JP2005210998A - 魚釣用リ−ル - Google Patents

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Abstract

【課題】リール全体の軽量化を図りながら、安定した逆転防止機能を有する逆転防止装置を備えてなる魚釣用リ−ルを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の魚釣用リールは、リール本体1に装着される駆動軸7の一方向の回転を許容し他方向の回転を阻止する転がり式一方向クラッチ19を、リール本体1と駆動軸7との間に設けて駆動軸7の逆転防止装置を構成した魚釣用リールにおいて、リール本体1の内側に、転がり式一方向クラッチ19を回り止め固定する嵌合部3dを有する支持部3cを形成すると共に、支持部3cの外周に補強リング27を装着固定したことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、リール本体に回転自在に支持された駆動軸の釣糸繰り出し方向の逆回転を防止する逆転防止装置を備えた魚釣用リ−ルに関する。
従来周知のように、リール本体の側板間に回転自在に支持したスプールは、一方の側板側に回転自在に設けたハンドルの回転操作で巻き取り回転駆動され、スプールの釣糸繰り出し方向の逆回転、つまり、ハンドルを有するハンドル軸(駆動軸)の逆回転を防止する逆転防止装置が設けられている。
逆転防止装置は、スプール、つまり、ハンドルの逆転方向における空転量を少なくして魚信時におけるフッキング操作性の向上を図るために、例えば、特許文献1で知られるように転がり式一方向クラッチを、ハンドル軸とリール本体の側板との間に設けてハンドル軸の巻き取り方向の正回転を許容し、繰り出し方向の逆回転を防止するように構成されている。
特許第3425255号公報
上記した特許文献1に開示されている転がり式一方向クラッチによる逆転防止装置は、転がり部材(ローラ)の楔作用を利用して駆動軸の回転状態をロックして逆転止めしたり、ロックを解除してフリー回転状態に切り換える構成であるために、駆動軸(ハンドル軸)に対し、外側板に嵌着される転がり式一方向クラッチの同芯度は高精度が要求される。
特許文献1の図1〜図3には、転がり式一方向クラッチが回り止め嵌着された金属材の筒体を外側板に回り止め嵌着し、この転がり式一方向クラッチの内側に、一方の側板内に軸受で回転可能に支持された駆動軸(カラー)が嵌合されているが、転がり式一方向クラッチは、金属材で形成された筒体内に回り止め嵌合されると共に、この筒体を外側板の駆動軸上に形成された凹部内に回り止め嵌着する構成のため、僅かな寸法不良の影響で駆動軸に対して偏芯していた場合に駆動軸及び駆動軸を支持する軸受の軸芯に順応できず、駆動軸(カラー)の外周面に対して、転がり式一方向クラッチの転がり部材の片当たり現象が生じてしまい、確実で安定した楔作用が得られないと共に摩耗し易く耐久性にも劣る。又、図4、図5に、転がり式一方向クラッチと軸受の両方を金属材の筒体内に収容して外側板の支持部に回り止め装着した構成が開示されているが、外側板のハンドル側支持部が金属材の筒体による重量化によってリール本体のハンドル側の一方に重心が偏ってバランスが悪くなり、魚釣り操作性に劣ると共に部品コストが高くなってしまう問題がある。
本発明は、上記問題に基づいて成されたものであり、リール全体の軽量化を図りながら、安定した逆転防止機能を有する逆転防止装置を備えてなる魚釣用リ−ルを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係わる魚釣用リールは、リール本体に装着される駆動軸の一方向の回転を許容し他方向の回転を阻止する転がり式一方向クラッチを、前記リール本体と駆動軸との間に設けて該駆動軸の逆転防止装置を構成した魚釣用リールにおいて、前記リール本体の内側に、前記転がり式一方向クラッチを回り止め固定する嵌合部を有する支持部を形成すると共に、該支持部の外周に補強リングを装着固定したことを特徴とする。
本発明によれば、リール本体に回転自在に支持された駆動軸の逆転防止を図る転がり式一方向クラッチを、リール本体内側の支持部内に回り止め固定すると共に、この支持部の外周に補強リングを装着固定して補強する構成を採用したので、転がり式一方向クラッチを回り止め固定する嵌合部と駆動軸の軸受部とを同時に成形又は加工にて形成できるので、同芯度が高精度に得られ、簡素な構成で転がり式一方向クラッチの支持部の強度が得られると共に安定した確実な逆転防止機能が得られる。
又、リール本体を合成樹脂材で成形する場合は、樹脂材の支持部で転がり式一方向クラッチの回り止め嵌合部が形成されるので、駆動軸に対する微妙な調芯作用が可能となり、より確実で安定した楔作用による逆転防止装置がリール本体の軽量化を図りながら可能となる。
以下、本発明に係わる魚釣用リールの実施形態について、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図4は、本発明に係わる魚釣用リールの第1の実施形態を示す図であり、図1は平面図、図2は主要部の一部切欠断面図、図3は主要部の拡大断面図、図4は図3のA−A線に沿う断面図である。
本実施形態の魚釣用リールのリール本体1は、左右フレーム2a、2bと、各フレームに対して所定の空間をもって装着される左右側板3a、3bとを備えており、一方の右フレーム2b及び一方の右側板3bには、ハンドル5を装着したハンドル軸7(駆動軸)が回転可能に支持されている。左右側板3a、3bは図示しないネジで左右フレーム2a、2bに着脱可能に取り付け固定されている。
左フレーム2aの図示しない軸受及び右フレーム2b側に設けた複数の軸受4a、4b、4c等で支持されているスプール軸5を介してスプール6が回転可能に支持されている。
スプール6の前方(釣糸繰り出し側)の左右フレーム2a、2b間に形成された図示しない公知の収容部には、スプール駆動用モータMが収容保持されている。スプール駆動用モータMの動力は、遊星歯車から成る減速機構8、歯車又はベルト等から構成される動力伝達部9を介してスプール軸5に伝達される。
スプール軸5の右フレーム2b側には、太陽歯車10が回り止め固定され、この太陽歯車10には、スプール6の側部に固定されたカバー体14の基部内周に設けた軸受4bで支持される支持体11に回転可能に軸支されている遊星歯車12が噛合し、この遊星歯車12はスプール6の側部内側に一体的に形成された内歯歯車13に噛合している。スプール6の側部には環状のカバー体14が固定され、このカバー体14の基部外周は右フレーム2bの前記軸受4cに回転可能に支持されて、スプール6を左右フレーム2a、2b間に回転可能に支持する。
前記支持体11の右側板3b側の端部には、回り止め係合部11aが形成され、右フレーム2bに設けた軸受4dと右側板3bに設けた軸受4eに回転自在で且つ軸方向移動可能に支持されたピニオン15のスプール6側の端部に形成したクラッチ係合部15aが、図3の釣糸巻き取り状態(クラッチON)からスプール6の後方側の左右フレーム2a、2b間に上下方向に変位可能に設けた切換部材16を下方へ移動操作することで、公知の作動部材を介して前記支持体11の回り止め係合部11aからピニオン15のクラッチ係合部15aが分離されて係合状態が解除され、スプール6が釣糸放出状態(クラッチOFFのスプールフリー可能状態)に切換わる。
又、このスプール6の釣糸放出状態から前記ハンドル5を巻き取り方向に回転操作すると、
図示しない公知の復帰機構を介して前記ピニオン15がスプール6側に移動して前記支持体11の回り止め係合部11aに再係合し、スプール6が釣糸巻き取り状態に復帰する。
右フレーム2bに設けた軸受4fと右側板3bに設けた軸受22で回転自在に支持された前記ハンドル軸7に回転可能状態でドラグ機構Dによって摩擦結合される駆動歯車17は、前記ピニオン15に噛合し、ハンドル5を回転することでハンドル軸7、ドラグ機構D、駆動歯車17、ピニオン15、支持体11、遊星歯車12、内歯歯車13等を介して手動回転力がスプール6に伝達され、釣糸がスプール6に巻回される。尚、ハンドル5による回転力がスプール6に伝達されるように、スプール駆動モータMの右フレーム2b側のモータ駆動軸側には一方向クラッチ18が設けられている。
図3中の19は、ハンドル軸7(駆動軸)と右側板3bとの間に設けられた後述する転がり式一方向クラッチで、転がり式一方向クラッチ19の楔作用により、ハンドル軸7の巻き取り方向の正回転を許容し、逆回転を防止する逆転防止装置を構成している。又、20は、前記駆動歯車17の摩擦結合力(ドラグ力)を調節する前記ハンドル軸7に進退可能に螺合されている制動力調節体(ドラグ力調節部材)である。
この制動力調節体20を回動操作することで、板バネ21、軸受22(ハンドル軸7を右側板3bに支持する軸受)、一方向クラッチ19の内輪23(ハンドル軸7に軸方向移動可能に回り止め嵌合されている)を介して複数の制動板24を押圧して、前記ハンドル軸7に対する前記駆動歯車17の摩擦結合力、つまり、動力伝達されるスプール6に付与される制動力が調節される。
制動力調節体20の基部側には筒状の環状部20aが右側板3bに向けて一体形成され、この環状部20aは、前記右側板3bの外側に向けて突設形成されたハンドル側支持部25の外周部に取り付け固定された筒体26の径方向内側に間隙を有した状態で軸方向に重合可能に配置されている。又、右側板3bのハンドル側支持部25の前記ハンドル軸7を支持する軸受22を嵌合支持する嵌合部25aの外周には、金属製の補強リング28が嵌着固定されて、合成樹脂材で成形された右側板3bの嵌合部25aを強度的に補強している。
前記筒体26は、各種の金属材(アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅合金等)に表面処理(陽極酸化処理、メッキ処理、イオンプレーティングや蒸着等のドライコーティング処理等)したもの、或いは、各種の合成樹脂材に表面処理したもの等で形成され、前記右側板3bに突設された円筒状のハンドル側支持部25の外周部に、接着や圧入又は成形等によって一体的に取り付け固定したり、又は、螺合手段で着脱可能に取り付け固定されている。
筒体26を着脱可能とすることで、損傷した場合の交換が容易で経済的であると共に外観変更の自由度が向上する。尚、リール本体の左右フレーム2a、2bは強度を有するアルミニウム合金等の金属材で形成され、又、左右側板3a、3bは、合成樹脂材で成形されてリール本体全体の軽量化が図られている。
次に本発明に係わる魚釣用リールの逆転防止装置について説明する。
前述の転がり式一方向クラッチ19は公知のように、複数個の転がり部材(ローラ)19aを周方向に収容保持する保持器19bを、内周に図示しない楔領域を有し外周が非円形状に形成された外輪19c内に嵌着して構成され、この外輪19cは、右側板3bの内側に形成された支持部3cの回り止め嵌合部3dに圧入状態で嵌着されて回り止め固定されている。支持部3cの径方向外方には環状溝3eが形成され、この環状溝3eに金属材(ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金等)で形成された補強リング27が嵌着固定(圧入、接着、インサート成形等で固定)されて、転がり式一方向クラッチ19が嵌着される支持部3cが強度的に補強されている。
右側板3bに形成される転がり式一方向クラッチ19の支持部3cの回り止め嵌合部3dとハンドル軸7(駆動軸)を支持する軸受21を嵌合する嵌合部25aを、同時に成形又は加工にて形成されるので、高精度の同芯度が得られ、ハンドル軸7(内輪23)に対して転がり式一方向クラッチ19の確実な楔作用によるロック状態のオン、オフ切換機能が得られ、安定した耐久性のある逆転防止装置が得られる。
右側板3bを合成樹脂材で成形する場合、樹脂材の支持部で転がり式一方向クラッチの回り止め嵌合部が形成されるので、駆動軸に対する微妙な調芯作用が可能となり、より確実で安定した楔作用による逆転防止装置がリール本体の軽量化を図りながら可能となる。
図5は、本発明に係わる魚釣用リールの第2の実施形態を示す主要部の拡大断面図である。前記第1の実施形態では、右側板3bの支持部3cの径方向外方に形成した環状溝3eに補強リング27を嵌着固定したが、本実施形態では、環状溝3eを廃止して支持部3cの外周に補強リング27を嵌着固定したものであり、前述の第1の実施形態と同様の作用効果が得られるものである。尚、補強リング27の形状は、一側に鍔部を有する形状でも良く、形状又は材料は適宜設定されるものである。又、右側板3bのハンドル側支持部25に取り付け固定される筒体26と補強リング28とをそれぞれ別体で形成したが、本実施形態では筒体26に連結壁部26aを形成して補強リング28とを一体形成し、ハンドル側支持部25に取り付け固定したものであり、このように一体形成することで、補強効果が向上すると共に製造段階の組み付け及び取り扱いが便利となる。
前記説明では、スプールをスプール駆動モータで巻き取り駆動する手動併用電動リールで述べたが、手動ハンドル巻き取り専用の両軸受タイプの魚釣用リ−ルや片軸受タイプ、スピニングタイプ等、各種の魚釣用リールのリール本体に支持される駆動軸の逆転防止装置として実施してもよい。
本発明に係わる魚釣用リールの第1の実施形態を示す平面図である。 主要部の一部切欠断面図である。 主要部の拡大断面図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。 本発明に係わる魚釣用リールの第2の実施形態を示す主要部の拡大断面図である。
符号の説明
1 リ−ル本体
7 駆動軸(ハンドル軸)
19 転がり式一方向クラッチ
3d 嵌合部
3c 支持部
27 補強リング

Claims (1)

  1. リール本体に装着される駆動軸の一方向の回転を許容し他方向の回転を阻止する転がり式一方向クラッチを、前記リール本体と駆動軸との間に設けて該駆動軸の逆転防止装置を構成した魚釣用リールにおいて、前記リール本体の内側に、前記転がり式一方向クラッチを回り止め固定する嵌合部を有する支持部を形成すると共に、該支持部の外周に補強リングを装着固定したことを特徴とする魚釣用リ−ル。
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