JP2019020627A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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【課題】加圧部材の表面に画像形成物質が付着したままの状態となることを防止できる定着装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】記録媒体である用紙Pの未定着画像であるトナー像が形成された面に接触してトナー像を定着する定着部材である定着ベルト41と、定着ベルト41を加熱する定着加熱手段である定着ヒータ45と、定着ベルト41との間で用紙Pを挟持する定着ニップNを形成する加圧部材である加圧ローラ44と、加圧ローラ44の表面を清掃する加圧清掃手段である加圧ローラクリーニング装置410とを備える定着装置40において、トナー像の定着を行う定着動作の後に、加圧ローラ44の表面温度が定着動作のときよりも高温となるように加熱して、加圧ローラクリーニング装置410によって清掃する定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、記録媒体の未定着画像が形成された面に接触して未定着画像を定着する定着部材と、定着部材を加熱する加熱手段と、定着部材との間で定着ニップを形成する加圧部材と、加圧部材の表面を清掃する加圧清掃手段とを備える定着装置が知られている。
この種の定着装置として、特許文献1には、定着時に加圧部材の表面を冷却する冷却機構を備え、加圧部材の表面温度が上昇してホットオフセット画像が生じることを防止する構成が記載されている。
しかしながら、冷却機構を備える構成に限らず、定着時に加圧部材の表面が画像形成物質を溶融させる温度よりも低温となる構成であれば、加圧部材の表面上に付着したトナー等の画像形成物質の温度が下がって溶融した状態を維持できず、加圧部材の表面に固着することがあった。温度が下がって固着した画像形成物質は加圧部材から除去し難く、加圧清掃手段で清掃しても加圧部材の表面に画像形成物質が付着したままの状態となる不具合が生じることがあった。
上述した課題を解決するために、本発明は、記録媒体の未定着画像が形成された面に接触して前記未定着画像を定着する定着部材と、前記定着部材を加熱する定着加熱手段と、前記定着部材との間で前記記録媒体を挟持する定着ニップを形成する加圧部材と、前記加圧部材の表面を清掃する加圧清掃手段とを備える定着装置において、前記未定着画像の定着を行う定着動作の後に、前記加圧部材の表面温度が前記定着動作のときよりも高温となるように加熱して、前記加圧清掃手段によって清掃する定着後加圧部材加熱清掃動作を実行することを特徴とするものである。
本発明によれば、加圧部材の表面に画像形成物質が付着したままの状態となることを防止できる、という優れた効果がある。
実施形態に係る定着装置の概略構成図。 実施形態に係るプリンタの概略構成図。 定着ローラに対して加圧ローラの硬度が高い場合と低い場合とを比較する図面。 定着後加圧部材加熱清掃動作の制御を行う構成のブロック図。 定着後加圧部材加熱清掃動作を行うフローチャート。 定着後加圧部材加熱清掃動作を行う他の例のフローチャート。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタの一実施形態について説明する。
図2は、実施形態に係るプリンタ100を示す概略構成図である。図2に示すように、プリンタ100は、記録媒体である用紙Pにトナー像を形成する画像形成部110と、画像形成部110でトナー像が形成された用紙Pにトナー像を定着させる定着装置40と、画像形成部110に用紙Pを供給する給紙部120とを備える。
画像形成部110は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を作像するための四つの作像ユニット2(Y,M,C,K)を備えている。そして、これら四つの作像ユニット2を、像担持ベルトである中間転写ベルト61に対してその無端移動方向に沿って並べて配置した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
また、プリンタ100は、給紙路30、転写前搬送路31、手差し給紙路32、手差しトレイ33、レジストローラ対34、搬送ベルトユニット35、搬送切替装置50、排紙路51、排紙ローラ対52、排紙トレイ53等を備える。画像形成部110には、二つの光書込ユニット1(YM,CK)、一次転写ユニット60及び二次転写ユニット78等を備え、給紙部120には第一給紙カセット101及び第二給紙カセット102等を備える。
四つの作像ユニット2(Y,M,C,K)は、潜像担持体であるドラム状の感光体3(Y,M,C,K)をそれぞれ有する。また、第一給紙カセット101及び第二給紙カセット102は、それぞれ内部に記録媒体である用紙Pの束を収容している。そして、第一給送ローラ101aまたは第二給送ローラ102aの回転駆動により、用紙Pの束における一番上の用紙Pを給紙路30に向けて送り出す。
プリンタ100の筐体における図2中の右側面には、手差しトレイ33が筐体に対して開閉可能に配設されており、筐体に対して開いた状態でトレイ上面に用紙Pの束が手差しされる。手差しされた用紙Pの束における一番上の用紙Pは、手差しトレイ33の送出ローラによって手差し給紙路32を介して給紙路30に向けて搬送される。
二つの光書込ユニット1(YM,CK)は、それぞれ、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有する。そして、プリンタ100の外部装置であるスキャナによって読み取られた画像情報や、パーソナルコンピュータから送られてくる画像情報に基づいて、レーザーダイオードを駆動し、作像ユニット2(Y,M,C,K)の感光体3(Y,M,C,K)を光走査する。具体的には、作像ユニット2(Y,M,C,K)の感光体3(Y,M,C,K)は、駆動手段によってそれぞれ図2中の反時計回り方向に回転駆動される。
第一光書込ユニット1YMは、駆動中のイエロー用感光体3Y及びマゼンタ用感光体3Mに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向しながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、イエロー用感光体3Y及びマゼンタ用感光体3Mには、イエローの画像情報及びマゼンタの画像情報に基づいた静電潜像がそれぞれ形成される。
第二光書込ユニット1CKは、駆動中のシアン用感光体3C及びブラック用感光体3Kに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向されながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、シアン用感光体3C及びブラック用感光体3Kには、シアンの画像情報及びブラックの画像情報に基づいた静電潜像がそれぞれ形成される。
作像ユニット2(Y,M,C,K)は、それぞれ、感光体3(Y,M,C,K)と、その周囲に配設される各種機器とを一つのユニットとして共通の支持体に支持した状態で、それらがプリンタ100の筐体に対して一体的に着脱されるものである。四つの作像ユニット2(Y,M,C,K)は、互いに使用するトナーの色が異なる点の他は同様の構成になっている。よって、以下の説明では、使用するトナーの色を示す「Y,M,C,K」を適宜省略して説明する。
作像ユニット2は、感光体3の他、これの表面に形成された静電潜像をトナー像に現像するための現像装置4を有している。また、回転駆動される感光体3の表面に対して一様帯電処理を施す帯電装置5を有する。さらに、各色に対応した一次転写ニップを通過した後の感光体3表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置6なども有している。
感光体3は、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものである。ドラム状のものに代えて、無端ベルト状のものを用いてもよい。
現像装置4は、非磁性パイプからなる回転可能な現像スリーブと、これの中空内にスリーブに対して連れ回らないように配設されたマグネットローラとを具備している。そして、マグネットローラの発する磁力によって現像スリーブの表面に担持した磁性キャリアと非磁性の各色トナーとを含有する二成分現像剤(以下、単に現像剤という)により、感光体3上の静電潜像を現像する。
各色の現像装置4(Y,M,C,K)に対しては、各色のトナー補給装置により、各色のトナーボトル103(Y,M,C,K)内の各色トナーが適宜補給される。現像装置4内にはトナー濃度検知手段としてのトナー濃度センサが設けられている。トナー濃度センサは磁性体であるキャリアに起因する現像剤の透磁率を検出するものである。プリンタ100の制御部は、各色のトナー濃度センサからの出力値と、トナー濃度目標値であるセンサからの出力目標値との比較に基づいて、各色のトナー補給装置の駆動を制御する。これにより、現像剤のトナー濃度を一定範囲内(例えば4[wt%]〜9[wt%])にしている。
ドラムクリーニング装置6は、感光体3に当接させたポリウレタンゴム製のクリーニングブレードによって感光体3の表面から転写残トナーを掻き取る方式のものである。かかる方式のものに代えて、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、ドラムクリーニング装置6は、クリーニングブレードに加えて、回転自在なファーブラシも感光体3に当接させている。このファーブラシは、固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体3表面に塗布する役割も兼ねている。
感光体3の上方には、除電ランプが配設されており、この除電ランプも作像ユニット2の一部になっている。除電ランプは、ドラムクリーニング装置6との対向部を通過した後の感光体3表面を光照射によって除電する。除電された感光体3の表面は、帯電装置5によって一様に帯電された後、上述した光書込ユニット1による光走査が施される。帯電装置5は、電源から帯電バイアスの供給を受けながら回転駆動するものである。かかる方式のものに代えて、感光体3に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ方式のものを採用してもよい。
四つの作像ユニット2(Y,M,C,K)の下方には、一次転写ユニット60が配設されている。この一次転写ユニット60は、複数のローラ(63、67、68、69及び71)によって張架されている像担持体である中間転写ベルト61を備える。そして中間転写ベルト61を、感光体3(Y,M,C,K)に当接させながら、何れか一つのローラの回転駆動によって図2中の時計回り方向(矢印「A」方向)に無端移動させる。これにより、感光体3(Y,M,C,K)と中間転写ベルト61とが当接する各色(Y,M,C,K)用の一次転写ニップが形成されている。
各色用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写ローラ62(Y,M,C,K)によって中間転写ベルト61を感光体3(Y,M,C,K)に向けて押圧する。四つの一次転写ローラ62(Y,M,C,K)には、それぞれ一次転写電源によって一次転写バイアスが印加される。これにより、各色用の一次転写ニップには、感光体3(Y,M,C,K)上のトナー像を中間転写ベルト61に向けて静電移動させる一次転写電界が形成される。
中間転写ベルト61の図2中の時計回り方向の無端移動に伴って各色用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト61のおもて面には、Yトナー像、Mトナー像、Cトナー像及びKトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト61のおもて面には四色重ね合わせトナー像が形成される。
中間転写ベルト61の図2中の下方には、二次転写ユニット78が配設されている。この二次転写ユニット78は、無端状の二次転写ベルト77、接地従動ローラ72、二次転写駆動ローラ79、二次ベルトクリーニング装置76、トナー付着量検知センサ64などを有している。二次転写ベルト77は、そのループ内側に配設された接地従動ローラ72と、二次転写駆動ローラ79とによってテンション張架されながら、二次転写駆動ローラ79の回転駆動に伴って図2中の反時計回り方向(矢印「B」方向)に無端移動される。
二次転写ユニット78の二次転写ベルト77は、自らの接地従動ローラ72に対する掛け回し箇所を、一次転写ユニット60の中間転写ベルト61における二次転写バイアスローラ68に対する掛け回し箇所に当接させて二次転写ニップを形成している。中間転写ベルト61のループ内側の二次転写バイアスローラ68には二次転写電源から出力される二次転写バイアスが印加されるのに対し、二次転写ベルト77のループ内側の接地従動ローラ72は接地されている。これにより、二次転写ニップ内に二次転写電界が形成される。
二次転写ニップの図2中の右方には、レジストローラ対34が配設されており、ローラ間に挟み込んだ用紙Pを中間転写ベルト61上の四色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト61上の四色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって用紙Pに一括二次転写され、用紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト61のおもて面には、二次転写残トナーが付着している。この二次転写残トナーは、一次転写ユニット60の中間転写ベルトクリーニング装置75によって中間転写ベルト61の表面から除去される。
二次転写ニップを通過した用紙Pは、中間転写ベルト61や二次転写ベルト77から離間して、搬送ベルトユニット35に受け渡される。この搬送ベルトユニット35は、無端状の搬送ベルト36を搬送駆動ローラ37と搬送従動ローラ38とによって張架しながら、搬送駆動ローラ37の回転駆動によって図2中の反時計回り方向(矢印「C」方向)に無端移動される。そして、二次転写ニップから受け渡された用紙Pを搬送ベルト36の上部張架面に保持しながら、搬送ベルト36の無端移動に伴って搬送し、用紙Pを定着装置40に受け渡す。
定着装置40内に送られた用紙Pは、無端状の定着ベルト41と加圧ローラ44との当接によって形成される定着ニップNに挟み込まれる。そして、加圧や加熱などの作用により、その表面にトナー像が定着される。
二次転写ニップで第一面にトナー像が転写され、且つ、定着装置40でその第一面にトナー像が定着された用紙Pは、搬送切替装置50に向けて送り出される。プリンタ100では、搬送切替装置50、再送路54、スイッチバック路55及びスイッチバック後搬送路56等により、再送手段が構成されている。搬送切替装置50は、定着装置40から受け取った用紙Pのその後の搬送先を、排紙路51と、再送路54とで切り替える。
具体的には、用紙Pの第一面だけに対して画像を形成する片面モードのプリントジョブの実行時には、搬送先を排紙路51に設定する。これにより、第一面だけに画像が形成された用紙Pを、排紙路51経由で排紙ローラ対52に送って、機外の排紙トレイ53上に排紙する。また、用紙Pの両面に対してそれぞれ画像を形成する両面モードのプリントジョブの実行時において、両面にそれぞれ画像が定着された用紙Pを定着装置40から受け取ったときにも、搬送先を排紙路51に設定する。これにより、両面に画像が形成された用紙Pを、機外の排紙トレイ53上に排紙する。
一方、両面モードのプリントジョブの実行時において、第一面だけに画像が定着された用紙Pを定着装置40から受け取ったときには、搬送先を再送路54に設定する。再送路54には、スイッチバック路55が繋がっており、再送路54に送られた用紙Pはこのスイッチバック路55に進入する。そして、用紙Pの搬送方向の全領域がスイッチバック路55に進入すると、用紙Pの搬送方向が逆転されて、用紙Pがスイッチバックする。
スイッチバック路55には、再送路54の他に、スイッチバック後搬送路56が繋がっており、スイッチバックした用紙Pは、このスイッチバック後搬送路56に進入する。このとき、用紙Pの上下が反転する。そして、上下反転した用紙Pは、スイッチバック後搬送路56と、上述した給紙路30とを経由して、二次転写ニップに再送される。二次転写ニップで第二面にもトナー像が転写された用紙Pは、定着装置40を経由して第二面にトナー像が定着させられた後、搬送切替装置50と、排紙路51と排紙ローラ対52とを経由して、排紙トレイ53上に排紙される。
図1は、定着装置40の概略構成図である。
図1に示す定着装置40は、ベルト定着方式であり、用紙Pの未定着トナーTが担持された表面に接触する定着部材として定着ベルト41を備える。定着ベルト41は、定着ベルト駆動ローラである定着ローラ42と、定着ベルト従動ローラである加熱ローラ43とに張架される。
定着ローラ42に回転駆動を入力する定着駆動手段は、定着駆動モータと減速ギア列とを備え、減速ギア列は、定着ローラ42の回転軸に固定された定着入力ギアに接続されている。定着駆動モータから回転駆動が入力され、定着ローラ42が図1中の時計回り方向(矢印「D」方向)に回転駆動することで、定着ベルト41が図1中の時計回り方向(矢印「F」方向)に回転走行する。
定着ベルト41は、PI(ポリイミド)層で形成される無端ベルトであって、外周表面にPFA(ポリテトラフルオロエチレン)膜等のオフセット防止剤がコーティングされたものである。
定着装置40は、定着ベルト41にテンションを与えるテンションローラ46を備える。テンションローラ46は、円筒形をしたアルミニウム管で形成される。
定着装置40は、加熱体である定着ヒータ45を内部空間に収容する回転体からなる加熱部材である加熱ローラ43を備える。
定着装置40は、定着ローラ42の下方に加圧部材としての加圧ローラ44を備える。加圧ローラ44は、定着ローラ42に対して定着ベルト41を挟んで対峙するように設けられており、加圧機構440により定着ベルト41を介して定着ローラ42に加圧される。
定着ローラ42と加圧ローラ44とは、定着ベルト41を挟んで対向して配置されるゴムローラである。加圧ローラ44が定着ベルト41を介して定着ローラ42の中心方向に加圧されることにより、加圧ローラ44と定着ベルト41との間で定着ニップNが形成される。
定着ローラ42、加圧ローラ44及び加熱ローラ43は、定着装置40の筐体400の長手方向(図1中の紙面に直行する方向)の両端で回転可能に軸支され、定着駆動モータ及びヒータランプは、筐体に固定保持されている。
加熱ローラ43の内部には熱源としての定着ヒータ45が設けられ、定着動作の際には、定着ヒータ45により加熱ローラ43が加熱され、定着ベルト41が加熱ローラ43によって加熱される。
定着ベルト41は、定着ローラ42が回転駆動することにより回転し、加圧ローラ44は定着ローラ42の回転駆動によって回転する定着ベルト41に連れ回り、図1中の反時計回り方向(矢印「E」方向)に回転する。このとき、定着ベルト41の外周面の表面移動速度と、加圧ローラ44の表面移動速度とは同速となる。
定着ベルト41の表面温度は公知の温度検知素子等からなる定着温度センサ415によって検出され、公知の温度制御部が定着温度センサ415の出力に基づいて定着ベルト41の表面温度が所定の温度になるように熱源である定着ヒータ45を制御する。定着ヒータ45の制御としては、ON/OFF制御またはPID制御等を用いる。
さらに、図1に示すように、定着装置40は、加圧ローラ44の表面を清掃する加圧ローラクリーニング装置410を備える。
また、定着装置40は、加圧ローラ44の表面温度を検出する加圧表面温度センサ445を備える。
未定着トナーTを担持した用紙Pは、定着ニップNに対して用紙Pの搬送方向上流側に配置された入口ガイド板47に沿って、図1中の矢印「α」で示すように定着装置40に搬入される。そして、定着ベルト41と加圧ローラ44とが定着ベルト41を介して形成するニップ部である定着ニップNを通過する。
互いに逆回転する加圧ローラ44と定着ベルト41とは、定着ニップNで同方向に表面移動し、用紙Pを挟持搬送する。このとき、所定の温度に制御されている定着ベルト41によって用紙Pに形成された未定着トナーTを加熱溶融させる。さらに、未定着トナーTが溶融した状態の用紙Pを定着ニップNで加圧することで、用紙P上の未定着トナーTを定着する。
定着ニップNを通過した用紙Pは、ニップ部出口で定着分離板48により定着ベルト41から分離され、定着ニップNに対して用紙Pの搬送方向下流側に配置された定着後搬送ローラ対49によって定着装置40の外に排出される。定着ニップNと定着後搬送ローラ対49との間の定着出口部には、用紙Pが所定のタイミングで通過していることを確認するために排紙センサ59を配置している。
以上が、プリンタ100における定着装置40の概略説明である。
定着後搬送ローラ対49を通過した用紙Pは、搬送切替装置50内の搬送経路及び排紙路51を通り、プリンタ100本体の外に送り出される。
加圧機構440は、加圧ローラ44の芯金である加圧ローラ軸44aを回転可能に保持し、加圧移動軸443を中心に回動可能な加圧移動レバー442と、加圧移動軸443を回動させる駆動を入力する加圧移動モータ441とを備える。加圧移動モータ441を駆動し、加圧移動軸443に固定された加圧移動レバー442を回動することで、定着ローラ42及び定着ベルト41に対して加圧ローラ44を接離する。
加圧ローラクリーニング装置410は、帯状清掃部材である清掃ウェブ11と、ウェブ保持軸11bと、ウェブ巻取軸11aと、ウェブ当接ローラ11cとを備える。清掃ウェブ11の一端はウェブ巻取軸11aに固定され、他端はウェブ保持軸11bに固定され、清掃ウェブ11のウェブ巻取軸11aとウェブ保持軸11bとの間の部分がウェブ当接ローラ11cによって加圧ローラ44の表面に押し付けられる。
加圧ローラクリーニング装置410は、加圧ローラ44に対してウェブ当接ローラ11cを接離するウェブ接離機構を備える。ウェブ当接ローラ11cを加圧ローラ44に当接させることにより、ウェブ当接ローラ11cに掛け回された清掃ウェブ11を加圧ローラ44に対して当接させることができる。また、ウェブ当接ローラ11cを加圧ローラ44から離間させることにより、清掃ウェブ11を加圧ローラ44から離間させることができる。
ウェブ巻取軸11aが図1中の矢印「G1」方向に回転駆動することで清掃ウェブ11を巻取り、清掃ウェブ11の加圧ローラ44と接触して清掃に使用された部分が図1中の矢印「G2」方向に移動し、未使用の部分が加圧ローラ44と接触する。清掃ウェブ11の未使用の部分はウェブ保持軸11bに巻きつけられている。そして、清掃ウェブ11が図1中の矢印「G2」方向に移動することで引っ張られ、ウェブ保持軸11bが図1中の矢印「G3」方向に回転し、清掃ウェブ11の未使用の部分が加圧ローラ44との接触部に向けて繰り出される。このような清掃部材として清掃ウェブ11を用いたクリーニング手段で加圧ローラ44の表面を清掃することで、加圧ローラ44に対して清掃部材の付着物の無い部分を用いて清掃し続けることが可能となる。よって、加圧ローラ44の表面に対するクリーニング性を維持することが可能となる。
定着装置40は、加圧ローラ44の表面を冷却する冷却機構450を備える。冷却機構450は、送風機451とダクト452とを備え、図1中の矢印「H」で示すように、定着装置40の外の空気を送風機451によって吸引し、ダクト452によって加圧ローラ44の表面近傍に案内する。これにより、加圧ローラ44の表面温度が過剰に上昇しないように空冷する。冷却機構450としては、特許文献1に記載の送風機によって空冷を行う冷却機構と同様のものを用いることができる。また、加圧ローラ44を冷却する構成としては、送風機を用いるものに限らず加圧ローラ44を冷却することができればよい。例えば、特開2008−203558号公報に記載された冷却フィンを用いる構成やペルティエ素子を用いる構成等を採用できる。
ここで従来の定着装置について説明する。
近年、画像形成装置の高生産性化やカラー化が急速に進展するとともに、両面印刷機構を備えたものも多く普及するに至っている。そのため、画像形成装置に搭載される定着装置においても、高速化への対応を一段と進める必要が生じている。近年では記録媒体を加熱する加熱部材が、複数の張架ローラによって張架されたフィルム状のベルト部材(定着ベルト)で構成された定着装置が知られている。
このような定着ベルトを用いた定着装置では、定着ニップに進入する前の定着ベルトを、張架ローラ内に配設されたヒータによって予め充分に加熱しておく。そして、定着ニップにおいては加熱された定着ベルトから記録媒体およびトナー像に熱を加えることでトナー像を記録媒体に定着している。このため、定着ベルトが定着処理の間に記録紙によって熱を奪われても、定着ベルト自体の熱容量が小さいことから、定着ベルトは張架ローラ内のヒータにより短時間で所定の定着可能温度まで回復させることが可能である。これにより、加熱部材として定着ベルトを用いた定着装置では、ニップ部内に進入する際の定着ベルトの温度を所定値に維持することが容易となり、画像形成装置が高速化されても、ニップ部に充分な熱量を供給することが可能である。
また近年は、高速印刷、封筒印刷への要求も高まっており、この要求を満たすため定着ニップを形成する加圧ローラの弾性化がなされている。加圧ローラを弾性化することによりニップ幅の増加及び平行ニップの形成が可能となり、これらによって、皺の低減が可能となる。
しかしながら、加圧ローラを弾性化することにより、従来よりも加圧ローラの弾性層の熱膨張量が増加する。このため、加圧ローラの形状が狙いのものとならない場合があり、このような場合には、定着ニップでの転写紙の搬送性能を悪化させてしまう。このような不具合を抑制する構成として、特許文献1に記載の定着装置のように、弾性加圧ローラを有する構成で、加圧ローラ温度を下げるための冷却機構を持つものがある。このような冷却機構により定着ニップに通紙する際の加圧ローラの表面温度の上昇を抑制し、加圧ローラの弾性層の熱膨張量が増加することを抑制できる。
さらに、加圧ローラの弾性層を厚肉化することで、加圧ローラの内部にヒータを搭載することが困難となる。このため、加圧ローラの弾性層を厚肉化した構成では、加圧ローラの温度上げる手段は、定着ベルトへの加圧動作によって定着ベルトから加圧ローラへ熱を伝播させる方法のみとなる。
一方、電子写真方式の画像形成装置により出力されるコピー画像に対しては、ますます高画質化への要求が高くなっている。印刷品質を確保するため、トナーを小径化、あるいは重合トナーのように球形化する方向がトレンドである。このようなトナーは従来のトナーと比較し、トナーに対して熱が伝わりにくく溶融しにくいため、低温オフセットが発生し易い。特に、非コート紙のような紙表面に凹凸のある用紙の場合には、低温オフセットは発生し易くなる。
低温オフセットによる付着物の除去方法としては、定着ニップを形成する部材に不織布等のクリーニングウェブを押し当て、定着ニップを形成する部材の表面を拭うようにしたクリーニング手段を設ける方法がある。
定着ニップを形成する部材をクリーニングウェブでクリーニングする定着装置では、一連の定着ジョブを終了するごとに、クリーニングウェブの新たな部分を、定着ニップを形成する部材の周面に送り出し、クリーニングを行うウェブの巻取りを実行する。これにより、クリーニングウェブの未使用の部分を用いてクリーニング対象の部材の表面を拭うことができ、クリーニング性の維持・向上を図ることができる。
しかしながら、上述した加圧ローラの表面温度を低く保つ構成では、加圧ローラに付着したオフセットトナーは溶融せずに固着した状態となり、この状態のトナーはクリーニングを十分に行うことが出来ないという問題が生じていた。
このような問題は、加圧ローラにヒータを持たない構成や加圧ローラに肉厚の弾性層を有する構成に限らず、定着時に加圧ローラの表面がトナーを溶融する温度よりも低温となる構成であれば、生じ得る問題である。
本実施形態の定着装置40では、未定着トナーTを用紙Pに定着する定着動作の後に、加圧ローラ44の表面温度が定着動作のときよりも高温となるように加熱し、加圧ローラクリーニング装置410によって清掃する定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する。
定着後加圧部材加熱清掃動作で、加圧ローラ44の表面温度をトナーの溶融温度以上とすることで、加圧ローラ44に固着したトナーが溶融し、加圧ローラクリーニング装置410で容易に除去することができるようになる。これにより、加圧ローラ44の表面にトナーが付着したままの状態となることを防止できる。
本実施形態の定着装置40では、定着後加圧部材加熱清掃動作として、次のような制御を実行する。
すなわち、プリンタ100における印刷動作終了後となる定着動作終了後に加圧ローラ44を定着ベルト41から離間させず、所定の時間、当接状態を維持する。さらに、この所定の時間の間は、加圧ローラクリーニング装置410の清掃ウェブ11の加圧ローラ44に対する当接状態も維持する。また、この所定の時間の間は、定着ヒータ45による定着ベルト41の加熱も継続する。
定着後加圧部材加熱清掃動作では、定着ヒータ45で定着ベルト41を加熱した状態で、定着ベルト41に対する加圧ローラ44の当接状態を維持することで、加圧ローラ44を加熱することができる。この当接状態を所定の時間維持することで、加圧ローラ44の表面温度が定着動作のときよりも高温となるように加熱でき、加圧ローラ44に固着したトナーを溶融できる。さらに、清掃ウェブ11の加圧ローラ44に対する当接状態を維持することで、溶融したトナーを清掃ウェブ11で除去することができる。
定着装置40の加圧ローラ44は外径が80[mm]のローラ部材であり、外径が60[mm]以下の円筒状の芯金に10[mm]以上のゴム弾性層を設けた構成である。また、ゴム弾性層の表層には用紙Pやトナー等の付着物が離型し易いように、PFA層が設けられている。
加圧ローラ44は、定着ローラ42の弾性層に対して硬度(ショア硬さ[Hs])が200[%]以下(二倍以下)の弾性層を芯金に設けている。
図3は、定着ローラ42に対して加圧ローラ44の硬度が高い場合と、低い場合とを比較する図面である。
定着ローラ42に対して加圧ローラ44の硬度が高過ぎる場合、定着ローラ42に加圧ローラ44が深くめり込み、図3(a)に示すように、定着ニップNが上に凸となる。定着ニップNが上に凸となると、定着ベルト41のニップを形成する部分の長さが加圧ローラ44のニップを形成する部分の長さよりも長くなり、定着ベルト41と加圧ローラ44との間で線速差が生じる。この線速差が生じると、定着ニップNを通過する用紙Pの上面に接触する定着ベルト41と下面に接触する加圧ローラ44とに線速差があることに起因して、用紙Pに皺が生じ易くなる。
一方、本実施形態の定着装置40は、定着ローラ42と加圧ローラ44とがともに弾性層を有し、加圧ローラ44の硬度が定着ローラ42の硬度の200[%]以下という条件を満たす。このため、定着ローラ42に対して加圧ローラ44を加圧することで二つのローラが互いに圧縮され、図3(b)に示すように定着ニップNが平行ニップとなる。平行ニップとは、ニップの上流側端部と下流側端部とがともに、加圧ローラ44の表面移動方向に直交する直線状で、ニップの上流側端部の直線と下流側端部の直線とが平行となるニップである。そして、図3(a)に示す上に凸となる定着ニップNよりもニップの形状が平面に近い形状となる。
平行ニップとなる定着ニップNでは、定着ベルト41のニップを形成する部分の長さと加圧ローラ44のニップを形成する部分の長さとが略同じとなり、定着ベルト41と加圧ローラ44との間で線速差が生じることを抑制できる。よって、線速差に起因して用紙Pに皺が生じることを抑制できる。
また、加圧ローラ44を弾性化することにより、任意の加圧力に対して加圧ローラ44が変形し易くなり、定着ニップNのニップ幅(表面移動方向の長さ)を広く確保することができる。
用紙Pが封筒である場合、平行ニップでニップ幅の広い定着ニップNが求められる。本実施形態の定着装置40では、加圧ローラ44の硬度が定着ローラ42の硬度の200[%]以下という条件を満たすことにより、平行ニップでニップ幅の広い定着ニップNを形成でき、封筒に対して良好な定着を行うことができる。
本実施形態の加圧ローラ44は、弾性層を形成する弾性体として、ゴム硬度が40[Hs]の材料を用い、加圧ローラ44としては、硬度が73[Hs]のローラ部材を形成した。また、定着ローラ42は、弾性層を形成する弾性体として、ゴム硬度が20[Hs]の材料を用い、定着ローラ42としては、硬度が42[Hs]のローラ部材を形成した。
定着装置40は、熱源である定着ヒータ45を有する加熱ローラ43と、金属芯金に弾性層を有し、内部に熱源を持たない定着ローラ42との間に張架される無端状の定着ベルト41を備える。また、金属の芯金に定着ローラ42に対して硬度が200[%]以下の弾性層を有し内部に熱源を持たない加圧ローラ44を、定着ベルト41を挟んで定着ローラ42に圧接して配置している。また、定着装置40は、定着ローラ42と加圧ローラ44とを加圧脱圧する接離機構である加圧機構440と、加圧ローラ44を冷却する冷却機構450と、加圧ローラ44の表面を、清掃ウェブ11を送って清掃する加圧ローラクリーニング装置410とを備える。
定着装置40では、定着ニップNに用紙Pを通紙させる定着動作の後の定着後加圧部材加熱清掃動作では、加圧ローラ44が定着ベルト41に当接した状態と、清掃ウェブ11が加圧ローラ44に当接した状態とを維持する。そして、定着後加圧部材加熱清掃動作では、加圧ローラ44の温度を所定の温度まで上げるために加圧ローラ44を定着ベルト41に当接させ続ける加温時間を、用紙Pの銘柄等の特性に応じて変更する。
定着装置40は、加圧機構440を備え、定着ベルト41を挟んで定着ローラ42に対して加圧ローラ44を当接させる必要がないときには、加圧ローラ44を定着ローラ42から離間させる。これにより、加圧ローラ44を定着ローラ42当接させることによる二つのローラの変形状態を解除することができ、加圧ローラ44及び定着ローラ42の寿命の向上を図ることができる。
定着装置40の加圧ローラ44は、10[mm]以上という肉厚の弾性層を有することで、定着ニップNとして、ニップ幅を広く確保した平行ニップを形成することができる。ニップ幅を広く確保することで、ニップ幅が狭いものに比べて用紙Pが定着ニップNを通過する時間を長くすることができ、高速印刷を行うプリンタ100であっても、定着に必要な時間を確保することが可能となり、定着性の向上を図ることができる。また、平行ニップを形成することで、用紙Pとして封筒を用いる場合でも、良好な定着を行うことができる。
加圧ローラ44として肉厚の弾性層を有する構成の場合、加圧ローラ44の内側に熱源を配置し、加圧ローラ44の表面が所望の温度となるように加熱すると、肉厚の弾性層の熱膨張による変形量が大きくなる。このような場合、弾性層の変形状態によって定着ニップNのニップ幅や形状が変動し、定着品質にばらつきが生じたり、定着ニップNにおける用紙Pの搬送性能が低下したりするおそれがある。
また、加圧ローラ44として軸方向中央部が軸方向両端部よりも外径の大きい鼓形状のローラ部材を用いた場合、熱膨張による変形量が大きくなると、所定の鼓形状が崩れて定着ニップNにおけるニップ圧の均一性が損なわれることがある。
これに対して、定着装置40は、定着ヒータ45を有する加熱ローラ43によって定着ベルト41を加熱し、定着ベルト41の熱によって用紙Pの表面上の未定着トナーTを定着する。このような構成により、加圧ローラ44の弾性層が熱膨張によって変形することを抑制し、定着ニップNのニップ幅や形状が変動することを抑制でき、定着品質の安定化及び搬送性能の維持を図ることができる。
定着装置40は、冷却機構450を備え、加圧ローラ44の表面温度が過剰に上昇することを防止でき、加圧ローラ44の表面温度が高過ぎることに起因するホットオフセットやトナーブリスターの発生を防止し、画像品質の低下を防止できる。また、また、加圧ローラ44の表面温度が過剰に上昇することを防止できることで、加圧ローラ44の熱膨張に起因する上述した不具合の発生も防止できる。
定着装置40は、加圧ローラクリーニング装置410を備え、清掃ウェブ11によって加圧ローラ44に付着したオフセットトナーを除去する。清掃ウェブ11の材質は、オフセットトナーを回収するためのオイルを含浸し得る材質を用いる。
加圧ローラクリーニング装置410は、ウェブ接離機構によって加圧ローラ44に対してウェブ当接ローラ11cを接離することで、清掃ウェブ11を加圧ローラ44から接離する。
加圧ローラ44からオフセットトナーを回収する場合、加圧ローラ44の表面上でトナーが溶融した状態であることが望ましい。しかし、本実施形態の定着装置40では、加圧ローラ44の表面温度が高過ぎることに起因する不具合の発生を防止する構成として、冷却機構450を備え、加圧ローラ44の表面を冷却している。このため、加圧ローラ44の表面ではオフセットトナーの温度が下がって固化し、トナーの固着が生じ易い。固着した状態のトナーは除去し難く、加圧ローラクリーニング装置410で除去しようとしても加圧ローラ44の表面にトナーが付着したままの状態となり易い。
加圧ローラ44の表面にトナーが付着したままとなると、加圧ローラ44の表面に付着したトナーの塊が経時で大きくなり、何らかの原因で加圧ローラ44から離脱すると、装置内汚染や用紙Pの裏汚れ、黒ポチ等の不具合の原因となる。
本実施形態の定着装置40では、プリンタ100における印刷動作終了後となる定着動作終了後に、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行し、加圧ローラ44の表面温度を上昇させた状態で加圧ローラクリーニング装置410によるクリーニングを行う。これにより、加圧ローラ44の表面で溶融して除去し易い状態となったトナーを加圧ローラクリーニング装置410で除去することができ、加圧ローラ44の表面にトナーが付着したままとなることを防止できる。よって、装置内汚染や用紙Pの裏汚れ、黒ポチ等の加圧ローラ44の表面にトナーが付着したままとなることに起因する不具合の発生を抑制できる。
本実施形態の定着装置40は、加圧ローラ44の表面温度の上昇を抑制する冷却機構450を備え、定着動作時には加圧ローラ44の表面を冷却している。また、加圧ローラ44の弾性層を厚肉化することで加圧ローラ44内にヒータ等の加熱手段を搭載することが困難となる。このため、定着後加圧部材加熱清掃動作の際に加圧ローラ44の温度を上げる構成として、加圧ローラ44を定着ベルト41に当接させ、定着ヒータ45から発生する熱が定着ベルト41を介して加圧ローラ44に伝播する構成を採用している。
定着後加圧部材加熱清掃動作の際に加圧ローラ44を加熱する構成としては、定着ベルト41を介して間接的に加圧ローラ44を加熱する構成に限らない。例えば、加圧ローラ44の外周面を加熱する加熱手段を定着ヒータ45とは別に備える構成や、加圧ローラ44の内部に加熱手段を備える構成としても良い。これらの構成では、印刷終了後に加圧ローラ44を加熱手段によって直接的に加熱することができる。
本実施形態の定着装置40のように定着ベルト41の熱によって加圧ローラ44を加圧する構成とすることにより、加圧ローラ44を加熱するための加熱手段を別途設ける必要がなくなり、低コスト化を図ることができる。
定着後加圧部材加熱清掃動作は、加圧ローラ44に付着したオフセットトナーを除去する制御であり、オフセットトナーが付着し易い条件で画像形成が行われた際に実行することが望ましい。
オフセットトナーが付着し易い条件としては、定着性の悪いトナーを用いる場合、用紙Pの平滑性が低い場合、ハーフトーン画像等のトナー同士の結合が弱い画像を形成する場合、などを挙げることができる。
以下、トナーオフセットの生じ易さに影響する条件として、用紙Pの種類に基づいて、定着後加圧部材加熱清掃動作の実行の要否を判断し、必要に応じて定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する制御について説明する。
図4は、定着後加圧部材加熱清掃動作の制御を行う構成のブロック図である。
制御部200は、使用者が操作パネル300から入力する、画像形成が行われる用紙Pの種類、坪量、用紙サイズ、銘柄、厚み等の用紙Pの特性を示すパラメータに基づいて定着後加圧部材加熱清掃動作の要否を判断する。
図5は、定着後加圧部材加熱清掃動作を行うフローチャートである。
プリンタ100での印刷動作が開始されると、印刷動作が終了したか否かの判断を行う(S11)。印刷動作が終了していない間(S11で「No」)は、定着装置40は通常の定着動作を継続する。印刷動作が終了すると(S11で「Yes」)、制御部200は印刷動作の間に通紙した用紙Pの特性を示すパラメータの情報を取得する(S12)。
次に、通紙した用紙Pが、非コート紙や表面に凹凸のある紙等、オフセットが発生し易い紙種か否か判断し、オフセットが生じ易い用紙Pの積算距離が定着後加圧部材加熱清掃動作を開始する閾値以上か否かを判断する(S13)。オフセットが生じ易い用紙Pの積算距離が閾値未満の場合(S13で「No」)は、定着後加圧部材加熱清掃動作を行わず、定着ローラ42から加圧ローラ44を離間させ、加圧ローラ44から清掃ウェブ11を離間させて(S17)、制御を終了する。
オフセットが生じ易い用紙Pの積算距離が閾値以上の場合(S13で「Yes」)は、定着後加圧部材加熱清掃動作を開始する(S14)。定着後加圧部材加熱清掃動作では、加圧表面温度センサ445によって加圧ローラ44の表面温度を検出し、目標温度に到達したか否かの判断を行う(S15)。目標温度に到達したことを検知すると(S15で「Yes」)、印刷動作が終了してから所定の加温時間が経過したか否かの判断を行う(S16)。加温時間が経過したことを検知すると(S16で「Yes」)、定着ローラ42から加圧ローラ44を離間させ、加圧ローラ44から清掃ウェブ11を離間させて(S17)、制御を終了する。
図5に示すステップ「S15」で目標温度に到達した後、ステップ「S16」で加温時間経過するまで加圧ローラ44を定着ベルト41に接触させたままの状態を継続させると、加圧ローラ44の温度が目標温度よりもさらに高温となる。加圧ローラ44が目標温度よりも高温となっていても、定着後加圧部材加熱清掃動作は固着したトナーを溶融させることが目的であるため、温度が高過ぎるということはほとんど生じない。また、通紙後、すなわち印刷動作後の制御であるため、画像品質に影響はない。さらに、加圧ローラ44は定着ベルト41によって加熱されるため、定着ベルト41の温度以上の温度となることはなく、加圧ローラ44の熱耐久性においても問題は生じない。
用紙Pの種類に応じて、印刷動作終了後に定着後加圧部材加熱清掃動作を実行することで画像品質、搬送品質を担保したまま、加圧ローラ44に付着したオフセットトナーを回収出来る。
また、通紙した用紙Pの情報を記憶しておき、その情報に基づいた平滑性等の用紙Pの特性に応じて定着後加圧部材加熱清掃動作における加温時間を変更する構成としてもよい。
Figure 2019020627
表1は、用紙Pの平滑性に応じて加温時間を変更する制御テーブルの一例を示す。表1に示す例では、坪量が少ないほど加温時間を長くし、坪量が同じ場合は、トナーオフセットが生じ易い非コート紙の場合にコート紙の場合よりも加温時間を長くする制御を行う。平滑性等の用紙Pの特性に応じて加温時間を変更することで、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する時間の適切化を図り、オフセットが生じ難い用紙Pの条件でのダウンタイムを短縮することができる。
定着後加圧部材加熱清掃動作としては、印刷動作終了までに通紙した用紙Pの銘柄等の特性に応じて、加圧ローラ44に対する清掃ウェブ11の当接量を変更する構成としてもよい。
Figure 2019020627
表2は、用紙Pの平滑性に応じて加圧ローラ44に対する清掃ウェブ11の当接量を変更する制御テーブルの一例を示す。表2では、ウェブ当接ポジションの数字が大きいほど、加圧ローラ44に対する清掃ウェブ11の当接圧が大きいことを示している。表2に示す例では、トナーオフセットが生じ易い非コート紙の場合に加圧ローラ44に対する清掃ウェブ11の当接圧を大きくする制御を行う。
表2に示す制御により、例えば凹凸紙のような平滑性が低く、トナーオフセットが発生し易い種類の用紙Pに印刷した後の定着後加圧部材加熱清掃動作では、加圧ローラ44に対する清掃ウェブ11の当接圧を高くし、オフセットトナーの回収力を高める。逆にコート紙のような平滑性が高くトナーオフセットが発生し難い種類の用紙Pに印刷した後の定着後加圧部材加熱清掃動作では、当接圧を低くする。
加圧ローラ44に対して高い当接圧で清掃ウェブ11を当接させることは、加圧ローラ44と清掃ウェブ11との両方の寿命を早めることになる。表2に示す制御により、用紙Pの特性に応じた適切な当接圧を保つことができる。詳しくは、オフセットが生じ易い条件では当接圧を高くして良好なクリーニング性を得つつ、オフセットが生じ難い条件では当接圧を低くして加圧ローラ44と清掃ウェブ11との寿命の低下を抑制できる。
定着後加圧部材加熱清掃動作としては、印刷動作終了までに通紙した用紙Pの銘柄等の特性に応じて、加圧ローラ44表面の目標温度を変更する構成としてもよい。
Figure 2019020627
表3は、用紙Pの平滑性に応じて定着後加圧部材加熱清掃動作での加圧ローラ44表面の目標温度を変更する制御テーブルの一例を示す。表3に示す例では、平滑性等の用紙Pの特性に応じて、印刷動作終了後の当接状態を維持している間(定着後加圧部材加熱清掃動作の間)の加圧ローラ44の目標温度を設定する。具体的には、坪量が少ないほど加圧ローラ44の目標温度を高くし、坪量が同じ場合は、トナーオフセットが生じ易い凹凸のある紙や非コート紙の場合にコート紙の場合よりも加圧ローラ44の目標温度を高くする制御を行う。
トナーオフセットが生じ易い用紙Pを通紙した後は、目標温度を高く設定し、加圧ローラ44に固着しているオフセットトナーを溶融させ、回収性を向上する。一方、トナーが加圧ローラ44に固着し難いコート紙などを通紙した後は、目標温度を低く設定する。これにより、加圧ローラ44が目標温度に到達するまでの時間を短縮し、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する時間の適切化を図り、オフセットが生じ難い用紙Pの条件でのダウンタイムを短縮することができる。
定着後加圧部材加熱清掃動作を行う定着装置40では、印刷動作終了までに通紙した用紙Pの銘柄等の特性に応じて、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行するか否かを判断する閾値を変更する構成としてもよい。
Figure 2019020627
表4は、用紙Pの平滑性に応じて定着後加圧部材加熱清掃動作を行うか否かを判断する閾値を変更する制御テーブルの一例を示す。表4に示す例では、平滑性等の用紙Pの特性に応じて、閾値を設定する。具体的には、坪量が少ないほど定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する閾値を高くする。また、坪量が同じ場合は、トナーオフセットが生じ易い凹凸のある紙や非コート紙の場合に、コート紙の場合よりも定着後加圧部材加熱清掃動作を行うか否かを判断する閾値を小さくする制御を行う。
定着装置40では、定着後加圧部材加熱清掃動作の実行可否のトリガーは通紙枚数或いは通紙時間とし、その閾値を用紙Pの特性に応じて設定する。例えば、凹凸のある紙や非コート紙等のトナーオフセットが発生し易い条件では閾値を小さく設定、コート紙のようにトナーオフセットが発生し難い条件では閾値を大きく設定する。トナーオフセットが発生し易い紙を通紙した際には、定着後加圧部材加熱清掃動作を頻繁に実行し、画像品質を保つ。トナーオフセットが発生し難い紙を通紙した際には、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する間隔を広げることで、部材寿命への影響を低減することが出来る。
定着後加圧部材加熱清掃動作を行う定着装置40では、印刷動作終了までに通紙した用紙Pの銘柄等の特性に応じて、清掃ウェブ11を巻き取る量を変更する構成としてもよい。
Figure 2019020627
表5は、用紙Pの平滑性に応じて定着後加圧部材加熱清掃動作での清掃ウェブ11の巻取り量を変更する制御テーブルの一例を示す。表5に示す例では、用紙Pの坪量が少ないほど清掃ウェブ11の巻取り量を多くし、坪量が同じ場合は、トナーオフセットが生じ易い凹凸のある紙や非コート紙の場合にコート紙の場合よりも清掃ウェブ11の巻取り量を多くする制御を行う。
加圧ローラクリーニング装置410は、定着ニップNを通過した用紙Pに形成された画像の印字率の積算値が閾値以上となったときにウェブ巻取モータを駆動し、ウェブ巻取軸11aを回転駆動して清掃ウェブ11を巻取る。これにより、清掃ウェブ11の未使用の部分を加圧ローラ44に接触させる。この巻取り量が回収するオフセットトナーに対して少ない場合、回収し損ねたオフセットトナーが再び加圧ローラ44上に戻され、異常画像の原因となってしまう。例えば、凹凸のある紙や非コート紙を通紙した場合には、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行して回収するオフセットトナーの量が多くなる。このような場合、清掃ウェブ11の巻取り量を多くすることで、順次新しい面でオフセットトナーを回収することができ、良好なクリーニング性を維持できる。一方、コート紙のような比較的回収するオフセットトナー量が少ない紙を通紙した場合には、清掃ウェブ11の長寿命化のために巻取り量は少なくする。
定着後加圧部材加熱清掃動作を行う定着装置40では、印刷動作終了までに通紙した用紙Pの銘柄等の特性に応じて、定着ベルト41表面の目標温度を変更する構成としてもよい。
Figure 2019020627
表6は、用紙Pの平滑性に応じて定着後加圧部材加熱清掃動作での定着ベルト41の目標温度を変更する制御テーブルの一例を示す。表6に示す例では、坪量が少ないほど定着ベルト41の目標温度を高くし、坪量が同じ場合は、トナーオフセットが生じ易い凹凸のある紙や非コート紙の場合にコート紙の場合よりも定着ベルト41の目標温度を高くする制御を行う。
通紙した用紙Pの特性に応じて定着ベルト41の目標温度を変更することで、定着ベルト41から熱を受け取る側の加圧ローラ44が目標温度に到達するまでの時間を短縮し、定着後加圧部材加熱清掃動作によるダウンタイムを縮めることが出来る。例えば、比較的トナーオフセットの発生しやすい凹凸のある紙や非コート紙を通紙した際には、定着後加圧部材加熱清掃動作での定着ベルト41の目標温度を高く設定することで、定着ベルト41から加圧ローラ44への熱の伝播を早くすることができる。
また、本実施形態の定着装置40の加圧ローラクリーニング装置410は、ウェブ接離機構を備え、加圧ローラ44に対して清掃ウェブ11を加圧脱圧可能な構成になっている。このため、印刷した用紙Pの情報及び印刷した画像の情報等の印刷条件を記憶し、記憶した印刷条件に応じて最適なクリーニング動作を実行することにより、より効率的にオフセットトナーを回収することが可能となる。
また、定着後加圧部材加熱清掃動作は、通紙後に加圧ローラ44の温度を上げる制御のため、通紙前に加圧ローラ44が熱によって変形することを抑制でき、定着ニップNを通過する用紙Pにストレスを与えることなく通紙が可能となる。このため、定着装置40での搬送性能を高めることが出来る。
図6は、定着後加圧部材加熱清掃動作を行う他の例のフローチャートである。
プリンタ100での印刷動作が開始されると、印刷動作が終了したか否かの判断を行う(S21)。印刷動作が終了していない間(S21で「No」)は、定着装置40は通常の定着動作を継続する。印刷動作が終了すると(S21で「Yes」)、制御部200は印刷動作の間に通紙した用紙Pの特性を示すパラメータの情報を取得する(S22)。
次に、通紙した用紙Pが、非コート紙や表面に凹凸のある紙等、オフセットが発生し易い紙種か否か判断し、オフセットが生じ易い用紙Pの通紙の積算距離が定着後加圧部材加熱清掃動作を開始する閾値以上か否かを判断する(S23)。オフセットが生じ易い用紙Pの積算距離が閾値未満の場合(S23で「No」)は、定着ローラ42から加圧ローラ44を離間させ、加圧ローラ44から清掃ウェブ11を離間させて(S26)、制御を終了する。
オフセットが生じ易い用紙Pの通紙の積算距離に閾値を設け、オフセットが生じ易い用紙Pの積算距離が閾値以上の場合(S23で「Yes」)は、定着後加圧部材加熱清掃動作を開始する(S24)。定着後加圧部材加熱清掃動作では、通紙後に所定の当接維持時間を経過するまでは当接状態を維持する。これにより、当接維持時間を経過するまで加圧ローラ44の加熱を行うことができる。所定の当接維持時間を経過した後(S25で「Yes」)は、定着ローラ42から加圧ローラ44を離間させ、加圧ローラ44から清掃ウェブ11を離間させて(S26)、制御を終了する。
図5に示す制御を行う構成では、通紙後に定着ベルト41に対する加圧ローラ44の当接状態と、加圧ローラ44に対する清掃ウェブ11の当接状態とを維持する。さらに、この当接状態を維持する当接維持時間と、通紙の積算距離に対し閾値とを予め設定しておき、オフセットが生じ易い用紙Pの通紙の積算距離が閾値以上になったときに、通紙後、当接維持時間が経過まで上述した当接状態を維持する。
通紙した用紙Pの特性に応じて、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行するか否かの判断を行ったり、定着後加圧部材加熱清掃動作を行う場合の当接維持時間を変更したりする。これにより、通紙した用紙Pの特性によって加圧ローラ44に付着したオフセットトナーを回収するタイミングの適正化、及び、定着後加圧部材加熱清掃動作が必要以上に繰り返し実行されることによるダウンタイムを短縮することができる。
定着装置40での定着後加圧部材加熱清掃動作の制御内容を、紙種紙厚毎あるいは用紙銘柄毎に選択する構成としてもよい。例えば凹凸紙のような平滑性が低く、トナーオフセットが発生し易い用紙Pを通紙した後には定着後加圧部材加熱清掃動作を実行し、オフセットトナーの回収力を高める。逆にコート紙のような平滑性が高くトナーオフセットが発生しにくい用紙Pを通紙した後には定着後加圧部材加熱清掃動作を実行しない。これにより、トナーオフセットが発生し難い用紙Pの通紙後に定着後加圧部材加熱清掃動作が実行されることによるダウンタイムの発生を抑制できる。
Figure 2019020627
制御テーブルの一例を表7に示す。表7中の「0」は、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行しない制御であり、表7中の「1」は、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する制御である。
例えば、非コート紙の坪量が80[gsm]の用紙Pの場合は表7では「1」であり、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する。コート紙の場合は坪量に関係なく「0」であり、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行しない。また、用紙Pの銘柄によって制御を変更する場合は、銘柄毎に「0」あるいは「1」を予め設定し、制御部200の記憶部に記憶する。
定着装置40としては、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行した時点、通紙後に定着後加圧部材加熱清掃動作が不要と判断された時点、または、通紙(定着動作)中の中断動作を実行した時点で用紙Pの通紙の積算距離をリセットする。中断動作は、作像中にプリンタ100の電源が「OFF」になった場合や異常動作を検知した場合、サービスマンコールやジャム、トナー切れが生じた場合などに実行される。用紙Pの通紙の積算距離をリセットすることで、次の通紙の走行距離が閾値以下で使われたときに、不要な定着後加圧部材加熱清掃動作を誤って実行してしまうことを防止でき、ダウンタイムの発生を防止できる。
図5に示す制御では一回の通紙(印刷ジョブ)の間に、積算距離が閾値を超えた場合に定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する。これは、直前の通紙よりも前の通紙では、どのような画像を通紙したか不明である(例えば、白紙に近い画像であれば定着後加圧部材加熱清掃動作は不要)ため、直前の通紙よりも前の通紙の積算距離を記憶しておく必要がない、という考えに基づく。このため、通紙後に定着後加圧部材加熱清掃動作が不要と判断された時点、または、通紙(定着動作)中の中断動作を実行した時点で用紙Pの通紙の積算距離をリセットする。
通紙後に定着後加圧部材加熱清掃動作が不要と判断された場合は、直前の通紙よりも前の通紙の画像情報が不明であるため、積算距離のリセットを行う。中断動作を実行した場合は、一度リロード動作が入り、その際に清掃ウェブ11によるクリーニングの動作が入るため積算距離を記憶しておく必要はないため、積算距離のリセットを行う。
定着装置40としては、定着後加圧部材加熱清掃動作の実行中は新たな通紙や調整動作などの他の動作の割り込みを禁止する構成としてもよい。
定着動作終了後に加圧ローラ44を定着ベルト41に圧接させて一定時間回転させる定着後加圧部材加熱清掃動作の実行中には、加圧ローラ44の表面上に付着したトナーを溶融させて除去することを優先させる。このため、定着装置40及びプリンタ100を待機状態に移行させる動作や、新たな通紙を開始する動作、リロード等の他の動作への移行を禁止する。
当接状態を維持する定着後加圧部材加熱清掃動作が完了するまで通紙や調整動作などの割り込みを禁止することにより、定着後加圧部材加熱清掃動作による加圧ローラ44上のトナー除去を他の動作に対して優先して実行することができる。これにより、加圧ローラ44の表面にトナーが付着したままの状態となることを防止できる。
定着装置40としては、装置の設置環境の温度を検出する環境温度センサ455を設け、定着後加圧部材加熱清掃動作の制御内容を変更する構成としても良い。
Figure 2019020627
制御テーブルの一例を表8に示す。表8に示す制御テーブルを用いる構成では、室内の環境温度から環境区分を分割し、その環境区分に応じて、定着後加圧部材加熱清掃動作を行う時間である当接維持時間を自動的に切り替える。例えば、環境温度が25[℃]の場合は、30[秒間]、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する。
通紙する前の用紙Pの温度によってオフセットトナーの発生量が異なるため、周囲環境によって切り替えることで、定着後加圧部材加熱清掃動作の際のクリーニング性能を周囲環境によらず一定にできる。
定着装置40としては、積算距離を記録媒体である用紙Pの搬送距離に所定の係数である積算比率を掛けて積算することで算出するものとし、用紙Pの紙種紙厚毎あるいは銘柄毎に積算比率を変更する構成としてもよい。
Figure 2019020627
制御テーブルの一例を、表9に示す。表9に示す制御テーブルを用いる構成では、下記(1)式に基づいて積算距離が定着後加圧部材加熱清掃動作を開始する閾値以上か否かを判断する。
Σ(「通紙方向の長さ」×『紙種紙厚毎の積算比率「γ」』÷100)≧開始閾値
・・・・(1)
制御部200は、定着ニップNを通過した用紙Pの通紙方向の長さをカウントし、用紙Pの紙種紙厚毎に通紙方向の長さに対して積算比率「γ」を設定し、重み付けを行って算出した積算距離(上記(1)式の左辺)を開始閾値(上記(1)式の右辺)と比較する。
算出した積算距離が開始閾値以上となった場合、定着動作の後に定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する。
この構成では、用紙Pの紙種紙厚毎に積算比率を設定し、オフセットし易い用紙Pの通紙距離に対し、より大きな値の積算比率を掛けて積算することで用紙P毎に最適なタイミングで定着後加圧部材加熱清掃動作を実行できる。
例えば、表9中の紙種が「非コート紙」で紙厚が「2」のように積算比率が200[%]とすれば、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行すると判断するのに必要な通紙枚数は、積算比率が100[%]の場合に対して1/2倍となる。また、表9中の紙種が「非コート紙」で紙厚が「5」のように積算比率が50[%]とすれば、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行すると判断するのに必要な通紙枚数は、積算比率が100[%]の場合に対して2倍となる。
記憶された用紙Pの情報が、用紙Pの銘柄の場合は、銘柄毎に積算比率を「0[%]」〜「1000[%]」で予め設定しておく。積算比率が「0[%]」の場合は、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行しない設定である。
上述した実施形態では、定着動作の後に、定着動作のときよりも表面温度が高温となるように加熱され、清掃される被清掃体が加圧ローラ44である場合について説明した。定着動作のときよりも表面温度が高温となるように加熱されて清掃される被清掃体としては定着ベルト41等の定着部材であってもよい。
上述した実施形態では、本発明を適用した画像形成装置が電子写真方式のプリンタである場合について説明したが、プリンタに限らず、複写機等の他の電子写真方式の画像形成装置であってもよい。また、電子写真方式に限らずインクジェット方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用も可能である。インクジェット方式を用いた画像形成装置としては、例えば記録媒体(用紙)上に担持された未乾燥インク像を乾燥する定着装置への適用がある。この場合、画像形成物質であるインクが付着し得る被清掃体を定着動作の後に、定着動作時よりも高温となるように加熱し、付着したインクを軟化させて清掃手段によって清掃する。これにより、被清掃体の表面に画像形成物質が付着したままの状態となることを防止できる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
用紙P等の記録媒体のトナー像等の未定着画像が形成された面に接触して未定着画像を定着する定着ベルト41等の定着部材と、定着部材を加熱する定着ヒータ45等の定着加熱手段と、定着部材との間で記録媒体を挟持する定着ニップN等の定着ニップを形成する加圧ローラ44等の加圧部材と、加圧部材の表面を清掃する加圧ローラクリーニング装置410等の加圧清掃手段とを備える定着装置40等の定着装置において、未定着画像の定着を行う定着動作の後に、加圧部材の表面温度が定着動作のときよりも高温となるように加熱して、加圧清掃手段によって清掃する定着後加圧部材加熱清掃動作を実行することを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、加圧部材の表面温度が定着動作のときよりも高温となるように加熱し、トナー等の画像形成物質の溶融温度以上とすることで、加圧部材に固着した画像形成物質を溶融できる。そして、画像形成物質が溶融した状態の加圧部材を加圧清掃手段によって清掃することで、画像形成物質を容易に除去することができ、加圧部材の表面に画像形成物質が付着したままの状態となることを防止できる。
(態様B)
態様Aにおいて、用紙P等の記録媒体の紙種、紙厚及び銘柄等の情報に基づいて定着後加圧部材加熱清掃動作における加圧ローラ44等の加圧部材の加熱条件を変更することを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、トナー等の画像形成物質が加圧部材に移行し易い記録媒体に対して定着動作を行った場合は、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する。これにより、加圧部材の表面に画像形成物質が付着したままの状態となることを防止できる。また、画像形成物質が加圧部材に移行し難い記録媒体に対して定着動作を行った場合は、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行しない。これにより、画像形成物質が加圧部材に付着し難い条件でのダウンタイムの短縮を図ることができる。
(態様C)
態様AまたはBにおいて、装置の設置環境の温度等の設置環境条件の検出結果に基づいて定着後加圧部材加熱清掃動作における当接維持時間等の加圧部材の加熱条件を変更することを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、加熱条件を設置環境の条件に基づいて切り替えることで、定着後加圧部材加熱清掃動作の際の清掃性能を設置環境に寄らず一定にできる。
(態様D)
態様BまたはCにおいて、変更する加熱条件が、加圧ローラ44等の加圧部材の目標温度であることを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、トナー等の画像形成物質が加圧部材に移行し易い用紙P等の記録媒体に対して定着動作を行った場合は、定着後加圧部材加熱清掃動作における加圧部材の目標温度を高く設定する。これにより、加圧部材の表面に固着した画像形成物質を溶融させ、回収性を向上する。また、画像形成物質が加圧部材に移行し難い記録媒体に対して定着動作を行った場合は、定着後加圧部材加熱清掃動作における加圧部材の目標温度を低く設定する。これにより、加圧部材が目標温度に到達するまでの時間を短縮し、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する時間の適切化を図り、加圧部材に画像形成物質が移行し難い記録媒体の条件でのダウンタイムを短縮することができる。
(態様E)
態様B乃至Dの何れかの態様において、変更する加熱条件が、加圧ローラ44等の加圧部材に対する加熱時間であることを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する時間の適切化を図り、加圧部材に画像形成物質が移行し難い用紙P等の記録媒体の条件でのダウンタイムを短縮することができる。
(態様F)
態様A乃至Eの何れかの態様において、定着ベルト41等の定着部材に対して加圧ローラ44等の加圧部材を接離する加圧機構440等の接離機構を備え、定着後加圧部材加熱清掃動作の際には、定着部材に加圧部材を接触させた状態を維持し、定着ヒータ45等の定着加熱手段により加熱された定着部材によって加圧部材を加熱することを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、定着加熱手段によって加圧部材を加熱することが可能となり、加圧部材を加熱するための手段が不要となる。また、加圧部材として弾性層を有するローラ部材を用いる場合、定着部材によって加圧部材の表面を加熱することにより、加圧部材の弾性層を表面以上の温度に加熱する必要がなくなり、弾性層が熱膨張によって変形することを抑制できる。さらに、接離機構を制御して定着部材に対する加圧部材の接触時間を変更することにより、定着後加圧部材加熱清掃動作の際の加圧部材の加熱時間等の加熱条件を変更することが可能となる。
(態様G)
態様Fにおいて、用紙Pの記録媒体の銘柄等の特性の情報に基づいて定着後加圧部材加熱清掃動作における定着ベルト41等の定着部材の目標温度を変更することを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、定着動作を行った記録媒体の情報に応じて定着部材の目標温度を変更することで、定着部材から熱を受け取る側の加圧ローラ44等の加圧部材が目標温度に到達するまでの時間の短縮を図ることができる。このため、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行することによるダウンタイムを短縮することが出来る。
(態様H)
態様A乃至Gの何れかの態様において、加圧ローラ44等の加圧部材を冷却する冷却機構450等の冷却手段を備えることを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、加圧部材の表面温度が過剰に上昇することを防止でき、加圧部材の表面温度が高過ぎることに起因するホットオフセットやトナーブリスターの発生を防止し、画像品質の低下を防止できる。
(態様I)
態様A乃至Hの何れかの態様において、加圧ローラクリーニング装置410等の加圧清掃手段は、加圧ローラ44等の加圧部材に接触する清掃ウェブ11等の帯状清掃部材と、帯状清掃部材を移動させ、帯状清掃部材における加圧部材に接触する箇所を異ならせるウェブ巻取モータ及びウェブ巻取軸11a等の清掃部材移動機構とを備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、加圧部材に対して帯状清掃部材の付着物の無い部分を用いて清掃し続けることが可能となり、加圧部材の表面に対するクリーニング性を維持することが可能となる。
(態様J)
態様Iにおいて、用紙Pの銘柄等の記録媒体の情報に基づいて、ウェブ巻取モータ及びウェブ巻取軸11a等の清掃部材移動機構による清掃ウェブ11等の帯状清掃部材の移動量を変更することを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、トナー等の画像形成物質が加圧部材に移行し易い用紙P等の記録媒体に対して定着動作を行った場合は、帯状清掃部材の移動量を大きく設定することで良好なクリーニング性を維持できる。一方、画像形成物質が加圧部材に移行し難い記録媒体に対して定着動作を行った場合は、帯状清掃部材の移動量を小さく設定することで、帯状清掃部材の使用量を抑制でき、帯状清掃部材の長寿命化を図ることができる。
(態様K)
態様A乃至Jの何れかの態様において、加圧ローラクリーニング装置410等の加圧清掃手段は、加圧ローラ44等の加圧部材に接触する清掃ウェブ11等の清掃部材を備え、用紙P等の記録媒体の情報に基づいて、定着後加圧部材加熱清掃動作の際の加圧部材に対する清掃部材の接触圧を変更する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、トナー等の画像形成物質が加圧部材に移行し易い用紙P等の記録媒体に対して定着動作を行った場合は、当接圧等の接触圧を高くして良好なクリーニング性を得ることができる。一方、画像形成物質が加圧部材に移行し難い記録媒体に対して定着動作を行った場合は、接触圧を低くして加圧部材と清掃部材との寿命の低下を抑制できる。
(態様L)
態様A乃至Kの何れかの態様において、定着後加圧部材加熱清掃動作の実行の可否を判断する用紙P等の記録媒体の搬送数(積算距離等)の閾値、または、搬送時間の閾値を、記録媒体の情報に基づいて変更することを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、定着を行った記録媒体の特性によって加圧ローラ44等の加圧部材に付着した画像形成物質を回収するタイミングの適正化を図ることができる。また、記録媒体の特性によっては定着後加圧部材加熱清掃動作を実行しないことで、定着後加圧部材加熱清掃動作が繰り返し実行されることによるダウンタイムを短縮することができる。
(態様M)
態様A乃至Lの何れかの態様において、用紙P等の記録媒体の搬送距離の積算距離に対して閾値を設け、積算距離が閾値以上となったときに定着後加圧部材加熱清掃動作を実行する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、積算距離が閾値以上となったときに定着後加圧部材加熱清掃動作を実行することで加圧ローラ44等の加圧部材に付着した画像形成物質を回収するタイミングの適正化を図ることができる。また、積算距離が閾値未満のときには、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行しないことで、定着後加圧部材加熱清掃動作が繰り返し実行されることによるダウンタイムを短縮することができる。
(態様N)
態様Mにおいて、積算距離は、用紙P等の記録媒体の搬送距離に積算比率等の所定の係数を掛けて積算することで算出し、記録媒体の情報に基づいて、所定の係数を変更することを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、記録媒体毎に最適なタイミングで定着後加圧部材加熱清掃動作を実行できる。
(態様O)
態様MまたはNにおいて、定着後加圧部材加熱清掃動作を実行したとき、定着動作の終了後に定着後加圧部材加熱清掃動作を実行しなかったとき、及び、定着動作の中断動作があったときに、積算距離をリセットすることを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、不要な定着後加圧部材加熱清掃動作を誤って実行してしまうことを防止でき、ダウンタイムの発生を防止できる。
(態様P)
態様A乃至Oの何れかの態様において、用紙P等の記録媒体の情報に基づいて、定着後加圧部材加熱清掃動作の実行の可否を判断する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、記録媒体毎に最適なタイミングで定着後加圧部材加熱清掃動作を実行でき、さらに、不要な定着後加圧部材加熱清掃動作を誤って実行してしまうことを防止してダウンタイムの発生を防止できる。
(態様Q)
態様A乃至Pの何れかの態様において、定着後加圧部材加熱清掃動作の実行時には他の動作への移行を禁止する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、定着後加圧部材加熱清掃動作による加圧ローラ44等の加圧部材上のトナー等の画像形成物質の除去を他の動作に対して優先して実行することができる。これにより、加圧部材の表面に画像形成物質が付着したままの状態となることを防止できる。
(態様R)
態様A乃至Qの何れかの態様において、定着部材は、無端ベルトからなる定着ベルト41等の定着ベルトであり、定着ヒータ等の定着加熱手段を有する加熱ローラ43等の加熱ローラと、内部に熱源を持たず、芯金に弾性層を設けた構造で加圧部材との間に定着部材を挟んで定着ニップN等の定着ニップを形成する定着ローラ42等の定着ローラとの間に定着ベルトを張架し、加圧部材は、定着ローラの弾性層に対して硬度が200[%]以下の弾性層を芯金に設けた加圧ローラ44等の加圧ローラであることを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、定着ベルトを用いる構成では、定着ベルトの温度を所定値に維持することが容易となり、画像形成装置が高速化されても、定着ニップN等のニップ部に充分な熱量を供給することが可能となる。また、定着ローラの弾性層に対して硬度が200[%]以下の弾性層を芯金に設けた加圧ローラを用いることで、平行ニップでニップ幅の広い定着ニップを形成でき、皺の発生を抑制し、且つ、画像形成装置の高速化に対応することができる。
(態様S)
トナー等の画像形成物質が表面に付着し得る加圧ローラ44等の被清掃体と、被清掃体の表面を清掃する加圧ローラクリーニング装置410等の清掃手段とを備え、未定着の画像形成物質を用紙P等の記録媒体に定着する定着装置40等の定着装置において、未定着の前記画像形成物質の定着を行う定着動作の後に、被清掃体の表面温度が定着動作のときよりも高温となるように加熱して、清掃手段によって清掃する定着後被清掃体加熱清掃動作を実行することを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、被清掃体の表面温度が定着動作のときよりも高温となるように加熱し、画像形成物質の溶融温度以上とすることで、被清掃体に固着した画像形成物質を溶融できる。そして、画像形成物質が溶融した状態の被清掃体を清掃手段によって清掃することで、画像形成物質を容易に除去することができ、被清掃体の表面に画像形成物質が付着したままの状態となることを防止できる。
態様Sに係る定着装置を備える画像形成装置が、インクジェット方式の画像形成装置である場合、画像形成物質であるインクが付着し得る被清掃体は、記録媒体に搬送力を付与する搬送ローラ等の搬送部材やインクを乾燥させる際にインクに接触し得る部材である。このようなインクジェット方式の画像形成装置が備える定着装置であっても、被清掃体の表面温度を定着動作のときよりも高温となるように加熱して清掃することで、被清掃体の表面に画像形成物質が付着したままの状態となることを防止できる。
(態様T)
用紙P等の記録媒体に画像を形成する画像形成部110等の画像形成手段と、記録媒体に前記画像を定着させる定着手段とを備えるプリンタ100等の画像形成装置において、定着手段として、態様A乃至Sの何れかの態様に係る定着装置40等の定着装置を備えることを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、装置内汚染や用紙Pの裏汚れ、黒ポチ等の加圧部材または被清掃体の表面に画像形成物質が付着したままとなることに起因する不具合の発生を抑制できる。
1 光書込ユニット
1YM 第一光書込ユニット
1CK 第二光書込ユニット
2 作像ユニット
3 感光体
3Y イエロー用感光体
3C シアン用感光体
3K ブラック用感光体
3M マゼンタ用感光体
4 現像装置
5 帯電装置
6 ドラムクリーニング装置
11 清掃ウェブ
11a ウェブ巻取軸
11b ウェブ保持軸
11c ウェブ当接ローラ
30 給紙路
31 転写前搬送路
32 手差し給紙路
33 手差しトレイ
34 レジストローラ対
35 搬送ベルトユニット
36 搬送ベルト
37 搬送駆動ローラ
38 搬送従動ローラ
40 定着装置
41 定着ベルト
42 定着ローラ
43 加熱ローラ
44 加圧ローラ
44a 加圧ローラ軸
45 定着ヒータ
46 テンションローラ
47 入口ガイド板
48 定着分離板
49 定着後搬送ローラ対
50 搬送切替装置
51 排紙路
52 排紙ローラ対
53 排紙トレイ
54 再送路
55 スイッチバック路
56 スイッチバック後搬送路
59 排紙センサ
60 一次転写ユニット
61 中間転写ベルト
62 一次転写ローラ
64 トナー付着量検知センサ
68 二次転写バイアスローラ
72 接地従動ローラ
75 中間転写ベルトクリーニング装置
76 二次ベルトクリーニング装置
77 二次転写ベルト
78 二次転写ユニット
79 二次転写駆動ローラ
100 プリンタ
101 第一給紙カセット
101a 第一給送ローラ
102 第二給紙カセット
102a 第二給送ローラ
103 トナーボトル
110 画像形成部
120 給紙部
200 制御部
300 操作パネル
400 筐体
410 加圧ローラクリーニング装置
415 定着温度センサ
440 加圧機構
441 加圧移動モータ
442 加圧移動レバー
443 加圧移動軸
445 加圧表面温度センサ
450 冷却機構
451 送風機
452 ダクト
455 環境温度センサ
N 定着ニップ
T 未定着トナー
特開2017−15848号公報

Claims (10)

  1. 記録媒体の未定着画像が形成された面に接触して前記未定着画像を定着する定着部材と、
    前記定着部材を加熱する定着加熱手段と、
    前記定着部材との間で前記記録媒体を挟持する定着ニップを形成する加圧部材と、
    前記加圧部材の表面を清掃する加圧清掃手段とを備える定着装置において、
    前記未定着画像の定着を行う定着動作の後に、前記加圧部材の表面温度が前記定着動作のときよりも高温となるように加熱して、前記加圧清掃手段によって清掃する定着後加圧部材加熱清掃動作を実行することを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1の定着装置において、
    前記記録媒体の情報に基づいて前記定着後加圧部材加熱清掃動作における前記加圧部材の加熱条件を変更することを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1または2の定着装置において、
    設置環境条件の検出結果に基づいて前記定着後加圧部材加熱清掃動作における前記加圧部材の加熱条件を変更することを特徴とする定着装置。
  4. 請求項2または3の定着装置において、
    変更する前記加熱条件が、前記加圧部材の目標温度であることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項2乃至4の何れか一に記載の定着装置において、
    変更する前記加熱条件が、前記加圧部材に対する加熱時間であることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一に記載の定着装置において、
    前記定着部材に対して前記加圧部材を接離する接離機構を備え、
    前記定着後加圧部材加熱清掃動作の際には、前記定着部材に前記加圧部材を接触させた状態を維持し、前記定着加熱手段により加熱された前記定着部材によって前記加圧部材を加熱することを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか一に記載の定着装置において、
    前記加圧清掃手段は、前記加圧部材に接触する清掃部材を備え、
    前記記録媒体の情報に基づいて、前記定着後加圧部材加熱清掃動作の際の前記加圧部材に対する前記清掃部材の接触圧を変更することを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一に記載の定着装置において、
    前記定着後加圧部材加熱清掃動作の実行の可否を判断する前記記録媒体の搬送数の閾値、または、搬送時間の閾値を、前記記録媒体の情報に基づいて変更することを特徴とする定着装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか一に記載の定着装置において、
    前記記録媒体の搬送距離の積算距離に対して閾値を設け、前記積算距離が前記閾値以上となったときに前記定着後加圧部材加熱清掃動作を実行することを特徴とする定着装置。
  10. 記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記記録媒体に前記画像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、
    前記定着手段として、請求項1乃至9の何れか一に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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