JP5954875B2 - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

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本発明は、魚釣用スピニングリールに関する。
一般に、魚釣用スピニングリールは、リール本体と、リール本体に取り付けられて釣糸が巻回されるスプールと、リ−ル本体に回転自在に支持されたハンドルとを備え、ハンドルの回転操作でスプ−ルに釣糸を巻回する構成となっている。ハンドルの回転運動は、リール本体内に設けられたオシレーティング機構によりスプール軸の前後方向の往復動に変換されるとともに、スプールに釣糸を巻回保持するロータの回転運動に変換される。
ここで、スプ−ル軸は、ロ−タを支持するピニオン内に挿通され、その内周面に摺接して前後動するものであるため、摩擦抵抗を緩和すべくスプール軸とピニオンとの間には、若干のクリアランス(隙間)が形成されている。
従来、このようなクリアランスを通じ、海水、水、ゴミなどの異物がリ−ル本体内に浸入するのを防止するようにした技術として、ピニオンとスプール軸との間にシール部材を配設したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許第3502291号公報
前記特許文献1では、シール部材を配設することにより、海水、水、異物等の浸入を防止しているが、ピニオンの先端部にシール部材を嵌着して固定しているので、接触部の摩擦抵抗の増大、シール部材の経時劣化、誤組等の影響により、シール部材の装着状態が変化したり、脱落したりする可能性があり、安定したシール性が得られない課題がある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、シール部材の良好な装着状態を得ることができる魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明の魚釣用スピニングリールは、リール本体と、リール本体に設けられ、釣糸が巻回されるスプールを支持するスプール軸と、前記スプール軸が前後動可能に挿通され、ロータが固定されるピニオンと、前記ピニオンに螺合されることで、前記ピニオンに前記ロータを固定するナットと、前記ピニオンの先端部に配置され、前記スプール軸の周面に接触するリップ部が設けられたシール部材と、を備え、前記ナットは、前記シール部材に係合する係合部を備えており、前記係合部は、前記ナットが前記ピニオンに螺合されることにより前記シール部材に係合して、前記シール部材の抜け方向の移動を規制するものであり、前記ピニオンの先端部の外周面は、前記スプール軸の軸方向に平らであり、前記シール部材は前記ピニオンの先端部の前記外周面に装着される装着部を備え、前記装着部に前記係合部が係合することを特徴とする。
この魚釣用スピニングリールによれば、ナットをピニオンに螺合してピニオンにロータを固定すると、ナットの係合部がシール部材に係合し、シール部材は、抜け方向の移動が規制される状態にピニオンの先端部に抜け止め保持される。
また、ピニオンの先端部の周りに装着される装着部を係合部によって直接抜け止め保持することができる。
また、本発明は、「前記リップ部は、前記リール本体の内方へ向けて凹状に膨出している」ことを特徴とする。
ここで、前記「膨出」には、リール本体の内方へ向けて凹状に湾曲する形状のもの、リール本体の内方へ向けて凹状に屈曲する形状のもの、リール本体の内方へ向けて部分的に凹状に張り出す形状のものが含まれる。
この魚釣用スピニングリールによれば、凹状に膨出された面でリール本体内に向けて浸入しようとする海水、水、異物等を受けとめることができる。つまり、リップ部の先端部が軸方向の外方(リール本体の外方)に向かってスプール軸の周面に弾接して密着する。
また、本発明は、「前記ナットの雌ねじ部の内径は、前記シール部材の最大外径よりも大きい」ことを特徴とする。
この魚釣用スピニングリールによれば、組付時において、シール部材をピニオンの先端部に配置しておいてから、ナットをピニオンに螺合してピニオンにロータを固定するという固定手法を採ることができる。
本発明によれば、ナットの螺合によってナットの係合部がシール部材に係合し、シール部材の抜け方向の移動が規制された状態にシール部材が抜け止め保持されるようになっているので、ピニオンからシール部材が脱落するのを好適に防止することができ、シール部材の良好な装着状態を得ることができる。
したがって、仮に、使用経過に伴うスプール軸の表面の油膜切れ等による摩擦抵抗の増加や、シール部材の経時劣化等が生じた場合にも、ピニオンからシール部材が脱落するのを好適に防止することができ、シール性を維持することができる。したがって、長期間にわたって安定したスプール軸の往復動やピニオンのスムーズな回転を維持することができ、耐久性に優れ、信頼性に優れた魚釣用スピニングリールが得られる。
また、ピニオンの先端部の周りに装着される装着部を係合部によって直接抜け止め保持することができるので、ピニオンからシール部材が脱落するのをより好適に防止することができ、シール部材の良好な装着状態を得ることができる。
また、リップ部がリール本体の内方へ向けて凹状に膨出している構成では、凹状に膨出された面でリール本体内に向けて浸入しようとする海水等を受けとめることができるので、リール本体内へ海水、水、塵埃等が浸入するのをより好適に阻止することができ、高い防水防塵性能を確保することができる。したがって、より一層、耐久性、信頼性の向上を図ることができる魚釣用スピニングリールが得られる。
また、スプール軸の周面にシール部材のリップ部が弾接するので、防水防塵性能を安定化することができる。
また、ナットの内径がシール部材の最大外径よりも大きい構成では、組付時において、シール部材をピニオンの先端部に配置しておいてから、ナットをピニオンに螺合してピニオンにロータを固定するという固定手法を採ることができるので、組付時の作業が行い易く組付固定性に優れる。このことは、生産性の向上、コストの低減に寄与する。
本発明の第1実施形態に係る魚釣用スピニングリールの全体構成を示す図である。 (a)はシールされる部分の拡大断面図、(b)はシール部材の拡大断面図、(c)はスプール軸、シール部材、ナットの分解断面図、(d)は組付状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る魚釣用スピニングリールを示す図であり、(a)はシールされる部分の拡大断面図、(b)はシール部材の拡大断面図、(c)はスプール軸、シール部材、ナットの分解断面図、(d)は組付状態を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る魚釣用スピニングリールを示す図であり、(a)はシールされる部分の拡大断面図、(b)はシール部材の拡大断面図、(c)はスプール軸、シール部材、ナットの分解断面図、(d)は組付状態を示す断面図である。 本発明の参考例に係る魚釣用スピニングリールを示す図であり、(a)はシールされる部分の拡大断面図、(b)はシール部材の拡大断面図、(c)はスプール軸、シール部材、ナットの分解断面図、(d)は組付状態を示す断面図である。
以下、本発明に係る魚釣用スピニングリールの実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「前後」「上下」を言うときは、図1に示した方向を基準とする。また、各実施形態において、同様の部分には同一の符号を付し重複した説明は省略する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態の魚釣用スピニングリールは、図示しない釣竿に装着するための脚部1aが形成されたリール本体1と、リール本体1の前方に回転可能に設けられたロータ2と、ロータ2の回転運動と同期して前後方向に往復動可能に設けられたスプール3とを備えている。
図1に示すように、リール本体1には、図示しない軸受を介してハンドル軸4が回転可能に支持されており、その突出端部には、巻き取り操作されるハンドル5が取り付けられている。
ハンドル軸4には、ロータ2を巻き取り駆動するための図示しない内歯が形成された駆動機構を構成するドライブギャ6が一体的に固定されている。なお、ドライブギャ6は、ハンドル軸4に一体形成されていてもよい。
ドライブギャ6には、ピニオン8のピニオンギャ8aが噛合している。ピニオン8は、ハンドル軸4と直交する方向に延出しており、その前端部において、ナット20を介してロータ2がピニオン8に取り付けられている。ピニオン8の先端部にはシール部材30が装着されており、シール部材30は、ナット20によって抜け止め保持されている。ナット20およびシール部材30の構成の詳細は後記する。
ピニオン8には、その中間部分に転がり式の一方向クラッチ8fが取り付けられており、ハンドル5(ロータ2)の逆転方向の回転(釣糸放出方向の回転)が防止されるようになっている。
ピニオン8は、内部に軸方向に延出する空洞部を有しており、この空洞部には、スプール3を支持するスプール軸9が挿通されている。スプール軸9の後端には、公知のオシレーティング機構10が係合されている。
オシレーティング機構10は、スプール軸9と平行に延出するウォームシャフト10aと、このウォームシャフト10aの外周面に形成された螺旋溝10bに係合する係合ピン10cを有してスプール軸9の後端部にねじ止めして取り付けられた摺動体10dと、リール本体1の内壁に設けられて摺動体10dと係合し、摺動体10dの往復動を案内するガイド10eと、を含んで構成される。
スプール軸9は、このようなオシレーティング機構10により、ハンドル5の巻き取り操作に伴って前後方向に往復駆動(進退動)される。
ロータ2は、スプール3のスカート部3a内に位置する円筒部2aと、一対のアーム部2b(図1では一方のみ図示)を具備している。各アーム部2bの前端部には、ベール支持部材2cが釣糸巻取位置と釣糸放出位置との間で回動自在に支持されており、これらのベール支持部材2c間には、放出状態にある図示しない釣糸をピックアップするためのベール2dが配設されている。ベール2dは、一方の基端部がベール支持部材2cに一体的に設けられた釣糸案内部2eに取り付けられており、他方の基端部がベール支持部材2cの先端部に取り付けられている。
スプール3は、スカート部3aと前側フランジ3bとの間に図示しない釣糸が巻回される釣糸巻回胴部3cを備えており、スプール軸9に図示しないドラグ機構を介して摩擦結合され、ノブ3dを回動操作することでスプール3のドラグ力が調節される。なお、ドラグ機構は必ずしも設けなくてもよい。
このような構成において、ハンドル5を巻き取り操作すると、ハンドル軸4、ドライブギャ6、およびピニオンギャ8aを介してロータ2が回転駆動されるとともに、スプール3がオシレーティング機構10を介して前後方向に往復駆動され、釣糸が、釣糸案内部2e(ベール2d)を介してスプール3(釣糸巻回胴部3c)に均等に巻き付けられる。
なお、釣糸を放出する場合には、ベール支持部材2cを、図1に示す釣糸巻取位置から図示しない釣糸放出位置に反転操作し、釣糸を釣糸案内部2eから外すとともに図示しない釣竿を振り下ろす操作を行う。これにより、スプール3から釣糸が放出される。
次に、ナット20およびシール部材30の構成について図2各図を参照して具体的に説明する。
ナット20は、図2(a)〜(d)に示すように、段付き筒状を呈しており、ナット本体22と、ナット本体22から一体的に突出する円環状の係合部23と、を備えている。ナット本体22には、ピニオン8の先端外周面に形成された雄ねじ部81(図2(a)参照)に螺合可能な雌ねじ21が形成されている。なお、ナット本体22に対向するようにして、ロータ2の前部には、図2(a)に示すように、凹部2fが形成されており、ナット本体22は、その後部22aが凹部2f内に収容されるようにしてロータ2を締め付けるようになっている。このようにナット20の後部22aが凹部2f内に収容されるようになっているので、その分、ナット20は、前方への突出が抑えられたものとなっている。
係合部23は、図2(a)(b)に示すように、断面鉤形形状とされており、ナット本体22の孔縁から前方へ向けて突出形成された周壁部23aと、周壁部23aの先端から径方向内側に折り返された折返し部23bと、を有している。周壁部23aと折返し部23bとの内側には、図2(b)に示すように、係合スペースS1が形成されている。この係合スペースS1には、シール部材30の後記する鍔部31aが係合される。
シール部材30は、図2(a)に示すように、ピニオン8の先端部8bとスプール軸9との間をシールする役割をなし、図2(b)に示すように、ピニオン8の先端部8bに設けられた小径部8cに装着される装着部31と、ピニオン8の前方へ向けて装着部31から延出される延出部32と、延出部32からスプール軸9に向けて延設されるリップ部33と、を備えており、弾力性を有している。
シール部材30の材料としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴム、アクリルゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ウレタンゴム、およびブタジエンゴム等の合成ゴム、または天然ゴム等のゴム系材料のいずれかを用いることができる。
装着部31の基端部には、径方向外側に突出する鍔部31aが一体的に形成されている。鍔部31aは、ナット20の係合スペースS1に係合される(収容される)大きさに形成されている。
ここで、ナット20をピニオン8に螺合して締め付けると、係合部23の折返し部23bの内面23b1が鍔部31aの前面31a1に対向して配置され、また、係合部23の周壁部23aの内面23a1が鍔部31aの周面31a2に対向して配置され、さらに、ピニオン8の雄ねじ部81と小径部8cとの間に形成された段差面8dに、鍔部31aの後面31a3の一部が対向して配置される。つまり、鍔部31aは、その三面(周り)がナット20の内面23b1,23a1およびピニオン8の段差面8dに囲われた状態で収容されることとなる。
特に、鍔部31aの前面31a1は、係合部23の折返し部23bの内側に位置してその内面23b1に対向して配置されるので、折返し部23bの内面23b1が、シール部材30の抜け止め防止用の壁として機能することとなる。
なお、図2(b)において、各対向部の間には、部品公差等を考慮した隙間を形成したものを示したが、各隙間は必ずしも設けなくてもよく、ナット20の螺合時における当接でスプール軸9に対するリップ部33の弾接が損なわれるような変形が生じない範囲で各対向部同士が当接(圧接)するように構成してもよい。
装着部31は、ピニオン8の小径部8cの外周面に密着する状態に装着されるようになっており、これによって小径部8cに対するシール部材30の位置ずれが防止されている。
延出部32は、装着部31に連続して設けられており、スプール軸9の軸方向に沿ってピニオン8の前方へ延出している。
リップ部33は、図2(b)に示すように、スプール軸9の軸方向に沿ってリール本体1の内方(後方)へ向けて凹状に湾曲(膨出)している。リップ部33の先端部33b1は、略球状とされており、リップ部33の弾力性によりスプール軸9の周面に弾接するようになっている。これにより、スプール軸9に対するリップ部33の追従性が高められている。
ここで、リップ部33は、スプール軸9の軸線を法線とする面のうち、先端部33b1の接触点(作用点B2)を通る面を基準面L2としたときに、この基準面L2よりも後側に(リール本体1の内方に)向けて凹状に湾曲する形状とされている。本実施形態では、リップ部33の少なくとも一部の外面(凹面)33b2が、基準面L2よりもリール本体1の内方(後方)に位置しており、リール本体1の内方(後方)へ向けて湾曲状に凹んだ形状とされている。なお、本実施形態では、基準面L2上に、リップ部33の支点となる延出部32とリップ部33との角部A3が位置している。つまり、リップ部33の少なくとも一部の外面(凹面)33b2が、作用点B2と角部A3(支点)とを結ぶ直線(基準面L2)よりもリール本体1の内方(後方)に位置している。
また、リップ部33の肉厚t12は、装着部31の鍔部31aの肉厚t01や装着部31(延出部32)の肉厚t11よりも、全体的に薄肉に形成されている。
また、リップ部33は、ピニオン8の先端面84との間に隙間S3を有して配置されている。なお、先端面84の側方は、面取り(傾斜面85,86)されており、隙間S3が好適に確保されている。これにより、シール部材30(リップ部33)の追従性が高められている。
特に、スプール軸9はリール本体1の前後方向に往復動する部材であり、かつピニオン8は、スプール軸9周りに回転する部材であるので、これら2つの異なる動作に対してリップ部33を好適に追従させてスプール軸9に弾接させることができる。
つまり、シール部材30Aは、前記隙間S3を有する分、柔軟に変形することが可能であり、延出部32およびリップ部33の有する弾力性を利用しつつ、延出部32とリップ部33との角部A3等を支点として、リップ部33がスプール軸9の周面に弾接可能である。
なお、リップ部33をピニオン8の先端部(先端面84)に当接させて配置してもよい。このように配置することにより、ピニオン8に対するシール部材30Aの取付面積(接触面積)を大きくすることができ、シール部材30Aの取付安定化を図ることができる。
次に、ナット20およびシール部材30の組み付けについて説明する。
はじめに、シール部材30の弾力性を利用して、ナット20の前方からナット20の開口を通じて内側の係合スペースS1にシール部材30の鍔部31aを嵌め込み、ナット20の前部にシール部材30を保持する。
その後、このようにシール部材30が保持されたナット20をピニオン8の先端部8bに近付け、先端部の雄ねじ部81にナット20の雌ねじ部21を螺合する。そうすると、ナット20の螺合に伴って、ピニオン8の小径部8cにシール部材30の装着部31の後端部が掛かり、その後、さらにナット20を螺合することにより、係合部23を通じてシール部材30を小径部8cに装着させる方向の力が作用する。これにより、ナット20の螺合に伴って小径部8cに装着部31が装着され、ピニオン8にナット20が締め付けられることとなる。
したがって、ナット20を締め付けるという簡単な作業で、ナット20に保持されたシール部材30をピニオン8の先端部8bに簡単に配置することができる。
以上説明した本実施形態の魚釣用スピニングリールによれば、ナット20の螺合によってナット20の係合部23がシール部材30に係合し、シール部材30の抜け方向の移動が規制された状態にシール部材30が抜け止め保持されるようになっているので、ピニオン8からシール部材30が脱落するのを好適に防止することができ、シール部材30の良好な装着状態を得ることができる。
したがって、仮に、使用経過に伴うスプール軸9の表面の油膜切れ等による摩擦抵抗の増加や、シール部材30の経時劣化等が生じた場合にも、ピニオン8からシール部材30が脱落するのを好適に防止することができ、シール性を維持することができる。したがって、長期間にわたって安定したスプール軸9の往復動やピニオン8のスムーズな回転を維持することができ、耐久性に優れ、信頼性に優れた魚釣用スピニングリールが得られる。
また、装着部31に係合部23が係合して装着部31が直接的に抜け止め保持されるので、ピニオン8からシール部材30が脱落するのをより好適に防止することができ、シール部材30の良好な装着状態を得ることができる。
また、リップ部33が、リール本体1の内方へ向けて凹状に湾曲しているので、凹状に湾曲された外面33b2でリール本体1内に向けて浸入しようとする海水等を受けとめることができ、リール本体1内へ海水、水、塵埃等が浸入するのをより好適に阻止することができる。したがって、高い防水防塵性能を確保することができる。したがって、より一層、耐久性、信頼性の向上を図ることができる魚釣用スピニングリールが得られる。
また、スプール軸9の周面にシール部材30のリップ部33(先端部33b1)が弾接するので、防水防塵性能を安定化することができる。
(第2実施形態)
図3各図を参照して第2実施形態の魚釣用スピニングリールについて説明する。
本実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、ナット20の雌ねじ部21の内径D1がシール部材30Aの最大外径となる鍔部31aの外径D2よりも大きく形成されている(D1>D2の関係にある)点である。
本実施形態では、鍔部31aの径方向外側に向けた突出量が、第1実施形態のものに比べて小さくされており、これによって、前記したD1>D2の関係を構成している。
なお、相対的にナット20の雄ねじ部21の内径D1をより大きく形成することによって、前記関係を構成してもよい。
また、本実施形態では、シール部材30Aの装着部31が装着されるピニオン8の小径部8cの外径を第1実施形態のものよりも小さく形成して、シール部材30Aの小型化を図っている。
これに伴い、リップ部33の短縮化を図っており、スプール軸9の軸線を法線とする面のうち、延出部32とリップ部33との角部A3を通る面を基準面L3としたときに、リップ部33の少なくとも一部の外面33b2および先端部33b1が、この基準面L3よりも後側に(リール本体1の内方に)位置するように構成してある。これにより、リップ部33の湾曲形状を確保しつつ、スプール軸9に対するリップ部33の好適な弾接(摺接)を確保している。
本実施形態によれば、前記第1実施形態で説明した作用効果と同様の作用効果が得られるとともに、前記したように、ナット20の雌ねじ部21の内径D1と鍔部31aの外径D2とがD1>D2の関係となっているので、組付時には、シール部材30Aをピニオン8の小径部8cに先に装着配置しておいてから、ナット20をピニオン8に螺合してこれを締め付け、ピニオン8にロータ2を固定するという固定手法を採ることができる。
すなわち、小径部8cにシール部材30Aを装着したままナット20をピニオン8に螺合することができるので、組付時の作業が行い易く組付固定性に優れる。このことは、生産性の向上、コストの低減に寄与する。
(第3実施形態)
図4各図を参照して第3実施形態の魚釣用スピニングリールについて説明する。
本実施形態が前記第1,第2実施形態と異なるところは、シール部材30Bの装着部31にテーパー状の傾斜面31bを形成し、この傾斜面31bに当接する係合部としてナット20の対向部にテーパー状の傾斜当接面23cを形成した点である。
装着部31の傾斜面31bは、装着部31の前部(延出部32の略後部)から装着部31の後端へ向けて漸次拡径する面とされており、これによって装着部31の後端部は、装着部31の前部の肉厚t11よりも厚くされた肉厚t02となっている。
一方、ナット20の傾斜当接面23cは、折返し部23bの内周面に部分的に形成されており、装着部31の傾斜面31bに対応して、折返し部23bの内面後端へ向けて漸次拡径する内面とされている。
なお、傾斜当接面23cは、装着部31の傾斜面31bの大きさ等に対応して、折返し部23bの内周面の略全体に形成してもよい。
また、リップ部33の肉厚t12は、装着部31の前部の肉厚t11、および装着部31の後端部の肉厚t02よりも全体的に薄肉とされている。
本実施形態によれば、組付時においてピニオン8にナット20を螺合すると、装着部31の傾斜面31bとナット20の傾斜当接面23cとが当接して、ナット20にシール部材30Bが抜け止め保持される。したがって、ピニオン8からシール部材30Bが脱落するのを好適に防止することができ、シール部材30Bの良好な装着状態を得ることができる。
なお、第2実施形態と同様の関係となるように、ナット20の雌ねじ部21の内径を装着部31の後端部の外径(傾斜面31bの後端部の外径)よりも大きく形成して、組付時に、シール部材30Bをピニオン8の小径部8cに先に装着配置しておいてから、ナット20をピニオン8に螺合してピニオン8にロータ2を固定するように構成してもよい。
参考例
図5各図を参照して参考例の魚釣用スピニングリールについて説明する。
参考例が前記第1〜第3実施形態と異なるところは、ピニオン8の先端部8bの前側にシール部材30Cを直接配置し、ナット20により先端部8bの前側にシール部材30Cを抜け止め保持した点である。
ピニオン8は、先端部8bに前記第1〜第3実施形態で説明した小径部8cを有しておらず、ナット20との間にシール部材30Cを配置可能な切り立った前面8eを有している。
図5(a)に示すように、この参考例においてもシール部材30Cは、ピニオン8の先端部8bとスプール軸9との間をシールする役割をなし、図5(b)に示すように、ピニオン8の前面8eに配置される装着部31と、装着部31からスプール軸9に向けて延設されるリップ部33と、を備えており、弾力性を有している。
装着部31は、ナット20をピニオン8に螺合して締め付けた状態で、その前面311が係合部23の折返し部23bの内面23b1に対向して配置され、また、周面312が係合部23の周壁部23aの内面23a1に対向して配置され、さらに、後面313がピニオン8の前面8eに対向して配置される。つまり、装着部31の三面が、ナット20の内面23b1,23a1およびピニオン8の前面8eに囲われた状態で収容される。特に、装着部31の前面311は、係合部23の折返し部23bの内側に位置してその内面23b1に対向して配置されるので、折返し部23bの内面23b1が、シール部材30Cの抜け止め防止用の壁として機能することとなる。
なお、図2(b)において、装着部31の前面311と折返し部23bの内面23b1との間には、部品公差を考慮した隙間を形成したものを示したが、この隙間は必ずしも設けなくてもよく、ナット20の螺合時における当接で、スプール軸9に対するリップ部33の弾接が損なわれるような変形が生じない範囲で、対向部同士が当接するように構成してもよい。
リップ部33は、図5(b)に示すように、スプール軸9の軸方向に沿ってリール本体1の内方(後方)へ向けて凹状に湾曲(膨出)している。本参考例においても、リップ部33は、スプール軸9の軸線を法線とする面のうち、先端部33b1の接触点(作用点B2)を通る面を基準面L2としたときに、この基準面L2よりも後側に(リール本体1の内方に)向けて凹状に湾曲する形状とされている。そして、リップ部33の少なくとも一部の外面(凹面)33b2が、基準面L2よりもリール本体1の内方(後方)に位置しており、リール本体1の内方(後方)へ向けて湾曲状に凹んだ形状とされている。
なお、本参考例では、基準面L2上に、リップ部33の支点となる装着部31とリップ部33との連結部A4が位置している。つまり、リップ部33の少なくとも一部の外面(凹面)33b2が、作用点B2と連結部A4(支点)とを結ぶ直線(基準面L2)よりもリール本体1の内方(後方)に位置している。
また、リップ部33の肉厚t02は、装着部31の肉厚t01よりも、全体的に薄肉に形成されている。
また、リップ部33は、ピニオン8の前面8eとの間に隙間S4を有して配置されている。これにより、シール部材30C(リップ部33)の追従性が高められている。
特に、スプール軸9はリール本体1の前後方向に往復動する部材であり、かつピニオン8は、スプール軸9周りに回転する部材であるので、これら2つの異なる動作に対してリップ部33を好適に追従させてスプール軸9に弾接させることができる。
つまり、シール部材30Cは、前記隙間S4を有する分、柔軟に変形することが可能であり、リップ部33の有する弾力性を利用しつつ、連結部A4を支点として、先端部33b1がスプール軸9の周面に弾接可能である。
なお、リップ部33をピニオン8の前面8eに当接させて配置してもよい。このように配置することにより、ピニオン8に対するシール部材30Cの接触面積を大きくすることができ、シール部材30Cの取付安定化を図ることができる。
参考例によれば、組付時においてピニオン8にナット20を螺合すると、ピニオン8の前面8eとナット20の折返し部23bとの間にシール部材30Cの装着部31が位置し、ナット20にシール部材30Cが抜け止め保持される。したがって、ピニオン8からシール部材30Cが脱落するのを好適に防止することができ、シール部材30Cの良好な装着状態を得ることができる。これにより、高い防水防塵性能を発揮することができる。
ピニオン8の前側にシール部材30Cを配置するだけでよいので、シール構造が簡単であり、組付性、生産性に優れる魚釣用スピニングリールが得られる。
前記各実施形態では、リップ部33がリール本体1の内方へ向けて凹状に湾曲しているものを示したが、これに限られることはなく、リール本体1の外方へ向けて凹状(突状)に湾曲形成してもよい。
また、各実施形態において、リップ部33の先端部33b1を球状に形成することなく、先細り形状としてもよい。
また、リップ部33がリール本体1の内方へ向けて凹状に湾曲しているものにおいて、リップ部33の湾曲形状は、少なくとも一部の外面33b2が基準面L2よりもリール本体1の内方に位置していればよく、任意の形状とすることができる。
なお、リップ部33がリール本体1の外方へ向けて凹状に湾曲しているものにおいて、リップ部33の湾曲形状は、少なくとも一部の内面(外面33b2と反対側の面)が基準面L1(L2)よりもリール本体1の外方に位置していればよい。
また、前記実施形態では、「膨出」する例として、スプール軸9の軸方向に湾曲する形状のものを示したが、これに限られることはなく、スプール軸9の軸方向に屈曲する形状のもの、スプール軸9の軸方向に部分的に張り出す形状のものであってもよい。
また、前記実施形態では、リップ部33が1つ設けられたものを示したが、装着部31に複数のリップ部33が設けられていてもよい。
1 リール本体
2 ロータ
3 スプール
8 ピニオン
9 スプール軸
20 ナット
23 係合部
30,30A,30B,30C シール部材
31 装着部
31a 鍔部
33 リップ部

Claims (3)

  1. リール本体と、
    リール本体に設けられ、釣糸が巻回されるスプールを支持するスプール軸と、
    前記スプール軸が前後動可能に挿通され、ロータが固定されるピニオンと、
    前記ピニオンに螺合されることで、前記ピニオンに前記ロータを固定するナットと、
    前記ピニオンの先端部に配置され、前記スプール軸の周面に接触するリップ部が設けられたシール部材と、を備え、
    前記ナットは、前記シール部材に係合する係合部を備えており、
    前記係合部は、前記ナットが前記ピニオンに螺合されることにより前記シール部材に係合して、前記シール部材の抜け方向の移動を規制するものであり、
    前記ピニオンの先端部の外周面は、前記スプール軸の軸方向に平らであり、
    前記シール部材は前記ピニオンの先端部の前記外周面に装着される装着部を備え、前記装着部に前記係合部が係合することを特徴とする魚釣用スピニングリール。
  2. 前記リップ部は、前記リール本体の内方へ向けて凹状に膨出していることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
  3. 前記ナットの雌ねじ部の内径は、前記シール部材の最大外径よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項に記載の魚釣用スピニングリール。
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