JP6913336B2 - 避難用はしご装置 - Google Patents
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Description
この避難用はしご装置は、図7に示すように、避難者が足を掛けるはしご部Aと、はしご部Aから避難者が落下しないように避難者を保護する防護柵部Bとを備えたものである。
上記はしご部Aは、側面1a側を建物の外壁に固定する断面が略L字状の固定柱1と、この固定柱1に対向し、断面を略L字状にした可動柱2と、これら固定柱1及び可動柱2の間に回動可能にかけ渡された複数のはしご用桟3とで構成されている。
そして、柵用柱5を可動柱2に接近させながら上記横材4を矢印y方向に回動させて防護柵部Bを収納状態にしてから、上記可動柱2を固定柱1に接近させながらはしご用桟3を矢印y方向に回動させることによって、固定柱1と可動柱2との間にはしご用桟3が収納され、避難用はしご装置を収納状態にするものである。
このロック機構は、例えば、図9に示すようなフック部材6と掛け止め部材7とで構成されている。
上記フック部材6は、先端側に形成された斜面6aと、下方を開口した凹部6bとを備え、その基端が固定柱1側に固定されている。ただし、このフック部材6は、固定柱1に対して上下にスライド可能に保持された、図示していないスライド部材に固定されている。
この掛け止め部材7は、断面がコの字状の部材で、対向する面において互いに対向する位置に上下方向に伸びる長穴7a,7aが形成され、この長穴7a,7aに棒部材8がかけ渡されている。この棒部材8は、上記長穴7a内をスムーズに移動可能な寸法であり、コイルばね9によって上方へ引き上げられている。
そして、上記ハンドルHは、固定柱1の正面1bに複数取り付けられている。このハンドルHは、非常時に、建物内の避難者が、例えば窓Wから手で操作するものである。このハンドルHを矢印x方向に回すと、上記ロック機構が解除され、はしご用桟3が矢印x方向に回動してはしご装置を展開させることができるというものである。
しかし、上記窓Wの位置は建物によって異なる。そのため、従来の避難はしご装置では、はしご装置を設置する建物が決まったとき、その建物の窓やベランダなどの位置に基づいて、避難者が操作しやすい位置を決定し、その位置にハンドルHの回転軸を挿入する軸孔を形成して、そこに回転軸を挿入してハンドルHを取り付けりようにしていた。
しかし、現場の窓Wなどの位置とハンドルHの位置とが対応しない場合があった。このように両者の位置が対応していないときには、ハンドルHの位置を変更しなければならない。
しかし、ハンドルHの位置を変更しようとすると、その回転軸を挿入するための軸孔を、固定柱1に新たに形成しなければならない。
しかし、はしご装置の設置現場に孔開け工具があるとは限らないし、不用意に軸孔を形成した場合には、孔あけ工具で、ロック機構や解除機構を損傷してしまう可能性もあった。
そのために、工期が延びたり、工場と現場の行き来のための輸送コストや、工場での人件費等がかかったりするという問題があった。
この発明の目的は、解除機構に連結させたハンドルと建物の窓などの避難路との位置が対応していなかったとしても、現場で簡単にハンドルの位置を修正できる避難用はしご装置を提供することである。
なお、上記軸孔を形成する間隔は、避難者が脱出可能な窓などの開口高さよりも短くし、窓の開口などに対応する範囲に必ず1以上の軸孔が位置するようにしている。
また、上記解除機構は、上記スライド部材に取り付けられたラック部材と、上記ハンドルの回転軸の回転に伴って回転し、上記ラック部材とかみ合うピニオンとからなり、上記回転軸の回転によって上記スライド部材を上記押圧あるいは牽引方向と反対方向に移動させて上記フック部材が掛け止め部材から外れ、上記ロック機構が解除される構成である。
そして、上記スライド部材とラック部材との一対の対向面のいずれか一方には凸部が設けられるとともに、いずれか他方には上記凸部が嵌る凹部が設けられ、上記スライド部材側の上記凸部あるいは凹部は、上記固定柱に形成された軸孔に対応する位置に設けられていることを特徴とする。
そのため、ハンドルの付け替えのために、はしご装置を工場へ持ち帰らなくてもよく、時間とコストを大幅に節約できる。
また、ハンドルの回転軸を、軸孔と軸受部材との二か所で安定的に支持できる。
さらに、ハンドルの回転軸の先端側を支持する軸受部材を、はしご用桟を支持する支持軸を利用して支持部材に固定することができる。したがって、軸受部材を固定するための別部品が不要になり、部品点数を少なくできる。特に、現場でハンドルを付け替える際に、軸受部材を取り付けるための部品を改めて用意する必要なく、現場での作業性を向上させる。
また、この発明では、予め形成される軸孔の間隔をはしご用桟の間隔と一致させることになる。人が安全に避難できるはしご用桟の間隔は、避難者が脱出可能な窓などの開口高さよりも小さくなるため、上記開口高さに対応する範囲内に、上記軸孔が必ず、1又は複数位置することになる。したがって、適切な位置を選択してそこにハンドルを取り付けることができる。
また、各軸孔に対応した位置にラック部材を取り付けることができるので、ラック部材の軸方向長さを、ピニオンとかみ合う部分に対応した必要長さにすることができる。つまり、軸方向長さの短いラック部材を、ハンドルの数だけ取り付けることができる。例えば、全ての軸孔に対応する1本のラック部材を用いたり、全ての軸孔分のラック部材を取り付けておいたりした場合には、ラック部材の重量が大きくなり、スライド部材を移動させるために大きな力が必要になったり、はしご装置の総重量が大きくなって搬送性が悪くなったりするが、この発明ではそのような問題は発生しない。
この実施形態の避難用はしご装置は、図1に示すように、互いに直交する方向に展開するはしご部Aと防護柵部Bとを備え、これらはしご部Aと防護柵部Bとは、通常時には折り畳んで、このはしご装置を収納状態にすることができるものである。
上記はしご部Aは、側面11a側を建物の外壁に固定する固定柱11と、この固定柱11との間に複数のはしご用桟13が回動可能にかけ渡される上記可動柱12とで構成され、防護柵部Bは、上記可動柱12と、この可動柱12との間に複数の横材14がかけ渡された柵用柱15とで構成されている。
なお、図2はこの実施形態の避難用はしご装置の収納状態の断面図であるが、このとき、固定柱11と可動柱12とは密着している。また、図2において紙面の手前側を上方、裏面側を下方とする。
また、可動柱12は、収納状態で固定柱11の上記側面11aと対向する側面12aと、上記正面11bと対向する背面12bとで略L字を形成している。
上記固定柱11は、その側面11aの外側に連結部11cが形成され、この連結部11cに固定金具16を連結し、この固定金具16によってこの避難用はしご装置を建物の外壁に固定するようにしている(図2参照)。
したがって、この支持軸18によって、後で説明する軸受板23(図2,3,5参照)を上記軸受部11eに固定することができる。
そして、図2の収納状態では、可動柱12側の支持軸19が固定柱11側の支持軸18よりも上方に位置するようにはしご用桟13が折り畳まれている。つまり、はしご部Aの収納状態では、可動柱12が固定柱11に対して持ち上がって宙に浮いている。
また、上記柵用柱15はチャンネル状の長尺部材で、一対の側面15a,15aが、上記軸受部12d,12dと対向する位置で軸受部として機能し、この側面15a,15a間には、上記横材14の他端側が挿入され、それを回動可能に支持する支持軸21がかけ渡されている。
そして、図2の収納状態では、柵用柱15側の支持軸21の方が可動柱12側の支持軸20よりも上方に位置した状態で、上記横材14が折り畳まれている。つまり、柵用柱15が、上記可動柱12に対して上方に持ち上がって宙に浮いた状態になる。
この実施形態では、図4に示すように、固定柱11の正面11bに、予め、間隔L2を保って複数の軸孔11gが形成されている。
また、この間隔L2を上記はしご用桟13と同等にするとともに、各軸孔11gをはしご用桟13の位置に対応させている。
上記軸受部材24は図2に示すように、上記正面11bの外側に取り付けるハンドルHの回転軸22を回転可能に支持する筒状の軸受部24aと、取付け板部24bとからなる。この取付け板部24bが、上記止め孔11hを貫通するビスなどによって正面11bに固定されるようにしている。
図2,3は、特定の軸孔11gに、ハンドルHを取り付けた状態の軸孔11g付近であり、解除機構周辺の図である。
図2,3に示すように、上記回転軸22は、上記固定柱11の正面11b側からはしご用桟13が支持される軸受部11eに向かって順番に、スペーサ25,ピニオン26,オープンレバー27を貫通している。そして、上記ピニオン26及びオープンレバー27が、図示しないビスで上記回転軸22に固定され、これらが回転軸22と一体回転するようにされている。上記オープンレバー27は、避難用はしご装置の収納状態では、図3に示すように、上記ハンドルHとともに固定柱11の軸線に沿って先端を上方に向けている。
つまり、この実施形態では、軸受板23がこの発明の軸受部材であり、上記軸受部11eが、上記軸孔11gと間隔を保って対向する支持部である。
上記フック部材6は、図9に示す従来と同じで、掛け止め部材7と相まってロック機構を構成するものである。
そして、図2に示す状態では、フック部材6の凹部6bに掛け止め部材7の棒部材8が嵌り、固定柱11と可動柱12との密着状態が維持されて、このはしご装置の収納状態が維持されている。
なお、図3中の符号29は、はしご用桟13を折り畳み方向に押し付けるばね部材である。
なお、上記ラック部材28を取り付けるべき位置とは、ハンドルHの回転軸22に固定されたピニオン26にラック部28aがかみ合う位置である。
まず、ハンドルHを倒すようにして図3の矢印x方向に回すと、上記回転軸22がハンドルHと一体回転してピニオン26も矢印x方向に回転する。ピニオン26が回転すれば、これにかみ合っているラック部材28が上昇し、このラック部材28が固定されているスライド部材17も上昇する。さらに、上記スライド部材17の上昇に伴って上記フック部材6も上昇する。
フック部材6が上昇すれば、その凹部6bが掛け止め部材7の棒部材8からはずれ、ロック機構のロック状態が解除される。
オープンレバー27は、上記した回動過程で、その先端が柵用柱15に突き当たって柵用柱15を押す。この柵用柱15は、横材14を介して可動柱12と連結されているため、柵用柱15を押す力は、上固定柱11から可動柱12を離す方向の力として作用する。
このとき、上記したようにロック機構のロック状態は解除されているので、上記オープンレバー27で押された柵用柱15とともに、可動柱12が固定柱11から離れてはしご装置が展開する。
このような解除機構は、ハンドルHごとに設けられている。そして、各階に対応させて取り付けられた複数のハンドルHは、回転軸22が連係した解除機構を介してひとつの上記スライド部材17と連結されている。そのため、いずれのハンドルHを操作しても、上記と同様にロック機構のロック状態を解除することができる。
そのため、防護柵部Bを展開することもできる。
特に、収納状態において、防護柵部Bの横材14が、鉛直線に対して角度を維持するように構成しておけば、上記固定柱11の正面11bによる柵用柱15に対する押さえ力がなくなった時点で、上記柵用柱15の自重が、横材14を回動させる力として機能し、防護柵部Bを自動的に展開させることもできる。
そのため、発注があったときには、軸孔11gの中から、このはしご装置を設置する建物の窓やベランダの位置に対応する軸孔11gを選択して、そこにハンドルH及び上記ロック解除機構を取り付けることができる。
具体的には、正面11bの外側で、選択した軸孔11gに合わせて上記軸受部材24を固定するとともに、軸孔11gを貫通させた回転軸22に、上記スペーサ25,ピニオン26及びオープンレバー27を固定する。
これにより、回転軸22は、軸受部材24及び軸受板23の二か所で回動可能に支持される。回転軸22は、軸受部材24のみで支持することもできるが、この実施形態のように二か所で支持することによって、より安定的に支持でき、回転軸22ががたつくようなこともない。
なお、上記軸孔11gに回転軸22を挿入する前に、上記選択した軸孔11gに対応する上記スライド部材17の凹部に、上記ラック部材28を固定しておく必要がある。
例えば、ハンドルHなどを取り付けた避難用はしご装置を現場に運んでから、ハンドルHの位置が窓などの避難経路の位置と対応していなかった場合には、その場で、ハンドルHなどを取り外し、別の軸孔11gを選択して、ハンドルHやラック部材28を付け直すことができる。このように、ハンドルHなどを付け直す際に、孔開け作業が必要ないので、従来のように、ハンドルHの位置変更のために、はしご装置を工場へ持ち帰る必要がなく、工期が遅れたりコストがかかったりすることがない。
ただし、上記軸受板23は、予め、この発明の支持部である軸受部11eであって、上記軸孔11gに対応する位置に固定しておいてもよい。その場合には、ハンドルHが取り付けられない軸孔11gに対応する軸受板23は使用されないことになる。
ただし、上記軸受部材24のみで回転軸22を安定的に支持できれば、上記軸受板23を省略してもよい。
スライド部材17に上方へ向かう力を作用させた場合には、解除機構はラック部材28を介してスライド部材17を下方に移動させることによってロック状態を解除することになる。その場合には、図9に示すフック部材6及び掛け止め部材7を上下反対に取り付けたり、掛け止め部材7をスライド部材17側に固定するとともにフック部材6を可動柱12側に固定したりすればよい。
なお、上記実施形態の避難用はしご装置は、防護用柵部Bを備えているが、防護用柵部Bは無くてもよい。
6 (ロック機構)フック部材
7 (ロック機構)掛け止め部材
11 固定柱
11e (支持部)軸受部
11g 軸孔
12 可動柱
13 はしご用桟
17 スライド部材
18 支持軸
18a ナット
22 回転軸
23 (軸受部材)軸受板
28 ラック部材
28a ラック部
28b 凸部
28c 凸部
Claims (2)
- 建物に固定する固定柱と、
この固定柱に沿って配置された可動柱と、
これら固定柱と可動柱との間に回動自在にかけ渡された複数のはしご用桟とを備え、
上記可動柱を固定柱に接近させて、それら両者間で上記はしご用桟が折り畳まれて収納される収納状態と、その収納状態を開放する使用状態との間で上記可動柱を移動可能にする一方、
上記収納状態を維持するロック機構を、上記固定柱と可動柱のいずれか一方もしくはそれらの間に設けた避難用はしご装置において、
上記ロック機構のロック状態を解除する解除機構と、
この解除機構を動作させるとともに、この解除機構に対して着脱可能にされた回転軸と、
この回転軸を回転させるハンドルと、
上記固定柱の軸方向に沿うとともに、上記はしご用桟に対応する位置に予め形成され、上記ハンドルの回転軸を挿入するための複数の軸孔と、
上記軸孔と間隔を保って対向する位置に着脱可能で、上記ハンドルの回転軸の先端側を支持する軸孔が形成された軸受部材と
を備え、
上記軸孔のうち、建物の窓位置に対応して選択された軸孔に上記回転軸が挿入され、この回転軸が上記解除機構と連係され、
当該回転軸の先端側を支持する上記軸受部材が、対応するはしご用桟の一端を上記固定柱に対して回動可能に支持する支持軸によって上記固定柱に固定されてなる
避難用はしご装置。 - 上記固定柱には、その軸方向にスライド可能で、上下いずれかに押圧あるいは牽引された長尺のスライド部材が設けられるとともに、
上記ロック機構は、
上記スライド部材あるいは上記可動柱のいずれか一方に固定されたフック部材と、上記スライド部材あるいは上記可動柱のいずれか他方に固定され、上記収納状態において上記フック部材に掛け止められる掛け止め部材とからなり、
上記解除機構は、
上記スライド部材に取り付けられたラック部材と、上記ハンドルの回転軸の回転に伴って回転し、上記ラック部材とかみ合うピニオンとからなり、上記回転軸の回転によって上記スライド部材を上記押圧あるいは牽引方向と反対方向に移動させて上記フック部材が掛け止め部材から外れ、上記ロック機構が解除される構成であり、
上記スライド部材とラック部材との一対の対向面のいずれか一方には凸部が設けられるとともに、いずれか他方には上記凸部が嵌る凹部が設けられ、
上記スライド部材
側の上記凸部あるいは凹部は、上記固定柱に形成された軸孔に対応する位置に設けられている
請求項1に記載の避難用はしご装置。
Priority Applications (1)
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JP2016212770A JP6913336B2 (ja) | 2016-10-31 | 2016-10-31 | 避難用はしご装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016212770A JP6913336B2 (ja) | 2016-10-31 | 2016-10-31 | 避難用はしご装置 |
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JP6913336B2 true JP6913336B2 (ja) | 2021-08-04 |
Family
ID=62114041
Family Applications (1)
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JP2016212770A Active JP6913336B2 (ja) | 2016-10-31 | 2016-10-31 | 避難用はしご装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP6913336B2 (ja) |
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-
2016
- 2016-10-31 JP JP2016212770A patent/JP6913336B2/ja active Active
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JP2018071205A (ja) | 2018-05-10 |
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