JP2022040791A - 衛生薄葉紙ロールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】皺寄りやプライ剥がれが防止された衛生薄葉紙ロールの製造方法の提供【解決手段】原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施した後に、原紙シートをロール状に巻き取って巻取ロールを形成する巻取ロール形成工程を含む、衛生薄葉紙ロールの製造方法であって、巻取ロール形成工程において、カレンダーロールの下流に配置された静電気除去手段によって、カレンダー処理が施された直後の原紙シートに帯電している静電気の除去を行う、衛生薄葉紙ロールの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、衛生薄葉紙の製造方法に関し、特には、原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、カレンダーロールによるカレンダー処理を施した後に、ロール状に巻き取って巻取ロールを形成する工程を含む、衛生薄葉紙ロールの製造方法に関する。
トイレットペーパーやティシュペーパー等の衛生薄葉紙の製造には、原紙シートが巻き取られた原反ロールが用いられる。例えば特許文献1では、ティシュペーパーの製造に関し、原反ロールをプライ機(積層機)のような巻取ロール形成機能を有する装置に搭載し、原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施した後に、当該原紙シートをロール状に巻き取って巻取ロールを形成する。このようにして形成された巻取ロールは、折り畳み、断裁等の、原紙シートに対する後続の加工を行うために用いられて、衛生薄葉紙製品が得られる。
特開2019-193713号明細書
しかしながら、巻取ロールの形成過程において、原紙シートは、巻取ロール形成機能を有する装置内で、搬送ローラ等の様々な装置構成部品と接触しつつ搬送されるため、原紙シートには、装置構成部品との接触や摩擦などによって静電気が生じる。特に、カレンダー処理において、原紙シートを挟持および押圧するカレンダーロールのニップ間を原紙シートが通過する際に、原紙シートに顕著な静電気が生じて帯電する。この静電気に起因して、ニップ間を通過した原紙シートがカレンダーロールに巻き付き、それによって、原紙シートに皺が生じたり、複数プライの原紙シートにカレンダー処理を行う場合にはプライ剥がれが生じたりする問題があった。このような問題は、特に、冬場等の低湿度の環境下において顕著となる。
本発明は、原紙シートに帯電した静電気に起因するカレンダーロールへの原紙シートの巻き付きを防止して、原紙シートの皺寄りやプライ剥がれを防止することのできる、衛生薄葉紙ロールの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施した後に、原紙シートをロール状に巻き取って巻取ロールを形成する巻取ロール形成工程を含む、衛生薄葉紙ロールの製造方法であって、巻取ロール形成工程において、カレンダーロールの下流に配置された静電気除去手段によって、カレンダー処理が施された直後の原紙シートに帯電している静電気の除去を行う衛生薄葉紙ロールの製造方法により、上記課題を解決し得ることを見出した。
具体的には、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施した後に、原紙シートをロール状に巻き取って巻取ロールを形成する巻取ロール形成工程を含む、衛生薄葉紙ロールの製造方法であって、巻取ロール形成工程において、カレンダーロールの下流に配置された静電気除去手段によって、カレンダー処理が施された直後の前記原紙シートに帯電している静電気の除去を行う衛生薄葉紙ロールの製造方法。
[2] 原紙シートの搬送方向において互いに離間するように設置された複数のカレンダーロールを用いてカレンダー処理を多段階に施し、当該複数のカレンダーロールのそれぞれの下流に配置された複数の静電気除去手段のそれぞれによって静電気の除去を行う、[1]に記載の衛生薄葉紙ロールの製造方法。
本発明の衛生薄葉紙ロールの製造方法は、原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施した後に、原紙シートをロール状に巻き取って巻取ロールを形成する巻取ロール形成工程において、カレンダーロールの下流に配置された静電気除去手段によって、カレンダー処理が施された直後の原紙シートに帯電している静電気の除去を行うものである。
これによれば、かかる静電気に起因して生じ得るカレンダーロールへの原紙シートの巻き付きを防止することができ、したがって、原紙シートの皺寄りや、複数プライの原紙シートの場合はさらにプライ剥がれを防止することができる。
本発明の実施形態を適用可能な巻取ロール形成機の例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。以下の実施形態および図面は例示の目的で記載したものであり、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
(衛生薄葉紙ロールの製造方法)
第1の実施形態の衛生薄葉紙ロールの製造方法は、原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施した後に、原紙シートをロール状に巻き取って巻取ロールを形成する巻取ロール形成工程を含み、カレンダーロールの下流に配置された静電気除去手段によって、カレンダー処理が施された直後の原紙シートに帯電している静電気の除去を行うものである。
第1の実施形態の衛生薄葉紙の製造方法は、1または2以上の複数の原紙シートを含む単プライまたは2プライ以上の複数プライの衛生薄葉紙ロールの製造に適用可能である。
(原反ロール)
本実施形態に適用可能な原反ロールは、当技術分野において知られている製紙技術により製造することができる。例えば、原反ロールは、抄紙機を用いて原紙シートを形成しつつ、形成された原紙シートを巻芯に巻き取る工程によって得ることができる。抄紙機には、ツインワイヤフォーマ方式、円網フォーマ方式、サクションプレストフォーマ方式、クレセントフォーマ方式等の知られている抄紙機が用いられてもよい。
(原紙シート)
原紙シートは、繊維原料であるパルプ成分を含むスラリーを抄紙することによって得られる。
(パルプ成分)
パルプ成分としては、木材パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプを挙げることができる。木材パルプとしては例えば、広葉樹パルプ(広葉樹クラフトパルプ(LKP))、針葉樹パルプ(針葉樹クラフトパルプ(NKP))、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ等が挙げられる。また、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプが挙げられるが、特に限定されない。非木材パルプとしてはコットンリンターやコットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わら、バガス等の非木材系パルプ、ホヤや海草等から単離されるセルロース、キチン、キトサン等が挙げられるが、特に限定されない。脱墨パルプとしては古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられるが、特に限定されない。パルプ成分は上記の1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。これらパルプ成分は衛生用紙の品質に大きく影響するので、要求品質に合わせて所定の種類および配合割合で適宜配合される。
(任意成分)
原紙シートには、要求品質および操業の安定のために、任意成分として様々な薬品が添加されていてもよい。任意成分としては、例えば、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、柔軟剤、嵩高剤、染料、香料、分散剤、濾水向上剤、ピッチコントロール剤、歩留向上剤等を挙げることができる。乾燥紙力剤としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド(PAM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。湿潤紙力剤としては、ポリアミドエピクロロヒドリン、尿素、メラミン、熱架橋性ポリアクリルアミド等を挙げることができる。柔軟剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等を挙げることができる。上記の任意成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(坪量)
原紙シートの坪量は、要求品質に合わせて、例えば、7~30g/m2とすることができる。例えば、原紙シートの坪量は、好ましくは9g/m2以上とすることができ、および好ましくは19g/m2以下とすることができる。坪量は、日本工業規格JIS P8124の規定に従って測定される。
(巻取ロール)
本実施形態において、巻取ロールは、原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施し、静電気除去手段により原紙シートの静電気を除去して、原紙シートをロール状に巻き取ることにより形成される。
巻取ロールの形成に1つの原反ロールを用いることにより、単プライの巻取ロールが得られる。巻取ロールの形成に複数の原反ロールを用いることにより、複数プライの巻取ロールが得られる。複数の原反ロールを用いる場合、複数の原反ロールに巻き取られている原紙シートの材質は、要求品質等に応じて、同一であっても異なるものであってもよく、必ずしも全ての原反ロールの原紙シートの材質が同一である必要はない。
巻取ロールは、巻取ロール形成機能およびカレンダー処理機能を有する当技術分野において知られている任意の装置に、静電気除去機能を搭載した装置を用いて形成され得る。
(巻取ロール形成工程)
図1は、本実施形態を適用可能な巻取ロール形成機の例を示す模式図である。図1に示す巻取ロール形成機1は、1または複数の原反ロール36から、単プライまたは複数プライの巻取ロール58を形成可能に構成されている。図1を参照して、本実施形態に係る、原反ロールから巻取ロールを形成する巻取ロール形成工程を具体的に説明する。
図1を参照して、巻取ロール形成機1に搭載された原反ロール36から原紙シート31が繰り出される。繰り出された原紙シート31は、原反ロール36と巻取ロール58との間に位置するカレンダー処理部において、カレンダー手段50によってカレンダー処理が施される。カレンダー処理が施された原紙シート31は、カレンダー手段50から送出される際に、静電気除去手段60によって静電気が除去され、リールドラム56によって案内されて、巻芯上にロール化される。原紙シート31は、ロール化される前に、スリッターパート55によって所定の幅に切断されてもよい。このようにして、カレンダー処理が施された原紙シート31がロール状に巻き取られた巻取ロール58が得られる。
(カレンダー手段)
図1に示される巻取ロール形成機1において、カレンダー手段50は、トップロール53およびボトムロール54からなる1対のカレンダーロール対を含む1台のカレンダー装置である。原紙シート31は、トップロール53とボトムロール54のニップ間で挟持されおよび押圧されることで、カレンダー処理が施される。
巻取ロール形成機1において、カレンダー手段50が設置されるカレンダー処理部の位置は、原紙シート31の搬送路における原反ロール36の下流であって巻取ロール58の上流であればよく、特に限定されないが、スリッターパート55の上流であることが好ましい。
カレンダー手段50におけるカレンダー種別は、特に限定されない。カレンダーロール53、54は、共に金属ロールであってもよく、また、一方が、金属ロールであり、他方が、表面がウレタンゴム等の弾性材によって被覆されたソフトロールであってもよい。カレンダーロール53、54の両方を金属ロールとすることで、原紙シート31の平滑化および紙厚の調整をより容易に達成することができる。また、カレンダーロール53、54の一方をソフトロールとすることで、より嵩高いシートを得ることができる。
本例では、カレンダー手段50におけるカレンダーロールの数は2つであり、ニップ数は1であるが、本実施形態においてはこれに限定されず、カレンダー手段50に含まれるカレンダーロールの数は3以上であってもよく、ニップ数は2以上であってもよい。カレンダーロールの数が3以上である場合、3本のカレンダーロールは、全て金属ロールであってもよく、また、少なくとも1本が、表面がウレタンゴム等の弾性材によって被覆されたソフトロールであってもよい。
カレンダー手段50が、3本以上のカレンダーロールを含む場合は、複数のニップ間を経ることによる原紙シート31の押圧が可能となり、ニップ数が相対的に少ない場合と比べて、原紙シート31の高い平滑性を容易に実現させることが可能となる。カレンダーロールの数が少ないと、設置スペースが小さいという利点を有する。カレンダーロールの数が多い場合は、複数のカレンダーロールを上下に積み重ねたいわゆる縦型の多段ロールの構成とすることで、設置面積を小さくすることができる。
巻取ロール形成機1は、2以上の複数のカレンダー手段50を含んでいてもよい。カレンダー手段50が1つであると、設置スペースが小さいという利点を有するのに対し、カレンダー手段50が複数であると、複数のカレンダー手段50のそれぞれによる原紙シート31の押圧、すなわち多段階でのカレンダー処理が可能となり、カレンダー手段50が1つである場合と比べて、原紙シート31の高い平滑性を容易に実現させることが可能となる。
複数のカレンダー手段50を設置する場合、複数のカレンダー手段50を互いに関して、水平方向、上下方向(鉛直方向)、斜め方向、またはそれらを組み合わせた方向に並設することができる。カレンダー手段50の数が複数である場合、カレンダー手段50は、原紙シートの搬送方向において互いに離間するように設置されていてもよい。複数のカレンダー手段50を水平方向に並設すると、原紙シート31の抱き角度、すなわち、カレンダーロールの中心軸と直交する断面において原紙シート31がカレンダーロールの表面と接している円弧を成す角度、が小さくなり、そのため、巻取ロール形成工程の高速化に対応することができる。複数のカレンダー手段50を上下方向に並設すると、設置面積を小さくすることができる。
カレンダー種別、ニップ数、ニップ線圧のようなカレンダー処理条件は、要求品質に合わせて適宜変更してもよい。
カレンダーのニップ線圧は、3.0~10.5kg/cmとすることが好ましく、4.0~10.0kg/cmとすることがより好ましい。ニップ線圧が上記範囲を超えると、カレンダー後の原紙シート31の嵩が小さくなり、柔らかさが劣ることがある。また、ニップ線圧が上記範囲未満であると、カレンダー後の原紙シート31の嵩が大きくなり、巻取ロール58の巻直径が大きくなる。
カレンダー処理後の巻取ロール58における原紙シート31の紙厚を、好ましくは0.60~1.40mm/10枚、より好ましくは0.60~1.20mm/10枚とする。また、カレンダー処理後の巻取ロール58における原紙シート31の比容積を、好ましくは3.0~10.0cm3/g、より好ましくは3.4~8.5cm3/gとする。さらに、カレンダー処理前後の原紙シート31の紙厚の差(カレンダー処理前の原紙シート31の紙厚からカレンダー処理後の原紙シート31の紙厚を引いた値)を好ましくは0.10~0.60mm/10枚、より好ましくは0.15~0.55mm/10枚とする。カレンダー処理前後の原紙シート31の紙厚の差が上記範囲を超えると、カレンダー処理後の原紙シート31は、柔らかさが劣り、上記範囲未満であると、平滑性が劣る場合がある。
(静電気除去手段)
図1に示される巻取ロール形成機1は、原紙シート31に帯電した静電気を除去するための静電気除去手段60を備える。
一般に、カレンダー手段50によるカレンダー処理において、原紙シート31を挟持および押圧するカレンダーロール53、54のニップ間を原紙シート31が通過する際に、原紙シート31に顕著な静電気が生じて帯電する。この静電気に起因して、ニップ間を通過した原紙シート31がカレンダーロール53および/または54に巻き付く現象が生じやすい。
本実施形態では、かかる現象を抑制することを目的として、静電気除去手段60は、原紙シート31の搬送路におけるカレンダー手段50の下流に設置される。静電気除去手段60は、好ましくは、原紙シート31がさらに下流で接することとなる巻取ロール形成機1の他の装置構成部品よりも上流に設置される。また、より好ましくは、静電気除去手段60は、カレンダーロール53、54のニップ間を通過したできるだけ直後の原紙シート31に作用することができるように、原紙シート31の走行やカレンダーロール53、54の回転を妨げない限り、カレンダーロール53、54のニップにできるだけ近接した位置に設けられる。
静電気除去手段60の種別は、特に限定されず、知られている任意の静電気除去手段を用いることができる。静電気除去手段60は、例えば、除電ブラシのような、アースされている導電繊維を、静電気を帯びている除電対象物(原紙シート31)に近づけ、繊維先端に誘発された反対電極のイオンを用いて除電対象物の静電気を中和させる、自己放電式除電装置であってもよい。あるいはまた、静電気除去手段60は、例えば、除電バーのような電極部へ電圧を印加して、針先からのコロナ放電により生成されたイオンを用いて、静電気を帯びている除電対象物(原紙シート31)を瞬時に非接触で中和して静電気を除去する、コロナ放電式除電装置であってもよい。コロナ放電式除電装置は、ファンまたはブロアーと組み合わされて、コロナ放電により生成された(+)、(-)のイオン化された電子を送風する、イオンシャワー型であってもよい。
例えば除電ブラシのような、自己放電式の除電装置は、相対的に安価であり、経済性の点から、好ましく用いられる。除電ブラシは、除電対象物たる原紙シート31の表面全体を撫でるようにして用いられる接触型である。そのため、その使用により原紙シート31から生じ得る紙粉を考慮すると、静電気除去手段60を、鉛直方向における原紙シート31の下側に配置することが好ましい。この配置によれば、走行する原紙シート31上への紙粉の堆積や、除電ブラシの落下といった不測の事態における原紙シート31の破断等が防止される。
例えばコロナ放電式のような非接触型の除電装置は、除電対象物たる原紙シート31と接触することなく用いられる。そのため、これによると、静電気除去手段60が原紙シート31の走行の妨げとなることがない。また、原紙シート31と静電気除去手段60とが接触することによって生じ得る、紙粉の発生や原紙シート31の破断等が防止される。
(作用効果)
本実施形態によると、衛生薄葉紙ロールを製造する際の巻取ロール形成工程において、静電気除去手段60により、カレンダー手段50によるカレンダー処理直後の原紙シート31に帯電している静電気を除去することができる。したがって、本実施形態によれば、原紙シート31に帯電した静電気に起因するカレンダーロール53、54への原紙シート31の巻き付きを防止することができ、これにより、原紙シート31の皺寄りやプライ剥がれを防止することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。特段の記載のない限り、第1の実施形態に適用可能な構成は、本実施形態に適用可能である。
第2の実施形態では、巻取ロール形成工程において、カレンダー処理を多段階で行い、各段階のカレンダー処理が施される毎に、静電気除去手段60によって、原紙シート31に帯電している静電気静電気の除去を行う。
図1に、単一のカレンダー手段50を備える巻取ロール形成機1を示したが、第2の実施形態では、2以上の複数のカレンダー手段50を原紙シートの搬送方向において互いに離間するように設置した巻取ロール形成機1(不図示)を用い、巻取ロール形成工程において、多段階のカレンダー処理を行う。静電気除去手段60は、複数のカレンダー手段50のそれぞれの下流に設置される。複数のカレンダー手段50は、それぞれ同一のものであってもよく、または異なっていてもよい。複数の静電気除去手段60もまた、それぞれ同一のものであってもよく、または異なっていてもよい。
(作用効果)
本実施形態によれば、巻取ロール形成工程においてカレンダー処理を多段階で行う態様において、原紙シート31に帯電する静電気の蓄積を効果的に防止することができる。そのため、原紙シートに帯電した静電気に起因して生じ得るカレンダーロール53、54への原紙シート31の巻き付きを、より確実に防止することができ、原紙シート31の皺寄りや、複数プライの原紙シート31の場合におけるプライ剥がれを防止することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。特段の記載のない限り、第1および第2の実施形態に適用可能な構成は、本実施形態に適用可能である。
第3の実施形態では、静電気除去手段60を原紙シート31の搬送路を挟んで両側のそれぞれに配置し、搬送路を走行する原紙シート31に対して搬送路の両側から(すなわち、両面から)静電気の除去を行う。
図1の例では、静電気除去手段60は、走行する原紙シート31の両面のうちの一方の面に対して作用するように、原紙シート31の片面側に配置されている。より詳細には、図1に示される巻取ロール形成機1において、静電気除去手段60は、原紙シート31の搬送路に関して原紙シート31の下面側、すなわちカレンダーロール54の側に配置されている。
これに対し、本実施形態では、静電気除去手段60を、原紙シート31の搬送路を挟んで両側のそれぞれに配置する。つまり、図1を参照して、静電気除去手段60を、原紙シート31の両面側(原紙シート31の下面側、すなわちカレンダーロール54の側と、原紙シート31の上面側、すなわちカレンダーロール53の側と、の両方)のそれぞれに配置する(図1では、原紙シート31の下面側の静電気除去手段60のみを表示)。
(作用効果)
静電気除去手段60を原紙シート31の搬送路を挟んで両側のそれぞれに配置する本実施形態によると、搬送路を走行する原紙シート31の両面のそれぞれに対して静電気除去処理を行うことができる。これにより、原紙シート31からの静電気の除去効果が高まり、原紙シート31のカレンダーロール53、54への巻き付きを抑制する効果が向上する。
巻取ロール形成機1により、2以上の複数の原紙シート31を含む2プライ以上の複数プライの衛生薄葉紙ロールを製造する場合には、さらなる効果を奏し得る。すなわち、この場合、図1を参照して、複数の原反ロール36のそれぞれから繰り出された複数の原紙シート31は、重合ローラ51に巻き掛けられて重ね合わされた状態で、カレンダー手段50のカレンダーロール53、54のニップ間に送り込まれる。本実施形態の構成によれば、カレンダー処理が施され当該ニップ間から送出される重ね合わされた状態の複数の原紙シート31は、カレンダー処理の直後に、原紙シート31の搬送路を挟んで両側にそれぞれ配置された静電気除去手段60(一方のみ図示)によって、静電気除去処理を受ける。そのため、重ね合わされた状態の複数の原紙シート31の最上層と最下層を構成する原紙シート31のそれぞれに帯電していた静電気が除去され、原紙シートに帯電した静電気に起因する両原紙シート31のカレンダーロール53、54への巻き付きが確実に防止される。また、それにより、重ね合わされた状態の複数の原紙シート31の層間剥離、すなわちプライ剥がれが防止される。
(発明の適用)
本発明は、単数プライまたは複数プライの衛生薄葉紙ロールの製造に適用可能である。本発明は、トイレットロールおよびペーパータオルロールのようなロール状の衛生薄葉紙製品はもちろん、箱入りまたは袋入りのティシュペーパー、キッチンペーパーのような、巻取ロールの形態を経た後に紙束状に加工される衛生薄葉紙製品の製造にも適用可能である。
1 巻取ロール形成機
31 原紙シート
36 原反ロール
50 カレンダー手段
51 重合ローラ
53 カレンダーロール(トップロール)
54 カレンダーロール(ボトムロール)
55 スリッターパート
56 リールドラム
58 巻取ロール
60 静電気除去手段
具体的には、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施した後に、原紙シートをロール状に巻き取って巻取ロールを形成する巻取ロール形成工程を含む、衛生薄葉紙ロールの製造方法であって、巻取ロール形成工程において、カレンダーロールの下流であって前記カレンダーロールのニップに近接した位置に配置された静電気除去手段によって、カレンダー処理が施された直後の前記原紙シートに帯電している静電気の除去を行う衛生薄葉紙ロールの製造方法。
[2] 原紙シートの搬送方向において互いに離間するように設置された複数のカレンダーロールを用いてカレンダー処理を多段階に施し、当該複数のカレンダーロールのそれぞれの下流であって前記カレンダーロールのニップに近接した位置に配置された複数の静電気除去手段のそれぞれによって静電気の除去を行う、[1]に記載の衛生薄葉紙ロールの製造方法。
具体的には、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施した後に、原紙シートをロール状に巻き取って巻取ロールを形成する巻取ロール形成工程を含む、衛生薄葉紙ロールの製造方法であって、巻取ロール形成工程において、カレンダーロールの下流であって、前記カレンダーロールのニップに近接し、カレンダー処理が施された直後の原紙シートに帯電している静電気の除去を行い、原紙シートに帯電した静電気に起因するカレンダーロールへの原紙シートの巻き付きを防止する位置に配置された静電気除去手段によって、カレンダー処理が施された直後の原紙シートに帯電している静電気の除去を行う衛生薄葉紙ロールの製造方法。
[2] 原紙シートの搬送方向において互いに離間するように設置された複数のカレンダーロールを用いてカレンダー処理を多段階に施し、当該複数のカレンダーロールのそれぞれの下流であって、前記カレンダーロールのニップに近接し、カレンダー処理が施された直後の原紙シートに帯電している静電気の除去を行い、原紙シートに帯電した静電気に起因するカレンダーロールへの原紙シートの巻き付きを防止する位置に配置された複数の静電気除去手段のそれぞれによって静電気の除去を行う、[1]に記載の衛生薄葉紙ロールの製造方法。

Claims (2)

  1. 原紙シートが巻き取られた原反ロールから原紙シートを繰り出し、繰り出された前記原紙シートにカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施した後に、前記原紙シートをロール状に巻き取って巻取ロールを形成する巻取ロール形成工程を含む、衛生薄葉紙ロールの製造方法であって、
    前記巻取ロール形成工程において、前記カレンダーロールの下流に配置された静電気除去手段によって、前記カレンダー処理が施された直後の前記原紙シートに帯電している静電気の除去を行うことを特徴とする衛生薄葉紙ロールの製造方法。
  2. 前記原紙シートの搬送方向において互いに離間するように設置された複数の前記カレンダーロールを用いて前記カレンダー処理を多段階に施し、当該複数の前記カレンダーロールのそれぞれの下流に配置された複数の前記静電気除去手段のそれぞれによって前記静電気の除去を行うことを特徴とする請求項1に記載の衛生薄葉紙ロールの製造方法。
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