JP6915204B2 - 導電性保護膜の形成方法 - Google Patents

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本発明は、変電設備などに用いられる金属製導電部材に関し、特に他の導電部材と電気的接続する接続面に導電性保護膜を形成する方法に関する。
発電所から送電される電力の変電設備などでは、端子間の電気的接続にブスバー(bus bar)と呼ばれる金属製導電部材が使用されている。ブスバーは銅などの電気抵抗が小さい金属で作られ、線状、棒状、板状など各種の形状があり、大きさもまちまちである。変電設備で使用される板状のブスバーは、幅10cm以上、厚み1cm以上になるものもある。このような変電設備などで使用される大型のブスバーの電気的接続には、ブスバーの接続面を他の導電部材の接続面と重ねてボルトとナットで締め付けて固定する方法、ブスバーの接続面を他の導電部材の接続面に嵌合させる方法など、機械的に接続面同士を接触させる方法が用いられている。
機械的な接触による良好な電気的接続と、酸化皮膜の形成による抵抗増加を抑制するため、一般にブスバーの接続面には導電性保護膜として銀めっき膜が形成されている。しかし、屋外や鉄塔の上などに設置される変電設備では、長期間の使用による摩耗や腐食により導電性保護膜が劣化し、接続面に酸化皮膜が形成され電気抵抗が増加して発熱する。このため、定期的にブスバーを取り外して接続面の観察を行い、摩耗や腐食により劣化した銀めっき膜や酸化皮膜を除去し、導電性保護膜である銀めっき膜を再形成するなどの保守管理が行われている。
銀めっき膜の形成には、一般に毒性の強いシアンを含有するめっき液を使用する。このため、ブスバーの接続面に導電性保護膜である銀めっき膜を再形成するには、作業環境の換気設備、めっき液や排水の管理を行う設備などを準備する必要があり、ブスバーを使用している変電設備などが設置された現場で、銀めっき膜の再形成を行うことは容易ではない。また、現場でノンシアンタイプの無電解銀めっき液を用いて、銀めっき膜を再形成することが検討されているが、0.1μmより厚い銀めっき膜を形成することは難しく、また銀めっき膜の密着性が弱いという問題がある。このため多くの場合、保守管理ではブスバーを設備から取り外して、遠方のめっき工場に搬送して導電性保護膜の再形成を行うことになり、導電性保護膜の再形成には大きな費用がかかっている。
接続面の銀めっき処理を避ける方法として、特許文献1には導電性保護膜を設けずに、比較的やわらかく高導電性の第3導体をブスバーの間に設ける方法が提案されている。また、特許文献2にはブスバーに銀めっきを施した薄板を、超音波溶接する方法が提案されている。しかし、特許文献1のように導電性保護膜を設けない方法では、ブスバーの接続面に酸化皮膜が形成されることを防ぐことは難しい。また、特許文献2の方法では薄板を溶接する設備が必要であり、溶接部のばらつきも問題となる。
特開2010−287382号公報 実開平5−50936号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、変電設備など金属製導電部材が使用されている現場で、作業者が容易に金属製導電部材の接続面に導電性保護膜を形成できる方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の導電性保護膜の形成方法は、接続面の接触により電気的に接続される変電設備用の金属製導電部材の、前記接続面に導電性保護膜を形成する方法であって、前記接続面を含む領域に、銀粉末を含有したペーストを塗布し、塗布した前記ペーストを乾燥又は焼結することにより、銀を含む導電性保護膜を形成することを特徴とする。
(2)(1)において、前記金属製導電部材は、前記接続面に設けられた貫通孔に挿通された締結部材を締め付けることにより、電気的に接続されることを特徴とする
(3)(1)において、前記金属製導電部材は、前記接続面を嵌合させることにより、電気的に接続されることを特徴とする。
(4)(1)から(3)のいずれかにおいて、前記ペーストは錫粉末をさらに含むことを特徴とする。
(5)本発明の変電設備用の金属製導電部材は、締結部材を挿通する貫通孔が設けられた接続面に、銀粉末を含有したペーストから形成された導電性保護膜を有することを特徴とする。
(6)本発明の変電設備用の金属製導電部材は、嵌合される接続面に、銀粉末を含有したペーストから形成された導電性保護膜を有することを特徴とする。
本発明によれば、変電設備など金属製導電部材が使用されている現場で、作業者が容易に金属製導電部材の接続面に導電性保護膜を形成できる。
固定型のブスバーの斜視図である。 導電性保護膜が再形成された固定型のブスバーを模式的に示す図である。 固定型のブスバーを締結部材により締め付ける様子を模式的に示す図である。 2本の固定型のブスバーが接続された状態を模式的に示す図である。 塗布したペーストを加熱する状態を模式的に示す図である。 嵌合型のブスバーの斜視図である。 導電性保護膜が再形成された嵌合型のブスバーを模式的に示す図である。 嵌合型のブスバーが接続された状態を模式的に示す図である。 導電性保護膜が再形成された他の嵌合型のブスバーを模式的に示す図である。 他の嵌合型のブスバーが接続された状態を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態の一例について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施形態として、図1〜4に示すような締結部材を締め付け固定することにより、接続面が機械的に接触し電気的に接続される、変電設備用の金属製導電部材であるブスバー(以下、「固定型のブスバー」という。)の保守管理において、導電性保護膜の再形成を行う方法について説明する。
固定型のブスバー1の斜視図を図1に示す。固定型のブスバー1は銅の長尺板であり、接続面にはボルト4やナット5などの締結部材で固定するための貫通孔2が複数形成されている。このような固定型のブスバー1は、図4に示されるように、導電性保護膜3が形成された接続面同士を重ね合わせ、ボルト4やナット5などの締結部材で締め付け固定して使用される。締め付け固定することにより、接触面同士が面接触し電気的に接続される。
固定型のブスバー1が使用される現場では、保守管理として例えば固定型のブスバー1の接続面近くにサーモラベルを貼り、導電性保護膜3の劣化による異常な発熱の監視と、定期的に固定型のブスバー1を外して接合面の観察などを行い、導電性保護膜3の再形成の必要性を判断する。
本発明では、導電性保護膜3の再形成が必要と判断された固定型のブスバー1は、変電設備などから取り外されて、以下の手順によって導電性保護膜3が再形成される。まず、前処理として取り外した固定型のブスバー1の接続面をサンドペーパなどで研磨し、劣化した導電性保護膜や酸化皮膜を除去する。研磨面はエタノールなどを含浸させた布などで拭いて研磨かすを除去し清浄な面にする。
前処理後、固定型のブスバー1の接続面に、銀粉末を含有するペーストを塗布する。ペーストには銀粉末の他に錫粉末を含有してもよい。錫粉末を加えることにより、高価な銀粉末の使用量を減らすことができる。銀粉末および錫粉末の形状は、フレーク状、球状などを用いることができるが、フレーク状の粉末がより好ましい。
銀粉末を含有するペーストの塗布は刷毛を用い、接続面全体に均一な厚さとなるように行う。銀粉末を含有するペーストの塗布は刷毛の他に、スポンジローラを用いた塗布、スプレーガンを用いた塗布でもよい。ペーストを塗布する領域は、固定型のブスバー1の接続面だけでもよいが、接続面の側面、反対面など周囲まで塗布してもよい。塗布する厚さはペーストを乾燥したときの厚さが、0.1μm〜5μmとなるように調整することが好ましく、より好ましくは1μm〜5μmとなるように調整することが望ましい。乾燥したときの厚さが0.1μm未満では、接続面が十分に保護されず酸化皮膜が形成されやすくなる。また、5μmより厚くすると銀粉末を含有するペーストの消費量が多くなり経済的に好ましくない。
次に、塗布した銀粉末を含有するペーストを乾燥させ、固定型のブスバー1の接続面に銀を含む導電性保護膜3を形成する。図2は固定型のブスバー1の接続面を含む端部全面に銀粉末を含有するペーストを塗布し、導電性保護膜3を形成した状態を模式的に示す図である。塗布したペーストの乾燥は自然乾燥でもよいが、温風機やヒートガンなどで熱風を送り加熱すれば短時間で乾燥することができる。また、ガスバーナの炎で炙ることで焼結させてもよい。図5に示すように、耐熱性のガラス布などの覆い6を準備し、覆い6でペーストを塗布した部分を包み込み、ヒートガン7の熱風を覆い6の内部に送れば加熱を効率よく行える。また、ヒートガンやガスバーナを用いる場合は、固定型のブスバー1に温度によって変色するサーモラベルを貼って温度管理をしてもよい。
以上のように、本発明では銀粉末を含有するペーストを塗布、乾燥することにより、銀を含む導電性保護膜3を形成するので、銀めっきの設備などを必要としない。このため、固定型のブスバー1を使用している変電設備などが設置された現場で、固定型のブスバー1の接続面に銀を含む導電性保護膜3を容易に形成することができる。
導電性保護膜3が再形成された固定型のブスバー1は、従来と同じように締結部材による締め付けにより電気的に接続される。例えは、図3に示すように本発明の方法により導電性保護膜3が形成された2本の固定型のブスバー1を重ね合わせ、一方の側から貫通孔2にボルト4を挿通し、他方の側にナット5を螺合させて締め付を行う。締結部材であるボルト4とナット5を締め付けることにより、図4のように固定型のブスバー1と固定型のブスバー1の接続面が電気的に接続される。
導電性保護膜3の再形成の要否判断から、締結部材を締め付けて電気的に接続するまでの作業には大がかりな設備を必要とせず、導電性保護膜3の再形成に毒性の強いシアンを含む銀めっき液を使用することはない。このため、導電性保護膜3の再形成を変電設備が設置された場所で行うことができ、保守管理が容易となる。
以上、固定型のブスバー1について説明したが、本発明は接続面を嵌合させることにより電気的に接続する変電設備用の金属製導電部材であるブスバー(以下、「嵌合型のブスバー」という。)にも適用できる。
図6に一例として嵌合型のブスバー8、9を示す。嵌合型ブスバー8、9は、図8(a)に示すように、先端にU字状に開いた嵌合部を有する嵌合型のブスバー8と、先端にL字型に曲げられた挿入部が設けられた嵌合型のブスバー9を嵌合して使用される。図8(b)は嵌合型のブスバー8、9が、嵌合して電気的に接続された状態を平面視した図である。嵌合型のブスバー8はU字状の嵌合部の内面に、導電性保護膜3が形成された接合面が設けられている。嵌合型のブスバー9の、導電性保護膜3が形成されたL字型の挿入部の側面が接合面となり、お互いの接続面が面接触し電気的に接続される。
嵌合型のブスバー8、9は、それぞれ図示しない駆動機構に固定されており、電路の断路器として機能する。例えば変電設備の点検を行う場合、嵌合型のブスバー8、9を駆動機構によりそれぞれ逆方向に回転させ分離し、発電所からの回路を遮断する。点検が終了した後に再び嵌合型のブスバー8、9を嵌合させて閉回路にする。嵌合型のブスバー8、9は接続面が固定されていないため、固定型のブスバー1に比べて接合面の導電性保護膜3が摩耗し易く、導電性保護膜3を再形成する頻度も高くなる。
図10は嵌合により電気的に接続するブスバーの、他の例を示すものである。嵌合型のブスバー8の導電性保護膜3が形成された接合面と、平板状の嵌合型のブスバー10の接続面である側面が嵌合により面接触し電気的に接続される。嵌合型のブスバー10には、接続面となる側面を含む先端部全体に導電性保護膜3が形成されている。
保守管理で導電性保護膜3の再形成が必要と判断された嵌合型のブスバー8、9、10は、嵌合状態から外されて導電性保護膜3の再形成が行われる。導電性保護膜3の再形成は固定型のブスバー1と同様に、接続面をサンドペーパなどで研磨し、劣化した導電性保護膜や酸化皮膜を除去する前処理の後、銀粉末を含有するペーストを塗布し、乾燥又は焼結して行う。図7、図9は導電性保護膜3の再形成が行われた、嵌合型のブスバー8、9、10を示す図である。導電性保護膜3が再形成された嵌合型のブスバー8、9、10は、図8、図10に示すように嵌合し電気的に接続される。
本発明では銀粉末を含有するペーストを塗布し、乾燥又は焼成することにより、銀を含む導電性保護膜3を形成するので、銀めっきの設備などを必要としない。このため、例えば嵌合型のブスバー8、9、10を駆動機構から取り外すことなく固定したままの状態で、嵌合型のブスバー8、9、10の接続面に銀を含む導電性保護膜3を再形成することも可能である。
実施例1〜4として、厚さ6mm、幅50mm、長さ1500mmの銅板である固定型のブスバー1と、厚さ6mm、幅50mm、長さ250mmの銅板である固定型のブスバー1を準備し、それぞれの固定型のブスバー1の接続面に、本発明の方法により導電性保護膜3を形成した。導電性保護膜3を形成した固定型のブスバー1は、接続面を重ね合わせた状態で締結部材であるボルト4とナット5を用いて締め付け、2本の固定型のブスバー1の電気的接続を確認した。
・実施例1
準備した固定型のブスバー1の接続面をサンドペーパで研磨し、研磨後エタノールを含浸したウエスで研磨かすを拭き取り清浄面とした。研磨した接続面に銀粉末を含有するペーストを刷毛で塗布し、自然乾燥して銀を含む導電性保護膜3を形成した。導電性保護膜3の平均厚さは約3μmである。導電性保護膜3を形成した固定型のブスバー1の接続面を重ね合わせ、ボルト4とナット5で締め付け、2本の固定型のブスバー1間の電気抵抗をテスターで測定したところ0.2Ωであり、接続面では良好な電気的接続が形成されていることが確認された。
・実施例2
準備した固定型のブスバー1に、実施例1と同じ手順で塗布した銀粉末を含有するペーストを、温風機を用いて乾燥させ平均厚さ約3μmの銀を含む導電性保護膜3を形成した。乾燥に要する時間は、100℃の温風で4min〜5minであった。導電性保護膜3を形成した固定型のブスバー1の接続面を重ね合わせ、ボルト4とナット5で締め付け、2本の固定型のブスバー1間の電気抵抗をテスターで測定したところ0.01Ωであり、接続面では良好な電気的接続が形成されていることが確認された。
・実施例3
準備した固定型のブスバー1に、実施例1と同じ手順で塗布した銀粉末を含有するペーストを、大気中でヒートガンを用い、370℃で高温乾燥して平均厚さは約3μmの銀を含む導電性保護膜3を形成した。ヒートガンを用いることにより、ペーストの乾燥に要する時間を1min〜2minに短縮できる。導電性保護膜3を形成した固定型のブスバー1の接続面を重ね合わせ、ボルト4とナット5で締め付け、2本の固定型のブスバー1間の電気抵抗をテスターで測定したところ0.01Ωであり、接続面では良好な電気的接続が形成されていることが確認された。
・実施例4
準備した固定型のブスバー1の接続面をサンドペーパで研磨し、研磨後エタノールを含浸したウエスで研磨かすを拭き取り清浄面とした。研磨した接続面に銀粉末と錫粉末を含有するペーストを刷毛で塗布し、実施例2と同様に温風機で乾燥させ、銀と錫を含む導電性保護膜3を形成した。導電性保護膜3の平均厚さは約3μmである。銀と錫を含む導電性保護膜3を形成した固定型のブスバー1の接続面を重ね合わせ、ボルト4とナット5で締め付け、2本の固定型のブスバー1間の電気抵抗をテスターで測定したところ0.2Ωであり、接続面では良好な電気的接続が形成されていることが確認された。
・比較例1
準備した固定型のブスバー1の接続面に、導電性保護膜3を形成せずに固定型のブスバー1の接続面を重ね合わせ、ボルト4とナット5で締め付けた。2本の固定型のブスバー1間の電気抵抗をテスターで測定したところ10Ω以上の抵抗を示した。
実施例1〜4と比較例1の結果から、銀粉末又は銀と錫粉末を含有するペーストを塗布して形成した導電性保護膜3により、固定型のブスバー1の接触面の電気抵抗は低減し、良好な電気的接続が得られることがわかる。また、導電性保護膜3は固定型のブスバー1の接触面を覆うように形成されているので、銅表面の酸化を抑制できる。このため、固定型のブスバー1の接触面の酸化による電気抵抗の増加が抑制できる。1年経過後に固定型のブスバー1の接続面の重ね合わせを外し、導電性保護膜3の表面外観を確認したが、まったく変化は認められなかった。
実施例5、6として、厚さ6mm、幅50mmの銅板をU字状に加工して嵌合部を形成した嵌合型のブスバー8と、厚さ6mm、幅50mmの銅板をL字状に加工した嵌合型のブスバー9を準備し、それぞれの接続面に本発明の方法により、導電性保護膜3を形成した。導電性保護膜3を形成した嵌合型のブスバー8、9を嵌合して接続面を接触させ、嵌合型のブスバー8、9の電気的接続を確認した。また、嵌合型のブスバー8、9の開閉操作(嵌合と分離、接続と非接続)を5回繰り返し、開閉操作後の接続面の導電性保護膜3の状態を観察した。
・実施例5
準備した嵌合型のブスバー8、9の接続面をサンドペーパで研磨し、研磨後エタノールを含浸したウエスで研磨かすを拭き取り清浄面とした。研磨した接続面に銀粉末を含有するペーストを刷毛で塗布し、大気中でヒートガンを用い、370℃で高温乾燥して平均厚さは約3μmの銀を含む導電性保護膜3を形成した。導電性保護膜3を形成した嵌合型のブスバー8、9を嵌合し、嵌合型のブスバー8、9間の電気抵抗をテスターで測定したところ0.01Ωであり、接続面では良好な電気的接続が形成されていることが確認された。また、開閉操作を5回繰り返した後の接続面を観察した結果、導電性保護膜3の剥離は無く、銅素材の露出は認められなかった。
・実施例6
準備した嵌合型のブスバー8、9に実施例5と同じ手順で塗布した銀粉末を含有するペーストを、ガスバーナの炎で炙ることで焼結させ、平均厚さは約3μmの銀を含む導電性保護膜3を形成した。導電性保護膜3を形成した嵌合型のブスバー8、9を嵌合し、嵌合型のブスバー8、9間の電気抵抗をテスターで測定したところ0.01Ωであり、接続面では良好な電気的接続が形成されていることが確認された。また、開閉操作を5回繰り返した後の接続面を観察した結果、導電性保護膜3の剥離は無く、銅素材の露出は認められなかった。
・比較例2
準備した嵌合型のブスバー8、9の接続面をサンドペーパで研磨し、研磨後エタノールを含浸したウエスで研磨かすを拭き取り清浄面とした。研磨した接続面にノンシアン無電解銀めっき液を用いて銀めっき膜を形成した。銀めっき膜の平均厚さは約0.1μmである。銀めっき膜を形成した嵌合型のブスバー8、9を嵌合し、嵌合型のブスバー8、9間の電気抵抗をテスターで測定したところ0.01Ωであり、接続面では良好な電気的接続が形成されていることが確認された。しかし、1回開閉操作後の接続面を観察した結果、銀めっき膜は剥離し銅素材が露出した。
ノンシアン無電解銀めっき液を用いた比較例2では、接続面の電気的接続は良好であるが、1回のブスバーの開閉作業により銀めっき膜が剥離し銅素材が露出した。これに対し、実施例5、6では接続面の電気的接続は良好であり、ブスバーの開閉操作を5回繰り返しても剥離して銅素材が露出することがない。これは、本発明の方法で形成した導電性保護膜3は、膜厚を厚く形成でき、密着力が高いためと考えられる。このため、耐摩耗性が求められる嵌合型のブスバー8、9の導電性保護膜3にも適している。
本発明の導電性保護膜の形成方法では、大がかりな設備を必要とせず、密着力が高く耐摩耗性に優れる導電性保護膜を形成できる。このため、固定型、嵌合型のどちらの金属製導電部材についても、変電設備などの金属製導電部材が使用されている現場において、導電性保護膜を再形成する作業を行うことができ、保守管理にかかる時間と費用を削減することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1 固定型のブスバー
2 貫通孔
3 導電性保護膜
4 ボルト
5 ナット
6 覆い
7 ヒートガン
8 嵌合型のブスバー
9 嵌合型のブスバー
10 嵌合型のブスバー

Claims (5)

  1. 接続面の接触により電気的に接続される変電設備用の金属製導電部材の、前記接続面に導電性保護膜を形成する方法であって、
    前記接続面を含む領域に、銀粉末を含有したペーストを塗布し、
    前記ペーストを塗布した部分を耐熱性のガラス布の覆いで包み込み、前記ガラス布の覆いの内部にヒートガンにより熱風を送り込み、塗布した前記ペーストを乾燥又は焼結することにより、銀を含む導電性保護膜を形成することを特徴とする導電性保護膜の形成方法。
  2. 前記金属製導電部材は、前記接続面に設けられた貫通孔に挿通された締結部材を締め付けることにより、電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の導電性保護膜の形成方法。
  3. 前記金属製導電部材は、前記接続面を嵌合させることにより、電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の導電性保護膜の形成方法。
  4. 前記ペーストは錫粉末をさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の導電性保護膜の形成方法。
  5. 前記銀粉末の形状は、フレーク状であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の導電性保護膜の形成方法。
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