JP2017216946A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボディ10の側部に設けられた側部開口部13を閉塞する蓋部材30を備え、少なくとも蓋部材30でハンドル軸5を回転可能に支持する魚釣用スピニングリールである。側部開口部13および蓋部材30は円形であり、側部開口部13の内周部に設けられた雌ねじ部と、蓋部材の外周部に設けられ雌ねじ部に螺合する雄ねじ部と、ハンドル軸5によって回転駆動されるドライブギャ6と、ドライブギャ6が噛合するピニオンギャ7aと、ピニオンギャ7aの前部側を回転可能に支持する前部軸受52と、ピニオンギャ7aの後部側を回転可能に支持する後部軸受51と、を備えた構成とした。
【選択図】図4
Description
このため、その上下の内部スペースに、スプール往復動装置の摺動子の摺動案内用のガイド軸と摺動子に連結されてスプールを前後動するスプール軸とのそれぞれを、バランスよく振り分けて配置することが可能となる。
さらに、蓋部材および側部開口部が円形になっていることから、蓋部材から側部開口部に作用する荷重(例えばハンドル操作の際に発生する荷重)は、側部開口部の全周に均一に分散する。よって、ボディ(側部開口部)の一部に荷重(応力)が集中し難く、ボディの耐久性が優れる。
一方、ピニオンギャに対するドライブギャの噛合位置の近傍位置に、側部開口部と蓋部材との螺合位置が配設されるので、噛合位置においてドライブギャからピニオンギャに入力される負荷を、前部軸受、および前部軸受の側方における蓋部材の固定構造によって、好適に受けることができる。したがって、ピニオンギャの回転性能の向上および耐久性の向上を図ることができる。
また、架橋部によりボディの後部の強度を確保することができるので、スプール往復動装置の作動性の向上、ひいては巻き取り操作性の向上を図ることができる。
また、円形の側部開口部と相似形の外径を有するドライブギャを収容できるので、リール本体の小型化を図りつつ、ドライブギャの可及的な大径化が可能となる。したがって、高速度ギャ比や強度の維持が可能となる。
なお、図1,図2では蓋部材30の側面形状を簡略化している。
このため、ハンドル5dの巻き取り操作が行われると、巻き取り操作による駆動力がハンドル軸5、ドライブギャ6、ピニオンギャ7aを介して駆動軸筒7に伝達し、駆動軸筒7とともにロータ2が回転する。また、これとともにスプール3がスプール軸8やスプール往復動装置70を介して前後往復動される。これにより、釣糸は、ロータ2(図1参照)の図示しない釣糸案内部を介してスプール3の巻回胴部3a(図1参照)に均等に巻回される。
右側中央孔23(支持部として機能する)は、ハンドル軸5の右端部が貫通する孔であり、右壁部21の中央部に設けられている。右側中央孔23には、ハンドル軸5を回転可能に支持するハンドル軸用軸受としての右軸受5b(図4参照)が取り付けられている。右側中央孔23に対して右軸受5bは、ボディ10の右側方から取り付けられる。
スプール軸8の後部は、カラー51aを介してが下部支持部24bの後方に貫通している。
このため、筒部22は、従来の筒部(側面視矩形筒状の筒部)よりも小型化しており、筒部22の内周面22aとドライブギャ6との間には、不要な空間が生じないようになっている。
保護カバー40を取り付けると、保護カバー40の内側には、図4に示すように、空間部S2が形成される。空間部S2には、後部開口部15を通じてボディ10の後部から突出した連動歯車74の一部および摺動子72の一部が収容される。つまり、連動歯車74の一部および摺動子72の一部は、シール部材50を介して装着される保護カバー40で覆われて液密に収容されている(図3参照)。
なお、後部開口部15は、スプール軸8およびスプール往復動装置70の各部材を組み付けるための組み付け孔としても機能する。
なお、架橋部14は、側部開口部13と同芯円状に形成されたものを示したが、これに限られることはなく、側部開口部13の中心(ハンドル軸5の中心)に対して前側または後側に偏芯したものであってもよい。また、架橋部14は、側面視で外形状が直線状部分を含むものであってもよい。
図7(a)に示すように、連動歯車74は、後部開口部15を貫通するように外部後方からボディ10に組み付けられる。組み付けられた状態で、連動歯車74の一部(後部領域)は、後部開口部15から後方に突出し、保護カバー40内に収容される。
連動歯車74は、ハンドル軸5の回転をスプール軸8の前後往復動に変換する変換駆動部材として偏芯突部75を介して摺動子72とともに協働する。
蓋部材30は、図2に示すように、側部開口部13に取り付けられ、側部開口部13を液密に閉塞するとともに、ハンドル軸5の右端側を支持する役割をなす。蓋部材30は、図6(b)に示すように、断面が山形状を呈しており、周壁部31と、周壁部31の中央部に一体的に設けられた円筒部32と、周壁部31の外周縁部に設けられた円筒状の挿入部33と、を備えている。蓋部材30の中心部にハンドル軸5が支持される(図4参照)。
なお、当接面33bは、側部開口部13の内周面13aに対して周方向に間隔を空けて部分的に当接するように構成してもよい。
また、インロー嵌合によって防塵防水を図ることができる。これにより、例えば、海水や水、あるいはこれらに混じった砂、異物等が侵入するのを遮ることができる。つまり、インロー嵌合部によって釣糸や海水、異物等の侵入防止が実現される。
なお、同様に、嵌合受部17や嵌合部37に対してグリスやオイル等の潤滑剤を塗布してもよい。
ボディ前部12は、ボディ10の前部に一体的に設けられている。ボディ10とボディ前部12との境界部には、図2,3に示すように、薄板状を呈するフランジ部16が設けられている。フランジ部16の左側部には、図2に示すように、凹状部16bが形成されている。凹状部16bは、蓋部材30の前端部30eの形状に沿って前方へ向けて凹設されている。凹状部16bにより、蓋部材30の前端部30eは、フランジ部16の上部後面16aよりも前方に入り込むように位置している。また、蓋部材30の前端部30eは、図1に示すように、ロータ2との位置関係において、ロータ2の最後端部2aよりも前方に位置している。さらに、蓋部材30の前端部30eは、図2に示すように、ボディ前部12を覆う有底円筒状のカバー12aとの位置関係において、カバー12aの後端部12bよりも前方に位置している。このような位置関係に蓋部材30の前端部30eが位置することによって、ボディ10の前後方向のコンパクト化を図りつつ、蓋部材30の大径化が可能となっている。なお、凹状部16bは、蓋部材30を取り付ける際の逃げ部となる。
前部軸受52の外輪の後端は、リール本体1の支持部53に形成された凹所54に突き当てられて保持されている。前部軸受52の内輪の後端は、ピニオンギャ7aの前端に突き当てられて保持されている。前部軸受52の外輪の前端は、ボディ前部12に係止される係止板12eで抜け止めされている。前部軸受52の内輪の前端は、ローラ式一方向クラッチ19(以下、単に「一方向クラッチ」という)の内輪に当接されている。
このような一方向クラッチ19は、ボディ前部12の周壁部12fによって覆われ、さらにその外側をカバー12aで保護されている。
なお、一方向クラッチ19の内輪19aの前端は磁性部材2cを介してロータ2の円筒部2bに固定されている。磁性部材2cと周壁部12fの前端部との間は、公知の磁気シール機構80でシールされている。
ここで、螺合位置R1は、図3に示すように、ハンドル軸5の軸方向から見て、側部開口部13とスプール軸8の中心O2とが重なる位置を言う。支持位置R2は、前部軸受52の軸方向中心位置を基準とした位置である。また、図4において、噛合位置R3は、ドライブギャ6の歯部の幅方向中心位置を基準とした位置である。
一方、ピニオンギャ7aに対するドライブギャ6の噛合位置R3の近傍位置に、側部開口部13と蓋部材30との螺合位置R1が配設されるので、噛合位置R3においてドライブギャ6からピニオンギャ7aに入力される負荷を、前部軸受52、および前部軸受52の側方における蓋部材30の固定構造によって、好適に受けることができる。したがって、ピニオンギャ7aの回転性能の向上および耐久性の向上を図ることができる。
また、架橋部14によりボディ10の後部の強度を確保することができるので、スプール往復動装置70の作動性の向上、ひいては巻き取り操作性の向上を図ることができる。
また、円形の側部開口部13と相似形の外径を有するドライブギャ6を収容できるので、リール本体1の小型化を図りつつ、ドライブギャ6の可及的な大径化が可能となる。したがって、高速度ギャ比や強度の維持が可能となる。
例えば、ハンドル軸5は少なくとも蓋部材30側に片持ち支持される構造であればよく、ボディ10の21の右壁部21に必ずしも支持しなくてもよい。この場合には、図8に示すように、収容空間S1内からハンドル軸5を排除することができるので、その分、収容空間S1が広くなり、収容空間S1内の構成部材のレイアウト性が高まる。これにより魚釣用スピニングリールの設計の自由度が高まる。
5 ハンドル軸
6 ドライブギャ
7 回転軸筒
7a ピニオンギャ
8 スプール軸
10 ボディ
13 側部開口部
13b 雌ねじ(雌ねじ部)
15 後部開口部
23 右側中央孔(支持部)
5b 軸受(ハンドル軸用軸受)
24 支持リブ(支持部材)
30 蓋部材
33 雄ねじ(雄ねじ部)
33b 当接面(当接部)
51 前部軸受
52 後部軸受
70 スプール往復動装置
71 ガイド軸
72 摺動子
72a 凹部
R1 螺合位置
R2 支持位置
R3 噛合位置
S1 収容空間
Claims (8)
- ボディと、前記ボディの側部に設けられた側部開口部を閉塞する蓋部材と、を有するリール本体を備え、少なくとも前記蓋部材でハンドル軸を回転可能に支持する魚釣用スピニングリールであって、
前記側部開口部および前記蓋部材は円形であり、
前記側部開口部の内周部に設けられた雌ねじ部と、
前記蓋部材の外周部に設けられ、前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部と、
前記ハンドル軸によって回転駆動されるドライブギャと、
前記ドライブギャが噛合するピニオンギャと、
前記ピニオンギャの前部側を回転可能に支持する前部軸受と、
前記ピニオンギャの後部側を回転可能に支持する後部軸受と、
を備えたことを特徴とする魚釣用スピニングリール。 - 前記蓋部材の中心部に前記ハンドル軸が支持されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
- 前記後部軸受は、前記側部開口部内に位置していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用スピニングリール。
- 前記ボディには、前記ハンドル軸を支持する支持部が設けられており、
前記支持部には、前記ハンドル軸を支持するハンドル軸用軸受が配置されており、
前記後部軸受、または前記後部軸受を支持する支持部材は、前記ハンドル軸の軸方向から見て前記ハンドル軸用軸受の少なくとも一部に重なっていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。 - 前記ピニオンギャの側方における前記側部開口部と前記蓋部材との螺合位置は、前記前部軸受による前記ピニオンギャの支持位置と、前記ピニオンギャに対する前記ドライブギャの噛合位置と、の間であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
- 前記蓋部材には、前記側部開口部の内周面に当接し、前記側部開口部との同芯度を得るための当接部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
- 前記側部開口部の内部には、スプール往復動装置が収容されて支持されており、
前記ボディの後部には、前記スプール往復動装置を構成する構成部材の少なくとも一部を受け入れて後方に配置するための後部開口部が形成されており、
前記ボディは、前記側部開口部と前記後部開口部との間に延在し、前記側部開口部と前記後部開口部とのそれぞれの開口の端縁をなす架橋部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。 - 前記ボディに前後摺動自在に支持され、後部が前記ボディ内に位置するスプール軸を備え、
前記スプール往復動装置は、前記ハンドル軸の回転により前記スプール軸とともに前後動する摺動子と、前記摺動子を前後方向に摺動案内するガイド軸とを有しており、
前記スプール軸の後部および前記ガイド軸のそれぞれを、前記ハンドル軸を境に下側と上側に振り分け配置し、
前記摺動子の前記ハンドル軸の対向部に、前記ハンドル軸の少なくとも一部を受け入れる凹部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の魚釣用スピニングリール。
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