JP7157003B2 - 魚釣用リール - Google Patents

魚釣用リール Download PDF

Info

Publication number
JP7157003B2
JP7157003B2 JP2019096488A JP2019096488A JP7157003B2 JP 7157003 B2 JP7157003 B2 JP 7157003B2 JP 2019096488 A JP2019096488 A JP 2019096488A JP 2019096488 A JP2019096488 A JP 2019096488A JP 7157003 B2 JP7157003 B2 JP 7157003B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spool
conductor
spool shaft
cylindrical member
fishing reel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019096488A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020188733A5 (ja
JP2020188733A (ja
Inventor
雄一 梅沢
秀太 狩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Globeride Inc
Original Assignee
Globeride Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Globeride Inc filed Critical Globeride Inc
Priority to JP2019096488A priority Critical patent/JP7157003B2/ja
Publication of JP2020188733A publication Critical patent/JP2020188733A/ja
Publication of JP2020188733A5 publication Critical patent/JP2020188733A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7157003B2 publication Critical patent/JP7157003B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、釣糸放出時において、スプールのフリー回転に対して制動力を付与するスプール制動装置を備えた魚釣用リールに関する。
魚釣用リールの一形態である両軸受型リールは、クラッチ機構を備えており、クラッチの切り操作(クラッチOFF)でリール本体の側板間に支持したスプールをフリー回転可能とし、キャスティング操作によって釣糸(仕掛け)を所望のポイントに放出する。このような操作では、スプールの過回転で発生する釣糸のバックラッシュ現象を防止するために、リール本体内には、スプールのフリー回転に制動を付与するスプール制動装置(バックラッシュ防止装置)が組み込まれている。
一般的に、スプール制動装置は、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されているように、スプールの回転速度に応じてスプールと一体的に回転する導電体を側板内に設置された磁場発生部に向けて軸方向に進退可能とし、導電体に作用する磁力を自動調整してスプール回転を強弱制動するように構成されている。すなわち、特許文献1及び2に開示されたスプール制動装置は、共にスプールの回転速度に応じてバネ部材でスプール側に向けて付勢された導電体を、バネ部材の付勢力に抗してリール本体の側板内に設けた磁場発生部内における侵入量(磁力)を変化させることで、スプールに対する制動力を調整する構成(磁気によって制動力を付与する構成)となっている。
前記スプールと一体的に回転可能で軸方向移動する導電体は、樹脂製の支持部材に取着されており、前記支持部材は、金属製(主にステンレス材)のスプール軸の外周に摺動可能に嵌合されている。この場合、スプール軸の外周面には、切削加工によって挽目(微小な筋状の環状の凹凸)が生じているため、支持部材の移動をスムーズにして制動力を高精度に調整できるように、スプール軸の外周表面は、研磨作業を別工程で追加して鏡面状に仕上げている。
特開平10-309158号 特開2013-158295号
ところで、魚釣用リールは、水(海水)、砂、塵埃などの異物が僅かな隙間から内部に侵入し易い非常に過酷な釣場状況で使用され、特に、水分を含んだ釣糸が巻回されて回転するスプールの軸部にこれらの異物が侵入・付着するケースが多く、導電体が摺動するスプール軸の外周がこの影響で腐食や傷の発生を誘発してしまう。このため、これが原因で導電体の摺動に支障を来してしまい、安定した制動性能が得られないという問題がある。
また、これらの問題を解決するために、新規部品と交換する場合、スプール及びスプールと一体回転するスプール軸をセットで交換する必要が生じてしまい、大変高価になると共に、その手間を含めるとメンテナンス性が劣るという問題がある。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、安定した制動性能が得られると共に、効率良くメンテナンスが行えるスプール制動装置を備えた魚釣用リールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明は、リール本体に回転可能に設けたスプールを有するスプール軸の外周に軸方向に移動可能に支持された導電体を、前記スプールの回転によって前記リール本体に設けた磁石の磁界内に進退させると共に、前記導電体を前記磁界から離れる方向の前記スプール側に向けて付勢する付勢部材を具備した磁気制動装置を有する魚釣用リールにおいて、前記スプール軸の外方に表面が平滑化された筒状部材を取着し、前記筒状部材の外周に前記導電体の基部を摺動可能に嵌合したことを特徴とする。
上記した構成の魚釣用リールは、スプール軸の外方(径方向の外方)に、表面が平滑化された筒状部材が配設されており、この筒状部材に磁気制動装置の導電体の基部を軸方向に摺動させるようにしているため、異物の影響を受けることなく、導電体の摺動が良好となり、常時安定した制動性能が得られる。また、摺動性能が低下するなど、メンテナンスによって部品を交換する場合、筒状部材のみを交換するだけで済むため、メンテナンス性の向上が図れると共に、メンテナンス費用を安価にすることができる。さらに、スプール軸の外周、或いは、スプールの筒状支持部は、鏡面仕上げする必要もないので、製造工程が簡略化され、コストを低減することが可能となる。
なお、「表面が平滑化された」とは、一般的な切削加工によって生じるような挽目が生じていない平坦な状態を意味しており、筒状部材を、例えば、合成樹脂やセラミックス等の成型品で構成することで形成することが可能である。また、筒状部材は、スプール軸に対して取着しても良いし、スプールと一体形成され、スプール軸に固着される筒状支持部に対して取着して良い。すなわち、「スプール軸の外方」には、スプール軸の外周、及び、スプール軸に固着されるスプールの筒状支持部の外周が含まれる。
本発明によれば、安定した制動性能が得られると共に、効率良くメンテナンスが行えるスプール制動装置を備えた魚釣用リールが得られる。
本発明に係る魚釣用リール(両軸受型リール)の一実施形態を示す平面図。 図1の構成において、スプール軸に装着されるスプール制動装置の一部を示す図。 図2において、筒状部材が装着される部分を拡大して示した模式図。 本発明の第2実施形態を示す図であり、スプール軸に装着されるスプール制動装置の一部を示す図。 本発明の第3実施形態を示す図であり、スプール軸に装着されるスプール制動装置の一部を示す図。
以下、図面を参照しながら本発明に係る魚釣用リールの実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る魚釣用リール(両軸受型リール)の一実施形態を示す平面図、図2は、図1の構成において、スプール軸に装着されるスプール制動装置の一部を示す図である。
本実施形態に係る両軸受型リールは、左右のフレーム2a,2bを左右カバー3a,3bで覆った左右側板1A,1Bを備えたリール本体1を有している。前記左右の側板間には、スプール軸5が軸受を介して回転可能に支持されており、スプール軸5には、釣糸が巻回されるスプール7が一体的に固定されている。このスプール軸5は、強度や耐食性を考慮して主にステンレス材等の金属材料によって形成されており、その表面については、鏡面処理がされていない状態となっている。
前記スプール7は、スプール軸5に外嵌され、軸方向に一定の長さを有する筒状支持部(スプール筒軸)7Aと、釣糸が巻回される糸巻胴部7aと、その左右両側に一体形成されるフランジ部7bと、糸巻胴部7aの中央と筒状支持部7Aとの間に一体形成される中央環状壁7cと、を備えており、釣糸は、左右のフランジ部7bに規制されて糸巻胴部7aに巻回される。
前記スプール7は、軽量金属、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金等によって形成されており、その表面には、耐食性を向上するようにアルマイト処理を施しても良い。それ以外にも、スプールは、マグネシウムやマグネシウム合金等、軽量な金属材料によって形成しても良い。このため、前記筒状支持部7Aの表面には、図3の模式図で示すように、挽目(周方向に形成される環状の凹凸条:デフォルメして示す)7eが生じた状態となっている。
前記リール本体1には、スプール7を回転駆動するハンドル8が設けられている。本実施形態では、ハンドル8を右側板1B側に設置しており、右フレーム2bと右カバー3bとの間には、ハンドル8の回転駆動力をスプール軸5に伝達する公知の動力伝達機構(図示せず)が配設されている。また、右フレーム2bと右カバー3bとの間には、スプール軸5を動力伝達状態と動力遮断状態に切り換える公知のクラッチ機構が配設されており、このクラッチ機構は、スプール7の後方側の左右側板間に配設されたクラッチ切り換え操作部材9を押し下げ操作することで、クラッチON状態(動力伝達状態)からOFF状態(動力遮断状態;スプールフリー回転状態)に切り換えるよう構成されている。なお、クラッチOFF状態からクラッチON状態への復帰は公知の復帰機構を介してハンドル8を回転操作することで行うことが可能となっている。
前記左右の側板1A,1B間には、スプール7の釣糸繰出し方向側に、公知のレベルワインド装置10が配設されている。このレベルワインド装置10は、ハンドル8を回転操作することで、釣糸を挿通する釣糸案内体11が左右に移動するよう構成されており、釣糸の巻き取り操作に伴ってスプール7の糸巻胴部7aに釣糸を均等に巻回する。
また、反ハンドル側の側板(左側板側)には、釣糸放時に、スプール7に制動力を付与して過回転を防止するスプール制動装置(磁気制動装置)20が配設されている。
以下、本実施形態におけるスプール制動装置20の構成について説明する。
スプール制動装置20は、スプールフリー回転状態でスプール7が過回転した際、磁気作用によって制動力を付与する構成であり、スプール7の回転速度に応じて、その制動力を変化させることが可能となっている。具体的には、本実施形態のスプール制動装置20は、左側板内に配設される磁石21と、磁石21で発生する磁界内に進退される導電体(インダクトロータとも称する)22を具備する磁場発生部20aを備えている。
前記磁石21は、環状に形成されて径方向内側に配設される内側磁石21aと、環状に形成され、内側磁石21aに対して隙間Gを介して径方向外側に配設される外側磁石21bとを備えており、前記隙間G内で磁界が発生するように構成されている。また、前記導電体22は、略円筒状に構成されており、前記内側磁石21aと外側磁石21bとの間の隙間Gに対して、環部(外側環部)22aが進退するように構成されている。なお、前記磁石21a,21bは、そのものがリング形状に構成されたものであっても良いし、多数の磁石を周方向に沿って連続的に配設(リング状に配設)して構成されたものであっても良く、径方向にN極とS極が着磁された構成となっている。
前記導電体22の環部22aは、後述するカム作用によって、スプール7の回転速度が高まるに連れて、隙間Gに対して軸方向に進入するようになっており、スプールが高速回転すると磁場発生部20aによって制動力が付与され、スプールの過回転(釣糸のバックラッシュ)が防止される。
なお、図2では、導電体22の軸方向の移動状態が分かりやすいように、スプール軸5の軸心Xに対して上半分は、導電体22がカム作用によって軸方向外方にシフトして環部22aが隙間G内に入り込んだ状態を示しており、スプール軸5の軸心Xに対して下半分は、導電体22が後述する付勢部材の付勢力によって軸方向内方にシフトして環部22aが隙間Gから外れた状態を示している。
前記導電体22の径方向内側には、スプール側に向けて突出する円筒状の環状突起22bが形成されている。この場合、環状突起22bは、スプール軸5を挿通させるように筒状に構成された筒状保持部(以下、導電体の基部とも称する)23の外周面に一体的に取着されており、この導電体の基部23は、スプール軸に沿って軸方向に移動可能となっている。すなわち、導電体22の環部22aは、スプールの回転速度に応じて導電体の基部23と共に軸方向に変位可能(隙間Gに対して接近/離反可能)となっており、隙間G内への侵入量が多いと磁場発生部での磁力が高まって導電体22に作用する制動力が強くなり、離反することで、その制動力は弱まるようになっている。
なお、導電体の基部23は、後述する筒状部材に対する摺動性等を考慮して、例えば、POM(ポリアセタール)、PPS(ポリフェニレンスルフイド)、PA(ポリアミド)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PC(ポリカーボネート)等の合成樹脂によって一体形成されたものを用いることが好ましい。
前記導電体の基部23の左フレーム2a側には、凹所が形成されており、この凹所の底面に付勢部材(付勢バネ)25の一端が当て付いている。そして、付勢部材25の他端は、スプール7の筒状支持部7Aに固定されたリテーナ26に当て付けられており、これにより、導電体の基部23(導電体22)は、付勢部材25によって、前記磁界から離れる方向(軸方向スプール側;後述する固定部材30側)に向けて常時付勢された状態となっている。
前記スプール7の中央環状壁7cには、固定部材30がスプール7と一体回転可能となるように固定されている。この固定部材30は、前記導電体の基部23に対して、軸方向で係合(面接)するように構成されており、導電体の基部23と固定部材30との係合部分には、軸方向の対向面で互いに面接するカム部40が形成されている。なお、このカム部40は、一般的に公知であるため、詳細については省略するが、対向面にそれぞれ螺旋状のカム面を備えており、これらのカム面は、スプール7の回転速度(スプール7と一体回転する固定部材30の回転速度)に応じて、導電体の基部23をスプール軸に沿って移動させるような形状となっている。このため、キャスティング時のスプール7の回転速度に応じて、導電体の基部23(導電体22の外側環部22a)は、磁石21に対する相対位置が変更可能に移動する。
具体的には、クラッチ機構をOFFにしてスプール7が釣糸放出方向に回転した際、固定部材30の回転速度がスプール7と共に速くなるに連れ、カム面に作用する軸方向分力が大きくなり、その軸方向分力が、磁場発生部の磁力が僅かに作用している導電体22の外環環部22aの基部をスプール7側に向けて付勢する付勢部材25の付勢力よりも大きくなると、導電体の基部23は左フレーム2a側に移動し、上記した環部22aは、軸方向に移動して磁石21の隙間Gの奥側に入り込みスプール7の回転に制動力が作用するようになる。また、固定部材30の回転速度がスプール7と共に低下すると、付勢部材25の付勢力によって、導電体の基部23は右フレーム2b側に移動し、上記した環部22aは、軸方向に移動して隙間Gから軸方向に離反し制動力が弱まるようになる。
すなわち、上記したスプール制動装置によれば、スプール7の回転速度が速くなると制動力が高まり、スプールの回転速度が低下すると制動力が弱くなるように機能する。
この場合、導電体の基部23及び固定部材30に形成される各カム面の傾斜角度、付勢部材25の付勢力などを適宜変形することで、導電体の基部23の移動量を調整して制動特性を変えることが可能である。また、内側磁石21aと外側磁石21bの対向位置を変更することで、スプール回転時に作用する制動力を調整することも可能である。
前記スプール軸5の外方(本実施形態では、スプール軸5に一体回転可能に固着されたスプール7の筒状支持部7Aの外周)には、表面が平滑化されている筒状部材(カラー)50が取着されている。この筒状部材50は、導電体の基部23とスプール7の筒状支持部7Aの外周との間に介在するように配設され、前記導電体の基部23の内周面は、筒状部材50の外周面に対して軸方向に摺動可能に嵌合されている。
前記筒状部材50の内周面は、筒状支持部7Aの外周面に固着されていても良いが、筒状支持部7Aの外周面に対して圧入されて筒状支持部7Aと一体回転可能で、かつ、導電体22と共に筒状支持部7Aから取り外し可能に取着される程度に緩く圧入していることが好ましい。
スプール軸5の外方(筒状支持部7Aの外周)に取着される筒状部材50は、一体回転する構成であれば良く、圧入固定、取り外し可能な圧入、回り止め嵌合等、適宜な方法で取着される。
また、筒状部材50は、合成樹脂、或いは、合成樹脂以外にも、セラミックス等の成型品で構成しても良い。
このように、導電体の基部23が軸方向に摺動する筒状部材50を成型品として構成することで、その外表面は、研磨仕上げを施さなくても平坦状に形成されており、挽目がない状態となっている。
上記したスプール制動装置20を組み込んだ魚釣用リールによれば、スプール軸5の外周が、筒状部材50を取着したことで表面が平滑化された状態となっており、この筒状部材50の外周面に導電体22の基部23の内周面を軸方向に摺動させるようにしているため、水(海水)、塵埃等の異物の影響を受けることなく、導電体22の摺動が良好となり、常時安定した制動性能が得られるようになる。
具体的には、図3に模式的に示すように、軽量金属で形成されるスプール7の筒状支持部7Aの外表面には、環状の筋となる挽目7eが多数形成された状態となっており、この表面に対して、直接、導電体の基部23の内周面を軸方向に摺動させる構成では、挽目7e間に異物が付着し易い状態となっているため、導電体23の円滑な摺動が妨げられて安定した制動性能が得られなくなってしまう。
これに対し、本実施形態では、筒状支持部7Aの外周面に圧入される筒状部材50の内周面は、外表面が平坦な面50aとなる成型品で構成されており、この平坦な面50aで導電体の基部23を摺動させるため、安定した制動性能が得られるようになる。
この場合、筒状部材50を筒状支持部7Aに圧入すると、筒状部材の内面が挽目7eに線当たり状態となって位置決めされるため、導電体の基部23が軸方向に摺動しても筒状部材50は変位することなく、導電体の基部23を安定して摺動させることができる。
また、筒状部材50を取り外し可能に取着した構成では、導電体の基部23の摺動性能が低下するなど、メンテナンスによって部品を交換する必要性が生じた場合に、筒状部材50のみを交換するだけで済むため、メンテナンス性の向上が図れると共に、メンテナンス費用を安価にすることができる。また、スプール軸5(筒状支持部7A)の外周は、鏡面仕上げする必要もないので、製造工程が簡略化されてコストを低減することが可能になるとともに、筒状部材50が軸方向に摺動し難くなる。さらに、導電体の基部23と筒状部材50を、同種の材料にしたことで、海水などが付着しても電蝕が生じるようも防止され、共に合成樹脂にすることでコストの低減も図れる。
本発明の魚釣用リールは、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。以下、本発明の別の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、上記した実施形態と同様な構成については、同一の参照符号を付し、詳細な説明については省略する。
図4は、第2実施形態を示す図であり、上記した実施形態とは異なる構成のスプール制動装置を示す図である。
本実施形態のスプール制動装置20Aは、導電体22による制動特性が第1実施形態と異なるように構成されている。具体的には、筒状支持部7Aの外周に軸方向移動可能に嵌合される筒状部材50Aの左フレーム側にフランジ(仕切壁)50aを形成しており、フランジ50aと導電体の基部23に形成された凹所との間に第1の付勢部材(付勢バネ)25Aを保持している。また、フランジ50aとスプール7の筒状支持部7Aに固定されたリテーナ26との間に第2の付勢部材(付勢バネ)25Bを保持している。前記第1の付勢部材25Aの付勢力(バネ力)は、第2の付勢部材25Bの付勢力(バネ力)よりも大きいものが用いられており、これにより、本実施形態のスプール制動装置20Aは、異なる2つの付勢部材25A,25Bによる制動特性が得られるようにしている。
具体的には、クラッチ機構をOFFにしてスプール7が釣糸放出方向に回転した際、スプール7の回転速度が低いと、付勢力でカム部40に当接する基部23は、回転部材30と一体的に回転しながら左フレーム側に移動して第1の付勢部材25Aを介して第2の付勢部材25Bが収縮して比較的小さい制動力がスプールに作用する。この場合、導電体22の環部22aは、隙間G内に深く入り込まない。また、スプール7の回転速度が高くなると、第2の付勢部材25Bの収縮に加えて更に第1の付勢部材25Aが収縮するようになり、導電体22の環部22aが隙間G内に深く入り込んで大きい制動力がスプールに作用する。
前記筒状部材50Aと筒状支持部7A及び基部23は、夫々、相対的に摺動可能に嵌合されている。
このように、スプール7の回転速度に応じて、異なる付勢力の付勢部材25A,25Bに起因する制動力が切り替わる構成となっているため、第1の実施形態とは異なる制動特性を得ることが可能となる。なお、付勢部材25A,25Bの付勢力については変更することが可能であり、軸方向長さについても変更することが可能である(制動特性は種々変形することが可能である)。
そして、このようなスプール制動装置20Aにおいても、上記した実施形態と同様、筒状支持部7A(スプール軸5)の表面を鏡面状に仕上げる必要がなくなり、製造工程が簡略化され、コストを低減することが可能となる。また、導電体の基部23の摺動性能が低下するなど、メンテナンスによって部品を交換する場合は、筒状部材50Aのみを交換するだけで済むため、メンテナンス性の向上が図れると共に、メンテナンス費用を安価にすることができる。さらに、導電体の基部23と筒状部材50Aを、同種の材料(合成樹脂)にすることで、海水などが付着しても電蝕が生じることも防止される。
図5は、第3実施形態を示す図であり、遠心カラー方式のスプール制動装置20Bを示している。
遠心カラー方式のスプール制動装置は一般的に公知であるため、詳細な説明は省略するが、スプール制動装置20Bの環状の導電体62は、基部23Dに一体的に保持されており、半径方向移動部材60は、スプール7の内側に設けられたテーパ部材7Cのテーパ面7gに当て付けられている。また、半径方向移動部材60は、軸方向移動部材(導電体の基部23D)の周方向に一定間隔をおいて複数個設けた腕部23eに径方向に移動可能に配設されており、スプール7の回転速度が速くなるに連れて、その遠心力によって腕部23eに沿って径方向外方に移動し、前記テーパ面7gに沿って軸方向に変位するようになっている。
スプール軸5の外周には、筒状部材50Bが回り止め嵌合されて、リテーナ26で抜け止め固定されており、筒状部材50Bの外周に導電体の基部23Dが一体回転可能で軸方向移動可能に嵌合されている。
前記導電体の基部23Dは、左フレーム側に形成された凹所とリテーナ26との間に配設される付勢部材25Dによって、軸方向スプール側に向けて常時付勢された状態となっている。このため、スプール7と共にスプール軸5の回転速度が速くなると、径方向移動部材60が径方向外方に移動しつつ、導電体の基部23Dは付勢部材25Dの付勢力に抗して左フレーム側に移動し、上記した導電体62は、軸方向に移動して磁石21の隙間Gの奥側に入り込みスプール7の回転に制動力が作用するようになる。また、スプール軸5の回転速度がスプール7と共に低下すると、付勢部材25Dの付勢力によって、導電体の基部23Dは右フレーム側に移動し、導電体62は、軸方向に移動して隙間Gから軸方向に離反し制動力が弱まるようになる。
このような構成のスプール制動装置20Bにおいても、スプール軸5の外周に筒状部材50Bを取着したことで、上記した実施形態と同様の作用効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
本発明は、スプール制動装置20の構成要素である導電体の基部を、スプール軸5やスプールの筒状支持部7Aに直接、取着するのではなく、表面が平滑化された筒状部材50(50A,50B)を取着し、筒状部材の外周に摺動可能に嵌合したことに特徴があり、それ以外の構成については、特に限定されることはない。また、スプール制動装置20の磁場発生部の構成についても、上記した実施形態に限定されることはなく種々変形することが可能である。また、磁石21と導電体22,62の相対位置の変更については、制動特性やリール仕様等に応じて適宜設定することが可能である。
1 リール本体
5 スプール軸
7 スプール
7A 筒状支持部
7a 糸巻胴部
7b フランジ部
20,20A,20B スプール制動装置
20a 磁場発生部
21 磁石
22,62 導電体
50,50A,50B 筒状部材

Claims (3)

  1. リール本体に回転可能に設けたスプールを有するスプール軸の外周に軸方向に移動可能に支持された導電体を、前記スプールの回転によって前記リール本体に設けた磁石の磁界内に進退させると共に、前記導電体を前記磁界から離れる方向の前記スプール側に向けて付勢する付勢部材を具備した磁気制動装置を有する魚釣用リールにおいて、
    前記スプール軸の外方に表面が平滑化された筒状部材を取着し、前記筒状部材の外周に前記導電体の基部を摺動可能に嵌合しており、
    前記筒状部材は、前記スプール軸に固着されるスプールの筒状支持部の外周に取着されることを特徴とする魚釣用リール。
  2. 前記筒状部材は、前記スプール軸に一体回転可能で、前記導電体と共にスプール軸から取り外し可能に取着されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
  3. 前記筒状部材と前記導電体の基部は、共に合成樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚釣用リール。
JP2019096488A 2019-05-23 2019-05-23 魚釣用リール Active JP7157003B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019096488A JP7157003B2 (ja) 2019-05-23 2019-05-23 魚釣用リール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019096488A JP7157003B2 (ja) 2019-05-23 2019-05-23 魚釣用リール

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020188733A JP2020188733A (ja) 2020-11-26
JP2020188733A5 JP2020188733A5 (ja) 2021-08-05
JP7157003B2 true JP7157003B2 (ja) 2022-10-19

Family

ID=73452989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019096488A Active JP7157003B2 (ja) 2019-05-23 2019-05-23 魚釣用リール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7157003B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7558908B2 (ja) 2021-08-20 2024-10-01 グローブライド株式会社 制動力制御装置及びこれを備える魚釣用リール

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6376572B1 (ja) 2017-03-13 2018-08-22 株式会社Ixa ベイトリールおよびベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6376572B1 (ja) 2017-03-13 2018-08-22 株式会社Ixa ベイトリールおよびベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020188733A (ja) 2020-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI265002B (en) Rotation support structure for dual-bearing reel
US9101120B2 (en) Fishing reel having centrifugal brake system
US9854791B2 (en) Dual-bearing reel and reel unit for same
US9433197B2 (en) Fishing reel having centrifugal brake system
US4561605A (en) Brake for a fishing reel
US5996921A (en) Centrifugal braking apparatus for baitcasting reel
US10912290B2 (en) Magnetic damping mechanism of a fishing reel
JP7157003B2 (ja) 魚釣用リール
KR20150039091A (ko) 양 베어링 릴
JP2816710B2 (ja) 糸を巻き付けかつ繰り出すための装置
US11172662B2 (en) Double bearing reel
JP5690291B2 (ja) 両軸受型リール
JP6829020B2 (ja) 両軸受リール
JP4354848B2 (ja) 釣り用ベイトリールのスプールバックラッシュ防止装置用制動構造
JP2008245552A (ja) 魚釣用リール
US6012666A (en) Braking apparatus for a baitcasting reel
US20050178869A1 (en) Apparatus for preventing backlash of spool used in baitcasting reel
JP6063226B2 (ja) 魚釣用リール
US20240206446A1 (en) Fishing reel including variable brake displaceable in axial direction of spool and magnet displaceable perpendicularly to axial direction of spool
JP2024125541A (ja) 両軸受け型リール
JP2014200227A (ja) 両軸受リールのスプール制動装置、及び両軸受リール
US11950583B2 (en) Fishing reel
JP2008113563A (ja) 魚釣用リール
JP2005210998A (ja) 魚釣用リ−ル
TW202435752A (zh) 雙軸承型捲線器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210622

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220311

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220407

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220915

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7157003

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150