JP6912880B2 - 定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、定着装置において用紙が当接する当接面を研磨する技術に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、当該方式で形成されたトナー像が用紙に転写された後、定着装置において用紙へのトナー像の定着が行われる。定着装置では、定着ローラや定着ベルト等の定着部材に、加圧ローラが圧接した状態で設けられている。そして、用紙が定着部材と加圧ローラとの間を通過することにより、適度な熱と適度な圧力とが用紙に加えられ、その結果としてトナー像が用紙に定着する。
定着装置では、定着部材と加圧ローラとの間を用紙が通過するとき、トナー像が転写されている用紙の面が定着部材の表面に接触することになる。このため、定着部材の表面は、当該表面にトナーが付着し難くなる様に、PFA等のフッ素樹脂を主成分として含む樹脂層で形成されることが多い。
特開2009−300666号公報
一般的に、用紙のエッジには、裁断時に発生するバリが存在している。そして、定着装置では、用紙が定着部材と加圧ローラとの間を通過するとき、当該用紙は、定着部材の表面に当接すると共に、加圧ローラの作用により定着部材の表面(当接面)に押し付けられる。しかし、PFA等のフッ素樹脂では、定着部材の表面を構成する上記樹脂層の硬度を高めることが困難である。このため、定着部材の表面に用紙が押し付けられると、当該表面には、主に幅方向における用紙のエッジに沿って、バリに起因した溝状の窪みが形成され易い。
この様な窪みが定着部材の表面に形成されると、定着時に窪みにトナーが入り込み、定着後のトナー像には窪みに沿ったスジ(溝にトナー像が入り込むことで形成された隆起)が形成され易くなる。この様に定着部材の表面(当接面)に窪みが形成されると、定着過程でトナー像の画質が低下してしまうことになる。
例えば、特許文献1には、研磨シートを用いて定着部材の表面を研磨することにより、上記窪みを除去する技術が開示されている。又、特許文献1には、研磨シートの巻取り機構が開示されている。しかし、この技術では、研磨シートの巻取り易さについては何ら考慮されていない。又、研磨シートの耐熱性が考慮されておらず、定着装置が生じる熱により研磨シートに摩耗や溶融等の不具合が生じる虞がある。その様な不具合が研磨シートに生じてしまうと、窪みを効率良く除去することが困難になる。
そこで本発明の目的は、定着装置において、定着部材の表面に生じた窪みを効率良く除去する技術を提供することである。
本発明に係る研磨機構は、定着装置において用紙が当接する定着部材の当接面を研磨する機構であって、不織布に研磨粒子が付着した研磨シートと、研磨シートを定着部材の当接面に押圧する押圧部と、を備える。
上記研磨機構によれば、不織布は、その構成上、強度や伸び等について方向性を持たず、従って、ロール状に巻き易いといった特性を有する。よって、巻取り機構等を用いて研磨シートを巻き取ることが可能になる。
上記研磨シートにおいて、研磨粒子の粒径は0.5μm以上2μm以下であることが好ましい。この様に研磨粒子の粒径を小さくすることにより、定着部材の当接面に研磨痕が残り難くなる。
上記研磨シートにおいて、不織布は、アラミド繊維及びポリエステル繊維の少なくとも何れか一方から形成されていることが好ましい。これにより、不織布に耐熱性を持たせることができ、その結果、定着装置において研磨シートが加熱された場合であっても、熱による不織布の摩耗や溶融を防止することができる。
上記研磨機構において、研磨実行時における定着部材の当接面の温度は、当該当接面を構成する樹脂のガラス転移点温度以上であって、且つ、定着実行時における定着部材の当接面の温度より低い温度であることが好ましい。これにより、定着部材の当接面において、好ましい研磨状態を得ることができる。
上記研磨機構は、定着部材の当接面の幅方向において押圧部を揺動させる揺動機構を更に備えていることが好ましい。揺動機構は、研磨シートを、当接面の幅方向において押圧部と共に揺動させてもよい。これにより、定着部材の当接面において、より好ましい研磨状態を得ることができる。
定着部材が定着ベルトであって、当該定着ベルトの外周面が当接面である場合、研磨機構は、当接面に対する押圧部の押圧力を定着ベルトの内周面側で受ける受け部を更に備えていることが好ましい。これにより、定着ベルトの外周面に研磨シートが押し当てられたときの定着ベルトの撓みを防止することができる。
上記研磨機構は、位置変更機構を更に備えていることが好ましい。ここで、位置変更機構は、当接面の幅方向において押圧部を移動させることにより、押圧部による当接面上の押圧位置を変更することが可能である。これにより、当接面の幅方向における用紙のエッジが通過する位置に、押圧部を移動させることが可能になる。
本発明に係る定着装置は、用紙に転写されたトナー像を当該用紙に定着させる装置であって、定着時に用紙が当接する当接面を有する定着部材と、定着部材の当接面の研磨に適用される上記研磨機構と、を備える。
本発明に係る画像形成装置は、電子写真方式で形成されたトナー像を用紙に転写する転写装置と、用紙へのトナー像の定着に適用される上記定着装置と、を備える。
本発明によれば、定着装置において、定着部材の表面に生じた窪みを効率良く除去することが可能になる。
第1実施形態に係る画像形成装置の要部を示した概念図である。 画像形成装置の構成を示したブロック図である。 (A)画像形成装置が備える定着装置を示した概念図であり、(B)図3(A)に示される矢印D1の方向から定着装置を見たときの概念図である。 (A)(B)第2実施形態における定着装置の2つの例を示した概念図である。 (A)第3実施形態における定着装置を示した概念図、及び(B)その変形例を示した概念図である。 第4実施形態における定着装置を示した概念図である。 第5実施形態における定着装置の要部を示した概念図である。 第5実施形態において定着装置が備える研磨機構の押圧機構を示した斜視図である。 第5実施形態における押圧機構の変形例を示した概念図である。
[1]第1実施形態
[1−1]画像形成装置の構成
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置の要部を示した概念図である。又、図2は、画像形成装置の構成を示したブロック図である。本実施形態の画像形成装置は、画像データに基づき電子写真方式の画像形成処理を行うことにより、用紙Zへの画像印刷を行うものである。具体的には、画像形成装置は、その要部として、4つの主プロセス装置1と、一次転写装置2と、二次転写装置3と、定着装置4と、を備える。
<主プロセス装置>
本実施形態の画像形成装置では、使用する色空間としてCMYK空間が採用されている。そして、4つの主プロセス装置1は、CMYK空間を構成する4色(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック)のトナー像をそれぞれ形成する。尚、使用する色空間に応じて、主プロセス装置1の設置数が変更されてもよい。例えば、モノクロの画像形成装置の場合、主プロセス装置1は1つとなる。
主プロセス装置1の各々は、感光体ドラム11と、帯電部12と、露光部13と、現像部14と、クリーニング部15とを、有する。
感光体ドラム11は、静電潜像担持体である。帯電部12は、感光体ドラム11を、その周面の電位が所定電位となる様に帯電させる。露光部13は、帯電された感光体ドラム11の周面にレーザLを照射することにより、画像データに応じた静電潜像を形成する。
現像部14は、感光体ドラム11の周面に形成された静電潜像を顕像化させてトナー像を形成する。具体的には、現像部14は、現像ローラにバイアス(現像バイアス)を印加することにより、現像ローラの周面に付着しているトナーを、現像位置にて感光体ドラム11の周面へ移動させる。これにより、静電潜像が顕像化されて、トナー像が形成される。形成されたトナー像は、感光体ドラム11の回転より、中間転写ベルト21への転写(一次転写)が実行される位置まで搬送される。
クリーニング部15は、一次転写後に感光体ドラム11の周面に残留したトナー及びその他の付着物(埃など)を除去する。これにより、次の画像形成処理の準備が行われる。
<一次転写装置>
一次転写装置2は、中間転写ベルト21と、4つの一次転写ローラ22と、を有する。中間転写ベルト21は、その外周面が4つの感光体ドラム11の何れとも対向する様に、駆動ローラ211と支持ローラ212とにループ状に張架されている。4つの一次転写ローラ22は、中間転写ベルト21を間に介在させて4つの感光体ドラム11のそれぞれと対向する位置に1つずつ設けられている。一次転写ローラ22の各々は、これと対向する感光体ドラム11に担持されているトナー像を中間転写ベルト21に転写する。具体的には、一次転写ローラ22は、対向する感光体ドラム11との間に電位差を生じることにより、トナー像を構成しているトナーに静電気力を生じさせ、その静電気力を利用してトナー像を中間転写ベルト21へ移動させる。
4つの主プロセス装置1のそれぞれで形成された4色のトナー像は、互いにずれることがない様に中間転写ベルト21の同じ領域に転写される。これにより、4色のトナー像が重なり合い、中間転写ベルト21には、フルカラーのトナー像が形成される。このフルカラーのトナー像は、中間転写ベルト21の周回により、用紙Zへの転写(二次転写)が実行される位置まで搬送される。
<二次転写装置>
二次転写装置3は、中間転写ベルト21に担持されているフルカラーのトナー像を用紙Zに転写する二次転写ローラ31を有する。具体的には、二次転写ローラ31は、駆動ローラ211との間に電位差を生じることにより、トナー像を構成しているトナーに静電気力を生じさせ、その静電気力を利用してトナー像を用紙Zへ移動させる。
[1−2]定着装置の構成
図3(A)は、定着装置4を示した概念図であり、図3(B)は、図3(A)に示される矢印D1の方向から定着装置4を見たときの概念図である。図3(A)に示される様に、定着装置4は、定着機構5と、研磨機構6と、を備える。
<定着機構>
定着機構5は、用紙Zに転写されたトナー像を当該用紙Zに定着させる。定着機構5は、定着ローラ51(特許請求の範囲に記載の「定着部材」に相当)と、加圧ローラ52と、を備える。定着ローラ51は、自身の外周面51bの温度をヒータ等の加熱部(不図示)により上昇させることが可能である。加圧ローラ52は、その回転軸52aが定着ローラ51の回転軸51aと平行に配されると共に、定着位置Pfにて定着ローラ51に圧接した状態で設けられている。そして、用紙Zが定着位置Pf(即ち、定着ローラ51と加圧ローラ52との間)を通過するとき、当該用紙Zは、定着ローラ51に当接すると共に、加圧ローラ52の作用により定着ローラ51の外周面51b(当接面)に押し付けられる。従って、定着位置Pfを通過する用紙Zには、適度な熱と適度な圧力とが加えられ、その結果として用紙Zにトナー像が定着する。
定着ローラ51の外周面51bは、当該外周面51bにトナーが付着し難くなる様に、PFA等のフッ素樹脂を主成分として含む樹脂層513で形成されている。具体的には、定着ローラ51は、基材となる金属ローラ511と、当該金属ローラ511の外周面に形成されたゴム層512と、当該ゴム層512の外周面に形成された樹脂層513と、から構成されている。尚、樹脂層513は、ゴム層512の外周面に、フッ素樹脂を用いたコーティング処理を施すことにより形成されたものであってもよいし、フッ素樹脂から形成されたチューブを巻き付けて固着させることで形成されたものであってもよい。
定着ローラ51がこの様な構成であるため、定着位置Pfにおいて定着ローラ51の外周面51bに用紙Zが押し付けられると、当該外周面51bには、主に幅方向における用紙Zのエッジに沿って、バリに起因した溝状の窪みが形成され易い。即ち、外周面51bには、定着ローラ51の回転方向に延びた溝が形成され易い。
この様な窪みは、幅や深さが数ミクロン程度のものである。しかし、窪みが定着ローラ51の外周面51bに形成されると、定着時に窪みにトナーが入り込み、定着後のトナー像には窪みに沿ったスジ(溝にトナー像が入り込むことで形成された隆起)が形成され易くなる。従って、定着ローラ51の外周面51bに窪みが形成されると、定着過程でトナー像の画質が低下してしまうことになる。そして、この様な画質の低下は、サイズが異なる複数種の用紙Zを使用することが可能な画像形成装置において、特に生じ易くなる。そこで、本実施形態では、以下に説明する研磨機構6により、定着ローラ51の耐久性を考慮して窪みが効率良く除去される。
<研磨機構>
研磨機構6は、定着機構5において用紙Zが当接する定着ローラ51(定着部材)の外周面51b(当接面)を研磨する。具体的には、研磨機構6は、研磨シート61と、押圧機構62と、巻取り機構63と、を備える(図3(A)参照)。
研磨シート61は、不織布に研磨粒子が付着したシートである。本実施形態では、研磨シート61は、長尺状のシートであり、巻き芯にロール状に巻き付けられている。不織布は、その構成上、強度や伸び等について方向性を持たず、従って、ロール状に巻き易いといった特性を有する。よって、本実施形態の研磨シート61によれば、巻取り機構63を用いた巻取りが可能である。
研磨シート61は、後述する押圧機構62により、定着ローラ51の外周面51b(当接面)に押圧されることで、当該外周面51bの研磨に用いられる。このため、研磨シート61は、定着ローラ51によって加熱され易い。よって、研磨シート61の不織布には、熱による摩耗や溶融が生じることがない様に、耐熱性を持った繊維が用いられることが好ましい。一例として、不織布は、アラミド繊維及びポリエステル繊維の少なくとも何れか一方から形成されていることが好ましい。
研磨シート61において、研磨粒子には、例えばアルミナや二酸化ケイ素等の粒子が用いられる。又、研磨粒子の粒径は0.5μm以上2μm以下であることが好ましい。この様に研磨粒子の粒径を小さくすることにより、研磨対象の表面(本実施形態では、定着ローラ51の外周面51b)に研磨痕が残り難くなる。尚、研磨粒子の粒径が大きいと、研磨対象の表面に研磨痕が残り、定着過程においてトナー像の画質が低下する原因となる虞がある。又、研磨対象(本実施形態では、定着ローラ51)が過剰に研削され、研磨対象の寿命が短くなる虞がある。本実施形態の様に研磨粒子の粒径を小さくすることで、これらの問題を解消することができる。
押圧機構62は、押圧ローラ621(特許請求の範囲に記載の「押圧部」に相当)と、付勢部622と、を有する。押圧ローラ621は、回転軸621aを有する従動ローラである。又、回転軸621aは、その両端部が押圧ローラ621の両端面のそれぞれから突出しており、付勢部622は、突出した回転軸621aの両端部を定着ローラ51の外周面51b(当接面)へ向けて付勢する(図3(B)参照)。これにより、押圧ローラ621は、付勢部622により、定着ローラ51の外周面51b(当接面)に適度な圧力で押し当てられる。本実施形態において、付勢部622は、圧縮バネである。尚、付勢部622には、圧縮バネに限定されない種々の付勢手段を用いることができる。
又、押圧機構62は、付勢部622の上下動や後述するテンションローラ633による研磨シート61のテンション調整により、定着ローラ51の外周面51bへの押圧ローラ621の押当てと、当該外周面51bからの押圧ローラ621の離間と、を選択的に実行することが可能である。尚、押圧ローラ621の押当てと離間は、押圧ローラ621の回転軸621aを上下動させることで実行されてもよい。
研磨シート61は、押圧ローラ621と定着ローラ51との間に通される。従って、研磨シート61は、押圧ローラ621により、定着ローラ51の外周面51b(当接面)に適度な圧力で押し当てられる。これにより、研磨シート61による外周面51bの研磨が可能になる。
巻取り機構63は、繰出しローラ631と、巻取りローラ632と、テンションローラ633と、を有する。繰出しローラ631には、これを中心軸として研磨シート61のロールが取り付けられる。そして、当該ロールから繰り出された研磨シート61は、押圧ローラ621に張架された状態で、巻取りローラ632に巻き付けられている。又、研磨シート61は、テンションローラ633により適度なテンションに保たれている。そして、巻取りローラ632は、モータ等の駆動部(不図示)による回転駆動が可能であり、巻取りローラ632の回転により、研磨シート61の未使用部分が繰出しローラ631から繰り出されると共に、研磨シート61の使用済み部分が巻取りローラ632に巻き取られる。
本実施形態では、押圧ローラ621及び研磨シート61は、定着ローラ51の回転軸51aに沿う軸方向D2(定着ローラ51の幅方向)についてのそれぞれの幅W1及びW2が、軸方向D2についての当該定着ローラ51の幅W3と同等か、又は当該幅W3より大きい(図3(B)参照)。そして、定着ローラ51の外周面51bにおいて、軸方向D2についての一端から他端に亘る全域に研磨シート61が押し当てられる様に、押圧ローラ621及び研磨シート61は配されている。
上記研磨機構6によれば、定着ローラ51の外周面51bに研磨シート61を押し当てた状態で当該定着ローラ51を回転させることにより、定着ローラ51の外周面51b全域が、研磨シート61によって研磨されることになる。これにより、外周面51bに存在する窪みの深さが徐々に浅くなる。そして、研磨によって窪みを消滅させることにより、定着後のトナー像にスジが生じるといった画質の低下を防止することができる。或いは、研磨により、窪みの深さを、定着後のトナー像においてスジが目立たなくなる深さにすることにより、画質の低下を防止することができる。
そして、本実施形態では、研磨粒子として粒径の小さいもの(0.5μm以上2μm以下)が用いられているため、定着ローラ51の外周面51bに研磨痕が残り難い。又、定着ローラ51が過剰に研削されることがなく、定着ローラ51の寿命が極端に短くなることがない。即ち、本実施形態の研磨機構6によれば、定着装置4において、定着ローラ51の耐久性を考慮して窪みを効率良く除去することができる。
又、上記研磨機構6によれば、研磨シート61の巻取りが可能であるため、研磨の実行後、或いは、定期的に、研磨シート61に対する所定長さ分の巻取りを実行することにより、定着ローラ51の外周面51bへの押当て位置に研磨シート61の未使用部分を移動させることができる。よって、研磨機構6の研磨能力を維持することができる。
[1−3]定着装置の制御
定着装置4において、研磨実行時には、研磨温度Tpと研磨時間tpとが、画像形成装置が備える制御部7(図2参照)によって制御されることが好ましい。本実施形態において、研磨温度Tpは、研磨実行時における定着ローラ51の外周面51bの温度である。
下掲の表1は、研磨温度Tp及び研磨時間tpと研磨状態との関係について、本発明者により得られたデータである。尚、表1では、研磨状態として、研磨後の定着ローラ51の外周面51bを直接確認することに代えて、定着後のトナー像を確認したときにスジがどの程度生じていたかが記号で示されている。具体的には、スジがない場合が〇記号で示され、概ねスジがない場合が△記号で示され、スジが生じた場合が×記号又は●記号で示されている。そして、スジが生じた場合には、研磨実行後の定着ローラ51の外周面51bを本発明者が直接確認した。その結果として、表1では、研磨はできているが不十分であった場合が×記号で示され、殆ど研磨できなかった場合が●記号で示されている。
Figure 0006912880
表1に示された結果に基づき、次のように考えることができる。即ち、研磨温度Tpが70℃以上に設定されることにより、PFA等のフッ素樹脂を主成分として含む樹脂層513が柔らかくなり、その結果として、研磨が容易になったと考えられる。例えば、PFAは、ガラス転移点温度が75℃程度であり、ガラス転移点温度付近から柔らかくなり始める。よって、研磨温度Tpは、樹脂層513に主成分として含まれる樹脂(即ち、定着ローラ51の外周面51bを構成する樹脂)のガラス転移点温度以上であることが好ましく、具体的には70℃以上であることが好ましい。
又、研磨温度Tpが130℃以下に設定されることにより、樹脂層513は柔らかくなり過ぎることがなく、その結果として、樹脂層513が、研磨対象として好ましい状態(適度に柔らかい状態)で維持されたと考えられる。例えば、研磨温度Tpが130℃より高い温度に設定された場合には、樹脂層513が柔らかくなり過ぎてしまい、研磨が、定着ローラ51の外周面51bを荒らしてしまう虞がある。又、樹脂層513が適度に柔らかくなることで、研磨の際に窪みが修復され易くなったと考えられる。
定着実行時における定着ローラ51の外周面51bの温度(以下、「定着温度」と呼ぶ)は、140℃以上200℃以下の温度範囲内に設定されることが好ましい。このため、定着実行時の温度で研磨が実行されたとすれば、上述した様に樹脂層513は、研磨対象とするには柔らかくなり過ぎてしまい、用紙のエッジで外周面51bに窪みが形成されるのと同様、研磨により外周面51bが荒れてしまうことになる。よって、研磨温度Tpは、少なくとも定着温度(好ましくは下限値)より低い温度であることが好ましく、具体的には130℃以下であることが好ましい。
従って、研磨温度Tpは、定着ローラ51の外周面51bを構成する樹脂のガラス転移点温度以上であって、且つ、定着温度(好ましくは下限値)より低い温度であることが好ましく、具体的には70℃以上130℃以下の温度範囲内であることが好ましい。そして、研磨温度Tpが70℃以上100℃以下の温度範囲内に設定され、且つ、研磨時間tpが90秒以上180秒以下の時間に設定されることが、特に好ましい。
[2]第2実施形態
第2実施形態として、研磨機構6は、定着ローラ51の軸方向D2(幅方向)において押圧ローラ621を揺動させる揺動機構64を更に備えていてもよい。
図4(A)は、第2実施形態における定着装置4の一例を示した概念図である。図4(A)の例では、揺動機構64は、研磨シート61を、押圧ローラ621と共に揺動させる。具体的には、揺動機構64は、支持部641と、カム部642と、付勢部643と、を有する。
支持部641は、軸方向D2において押圧ローラ621及び巻取り機構63の両側に配された側部641A及び641Bを有する。そして、当該側部641A及び641Bに各種ローラの回転軸が支持されることにより、押圧ローラ621及び巻取り機構63が支持部641に支持されている。
カム部642は、支持部641の側部641Aに外側から当接した状態で配されている。そして、付勢部643は、軸方向D2において支持部641をカム部642へ向けて付勢する。本実施形態において、カム部642は、側部641Aとの当接面が楕円状を呈したものである。又、付勢部643は、圧縮バネであり、支持部641の側部641Bの外面に設けられている。尚、カム部642の形状は、楕円状に限らず、支持部641をどのように揺動させるかに応じて適宜変更することが可能である。又、付勢部643には、圧縮バネに限定されない種々の付勢手段を用いることができる。更に、付勢部643の設置位置は、付勢部643として用いる付勢手段に応じて、適宜変更することができる。
図4(A)の例によれば、研磨実行時にカム部642を回転させることにより、研磨シート61を、軸方向D2において押圧ローラ621と共に揺動させることができる。
従って、定着ローラ51の外周面51bの全域に対して研磨が施される場合(図3(B)参照)、外周面51bに対して研磨シート61を押し当てる力に、軸方向D2におけるバラツキがあったとしても、そのバラツキを平均化することができる。よって、外周面51bにおける研磨状態にバラツキが生じ難くなる。即ち、定着ローラ51の外周面51bにおいて、より好ましい研磨状態を得ることができる。
図4(B)は、第2実施形態における定着装置4の他の例を示した概念図である。図4(B)の例では、揺動機構64は、研磨シート61を揺動させずに押圧ローラ621を揺動させるものであり、支持部641の側部641A及び641Bに対し、押圧ローラ621の回転軸621aが、軸方向D2において移動可能に支持されている。
カム部642は、側部641Aの外側において回転軸621aの端面621cに当接している。そして、付勢部643は、圧縮コイルバネであり、支持部641の内側において、押圧ローラ621と側部641Bとの間に回転軸621aを取り巻く様に配されている。これにより、付勢部643は、軸方向D2において押圧ローラ621をカム部642へ向けて付勢している。本実施形態において、カム部642は、側部641Aとの当接面が楕円状を呈したものである。尚、カム部642の形状は、楕円状に限らず、支持部641をどのように揺動させるかに応じて適宜変更することが可能である。又、付勢部643に引張コイルバネを用い、これを、支持部641の内側において、押圧ローラ621と側部641Aとの間に回転軸621aを取り巻く様に配してもよい。
図4(B)の例によれば、研磨実行時にカム部642を回転させることにより、研磨シート61を揺動させずに押圧ローラ621を軸方向D2において揺動させることができる。よって、図4(A)の例と同様、定着ローラ51の外周面51bにおいて、より好ましい研磨状態を得ることができる。
[3]第3実施形態
図5(A)は、第3実施形態における定着装置4を示した概念図である。図5(A)に示される様に、第1及び第2実施形態で説明した研磨機構6は、以下に説明する構成を持った定着機構5に適用されてもよい。
本実施形態において、定着機構5は、加熱ローラ53と、駆動ローラ54と、定着ベルト55(特許請求の範囲に記載の「定着部材」に相当)と、加圧ローラ56と、を備える。加熱ローラ53は、自身の外周面53bの温度をヒータ等の加熱部(不図示)により上昇させることが可能である。駆動ローラ54は、その回転軸54aが加熱ローラ53の回転軸53aと平行に配されており、モータ等の駆動部(不図示)による回転駆動が可能である。定着ベルト55は、加熱ローラ53と駆動ローラ54とにループ状に張架されている。
従って、定着ベルト55は、駆動ローラ54の回転に伴う周回時において、加熱ローラ53の外周面53b上を、これに密着した状態で通過する。これにより、定着ベルト55は、加熱ローラ53の外周面53b上において加熱ローラ53から熱が伝搬され、その結果として加熱される。そして、加熱された定着ベルト55の周回により、以下に説明する定着位置Pfにおいて用紙Z及びトナーが適度に加熱される。
定着ベルト55の周回経路における駆動ローラ54上の位置に、用紙Zへのトナー像の定着が実行される定着位置Pfが設けられている。そして、加圧ローラ56は、その回転軸56aが駆動ローラ54の回転軸54aと平行に配されると共に、定着位置Pfにて定着ベルト55に圧接した状態で設けられている。そして、用紙Zが定着位置Pf(即ち、定着ベルト55と加圧ローラ56との間)を通過するとき、当該用紙Zは、定着ベルト55に当接すると共に、加圧ローラ56の作用により定着ベルト55の外周面55b(当接面)に押し付けられる。従って、定着位置Pfを通過する用紙Zには、適度な熱と共に適度な圧力が加えられ、その結果として用紙Zにトナー像が定着する。
定着ベルト55の外周面55bは、当該外周面55bにトナーが付着し難くなる様に、PFA等のフッ素樹脂を主成分として含む樹脂層で形成されている。尚、樹脂層は、基材となる無端ベルトの外周面に、フッ素樹脂を用いたコーティング処理を施すことにより形成されたものであってもよいし、フッ素樹脂から形成されたチューブを巻き付けて固着させることで形成されたものであってもよい。
定着ベルト55がこの様な構成であるため、定着位置Pfにおいて定着ベルト55の外周面55bに用紙Zが押し付けられると、当該外周面55bには、主に幅方向における用紙Zのエッジに沿って、バリに起因した溝状の窪みが形成され易い。
この様な窪みが定着ベルト55の外周面55bに形成されると、定着時に窪みにトナーが入り込み、定着後のトナー像には窪みに沿ったスジ(溝にトナー像が入り込むことで形成された隆起)が形成され易くなる。この様に定着ベルト55の外周面55bに窪みが形成されると、定着過程でトナー像の画質が低下してしまうことになる。
そこで、本実施形態では、研磨機構6により、定着ベルト55の耐久性を考慮して窪みを効率良く除去する。具体的には、定着ベルト55の外周面55bに研磨シート61を押し当てた状態で当該定着ベルト55を回転させることにより、定着ベルト55の外周面55b全域が、研磨シート61によって研磨されることになる。これにより、外周面55bに存在する窪みの深さが徐々に浅くなる。そして、研磨によって窪みを消滅させることにより、定着後のトナー像にスジが生じるといった画質の低下を防止することができる。或いは、研磨により、窪みの深さを、定着後のトナー像においてスジが目立たなくなる深さにすることにより、画質の低下を防止することができる。
図5(B)は、第3実施形態における定着装置4の変形例を示した概念図である。図5(B)に示される様に、研磨機構6は、定着ベルト55の外周面55b(当接面)に対する押圧ローラ621の押圧力を、定着ベルト55の内周面側で受ける受け部65を更に備えていてもよい。本実施形態では、受け部65として、バックアップローラが用いられている。これにより、定着ベルト55の外周面55bに研磨シート61が押し当てられたときの定着ベルト55の撓みを防止することができる。従って、定着ベルト55の撓みによって生じ得る研磨能力の低下を防止することができる。
[4]第4実施形態
図6は、第4実施形態における定着装置4を示した概念図である。図6に示される様に、第1〜第3実施形態で説明した研磨機構6において、幅方向(軸方向D2)における用紙Zの両エッジが通過する位置の各々に対応させて押圧ローラ621が設けられ、各押圧ローラ621には、これと同等の幅を持った研磨シート61が巻取り可能に張架されてもよい。
これにより、定着ローラ51の外周面51b又は定着ベルト55の外周面55bにおいて、用紙Zのエッジが通過する位置に対して部分的に研磨を施すことが可能になる。
又、本実施形態の定着装置4において、第3実施形態で説明した揺動機構64が適用されることにより、研磨シート61が押し当てられる位置を揺動させることが可能になる。よって、用紙Zのエッジが通過する位置に形成された窪みの周囲において、表面を滑らかにすることができる。
[5]第5実施形態
図7は、第5実施形態における定着装置4の要部を示した概念図である。又、図8は、当該定着装置4が備える研磨機構6の押圧機構80を示した斜視図である。本実施形態では、押圧機構80に位置変更機構が構築されている。図8に示される様に、押圧機構80は、ベース部81と、シャフト82と、駆動ローラ83と、従動ローラ84と、無端ベルト85と、2つの可動部86A及び86Bと、2つの押圧板87A及び87B(特許請求の範囲に記載の「押圧部」に相当)と、付勢部88A及び88Bと、を備える。
ベース部81は、その長手方向D3が定着ベルト55の幅方向に一致する様に配置されると共に、第1主面81aを、定着ベルト55の外周面55b側へ向けて配置されている(図7参照)。又、ベース部81の第1主面81a上には、当該第1主面81aに沿って長手方向D3に延在したシャフト82が配されている。
第1主面81aとは反対側に位置するベース部81の第2主面81bには、長手方向D3における両端部に、駆動ローラ83及び従動ローラ84がそれぞれ軸支されている。そして、無端ベルト85が、駆動ローラ83と従動ローラ84とに張架されている。又、駆動ローラ83及び従動ローラ84は、ローラ径が同じものであり、これらに張架された無端ベルト85に形成される2つの直線部851及び852の延在方向がベース部81の長手方向D3と一致する様に、ベース部81の第2主面81bに配されている。
ベース部81には、これを貫通する2つのスリット810A及び810Bが形成されている。スリット810A及び810Bは、無端ベルト85の直線部851(又は852)に沿って一列に並んで形成されており、それぞれの延在方向がベース部81の長手方向D3に一致している。
具体的には、スリット810Aは、定着ベルト55の外周面55b上をサイズが異なる複数種の用紙Zが通過するときに、それらの片側のエッジが通過する位置を横切る様に、形成されている。そして、長手方向D3におけるスリット810Aの幅が、後述する可動部86Aの可動域となる。同様に、スリット810Bは、定着ベルト55の外周面55b上をサイズが異なる複数種の用紙Zが通過するときに、それらのもう一方の片側のエッジが通過する位置を横切る様に、形成されている。そして、長手方向D3におけるスリット810Bの幅が、後述する可動部86Bの可動域となる。
尚、スリット810A及び810Bは、互いに繋がったものであってもよい。又、スリット810Aが無端ベルト85の直線部851に沿って形成され、スリット810Bが無端ベルト85の直線部852に沿って形成されてもよい。
可動部86A及び86Bは、ベース部81の第1主面81a上に配されており、何れにもシャフト82が貫通すると共に当該シャフト82に沿って摺動可能である。即ち、可動部86A及び86Bの移動が、ベース部81の長手方向D3に規制されている。そして、可動部86Aは、無端ベルト85の直線部851を把持する把持部860Aにより、スリット810Aを通じて無端ベルト85の直線部851に固定されている。又、可動部86Bは、無端ベルト85の直線部852を把持する把持部860Bにより、スリット810Bを通じて無端ベルト85の直線部852に固定されている。
よって、図8において、無端ベルト85を右回り(時計回り)に周回させることにより、可動部86A及び86Bは、互いに近づく方向へ移動する。一方、無端ベルト85を左回り(反時計回り)に周回させることにより、可動部86A及び86Bは、互いに離れる方向へ移動する。即ち、可動部86A及び86Bは、無端ベルト85の周回に応じて互いに連動する。
押圧板87Aは、可動部86Aに取り付けられている。具体的には、押圧板87Aは、その先端部87Aaを定着ベルト55の外周面55bの方へ向けた状態で(図7参照)、可動部86Aに摺動可能に取り付けられている。又、付勢部88Aが、可動部86Aに設けられており、押圧板87Aを、定着ベルト55の外周面55bの方へ付勢している。具体的には、付勢部88Aは圧縮バネであり、可動部86Aに設けられた突起部861Aと押圧板87Aの基端部87Abとの間に付勢部88Aが設けられている。これにより、押圧板87Aは、付勢部88Aにより、定着ベルト55の外周面55bに適度な圧力で押し当てられる。尚、付勢部88Aには、圧縮バネに限定されない種々の付勢手段を用いることができる。
押圧板87Bは、可動部86Bに取り付けられている。具体的には、押圧板87Bは、その先端部87Baを定着ベルト55の外周面55bの方へ向けた状態で、可動部86Bに摺動可能に取り付けられている。又、付勢部88Bが、可動部86Bに設けられており、押圧板87Bを、定着ベルト55の外周面55bの方へ付勢している。具体的には、付勢部88Bは圧縮バネであり、可動部86Bに設けられた突起部861Bと押圧板87Bの基端部87Bbとの間に付勢部88Bが設けられている。これにより、押圧板87Bは、付勢部88Bにより、定着ベルト55の外周面55bに適度な圧力で押し当てられる。尚、付勢部88Bには、圧縮バネに限定されない種々の付勢手段を用いることができる。
又、押圧機構80は、その全体を上下動させることが可能であり、定着ベルト55の外周面55bへの押圧板87A及び87Bの押当てと、当該外周面55bからの押圧板87A及び87Bの離間と、を選択的に実行することが可能である。
研磨シート61は、押圧板87A及び87Bと定着ベルト55との間に通される(図7参照)。従って、研磨シート61は、押圧板87A及び87Bにより、定着ベルト55の外周面55b(当接面)に適度な圧力で押し当てられる。これにより、研磨シート61による外周面55bの研磨が可能になる。
上記押圧機構80によれば、無端ベルト85を右回り又は左回りに周回させることにより、定着ベルト55の幅方向において押圧板87A及び87Bを移動させることができる。具体的には、無端ベルト85を右回りに周回させることにより、押圧板87A及び87Bを互いに近づく方向へ移動させることができる。一方、無端ベルト85を左回りに周回させることにより、押圧板87A及び87Bを互いに離れる方向へ移動させることができる。即ち、押圧板87A及び87Bは、無端ベルト85の周回に応じて互いに連動する。
よって、上記押圧機構80によれば、無端ベルト85を右回り又は左回りに周回させることにより、押圧板87A及び87Bによる定着ベルト55の外周面55b上の押圧位置を変更することができる。具体的には、定着ベルト55の幅方向における用紙Zの両エッジが通過する位置のそれぞれに、押圧板87A及び87Bを移動させることができる。
よって、本実施形態の研磨機構6によれば、定着ベルト55の外周面55bに研磨シート61を押し当てた状態で当該定着ベルト55を回転させることにより、押圧板87A及び87Bによる外周面55b上の押圧領域が、研磨シート61によって研磨されることになる。これにより、外周面51bに存在する窪み及びその周囲が、その表面が滑らかになる様に研磨され、その結果として、窪みの深さが徐々に浅くなる。そして、研磨によって窪みを消滅させることにより、定着後のトナー像にスジが生じるといった画質の低下を防止することができる。或いは、研磨により、窪みの深さを、定着後のトナー像においてスジが目立たなくなる深さにすることにより、画質の低下を防止することができる。
尚、定着ベルト55の幅方向における外周面55bの平滑性を維持するべく、用紙Zのエッジが通過する位置とは別の位置に押圧板87A及び87Bを移動させることにより、当該別の位置を定期的に研磨してもよい。
図9は、第5実施形態における押圧機構80の変形例を示した概念図である。図9に示される様に、押圧機構80において、互いに独立に周回させることが可能な2つの無端ベルト85A及び85Bを設け、それぞれに可動部86A及び86Bを介して押圧板87A及び87Bを取り付けてもよい。これにより、押圧板87A及び87Bの移動を、互いに独立に制御することができる。よって、押圧板87A及び87Bによる押圧位置を、より精度良く調整することができる。
尚、位置変更機構は、押圧機構80に含まれた上記構成に限らず、種々の変形が可能である。又、第5実施形態で説明した研磨機構6は、定着ベルト55の外周面55bに対する研磨に限らず、定着ローラ51の外周面51bに対する研磨にも適用することができる。
[6]他の実施形態
上記実施形態で説明した研磨機構6は、押圧部(押圧ローラ621や押圧板87A及び87B等)を3つ以上有した構成を備えていてもよい。
又、上記実施形態で説明した画像形成装置の各部構成は、カラー複合機、カラー複写機、カラープリンタ等、種々の画像形成装置に適用することができる。更には、上述した各部構成は、カラー画像を対象とした画像形成装置に限らず、モノクロの画像を対象とした画像形成装置にも適用することができる。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 主プロセス装置
2 一次転写装置
3 二次転写装置
4 定着装置
5 定着機構
6 研磨機構
7 制御部
11 感光体ドラム
12 帯電部
13 露光部
14 現像部
15 クリーニング部
21 中間転写ベルト
22 一次転写ローラ
31 二次転写ローラ
51 定着ローラ
52 加圧ローラ
53 加熱ローラ
54 駆動ローラ
55 定着ベルト
56 加圧ローラ
51a、52a、53a、54a、56a 回転軸
51b、53b、55b 外周面
61 研磨シート
62 押圧機構
63 巻取り機構
64 揺動機構
65 受け部
80 押圧機構
81 ベース部
81a 第1主面
81b 第2主面
82 シャフト
83 駆動ローラ
84 従動ローラ
85、85A、85B 無端ベルト
86A、86B 可動部
87A、87B 押圧板
87Aa、87Ba 先端部
87Ab、87Bb 基端部
88A、88B 付勢部
211 駆動ローラ
212 支持ローラ
511 金属ローラ
512 ゴム層
513 樹脂層
621 押圧ローラ
621a 回転軸
621c 端面
622 付勢部
631 繰出しローラ
632 巻取りローラ
633 テンションローラ
641 支持部
641A、641B 側部
642 カム部
643 付勢部
810A、810B スリット
851、852 直線部
860A、860B 把持部
861A、861B 突起部
L レーザ
Z 用紙
D1 矢印
D2 軸方向
D3 長手方向
Pf 定着位置
Tp 研磨温度
tp 研磨時間
W1、W2、W3 幅

Claims (8)

  1. 用紙に転写されたトナー像を当該用紙に定着させる定着装置であって、
    定着時に前記用紙が当接する当接面を有する定着部材と、
    前記定着部材の前記当接面の研磨に適用される研磨機構と
    を備え、
    前記研磨機構は、
    不織布に研磨粒子が付着した研磨シートと、
    前記研磨シートを前記当接面に押圧する押圧部と、
    を備え、
    研磨実行時における前記当接面の温度は、当該当接面を構成する樹脂のガラス転移点温度以上であって、且つ、定着実行時における前記当接面の温度より低い温度である、
    定着装置
  2. 前記研磨シートにおいて、前記研磨粒子の粒径は0.5μm以上2μm以下である、請求項1に記載の定着装置
  3. 前記研磨シートにおいて、前記不織布は、アラミド繊維及びポリエステル繊維の少なくとも何れか一方から形成されている、請求項1又は2に記載の定着装置
  4. 前記当接面の幅方向において前記押圧部を揺動させる揺動機構を更に備える、請求項1〜3の何れかに記載の定着装置
  5. 前記揺動機構は、前記研磨シートを、前記当接面の幅方向において前記押圧部と共に揺動させる、請求項4に記載の定着装置
  6. 前記定着部材は定着ベルトであって、当該定着ベルトの外周面が前記当接面であり、
    前記当接面に対する前記押圧部の押圧力を前記定着ベルトの内周面側で受ける受け部を更に備える、請求項1〜5の何れかに記載の定着装置
  7. 前記当接面の幅方向において前記押圧部を移動させることにより、前記押圧部による前記当接面上の押圧位置を変更することが可能な位置変更機構を更に備える、請求項1〜6の何れかに記載の定着装置
  8. 電子写真方式で形成されたトナー像を用紙に転写する転写装置と、
    前記用紙への前記トナー像の定着に適用される、請求項1〜7の何れかに記載の定着装置と、
    を備える、画像形成装置。
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