JP6911500B2 - ポリウレタン樹脂製造用触媒組成物、及びそれを用いたポリウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン樹脂製造用触媒組成物、及びそれを用いたポリウレタン樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリウレタン樹脂製造用触媒組成物、及びそれを用いたポリウレタン樹脂の製造方法に関する。
ポリウレタン樹脂は、通常、ポリオールとポリイソシアネートとを3級アミン化合物及び必要に応じて発泡剤、界面活性剤、難燃剤、架橋剤等の存在下に反応させて製造され、当該技術は工業的に多用されている。上記ポリウレタン樹脂は、自動車シート、ヘッドレスト、寝具、ソファー、壁材等、自動車や住宅の内装材として広く使用されている。
人体の健康に対する配慮や他の部材の劣化抑制の観点から、近年、ポリウレタン樹脂から発生する揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)を低減させる技術が検討されている。
VOCとして代表的なものの1つに、ポリウレタン樹脂製造時に触媒として用いられる3級アミン化合物が挙げられる。汎用的な3級アミンとして、例えば、トリエチレンジアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル等が使用されるが、これらのアミンは、揮発性のアミンとしてポリウレタン製品から徐々に排出され、臭気や、他の材料の変色等を引き起こすことが知られている。例えば、ポリカーボネート樹脂は、自動車のインパネやヘッドランプ等に使用されているが、アミンによって分解され、白化や溶解といった現象が起こることが知られている。
この問題を解決する方法の一つとして、例えば、製造したウレタンフォームを長期養生して、揮発成分を低減する方法、揮発アミンのトラップ剤(VOCキャッチャー剤)をウレタンに塗布する等の方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、これらの方法は、VOCを低減させるための養生工程や、VOCキャッチャー剤の塗布工程が必要となるため、生産性向上の観点から好ましくない。
その他の方法として、アミン分子内にポリイソシアネートと反応し得る官能基、例えばヒドロキシ基、又は1級若しくは2級のアミノ基を有するアミン触媒(一般に、「反応型触媒」と称される)を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
上記特許文献によれば、これらのアミン触媒は、ポリイソシアネートと反応した形でポリウレタン樹脂骨格中に固定化されるため、アミン触媒がVOCとしてポリウレタン外に放散されるという問題を回避できるとされている。しかしながら、これらの反応型触媒を用いても、揮発性アミン由来の臭気や、それによる他の材料の変色を完全には抑制することはできず、VOCの低減に関しては未だ改善すべき課題を有していた。
なお、本件出願人は、揮発性のアミン触媒を含まないポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物として、ヒドロキシ基、又はヒドロキシアルキル基を有するトリエチレンジアミンと、ヒドロキシ基、又は1級若しくは2級のアミノ基を有するアミン触媒とからなる触媒組成物を既に特許出願している(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、ヒドロキシ基、又は1級若しくは2級のアミノ基を有するアミン触媒に起因する揮発性アミン由来の臭気や、それによる他の材料の変色については、更なる改善が求められていた。
特開昭62−116636号公報 特開昭63−265909号公報 特開2008−45113号公報 特開2010−037488号公報
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポリウレタン樹脂の製造において、人体や周囲の部材に対して悪影響のあるVOC、特に3級アミン類について、その揮発が抑制されたポリウレタン樹脂の製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ポリウレタン樹脂製造用触媒として、反応型のアミン触媒と特定の有機酸との組成物を使用すると、揮発アミンによる臭気が更に低減されるとともに、他の材料への汚染が更に抑制されたポリウレタン樹脂を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すとおりのポリウレタン樹脂の製造方法に関する。
[1]ヒドロキシ基、又は1級若しくは2級のアミノ基を有するアミン触媒(A)と、酢酸、シュウ酸、サリチル酸、フタル酸及びその構造異性体、1,2,3−プロパントリカルボン酸、並びにトリメリット酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸(B)とを含み、有機酸(B)に由来するカルボキシル基の総モル数が、アミン触媒(A)の総モル数に対して1〜25%の範囲であることを特徴とするポリウレタン樹脂製造用触媒組成物。
[2]ヒドロキシ基、又は1級若しくは2級のアミノ基を有するアミン触媒(A)が、下記一般式(1)
Figure 0006911500
[上記一般式(1)中、R〜Rは各々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。Xは水酸基、アミノ基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基若しくはアミノアルキル基を表す]
で表される3級アミン化合物、及び下記一般式(2)
Figure 0006911500
[式中、R〜Rは各々独立して、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜10のアミノアルキル基、炭素数1〜10のモノメチルアミノアルキル基、又は炭素数1〜10のジメチルアミノアルキル基を表し、xは0〜11の整数、yは0〜11の整数、aは0〜10の整数、bは0〜10の整数を表す。]
で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は二種以上の化合物であることを特徴とする上記[1]に記載の触媒組成物。
[3]上記一般式(1)において、R〜Rが水素原子であり、Xがヒドロキシメチル基であることを特徴とする上記[2]に記載のポリウレタン樹脂製造用触媒組成物。
[4]上記一般式(2)で示されるアミン化合物が、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルプロピレンジアミン、N,N’−ジメチルプロピレンジアミン、N,N−ジメチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルジエチレントリアミン、トリメチルエチレンジアミン、トリメチルプロピレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、テトラメチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノイソプロパノール、ビス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、N−メチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルアミノエチル−N”−メチルアミノイソプロパノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ビス(2−アミノエチル)エーテル、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミン、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、及びN,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミンからなる群より選ばれる一種又は二種以上のアミン化合物であることを特徴とする上記[2]又は[3]に記載の触媒組成物。
[5]上記一般式(1)で示されるアミン化合物と、上記一般式(2)で示されるアミン化合物との混合比率が、[一般式(1)で示されるアミン化合物]/[一般式(2)で示されるアミン化合物]=1/99〜99/1(重量比)であることを特徴とする上記[2]乃至[4]のいずれかに記載のポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物。
[6]上記有機酸(B)が、酢酸、シュウ酸、及びトリメリット酸から選ばれる少なくとも一種の有機酸であることを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の触媒組成物。
[7]上記有機酸(B)に由来するカルボキシル基の総モル数が、アミン触媒(A)の総モル数に対して1〜25%の範囲であることを特徴とする上記[1]乃至[6]のいずれかに記載の触媒組成物。
[8]上記[1]乃至[7]のいずれかに記載の触媒組成物の存在下、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
[9]上記[1]乃至[7]のいずれかに記載の触媒組成物の使用量が、ポリオール100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲であることを特徴とする上記[8]に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
本発明によれば、人体や周囲の部材に対して悪影響のあるVOC、特に3級アミン化合物の揮発が抑制されたポリウレタン樹脂を提供することが可能になる。
また、本発明によれば、通気性や機械物性(圧縮歪耐性)に優れるポリウレタン樹脂を提供することが可能になる。
実施例、比較例におけるゲルタイム及びBPA溶出量比の関係を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリウレタン樹脂製造用触媒組成物は、ヒドロキシ基、又は1級若しくは2級のアミノ基を有するアミン触媒(A)と、酢酸、シュウ酸、サリチル酸、フタル酸及びその構造異性体、1,2,3−プロパントリカルボン酸、並びにトリメリット酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸(B)とを含み、有機酸(B)に由来するカルボキシル基の総モル数が、アミン触媒(A)の総モル数に対して1〜25%の範囲であることをその特徴とする。
ヒドロキシ基、又は1級若しくは2級のアミノ基を有するアミン触媒(A)としては、特に限定するものではないが、上記一般式(1)で表される3級アミン化合物、及び上記一般式(2)で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は二種以上の化合物であることが好ましい。
本発明において、上記一般式(1)で表されるアミン化合物は、それに光学活性体、ジアステレオマー、幾何異性体が存在する場合は、それぞれの混合物及びそれらが単離された異性体の双方が包含される。
上記一般式(1)において、置換基R〜Rとしては、例えば、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)、炭素数1〜4のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基等)を挙げることができる。これらのうち、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基であり、特に好ましくは水素原子である。
上記一般式(1)において、置換基Xは、ウレタン原料であるイソシアネートと反応することができる官能基であり、例えば、水酸基、アミノ基、ヒドロキシメチル基、ジヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ジヒドロキシエチル基、アミノメチル基、アミノエチル基、ジアミノエチル基、アミノヒドロキシエチル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ポリウレタンの生産速度や、フォームの物性を調整する上で、通常は複数種の3級アミン化合物が併用される。本発明においても、上記一般式(1)で表されるアミン化合物を単独で用いても良いが、必要に応じてその他の3級アミン化合物や、有機金属触媒、4級アンモニウム塩触媒等を併用しても良い。
上記一般式(2)において、置換基R〜Rとしては、例えば、水素原子、ヒドロキシ基、メチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、モノメチルアミノエチル基、モノメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基等が挙げられる。
上記一般式(2)で示されるアミン化合物としては、具体的には、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルプロピレンジアミン、N,N−ジメチルテトラメチレンジアミン、N,N−ジメチルペンタメチレンジアミン、N,N−ジメチルヘキサメチレンジアミン、N,N−ジメチルヘプタメチレンジアミン、N,N−ジメチルオクタメチレンジアミン、N,N−ジメチルノナメチレンジアミン、N,N−ジメチルデカメチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N−メチルプロピレンジアミン、N−メチルテトラメチレンジアミン、N−メチルペンタメチレンジアミン、N−メチルヘキサメチレンジアミン、N−メチルヘプタメチレンジアミン、N−メチルオクタメチレンジアミン、N−メチルノナメチレンジアミン、N−メチルデカメチレンジアミン、N−アセチルエチレンジアミン、N−アセチルプロピレンジアミン、N−アセチルテトラメチレンジアミン、N−アセチルペンタメチレンジアミン、N−アセチルヘキサメチレンジアミン、N−アセチルヘプタメチレンジアミン、N−アセチルオクタメチレンジアミン、N−アセチルノナメチレンジアミン、N−アセチルデカメチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”−テトラメチルトリエチレンテトラミン、N,N,N’,N”,N”’−ペンタメチルテトラエチレンペンタミン、N,N,N’,N”,N”’N””−ヘキサメチルペンタエチレンヘキサミン等の1級アミン化合物類、
N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルプロピレンジアミン、N,N’−ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルエチレンジアミン、トリメチルプロピレンジアミン、トリメチルテトラメチレンジアミン、トリメチルペンタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘプタメチレンジアミン、トリメチルオクタメチレンジアミン、トリメチルノナメチレンジアミン、トリメチルデカメチレンジアミン、テトラメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルトリエチレンテトラミン、ヘキサメチルテトラエチレンペンタミン、ヘプタメチルペンタエチレンヘキサミン、ビス(N,N−ジメチルアミノプロピル)アミン、N−メチルピペラジン等の2級アミン化合物類、
N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノイソプロパノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノエトキシイソプロパノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルアミノエチル−N”−メチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルアミノエチル−N”−メチルアミノイソプロパノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシイソプロパノール、N,N−ジメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ビス(2−アミノエチル)エーテル、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシイソプロピル)ビス(2−アミノエチル)エーテル、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミン、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、5−ジメチルアミノ−3−メチル−1−ペンタノール、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシプロピル)プロピレンジアミン等のアルカノールアミン類等が例示される。
これらのアミン化合物のうち、触媒活性が高いことから、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルプロピレンジアミン、N,N’−ジメチルプロピレンジアミン、N,N−ジメチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルジエチレントリアミン、トリメチルエチレンジアミン、トリメチルプロピレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、テトラメチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノイソプロパノール、ビス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、N−メチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルアミノエチル−N”−メチルアミノイソプロパノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ビス(2−アミノエチル)エーテル、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミン、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、及びN,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物が特に好ましい。
アミン触媒(A)として、上記一般式(1)で表される3級アミン化合物と、上記一般式(2)で示されるアミン化合物とを併用する場合、それらの混合比率は、ポリウレタンの生産速度や、フォームの物性を調整する上で、アミン化合物の混合比率は適宜選択されるため、特に限定されない。通常は、上記一般式(1)で表されるアミン化合物と一般式(2)で表されるアミン化合物の重量比([上記一般式(1)で表されるアミン化合物]/[上記一般式(2)で表されるアミン化合物])が、1/99〜99/1の範囲になるように混合比率が調節され、更に好ましくは5/95〜95/5の範囲である。重量比がこの範囲を超えると両触媒の相乗効果が得られない場合があり、ポリウレタン樹脂の物性及び触媒活性の点で満足できる性能を発揮しない場合がある。
本発明のポリウレタン樹脂製造用触媒組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、有機金属触媒、4級アンモニウム塩触媒を含有することができる。
有機金属触媒としては、従来公知のもので良く、特に限定するものではないが、例えば、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。
4級アンモニウム塩触媒としては、従来公知のもので良く、特に限定するものではないが、例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、水酸化テトラメチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩類が挙げられる。
なお、本発明のポリウレタン樹脂製造用触媒組成物を調製するにあたり、これら種々の原料を混合調整する際に、必要ならば溶媒を用いることができる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、又は水等を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明において、有機酸(B)としては、例えば、ギ酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、サリチル酸、セバシン酸、2−エチルヘキサン酸、フタル酸及びその構造異性体、マレイン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、トリメリット酸等が挙げられる。これらのうち、VOCの低減効果とコスト等の観点から、酢酸、シュウ酸、トリメリット酸が好ましく、特に好ましくは酢酸、トリメリット酸である。
本発明のポリウレタン樹脂製造用触媒組成物において、有機酸(B)の使用量としては特に限定するものではないが、アミン触媒(A)の総量に対して、好ましくは1〜25モル%の範囲、更に好ましくは5〜15%の範囲である。有機酸(B)の使用量が1モル%よりも少ない場合にはVOCの低減効果が少なく、25モル%よりも多い場合はウレタン生成速度が遅延化し、生産効率が悪化するほか、樹脂の成型性不良といった現象が起こる場合がある。
本発明のポリウレタン樹脂製造用触媒組成物は、例えば、硬質、半硬質又は軟質のポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物として好適に用いられる。
本発明のポリウレタン樹脂の製造方法は、上記した本発明の本発明のポリウレタン樹脂製造用触媒組成物の存在下、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることをその特徴とする。本発明の製造方法は、例えば、硬質、半硬質又は軟質のポリウレタンフォームの製造に好適に用いられる。
本発明の製造方法において、アミン触媒(A)の使用量としては、主原料であるポリオール100重量部に対して、通常0.1〜20重量部の範囲、好ましくは0.2〜10重量部の範囲である。触媒の使用量を0.1重量部以上とすることで、本発明の効果を十分に得ることができるが、20重量部よりも多量に使用しても、触媒を増やしただけ効果が得られないばかりでなく、ポリウレタン樹脂の物性が悪化するおそれがある。
本発明のポリウレタン樹脂製造用触媒組成物と、それ以外のポリウレタン原料(例えば、ポリオール、ポリイソシアネート等)との混合方法としては、特に限定するものではないが、例えば、全ての原料を同時に混合する方法(ワンショット法)、ポリイソシアネート以外の成分を予め混合し、得られたポリウレタンプレミックスとポリイソシアネートとを発泡直前に混合する方法(プレミックス法)等が採用される。
本発明においては、有機酸(B)には通常の状態で固体であるものが含まれるため、ポリウレタンプレミックス中に均一に分散又は溶解させるという観点から、有機酸(B)を予め相溶する成分と混合し均一化させた後、ポリウレタンプレミックスとして調製する方法が好ましい。
本発明に使用されるポリオールとしては、特に限定するものではないが、例えば、従来公知のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、さらにはリン含有ポリオール、ハロゲン含有ポリオール等の難燃ポリオール等が挙げられる。これらのポリオールは単独で使用することも、適宜混合して併用することもできる。
ポリエーテルポリオールとしては、特に限定するものではないが、例えば、少なくとも2個以上の活性水素基を有する化合物(具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール等が例示される)を出発原料として、これとアルキレンオキサイド(具体的には、エチレンオキシドやプロピレンオキシドが例示される)の重合付加反応により製造されたものが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、特に限定するものではないが、例えば、二塩基酸とグリコールの反応から得られるものや、ナイロン製造時の廃物、トリメチロールプロパン、ペンタエリストールの廃物、フタル酸系ポリエステルの廃物、廃品を処理して誘導したポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、特に限定するものではないが、例えば、上記ポリエーテルポリオールとエチレン性不飽和単量体(例えば、ブタジエン、アクリロニトリル、スチレン等が挙げられる)をラジカル重合触媒の存在下に反応させた重合体ポリオールが挙げられる。
難燃ポリオールとしては、特に限定するものではないが、例えば、リン酸化合物にアルキレンオキサイドを付加して得られるリン含有ポリオールや、エピクロルヒドリンやトリクロロブチレンオキサイドを開環重合して得られるハロゲン含有ポリオール、フェノールポリオール等が挙げられる。
本発明においては、通常、平均水酸基価が20〜1000mgKOH/gの範囲のポリオール類が使用されるが、軟質ポリウレタンフォームには平均水酸基価が20〜100mgKOH/gの範囲のものが好適に使用される。
本発明に使用されるポリイソシアネートとしては、特に限定するものではないが、例えば、トルエンジイソシアネート(以下、「TDI」と称する)、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「MDI」と称する)、ナフチレンジイシシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、及びこれらの混合体等が挙げられる。これらのうち好ましくはTDIとその誘導体、又はMDIとその誘導体であり、これらは単独で使用しても、混合して使用しても差し支えない。
TDIとその誘導体としては、例えば、2,4−TDIと2,6−TDIの混合物、TDIの末端イソシアネートプレポリマー誘導体等を挙げることができる。また、MDIとその誘導体としては、例えば、MDIとその重合体のポリフェニルポリメチレンジイソシアネートの混合体、末端イソシアネート基を持つジフェニルメタンジイソシアネート誘導体等を挙げることができる。
これらポリイソシアネート類のうち、軟質ポリウレタンフォーム又は半硬質ポリウレタンフォーム製品には、TDIとその誘導体、MDIとその誘導体、又はそれらの両方が好適に使用される。また、硬質ポリウレタンフォームには、MDIとその重合体のポリフェニルポリメチレンジイソシアネートの混合体が好適に使用される。
本発明において、ポリイソシアネート類とポリオールとの混合割合としては、特に限定するものではないが、イソシアネートインデックス([イソシアネート基]/[イソシアネート基と反応し得る活性水素基]×100)で表すと、一般に60〜400の範囲が好ましい。より好ましくは50〜200の範囲であり、さらに好ましくは60〜120の範囲である。
本発明において、必要であれば、発泡剤を使用することができる。発泡剤としては、特に限定するものではないが、通常、水が用いられる。
発泡剤の使用量は、所望の密度やフォーム物性に応じて決定されるため、特に限定するものではないが、一般的には、得られるフォーム密度が、通常、5〜1000kg/m、好ましくは10〜500kg/mの範囲となるように選択され、重量部数としてはポリオール100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部である。
本発明において、必要であれば、整泡剤として界面活性剤を用いることができる。使用される界面活性剤としては、例えば、従来公知の有機シリコーン系界面活性剤が挙げられ、具体的には、有機シロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリース共重合体等の非イオン系界面活性剤、又はこれらの混合物等が例示される。それらの使用量は、ポリオール100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部である。
本発明において、必要であれば、難燃剤を用いることができる。使用される難燃剤としては、例えば、リン酸とアルキレンオキサイドとの付加反応によって得られるプロポキシル化リン酸、プロポキシル化ジブチルピロリン酸等の含リンポリオールの様な反応型難燃剤、トリクレジルホスフェート等の第3リン酸エステル類、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート等のハロゲン含有第3リン酸エステル類、ジブロモプロパノール、ジブロモネオペンチルグリコール、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン含有有機化合物類、酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸アルミニウム等の無機化合物等が挙げられる。その量は特に限定されるものではなく、要求される難燃性に応じて異なるが、通常、ポリオール100重量部に対して1〜20重量部である。
本発明において、必要であれば、着色剤や、老化防止剤、その他従来公知の添加剤等も使用できる。これらの添加剤の種類、添加量は、使用される添加剤の通常の使用範囲で良い。
本発明において、実際にポリウレタン樹脂を製造する形態としては、特に限定するものではなく、一般的な方法、例えば、スラブ発泡、モールド発泡、スプレー発泡等が採用される。混合、攪拌は、一般的な攪拌機や専用のポリウレタン発泡機を使用して実施すれば良い。専用のポリウレタン発泡機としては、例えば、高圧、低圧、又はスプレー式の機器が使用される。
本発明を以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
実施例1〜実施例10.
以下のポリウレタン原料を用い、軟質ポリウレタンフォームを製造した。
[ポリウレタン原料]
ポリオールとして、官能基数=2、水酸基価=28.0のポリエーテル系ポリオール(以下「ポリオールA」と称する)を100、及び官能基数=4、水酸基価=29.0のポリエーテル系ポリオール(以下「ポリオールB」と称する)を使用した。
整泡剤として、HRモールドフォーム用のシリコーン整泡剤を使用した。
発泡剤として、純水を使用した。
アミン触媒(A)として、東ソー社製3級アミン触媒(2−ヒドロキシメチルトリエチレンジアミン、商品名:RZETA)と、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ビス(2−アミノエチル)エーテル(CAS No:83016−70−0)とを併用した。
有機酸(B)として、表1に示す各種化合物を使用した。
ポリイソシアネートとして、ポリメリックMDI(イソシアネート重量=28.6%)を使用し、イソシアネートインデックス=100となるように使用量を調整した。ポリイソシアネートの重量部数は、ポリオールA100pbwに対し約65pbwであった。
[ウレタンフォームの作製法]
上記したポリオール、整泡剤、発泡剤、アミン触媒(A)、及び有機酸(B)からなるポリウレタンプレミックス約190gを500ccのポリカップで調合した後、別容器に準備した上記ポリイソシアネート約120gを流し入れた。その後直ちに回転数6000rpmの撹拌羽で6秒間これらを混合した後、混合液を60℃に温度調節した5L金型(25×25×8cm)に流し入れ、密閉し、その7分後に脱型した。25度、湿度50%の条件にて、作製したフォームを1週間養生した後、以下に示す方法でVOCへの影響を評価した。
[VOC評価方法]
養生したフォームの中心部を10×10×8cmに裁断した。面積約4cm2、厚み約2mmのポリカーボネート樹脂(パルテック社製)を、作製したフォームと一緒に1Lの硝子容器に入れ、密閉した。密閉した容器を95℃に加熱して3日間養生したのち、ポリカーボネート樹脂を容器から取り出し、その外観及び樹脂の分解度を評価し、ウレタンフォームから発生するVOCの影響を比較した。樹脂の分解度の評価は、加熱試験後の試験片を2−プロパノール6gに浸漬し、溶出したビスフェノールA(BPA)をHPLCで定量することにより行った。
以上の結果を表1に併せて示す。
Figure 0006911500
表1中の(pbw)はポリオールAを100重量部としたときの他の原料の重量部数を示し、(BPA)はポリカーボネート樹脂の構成要素であるビスフェノールAを示す。
なお、表1の「BPA溶出量比」には、比較例1の条件で検出されたBPAを100とした場合の相対比を記載している。
比較例1.
有機酸を使用しないこと以外は、実施例1と同様の方法でポリウレタン樹脂を製造しポリカーボネート樹脂の汚染性を評価した。
比較例2.
アミン化合物に対して有機酸を30モル%添加したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリウレタン樹脂を製造し、ポリカーボネート樹脂の汚染性を評価した。
比較例3.
実施例1における触媒Aの代わりに、トリエチレンジアミン(触媒Cと表記)を主触媒として使用したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリウレタン樹脂を製造しポリカーボネート樹脂の汚染性を評価した。
比較例4.
実施例1における触媒Aの代わりに、N,N−bis(3−ジメチルアミノプロピル)‐N−イソプソパノールアミン(CAS No:67151−63−7、触媒Dと表記)を主触媒として使用したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリウレタン樹脂を製造し、ポリカーボネート樹脂の汚染性を評価した。
実施例1〜6と、比較例1との比較から明らかなように、本発明のポリウレタン樹脂製造用触媒組成物を用いることによって、ウレタンフォームから発生するアミン化合物由来のVOCを低減することができ、その結果、ポリカーボネート樹脂の劣化が抑制されることが確認できた。
また、実施例1及び6と、比較例2との比較から明らかなように、過剰の有機酸を用いると、ウレタンフォームの生成速度や成形性が悪化した。本発明の組成範囲において、生産性及び成形性のバランスしたウレタンフォームの製造が可能であることが確認できた。
また、実施例1と、比較例3〜4との比較から明らかなように、非反応型のアミン触媒や、触媒A以外の反応型アミンを用いた場合では、カルボン酸を添加してもポリカーボネート樹脂の汚染低減が不十分である事が確認できた。
実施例7.
以下のポリウレタン原料を用い、軟質ポリウレタンフォームを製造した。
[ポリウレタン原料]
ポリオールとして、官能基数=3、水酸基価=56.0のプロピレントリオール(以下「ポリオールC」と称する)を使用した。
整泡剤として、スラブフォーム用のシリコーン整泡剤を使用した。
発泡剤として、塩化メチレン及び純水を使用した。
アミン触媒として(A)として東ソー社製3級アミン触媒(2−ヒドロキシメチルトリエチレンジアミン、商品名:RZETA)と、1,1‘−{(3−ジメチルアミノプロピル)イミノ}−ビス−2−プロパノール(CAS No:63469−23−8)と、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ビス(2−アミノエチル)エーテル(CAS No:83016−70−0)とを併用した。
有機酸(B)としてサリチル酸を使用した。
イソシアネートとして、TDI(イソシアネート重量=48.3%)を使用し、イソシアネートインデックス=110となるように使用量を調整した。ポリイソシアネートの重量部数は、ポリオールA100pbwに対し約64pbwであった。
[ウレタンフォームの作製法]
上記したポリオールC、整泡剤、発泡剤、アミン触媒(A)、及び有機酸(B)からなるポリウレタンプレミックス約258gを500ccのポリカップで調合した後、別容器に準備した上記ポリイソシアネート約147gを流し入れた。その後直ちに回転数3500rpmの撹拌羽で10秒間これらを混合した後、混合液を40℃に温度調節した15.6L金型(25×25×25cm)に流し入れ、その10分後に脱型した。25度、湿度50%の条件にて、作製したフォームを1週間養生した後、以下に示す方法で圧縮歪及び通気性を評価した。
[圧縮歪測定方法]
上記作製したフォームの中心部から5×5×2.5cm寸法の試験片を4個カットし、試験前の厚みを測定する。試験はJIS K6401−1980に準じて、圧縮冶具を用い試験片を50%圧縮、70℃×22hrsの条件下に置き促進劣化処理を行う。処理後圧縮を解放し、23℃×30分の状態調整後、試験片の厚みを測定し、圧縮歪(ドライセット:Dry−CS)[=(試験前の厚み−試験後の厚み)/試験前の厚み×100]を求めた。
[通気性評価方法]
上記作製したフォームの中心部から5×5×1cm寸法の試験片を4個カットする。試験はJIS K6400−7に準じて、通気性試験装置を用い、マノメータの圧力差が125±1Paとなるように風量を調節した後、試験片を垂直に透過する空気量を測定して通気性を求める。
以上の結果を表2に示す。
Figure 0006911500
比較例5.
有機酸を使用しないこと以外は、実施例11と同様の方法でポリウレタン樹脂を製造し機械物性を評価した。
実施例11と、比較例5との比較から明らかなように、有機酸としてカルボン酸を添加した時、通気性が向上し及び圧縮歪みが減少し機械物性の向上が確認できた。
本発明の触媒組成物を用いて製造されるポリウレタン樹脂は、自動車シートやヘッドレスト、寝具、ソファー、壁材等、自動車や住宅の内装材として有用である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0006911500
    [上記一般式(1)中、R1〜R8が水素原子であり、Xがヒドロキシメチル基である。]
    で表される3級アミン化合物、及びN,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ビス(2−アミノエチル)エーテルからなるアミン触媒(A)と、酢酸、シュウ酸、サリチル酸、フタル酸及びその構造異性体、1,2,3−プロパントリカルボン酸、並びにトリメリット酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸(B)とを含み、有機酸(B)に由来するカルボキシル基の総モル数が、アミン触媒(A)の総モル数に対して1〜25%の範囲であることを特徴とするポリウレタン樹脂製造用触媒組成物。
  2. 上記一般式(1)で示される3級アミン化合物と、上記N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ビス(2−アミノエチル)エーテルとの混合比率が、[一般式(1)で示される3級アミン化合物]/[N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ビス(2−アミノエチル)エーテル]=1/99〜99/1(重量比)であることを特徴とする請求項に記載のポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物。
  3. 上記有機酸(B)が、酢酸、シュウ酸、及びトリメリット酸から選ばれる少なくとも1種の有機酸であることを特徴とする請求項1に記載の触媒組成物。
  4. 上記有機酸(B)に由来するカルボキシル基の総モル数が、アミン触媒(A)の総モル数に対して1〜15%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の触媒組成物。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の触媒組成物の存在下、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
  6. 前記の触媒組成物の使用量が、ポリオール100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲であることを特徴とする請求項に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
  7. 請求項5に記載のポリウレタン樹脂の製造方法であって、触媒組成物と発泡剤の存在下、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法であって、前記の発泡剤が水であり、前記ポリウレタン樹脂が軟質ポリウレタン樹脂であることを特徴とする製造方法。
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