置200について、図16を用いて説明する。
ドクターチャンバー形式の実施形態2の薬液供給装置100では、孔部133bに連結されたチューブ133c内への薬液Lの流入を目視により確認することで、アニロックスロール151に対して薬液Lが過供給状態となっていることを把握できるように構成したが、本実施形態の薬液供給装置200では、上記状態に至ったか否かを自動的に判別し、使用者に判別結果を報知するように構成する。
以下の薬液供給装置200の説明においては、ドクターチャンバー形式の実施形態2の薬液供給装置100との相違点を中心に説明し、一致する構成には、同一の符号を付し、説明を省略する。
センサ133fは、例えば、被検知体に向けて発光する発光素子(図示省略)と、被検知体からの反射光を受光する受光素子(図示省略)と、を含み、受光素子からの反射光の受光量に基づいて、円筒状部133dに流入する薬液Lの高さが、当該センサ133fの設けられた高さ位置(図16に示すy1)に達したか否かを検知するセンサである。
報知部133gは、例えば、スピーカ等であり、センサ133fにより、円筒状部133dに流入する薬液Lの高さが、上記センサ133fの設けられた高さ位置に達したと検知された場合に、音声により使用者への報知を行うように構成されている。
なお、円筒状部133dは、内部が空洞で上端側が外気に接触しているため、孔部133bの作用を相殺してしまうことはない。
次いで、回動部160を回動させてアニロックスロール151に貯留部131aの薬液Lを供給し、刷版ロール152を介して薬液Lを積層連続シートS2上に転写させる。
加えて、吸引ポンプ142を駆動させ、導出部233を介して貯留部131aの薬液Lの一部を貯留タンク110へ向けて排出して循環させる。この際、導出部233の継手133a内で、孔部133bでの外気接触を介してドクターチャンバー130内の内圧変動が抑えられる。
また、上記循環の際に、センサ133fにより、円筒状部133dに流入する薬液Lの高さが、センサ133fの設けられた高さ位置に達したと検知され、報知部133gにより使用者へその旨が報知された場合、調整弁123を操作して薬液Lの流量の調整を行う。
次に、ドクターチャンバー形式の実施形態4の薬液供給装置300について、図17を用いて説明する。
ドクターチャンバー形式の実施形態2の薬液供給装置100及び実施形態3の薬液供給装置200では、孔部133bの開口量は固定値となるように構成したが、本実施形態の薬液供給装置300では、当該開口量を調整できるように構成する。
以下の薬液供給装置300の説明においては、ドクターチャンバー形式の実施形態2の薬液供給装置100及び実施形態3の薬液供給装置200との相違点を中心に説明し、一致する構成には、同一の符号を付し、説明を省略する。
バルブ本体133iは、上記孔部133jの開口の上方に配設され、先端がテーパ状で上下動可能なニードル軸(図示省略)を備え、当該ニードル軸を上下動させて、孔部133jのオリフィスと接触する際の開度に応じて孔部133jの開口量を調整できるように構成されている。
つまり、内圧変動を抑えることで、内圧変動によりもたらされるドクターチャンバー130内からの薬液Lの噴出や、アニロックスロール151上の薬液Lのドクターチャンバー130側への吸込み等が好適に防止されるので、薬液Lの循環が促進される。
次いで、回動部160を回動させてアニロックスロール151に貯留部131aの薬液Lを供給し、刷版ロール152を介して薬液Lを積層連続シートS2上に転写させる。
加えて、吸引ポンプ142を駆動させ、導出部333を介して貯留部131aの薬液Lの一部を貯留タンク110へ向けて排出して循環させる。上記循環の際、センサ133fにより、円筒状部133dに流入する薬液Lの高さが、センサ133fの設けられた高さ位置に達したと検知され、報知部133gにより使用者へその旨が報知された場合、調整弁123の操作又は調整部133hによる孔部133jの開口量の調整により対処することが出来る。
例えば、薬液供給装置100において、チューブ133cを設けない場合は、孔部133bの上部にエアーフィルタを設置し、孔部133bへの紙粉等の異物の混入を防止するように構成してもよい。また、孔部133bは、貯留部131aの薬液Lの液面より上方であれば、本体部131の側面に設けてもよい。
ここでは、フキレソ印刷方式における2ロール転写形式の一例を説明する。
図11及び図19に示すように一方のフキレソ印刷方式とされる薬液塗布部53Aは、薬液の入っている薬液タンク66Aにディップロールである絞りロール62Aが浸されつつ回転可能に設置されている。さらに、薬液タンク66A外において絞りロール62Aと接しつつアニロックスロール63Aが、回転可能に設置されており、また、このアニロックスロール63Aと接し且つ積層連続シートS2の一面とも接する刷版ロール64Aが回転可能に設置されていて、積層連続シートS2を挟んで対向している弾性ロール65Aとで積層連続シートS2に圧力を付与している。
そして、本実施の形態では、この薬液塗布部53Aが後述するコンタクトエンボス手段54のコロ54Aと対向し且つ、前述のワインディングドラム56Aとも対向する積層連続シートS2の面側に位置している。
そして、本実施の形態では、この薬液塗布部53Bがコロ54Aと非対向とされ且つ、前述のワインディングドラム56Aとも非対向となる積層連続シートS2の他の面側に位置している。
具体的には、片面毎の塗布量を変えるだけでなく、フレキソ版の線数を15〜40線程度、頂点面積率を20〜40%程度の薬液が飛散しない程度に粗くすることが考えられ、このようにすることで、塗布直後はドット柄が残り、瞬間的に塗布部分と未塗布部分ができるようになる。
薬液タンク66A、66B等の塗布装置内で循環する薬液に含まれる紙粉やエアーのろ過装置を設置する必要があるが、ろ過装置としてはフィルターで紙粉等を除去することが考えられる。さらに、薬液タンク66A、66B等の塗布装置内で薬液の温度をコントロールし、薬液粘度を安定させる必要が考えられるが、薬液タンク66A、66Bに繋がる中間タンク及び配管にヒーターを設置することが考えられる。他方、操業中に積層連続シートS2の幅方向の水分率で塗布量を管理する必要が考えられるが、例えば赤外線の検査機等を用いて常に幅方向の水分量とバラツキをチェックするようにできる。
フキレソ印刷方式における1ロール転写形式とは、前述のフレキソ2ロール転写形式から絞りロール62A、62Bを省略したものである。この場合、アニロックスロール63A、63Bが、それぞれ薬液タンク66A、66Bに浸されつつ回転可能に設置される。また、これらのアニロックスロール63A、63Bに対しては、アニロックスロール63A、63B表面の薬液を掻き取るドクターブレード(図示せず)を設置しても良い。このようなフレキソ1ロール転写形式は、メンテナンスが比較的容易であるという利点や、ブレードの摩耗や薬液中の紙粉等の異物の混入状態を容易に目視できるという利点を有している。
塗布する薬液について、粘度は高速加工を行う観点から40℃で1〜700mPa・sとする。より好ましくは50〜400mPa・s(40℃)とする。1mPa・sより小さいとアニロックスロール、刷版ロール、グラビアロール等のロール上で薬液が飛散しやすくなり、逆に700mPa・sより大きいと各ロールや連続シートへの塗布量をコントロールしにくくなる。成分はポリオールを70〜90%、水分を1〜15%、機能性薬品を0.01〜22%含むものとする。
ポリオールはグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、およびその誘導体等の多価アルコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロース等の糖類を含む。
機能性薬剤としては、柔軟剤、界面活性剤、無機および有機の微粒子粉体、油性成分などがある。柔軟剤、界面活性剤はティシューに柔軟性を与えたり表面を滑らかにする効果があり、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤を適用する。無機および有機の微粒子粉体は表面を滑らかな肌触りとする。油性成分は滑性を高める働きがあり、流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを用いることができる。
また機能性薬剤としてポリオールの保湿性を助けたり、維持させる薬剤として親水性高分子ゲル化剤、コラーゲン、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、加水分解シルク、ヒアルロン酸若しくはその塩、セラミド等の1種以上を任意の組合せ等の保湿剤を加えることができる。
また機能性薬剤として香料、各種天然エキス等のエモリエント剤、ビタミン類、配合成分を安定させる乳化剤、薬液の発泡を抑え塗布を安定させるための消泡剤、防黴剤、有機酸などの消臭剤を適宜配合することができる。さらには、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化剤を含有させてもよい。
上記成分のうち、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールを主成分とすることが、薬液の粘度、塗布量を安定させる上で好ましい。
薬液塗布時の温度は30℃〜60℃、好ましくは35℃〜55℃とすることが好ましい。
ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X3には、積層連続シートS2に対してコンタクトエンボスを付与するコンタクトエンボス手段54を設けることができる。
ここで、コンタクトエンボス手段54は、図13に示すように、金属ロール又は弾性ロールである受けロール54Bと表面に細かい凸部54Cを有する金属製で硬質のコロ54Aとが所定の圧力を有して相互に外周面同士を当接しつつ、それぞれ回転可能に設置されている。そして、積層連続シートS2におけるティシュペーパー製品の幅方向中央に該当する部分に対して、左右各2つずつ存在する凸部54Cと、受けロール54Bとの間で積層連続シートS2を挟みつつ搬送することで、積層連続シートS2に対して、積層連続シートS2の連続方向に沿って層間剥離を防止するライン状のコンタクトエンボスCEを施すようになっている。
尚、このコンタクトエンボスCEを施すコロ54Aと対向した側の面を外周側として前述の巻取り手段56が、積層連続シートS2を巻取ることになる。
さらに、接合する為の手段としては上記例に限定されず、凸部の先端形状が、点状、正方形、長方形、円形、楕円形等の形状のものをコロとして用いても良く、凸部の先端形状が、細長い線状、細く斜めに伸びる線状等のものをコロとして用いても良い。
他方、凸部の配列としては等間隔が考えられるが、千鳥状としたり、等間隔としなくとも良く、また、凸部を1列に配置してコンタクトエンボスを連続して付与する他に、凸部を2列以上の複数列配置することも考えられる。そして、コンタクトエンボスを緊密に複数列付与するように凸部が配置された群を複数並べて、複数のコンタクトエンボス群を付与するようにしても良い。尚、接合工程としては、上記のように機械的に圧力を加えて接合する他に、超音波等の他の手段により接合しても良い。
一次連続シートS11、S12の原料パルプは、特に限定されず、ティシュペーパー製品の用途に応じて適宜の原料パルプを選択して使用することができる。原料パルプとしては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
また、紙厚(尾崎製作所製ピーコックにより測定)は1プライで80〜250μm、好ましくは100〜200μm、より好ましくは130〜180μmとされる。
次に、本発明に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法の一例を説明する。本形態に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法は、例えば、上述したティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備X3を用いて行うことができる。
図11に示すように、本発明に係るティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法においては、プライ手段51で複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シートS1をその連続方向に沿って積層して積層連続シートS2とし(積層工程)、この積層連続シートS2に対して、コンタクトエンボス手段54で層間に剥離やズレが生じることを防止するライン状のコンタクトエンボスを施し(コンタクトエンボス工程)、次に、積層連続シートS2に対して一対の薬液塗布手段53で薬液を塗布し(薬液塗布工程)、スリット手段55によって積層連続シートS2をティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットし(スリット工程)、次に、スリット工程でスリットされた積層連続シートS2を同軸で巻取ってティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールRを、巻き取り手段56によって形成する。
上述のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備、製造方法で製造された二次原反ロールRは、マルチスタンド式インターフォルダに多数セットされ、セットされた二次原反ロールRから二次連続シートを繰り出して折り畳むと共に積層することによってティシュペーパー束が製造される。以下では、そのマルチスタンド式インターフォルダの一例について説明する。
ところで、前述したように、ティシュペーパー束30aを構成するティシュペーパーの紙の方向は、ティシュペーパーの折り畳み部の延在方向と直交する方向に沿って横方向(CD方向)となるため、図6(b)に示すように、ティシュペーパーTを収納箱Bから引き出す際には、その引き出し方向は、ティシュペーパーTの横方向(CD方向)と沿うようになっている。
本発明には、以下の発明も含まれる。
(発明A1)
一次原反ロールから連続的にティシュペーパー製品用の複数の二次原反ロールを製造するティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備であって、
複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層手段と、
積層連続シートに対して層間の剥離及びズレを防止するライン状のコンタクトエンボスを施すコンタクトエンボス手段と、
前記コンタクトエンボス手段の後段に設置された、積層連続シートに対して薬液を塗布する薬液塗布手段と、
積層連続シートをティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット手段と、
スリットされた各積層連続シートを同軸で巻取ってティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールを形成する巻取り手段と、を有することを特徴とするティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備。
前記コンタクトエンボス手段の前段に、積層連続シートにカレンダーによって平滑化処理する平滑化手段を有する、発明A1に記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備。
前記薬液塗布手段がグラビア印刷方式である、発明A1又は発明A2に記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備。
前記薬液塗布手段がフレキソ印刷方式である、発明A1又は発明A2に記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備。
複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層工程と、
積層連続シートに対して層間の剥離及びズレを防止するライン状のコンタクトエンボスを施すコンタクトエンボス工程と、
前記コンタクトエンボス工程の後に、積層連続シートに対して薬液を塗布する薬液塗布工程と、
積層連続シートをティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット工程と、
スリットされた各積層連続シートを同軸で巻取ってティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールを形成する巻取り工程と、
複数の前記二次原反ロールから繰り出される複数の二次連続シートをその連続方向に沿って移送すると共に、折畳みながら積み重ねる工程と、を有することを特徴とするティシュペーパー製品の製造方法。
前記コンタクトエンボス工程の前に、積層連続シートにカレンダーによって平滑化処理する平滑化工程を有する、発明B1に記載のティシュペーパー製品の製造方法。
前記薬液の塗布をグラビア印刷方式によって行う、発明B1又は発明B2に記載のティシュペーパー製品の製造方法。
前記薬液の塗布をフレキソ印刷方式によって行う、発明B1又は発明B2に記載のティシュペーパー製品の製造方法。
複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層手段と、
積層連続シートに対して層間の剥離及びズレを防止するライン状のコンタクトエンボスを施すコンタクトエンボス手段と、
前記コンタクトエンボス手段の後段に設置された、積層連続シートに対して薬液を塗布する薬液塗布手段と、
積層連続シートをティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット手段と、
スリットされた各積層連続シートを同軸で巻取ってティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールを形成する巻取り手段と、
複数の前記二次原反ロールから繰り出される複数の二次連続シートをその連続方向に沿って移送すると共に、折畳みながら積み重ねる手段と、を有することを特徴とするティシュペーパー製品の製造設備。
前記コンタクトエンボス手段の前段に、積層連続シートにカレンダーによって平滑化処理する平滑化手段を有する、発明C1に記載のティシュペーパー製品の製造設備。
前記薬液塗布手段がグラビア印刷方式である、発明C1又は発明C2に記載のティシュペーパー製品の製造設備。
前記薬液塗布手段がフレキソ印刷方式である、発明C1又は発明C2に記載のティシュペーパー製品の製造設備。
52・・・カレンダー手段(平滑化工程)
53・・・薬液塗布手段(薬液塗布工程)
54・・・コンタクトエンボス手段(コンタクトエンボス工程)
55・・・スリット手段(スリット工程)
56・・・巻き取り手段(巻き取り工程)
S11、S12・・・一次連続シート
S2・・・積層連続シート
JR・・・一次原反ロール
R・・・二次原反ロール
Claims (4)
- プライマシンにより、一次原反ロールから連続的に、マルチスタンド式インターフォルダの各原反ロール支持部にセットして用いる複数のティシュペーパー製品用二次原反ロールを製造する方法であって、
抄紙設備により抄造され巻き取られた複数の一次原反ロールから繰り出される一次連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層工程と、
前記積層連続シートに対して層間の剥離及びズレを防止するライン状のコンタクトエンボスを施すコンタクトエンボス工程と、
前記コンタクトエンボス工程の後の工程であって、積層連続シートに対してローション剤としての薬液を両面に塗布し、その際に薬液の塗布量が両面で異なるように塗布する薬液塗布工程と、
積層連続シートをティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット工程と、
スリットされた各積層連続シートを同軸でかつ薬液の塗布量が少ない面が外周面となるように巻取ってティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールを形成する巻取り工程と、
を有することを特徴とするティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法。 - 積層連続シートの両面の合計の塗布量を1.5〜5.0g/m 2 とする請求項1記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法。
- 薬液塗布量少ない面の塗布量を両面の合計の塗布量の20%以上50%未満とする請求項1又は2記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法。
- 前記薬液の塗布をフレキソ印刷方式によって行う、請求項1〜3の何れか1項に記載のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造方法。
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