JP2020086349A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着部材を適切に研磨し、定着不良を抑制しつつ、定着部材の寿命低下を抑制することができる定着装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】記録媒体Pに接触して未定着画像Tを記録媒体Pに定着する定着部材41と、定着部材41の表面に接触して摺擦する摺擦部材13と、所定のタイミングからの記録媒体Pの積算通過数に基づいて摺擦部材13による摺擦時間を制御する制御手段200とを備える定着装置40において、制御手段200は、積算通過数に基づいて算出する摺擦時間算出用通過数に基づいて摺擦時間を決定するものであり、摺擦時間算出用通過数は、積算通過数に対して予め設定した閾値の前後で値が異なる調整係数を、通過枚数に乗じた値の総和によって算出し、制御手段200は、閾値の前後で、摺擦部材13の定着部材41に対する接触圧を異ならせる制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、記録媒体の未定着画像が形成された面に接触して未定着画像を定着する定着部材と、定着部材の表面に接触して摺擦する摺擦部材と、所定のタイミングからの記録媒体の積算通過数に基づいて摺擦部材による摺擦時間を制御する制御手段とを備える定着装置が知られている。
例えば、特許文献1には、摺擦部材による摺擦時間を、所定のタイミングからの記録媒体の積算通過数(通算積算枚数)に比例するように設定する定着装置が記載されている。詳しくは、積算通過数を閾値(10000枚または4000枚)で除した値の整数部分に、所定の時間(S1またはS2)を乗じて算出される時間の摺擦動作を実行する構成が記載されている。
定着部材は、記録媒体の通過によって表面が荒らされることがあり、大量の記録媒体が通過した後には、その荒れた部分がスジ状になり、定着した画像上にスジとなって現れ、定着不良となるおそれがあった。これに対して、摺擦部材で摺擦することで、定着部材の表面を研磨し、スジ状の荒れを軽減して定着部材の表面状態を回復させることができる。
しかしながら、摺擦部材による摺擦時間を、記録媒体の積算通過数に比例するように設定すると、研磨が過剰になって定着部材の寿命が低下したり、研磨が不足して定着不良が生じたりすることがあった。
上述した課題を解決するために、本発明は、記録媒体に接触して未定着画像を前記記録媒体に定着する定着部材と、前記定着部材の表面に接触して摺擦する摺擦部材と、所定のタイミングからの前記記録媒体の積算通過数に基づいて前記摺擦部材による摺擦時間を制御する制御手段とを備える定着装置において、前記制御手段は、前記積算通過数に基づいて算出する摺擦時間算出用通過数に基づいて前記摺擦時間を決定するものであり、前記摺擦時間算出用通過数は、前記積算通過数に対して予め設定した閾値の前後で値が異なる調整係数を、通過枚数に乗じた値の総和によって算出し、前記制御手段は、前記閾値の前後で、前記摺擦部材の前記定着部材に対する接触圧を異ならせる制御を行うことを特徴とするものである。
本発明によれば、定着部材を適切に研磨し、定着不良を抑制しつつ、定着部材の寿命低下を抑制することができる、という優れた効果がある。
定着装置の概略構成図。 実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 積算通紙枚数と通紙後の研磨時間との関係を示すグラフ。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタの一実施形態について説明する。
図2は、実施形態に係るプリンタ100を示す概略構成図である。図2に示すように、プリンタ100は、記録媒体である用紙Pにトナー像を形成する画像形成部110と、画像形成部110でトナー像が形成された用紙Pにトナー像を定着させる定着装置40と、画像形成部110に用紙Pを供給する給紙部120とを備える。
画像形成部110は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を作像するための四つの作像ユニット2(Y,M,C,K)を備えている。そして、これら四つの作像ユニット2を、像担持ベルトである中間転写ベルト61に対してその無端移動方向に沿って並べて配置した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
また、プリンタ100は、給紙路30、転写前搬送路31、手差し給紙路32、手差しトレイ33、レジストローラ対34、搬送ベルトユニット35、搬送切替装置50、排紙路51、排紙ローラ対52、排紙トレイ53等を備える。画像形成部110には、二つの光書込ユニット1(YM,CK)、一次転写ユニット60及び二次転写ユニット78等を備え、給紙部120には第一給紙カセット101及び第二給紙カセット102等を備える。
四つの作像ユニット2(Y,M,C,K)は、潜像担持体であるドラム状の感光体3(Y,M,C,K)をそれぞれ有する。また、第一給紙カセット101及び第二給紙カセット102は、それぞれ内部に記録媒体である用紙Pの束を収容している。そして、第一給送ローラ101aまたは第二給送ローラ102aの回転駆動により、用紙Pの束における一番上の用紙Pを給紙路30に向けて送り出す。
プリンタ100の筐体における図2中の右側面には、手差しトレイ33が筐体に対して開閉可能に配設されており、筐体に対して開いた状態でトレイ上面に用紙Pの束が手差しされる。手差しされた用紙Pの束における一番上の用紙Pは、手差しトレイ33の送出ローラによって手差し給紙路32を介して給紙路30に向けて搬送される。
二つの光書込ユニット1(YM,CK)は、それぞれ、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有する。そして、プリンタ100の外部装置であるスキャナによって読み取られた画像情報や、パーソナルコンピュータから送られてくる画像情報に基づいて、レーザーダイオードを駆動し、作像ユニット2(Y,M,C,K)の感光体3(Y,M,C,K)を光走査する。具体的には、作像ユニット2(Y,M,C,K)の感光体3(Y,M,C,K)は、駆動手段によってそれぞれ図2中の反時計回り方向に回転駆動される。
第一光書込ユニット1YMは、駆動中のイエロー用感光体3Y及びマゼンタ用感光体3Mに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向しながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、イエロー用感光体3Y及びマゼンタ用感光体3Mには、イエローの画像情報及びマゼンタの画像情報に基づいた静電潜像がそれぞれ形成される。
第二光書込ユニット1CKは、駆動中のシアン用感光体3C及びブラック用感光体3Kに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向されながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、シアン用感光体3C及びブラック用感光体3Kには、シアンの画像情報及びブラックの画像情報に基づいた静電潜像がそれぞれ形成される。
作像ユニット2(Y,M,C,K)は、それぞれ、感光体3(Y,M,C,K)と、その周囲に配設される各種機器とを一つのユニットとして共通の支持体に支持した状態で、それらがプリンタ100の筐体に対して一体的に着脱されるものである。四つの作像ユニット2(Y,M,C,K)は、互いに使用するトナーの色が異なる点の他は同様の構成になっている。よって、以下の説明では、使用するトナーの色を示す「Y」,「M」,「C」,「K」を適宜省略して説明する。
作像ユニット2は、感光体3の他、これの表面に形成された静電潜像をトナー像に現像するための現像装置4を有している。また、回転駆動される感光体3の表面に対して一様帯電処理を施す帯電装置5を有する。さらに、各色に対応した一次転写ニップを通過した後の感光体3表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置6なども有している。
感光体3は、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものである。ドラム状のものに代えて、無端ベルト状のものを用いてもよい。
現像装置4は、非磁性パイプからなる回転可能な現像スリーブと、これの中空内にスリーブに対して連れ回らないように配設されたマグネットローラとを具備している。そして、マグネットローラの発する磁力によって現像スリーブの表面に担持した磁性キャリアと非磁性の各色トナーとを含有する二成分現像剤(以下、単に現像剤という)により、感光体3上の静電潜像を現像する。
各色の現像装置4(Y,M,C,K)に対しては、各色のトナー補給装置により、各色のトナーボトル103(Y,M,C,K)内の各色トナーが適宜補給される。現像装置4内にはトナー濃度検知手段としてのトナー濃度センサが設けられている。トナー濃度センサは磁性体であるキャリアに起因する現像剤の透磁率を検出するものである。プリンタ100の制御部は、各色のトナー濃度センサからの出力値と、トナー濃度目標値であるセンサからの出力目標値との比較に基づいて、各色のトナー補給装置の駆動を制御する。これにより、現像剤のトナー濃度を一定範囲内(例えば4[wt%]〜9[wt%])にしている。
ドラムクリーニング装置6は、感光体3に当接させたポリウレタンゴム製のクリーニングブレードによって感光体3の表面から転写残トナーを掻き取る方式のものである。かかる方式のものに代えて、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、ドラムクリーニング装置6は、クリーニングブレードに加えて、回転自在なファーブラシも感光体3に当接させている。このファーブラシは、固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体3表面に塗布する役割も兼ねている。
感光体3の上方には、除電ランプが配設されており、この除電ランプも作像ユニット2の一部になっている。除電ランプは、ドラムクリーニング装置6との対向部を通過した後の感光体3表面を光照射によって除電する。除電された感光体3の表面は、帯電装置5によって一様に帯電された後、上述した光書込ユニット1による光走査が施される。帯電装置5は、電源から帯電バイアスの供給を受けながら回転駆動するものである。かかる方式のものに代えて、感光体3に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ方式のものを採用してもよい。
四つの作像ユニット2(Y,M,C,K)の下方には、一次転写ユニット60が配設されている。この一次転写ユニット60は、複数のローラ(63、67、68、69及び71)によって張架されている像担持体である中間転写ベルト61を備える。そして中間転写ベルト61を、感光体3(Y,M,C,K)に当接させながら、何れか一つのローラの回転駆動によって図2中の時計回り方向(矢印「A」方向)に無端移動させる。これにより、感光体3(Y,M,C,K)と中間転写ベルト61とが当接する各色(Y,M,C,K)用の一次転写ニップが形成されている。
各色用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写ローラ62(Y,M,C,K)によって中間転写ベルト61を感光体3(Y,M,C,K)に向けて押圧する。四つの一次転写ローラ62(Y,M,C,K)には、それぞれ一次転写電源によって一次転写バイアスが印加される。これにより、各色用の一次転写ニップには、感光体3(Y,M,C,K)上のトナー像を中間転写ベルト61に向けて静電移動させる一次転写電界が形成される。
中間転写ベルト61の図2中の時計回り方向の無端移動に伴って各色用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト61のおもて面には、Yトナー像、Mトナー像、Cトナー像及びKトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト61のおもて面には四色重ね合わせトナー像が形成される。
中間転写ベルト61の図2中の下方には、二次転写ユニット78が配設されている。この二次転写ユニット78は、無端状の二次転写ベルト77、接地従動ローラ72、二次転写駆動ローラ79、二次転写ベルトクリーニング装置76、トナー付着量検知センサ64などを有している。二次転写ベルト77は、そのループ内側に配設された接地従動ローラ72と、二次転写駆動ローラ79とによってテンション張架されながら、二次転写駆動ローラ79の回転駆動に伴って図2中の反時計回り方向(矢印「B」方向)に無端移動される。
二次転写ユニット78の二次転写ベルト77は、自らの接地従動ローラ72に対する掛け回し箇所を、一次転写ユニット60の中間転写ベルト61における二次転写バイアスローラ68に対する掛け回し箇所に当接させて二次転写ニップを形成している。中間転写ベルト61のループ内側の二次転写バイアスローラ68には二次転写電源から出力される二次転写バイアスが印加されるのに対し、二次転写ベルト77のループ内側の接地従動ローラ72は接地されている。これにより、二次転写ニップ内に二次転写電界が形成される。
二次転写ニップの図2中の右方には、レジストローラ対34が配設されており、ローラ間に挟み込んだ用紙Pを中間転写ベルト61上の四色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト61上の四色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって用紙Pに一括二次転写され、用紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト61のおもて面には、二次転写残トナーが付着している。この二次転写残トナーは、一次転写ユニット60の中間転写ベルトクリーニング装置75によって中間転写ベルト61の表面から除去される。
二次転写ニップを通過した用紙Pは、中間転写ベルト61や二次転写ベルト77から離間して、搬送ベルトユニット35に受け渡される。この搬送ベルトユニット35は、無端状の搬送ベルト36を搬送駆動ローラ37と搬送従動ローラ38とによって張架しながら、搬送駆動ローラ37の回転駆動によって図2中の反時計回り方向(矢印「C」方向)に無端移動される。そして、二次転写ニップから受け渡された用紙Pを搬送ベルト36の上部張架面に保持しながら、搬送ベルト36の無端移動に伴って搬送し、用紙Pを定着装置40に受け渡す。
定着装置40内に送られた用紙Pは、無端状の定着ベルト41と加圧ローラ44との当接によって形成される定着ニップNに挟み込まれる。そして、加圧や加熱などの作用により、その表面にトナー像が定着される。
二次転写ニップで第一面にトナー像が転写され、且つ、定着装置40でその第一面にトナー像が定着された用紙Pは、搬送切替装置50に向けて送り出される。プリンタ100では、搬送切替装置50、再送路54、スイッチバック路55及びスイッチバック後搬送路56等により、再送手段が構成されている。搬送切替装置50は、定着装置40から受け取った用紙Pのその後の搬送先を、排紙路51と、再送路54とで切り替える。
具体的には、用紙Pの第一面だけに対して画像を形成する片面モードのプリントジョブの実行時には、搬送先を排紙路51に設定する。これにより、第一面だけに画像が形成された用紙Pを、排紙路51経由で排紙ローラ対52に送って、機外の排紙トレイ53上に排紙する。また、用紙Pの両面に対してそれぞれ画像を形成する両面モードのプリントジョブの実行時において、両面にそれぞれ画像が定着された用紙Pを定着装置40から受け取ったときにも、搬送先を排紙路51に設定する。これにより、両面に画像が形成された用紙Pを、機外の排紙トレイ53上に排紙する。
一方、両面モードのプリントジョブの実行時において、第一面だけに画像が定着された用紙Pを定着装置40から受け取ったときには、搬送先を再送路54に設定する。再送路54には、スイッチバック路55が繋がっており、再送路54に送られた用紙Pはこのスイッチバック路55に進入する。そして、用紙Pの搬送方向の全領域がスイッチバック路55に進入すると、用紙Pの搬送方向が逆転されて、用紙Pがスイッチバックする。
スイッチバック路55には、再送路54の他に、スイッチバック後搬送路56が繋がっており、スイッチバックした用紙Pは、このスイッチバック後搬送路56に進入する。このとき、用紙Pの上下が反転する。そして、上下反転した用紙Pは、スイッチバック後搬送路56と、上述した給紙路30とを経由して、二次転写ニップに再送される。二次転写ニップで第二面にもトナー像が転写された用紙Pは、定着装置40を経由して第二面にトナー像が定着させられた後、搬送切替装置50と、排紙路51と排紙ローラ対52とを経由して、排紙トレイ53上に排紙される。
図1は、定着装置40の概略構成図である。
定着装置40は、定着ベルト41を備えるベルト定着方式である。用紙P上のトナー像に接触して加熱する定着部材としての定着ベルト41と、定着ローラ42と、定着ベルト41を挟んで定着ローラ42に向けて加圧される加圧部材としての加圧ローラ44と、定着ベルト41を加熱する加熱ローラ43とを備える。加熱ローラ43の中空部には定着装置40の熱源としてのヒーターランプ45が設けられている。また、定着装置40は、定着ローラ42を回転させることで、定着ベルト41を回転させ、用紙Pを搬送する駆動手段としての定着駆動モータと、加圧ローラ44を定着ローラ42に向けて加圧したり、脱圧したりする加圧脱圧機構を備えている。
定着ローラ42、加圧ローラ44及び加熱ローラ43は、定着装置の筐体である定着筐体400の長手方向(図1の紙面に直交する方向)の両端部のそれぞれの側壁に回転可能に軸支されている。上述した定着駆動モータ、ヒーターランプ45は、定着筐体400に固定保持されている。
定着ベルト41は、定着ローラ42及び加熱ローラ43に掛け回され、定着駆動モータが駆動することによって定着ローラ42を介して回転駆動する。
定着ローラ42に回転駆動を入力する定着駆動手段は、定着駆動モータと減速ギア列とを備え、減速ギア列は、定着ローラ42の回転軸に固定された定着入力ギアに接続されている。定着駆動モータから回転駆動が入力され、定着ローラ42が図1中の時計回り方向(矢印「D」方向)に回転駆動することで、定着ベルト41が図1中の時計回り方向(矢印「F」方向)に回転走行する。
定着駆動モータによって回転駆動が入力されるローラ部材としては、定着ローラ42に限らず、加圧ローラ44や加熱ローラ43であってもよい。
加圧ローラ44は定着ローラ42の回転駆動によって回転する定着ベルト41に連れ回り、図1中の反時計回り方向(矢印「E」方向)に回転する。このとき、定着ベルト41の外周面の表面移動速度と、加圧ローラ44の表面移動速度とは同速となる。
定着ベルト41は、PI(ポリイミド)層で形成される無端ベルトであって、外周表面にPFA(ポリテトラフルオロエチレン)膜等のオフセット防止剤がコーティングされたものである。
定着ローラ42と加圧ローラ44とは、対向して配置されるゴムローラであり、加圧ローラ44が定着ベルト41を介して定着ローラ42の中心方向に加圧されることにより、加圧ローラ44と定着ベルト41との間で定着ニップNが形成される。
また、定着装置40は、定着ベルト41にテンションを与えるテンションローラ46を備える。テンションローラ46は、円筒形をしたアルミニウム管で形成される。
定着装置40は、加圧ローラ44の表面を清掃する清掃手段としての加圧ローラクリーニング装置121を備える。加圧ローラクリーニング装置121は、送り出しローラ123に巻かれたクリーニングウェブ12を巻き取りローラ122によって巻き取る途中に、ウェブ加圧ローラ124によってクリーニングウェブ12を加圧ローラ44に当接させる。このような構成により、クリーニングウェブ12によって加圧ローラ44の周面の清掃を行う。
さらに、定着装置40は、定着ベルト41を研磨する研磨手段としてのベルト研磨機構130を備える。ベルト研磨機構130は、研磨ローラ13を定着ベルト41に当接および回転させることで定着ベルト41の表面の研磨を行う。ベルト研磨機構130は、研磨ローラ13の回転軸である研磨ローラ回転軸13aを回転可能に支持し、支持レバー回動軸133を中心に回動可能な研磨ローラ支持レバー132と、支持レバー回動モータ131とを備える。定着装置40を制御する制御手段である制御部200が、支持レバー回動モータ131の回動を制御することによって研磨ローラ支持レバー132が支持レバー回動軸133を中心に回動する。これにより、研磨ローラ支持レバー132に支持された研磨ローラ13が定着ベルト41に対して接離する。
加熱ローラ43の中空内に配設されたヒーターランプ45からの熱が、加熱ローラ43を介して定着ベルト41に伝わり、定着ベルト41が加熱される。加圧ローラ44と定着ベルト41とが互いに逆回転することにより、用紙Pのトナー像を定着ニップNで加熱溶融させながら、搬送する。
定着ベルト41の表面温度は公知の温度検知素子等からなるベルト温度センサ415によって検出され、公知の温度制御部がベルト温度センサ415の出力に基づいて定着ベルト41の表面温度が所定の温度になるように熱源であるヒーターランプ45を制御する。ヒーターランプ45の制御としては、ON/OFF制御またはPID制御等を用いる。
定着装置40では、未定着トナーTを担持した用紙Pは、定着ニップNに対して用紙Pの搬送方向上流側に配置された入口ガイド板10に沿って、図1中の矢印「α」で示すように搬送される。そして、定着ベルト41と加圧ローラ44とが定着ベルト41を介して形成するニップ部である定着ニップNを通過する。
互いに逆方向に回転する加圧ローラ44と定着ベルト41とは、定着ニップNで同方向に表面移動し、用紙Pを挟持搬送する。このとき、所定の温度に制御されている定着ベルト41によって用紙Pに形成された未定着トナーTを加熱溶融させる。さらに、未定着トナーTが溶融した状態の用紙Pを定着ニップNで加圧することで、用紙P上の未定着トナーTを定着する。
定着ニップNを通過した用紙Pは、ニップ部出口で定着分離板8により定着ベルト41から分離され、定着ニップNに対して用紙Pの搬送方向下流側に配置された定着後搬送ローラ対9によって定着装置40の外に排出される。定着ニップNと定着後搬送ローラ対9との間の定着出口部には、用紙Pが所定のタイミングで通過していることを確認するために定着排紙センサ59を配置している。
以上が、プリンタ100における定着装置40の概略説明である。
定着後搬送ローラ対9を通過した用紙Pは、搬送切替装置50内の搬送経路及び排紙路51を通り、プリンタ100本体の外に送り出される。
定着装置40は、加熱手段である加熱ローラ43によって加熱される定着部材である定着ベルト41と、定着ベルト41の少なくとも一部を押圧可能に配置され、定着ベルト41との間に定着ニップNを形成する加圧部材である加圧ローラ44とを備える。そして、定着ニップNに未定着トナー像(未定着トナーT)を担持した記録媒体である用紙Pを担持して、未定着トナー像を用紙Pに定着するものである。
また、定着装置40は、定着ベルト41の表面を摺擦する摺擦部材としての研磨ローラ13を有し、積算通紙枚数を含む所定条件を満たしたときに、研磨ローラ13を定着ベルト41に当接させて、回転させるベルト研磨機構130を備える。
定着装置40が備える定着ベルト41は、用紙Pに接触して搬送することで摩耗する。このとき、用紙Pの幅方向の端部が接触する用紙エッジ接触部と他の部分とで摩耗の状態が異なり、用紙エッジ接触部の平滑性が低下する傾向がある。定着ベルト41の用紙エッジ接触部に平滑性が低下した用紙エッジ跡が残ると、印刷物に光沢スジの不良画像が生じる定着不良となる。
これに対して、研磨ローラ13を用いて定着ベルト41を研磨し、表層を整え用紙エッジ接触部の荒れをリフレッシュして、用紙エッジ跡を低減することで定着ベルト41を平滑に整える。これにより、摩耗によって発生する印刷物の光沢スジを抑えることができる。
定着装置40の制御部200は、研磨ローラ13を用いて定着ベルト41を研磨する研磨動作の実行時間(摺擦時間)を、前回研磨動作実施時(所定のタイミング)からの積算通紙枚数を元に算出する。具体的には、制御部200は、積算通紙枚数に基づいて算出する研磨時間算出用通紙枚数(摺擦時間算出用通過数)に基づいて研磨時間を決定する。この研磨時間算出用通紙枚数は、積算通紙枚数が予め設定した閾値の前後で値が異なる調整係数を、通過枚数に乗じた値の総和によって算出する。
例えば、閾値以下の場合の調整係数を「1.0(100[%])」として、閾値を超える場合の調整係数を「0.8(80[%])」とする。この場合、積算通紙枚数が閾値以下の場合は、研磨時間算出用通紙枚数は、積算通紙枚数と同じ値となる。一方、積算通紙枚数が閾値を超える場合は、閾値を超える通紙枚数に「0.8」を乗じた値と、閾値までの通紙枚数の値とを足した値が、研磨時間算出用通紙枚数となる。そして、制御部200では、研磨時間が研磨時間算出用通紙枚数と比例するように制御する。
積算通紙枚数に基づいて、研磨時間を算出する方法としては、積算通紙枚数に比例するように研磨時間を算出する方法が考えられる。
図3は、積算通紙枚数と通紙後の研磨時間との関係を示すグラフである。図3中の実線で示すグラフが積算通紙枚数に比例するように研磨時間を設定した場合を示しており、図3中の破線で示すグラフが積算通紙枚数に対して実際に必要な研磨時間を示している。
図3中の実線で示すグラフに沿った制御を行った場合、5000枚の連続通紙の印刷ジョブの終了後には、まとめて25分の研磨動作を実行し、12000枚の連続通紙の印刷ジョブの終了後には、まとめて60分の研磨動作を実行する制御となる。
実際に必要な研磨時間は、用紙Pの端部が通過することによる定着ベルト41の表層素材の摩耗量に基づいて決定する。定着ベルト41における用紙エッジ接触部の摩耗量が大きい場合には研磨時間を長く設定する必要がある。本発明者らが様々な積載通紙枚数の通紙後に定着ベルト41の表層素材の膜厚を測定した結果、膜厚の減少量は通紙枚数に比例しておらず、図3中の破線のグラフのような関係になっていたことを見出した。
図3に示すように、積算通紙枚数が一万枚を超えた辺りから積算通紙枚数の増加量に対する必要な研磨時間の増加量が小さくなり、積算通紙枚数が多くなるほど、図3中の「t1」で示す「余分な研磨時間」が長くなることがわかる。
オフィス等で使用される画像形成装置では、一万枚を超える連続通紙を行う印刷は非常に稀であり、一つの印刷ジョブが終了しても研磨動作を実行するほどの積算通紙枚数に到達していないことがほとんどである。このため、複数の印刷ジョブを実行して、研磨動作すべき積算通紙枚数に到達すると、所定時間の研磨動作を行う。この場合は、積算通紙枚数が数百〜数千枚程度であるため、実行する研磨時間と必要な研磨時間とにあまり差はない。
一方、商用印刷に用いられる画像形成装置では、一万枚を超える連続通紙を行う印刷を実行することがある。連続通紙の途中で、印刷ジョブを止めて研磨動作を行うと、復帰シーケンスの所要時間の問題や、印刷ジョブを止めることに起因する他の異常画像の問題が生じるおそれがあるため、研磨動作のために印刷ジョブを止めることは望ましくない。
そして、一万枚を超えるような連続通紙を行った後に、研磨動作を実行する場合、前回研磨動作実施時からの積算通紙枚数は連続通紙を行った枚数以上となり、一万枚を超えてしまい、図3中の「t1」で示す「余分な研磨時間」が長くなる。
定着ベルト41及び研磨ローラ13はできるだけ長寿命であるほうが、交換サイクルが長くなり、ランニングコストの削減につながるため好ましい。しかしながら、図3中の実線で示すグラフのように「余分な研磨時間」が長くなると、定着ベルト41と研磨ローラ13とに不要な摩耗が生じ、無駄に二つの部材の寿命を縮めることになる。
これに対して、本実施形態の定着装置40では、積算通紙枚数が閾値を超えた場合は、実際の通紙枚数よりも少ない研磨時間算出用通紙枚数と比例するように研磨時間を設定する。これにより、実行する研磨時間を必要な研磨時間に近づけることができ、積算通紙枚数が多くなったときに、適切な研磨時間を設定することで、「余分な研磨時間」が長くなることを抑制し、定着ベルト41と研磨ローラ13との長寿命化を図ることができる。
上述した閾値としては、複数設定可能とする。また、本実施形態の定着ベルト41は、平滑度の低い用紙銘柄に対応するため、10[mm]以上の弾性層を有し、表層には、紙や付着物が離型し易いようPFA層を有する。また摺擦部材(研磨部材)である研磨ローラ13は定着ベルト41を研磨するための砥粒を付着させている。
本実施形態のように研磨時間算出用通紙枚数を算出し、これに基づいて研磨時間を決める制御は、主として、積算通紙枚数に対して、定着ベルト41の傷回復に必要な研磨時間が線形にならない場合(図3中の破線のグラフ)に用いる制御である。算出した研磨時間算出用通紙枚数に基づいて研磨時間を求めることで、印刷条件に対して最適な研磨時間を算出することが出来る。
Figure 2020086349
表1に、積算通紙枚数の閾値と、研磨時間との制御テーブルの一例を示す。
表1の関係を満たす制御では、研磨時間算出用通紙枚数が1000枚毎に5分の研磨を行うものとする。そして、表1中の調整1では、閾値を3000枚、調整割合を80[%](調整係数「0.8」)とし、調整2では閾値を6000枚、調整割合を50[%](調整係数「0.5」)とする。このような制御を行う構成で、以下の(1)〜(3)の場合について説明する。
(1)2000枚連続通紙の印刷ジョブが来た場合
全印刷動作終了後、10分の研磨動作を実行する。
2000枚では何れの閾値にも到達していないので、「研磨時間算出用通紙枚数=積算通紙枚数=2000」となり、研磨時間は、2000/1000×5=10で、10分となる。
(2)4000枚連続通紙の印刷ジョブが来た場合
全印刷動作終了後、19分の研磨動作を実行する。
4000枚は、調整1の閾値「3000枚」からさらに「1000枚」の通紙を行っている。このため、閾値を超えた「1000枚」分には調整1の調整係数「0.8」を乗じて研磨時間算出用通紙枚数を算出する。
(2)の場合の研磨時間算出用通紙枚数は、3000+1000×0.8=3800枚となり、研磨時間は、3800/1000×5=3.8×5=19で、19分となる。
研磨時間算出用通紙枚数を算出せずに、研磨時間が積算通紙枚数に比例する制御の場合、研磨時間は、4000/1000×5=4.0×5=20で、20分となる。
(2)の場合、本実施形態に係る制御であれば、研磨時間を1分短縮できる。
(3)12000枚連続通紙の印刷ジョブが来た場合
全印刷動作終了後、42分の研磨動作を実行する。
12000枚は、調整1の閾値「3000枚」に「3000枚」を加えた調整2の閾値「6000枚」からさらに「6000枚」の通紙を行っている。
このため、調整1の閾値から調整2の閾値までの「3000枚」分には調整1の調整係数「0.8」を乗じ、調整2の閾値を超えた「6000枚」分には調整2の調整係数「0.5」を乗じて研磨時間算出用通紙枚数を算出する。
(3)の場合の研磨時間算出用通紙枚数は、3000+3000×0.8+6000×0.5=3000+2400+3000=8400枚となり、研磨時間は、8400/1000×5=8.4×5=42で、42分となる。
研磨時間算出用通紙枚数を算出せずに、研磨時間が積算通紙枚数に比例する制御の場合、研磨時間は、12000/1000×5=12×5=60で、60分となる。
(3)の場合、本実施形態に係る制御であれば、研磨時間を18分短縮できる。
印刷ジョブ中の研磨動作は他の異常画像発生、印刷状態への復帰シーケンスの所要時間などの懸念があるため、実施しないことが望ましい。本制御は印刷動作終了後にまとめて実施する研磨時間を連続印刷枚数に応じて調整することで適切な研磨時間を設定することができる。
また、本実施形態の定着装置40の制御部200は、表1に示すように、研磨動作を実行する際に、積算通紙枚数が閾値を超えた場合には、定着ベルト41に対する研磨ローラ13の当接圧を、積算通紙枚数が閾値以下の場合とは異ならせる制御を行う。
表1中の「研磨部材当接圧」で示す研磨ローラ13の当接圧は、「1」〜「4」までの設定を選択する構成となっており、数字が大きいほど、当接圧が大きい設定となっている。
表1に示す例では、積算通紙枚数が3000枚までは研磨動作の際の当接圧の設定を「4」とし、調整1の閾値を超えても調整2の閾値に到達していない場合は、当接圧の設定を「4」のままとする。一方、調整2の閾値を超えた場合は、研磨動作の際の当接圧の設定を「3」とし、研磨が過剰となることを防止する。
本実施形態の定着装置40は、積算通紙枚数に閾値を複数設け、閾値以降の通紙枚数は実際の通紙枚数に対して任意の割合で増減させて研磨時間算出用通紙枚数を算出し、算出した研磨時間算出用通紙枚数に比例するように研磨時間を設定する。また、閾値以降になった場合は、当接圧を変更する。これらの構成により、適切な研磨時間、並びに、適切な当接圧を設定することが可能となり、定着ベルト41の表面に用紙エッジ跡が残ることに起因する定着不良の発生を抑制しつつ、定着ベルト41と研磨ローラ13との長寿命化を図ることができる。
本発明に係る定着装置は、例えば電子写真方式を利用したプリンタ100等の画像形成装置に用いられる定着装置であり、表面移動する定着ベルト41等の定着部材を備えた定着装置である。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、次のように画像形成が行われる。まず、例えばドラム状に形成された感光体(感光体ドラム)の表面が帯電装置によって一様に帯電される。帯電された感光体ドラムは、画像情報に基づいて制御された光により走査露光され、その表面に静電潜像が形成される。続いて、感光体ドラム上に形成された静電潜像は現像装置により可視像(トナー像)化され、その後、トナー像は感光体ドラムの回転に伴って転写部まで搬送されて、記録紙上に静電転写される。そして、記録紙上に担持されたトナー像は定着装置によって定着処理が施されて、トナー画像が完成する。
近年、画像形成装置の高生産性化やカラー化が急速に進展するとともに、両面印刷機構を備えたものも多く普及するに至っている。そのため、画像形成装置に搭載される定着装置においても、高速化への対応を一段と進める必要が生じている。近年では記録紙を加熱する加熱部材が、複数の張架ロールによって張架されたフィルム状のベルト部材(定着ベルト)で構成された定着装置に関する技術が存在する(例えば、特許文献2参照)。
このような定着ベルトを用いた定着装置では、ニップ部に進入する前に予め張架ロール内に配設されたヒータによって定着ベルトを充分に加熱しておく。そして、ニップ部においては加熱された定着ベルトから記録紙およびトナー像に熱を加えることでトナー像を定着している。そのため、定着ベルトが定着処理の間に記録紙によって熱を奪われても、定着ベルト自体の熱容量が小さいことから、定着ベルトは張架ロール内のヒータにより短時間で所定の定着可能温度まで回復させることが可能である。それにより、加熱部材として定着ベルトを用いた定着装置では、ニップ部内に進入する際の定着ベルトの温度を所定値に維持することが容易となり、画像形成装置が高速化されても、ニップ部に充分な熱量を供給することが可能である。
近年、画像形成装置の高生産性化に伴い、用紙端部が繰り返し同じ箇所を通過することで発生する端部傷が課題となっており、その表面性を回復させるためのローラ形状の部材を備えている。ローラ表面は砥粒を付着させた材料で形成され、回転中の定着ベルトに当接離間可能な研磨ローラを押し当てることで定着ベルトを研磨し表面性を回復させる技術がある。
一方、定着ベルトや研磨ローラは長寿命化も求められている。摺擦部材を当接する構成として、実行時の積算通紙枚数に比例する時間だけ行う構成が考えられる。しかし、積算通紙枚数と表面性回復に必要な研磨時間が比例しない場合には、研磨ローラと定着ベルトとの二つの部材の寿命を無駄に縮めることになってしまう。
これに対して、本実施形態の定着装置40では、上述したように、積算通紙枚数が閾値を超えた場合は、実際の通紙枚数よりも少ない研磨時間算出用通紙枚数と比例するように研磨時間を設定する。
このように、積算通紙枚数が、閾値を超える毎に、研磨時間算出用通紙枚数の算出に用いる積算通紙枚数の割合を増減させることで、積算通紙枚数が異なる各条件毎の研磨時間を最適化することができる。これにより、定着ベルト41と研磨ローラ13との長寿命化を図ることができるとともに、研磨動作によるダウンタイムを低減させることができる。
図3中の破線のグラフでは、積算通紙枚数が一万枚を超える辺りから、積算通紙枚数の増加量に対する必要な研磨時間の増加量が小さくなる傾向がある。積算通紙枚数の増加量に対する必要な研磨時間の増加量が小さくなり始める枚数は、一万枚に限らず装置によって異なる。
プリンタ100としては、用紙Pを搬送方向に直交する方向にシフトさせるシフト動作が可能な構成としてもよい。具体的には、図2中の転写前搬送路31に配置された二組のローラ対(31aと31b)を図2の紙面に直交する方向にシフトさせるローラ対シフト機構を設ける。ローラ対シフト機構としては公知の構成を用いることができる。そして、ローラ対(31aと31b)が用紙Pを挟持している状態で、ローラ対シフト機構がローラ対(31aと31b)を紙面に直交する方向にシフトさせることで、用紙Pに対してシフト動作を行うことができる。
このようなシフト動作機構を備えるプリンタ100の定着装置40では、制御部200は、シフト動作が実行されたか否かによって、研磨時間算出用通紙枚数の算出に用いる閾値または調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うようにしてもよい。シフト動作の実行の可否は、使用者や管理者によって選択できる構成とすることが望ましい。
複数枚の用紙Pを連続通紙させる際に、用紙Pによって幅方向の位置をシフトさせることで、定着ベルト41における用紙Pの幅方向の端部が接触する部分を分散させることができ、用紙端部傷(用紙エッジ跡)の発生頻度が低下する。これにより、定着ベルト41に生じた傷の回復に必要な研磨時間が減少するため、研磨時間算出用通紙枚数が減少するように、閾値や調整係数を設定することができる。これにより、研磨ローラ13と定着ベルト41との長寿命化、並びに、研磨動作によるダウンタイムの低減を図ることができる。
Figure 2020086349
表2は、シフト動作の可否によって、調整係数(積算量調整割合)を変更する制御テーブルの一例を示す。
表2に示す制御では、シフト動作の実行の可否によって、積算通紙枚数の閾値(3000枚)を超えた値に対する積算量調整割合(調整係数)を異ならせるものである。表2に示す制御では、シフト動作を実行した場合は、実行しない場合に比べて積算量調整割合の値を小さくしており、積算通紙枚数が同じであってもシフト動作を実行した場合の方が研磨時間算出用通紙枚数の値が小さくなり、研磨時間が短くなる。
図2に示すプリンタ100では、シートをシフトさせるシートシフト機構(ローラ対シフト機構)を定着装置40よりも上流側の転写前搬送路31に配置している。シートシフト機構としては、定着装置40内に配置する構成としてもよい。
定着装置40としては、制御部200が、定着ベルト41に接触する用紙Pの平滑性に基づいて、研磨時間算出用通紙枚数の算出に用いる閾値または調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うようにしてもよい。具体的には、図1に示すように、定着装置40は、定着ニップNに対して搬送方向上流側に用紙表面状態検出センサ401を備え、定着ニップNに向かう用紙Pの幅方向端部のバリ高さを算出し、その算出結果に基づいて、閾値または調整係数を変更する。
Figure 2020086349
表3は、用紙Pのバリ高さによって、調整係数(積算量調整割合)を変更する制御テーブルの一例を示す。
幅方向端部のバリが高く、平滑性の低い銘柄の用紙Pを通紙するほど、定着ベルト41の傷が深くなり、積算通紙枚数に対し必要な研磨時間が線形に近づくため、積算通紙枚数の調整の必要性が低下する。
一方、幅方向端部のバリが低く、平滑性の高い銘柄の用紙Pを通紙すると、定着ベルト41の傷が深くなりにくく、積算通紙枚数に対して必要な研磨時間は飽和し易い。このため、閾値(3000枚)を超える通紙枚数に対する積算量調整割合(調整係数)の値を小さくすることで、無駄な研磨時間を減らすことができ、研磨ローラ13と定着ベルト41との長寿命化、並びに、研磨動作によるダウンタイムの低減を図ることができる。
用紙Pのバリの高さの情報を取得する方法としては、用紙表面状態検出センサ401等の検出手段の検出結果に基づいて取得するものに限らない。用紙Pの銘柄によってバリ高さが分かっている場合は、給紙される用紙Pの銘柄の情報に基づいてバリ高さの情報を取得し、取得した情報に基づいて、閾値または調整係数を変更する構成としてもよい。
上述したように、研磨時間算出用通過枚数を算出して、算出した研磨時間算出用通過枚数に基づいて研磨時間を決定する制御は、積算通紙枚数に対する必要な研磨時間が分かっている既知の銘柄の用紙P場合に有効である。しかし、積算通紙枚数に対する必要な研磨時間が分かっていない未知の銘柄の用紙Pに対して上述した制御を実行した場合、本当に必要な研磨時間よりも短い研磨時間が算出されるおそれがある。この場合、定着ベルト41の用紙端部傷(用紙エッジ跡)が解消されていない状態で研磨動作が終了し、次の印刷動作が実行された際に異常画像の原因となる。
このため、上述した制御の実行の可否を選択可能として、未知の銘柄の用紙Pを通紙する場合には、上述した制御を実行しないように設定することで、予期しない異常画像の発生を未然に防ぐ。上述した制御の実行の可否を用紙P毎に選択可能とすることで、既知の銘柄の用紙Pを通紙する場合には上述した制御を実行して適切な研磨時間を設定でき、未知の銘柄の用紙Pを通紙する場合には上述した制御を実行せず異常画像の発生を防止できる。
また、定着装置40としては、制御部200が、搬送方向に直交する方向の長さである紙幅毎に研磨時間算出用通紙枚数を算出することが望ましい。紙幅が異なると、定着ベルト41の幅方向での用紙エッジによって傷が付く位置が異なり、積算通紙枚数にカウントした用紙Pの中に紙幅が異なるものが混在していると、積算通紙枚数が同じであっても定着ベルト41の傷は浅くなる。傷が浅いにも関わらず、紙幅が一定のものを通紙した場合と同様の条件で研磨動作を実行すると、定着ベルト41と研磨ローラ13とに不要な摩耗が生じ、無駄に二つの部材の寿命を縮めることになる。また、不要なダウンタイムが生じる。
このため、紙幅毎に積算通紙枚数をカウントし、それぞれについて研磨時間算出用通紙枚数を算出し、研磨時間を決定することが望ましい。これにより、通紙する用紙Pに紙幅が異なるものが混在していたとしても、適切な研磨時間を設定でき、定着ベルト41と研磨ローラ13との長寿命化を図ることができるとともに、研磨動作によるダウンタイムを低減させることができる。
紙幅の情報を取得する方法としては、給紙カセット(101、102)や手差しトレイ33から排紙トレイ53までの用紙Pの搬送経路に配置した紙幅を検出する幅検出センサの検出結果に基づいて紙幅の情報を取得してもよい。また、給紙カセット(101、102)に対してセットした用紙Pの紙幅が分かっている場合は、用紙Pを給送した給紙カセット(101、102)の情報から紙幅の情報を取得してもよい。
また、上述した閾値または調整係数を、紙幅毎に設定してもよい。この場合は、上述した研磨時間算出用通紙枚数の算出に、紙幅毎に設定した閾値及び調整係数を用いる。
定着ベルト41の用紙端部傷(用紙エッジ跡)による異常画像は紙幅が狭いときに形成された傷ほど他の紙幅が広い銘柄の用紙Pを通紙した際に、影響が大きくなり異常画像の視認率が高くなる。このため、紙幅が狭い用紙Pを通紙した際には研磨時間が長くなるように、閾値や調整係数を設定することで、紙幅が狭い用紙Pを通紙したときの用紙端部傷(用紙エッジ跡)に起因する紙幅が広い用紙Pを通紙したときの異常画像の影響を減らすことが出来る。
Figure 2020086349
表4は、用紙Pの紙幅によって、調整係数(積算量調整割合)を変更する制御テーブルの一例を示す。
表4に示すように、他の紙幅の用紙Pに対する異常画像の影響が大きくなる紙幅の狭い用紙Pほど、閾値(3000枚)を超える通紙枚数に対する積算量調整割合(調整係数)の値を大きくする。一方、他の紙幅の用紙Pに対する異常画像の影響が小さい紙幅の広い用紙Pほど、閾値(3000枚)を超える通紙枚数に対する積算量調整割合(調整係数)の値を小さくする。
これにより、紙幅の狭い用紙Pを通紙した際には、研磨時間を長くして異常画像の発生を防止できる。また、紙幅の広い用紙Pを通紙した際には、研磨時間を短くして適切な研磨時間を設定でき、定着ベルト41と研磨ローラ13との長寿命化を図ることができるとともに、研磨動作によるダウンタイムを低減させることができる。
定着ベルト41に対する研磨ローラ13の当接圧を変更可能な構成では、研磨ローラ13の当接圧に基づいて、加圧ローラ44に対するクリーニングウェブ12の当接圧を変更する制御を行うことが望ましい。
Figure 2020086349
表5は、研磨ローラ13(研磨部材)の当接圧に基づいて、クリーニングウェブ12(クリーニング部材)の当接圧を変更する制御テーブルの一例を示す。
表5中の「研磨部材当接圧」で示す研磨ローラ13の当接圧と、「クリーニング部材の当接圧」で示すクリーニングウェブ12の当接圧とは、「1」〜「4」までの設定を選択する構成となっている。数字が大きいほど、当接圧が大きい設定となっている。
この制御では、研磨ローラ13の当接圧を変更する制御において、研磨ローラ13の当接圧が大きい場合にはクリーニングウェブ12の当接圧を大きくし、研磨粉などの異物回収力を高める。一方、研磨ローラ13の当接圧が小さい場合にはクリーニングウェブ12の当接圧を小さくし、クリーニングウェブ12と加圧ローラ44との磨耗を防ぐことが出来る。
クリーニングウェブ12の当接圧を変更する構成としては、加圧ローラ44に対するウェブ加圧ローラ124の位置を可変とし、ウェブ加圧ローラ124を加圧ローラ44に対して接離することで、クリーニングウェブ12の当接圧を変更することができる。
本実施形態では、加圧部材である加圧ローラ44の表面に接触する清掃部材としてのクリーニングウェブ12の加圧ローラ44に対する当接圧を変更する構成について説明した。清掃部材としては、加圧部材の表面に接触するものに限らず、定着ベルト41等の定着部材の表面に接触する清掃部材を設けてもよい。この場合は、研磨部材の定着部材に対する当接圧に基づいて、清掃部材の定着部材に対する当接圧を変更する。
定着装置40としては、制御部200が、用紙Pの表面における画像形成物質(トナー等)の付着量に基づいて、研磨時間算出用通紙枚数の算出に用いる閾値または調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うようにしてもよい。
Figure 2020086349
表6は、用紙Pの表面上の色材付着量(画像形成物質の付着量)によって、調整係数(積算量調整割合)を変更する制御テーブルの一例を示す。表6に示す制御では、色材付着量が多い場合は、色材付着量が少ない場合に比べて積算量調整割合の値を大きくしており、積算通紙枚数が同じであっても色材付着量が多い場合の方が研磨時間算出用通紙枚数の値が大きくなり、研磨時間が長くなる。また、研磨時間算出用通紙枚数の値が大きくなることで、研磨動作を行うか否かの閾値に到達する頻度が高くなり、こまめに研磨動作を実行することとなる。
用紙P上の色材が多い場合、定着後に定着ベルト41上に色材に含まれるWAX等の色材含有物が残存し易くなり、WAX等に起因する光沢障害が発生する。
上述した実施形態の説明では、研磨ローラ13等の研磨部材による定着ベルト41等の定着部材の研磨は、用紙端部のバリ等によって傷つけられた箇所の回復に使用する構成について説明した。
研磨部材の当接及び回転は、定着部材の傷の回復だけでなく、定着部材に残留したWAX等の除去にも有効である。このため、異常画像発生時のトラブルシューティングとしても研磨部材による定着部材の研磨は使用されている。しかし、印刷条件毎に研磨時間を調整しなければ、上述した異常画像を十分解消出来ない不具合や、無駄に研磨を実施して定着部材と研磨部材との寿命が必要以上に短くなるという不具合が生じるおそれがある。
表6に示す制御では、色材付着量が多い印刷ジョブを大量印刷する場合には、こまめに研磨動作を実施することができ、WAX等を十分に除去することが出来るためWAX等に起因する光沢障害を防止できる。
表6に示す制御では、印刷条件毎に、研磨時間算出用通紙枚数の算出に用いる閾値や調整係数を変更する。これにより、色材付着量が多い場合には、研磨動作実施時の研磨時間が長くなるように設定し、異常画像の原因となる定着部材の傷や残留物を除去することができる。また、色材付着量が多い特定の条件下で、積算通紙枚数に対する研磨時間算出用通紙枚数の値が大きくなるように、閾値や調整係数を変更することで、研磨動作の間隔を狭め、定着部材の不具合の原因となる状態をこまめに回復させることができる。
本実施形態のプリンタ100は、電子写真方式の画像形成装置であるため、画像形成物質である色材がトナーであるが、色材はこれに限るものではない。インクジェット用のインクやオフセットインク等、他の色材を用いる場合も同様に、色材付着量が多いほど、研磨時間算出用通紙枚数の値が大きくなるように積算通紙枚数の閾値や調整係数を設定する。
定着装置40としては、制御部200が、用紙Pの厚みまたは剛性に基づいて、研磨時間算出用通紙枚数の算出に用いる閾値または調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うようにしてもよい。
Figure 2020086349
表7は、用紙Pの坪量によって、閾値及び調整係数(積算量調整割合)を変更する制御テーブルの一例を示す。表7に示す制御では、用紙Pの坪量が大きい(剛性が高い)ほど、研磨時間算出用通紙枚数の値が大きくなるように閾値及び調整係数を設定している。
坪量が350[gms]以上の超厚紙を通紙すると、定着ニップNへの用紙Pの進入時に定着ベルト41に傷がつく。用紙Pは一定周期で通過するため、定着ベルト41の同じ箇所に何度もアタックすることでベルト傷が拡大し画像品質に影響が出るおそれがある。そこで、超厚紙を通紙するときには、通常よりも、閾値を小さくし(1000枚)、その閾値を超えた通紙枚数に対する調整係数を大きくする(2.0(積算量調整割合で200[%]))。これにより、通常よりもこまめに研磨動作を実施することができ、傷の拡大を予防することが出来る。
また、坪量が小さく剛性が低い用紙Pの場合は、閾値を超えた通紙枚数に対する調整係数を小さくすることで、研磨動作の頻度を低くし、研磨動作実施時の研磨時間を短くすることができる。調整係数を小さくする場合も、閾値の値を小さくすることで、研磨動作の頻度を低くし、研磨動作実施時の研磨時間を短くすることができる。これにより、定着ベルト41と研磨ローラ13との長寿命化を図ることができるとともに、研磨動作によるダウンタイムを低減させることができる。
定着装置40としては、制御部200が、用紙Pの光沢度に基づいて、研磨時間算出用通紙枚数の算出に用いる閾値または調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うようにしてもよい。
Figure 2020086349
表8は、用紙Pの光沢度によって、調整係数(積算量調整割合)を変更する制御テーブルの一例を示す。表8に示す制御では、用紙Pの光沢度が高いほど、研磨時間算出用通紙枚数の値が大きくなるように調整係数を設定している。
用紙Pとして、高光沢紙を通紙すると定着後の用紙Pの表面上における色材付着部も光沢度が高くなる傾向がある。光沢度が高まることで定着ベルト41の傷に起因する異常画像の視認率が高くなるため、こまめに研磨動作を実施することでベルト傷に起因する異常画像の悪化を未然に防ぐことができる。
用紙Pの光沢度の情報は、用紙表面状態検出センサ401等の検出手段の検出結果に基づいて取得することができる。また、用紙Pの銘柄によって光沢度が分かっている場合は、給紙される用紙Pの銘柄の情報に基づいて光沢度の情報を取得してもよい。
定着装置40としては、制御部200が、用紙Pが定着部材に接触したときの定着ベルト41の温度に基づいて、研磨時間算出用通紙枚数の算出に用いる閾値または調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うようにしてもよい。定着装置40では、用紙Pが定着部材に接触したときとは、用紙Pが定着ニップNを通過するときである。
Figure 2020086349
表9は、定着ベルト41の温度(定着温度)によって、調整係数(積算量調整割合)を変更する制御テーブルの一例を示す。表9に示す制御では、定着ベルト41の温度が高いほど、研磨時間算出用通紙枚数の値が大きくなるように調整係数を設定している。
定着ベルト41の温度が高いときには画像光沢度が高まり、画像光沢度が高まることで定着ベルト41の傷に起因する異常画像の視認率が高くなる。そこで、厚紙や封筒など定着温度が高くなる傾向の銘柄の記録媒体を通紙するときには、通常よりも研磨動作をこまめに実施することでベルト傷に起因する異常画像の悪化を未然に防ぐことができる。
定着ベルト41の温度の情報は、図1に示すように定着ベルト41の表面に対向するように配置されたベルト温度センサ415等の温度検出手段の検出結果に基づいて取得することができる。また、上述した厚紙や封筒などのように、記録媒体の銘柄によって設定される定着温度が分かっている場合は、給紙される記録媒体の銘柄の情報に基づいて定着ベルト41の温度の情報を取得してもよい。
定着装置40としては、研磨ローラ13を定着ベルト41に接触させるときの定着ベルト41及び加圧ローラ44の表面移動速度を、閾値または調整係数の少なくとも一方の値に基づいて変更する制御を行うようにしてもよい。
閾値または調整係数の設定によって、通常よりも研磨動作の実行頻度が高くなったり、研磨時間が長くなったりすることがある。
例えば、表6〜表9に示す制御で、積算量調整割合を100[%]よりも大きくする場合は、研磨動作を細かく実行したり、研磨時間を長くしたりするため、使用者のダウンタイムが増加してしまう。そこで、研磨ローラ13や定着ベルト41の寿命とはトレードオフの関係になるが、定着ベルト41、加圧ローラ44及び研磨ローラ13の回転速度を上げることで、研磨時間を短縮し、使用者のダウンタイムの軽減を図ることができる。
上述した実施形態では、本発明を適用した画像形成装置が電子写真方式のプリンタである場合について説明したが、プリンタに限らず、複写機等の他の電子写真方式の画像形成装置であってもよい。また、電子写真方式に限らずインクジェット方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用も可能である。インクジェット方式を用いた画像形成装置としては、例えば記録媒体(用紙)上に担持された未乾燥インク像を乾燥する定着装置への適用がある。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
用紙P等の記録媒体に接触して未定着トナーT等の未定着画像を記録媒体に定着する定着ベルト41等の定着部材と、定着部材の表面に接触して摺擦する研磨ローラ13等の摺擦部材と、前回研磨動作実施時等の所定のタイミングからの記録媒体の積算通紙枚数等の積算通過数に基づいて摺擦部材による研磨時間等の摺擦時間を制御する制御部200等の制御手段とを備える定着装置40等の定着装置において、制御手段は、積算通過数に基づいて算出する研磨時間算出用通紙枚数等の摺擦時間算出用通過数に基づいて摺擦時間を決定するものであり、摺擦時間算出用通過数は、積算通過数に対して予め設定した閾値(3000枚等)の前後で値が異なる調整係数(1.0と0.8等)を、通過枚数に乗じた値の総和によって算出し、制御手段は、閾値の前後で、摺擦部材の定着部材に対する接触圧を異ならせる制御を行うことを特徴とするものである。
これによれば、積算通過数に対する必要な摺擦時間が比例関係になく、積算通過数が増加するにつれて必要な摺擦時間が飽和状態に近づく場合、閾値を超えた通過数に対して乗じる調整係数を小さくすることで摺擦時間を必要な摺擦時間に近づけることができる。また、積算通過数が閾値よりも大きくなった場合に、接触圧を小さくすることで、摺擦部材による定着部材の研磨が過剰となることを防止し、定着部材の寿命低下を抑制することができる。よって、摺擦部材で摺擦することによって定着部材の表面を研磨する際に、定着部材を適切に研磨し、定着不良を抑制しつつ、定着部材の寿命低下を抑制することができる。
所定のタイミングとしては、前回研磨動作実施時等の前回摺擦動作実施時を挙げることができるがこれに限るものではない。例えば、プリンタ100等の画像形成装置の使用開始時、定着装置が交換可能であれば交換後の使用開始時、大量の連続通紙を行う場合のジョブ開始時等を挙げることができる。
また、積算通過数としては、上述した連続通紙枚数に限らず、複数の印刷ジョブを終了後における前回の摺擦動作からの積算通紙枚数でもよい。この場合は、予め設定した所定の時間になった時点や、使用者によってリフレッシュ動作開始の指示が入力された時点での前回の摺擦動作からの積算通紙枚数に基づいて摺擦時間算出用通過数を算出する。
一回の印刷ジョブの終了毎に、積算通紙枚数が研磨動作を実行すべき枚数に達したか否かを判断し、研磨動作の実行の可否を判断する構成では、複数の印刷ジョブを連続して行いたい場合に、研磨動作によるダウンタイムが生じる。これに対して、予め設定した所定の時間やリフレッシュ動作開始指示入力時に、摺擦時間算出用通過数を算出し、摺擦動作の要否の判断や摺擦動作の時間の算出を行うことで、上述したダウンタイムが生じることを防止できる。
(態様2)
態様1において、記録媒体を搬送方向に直交する方向にシフトさせるシフト動作が可能な構成を備え、制御手段は、シフト動作が実行されたか否かによって、閾値または調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うことを特徴とするものである。
これによれば、シフト動作を実行した場合は、定着部材に生じた傷の回復に必要な研磨時間が減少するため、摺擦時間算出用通過数を減少させるように、閾値や調整係数を設定することができる。これにより、研磨動作の頻度や研磨時間を低下させることができ、定着部材の長寿命化、並びに、研磨動作によるダウンタイムの低減を図ることができる。
(態様3)
態様1または2において、制御手段は、定着部材が接触する記録媒体の表面の平滑性に基づいて、閾値または調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うことを特徴とするものである。
これによれば、記録媒体の平滑性が高い場合は、定着部材に傷が生じにくく、摺擦時間算出用通過数を減少させるように、閾値や調整係数を設定することができる。これにより、研磨動作の頻度や研磨時間を低下させることができ、定着部材の長寿命化、並びに、研磨動作によるダウンタイムの低減を図ることができる。
(態様4)
態様1乃至3の何れかの態様において、摺擦時間算出用通過数を算出して、算出した摺擦時間算出用通過数に基づいて摺擦時間を決定する制御の実行の可否を選択可能とすることを特徴とするものである。
これによれば、既知の記録媒体を通過させる場合には上述した制御を実行して適切な研磨時間を設定でき、未知の記録媒体を通過させる場合には上述した制御を実行せず異常画像の発生を防止できる。
(態様5)
態様1乃至4の何れかの態様において、制御手段は、記録媒体の幅毎に摺擦時間算出用通過数を算出し、記録媒体の幅毎に閾値及び調整係数を設定することを特徴とするものである。
これによれば、幅の狭い記録媒体を通過させた際には、研磨時間を長くして異常画像の発生を防止できる。また、幅の広い記録媒体を通過させた際には、研磨時間を短くして適切な研磨時間を設定でき、定着部材の長寿命化を図ることができるとともに、研磨動作によるダウンタイムを低減させることができる。
(態様6)
態様1乃至5の何れかの態様において、定着部材との間で記録媒体を挟持する定着ニップN等の定着ニップを形成する加圧ローラ44等の加圧部材と、定着部材または加圧部材の少なくとも一方の表面に接触するクリーニングウェブ12等の清掃部材と、を備え、摺擦部材の定着部材に対する接触圧に基づいて、定着部材または加圧部材に対する清掃部材の接触圧を変更することを特徴とするものである。
これによれば、摺擦部材の接触圧が大きい場合には清掃部材の接触圧を大きくし、研磨粉などの異物回収力を高める。一方、摺擦部材の接触圧が小さい場合には清掃部材の接触圧を小さくし、定着部材または加圧部材と清掃部材との磨耗を防ぐことが出来る。
(態様7)
態様1乃至6の何れかの態様において、制御手段は、記録媒体の表面におけるトナー等の画像形成物質の付着量に基づいて、閾値または調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うことを特徴とするものである。
これによれば、画像形成物質の付着量が多いときに生じる光沢障害等の定着不良の発生を抑制できる。
(態様8)
態様1乃至7の何れかの態様において、制御手段は、記録媒体の厚みまたは剛性に基づいて、閾値または調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うことを特徴とするものである。
これによれば、厚みまたは剛性が大きい記録媒体を通過させたときに生じる定着部材の傷の拡大を予防することが出来る。
(態様9)
態様1乃至8の何れかの態様において、制御手段は、記録媒体の光沢度に基づいて、閾値または調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うことを特徴とするものである。
これによれば、光沢度が高いときに生じ易い、定着部材上の傷に起因する異常画像等の定着不良の悪化を未然に防ぐことができる。
(態様10)
態様1乃至9の何れかの態様において、制御手段は、記録媒体が定着部材に接触したときの定着部材の温度に基づいて、閾値または調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うことを特徴とするものである。
これによれば、定着部材の温度が高いときに生じ易い、定着部材上の傷に起因する異常画像等の定着不良の悪化を未然に防ぐことができる。
(態様11)
態様1乃至10の何れかの態様において、摺擦部材を定着部材に接触させるときの定着部材の表面移動速度を、閾値または調整係数の少なくとも一方の値に基づいて変更することを特徴とするものである。
これによれば、使用者のダウンタイムの軽減を図ることができる。
(態様12)
用紙P等の記録媒体に画像を形成する画像形成部110等の画像形成手段と、記録媒体に画像を定着させる定着手段とを備えるプリンタ100等の画像形成装置において、定着手段として、態様1乃至11の何れかの態様に係る定着装置40等の定着装置を備えることを特徴とするものである。
これによれば、定着部材を適切に研磨することで、定着不良を抑制して画像不良の発生を抑制しつつ、定着部材の寿命低下を抑制する装置のランニングコストの削減を図ることができる。
1 光書込ユニット
1YM 第一光書込ユニット
1CK 第二光書込ユニット
2 作像ユニット
3 感光体
3Y イエロー用感光体
3M マゼンタ用感光体
3C シアン用感光体
3K ブラック用感光体
4 現像装置
5 帯電装置
6 ドラムクリーニング装置
8 定着分離板
9 定着後搬送ローラ対
10 入口ガイド板
12 クリーニングウェブ
13 研磨ローラ
13a 研磨ローラ回転軸
30 給紙路
31 転写前搬送路
32 手差し給紙路
33 手差しトレイ
34 レジストローラ対
35 搬送ベルトユニット
36 搬送ベルト
37 搬送駆動ローラ
38 搬送従動ローラ
40 定着装置
41 定着ベルト
42 定着ローラ
43 加熱ローラ
44 加圧ローラ
45 ヒーターランプ
46 テンションローラ
50 搬送切替装置
51 排紙路
52 排紙ローラ対
53 排紙トレイ
54 再送路
55 スイッチバック路
56 スイッチバック後搬送路
59 定着排紙センサ
60 一次転写ユニット
61 中間転写ベルト
62 一次転写ローラ
64 トナー付着量検知センサ
68 二次転写バイアスローラ
72 接地従動ローラ
75 中間転写ベルトクリーニング装置
76 二次転写ベルトクリーニング装置
77 二次転写ベルト
78 二次転写ユニット
79 二次転写駆動ローラ
100 プリンタ
101 第一給紙カセット
101a 第一給送ローラ
102 第二給紙カセット
102a 第二給送ローラ
103 トナーボトル
110 画像形成部
120 給紙部
121 加圧ローラクリーニング装置
122 巻き取りローラ
123 送り出しローラ
124 ウェブ加圧ローラ
130 ベルト研磨機構
131 支持レバー回動モータ
132 研磨ローラ支持レバー
133 支持レバー回動軸
200 制御部
400 定着筐体
401 用紙表面状態検出センサ
415 ベルト温度センサ
N 定着ニップ
P 用紙
T 未定着トナー
特開2017−021320号公報 特開平3−133871号公報

Claims (12)

  1. 記録媒体に接触して未定着画像を前記記録媒体に定着する定着部材と、
    前記定着部材の表面に接触して摺擦する摺擦部材と、
    所定のタイミングからの前記記録媒体の積算通過数に基づいて前記摺擦部材による摺擦時間を制御する制御手段とを備える定着装置において、
    前記制御手段は、前記積算通過数に基づいて算出する摺擦時間算出用通過数に基づいて前記摺擦時間を決定するものであり、
    前記摺擦時間算出用通過数は、前記積算通過数に対して予め設定した閾値の前後で値が異なる調整係数を、通過枚数に乗じた値の総和によって算出し、
    前記制御手段は、前記閾値の前後で、前記摺擦部材の前記定着部材に対する接触圧を異ならせる制御を行うことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1の定着装置において、
    前記記録媒体を搬送方向に直交する方向にシフトさせるシフト動作が可能な構成を備え、
    前記制御手段は、前記シフト動作が実行されたか否かによって、前記閾値または前記調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うことを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1または2の定着装置において、
    前記制御手段は、前記定着部材が接触する前記記録媒体の表面の平滑性に基づいて、前記閾値または前記調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の定着装置において、
    前記摺擦時間算出用通過数を算出して、算出した前記摺擦時間算出用通過数に基づいて前記摺擦時間を決定する制御の実行の可否を選択可能とすることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の定着装置において、
    前記制御手段は、前記記録媒体の幅毎に前記摺擦時間算出用通過数を算出し、
    前記記録媒体の幅毎に前記閾値及び前記調整係数を設定することを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の定着装置において、
    前記定着部材との間で前記記録媒体を挟持する定着ニップを形成する加圧部材と、
    前記定着部材または前記加圧部材の少なくとも一方の表面に接触する清掃部材と、を備え、
    前記摺擦部材の前記定着部材に対する接触圧に基づいて、前記定着部材または前記加圧部材に対する前記清掃部材の接触圧を変更することを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の定着装置において、
    前記制御手段は、前記記録媒体の表面における画像形成物質の付着量に基づいて、前記閾値または前記調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うことを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の定着装置において、
    前記制御手段は、前記記録媒体の厚みまたは剛性に基づいて、前記閾値または前記調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うことを特徴とする定着装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の定着装置において、
    前記制御手段は、前記記録媒体の光沢度に基づいて、前記閾値または前記調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うことを特徴とする定着装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載の定着装置において、
    前記制御手段は、前記記録媒体が前記定着部材に接触したときの前記定着部材の温度に基づいて、前記閾値または前記調整係数の少なくとも一方を変更する制御を行うことを特徴とする定着装置。
  11. 請求項1乃至10の何れか一項に記載の定着装置において、
    前記摺擦部材を前記定着部材に接触させるときの前記定着部材の表面移動速度を、前記閾値または前記調整係数の少なくとも一方の値に基づいて変更することを特徴とする定着装置。
  12. 記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記記録媒体に前記画像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、
    前記定着手段として、請求項1乃至11の何れか一に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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