JP4827242B2 - 魚釣用スピニングリール - Google Patents
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釣糸の巻き取りは、リール本体に回転自在に取り付けた釣糸巻き取り用ハンドルを回してロータを回転させ、回転するロータの釣糸案内部を介して釣糸をスプールの糸巻胴部に巻回させ、同時にスプール軸に対してドラグ機構を介して一体に取り付けたスプールを前後動させ、これによって、釣糸をスプールの前側から後側に、或いはその逆に順次巻き付けることで行う。
ところで、魚釣り時に釣糸をスプールの糸巻胴部の周りに巻回すると、釣糸は張力を有するから、スプールの糸巻胴部から前側及び後側フランジ部にかけて大きな釣糸巻着圧力が作用し、従って、釣糸巻着量に応じてフランジ部の軸方向に大きな圧力が掛かり、とくにリール本体に対して前側のフランジ部はその形状により前方側に特に変形し易いという問題がある。
そのため、この問題を回避するためにはスプールの補強が必要である。
また、スプールの材質や形状に応じて、補強体を自由に選択することができるようにすることである。
請求項2の発明は、リール本体のスプール軸に取り付けられて、外周に釣糸が巻回される糸巻胴部と、該糸巻胴部の前部及び後部に形成される前側及び後側フランジ部と、前記後側フランジ部に続くスカート部を備えたスプールを有する魚釣用スピニングリールであって、前記スプールの内側に嵌合する筒部と、該筒部の前側フランジ部に当接するフランジ部と、前記筒部の略中間位置からスプール軸に向かって延びたスプール軸支部と、前記スプール軸支部の中央に形成され内周面に軸受嵌合部を備えたスプール軸用貫通孔を有する第1の補強体と、前記スプールの後側フランジ部に当接し、外周面に沿って等間隔にスプールの前記スカート部の回り止め手段を設けたフランジ部を備え、かつ前記第1の補強体に固定される第2の補強体を備え、前記スプールの前側フランジ部は前記第1の補強体の前記フランジ部を係止するための凹溝が設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された魚釣用スピニングリールにおいて、前記スプール軸支部は、スプール軸に嵌合しかつ前記スプール軸と一体に取り付けられた筒状のスプールメタル上に軸受を介して嵌合配置されていることを特徴とする。
また、スプールに対して第1及び第2補強体を任意に選択できるため、スプールの材質(樹脂、金属等)や形状(浅溝、深溝等)に応じて、最適な材質及び形状の補強体を選択でき、設計の自由度が広がる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る魚釣用スピニングリールの一部を断面で示した側面図である。
図中、6はスプールであって、スプール軸7にドラグ装置9を介して遊嵌されている。スプール軸7は、リール本体1内に内蔵された摺動子やトラバースカムからなるトラバース装置(図示せず)により、前記ハンドル3の回転に連動して前後方向に進退自在にトラバース運動する。
このスプール軸7の前端部には、図2に示すようにドラグ調整ノブ35内に軸方向移動可能に回り止め嵌合したナット36に螺合する螺合部7aが形成されている。このナット36は、ドラグ調整ノブ35に装着固定されるカップ状の保持体35a内に設けた螺旋バネ37のバネ力によってドラグ調整ノブ35側に圧接されている。スプール軸7の前部には、ピン44によってスプールメタル40が一体的に連結されており、このスプールメタル44の外周にカップ状で内周に凹凸部が形成されたバネ受91(発音体)が回り止め嵌合されており、保持体35aに係止された環状バネ38の端部がバネ91の凹凸部に係合して、ドラグ調整ノブ35を回転させると節度感のあるクリック音を発生するように構成されている。
従って、ドラグ調整ノブ35を左右いずれかに回すことでナット36をスプール軸7に対して進退させ、それによって螺旋バネ37のバネ力を調節し、ドラグ制動部材90のドラグ力を調節する。
なお、図2中、39はキャップであり、その円筒部分は後述する第2補強体30の内周面に例えば接着剤で止着されている。
図3はスプール部分を各要素に分解して示した分解断面図、図4は図3に示す各要素を組み立てた状態を示すスプール部分の断面図である。
図3において、スプール6は、円筒状の糸巻胴部10と、その前端(図中左側端)に設けた糸巻胴部10よりも大径の前側フランジ部12と、後端(図中右側端)に設け前側フランジ部12とほぼ同径の後側フランジ部14と、後側フランジ部14に続くスカート部16とから成っている。スプール6の前側フランジ部12外周端を覆うように金属などでできた硬質の保護用リング15がカシメ或いは成形により一体に設けられている。
図4に示すように、スプール6の内周側には、第1補強体20及び第2補強体30が配置され、かつ前側フランジ部12の前面には、後述する第2補強体30のフランジ部を係止するための凹溝12aが円周状に設けられている。
第1補強体20の筒部22の図4中上端部内周には、後述する第2補強体30の外周に形成されたネジ溝と螺合するネジ溝23で着脱自在な固定手段が形成されており、前記第1フランジ部21の図中上側(前側)の面(前面)21aは、第1補強体20をスプール6の糸巻胴部10の内周面内に装着したときスプール6の後側フランジ部14の裏面の支持面となる。
第2補強体30の第2フランジ部31は、スプール6の前側フランジ部12前面に設けた円周状凹溝12aに嵌合して、スプール6端面と面一の表面を形成するようその厚みが設定されている。
本実施形態では、図5に示すように、スプール6のスカート部16の前端内周面に沿って複数個、図示例では等間隔に4個の凹部18を設けると共に、第1補強体20の第1フランジ部21の外周にこれに係止可能なようにその外周面に沿って等間隔に凸部27を設け、これらを係合する。これによって第1補強体20がスプール6に回り止めされ、その状態で第2補強体30とネジ係合で一体化し、スプール6は各補強体20、30により糸巻胴部10及び糸巻胴部10と前側フランジ部12及び後側フランジ部14の境界面が補強されている。
スプール6は、第1補強体20’及び第2補強体30’により補強されるとともに、第1補強体20’と第2補強体30’は、以下のようにネジで固定される。
筒部22’は、糸巻胴部10の内周の略全長にわたる長さを有し、糸巻胴部10の内周に密着して嵌合される。また、スプール軸支部24’は、軸受42を介してスプールメタル40上に嵌合支持されている。
なお、第1補強体20’の第1フランジ部21’は、スプール6の前側フランジ部12前面に設けた円周状凹溝12aに嵌合してスプール6端面と面一の表面を形成するようその厚みが設定されている。
また、この第2の実施形態においても第1の実施形態と同様に、スプール6のスカート部16の前端内周面に沿って複数個、等間隔に例えば4個の凹部を設けると共に、第2補強体30’の前記フランジ部31’にこれに係止可能なようにその外周面に沿って等間隔に凸部を設け、これらを係合することで第2補強体30’がスプール6に回り止めされ、その状態で第1補強体20’とネジ係合し、各補強体20’、30’によりスプール6が内方及びその前側フランジ部12及び後側フランジ部14の前後面から補強される。
スプール6に樹脂材を、そして各補強体20、20’、30、30’に金属材(アルミニウム合金や、マグネシウム合金等)を使用することにより、強度の維持を周りながら、軽量化が可能となる。
このように、内側に例えば、耐食性の低いマグネシウム合金を使用しても、直接水に触れにくくなり、耐食性を向上できる。
Claims (3)
- リール本体のスプール軸に取り付けられて、外周に釣糸が巻回される糸巻胴部と、該糸巻胴部の前部及び後部に形成される前側及び後側フランジ部を備えたスプールを有する魚釣用スピニングリールであって、
前記スプールの内側に嵌合する筒部と、前記スプールの後側フランジ部に当接するフランジ部と、前記筒部の略中間位置からスプール軸に向かって延びたスプール軸支部と、前記スプール軸支部の中央に形成され内周面に軸受嵌合部を備えたスプール軸用貫通孔を有する第1の補強体と、
前記スプールの前側フランジ部に当接するフランジ部と、前記第1の補強体の前端内周に設けたネジ溝と螺合するネジ溝を外周に備えた取付筒部とからなる第2の補強体を備え、
前記スプールの前側フランジ部は前記第2の補強体の前記フランジ部を係止するための凹溝が設けられていることを特徴とする魚釣用スピニングリール。 - リール本体のスプール軸に取り付けられて、外周に釣糸が巻回される糸巻胴部と、該糸巻胴部の前部及び後部に形成される前側及び後側フランジ部と、前記後側フランジ部に続くスカート部を備えたスプールを有する魚釣用スピニングリールであって、
前記スプールの内側に嵌合する筒部と、該筒部の前側フランジ部に当接するフランジ部と、前記筒部の略中間位置からスプール軸に向かって延びたスプール軸支部と、前記スプール軸支部の中央に形成され内周面に軸受嵌合部を備えたスプール軸用貫通孔を有する第1の補強体と、
前記スプールの後側フランジ部に当接し、外周面に沿って等間隔にスプールの前記スカート部の回り止め手段を設けたフランジ部を備え、かつ前記第1の補強体に固定される第2の補強体を備え、
前記スプールの前側フランジ部は前記第1の補強体の前記フランジ部を係止するための凹溝が設けられていることを特徴とする魚釣用スピニングリール。 - 請求項1又は2に記載された魚釣用スピニングリールにおいて、
前記スプール軸支部は、スプール軸に嵌合しかつ前記スプール軸と一体に取り付けられた筒状のスプールメタル上に軸受を介して嵌合配置されていることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
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