JP6914606B1 - 活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物および活性エネルギー線硬化型インキ - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物および活性エネルギー線硬化型インキ Download PDF

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Abstract

【課題】耐ミスチング性(飛散抑制性)に優れ、さらに、溶解性にも優れる活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂、また、その活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂を含有する活性エネルギー線硬化型インキ用組成物さらに、その活性エネルギー線硬化型インキ用組成物を含有する活性エネルギー線硬化型インキを提供すること。【解決手段】ロジン変性ポリエステル樹脂を含有する活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂において、ロジン変性ポリエステル樹脂は、ロジン類、二塩基酸およびポリオールを含む原料成分の反応生成物を含み、ロジン変性ポリエステル樹脂のエステル結合の含有量が、5.20mol/kg以上7.20mоl/kg以下であり、ロジン変性ポリエステル樹脂の酸価が、1mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、ロジン変性ポリエステル樹脂の水酸基価が、1mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物、および、活性エネルギー線硬化型インキに関する。
活性エネルギー線硬化型インキは、インキ用樹脂と、その樹脂を溶解させる活性エネルギー線硬化型モノマー(希釈剤)とを含み、紫外線、電子線などの活性エネルギー線により硬化するインキである。
活性エネルギー線硬化型インキにおいては、近年、省エネルギー化の観点から、活性エネルギー線として、発光ダイオードによる照射光を用いることが提案されている。
そこで、より低エネルギーで硬化可能とするため、活性エネルギー線硬化型モノマーとして、官能基数1〜3の活性エネルギー線硬化型モノマーに代えて、官能基数4以上の活性エネルギー線硬化型モノマーを用いることが検討されている。
そのような活性エネルギー線硬化型インキとしては、例えば、不均化ロジン133部、安息香酸133部、フタル酸130部およびトリメチロールプロパン173部を反応させて得られるアクリレート付加不均化ロジンアルキッド樹脂30%と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート59.9%と、ハイドロキノン0.1%とを含む活性エネルギー線硬化型平板オフセット印刷インキが、提案されている(例えば、特許文献1(実施例1)参照。)。
特開2007−231220号公報
このような活性エネルギー線硬化型インキとしては、高速印刷および大量印刷の観点から、耐ミスチング性(飛散抑制性)の向上が要求されている。しかし、上記の活性エネルギー線硬化型平板オフセット印刷インキは、耐ミスチング性(飛散抑制性)が十分ではないという不具合がある。
また、活性エネルギー線硬化型インキにおいて、インキ用樹脂には、活性エネルギー線硬化型モノマーに対する溶解性が要求されており、とりわけ、官能基数4以上の活性エネルギー線硬化型モノマー(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなど)に対する溶解性の、さらなる向上が要求されている。
本発明は、耐ミスチング性(飛散抑制性)に優れ、さらに、溶解性にも優れる活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂、また、その活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂を含有する活性エネルギー線硬化型インキ用組成物さらに、その活性エネルギー線硬化型インキ用組成物を含有する活性エネルギー線硬化型インキである。
本発明[1]は、ロジン変性ポリエステル樹脂を含有する活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂であって、前記ロジン変性ポリエステル樹脂は、ロジン類、二塩基酸およびポリオールを含む原料成分の反応生成物を含み、前記ロジン変性ポリエステル樹脂のエステル結合の含有量が、5.20mol/kg以上7.20mоl/kg以下であり、前記ロジン変性ポリエステル樹脂の酸価が、1mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、前記ロジン変性ポリエステル樹脂の水酸基価が、1mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である、活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂を含んでいる。
本発明[2]は、前記ロジン変性ポリエステル樹脂のエステル結合の含有量が、5.30mol/kg以上6.85mоl/kg以下であり、前記ロジン変性ポリエステル樹脂の酸価が、1mgKOH/g以上20mg/g以下であり、前記ロジン変性ポリエステル樹脂の水酸基価が、1mgKOH/g以上30mg/g以下である、上記[1]に記載の活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂を含んでいる。
本発明[3]は、前記ポリオールは、2価アルコールを含有し、前記ロジン類に対する、前記2価アルコールのモル比率(2価アルコール/ロジン類)が、0.3以上2.0以下である、上記[1]または[2]に記載の活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂を含んでいる。
本発明[4]は、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂と、活性エネルギー線硬化型モノマーとを含有する、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物を含んでいる。
本発明[5]は、上記[4]に記載の活性エネルギー線硬化型インキ用組成物と、顔料とを含有する、活性エネルギー線硬化型インキを含んでいる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂は、ロジン変性ポリエステル樹脂におけるエステル結合の含有量、酸価および水酸基価が所定範囲に調整されているため、耐ミスチング性(飛散抑制性)に優れ、さらに、溶解性にも優れる。
そのため、上記の活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂を含有する活性エネルギー線硬化型インキ用組成物、および、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物を含有する活性エネルギー線硬化型インキは、印刷特性に優れる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂は、ロジン変性ポリエステル樹脂を含有する。
ロジン変性ポリエステル樹脂は、原料成分の反応生成物を含み、好ましくは、原料成分の反応生成物からなる。
原料成分は、必須成分として、ロジン類、二塩基酸およびポリオールを含む。
ロジン類としては、例えば、無変性ロジン(未変性ロジン)、ロジン変性体(ロジン誘導体)などが挙げられる。
無変性ロジンとしては、例えば、天然ロジンなどが挙げられる。
天然ロジンは、樹脂酸を主成分とする天然樹脂である。樹脂酸は、樹木由来のカルボキシル基を有する化合物であり、具体的には、例えば、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、レボピマール酸などの共役二重結合を有する樹脂酸、例えば、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸などの共役二重結合を有しない樹脂酸などが挙げられる。
天然ロジンとして、より具体的には、例えば、トール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジンなどが挙げられる。これら天然ロジンは、単独使用または2種類以上併用することができる。天然ロジンとして、好ましくは、ガムロジンが挙げられる。
これら無変性ロジンは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ロジン変性体は、上記した無変性ロジンの変性体であって、例えば、酸変性ロジン、安定化処理ロジンなどが挙げられる。
酸変性ロジンは、上記した無変性ロジンを酸変性した変性体である。
酸変性では、特に制限されないが、例えば、上記した無変性ロジンに、公知のα,β−不飽和カルボン酸を反応させる。
安定化処理ロジンは、上記した無変性ロジンを安定化処理した変性体である。
安定化処理は、上記した共役二重結合を有する樹脂酸の共役二重結合を低減または消失させる処理である。安定化処理として、より具体的には、水添処理、不均化処理、重合処理などが挙げられ、好ましくは、水添処理、不均化処理が挙げられる。
すなわち、安定化処理ロジンとしては、天然ロジンを水添処理した水添ロジン、天然ロジンを不均化処理した不均化ロジン、天然ロジンを重合処理した重合ロジンなどが挙げられる。また、安定化処理ロジンとしては、重合ロジンの水添処理物も含まれる。
これら安定化処理ロジンは、単独使用または2種類以上併用することができる。
安定化処理ロジンとして、好ましくは、水添ロジン、不均化ロジンが挙げられ、より好ましくは、不均化ロジンが挙げられる。
これらロジン変成体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
これらロジン類は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ロジン類として、好ましくは、ロジン変成体が挙げられ、より好ましくは、安定化処理ロジンが挙げられる。
とりわけ、活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂の硬化膜(後述)における機械強度、光沢および耐久性(耐摩耗性など)の観点から、安定化処理ロジンとして、好ましくは、水添ロジン、不均化ロジンが挙げられ、より好ましくは、不均化ロジンが挙げられる。
ロジン類の含有割合は、原料成分の総量100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、例えば、60質量部以下、好ましくは、50質量部以下、より好ましくは、45質量部以下である。
ロジン類の含有割合が上記範囲であれば、印刷における基材への密着性を確保することができ、また、顔料分散性および乳化適性にも優れ、さらに、活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)との溶解性にも優れる。
二塩基酸としては、1分子中に2つのカルボキシ基を有するカルボン酸およびその無水物が挙げられる。
二塩基酸としては、飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸が挙げられる。
飽和二塩基酸としては、例えば、飽和脂肪族二塩基酸(鎖状飽和脂肪族二塩基酸)、飽和脂環族二塩基酸などが挙げられる。
飽和脂肪族二塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、ジメチルマロン酸、α−メチルグルタル酸、β−メチルグルタル酸、2,4−ジエチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、イコサンジカルボン酸、デシルコハク酸、ドデシルコハク酸などの炭素数2〜30のアルカン酸およびこれらの無水物などが挙げられる。
これら飽和脂肪族二塩基酸(鎖状飽和脂肪族二塩基酸)は、単独使用または2種類以上併用することができる。
飽和脂環族二塩基酸としては、例えば、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジ酢酸、1,3−シクロヘキサンジ酢酸、1,4−シクロヘキサンジ酢酸、ヘキサヒドロフタル酸などの炭素数3〜30のシクロアルカン酸およびこれらの無水物などが挙げられる。
これら飽和脂環族二塩基酸は、単独使用または2種類以上併用することができる。
これら飽和二塩基酸は、単独使用または2種類以上併用することができる。
不飽和二塩基酸としては、例えば、不飽和脂肪族二塩基酸(鎖状不飽和脂肪族二塩基酸)、不飽和脂環族二塩基酸、芳香族二塩基酸などが挙げられる。
不飽和脂肪族二塩基酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸などの炭素数2〜30のアルケン酸およびこれらの無水物などが挙げられる。
これら不飽和脂肪族二塩基酸(鎖状不飽和脂肪族二塩基酸)は、単独使用または2種類以上併用することができる。
不飽和脂環族二塩基酸としては、例えば、テトラヒドロフタル酸、シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロへキセン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、メチル−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸などの炭素数3〜30のシクロアルケン酸およびこれらの無水物などが挙げられる。
これら不飽和脂環族二塩基酸は、単独使用または2種類以上併用することができる。
芳香族二塩基酸としては、例えば、フェニルマロン酸、フェニルコハク酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、β−フェニルグルタル酸、α−フェニルアジピン酸、β−フェニルアジピン酸、ビフェニル−2,2´−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4´−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
これら芳香族二塩基酸は、単独使用または2種類以上併用することができる。
これら不飽和二塩基酸は、単独使用または2種類以上併用することができる。
これら二塩基酸は、単独使用または2種類以上併用することができる。
二塩基酸として、機械強度および光沢の観点から、好ましくは、飽和脂肪族二塩基酸、不飽和脂環族二塩基酸、芳香族二塩基酸が挙げられ、より好ましくは、コハク酸、アジピン酸、テトラヒドロフタル酸の無水物(テトラヒドロ無水フタル酸)、フタル酸の無水物(無水フタル酸)が挙げられ、さらに好ましくは、コハク酸、テトラヒドロフタル酸の無水物(テトラヒドロ無水フタル酸)が挙げられ、とりわけ好ましくは、テトラヒドロフタル酸の無水物(テトラヒドロ無水フタル酸)が挙げられる。
二塩基酸の含有割合は、原料成分の総量100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、例えば、70質量部以下、好ましくは60質量部以下、特に好ましくは50質量部以下である。
ポリオールとしては、1分子中に2つ以上の水酸基を有する化合物が挙げられる。
ポリオールとして、より具体的には、2価アルコール、3価アルコール、4価以上のアルコールなどが挙げられる。
2価アルコールは、1分子中に2つの水酸基を有する化合物であって、例えば、アルカンジオール、エーテルジオールなどが挙げられる。
アルカンジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、4,4´−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4´−ジヒドロキシメチルメタン、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの炭素数2〜30のアルカンジオールなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
エーテルジオールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、2価アルコールとしては、上記の他、例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなども挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
さらに、2価アルコールとしては、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)などの数平均分子量300〜20000のマクロジオールなども挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
これら2価アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
2価アルコールとして、好ましくは、アルカンジオールが挙げられ、より好ましくは、炭素数2〜6のアルカンジオールが挙げられ、さらに好ましくは、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)が挙げられ、とりわけ好ましくは、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)が挙げられる。
3価アルコールは、1分子中に3つの水酸基を有する化合物であって、例えば、グリセリン、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、1,2,5−ヘキサントリオールなどの炭素数2〜30のアルカントリオールが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
さらに、3価アルコールとしては、これらのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
これら3価アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
3価アルコールとして、好ましくは、炭素数2〜6のアルカントリオールが挙げられ、より好ましくは、グリセリンが挙げられる。
4価以上のアルコールとしては、例えば、4価アルコール(例えば、ペンタエリスリトールなど)、5価以上のアルコール(例えば、ジペンタエリスリトール、グルコース、スクロース、ソルビトールなど)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
さらに、4価以上のアルコールとしては、これらのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
これら4価以上のアルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
これらポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオールとして、好ましくは、2価アルコール、3価アルコールが挙げられ、より好ましくは、炭素数2〜30のアルカンジオール、炭素数2〜30のアルカントリオールが挙げられ、さらに好ましくは、炭素数2〜6のアルカンジオール、炭素数2〜6のアルカントリオールが挙げられ、とりわけ好ましくは、プロピレングリコール、グリセリンが挙げられる。
ポリオールの含有割合は、溶解性および耐ミスチング性の観点から、原料成分の総量に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上、より好ましくは、20質量部以上であり、例えば、50質量部以下、好ましくは、40質量部以下であり、より好ましくは、30質量部以下である。
また、ポリオールは、好ましくは、2価アルコールを含有する。
ロジン類に対する2価アルコールのモル比率(2価アルコール/ロジン類)は、溶解性および耐ミスチング性の観点から、例えば、0.1以上、好ましくは、0.3以上、より好ましくは、0.5以上、さらに好ましくは、0.7以上であり、例えば、5.0以下、好ましくは、4.0以下、より好ましくは、3.0以下、さらに好ましくは、2.0以下、とりわけ好ましくは、1.9以下である。
また、ポリオールは、好ましくは、2価アルコールと、3価アルコールおよび/または4価以上のアルコールとを併有し、より好ましくは、2価アルコールと3価アルコールとを併有する。
このような場合、溶解性および耐ミスチング性の観点から、2価アルコールと、3価アルコールおよび/または4価以上のアルコールとの総量100質量部に対して、2価アルコールの含有割合は、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上であり、例えば、80質量部以下、好ましくは、60質量部以下、より好ましくは、50質量部以下であり、また、3価アルコールおよび4価以上のアルコール(好ましくは、3価アルコール)の含有割合が、例えば、20質量部以上、好ましくは、40質量部以上、より好ましくは、50質量部以上であり、例えば、90質量部以下、好ましくは、80質量部以下である。
また、原料成分は、任意成分として、モノカルボン酸(ロジン類を除く。)を含有することができる。
モノカルボン酸(ロジン類を除く。)としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸などが挙げられる。
脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサン酸、トール脂肪酸などの脂肪族モノカルボン酸などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
芳香族モノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、メチル安息香酸、パラ−t−ブチル安息香酸、オルトベンゾイル安息香酸、ナフトエ酸などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
さらに、モノカルボン酸(ロジン類を除く。)としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、パーム核油脂肪酸などの油脂酸(脂肪族モノカルボン酸を含む動植物性脂肪酸)も挙げられる。
これらモノカルボン酸は、単独使用または2種類以上併用することができる。
モノカルボン酸(ロジン類を除く。)として、好ましくは、芳香族モノカルボン酸が挙げられ、より好ましくは、安息香酸、パラ−t−ブチル安息香酸が挙げられ、さらに好ましくは、安息香酸が挙げられる。
原料成分がモノカルボン酸を含有する場合、その含有割合は、耐ミスチング性および保存安定性の観点から、原料成分の総量100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、例えば、50質量部以下、好ましくは、30質量部以下、より好ましくは、20質量部以下である。
さらに、原料成分は、任意成分として、エポキシ化合物を含有することができる。
エポキシ化合物は、例えば、アリルグリシジルエーテル、フェノール(EO)グリシジルエーテル(CAS番号:54140−67−9)、ラウリルアルコール(EO)15グリシジルエーテル(CAS番号:86630−59−3)、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシクレゾールノボラックなどが挙げられる。
これらエポキシ化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
なお、エポキシ化合物は、硬化剤であり、その含有割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、ロジン変性ポリエステル樹脂は、上記の原料成分を公知の方法で反応(エステル化反応)させることにより、反応生成物として得られる。
反応方法は、特に制限されないが、例えば、上記の原料成分を混合し、加熱する。
より具体的には、無溶剤下で原料成分をエステル化反応させることができる。このような場合、好ましくは、エステル化反応により生じる水を、公知の方法で留出させる。
また、必要により、溶剤の存在下で原料成分をエステル化反応させることもできる。
溶剤としては、特に制限されず、公知の有機溶剤が挙げられ、より具体的には、例えば、石油系炭化水素溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。
石油系炭化水素溶剤としては、例えば、ヘキサン、ミネラルスピリットなどが挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
非プロトン性極性溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ピリジンなどが挙げられる。
これら溶剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
溶剤として、好ましくは、水と共沸可能な溶剤が挙げられ、より具体的には、キシレン、トルエンが挙げられる。
水と共沸可能な溶剤を用いることにより、原料成分のエステル化反応により生じる水を留出させることができる。
なお、溶剤の配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、反応終了後、公知の方法で、溶剤を除去することができる。
また、この反応では、必要に応じて、エステル化触媒を添加することができる。
エステル化触媒としては、特に制限されないが、有機酸、鉱酸、金属触媒などが挙げられる。
有機酸としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメチル硫酸、トリフルオロメチル酢酸などが挙げられる。
鉱酸としては、例えば、硫酸、塩酸などが挙げられる。
金属触媒としては、例えば、テトラブチルジルコネート、テトライソプロピルチタネート、テトライソブチルチタネート、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化亜鉛、酢酸亜鉛などが挙げられる。
これらエステル化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
なお、エステル化触媒の添加割合は、制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、上記の反応において、原料成分の混合方法としては、特に制限されず、上記原料成分を一括で配合してもよく、また、順次配合してもよい。生産性の観点から、好ましくは、上記原料を一括配合する。
また、上記反応における反応条件としては、例えば、不活性ガス雰囲気および大気圧下において、反応温度が、例えば、150℃以上、好ましくは、200℃以上であり、例えば、280℃以下、好ましくは、260℃以下である。また、反応時間が、例えば、4時間以上、好ましくは、6時間以上であり、例えば、20時間以下、好ましくは、15時間以下である。
これにより、原料成分の反応生成物として、ロジン変性ポリエステル樹脂が得られる。
好ましくは、原料成分の反応生成物が、ロジン変性ポリエステル樹脂である。
ロジン変性ポリエステル樹脂(反応生成物)中のエステル結合の含有量は、5.20mol/kg以上、好ましくは、5.30mоl/kg以上、より好ましくは、5.40mоl/kg以上であり、7.20mоl/kg以下、好ましくは、7.05mоl/kg以下、より好ましくは、6.85mоl/kg以下、さらに好ましくは、6.20mоl/kg以下である。
エステル結合の含有量が上記下限を上回っていれば、優れた溶解性を確保でき、また、エステル結合量が上記上限を下回っていれば、優れた耐ミスチング性を確保できる。
なお、ロジン変性ポリエステル樹脂(反応生成物)中のエステル結合の含有量は、原料成分に含まれるカルボキシ基数および水酸基数を算出し、それらのうち少ない方に基づいて、下記式(1)または下記式(2)により算出される。
エステル結合の含有量=[原料成分中のカルボキシ基のモル数(mol)]÷[原料成分の総質量(kg)] (1)
エステル結合の含有量=[原料成分中の水酸基のモル数(mol)]÷[原料成分の総質量(kg)] (2)
すなわち、原料成分中のカルボキシ基のモル数(mol)が、原料成分中の水酸基のモル数(mol)を下回っている場合、上記式(1)が用いられる。
また、原料成分中のカルボキシ基のモル数(mol)が、原料成分中の水酸基のモル数(mol)を上回っている場合、上記式(2)が用いられる。
さらに、カルボキシ基のモル数(mol)と水酸基のモル数(mol)とが同じである場合は、上記式(1)および上記式(2)のいずれが用いられてもよい。
なお、原料成分中のカルボキシ基は、ロジン類に含まれるカルボキシ基、二塩基酸に含まれるカルボキシ基、モノカルボン酸に含まれるカルボキシ基などを含む。
また、原料成分が二塩基酸の酸無水物を含有する場合、酸無水物1分子から生成するカルボキシ基の数は、2つとする。
また、原料成分中の水酸基は、ポリオールに含まれる水酸基を含む。
また、原料成分がエポキシ化合物を含有する場合、原料成分中の水酸基は、エポキシ基の開環により生成する水酸基を含む。この場合、エポキシ基1分子から生成する水酸基の数は、2つとする。
また、ロジン変性ポリエステル樹脂(反応生成物)の酸価は、1mgKOH/g以上、好ましくは、5mgKOH/g以上、より好ましくは、10mgKOH/g以上、さらに好ましくは、11mgKOH/g以上であり、30mgKOH/g以下、好ましくは、25mgKOH/g以下、より好ましくは、20mgKOH/g以下、さらに好ましくは、13mgKOH/g以下である。
酸価が上記範囲であれば、優れた耐ミスチング性を得ることができる。
なお、酸価は、後述する実施例に準拠して、中和滴定法により測定される。
また、ロジン変性ポリエステル樹脂(反応生成物)の水酸基価は、1mgKOH/g以上、好ましくは、3mgKOH/g以上、より好ましくは、5mgKOH/g以上、さらに好ましくは、7mgKOH/g以上であり、40mgKOH/g以下、好ましくは、30mgKOH/g以下、より好ましくは、25mgKOH/g以下、さらに好ましくは、20mgKOH/g以下、とりわけ好ましくは、15mgKOH/g以下である。
水酸基価が上記範囲であれば、優れた耐ミスチング性を得ることができる。
なお、水酸基価は、JIS K 0070(1992年)に準拠して測定される。
そして、上記の活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂は、ロジン変性ポリエステル樹脂におけるエステル結合の含有量、酸価および水酸基価が所定範囲に調整されているため、耐ミスチング性(飛散抑制性)に優れ、さらに、溶解性(とりわけ、官能基数4以上の活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)に対する溶解性)にも優れる。
より具体的には、活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂には、後述する官能基数4以上の活性エネルギー線硬化型モノマーなど、比較的高官能性のモノマーに対する溶解性の更なる向上が、要求されている。
官能基数が4以上の活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)は、反応性および架橋性が極めて高い。そのため、官能基数が4以上の活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)を含むインキ組成物によれば、発光ダイオードなどの省エネルギーランプを使用した場合にも、優れた速乾性および硬化性が得られる。
しかしながら、官能基数が4以上の活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)は、インキ用樹脂を溶解させ難い。そのため、官能基数が4以上の活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)、インキ用樹脂を溶解させる場合には、比較的高温(120℃程度以上)の条件が要求される。
一方で、官能基数が4以上の活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)は、比較的高温の条件に長時間曝露すると、例えば、ゲル化などの不具合を生じやすい。
そのため、インキ用樹脂には、官能基数が4以上の活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)に対して、より短時間で溶解することが要求されている。つまり、インキ用樹脂には、溶解性の向上が要求されている。
そこで、活性エネルギー線硬化型インキにおいて、溶解性(とりわけ、官能基数4以上の活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)に対する溶解性)の向上を図るためには、樹脂成分の酸価および水酸基価を比較的高く調整し、樹脂成分の極性を比較的高くすることが検討される。
しかしながら、樹脂成分の極性が比較的高い場合には、活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)に対する溶解性には優れるが、その樹脂成分を含む活性エネルギー線硬化型インキ(後述)は、耐ミスチング性に劣ることが判明した。
その理由は、以下の通りと推察される。
すなわち、活性エネルギー線硬化型インキの主成分は、顔料(後述)、樹脂成分および活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)が挙げられる。これらのうち、活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)の極性は、顔料(後述)の極性に対して、比較的高い。
このような場合において、樹脂成分の極性を比較的高くすると、樹脂成分の活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)に対する溶解性が、比較的高くなる。また、樹脂成分が活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)に溶解して得られたワニス(後述)と、顔料(後述)との相互作用は、弱くなる。
その結果、高速回転する印刷ロールにおいて、インキ飛散量が、比較的多くなると考えられる。
一方、樹脂成分の極性を比較的低くすると、樹脂成分の活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)に対する溶解性が、比較的低くなる。また、樹脂成分が活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)に溶解して得られたワニス(後述)と、顔料との相互作用は、比較的強くなる。
その結果、高速回転する印刷ロールにおいて、インキ飛散量が、比較的少なくなると考えられる。
すなわち、溶解性と耐ミスチング性とは、通常、背反関係(トレードオフ関係)を有している。
そのため、溶解性の向上を図る場合、通常、耐ミスチング性の低下を惹起する。
つまり、上記のように、樹脂成分の極性を比較的低くした場合、極性が高い樹脂成分に対し、活性エネルギー線硬化型モノマー(後述)に対する溶解性が低下する。
そこで、本発明では、溶解性の向上を図るために、樹脂成分の酸価および水酸基価に加えて、樹脂成分中のエステル結合量に着目し、その値を特定範囲に調整している。
すなわち、樹脂成分中の酸価、水酸基価およびエステル結合量を調整することにより、優れた溶解性と、優れた耐ミスチング性とを、両立させている。
そのため、このような活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂は、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物(以下、ワニスと称する場合がある。)および活性エネルギー線硬化型インキ(以下、インキと称する場合がある。)の製造において、好適に用いられる。
活性エネルギー線硬化型インキ用組成物(ワニス)は、上記の活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂と、活性エネルギー線硬化型モノマーとを含有する。
活性エネルギー線硬化型モノマーは、活性エネルギー線の照射により上記の活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂と共重合可能な光重合性基を、1つ以上有する光重合性官能基含有化合物であって、例えば、1分子中に1つの光重合性基を有する光重合性単官能化合物、1分子中に2つ以上の光重合性基を有する光重合性多官能化合物などが挙げられる。
光重合性単官能化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−カルビトール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン(ECH)変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。
光重合性多官能化合物としては、例えば、1分子中に2つの光重合性基を有する光重合性2官能化合物、1分子中に3つの光重合性基を有する光重合性3官能化合物、1分子中に4つの光重合性基を有する光重合性4官能化合物、1分子中に5つの光重合性基を有する光重合性5官能化合物、1分子中に6つの光重合性基を有する光重合性6官能化合物などが挙げられる。
光重合性2官能化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド(EO)付加ジアクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートまたはそれらのアルキレンオキシド変性体、ジビニルベンゼン、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテルジプロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学製の商品名「AH−600」)、フェニルグリシジルエーテルアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学製の商品名「AT−600」)などが挙げられる。
光重合性3官能化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、またはそれらのアルキレンオキシド変性体、イソシアヌル酸アルキレンオキシド変性体のトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
光重合性4官能化合物としては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートまたはそれらのアルキレンオキシド変性体などが挙げられる。
光重合性5官能化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートまたはそれらのアルキレンオキシド変性体などが挙げられる。
光重合性6官能化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学製の商品名「UA−306H」)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートまたはそれらのアルキレンオキシド変性体などが挙げられる。
これら活性エネルギー線硬化型モノマーは、単独使用または2種類以上併用することができる。
活性エネルギー線硬化型モノマーとして、省エネルギー化の観点から、好ましくは、4官能以上の活性エネルギー線硬化型モノマーが挙げられ、具体的には、光重合性4官能化合物、光重合性5官能化合物、光重合性6官能化合物が挙げられ、より好ましくは、光重合性4官能化合物、光重合性5官能化合物が挙げられ、さらに好ましくは、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
活性エネルギー線硬化型インキ用組成物(ワニス)を得るには、特に制限されず、活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂と、活性エネルギー線硬化型モノマーとを混合すればよい。
活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂と活性エネルギー線硬化型モノマーとの含有割合は、活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂と活性エネルギー線硬化型モノマーとの総量100質量部に対して、活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂が、例えば、15質量部以上、好ましくは、25質量部以上であり、例えば、80質量部以下、好ましくは、75質量部以下である。また、活性エネルギー線硬化型モノマーが、例えば、20質量部以上、好ましくは、25質量部以上であり、例えば、85質量部以下、好ましくは、75質量部以下である。
また、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物(ワニス)は、必要により、公知の添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、重合禁止剤、さらには、充填剤、増粘剤、発泡剤、酸化防止剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、難燃剤などが挙げられ、好ましくは、重合禁止剤が挙げられる。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メトキシフェノール、メチルハイドロキノン、2−ターシャリーブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ターシャリーブチルp−ベンゾキノン、フェノチアジンなどが挙げられる。これら重合禁止剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
これら添加剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。添加剤の添加量および添加のタイミングは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、このような活性エネルギー線硬化型インキ用組成物(ワニス)は、活性エネルギー線硬化型インキの製造において、好適に用いられる。
具体的には、活性エネルギー線硬化型インキは、上記の活性エネルギー線硬化型インキ用組成物(ワニス)と、顔料とを含有している。
顔料としては、特に制限されないが、無機顔料および有機顔料が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、ベンガラなどが挙げられる。これら無機顔料は、単独使用または2種類以上併用することができる。
有機顔料としては、例えば、β−ナフトール系顔料、β−オキシナフトエ酸系顔料、β−オキシナフトエ酸系アニリド系顔料、アセト酢酸アニリド系顔料、ピラゾロン系顔料などの溶性アゾ顔料、β−ナフトール系顔料、β−オキシナフトエ酸系アニリド系顔料、アセト酢酸アニリド系モノアゾ顔料、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ顔料、ピラゾロン系顔料などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系顔料など)、イソインドリノン系顔料、金属錯体系顔料、キノフタロン系顔料などの多環式顔料および複素環式顔料などが挙げられる。これら有機顔料は、単独使用または2種類以上併用することができる。
これら顔料は、単独使用または2種類以上併用することができる。
活性エネルギー線硬化型インキ用組成物(ワニス)と顔料との配合割合は、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物(ワニス)と顔料との総量100質量部に対して、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物(ワニス)が、例えば、30質量部以上、好ましくは、40質量部以上であり、例えば、95質量部以下、好ましくは、90質量部以下である。また、顔料が、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、例えば、70質量部以下、好ましくは、60質量部以下である。
また、活性エネルギー線硬化型インキは、必要により、さらに、上記した活性エネルギー線硬化型モノマーを配合することができる。
活性エネルギー線硬化型インキの調製時に配合する活性エネルギー線硬化型モノマーの配合量は、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物(ワニス)と顔料との総量100質量部に対して、例えば、3質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、例えば、45質量部以下、好ましくは、35質量部以下である。
また、活性エネルギー線硬化型インキは、必要により、さらに、公知の光重合開始剤を配合することができる。
光重合開始剤としては、特に制限されないが、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、4−メチルベンゾフェノン、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンなどが挙げられる。
これら光重合開始剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
光重合開始剤の配合量は、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物(ワニス)と顔料との総量100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、1.0質量部以上であり、例えば、20質量部以下、好ましくは、15質量部以下である。
また、活性エネルギー線硬化型インキは、必要により、公知の添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、硬化促進剤(ナフテン酸コバルトなど)、さらには、充填剤、増粘剤、発泡剤、酸化防止剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、難燃剤などが挙げられる。
これら添加剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。添加剤の添加量および添加のタイミングは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
このような活性エネルギー線硬化型インキ用組成物(ワニス)、さらに、その活性エネルギー線硬化型インキ用組成物を含有する活性エネルギー線硬化型インキ(インキ)は、上記の活性エネルギー線硬化型インキ用を含むため、溶解性および耐ミスチング性に優れる。
そのため、上記の活性エネルギー線硬化型インキ用組成物および活性エネルギー線硬化型インキは、印刷において、広範に用いられる。
より具体的には、印刷では、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物、または、活性エネルギー線硬化型インキを、公知の方法により基材に塗布した後、活性エネルギー線を照射して、硬化させる。
基材としては、特に制限されず、例えば、上質紙などの非塗工紙、例えば、微塗工紙、アート紙、コート紙、軽量コート紙、キャストコート紙などの塗工紙、例えば、白板紙、ボールコートなどの板紙、例えば、合成紙、アルミ蒸着紙、プラスチックシートなどが挙げられる。
塗布方法としては、特に制限されず、公知の印刷方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、ロール印刷などが採用される。
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線などが挙げられる。
紫外線により硬化させる場合には、光源として、例えば、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどを有する紫外線照射装置が用いられる。紫外線照射量、紫外線照射装置の光量、光源の配置などは、必要により適宜調整される。具体的には、高圧水銀灯を使用する場合には、例えば、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物または活性エネルギー線硬化型インキが塗布された基材を、光度80〜1000W/cm程度の1灯に対して、搬送速度5〜50m/分で搬送する。また、電子線により硬化させる場合には、コーティング剤が塗布された基材を、例えば、10〜300kVの加速電圧を有する電子線加速装置にて、搬送速度5〜50m/分で搬送する。
そして、上記の活性エネルギー線の照射によって、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物または活性エネルギー線硬化型インキが架橋および硬化する。その結果、活性エネルギー線硬化型インキの硬化物として、硬化膜が得られる。
このように、上記の活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂、その活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂を含有する活性エネルギー線硬化型インキ用組成物、および、その活性エネルギー線硬化型インキ用組成物を含有する活性エネルギー線硬化型インキは、例えば、平版、凸版、凹版、孔版印刷などの印刷方式において、例えば、フォーム用印刷物、カルトン紙などの各種包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール、ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物などの種々の印刷物を得るために、好適に用いられる。
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例1〜10および比較例1〜4
(1)活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂
表1に示される処方に基づいて、活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂を得た。
すなわち、表1に示される処方で、攪拌機、水分離器付き還流冷却器および温度計付き4つ口フラスコに、窒素ガスを吹き込みながら、原料成分としてのロジン類と二塩基酸とポリオールと必要によりモノカルボン酸とを混合し、250℃で脱水縮合させた。
これにより、反応生成物としてロジン変性ポリエステル樹脂を得た。
また、そのロジン変性ポリエステル樹脂を、活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂とした。
そして、ロジン変性ポリエステル樹脂のエステル結合の含有量、酸価および水酸基価を、以下の方法で求めた。その結果を、表1に示す。
<エステル結合の含有量>
原料成分に含まれるカルボキシ基数および水酸基数を算出し、それらのうち少ない方に基づいて、下記式(1)または下記式(2)により、エステル結合の含有量を算出した。
エステル結合の含有量=[原料成分中のカルボキシ基のモル数(mol)]÷[原料成分の総質量(kg)] (1)
エステル結合の含有量=[原料成分中の水酸基のモル数(mol)]÷[原料成分の総質量(kg)] (2)
なお、原料成分中のカルボキシ基のモル数(mol)が、原料成分中の水酸基のモル数(mol)を下回っている場合、上記式(1)を用いた。
また、原料成分中のカルボキシ基のモル数(mol)が、原料成分中の水酸基のモル数(mol)を上回っている場合、上記式(2)を用いた。
さらに、カルボキシ基のモル数(mol)と水酸基のモル数(mol)とが同じである場合は、上記式(1)および上記式(2)のいずれかを用いた。
<酸価>
ロジン変性ポリエステル樹脂1gを、キシレンおよびエタノールの混合溶媒(キシレン:エタノール=2:1(質量比))20mLに溶解させた。その後、指示薬として3質量%のフェノールフタレイン溶液3mLを加え、0.1mol/Lのエタノール性水酸化カリウム溶液で、中和滴定した。これにより、酸価(mgKOH/g)を求めた。
<水酸基価>
JIS K 0070(1992年)に基づいて、水酸基価(mgKOH/g)を測定した。
(2)活性エネルギー線硬化型インキ用組成物
表2に示される処方に基づいて、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物を得た。
すなわち、表2に示される処方で、活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂と、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(活性エネルギー線硬化型モノマー(光重合性4官能化合物)、DiTMPTA)およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(活性エネルギー線硬化型モノマー(光重合性5官能化合物)、DPHA)と、ハイドロキノン(重合禁止剤)とを混合し、120℃で加熱溶解させた。
これにより、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物(以下、ワニスと称する)を得た。
<溶解性>
ワニスの調製時に、活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂が、活性エネルギー線硬化型モノマーに対して完全に溶解するまでの時間を測定し、溶解性を以下基準で評価した。
なお、評価が3以上であれば、実用的な溶解性を有すると判断した。
5 : 30分以内に全て溶解した。
4 : 60分以内に全て溶解した。
3 : 90分以内に全て溶解した。
2 : 120分以内に全て溶解した。
1 : 120分以内に全て溶解できなかった。
(3)活性エネルギー線硬化型インキ
表3に示される処方に基づいて、活性エネルギー線硬化型インキを得た。
すなわち、表3に示される処方で、ワニスと、中性カーボンブラック(CB、顔料、三菱化学製、RCF#52)と、トリメチロールプロパントリアクリレート(活性エネルギー線硬化型モノマー(光重合性3官能化合物)、TMPTA)と、イルガキュア907(光重合開始剤、2−メチル−1−[4−(メチルチオ) フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、BASF社製)とを配合し、3本ロールミル(井上製作所製、S−43/4×11)にて最大粒子径が7.5μm以下となるように分散させた。
これにより、活性エネルギー線硬化型インキ(以下、インキと称する。)を得た。
なお、インキにおける各成分の配合割合は、インコメーター(東洋精機社製D−2)にてロール温度30℃、400rpmの条件で、1分後のタック値が8.0〜9.5となるように調整した。
<耐ミスチング性>
得られたインキ2.6mlをインコメーター上に展開し、ロール温度30℃、400rpmで1分間、更に1800rpmで2分間回転させ、ロール直下に置いた白色紙上へのインキの飛散度を観察し、以下の基準で評価した。
なお、数値が大きいほど耐ミスチング性が良好であると判断した。
5 : 白色紙上へのインキの飛散度が少ない。
4 : 白色紙上へのインキの飛散度がやや少ない。
3 : 白色紙上へのインキの飛散度がやや多い。
2 : 白色紙上へのインキの飛散度が多い。
1 : 白色紙上へのインキの飛散度が非常に多い。
Figure 0006914606
Figure 0006914606
Figure 0006914606
なお、表中の略号の詳細を、下記する。
樹脂:活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂
ワニス:活性エネルギー線硬化型インキ用組成物
インキ:活性エネルギー線硬化型インキ
DiTMPTA:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、活性エネルギー線硬化型モノマー、光重合性4官能化合物
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、活性エネルギー線硬化型モノマー、光重合性5官能化合物
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート、活性エネルギー線硬化型モノマー、光重合性3官能化合物
CB:中性カーボンブラック、顔料、RCF#52(三菱化学製)

Claims (5)

  1. ロジン変性ポリエステル樹脂を含有する活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂であって、
    前記ロジン変性ポリエステル樹脂は、ロジン類、二塩基酸およびポリオールを含む原料成分の反応生成物を含み、
    前記ロジン変性ポリエステル樹脂のエステル結合の含有量が、5.20mol/kg以上7.20mоl/kg以下であり、
    前記ロジン変性ポリエステル樹脂の酸価が、1mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、
    前記ロジン変性ポリエステル樹脂の水酸基価が、1mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である
    ことを特徴とする、活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂。
  2. 前記ロジン変性ポリエステル樹脂のエステル結合の含有量が、5.30mol/kg以上6.85mоl/kg以下であり、
    前記ロジン変性ポリエステル樹脂の酸価が、1mgKOH/g以上20mg/g以下であり、
    前記ロジン変性ポリエステル樹脂の水酸基価が、1mgKOH/g以上30mg/g以下である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂。
  3. 前記ポリオールは、2価アルコールを含有し、
    前記ロジン類に対する、前記2価アルコールのモル比率(2価アルコール/ロジン類)が、0.3以上2.0以下である
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂と、
    活性エネルギー線硬化型モノマーと
    を含有することを特徴とする、活性エネルギー線硬化型インキ用組成物。
  5. 請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型インキ用組成物と、
    顔料と
    を含有することを特徴とする、活性エネルギー線硬化型インキ。
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