JP6912939B2 - スライドレバー及びこのスライドレバーを備えた車両用シート - Google Patents

スライドレバー及びこのスライドレバーを備えた車両用シート Download PDF

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Description

本発明は、スライドレバー及びこのスライドレバーを備えた車両用シートに関する。
下記特許文献1には、車体床面において、シート幅方向の両端に車体前後方向に沿って左右一対のスライドレール部材がそれぞれ設けられ、このスライドレール部材は、車体床面に固定されたロアレールと、シートクッションに連結されたアッパーレールと、で構成され、当該アッパーレールがロアレールに対してスライド可能とされた技術が開示されている。
また、シートクッションの下方側には操作レバーが設けられており、操作レバーの未操作時には、ロアレールとアッパーレールはロックされ、シートクッションは車体前後方向へ移動しないように固定されている。この状態で、シートクッションに着座した着座乗員が操作レバーを上方へ操作すると、ロアレールとアッパーレールとの間でロック状態が解除され、着座乗員は座った状態で車体前後方向の位置を調整することが可能となる。
さらに、この先行技術では、アッパーレールにはロックホルダが設けられており、当該ロックホルダにロアレール側に配置されたロックプレートが係合されることによって、アッパーレールがロックされるようになっている。このため、このスライドレール装置では、操作レバーの未操作時には、ロックプレートを上方向へと付勢すると同時に、操作レバーを下方向へと付勢して、ロックプレートのロック状態が維持されるようになっている。
特開2014−46812号公報
しかしながら、上記先行技術では、車両の側面衝突時(以下、「車両の側突時」という)において、サイドドアから入力された側突荷重による操作レバーの変形により、当該操作レバー自体に上方側へ向かう力が作用すると、ロックプレートのロック状態が解除される可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、車両の側突時において、車両用シートの車体前後方向に沿ったスライド移動のロック状態を維持するスライドレバー及びこのスライドレバーを備えた車両用シートを得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係るスライドレバーは、車両用シートの車体下方側においてシート幅方向に沿って設けられ、車体側において前記車両用シートのシート幅方向の両側に位置し車体前後方向に沿って配設された一対のスライドレールに沿って車両前後方向に当該車両用シートをスライド可能とし又は当該車両用シートをロックするスライドレバーであって、前記スライドレバーは、棒状部材が曲げて形成されると共に、前記シート幅方向の中央部に設けられ、前記車両用シートに着座した着座乗員が把持可能な本体部と、前記シート幅方向の両側に設けられ、前記スライドレールに対してロックされ、前記本体部が車体上方側へ向かって引上げられるとロック状態が解除される一対のロック部と、前記一対のロック部から車体上方側へ向かってそれぞれ立ち上がる立上がり部と、前記立上がり部と前記本体部との間に設けられ、前記シート幅方向に沿って入力された側突荷重の一部を、前記立上がり部を車体下方側へ引き下げる引下げ力に変換させる応力変換部と、を備え、前記応力変換部は、前記立上がり部と共に側面視で三角形状を成している
請求項1に記載の発明に係るスライドレバーは、棒状部材が曲げて形成されており、車両用シートの車体下方側においてシート幅方向に沿って設けられている。また、スライドレバーのシート幅方向の中央部には、車両用シートに着座した着座乗員が把持可能な本体部が設けられている。さらに、スライドレバーのシート幅方向の両側には、一対のロック部が設けられている。このロック部は、スライドレールに対してロックされており、本体部が車体上方側へ向かって引上げられると、ロック部のロック状態は解除される。
ここで、本発明では、一対のロック部から車体上方側へ向かってそれぞれ立上がり部が立ち上がっており、当該立上がり部と本体部との間には、応力変換部が設けられている。この応力変換部によって、スライドレバーに入力された側突荷重の一部が、立上がり部を車体下方側へ引き下げる引下げ力に変換されるようになっている。
一般に、車両の側突時において、サイドドアから入力された側突荷重によりスライドレバーが変形し、これにより当該スライドレバー自体に上方側へ向かう力が作用すると、ロック部では、ロック状態が解除される可能性がある。このように、ロック部によるロック状態が解除されると、車両用シートが、車体前後方向に沿ってスライド可能な状態となってしまう。
これに対して、本発明では、前述のように、スライドレバーに応力変換部が設けられ、当該応力変換部により、側突荷重の一部を、立上がり部を車体下方側へ引き下げる引下げ力に変換させるため、車両の側突時において、ロック部におけるロック状態の解除を抑制することができる。
さらに、本発明では、応力変換部は、立上がり部と共に側面視で三角形状を成している。つまり、応力変換部は、立上がり部の上端から下方側へ向かって傾斜する傾斜部を含んで構成されることになる。この傾斜部により、立上がり部へ伝達された側突荷重の一部が、当該立上がり部の上端から傾斜部を介して下方側へ向かって伝達される。つまり、当該傾斜部により、立上がり部の上端を車体下方側へ引き下げる引下げ力が得られることとなる。
なお、本発明における「ロック部」は、スライドレールに対して直接接触した状態でロックされてもよいし、ロック部とスライドレールとの間に別部材が介在した状態で、ロック部がスライドレールに対してロックされてもよい。
請求項2に記載の発明に係るスライドレバーは、請求項1に記載の発明に係るスライドレバーにおいて、前記応力変換部は、側突時の衝突エネルギの一部を吸収する。
請求項2に記載の発明に係るスライドレバーでは、応力変換部によって、側突時の衝突エネルギの一部が吸収されるため、スライドレバー全体に作用する外力は軽減される。
請求項に記載の発明に係るスライドレバーは、請求項又は請求項に記載の発明に係るスライドレバーにおいて、前記ロック部は、前記スライドレールの長手方向に沿って形成され、前記応力変換部は、前記ロック部と平行に形成された平行部をさらに有し、前記平行部と前記立上がり部の上端とは、傾斜部によって繋がっている。
請求項に記載の発明に係るスライドレバーでは、ロック部は、スライドレールの長手方向に沿って形成されている。そして、応力変換部は、ロック部と平行に形成された平行部をさらに有しているため、平行部と立上がり部の間には、傾斜部が設けられることとなる。この傾斜部は、それぞれシート幅方向に沿った成分を有する。このため、車両の側突時に、スライドレバーに衝撃荷重が伝達されると、応力変換部は、シート幅方向に沿って圧縮(弾性変形)され、これにより、側突時の衝突エネルギの一部が吸収される。
請求項に記載の発明に係るスライドレバーは、請求項に記載のスライドレバーにおいて、前記傾斜部の下端は、前記立上がり部の下端よりも車体下方側に位置している。
請求項に記載の発明に係るスライドレバーでは、傾斜部の下端が立上がり部の下端よりも車体下方側に位置することで、例えば、傾斜部の下端が立上がり部の下端よりも車体上方側に配置された場合と比較して、傾斜部により、立上がり部を車体下方側へ引き下げる引下げ力を増大させることができる。
請求項に記載の発明に係る車両用シートは、シートクッション及びシートバッグを備えると共に、請求項1〜請求項の何れか1項に記載のスライドレバーが設けられている。
請求項に記載の発明に係る車両用シートでは、請求項1〜請求項の何れか1項に記載のスライドレバーを備えているため、側突荷重によりスライドレバーが変形した場合であっても、スライドレバーに設けられた応力変換部により、当該側突荷重の一部が、立上がり部を車体下方側へ引き下げる引下げ力に変換されるため、車両の側突時において、ロック部におけるロック状態の解除を抑制することができる。
以上説明したように、請求項1に記載のスライドレバーによれば、車両の側突時において、車両用シートの車体前後方向に沿ったスライド移動のロック状態を維持することができる。
請求項2に記載のスライドレバーによれば、スライドレバー全体に作用する外力を軽減することができる。
請求項に記載のスライドレバーによれば、側突時の衝突エネルギの一部を吸収することができる。
請求項に記載のスライドレバーによれば、傾斜部により、立上がり部を車体下方側へ引き下げる引下げ力を増大させることができる。
請求項に記載の車両用シートによれば、車両の側突時において、車両用シートの車体前後方向に沿ったスライド移動のロック状態を維持することができる。
本実施の形態に係るスライドレバーを備えた車両用シートを左前方側から見た斜視図である。 本実施の形態に係るスライドレバーを左前方側から見た斜視図である。 本実施の形態に係るスライドレバーの平面図である。 本実施の形態に係るスライドレバーの正面図である。 本実施の形態に係るスライドレバーを左側から見た側面図である。 本実施の形態に係るスライドレバーの変形前後の状態が示されており、実線が変形前の状態を示す正面図であり、二点鎖線は変形後の状態を示す正面図である。 比較例となるスライドレバーの変形前後の状態が示されており、実線が変形前の状態を示す正面図であり、二点鎖線は変形後の状態を示す正面図である。 本実施の形態に係るスライドレバーの変形例を示す左前方側から見た斜視図である。 (A)は、本実施の形態に係るスライドレバーの変形例を示す平面図、(B)は、本実施の形態に係るスライドレバーの変形例を示す正面図、(C)は、本実施の形態に係るスライドレバーの変形例を示す左側から見た側面図である。 (A)は、本実施の形態に係るスライドレバーの変形前後の状態を示す模式図であり、(B)は、本実施の形態に係るスライドレバーの変形例を示す変形前後の状態を示す模式図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るスライドレバー10について説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印OUTは、車両前方向(進行方向)、車両上方向、車両幅方向の外側をそれぞれ示している。また、本実施形態では、車両用シート12の前後方向、左右方向(幅方向)、上下方向は、車両の前後方向、左右方向(幅方向)、上下方向と一致している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
(スライドレバーの構成)
図1には、本実施形態に係るスライドレバー10を備えた車両用シート12の下部が示されている。車両用シート12は、乗員が着座するシートクッション14と、図示はしないが、乗員の背凭れとなるシートバックと、乗員の頭部を支持するヘッドレストと、を含んで構成されており、シートバックは、その下端部がシートクッション14の後端部に連結され、図示しないリクライニング機構を介して傾倒可能とされている。そして、スライドレバー10は、当該車両用シート12において、シートクッション14の前端部14Aの下方側にシート幅方向に沿って設けられている。
一方、車体の床部16には、車両用シート12のシート幅方向の両端部に位置し、前後方向に沿って延在された一対のスライドレール18、20が配設されている。当該スライドレール18、20には、例えば、車両用シート12の下端に設けられた図示しないスライダが係合可能とされており、当該スライダを介して、車両用シート12がスライドレール18、20に沿ってスライド可能とされる。
また、スライドレール18、20には、図示はしないが係止部が形成されており、当該係止部にスライドレバー10の一部を構成するロック部24、26(後述する)が係止可能(ロック状態)とされている。スライドレバー10のロック部24、26がスライドレール18、20の係止部に係止された状態(ロック部24、26のロック状態)で、車両用シート12は、スライドレール18、20に対して車体前後方向の位置が決められる。
そして、スライドレバー10のロック部24、26が、スライドレール18、20の係止部に係止された状態が解除される(ロック部24、26のロック状態が解除される)と、車両用シート12は、スライドレール18、20に対して前後方向に沿ってスライド可能となる。
ここで、スライドレバー10の構成について説明する。
図2に示されるスライドレバー10は、金属製のパイプ材を曲げて形成されたものであり、本体部22と、ロック部24、26と、立上がり部28、30と、応力変換部32、34と、を含んで構成されている。
当該スライドレバー10の本体部22は、スライドレバー10のシート幅方向の中央部に設けられている。本体部22は、図4に示されるように、正面視で下方側を開口とする逆U字状を成しており、シート幅方向に沿って水平に形成された把持部36と、当該把持部36の両端36A、36Bにおいて上下方向(高さ方向)に沿って形成された側部38、40と、で構成されている。そして、把持部36は、車両用シート12(図1参照)に着座した着座乗員が把持可能とされている。
一方、図2に示されるように、ロック部24、26は、スライドレバー10のシート幅方向の両側にそれぞれ設けられている。ロック部24、26は、前後方向に沿うように形成されており、図3に示されるように、平面視で本体部22の把持部36の後方側に位置している。
また、図4に示されるように、正面視で本体部22の側部38、40の下端38A、40の高さ方向(上下方向)の位置は、ロック部24、26の高さ方向の位置と略同じになっている。なお、本体部22の側部38、40の下端38A、40Aは、ロック部24、26の高さ方向の位置よりも低い位置となるように設定されてもよい。
また、前述のように、当該ロック部24、26がスライドレール18、20にロックされた状態で、着座乗員がスライドレバー10の把持部36を上方側へ向かって引上げることにより、ロック部24、26によるロック状態が解除されるようになっている。つまり、車両用シート12(図1参照)が、スライドレール18、20に沿ってスライド可能となる。
また、スライドレバー10の立上がり部28、30は、ロック部24、26の前端24A、26Aからそれぞれ上方へ向かって立ち上がっており、上下方向(高さ方向)に沿ってそれぞれ形成されている。つまり、図3に示されるように、平面視で立上がり部28、30の上端28A、30Aと下端(ロック部24、26の前端24A、26A)の位置が略重なるように形成されている。なお、立上がり部28、30の上端28A、30Aの位置が、下端(ロック部24、26の前端24A、26A)の位置よりもシート幅方向の内側となるように形成されてもよい。
さらに、図4に示されるように、立上がり部28、30の上端28A、30Aの高さは、把持部36よりも低い位置となっている。
一方、図2に示されるように、応力変換部32、34は、本体部22の側部38、40と立上がり部28、30の間にそれぞれ設けられている。応力変換部32、34は、本体部22の側部38、40の下端38A、40Aから後方側へ向かって延出された平行部(応力変換部)42、44を備えている。
平行部42、44は、ロック部24、26と略平行に形成されており、平行部42、44の後端42A、44Aは、図3に示されるように、平面視でロック部24、26の前端24A、26Aよりも後方側に位置している。
つまり、平行部42、44の後端42A、44Aは、立上がり部28、30の上端28A、30Aよりも後方側に位置しており、図2に示されるように、平行部42、44の後端42A、44Aと立上がり部28、30の上端28A、30Aとは、傾斜部(応力変換部)46、48によってそれぞれ繋がっている。
このため、当該傾斜部46、48は、立上がり部28、30の上端28A、30Aからシート幅方向の内側に配置された平行部42、44の後端42A、44Aへ向かうにつれて下方側かつ後方側へ向かって傾斜している。
また、図3に示されるように、平行部42、44とロック部24、26の間には、それぞれシート幅方向に沿って隙間t1、t2が設けられている(シート幅方向に沿った成分を有する)。
そして、図5に示されるように、応力変換部32、34は、側面視で立上がり部28、30と共に三角形状を成し、さらに、図4に示されるように、正面視で略N字状を成している。なお、応力変換部34は正面視で略N字状を成しているが、応力変換部32は裏面視で略N字状を成す。
(スライドレバーの作用及び効果)
図1に示されるように、本実施形態では、スライドレバー10のシート幅方向の両側に設けられたロック部24、26が、スライドレール18、20に対してロック可能とされている。そして、ロック部24、26のロック状態において、スライドレバー10の把持部36を上方側へ向かって引上げることにより、ロック部24、26のロック状態が解除され、車両用シート12がスライドレール18、20に対して前後方向に沿ってスライド可能となる。
ここで、本実施形態では、一対のロック部24、26の前端24A、26Aから上方側へ向かってそれぞれ立上がり部28、30が立ち上がっており、当該立上がり部28、30と本体部22との間には、応力変換部32、34がそれぞれ設けられている。この応力変換部32、34によって、スライドレバー10に入力された側突荷重Fの一部が、立上がり部28、30を車体下方側へ引き下げる引下げ力に変換されるようになっている。
一般に、図7に示されるように、本実施形態における応力変換部32、34(図6参照)が設けられていないスライドレバー100では、正面視で、上方へ向かって二段に突出する形状を成している。なお、図7において、実線はスライドレバー100の変形前の状態が示されており、二点鎖線は、スライドレバー100の変形後の状態が示されている。
具体的に説明すると、スライドレバー100は、シート幅方向の両端に位置する一対のロック部102の前端102Aからそれぞれ立上がる立上がり部104の上端104Aから、シート幅方向の内側へ向かって略水平に屈曲する水平部106がそれぞれ形成されている。そして、一対の水平部106の内端106Aから、下方側を開口とする逆U字状の本体部108が突出している。
このスライドレバー100の場合、サイドドア(図示省略)から入力された側突荷重Fにより当該スライドレバー100が変形すると、本体部108が上方側へ向かってさらに突出し、当該スライドレバー100では上方側へ向かう力(F1)が作用する。
これにより、特にロック部102では、ロック状態が解除される可能性がある。このように、ロック部102によるロック状態が解除されると、車両用シート12(図1参照)が、前後方向に沿ってスライド可能な状態となってしまう。
これに対して、本実施形態では、図6に示されるように、スライドレバー10に応力変換部32、34が設けられている。なお、図6において、実線はスライドレバー10の変形前の状態が示されており、二点鎖線は、スライドレバー10の変形後の状態が示されている。
前述のように、この応力変換部32、34により、側突荷重Fの一部を、立上がり部28、30を下方側へ引き下げる引下げ力(F2)に変換させることができる。これにより、本実施形態では、車両の側突時において、ロック部24、26におけるロック状態の解除を抑制することができる。このため、スライドレバー10において、ロック部24側が変形したとしても、ロック部26側のロック状態は維持される。また、当該応力変換部32、34によって、側突時の衝突エネルギの一部が吸収されるため、スライドレバー10全体に作用する外力は軽減される。
具体的に説明すると、図2、図4及び図5に示されるように、応力変換部32、34は、立上がり部28、30と共に側面視で三角形状を成し、さらに、正面視で略N字状を成している。つまり、応力変換部32、34は、立上がり部28、30の上端28A、30Aから下方側へ向かって傾斜する傾斜部46、48を含んで構成されている。
このため、例えば、立上がり部30へ伝達された側突荷重Fの一部が、当該立上がり部30の上端30Aから傾斜部48を介して下方側へ向かって伝達される。つまり、当該傾斜部48により、立上がり部30の上端30Aを下方側へ引き下げる引下げ力(F2)が得られることとなる。立上がり部28側も立上がり部30と同様である。
また、図1に示されるように、本実施形態では、スライドレバー10において、ロック部24、26は、スライドレール18、20の長手方向に沿ってそれぞれ形成されている。一方、応力変換部32、34は、ロック部24、26と平行に形成された平行部42、44をさらに有しており、平行部42、44の後端42A、44Aは、立上がり部28、30の上端28A、30Aの後方側に位置している。
そして、当該平行部42、44の後端42A、44Aと立上がり部28、30の上端28A、30Aとは、傾斜部46、48によってそれぞれ繋がっており、平行部42、44とロック部24、26の間には、それぞれシート幅方向に沿って隙間t1、t2が設けられている。ここで、スライドレバー10は金属製のパイプ材を曲げて形成されている。
このため、例えば、車両の側突時に、スライドレバー10に側突荷重Fが伝達されると、応力変換部34は、スライドレバー10のバネ性により、シート幅方向に沿って圧縮(弾性変形)され、これにより、側突時の衝突エネルギの一部が吸収される。応力変換部34側も応力変換部32と同様である。
さらに、本実施形態では、図4に示されるように、正面視で本体部22の側部38、40の下端38A、40Aの高さ方向の位置がロック部24、26の高さ方向の位置と略同じになっている。しかし、本体部22の側部38、40の下端38A、40Aは、ロック部24、26の高さ方向の位置よりも低い位置となるように設定されてもよい。
この場合、傾斜部46、48の下端(平行部42、44の後端42A、44A)は、立上がり部28、30の下端(ロック部24、26の前端24A、26A)よりも下方側に位置することとなる。
したがって、例えば、図示はしないが、傾斜部46、48の下端(平行部42、44の後端42A、44A)が立上がり部28、30の下端(ロック部24、26の前端24A、26A)よりも上方側に配置された場合と比較して、傾斜部46、48により、立上がり部28、30を下方側へ引き下げる引下げ力を増大させることができる。
また、スライドレバー10において、少なくとも立上がり部30は、高さ方向の長さ(H1)ができるだけ長くなるように設定された方がよい。スライドレバー10に側突荷重Fが入力され、スライドレバー10の変形により立上がり部30が傾倒するとき、当該立上がり部30には、ロック部26を支点するモーメントが作用することとなる。立上がり部30の高さ方向の長さ(H1)が長い分、当該モーメントは大きくなるため、その分、立上がり部30の上端30Aを下方側へ引き下げる引下げ力が大きくなる。
さらに、スライドレバー10において、少なくとも本体部22の側部40は、高さ方向の長さ(H2)ができるだけ長くなるように設定された方がよい。スライドレバー10に側突荷重Fが入力され、スライドレバー10の変形により側部40が傾倒するとき、当該側部40には、ロック部26を支点するモーメントが作用することとなる。側部40の高さ方向の長さ(H2)が長い分、当該モーメントは大きくなるため、その分、本体部22の側部38及び傾斜部46を介して立上がり部28の上端28Aを下方側へ引き下げる引下げ力が大きくなる。
(その他の実施形態)
本実施形態では、図4に示されるように、スライドレバー10のシート幅方向の両端部に応力変換部32、34が設けられていればよいため、スライドレバー10の形状はこれに限るものではない。
例えば、本実施形態では、本体部22の側部38、40は、高さ方向に沿って形成されているが、側部38と側部40とは必ずしも略平行に形成される必要はなく、図9(B)に示されるように、スライドレバー50の本体部52を構成する側部54と側部56とが、把持部58側へ向かうにつれて互いに近接する方向へ傾斜するようにしてもよい。
また、スライドレバー50に示されるように、図2に示される平行部42、44は必ずしも必要ではない。このため、スライドレバー50では、図8に示されるように、立上がり部60、62と側部54、56とが傾斜部64、66によって直接繋がれているため、図9(C)に示されるように、応力変換部68、70は、側面視で三角形状を成していない。
さらに、図3に示されるように、スライドレバー10では、平行部42、44の後端42A、44Aは、立上がり部28、30の上端28A、30Aよりも後方側に位置しているが、これに限るものではない。例えば、図9(A)に示されるスライドレバー50では、当該平行部42、44(図3参照)は形成されておらず、また、傾斜部64、66の下端64A、66Aは、ロック部72、74の前端72A、74Aと前後方向の略同じ位置となっている。
ここで、図10(A)には、本実施形態におけるスライドレバー10の変形前後の状態が模式的に示されており、スライドレバー10に側突荷重Fが入力されると、側突荷重Fの一部が、立上がり部28、30を下方側へ引き下げる引下げ力(F2)に変換される。
なお、実線はスライドレバー10の変形前の状態が示され、破線はスライドレバー10の変形後の状態が示されているが、スライドレバー10に側突荷重Fが入力されると、側突荷重Fの一部が、立上がり部28、30を下方側へ引き下げる引下げ力(F2)に変換される。
一方、図10(B)に示されるように、スライドレバー50では、側部54と側部56とを、把持部58側へ向かうにつれて互いに近接する方向へ傾斜させている。また、スライドレバー50では、図2に示される平行部42、44は形成されていない。このようなスライドレバー50であっても、傾斜部64、66が設けられている以上、スライドレバー10と略同じ効果が得られることが分かる。
つまり、立上がり部60、62の上端60A、62Aから下方側へ向かって傾斜する傾斜部64、66を含んで応力変換部68、70が構成されることにより、立上がり部60、62の上端60A、62Aを下方側へ引き下げる引下げ力(F3)が得られることとなる。
なお、立上がり部60、62の上端60A、62Aを下方側へ引き下げる引下げ力(F3)が得られる形状として、傾斜部64、66に限るものではない。つまり、傾斜部64、66は直線状に形成されているが、これに限らず、図示はしないが、円弧状に形成されてもよい。
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 スライドレバー
12 車両用シート
18 スライドレール
20 スライドレール
22 本体部
24 ロック部
26 ロック部
28 立上がり部
30 立上がり部
32 応力変換部
34 応力変換部
42 平行部(応力変換部)
44 平行部(応力変換部)
46 傾斜部(応力変換部)
48 傾斜部(応力変換部)
50 スライドレバー
52 本体部
60 立上がり部
62 立上がり部
64 傾斜部(応力変換部)
66 傾斜部(応力変換部)
68 応力変換部
70 応力変換部
72 ロック部
74 ロック部

Claims (5)

  1. 車両用シートの車体下方側においてシート幅方向に沿って設けられ、車体側において前記車両用シートのシート幅方向の両側に位置し車体前後方向に沿って配設された一対のスライドレールに沿ってスライドする前記車両用シートをロックして当該車両用シートのスライドを規制し、又は前記ロックを解除するスライドレバーであって、
    前記スライドレバーは、棒状部材が曲げて形成されると共に、
    前記シート幅方向の中央部に設けられ、前記車両用シートに着座した着座乗員が把持可能な本体部と、
    前記シート幅方向の両側に設けられ、前記スライドレールに対してロックされ、前記本体部が車体上方側へ向かって引上げられるとロック状態が解除される一対のロック部と、
    前記一対のロック部から車体上方側へ向かってそれぞれ立ち上がる立上がり部と、
    前記立上がり部と前記本体部との間に設けられ、前記シート幅方向に沿って入力された側突荷重の一部を、前記立上がり部を車体下方側へ引き下げる引下げ力に変換させる応力変換部と、
    備え、
    前記応力変換部は、前記立上がり部と共に側面視で三角形状を成しているスライドレバー。
  2. 前記応力変換部は、側突時の衝突エネルギの一部を吸収する請求項1に記載のスライドレバー。
  3. 前記ロック部は、前記スライドレールの長手方向に沿って形成され、
    前記応力変換部は、前記ロック部と平行に形成された平行部をさらに有し、前記平行部と前記立上がり部の上端とは、傾斜部によって繋がっている請求項1又は請求項2に記載のスライドレバー。
  4. 前記傾斜部の下端は、前記立上がり部の下端よりも車体下方側に位置している請求項3に記載のスライドレバー。
  5. 車体床部において車体前後方向に沿って配設された一対のスライドレールに対してロックされ又はロック解除される請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のスライドレバーを備えた車両用シート。
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