JP6913638B2 - 魚釣用スピニングリール - Google Patents
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Description
従来、切換操作部から逆転防止装置に駆動力を伝達するための部品として、切換カムが利用されてきたが、近年、小型化及び軽量化を図るため、リール本体のボディ前部の周囲を囲むカバー(以下、操作カバーと称する)が利用されている。
また、下記特許文献1に示すようにボディ前部による操作カバーの支持構造は、ボディ前部の外周面が操作カバーの内周面を摺動自在に支持することで、操作カバーが回動自在となっている。
さらに、複数の当接部の間にスペースが形成されるため、そのスペースに他の部品を配置することができ、魚釣用スピニングリールの小型化に寄与できる。
以下、ボディ前部312(大径部316,小径部317)と各部品との詳細について説明する。
フランジ316aは、大径部316の後端に位置している。フランジ316aの外形は、円形状を呈し、操作カバー350の後記する切換移動体351の内形に対応した形状となっている。このため、切換移動体351の後側開口は、フランジ316aにより閉塞され、操作カバー350内に海水等が侵入し難い。
周溝316bは、後シール部材391をボディ前部312に組み付けるための溝である。雌ねじ孔316cは180°間隔で2つ形成されている。また、雌ねじ孔316cに螺合するねじ316dは、操作カバー350がボディ前部312から脱落することを防止するためのものである。
また、中間軸受312aの前側には、止め輪318が配置されている。
止め輪318は、中間軸受312aの外輪に当接し、中間軸受312aが大径部316から脱落しないように規制するリング状の部品である。
図3に示すように、止め輪318には径方向外側に突出する2つのフランジ318aが形成されている。そして、そのフランジ318aがねじ318bに締め付けられることで止め輪318が小径部317内に固定されている。
第1切り欠き317aは、中心軸O1を基準として右上側に設けられ、第2切り欠き317bは、中心軸O1を基準として左下側に設けられている。
第3切欠き317cは、逆転防止装置340の後述する突出部345を配置するためのものであり、中心軸O1を基準として右下側に設けられている。
図4に示すように、第4切り欠き317dは、磁性流体シール機構370の後述する係止部379(図1参照)を配置するためのものであり、中心軸O1を基準として左上側に設けられている。
なお、第4切り欠き317dは、小径部317の前端面317eから後方への切り欠き量が他の第1切り欠き317a〜第3切り欠き317cよりも少ない。このため、第4切り欠き317dは図3に現れていない。
リティナ344には、外輪342を貫通して径方向外側に突出する突出部345が形成されている(図1参照)。なお、突出部345は、第3切り欠き317c内に配置される(図3の破線参照)。
突出部345が周方向へ移動すると、リティナ344が回動し、ローラ343が内輪341と外輪342との間で楔作用を発揮して内輪341(駆動軸筒307)の逆転が防止されたり、又はローラ343が内輪341と外輪342との間で楔作用を発揮せずに内輪341(駆動軸筒307)の逆転が許可されたりする。
図5(a),(b)に示すように、操作カバー350は、有底筒状の切換移動体351と、切換移動体351の内側に設けられた係合部354と、切換移動体351の後端に設けられた切換操作部355と、を備えている。
なお、切換操作部355は、特に図示しないが、リール本体302の側部に配置されて釣り人の手指により押圧可能(操作可能)になっている。
図2に示すように、切換移動体351は、ボディ前部312(大径部316,小径部317)の外周側を囲んでおり、逆転防止装置340内に海水や砂塵等が侵入し難い。よって、逆転防止装置340の塩ガミ等が抑制され、長期に亘って逆転防止装置340の性能が維持される。
円筒部352の後部には、貫通孔352aが2つ180度間隔で形成されている(図5(a)を参照)。各貫通孔352a内には、大径部316に螺合しているねじ316dが配置され、操作カバー350がボディ前部312から脱落しないようになっている(図2参照)。
前壁部353の後面(底面)353bには、後方に突出するガイド壁353cが3つ形成されている。
3つのガイド壁353cの内径はr2に形成されている。また、3つのガイド壁353cは、中心軸O1方向から視て後述する第1前側当接部331〜第3前側当接部333と重なるように形成されている。
図3に示すように、係合部354は、第3切欠き317c内に配置されている。
そして、係合部354の突起354a(図5(a),(b)参照)が突出部345の円孔346(図1参照)に挿入し、操作カバー350とリティナ344とが周方向に係合している。そして、釣り人が切換操作部355を押圧し切換移動体351を回動させると、逆転防止装置340の逆転防止状態と逆転許可状態とが切り換わる。
よって、逆転防止装置340が逆転許可状態から逆転防止状態(又は逆転防止装置340が逆転防止状態から逆転許可状態)に切り換わろうとすると、凸状部363cに移動体362の前端362aが係止し、切換移動体351の回動が規制される。
以上から、凸状部363cが移動体362を後方に押圧して凸状部363cが移動体362の前端362aを乗り越える程度の力を加えない限り、逆転防止装置340の逆転許可状態又は逆転防止状態が保持される。
フランジ378は、ボディ前部312の固定部317fに螺合するねじ(不図示)に締め付けられ、内側磁性板373がボディ前部312の前側に固定される。
以上から、円筒部352の後部開口や貫通孔352aを介して円筒部352内に侵入した海水等が第1切り欠き317a〜第4切り欠き317dを介して、小径部317内の逆転防止装置340に付着しないようになっている。
図2に示すように、支持部319は、操作カバー350の後側を摺動自在に支持する後側支持部320と、操作カバー350の前側を摺動自在に支持する前側支持部330と、を備える。
第2後側当接部322は、中心軸O1を基準として左側に位置し、周方向に延在し円弧状(周方向に幅広)に形成されている。
第3後側当接部323は、中心軸O1を基準として右上側に位置し、周方向に幅狭に形成されている。
第4後側当接部324は、中心軸O1を基準として右側に位置し、周方向に幅狭に形成されている。
第5後側当接部325は、中心軸O1を基準として右下側に位置し、周方向に幅狭に形成されている。
また、第2後側当接部322(図2参照)と第3後側当接部323(図2において不図示)とは、前後方向(中心軸O1方向)に比較的長く形成されているものの、第2後側当接部322と第3後側当接部323の外径が前側に向うにつれて縮径している。
このため、第2後側当接部322の外周面322aと第3後側当接部323の外周面323aは、後側のみが操作カバー350の内周面352bに当接するようになっている。
このため、円筒部352の内周面352bとの当接面積(摺動面積)が低減し、操作カバー350の回動がスムーズとなる。また、後側支持部320は、周方向に分断した第1後側当接部321〜第5後側当接部325となっているため、周方向に連続した環状の当接部を形成した場合よりも軽量化している。
つまり、第1後側当接部321〜第5後側当接部325を周方向に離間させることで、突出部345及び係合部354を配置するスペースを確保でき、魚釣用スピニングリール301の小型化に寄与している。
第1前側当接部331〜第3前側当接部333は、小径部317の前端部に位置し、周方向に配列している。
また、第1前側当接部331〜第3前側当接部333は、後側支持部320よりも外径が小径に形成されている。よって、ボディ前部312に操作カバー350を組み付ける際に、第1前側当接部331〜第3前側当接部333が操作カバー350の内周面352bに引っ掛かるおそれがなく、組み付け易い。
第2前側当接部332は、中心軸O1を基準として下側に位置している。
第3前側当接部333は、中心軸O1を基準として右側に位置している。
このため、第1前側当接部331〜第3前側当接部333のそれぞれの外周面331a〜333aは、操作カバー350のガイド壁353cの内周面353dに当接し、操作カバー350が周方向に摺動可能に支持されている。
つまり、前側支持部330は、操作カバー350の内周側の全周に当接するように構成されていない。このため、操作カバー350との当接面積(摺動面積)が低減し、操作カバー350の回動がスムーズとなる。
また、第1前側当接部331〜第3前側当接部333のそれぞれが周方向に離間していることから、これに当接する3つのガイド壁353cも周方向に離間している。このため、操作カバー350は、周方向に連続した環状のガイド壁を形成した場合よりも軽量化している。
つまり、第1前側当接部331〜第3前側当接部333と、第1後側当接部321〜第5後側当接部325とのそれぞれがバランス良く配置されている。よって、操作カバー350が傾き難く、操作カバー350の姿勢が安定し回動もスムーズとなる。
支持部319は、後側支持部320と前側支持部330とを備えているが、他の支持部を備えたり、若しくは、後側支持部320の外周面を軸方向に長くして前側支持部330を備えないようにしたりしてもよい。また、支持部319のうち後側支持部320を小径部317でなく大径部316に形成してもよい。
または、第1前側当接部331〜第3前側当接部333と、第1後側当接部321〜第5後側当接部335とが周方向に重なり合うようにしてもよい。
302 リール本体
307 駆動軸筒
308 スプール軸
310 ボディ
311 脚部
312 ボディ前部
316 大径部
317 小径部
319 支持部
320 後側支持部
321〜325 第1後側当接部〜第5後側当接部(当接部)
330 前側支持部
331〜333 第1前側当接部〜第3前側当接部(当接部)
340 逆転防止装置
350 操作カバー
351 切換移動体
352 円筒部
352b 内周面
353c ガイド壁
353d 内周面
354 係合部
355 切換操作部
360 切換保持部
362 移動体
363 係合保持部
370 磁性流体シール機構
380 規制体
391 後シール部材
392 前シール部材
Claims (3)
- ボディ前部を有するリール本体と、
前記ボディ前部に装着されてロータの逆回転を防止する逆転防止装置と、
切換操作部を有し、前記ボディ前部に回動自在に支持される操作カバーと、
を備え、
前記ボディ前部には、前記操作カバーを摺動自在に支持する支持部が設けられ、
前記支持部は、前記操作カバーに当接する複数の当接部を有し、
前記各当接部は、周方向に配置された他の当接部と周方向に離間しており、
前記複数の当接部は、
前記操作カバーの前側に当接する複数の前側当接部と、
前記操作カバーの後側に当接する複数の後側当接部と、
を備え、
前記複数の前側当接部と複数の後側当接部とは、前後方向に離間していることを特徴とする魚釣用スピニングリール。 - 前記複数の前側当接部と複数の後側当接部とは、周方向にずれていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
- 前記複数の前側当接部は、複数の後側当接部よりも外径が小径に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の魚釣用スピニングリール。
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