JP6911456B2 - 研削加工装置及び研削加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、研削加工装置及び研削加工方法に関するものである。
研削加工装置には、主軸に設けられるセンタで工作物の両端面を加圧保持し、センタの加圧力に伴う摩擦力によりセンタの回転を工作物に伝達する駆動方式がある。また、主軸に設けられるチャックやケレで工作物の周面を加圧保持し、チャックやケレの加圧力に伴う摩擦力によりチャックやケレの回転を工作物に伝達する駆動方式もある。
図13A及び図13Bに示すように、これらの駆動方式の研削加工装置では、特に粗研削加工中に砥石車Gの砥石軸動力又は工作物Wの主軸動力が工作物Wの保持力を上回ると、工作物Wと主軸(センタ、チャック、ケレ)との間でスリップが発生して工作物Wが不良品となるおそれがある。
なお、主軸動力は、研削加工点Pgにおける接線研削抵抗Fn及び研削加工点Pgと砥石車Gの回転中心Cgとの距離Rgで表されるモーメント((Fn・Rg)、以下、「研削抵抗モーメントMn」という)で表される。また、保持力は、センタCとセンタ穴Hとの摩擦力F及び摩擦力発生点Pf(便宜上、センタCとセンタ穴Hとの摩擦部分の径方向の中間点とする)と工作物Wの回転中心Cwとの距離Rwで表されるモーメント((F・Rw)、以下、「摩擦力モーメントMm」という)で表される。
このため、研削加工装置では、研削抵抗モーメントMnが摩擦力モーメントMm以下となるように研削条件を決定している。例えば、特許文献1には、工作物と主軸(センタ)との間のスリップを未然に防止できる研削加工装置が記載されている。この研削加工装置は、研削加工前に工作物と主軸(センタ)との間でスリップが発生する主軸用駆動モータの限界電流値を検出し、研削加工中にモータ電流値が限界電流値に基づいて設定される閾値に達したら研削条件を変更する。
特許第5402347号公報
モータ電流値の閾値は、工作物の大きさに応じて変わるため、場合に応じて閾値の設定を変更する必要がある。しかし、上述の特許文献1に記載の研削加工装置では、一定の閾値を設定して研削加工を制御しているため、工作物と主軸(センタ)との間のスリップを未然に防止できない場合がある。
本発明は、工作物と主軸との間のスリップを未然に防止できる研削加工装置及び研削加工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る研削加工装置は、主軸の支持部に両端が支持される工作物及び砥石軸に保持される砥石車をそれぞれ回転させ、前記工作物に対して前記砥石車を相対的に接近離間させることで、前記工作物の研削加工を行う研削加工装置において、研削抵抗の時間に対する傾きである研削抵抗傾きを算出する傾き算出部と、前記研削抵抗傾きの研削抵抗傾き閾値を設定する閾値設定部と、前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたか否かを判定する傾き判定部と、前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたとき、前記工作物に対して前記砥石車を相対的に接近させる送り速度を低下させる方向に変更する速度変更部とを備える。
また、本発明に係る他の研削加工装置は、主軸の支持部に両端が支持される工作物及び砥石軸に保持される砥石車をそれぞれ回転させ、前記工作物に対して前記砥石車を相対的に接近離間させることで、前記工作物の研削加工を行う研削加工装置において、研削抵抗の時間に対する傾きである研削抵抗傾きを算出する傾き算出部と、前記研削抵抗傾きの研削抵抗傾き閾値を設定する閾値設定部と、前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたか否かを判定する傾き判定部と、前記支持部に前記主軸の軸線方向の加圧力を加える加圧装置と、前記研削抵抗傾き閾値に応じた前記加圧装置の加圧力を前記工作物に加えるように前記加圧装置を制御する加圧作動部とを備える。前記閾値設定部は、前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたとき、現在の前記研削抵抗傾き閾値よりも大きい前記研削抵抗傾き閾値を再設定し、前記加圧作動部は、前記再設定した研削抵抗傾き閾値に応じた前記加圧装置の加圧力を前記工作物に加えるように前記加圧装置を作動させる。
研削加工におけるスリップは、工作物の粗研削加工において、研削抵抗モーメントが摩擦力モーメントを上回ると発生するので、スリップが発生するときの研削抵抗の時間に対する傾きは、工作物の粗研削加工が正常に行われるときの研削抵抗の時間に対する傾きと比較して増大する傾向にある。研削加工装置は、研削抵抗の時間に対する傾きを監視しているので、工作物と主軸との間のスリップの発生を未然に防止できる。よって、工作物の不良品の流出を防止できる。
本発明に係る研削加工方法は、主軸の支持部に両端が支持される工作物及び砥石軸に保持される砥石車をそれぞれ回転させ、前記工作物に対して前記砥石車を相対的に接近離間させることで、前記工作物の研削加工を行う研削加工方法において、研削抵抗の時間に対する傾きである研削抵抗傾きを算出する傾き算出工程と、前記研削抵抗傾きの研削抵抗傾き閾値を設定する閾値設定工程と、前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたか否かを判定する傾き判定工程と、前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたとき、前記工作物に対して前記砥石車を相対的に接近させる送り速度を低下させる方向に変更する速度変更工程とを備える。
また、本発明に係る他の研削加工方法は、主軸の支持部に両端が支持される工作物及び砥石軸に保持される砥石車をそれぞれ回転させ、前記工作物に対して前記砥石車を相対的に接近離間させることで、前記工作物の研削加工を行う研削加工方法において、研削抵抗の時間に対する傾きである研削抵抗傾きを算出する傾き算出工程と、前記研削抵抗傾きの研削抵抗傾き閾値を設定する閾値設定工程と、前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたか否かを判定する傾き判定工程と、前記支持部に前記主軸の軸線方向の加圧力を加える加圧装置を制御して、前記研削抵抗傾き閾値に応じた前記加圧装置の加圧力を前記工作物に加えるようにする加圧作動工程とを備える。前記閾値設定工程は、前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたとき、現在の前記研削抵抗傾き閾値よりも大きい前記研削抵抗傾き閾値を再設定し、前記加圧作動工程は、前記再設定した研削抵抗傾き閾値に応じた前記加圧装置の加圧力を前記工作物に加えるように前記加圧装置を作動させる。
本発明の研削加工方法によれば、上述した研削加工装置における効果と同様の効果が得られる。
本発明の実施形態における研削加工装置の平面図である。 研削加工の概略動作を説明するためのフローチャートである。 サンプリング研削加工の動作を説明するためのフローチャートである。 本研削加工の動作を説明するためのフローチャートである。 粗研削加工の詳細動作を説明するためのフローチャートである。 研削加工装置で行われるスパイラルサイクルの研削加工工程における工作物と砥石車を示す図である。 研削加工装置で行われるスパイラルサイクルの研削加工工程における砥石車の送り位置と工作物の回転位相との関係を示す図である。 研削加工工程においてスリップが無い場合の主軸の駆動電流値及び砥石車の送り位置の経時変化を示す図である。 研削加工工程においてスリップが有る場合の主軸の駆動電流値及び砥石車の送り位置の経時変化を示す図である。 工作物が振れの有る状態で支持され、スリップが無い場合の主軸の駆動電流値の経時変化を示す図である。 工作物が振れの有る状態で支持され、スリップが有る場合の主軸の駆動電流値の経時変化を示す図である。 本発明の実施形態における別例の研削加工装置の平面図である。 図11の研削加工装置における粗研削加工の詳細動作を説明するためのフローチャートである。 研削加工工程における研削抵抗モーメントを説明するための工作物と砥石車を示す図である。 図13AのXB−XB断面図である。
(1.研削加工装置の構成)
本実施形態の研削加工装置の一例として、テーブルトラバース型円筒研削加工装置を例に挙げて説明する。図1に示すように、研削加工装置1は、ベッド10、テーブル11、主軸台13、心押台17、砥石台21及び制御装置30等を備える。
ベッド10上には、テーブル11がZ軸サーボモータ12によってZ軸線方向に移動可能に案内支持される。テーブル11上には、主軸台13が設置される。この主軸台13には、マスタ主軸Cm(C軸)が回転可能に支持され、マスタ主軸Cmの先端に工作物Wの一端を支持するセンタ14が取付けられる。マスタ主軸Cmは、進退駆動装置15によってZ軸線方向に進退されるとともに、マスタサーボモータ16(回転駆動部)によってZ軸線と平行な軸線回りに回転駆動される。
さらに、テーブル11上には、主軸台13と対向する位置に心押台17が設置される。この心押台17には、マスタ主軸Cmと同軸上にスレーブ主軸Cs(C軸)が回転可能に軸支され、スレーブ主軸Csの先端に工作物Wの他端を支持するセンタ18が取付けられる。スレーブ主軸Csは、センタ加圧装置19によってZ軸線方向に進退されるとともに、スレーブサーボモータ20(回転駆動部)によってマスタ主軸Cmと同期してZ軸線と平行な軸線回りに回転駆動される。
進退駆動装置15は、マスタ移動モータ15aと、送りねじ15bと、ガイド15cと、スライダ15dと、フローティングジョイント15eを備える。マスタ移動モータ15aのモータ軸には、送りねじ15bが連結される。ガイド15cは、送りねじ15bと並列且つ平行に配置される。
スライダ15dには、送りねじ15bが螺合されるとともに、ガイド15cが貫通される。さらに、スライダ15dには、フローティングジョイント15eを介してマスタ主軸Cmが連結される。マスタ主軸Cmは、マスタ移動モータ15aの駆動による送りねじ15bの回転で、スライダ15dがガイド15cに沿って移動することで、Z軸線と平行な軸線方向に所定量進退される。
センタ加圧装置19は、スレーブ移動モータ19aと、送りねじ19bと、ガイド19cと、スライダ19dと、スプリング19eを備える。スレーブ移動モータ19aのモータ軸には、送りねじ19bが連結される。ガイド19cは、送りねじ19bと並列且つ平行に配置される。
スライダ19dには、送りねじ19bが螺合されるとともに、ガイド19cが貫通される。さらに、スライダ19dは、スプリング19eを介してスレーブ主軸Csを工作物W側へ押圧し、図略のストッパロッドを介して工作物Wとは反対側へスレーブ主軸Csを移動可能に連結する。スレーブ主軸Csは、スレーブ移動モータ19aの駆動による送りねじ19bの回転で、スライダ19dがガイド19cに沿って移動することで、Z軸線と平行な軸線方向に所定量進退される。
工作物Wの両端は、進退駆動装置15及びセンタ加圧装置19によるマスタ主軸Cm及びスレーブ主軸CsのZ軸線と平行な軸線方向の移動により、センタ14,18で挟み込まれて支持される。そして、マスタ主軸Cmがフローティングジョイント15eによりスライダ15dに対しZ軸線と平行な軸線方向に移動しないように固定されているので、スプリング19eを圧縮するようにセンタ加圧装置19によりスレーブ主軸CsをZ軸線と平行な軸線方向に移動させることで、スプリング19eの圧縮量に応じた加圧力を工作物Wに与えることができる。
また、ベッド10上のテーブル11の後方位置には、砥石台21がX軸サーボモータ22によってZ軸方向と直交するX軸方向に移動可能に案内支持される。砥石台21には、砥石車23がZ軸方向と平行な軸線の回りに回転可能な砥石軸24を介して軸支され、砥石軸駆動モータ25によって回転駆動される。
制御装置30は、詳細は後述するが、工作物Wの本研削加工工程、すなわち空研工程、粗研削加工工程、精研削加工工程、微研削加工工程、スパークアウトの各工程を制御する。また、制御装置30は、本研削加工工程の制御の他に、特に工作物Wの粗研削加工時における工作物Wとマスタ主軸Cm(センタ14)及びスレーブ主軸Cs(センタ18)との間に発生するスリップ(以下、単に「スリップ」という)の発生を未然に防止する制御を行う。
(2.スリップの防止方法)
研削加工では、工作物Wの両端をC軸、すなわちマスタ主軸Cmのセンタ14及びスレーブ主軸Csのセンタ18で挟み込んで支持するので、砥石車23が工作物Wに切り込む力に対抗してC軸を回転させる必要がある。このため、研削加工が開始されると、マスタサーボモータ16及びスレーブサーボモータ20の負荷電流値(C軸電流値)が増大する。
そして、スリップは、背景技術でも述べたように、工作物Wの粗研削加工において、研削抵抗モーメントMnが摩擦力モーメントMmを上回ると発生するので、スリップが発生するときのC軸電流値(研削抵抗)は、工作物Wの粗研削加工が正常に行われるときのC軸電流値(研削抵抗)と比較して増大する傾向にある。
ここで、スリップが発生しない正常時の研削加工工程におけるC軸電流値の経時変化について説明する。このときの研削加工工程は、図6Aに示すように、端面が円形状の工作物Wをスパイラルサイクル、すなわち図6Bに示すように砥石車23の送り(X軸方向)位置と工作物Wの回転位相(角度)が比例関係にあるサイクルで行われる場合である。図7は、C軸電流値Aと時間tとの関係(図示実線)及び砥石車23の送り(X軸方向)位置Xと時間tとの関係(図示一点鎖線)を示す。
図7に示すように、0から時刻t1までは、砥石車23が工作物Wに接触する直前まで砥石車23を早送りする空研である。時刻t1から時刻t3までは、砥石車23を送り速度V1で送る粗研削工程である。時刻t3から時刻t4までは、砥石車23を送り速度V1より低速の送り速度V2で送る精研削工程である。時刻t4から時刻t5までは、砥石車23を送り速度V2より低速の送り速度V3で送る微研削工程である。時刻t5から時刻t53までは、スパークアウトである。
粗研削工程において、時刻t2から時刻t23までは、砥石車23の実際の単位時間当たりの切込み量が増加し、時刻t23から時刻t3までは、砥石車23の実際の単位時間当たりの切込み量が一定である。精研削工程において、時刻t3から時刻t34までは、砥石車23の実際の単位時間当たりの切込み量が減少し、時刻t34から時刻t4までは、砥石車23の実際の単位時間当たりの切込み量が一定に近付く。微研削工程において、時刻t4から時刻t45までは、砥石車23の実際の単位時間当たりの切込み量が減少し、時刻t45から時刻t5までは、砥石車23の実際の単位時間当たりの切込み量が一定に近付く。
スパークアウトにおいて、時刻t5から時刻t51までは、砥石車23の実際の単位時間当たりの切込み量が減少し、時刻t51から時刻t52までは、砥石車23の実際の単位時間当たりの切込み量が一定に近付き、時刻t52から時刻t53までは、砥石車23の実際の単位時間当たりの切込み量が0となる。なお、粗研削工程、精研削工程、微研削工程、スパークアウトにおいては、砥石車23の回転速度は一定である。
図7に示すように、砥石車23は、工作物Wに対してX軸方向に前進して粗研削工程を開始し(図7の時刻t1)、Xsの位置で工作物Wに接触したら粗研削加工を行う(図7の時刻t2)。粗研削加工においては、C軸電流値Aは、上昇した後に整定する。その後、砥石車23は、精研削加工に移行するが(図7の時刻t3)、このときC軸電流値Aは、緩やかに低下する。その後、砥石車23は、微研削加工に移行するが(図7の時刻t4)、このときC軸電流値Aは、精研削加工時よりは急に低下する。そして、砥石車23は、Xeの位置で微研削工程を終了する(図7の時刻t5)。以上の研削加工では、良品の工作物Wが得られる。
次に、粗研削加工工程においてスリップが発生する異常時のC軸電流値の経時変化について説明する。図8に示すように、砥石車23は、工作物Wに対してX軸方向に前進して粗研削工程を開始し(図8の時刻t1)、Xsの位置で工作物Wに接触したら粗研削加工を行う(図8の時刻t2)。粗研削加工において、C軸電流値Aは上昇するが、図7に示す正常時のC軸電流値Aよりも急激に増大している。すなわち、異常時のC軸電流値Aの上昇率(C軸電流値Aの時間tに対する傾き(Af−As)/(t6−t2)(以下、「電流傾き」という))は、正常時のC軸電流値Aの電流傾き(Ae−As)/(t23−t2)よりも急になっている。
そして、C軸電流値Aは、不安定になって低下し始める(図8の時刻t6−t7)。このとき、工作物Wは、スリップが発生している。なお、図8の時刻t7において、砥石車23は、工作物Wに対し後退して研削加工を中止している。以上のように、C軸電流値Aの電流傾き(研削抵抗傾き)(Af−As)/(t6−t2)が、正常時のC軸電流値Aの電流傾き(研削抵抗傾き)(Ae−As)/(t23−t2)よりも急になったらスリップが発生すると予測できる。
ただし、図7及び図8に示すC軸電流値Aの経時変化は、工作物Wがセンタ14,18間に全く振れの無い理想的な状態で支持される場合である。しかし、実際の工作物Wには、センタ穴に対して工作物Wの外周の振れが生じるため、図9及び図10に示すように、粗研削加工における正常時のC軸電流値A(図示実線)及び粗研削加工における異常時のC軸電流値A(図示実線)は、主軸(マスタ主軸Cm、スレーブ主軸Cs)が1回転(回転位相(角度)0°〜360°)する毎に上下動する。このように上下動するC軸電流値Aでは、電流傾きを算出することが困難であるため、C軸電流値Aの信号をローパスフィルタに通し、主軸Cm,Csの1回転毎の電流傾きを1次近似することで電流傾き(図示一点鎖線)を容易に得ることができる。
(3.制御装置の構成)
図1に示すように、制御装置30は、傾き算出部31、閾値設定部32、傾き判定部33、速度変更部34及び加工制御部35を備える。
傾き算出部31は、ローパスフィルタ及びタイマを備え、マスタサーボモータ16の駆動電流値をC軸電流値として入力し、C軸電流値の時間に対する傾きを電流傾きとして算出する。つまり、傾き算出部31は、工作物Wの粗研削加工の加工条件でサンプリング研削加工を行ったとき、工作物Wと主軸Cm,Cs(センタ14,18)との間でスリップが発生しない正常時の電流傾きを正常電流傾きとして算出しておく。
さらに、傾き算出部31は、工作物Wの粗研削加工の加工条件のうち砥石車23の粗研削送り速度のみを上昇させてサンプリング研削加工を行い、工作物Wと主軸Cm,Cs(センタ14,18)との間でスリップを発生させ、そのスリップが発生した異常時の電流傾きを異常電流傾きとして算出しておく。そして、詳細は後述するが、スリップの発生を予測するために、工作物Wの粗研削加工の加工条件で本研削を行ったときの電流傾きを算出する。
スリップ発生の判定は、工作物Wをセンタ14,18間に挟持した後、工作物W及びセンタ14(18)に跨るように、Z軸線方向に延びる線状のマークを付しておく。そして、砥石車23の送り速度のみを上昇させて粗研削加工を行う度に、マークをチェックしてマークがずれていたらスリップが発生したと判定する。なお、マスタサーボモータ16の駆動電流の代わりに、スレーブサーボモータ20の駆動電流をC軸電流値として入力し、C軸電流値の時間に対する傾きを電流傾きとして算出するようにしてもよい。
閾値設定部32は、電流傾きの電流傾き閾値を設定する。閾値設定部32の電流傾き閾値の設定方法としては、傾き算出部31で検出したスリップが発生しない正常電流傾き、及びスリップが発生した異常電流傾きの中間値、すなわち正常電流傾き(a1/Δt)と異常電流傾き(a2/Δt)の和の2分の1((a1/Δt+a2/Δt)/2)を電流傾き閾値として設定する。ここで、a1は、時間Δtにおける正常時の電流の上昇値、a2は、時間Δtにおける異常時の電流の上昇値である。
なお、別の電流傾き閾値の設定方法としては、正常時の電流の上昇値a1に異常時の電流の上昇値a2よりも小さい値a3を加算して時間Δtにおける電流傾き閾値((a1+a3)/Δt)として設定してもよい。また、正常時の最大の電流傾き(a1/Δt)に異常時の最大の電流傾き(a2/Δt)を超えない係数α(>1)を乗算して電流傾き閾値(α・a1/Δt)として設定してもよい。
傾き判定部33は、傾き算出部31で検出した工作物Wの粗研削加工の加工条件で本研削を行ったときの電流傾きが、閾値設定部32で設定した電流傾き閾値を超えたか否かを判定する。速度変更部34は、傾き判定部33で電流傾きが電流傾き閾値を超えたと判定されたとき、オーバーライド機能により砥石車23の粗研削送り速度を変更する。例えば、オーバーライドとして0.8を掛けると、砥石車23の粗研削送り速度は20%低速となる。
加工制御部35は、Z軸サーボモータ12、マスタ移動モータ15a、マスタサーボモータ16、スレーブ移動モータ19a、スレーブサーボモータ20、X軸サーボモータ22及び砥石軸駆動モータ25の各動作を制御して、工作物Wの研削加工を行う。
(4.研削加工装置の動作)
次に、本実施形態における研削加工装置1の動作について、先ず、研削加工の概略動作を説明する。制御装置30は、スリップが発生しない正常電流傾き、及びスリップが発生した異常電流傾きを算出して電流傾き閾値を設定するため、サンプリング研削加工を行う(図2のステップS1)。そして、設定した電流傾き閾値を用いて空研、粗研削加工、精研削加工、微研削加工、スパークアウトの本研削加工を行う(図2のステップS2)。
次に、サンプリング研削加工の詳細動作を説明する。制御装置30は、粗研削加工の研削条件を設定して研削加工を開始する(図3のステップS11)。すなわち、制御装置30は、工作物W及び砥石車23を回転開始し、工作物Wに対して砥石車23をX軸方向に前進させる。そして、図略の接触検知センサ(AEセンサ)により砥石車23が工作物Wと接触したことを検知したら、主軸Cm,Cs(センタ14,18)1回転毎に電流傾きを算出する(図3のステップS12)。
制御装置30は、算出した主軸Cm,Csの所定回転における電流傾きのうち最大の電流傾きを工作物Wと主軸Cm,Cs(センタ14,18)との間でスリップが発生しない正常電流傾きとして記憶する(図3のステップS13)。そして、工作物Wに対して砥石車23をX軸方向に後退させ、新たな工作物Wに交換する(図3のステップS14)。
制御装置30は、粗研削加工の研削条件のうち砥石車23の粗研削送り速度を所定値上昇させて設定して研削加工を開始する(図3のステップS15)。そして、砥石車23が工作物Wと接触したら、主軸Cm,Cs(センタ14,18)1回転毎に電流傾きを算出し(図3のステップS16)、算出した主軸Cm,Csの所定回転における電流傾きのうち最大の電流傾きを記憶する(図3のステップS17、閾値設定工程)。
制御装置30は、この研削加工において工作物Wと主軸Cm,Cs(センタ14,18)との間でスリップが発生したか否かを判断し(図3のステップS18)、スリップが発生していない場合は、ステップS14に戻って上述の処理を繰り返す。一方、ステップS18において、スリップが発生した場合は、このときに記憶した最大の電流傾きをスリップが発生した異常電流傾きとして記憶する(図3のステップS19、閾値設定工程)。そして、記憶している正常電流傾き及び異常電流傾きに基づいて電流傾き閾値を設定し(図3のステップS20、閾値設定工程)、全ての処理を終了する。
次に、本研削加工の詳細動作を説明する。制御装置30は、マスタ主軸Cm(センタ14)及びスレーブ主軸Cs(センタ18)を互いに接近する方向に前進させて工作物Wを加圧支持する(図4のステップS21)。そして、工作物W及び砥石車23を回転開始して空研を開始する(図4のステップS22、S23)。具体的には、加工制御部35は、マスタサーボモータ16、スレーブサーボモータ20及び砥石軸駆動モータ25の各動作を制御して、工作物W及び砥石車23を回転開始する。
制御装置30は、工作物Wに対して砥石車23をX軸方向に粗研削送り速度で前進させ(図5のステップS41)、図略の接触検知センサ(AEセンサ)で砥石車23が発生するAE波を検出し、工作物Wと接触したか否かを判断する(図5のステップS42)。そして、制御装置30は、砥石車23が工作物Wと接触したと判断したら、主軸Cm,Cs(センタ14,18)1回転毎に電流傾きを算出して最大の電流傾きを求める(図5のステップS43、傾き算出工程)。
具体的には、加工制御部35は、X軸サーボモータ22の動作を制御して、工作物Wに対して砥石車23をX軸方向に粗研削送り速度で前進させる。傾き算出部31は、接触検知センサの接触検知信号が予め設定される閾値を超えたら、マスタサーボモータ16の駆動電流値をC軸電流値として入力する。そして、入力したC軸電流値をローパスフィルタに通して主軸Cm,Csの1回転毎の電流傾きを算出し、算出した主軸Cm,Csの所定回転における電流傾きのうち最大値を求める。
制御装置30は、最大の電流傾きが電流傾き閾値を超えたか否かを判断し(図5のステップS44、傾き判定工程)、最大の電流傾きが電流傾き閾値を超えていない場合は、ステップS47に進んで粗研削加工を継続する。一方、ステップS44において、最大の電流傾きが閾値を超えた場合は、将来的にスリップが発生すると予測し(図5のステップS45)、オーバーライド機能により砥石車23の粗研削送り速度を変更する(図5のステップS46)。
具体的には、傾き判定部33は、傾き算出部31から送られる最大の電流傾きが、閾値設定部32から読み出した電流傾き閾値を超えたか否かを判断し、最大の電流傾きが電流傾き閾値を超えた場合は、将来的にスリップが発生すると予測し、砥石車23の送り速度変更指令を速度変更部34に入力する。そして、速度変更部34は、傾き判定部33から砥石車23の送り速度変更指令を入力したら、オーバーライド機能により砥石車23の粗研削送り速度を低速に変更する。
制御装置30は、粗研削加工が完了したか否かを判断し(図5のステップS47)、粗研削加工が完了していない場合はステップS43に戻って上述の処理を繰り返す。一方、粗研削加工が完了したら、次の精研削加工を行い(図4のステップS25)、続いて微研削加工を行い(図4のステップS26)、さらにスパークアウトを行う(図4のステップS27)。そして、制御装置30は、スパークアウトが完了したら、工作物Wに対して砥石車23をX軸方向に後退開始し(図4のステップS28)、工作物W及び砥石車23を回転停止する(図4のステップS29)。
具体的には、加工制御部35は、X軸サーボモータ22の動作を制御して、工作物Wに対して砥石車23をX軸方向に後退開始し、マスタサーボモータ16、スレーブサーボモータ20及び砥石軸駆動モータ25の各動作を制御して、工作物W及び砥石車23を回転停止する。
そして、マスタ主軸Cm(センタ14)及びスレーブ主軸Cs(センタ18)を互いに離間する方向に後退させて工作物Wを取り外す(図4のステップS29)。そして、次の工作物Wの有無を確認し(図4のステップS30)、次の工作物Wが有る場合は、ステップS21に戻って上述の処理を繰り返し、次の工作物Wが無い場合は、全ての処理を終了する。
(5.別例の制御装置の構成及び動作)
図11は、別例の制御装置40の構成を図1に対応させて示す図であり、同一構成部は同一番号を付してその詳細な説明を省略する。図11に示すように、制御装置40は、傾き算出部31、閾値設定部32、傾き判定部33、加圧作動部41及び加工制御部35を備える。
この制御装置40は、図1の制御装置30と比較して、速度変更部34の代わりに加圧作動部41を備える点でのみ異なる構成となっている。加圧作動部41は、電流傾き閾値に応じたセンタ加圧装置19の加圧力を工作物Wに加えるようにセンタ加圧装置19のスレーブ移動モータ19aを作動させる。
図12は、別例の制御装置40の動作を図5に対応させて示す図であり、同一ステップは同一番号を付してその詳細な説明を省略する。図12に示すように、制御装置40の動作は、図1の制御装置30の動作と比較して、ステップS46の代わりにステップS51及びステップS52となる点のみ異なる。
すなわち、制御装置40の傾き判定部33は、最大の電流傾きが電流傾き閾値を超えた場合は、将来的にスリップが発生すると予測し(図12のステップS45)、電流傾き閾値の再設定指令を閾値設定部32に入力する。閾値設定部32は、傾き判定部33から電流傾き閾値の再設定指令を入力したら、現在の電流傾き閾値よりも大きい電流傾き閾値を再設定し(図12のステップS51)、再設定した電流傾き閾値を加圧作動部41に入力する。
加圧作動部41は、再設定した電流傾き閾値に応じたセンタ加圧装置19の加圧力、すなわち現状よりも大きな加圧力を工作物Wに加えるようにセンタ加圧装置19のスレーブ移動モータ19aを作動させる(図12のステップS52)。なお、工作物Wは、センタ加圧装置19の加圧力が大きくなると径方向に撓むので、センタ加圧装置19の加圧力は、工作物Wを軸線回りに回転させたときの振れが許容範囲内となるように設定する。
(6.その他)
上述した実施形態では、研削加工装置1は、工作物Wをセンタ14,18で回転を伝達する構成としたが、工作物Wを摩擦力で回転を伝達する保持部であれば、例えば3つ爪で工作物Wの外周を把持するチャックや挿入した工作物Wの外周にセットネジを当接させるケレで回転を伝達する構成としてもスリップの発生を判定できる。
また、研削加工装置1には、主軸台13における砥石車23もしくは工作物Wの近傍に振動検出装置としてAE(アコースティックエミッション)センサを設ける。AEセンサは、砥石車23もしくは工作物Wから放出される弾性波が大きくなると出力電圧が高くなる傾向にある。制御装置30,40は、AEセンサで弾性波の大きさを研削抵抗として測定し、AEセンサの出力電圧の時間に対する傾きである電圧傾きを算出してスリップの発生を予測する構成としてもよい。
また、研削加工装置1には、センタ14もしくはセンタ18に歪ゲージを設ける。歪ゲージは、センタ14もしくはセンタ18の歪が大きくなると出力電圧が高くなる傾向にある。制御装置30,40は、歪ゲージで歪の大きさを研削抵抗として測定し、歪ゲージの出力電圧の時間に対する傾きである電圧傾きを算出してスリップの発生を予測する構成としてもよい。
また、上述した実施形態では、C軸電流値を検出して電流傾きによりスリップの発生を予測する構成としたが、砥石軸駆動モータ25の駆動電流値を検出して電流傾きによりスリップの発生を予測する構成としてもよい。また、砥石軸駆動モータ25の駆動電流値から砥石車23と工作物Wとの研削加工点(接触点)における研削抵抗モーメントを求め、研削抵抗モーメントとC軸電流値との関係を示すテーブルを記憶しておく。そして、検出したC軸電流値に基づいて研削抵抗モーメントを求め、求めた研削抵抗モーメントの時間に対する傾きによりスリップの発生を予測する構成としてもよい。
(7.実施形態の効果)
本実施形態の研削加工装置1は、主軸Cm,Csの支持部(センタ14、センタ18)に両端が支持される工作物W及び砥石軸24に保持される砥石車23をそれぞれ回転させ、工作物Wに対して砥石車23を相対的に接近離間させることで、工作物Wの研削加工を行う研削加工装置1において、研削抵抗の時間に対する傾きである研削抵抗傾きを算出する傾き算出部31と、研削抵抗傾きの研削抵抗傾き閾値を設定する閾値設定部32と、研削抵抗傾きが研削抵抗傾き閾値を超えたか否かを判定する傾き判定部33と、を備える。
研削加工におけるスリップは、工作物Wの粗研削加工において、研削抵抗モーメントMnが摩擦力モーメントMmを上回ると発生するので、スリップが発生するときの研削抵抗の時間に対する傾きは、工作物Wの粗研削加工が正常に行われるときの研削抵抗の時間に対する傾きと比較して増大する傾向にある。本実施形態の研削加工装置1は、研削抵抗の時間に対する傾きを監視しているので、工作物Wと主軸Cm,Csとの間のスリップの発生を未然に防止できる。よって、工作物Wの不良品の流出を防止できる。
また、研削抵抗は、工作物Wの回転駆動部(マスタサーボモータ16又はスレーブサーボモータ20)もしくは砥石車23の回転駆動部(砥石軸駆動モータ25)の駆動電流であり、傾き算出部31は、回転駆動部16,20,25の駆動電流の時間に対する傾きである電流傾きを算出する。また、研削抵抗は、工作物Wもしくは砥石車23から放出される弾性波の大きさであり、弾性波の大きさに応じて振動検出装置から出力される電圧であり、傾き算出部31は、振動検出装置の電圧の時間に対する傾きである電圧傾きを算出する。また、研削抵抗は、支持部(センタ14、センタ18)の歪の大きさであり、歪の大きさに応じて歪センサから出力される電圧であり、傾き算出部31は、歪センサの電圧の時間に対する傾きである電圧傾きを算出する。これらによっても工作物Wと主軸Cm,Csとの間のスリップの発生を予測できる。
また、研削加工装置1は、研削抵抗傾きが研削抵抗傾き閾値を超えたとき、工作物Wに対して砥石車23を相対的に接近させる送り速度を低下させる方向に変更する速度変更部34、を備える。これにより、研削抵抗モーメントMnは、摩擦力モーメントMmより小さくなるので、研削抵抗の上昇率は、小さくなってスリップが発生しない研削抵抗の上昇率になる。
また、研削加工装置1は、支持部(センタ14、センタ18)に主軸Cm,Csの軸線方向の加圧力を加えるセンタ加圧装置19と、研削抵抗傾き閾値に応じたセンタ加圧装置19の加圧力を工作物Wに加えるようにセンタ加圧装置19を制御する加圧作動部41と、を備える。
そして、閾値設定部32は、研削抵抗傾きが研削抵抗傾き閾値を超えたとき、現在の研削抵抗傾き閾値よりも大きい研削抵抗傾き閾値を再設定し、加圧作動部41は、再設定した研削抵抗傾き閾値に応じたセンタ加圧装置19の加圧力を工作物Wに加えるようにセンタ加圧装置19を作動させる。これにより、研削抵抗モーメントMnは、摩擦力モーメントMmより小さくなるので、研削抵抗の上昇率は、小さくなってスリップが発生しない研削抵抗の上昇率になる。
本実施形態に係る研削加工方法は、主軸Cm,Csの支持部(センタ14、センタ18)に両端が支持される工作物W及び砥石軸24に保持される砥石車23をそれぞれ回転させ、工作物Wに対して砥石車23を相対的に接近離間させることで、工作物Wの研削加工を行う研削加工方法において、研削抵抗の時間に対する傾きである研削抵抗傾きを算出する傾き算出工程と、研削抵抗傾きの研削抵抗傾き閾値を設定する閾値設定工程と、研削抵抗傾きが研削抵抗傾き閾値を超えたか否かを判定する傾き判定工程と、を備える。本実施形態の研削加工方法によれば、上述した研削加工装置1における効果と同様の効果が得られる。
1:研削加工装置、 16:マスタサーボモータ、 19:センタ加圧装置、 20:スレーブサーボモータ、 23:砥石車、 25:砥石軸駆動モータ、 30:制御装置、 31:傾き算出部、 32:閾値設定部、 33:傾き判定部、 34:速度変更部、 35:加工制御部、 41:加圧作動部、 Cm:マスタ主軸、 Cs:スレーブ主軸、 W:工作物

Claims (7)

  1. 主軸の支持部に両端が支持される工作物及び砥石軸に保持される砥石車をそれぞれ回転させ、前記工作物に対して前記砥石車を相対的に接近離間させることで、前記工作物の研削加工を行う研削加工装置において、
    研削抵抗の時間に対する傾きである研削抵抗傾きを算出する傾き算出部と、
    前記研削抵抗傾きの研削抵抗傾き閾値を設定する閾値設定部と、
    前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたか否かを判定する傾き判定部と、
    前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたとき、前記工作物に対して前記砥石車を相対的に接近させる送り速度を低下させる方向に変更する速度変更部と、
    を備える、研削加工装置。
  2. 主軸の支持部に両端が支持される工作物及び砥石軸に保持される砥石車をそれぞれ回転させ、前記工作物に対して前記砥石車を相対的に接近離間させることで、前記工作物の研削加工を行う研削加工装置において、
    研削抵抗の時間に対する傾きである研削抵抗傾きを算出する傾き算出部と、
    前記研削抵抗傾きの研削抵抗傾き閾値を設定する閾値設定部と、
    前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたか否かを判定する傾き判定部と、
    前記支持部に前記主軸の軸線方向の加圧力を加える加圧装置と、
    前記研削抵抗傾き閾値に応じた前記加圧装置の加圧力を前記工作物に加えるように前記加圧装置を制御する加圧作動部と、
    を備え
    前記閾値設定部は、前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたとき、現在の前記研削抵抗傾き閾値よりも大きい前記研削抵抗傾き閾値を再設定し、
    前記加圧作動部は、前記再設定した研削抵抗傾き閾値に応じた前記加圧装置の加圧力を前記工作物に加えるように前記加圧装置を作動させる、研削加工装置。
  3. 前記研削抵抗は、前記工作物の回転駆動部もしくは前記砥石車の回転駆動部の駆動電流であり、前記傾き算出部は、前記回転駆動部の駆動電流の時間に対する傾きである電流傾きを算出する、請求項1又は2に記載の研削加工装置。
  4. 前記研削抵抗は、前記工作物もしくは前記砥石車から放出される弾性波の大きさであり、前記弾性波の大きさに応じて振動検出装置から出力される電圧であり、前記傾き算出部は、前記振動検出装置の前記電圧の時間に対する傾きである電圧傾きを算出する、請求項1又は2に記載の研削加工装置。
  5. 前記研削抵抗は、前記支持部の歪の大きさであり、前記歪の大きさに応じて歪センサから出力される電圧であり、前記傾き算出部は、前記歪センサの前記電圧の時間に対する傾きである電圧傾きを算出する、請求項1又は2に記載の研削加工装置。
  6. 主軸の支持部に両端が支持される工作物及び砥石軸に保持される砥石車をそれぞれ回転させ、前記工作物に対して前記砥石車を相対的に接近離間させることで、前記工作物の研削加工を行う研削加工方法において、
    研削抵抗の時間に対する傾きである研削抵抗傾きを算出する傾き算出工程と、
    前記研削抵抗傾きの研削抵抗傾き閾値を設定する閾値設定工程と、
    前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたか否かを判定する傾き判定工程と、
    前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたとき、前記工作物に対して前記砥石車を相対的に接近させる送り速度を低下させる方向に変更する速度変更工程と、
    を備える、研削加工方法。
  7. 主軸の支持部に両端が支持される工作物及び砥石軸に保持される砥石車をそれぞれ回転させ、前記工作物に対して前記砥石車を相対的に接近離間させることで、前記工作物の研削加工を行う研削加工方法において、
    研削抵抗の時間に対する傾きである研削抵抗傾きを算出する傾き算出工程と、
    前記研削抵抗傾きの研削抵抗傾き閾値を設定する閾値設定工程と、
    前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたか否かを判定する傾き判定工程と、
    前記支持部に前記主軸の軸線方向の加圧力を加える加圧装置を制御して、前記研削抵抗傾き閾値に応じた前記加圧装置の加圧力を前記工作物に加えるようにする加圧作動工程と、
    を備え
    前記閾値設定工程は、前記研削抵抗傾きが前記研削抵抗傾き閾値を超えたとき、現在の前記研削抵抗傾き閾値よりも大きい前記研削抵抗傾き閾値を再設定し、
    前記加圧作動工程は、前記再設定した研削抵抗傾き閾値に応じた前記加圧装置の加圧力を前記工作物に加えるように前記加圧装置を作動させる、研削加工方法。
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