JP2002001656A - トラバース円筒研削盤および長尺丸棒状のワークの円筒研削方法 - Google Patents
トラバース円筒研削盤および長尺丸棒状のワークの円筒研削方法Info
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Abstract
もに、製造コストが低くなるトラバース円筒研削盤を提
供する。 【解決手段】 ワーク2の外周面における砥石にワーク
2を挟んで対向する部位にワーク2の径方向へ変位可能
な状態で添接させた押圧子12を備える。この押圧子1
2をワーク2側へ押圧する補正用油圧シリンダ13を備
える。研削力でワーク2が撓むことにより変位した押圧
子12の変位量を検出する変位センサ14を備える。こ
の変位センサ14の検出結果に基づいて前記油圧シリン
ダを駆動する制御手段16とを備える。前記制御手段1
6は、研削中の押圧子12の変位量が所定値以下となる
ように前記油圧シリンダ13をフィードバック制御する
構成とした。
Description
クを砥石とは反対側から押圧しながら研削を行うトラバ
ース円筒研削盤および長尺丸棒状のワークの円筒研削方
法に関するものである。
状のワークを研削するためには、研削砥石をワークに押
し付ける力(研削力)が小さくなる状態で研削をしてい
る。これは、ワークが前記研削力によって撓み、ワーク
の軸線方向の両端部と中央部とで研削後の径が変化して
しまうのを防ぐためである。しかし、このように小さい
研削力で研削を行うと、能率が低く、研削作業に時間が
長くかかり過ぎる。このため、近年のトラバース円筒研
削盤においては、研削力と略等しい押圧力で研削砥石と
は反対側からワークを押圧し、ワークが撓むのを防ぎな
がら研削力を増大させて研削時間を短縮するものが提案
されている。
例えば特開平7−9304号公報に開示されているよう
に、研削砥石から加えられる研削力でワークが研削中に
撓むのを防ぐために、ワークにおける研削砥石とはワー
クを挟んで反対側の部位を押圧子によって研削砥石側へ
押圧する構造のものがある。この公報に示された円筒研
削盤は、ワークの端部を支持する主軸センタと芯押し用
センタに押圧力検出用のセンサをそれぞれ設け、これら
のセンサによって検出した押圧力の総和と略等しい力で
押圧子をワークに押し付けるようにしている。
たように構成した従来のトラバース円筒研削盤は、ワー
クの軸線方向の全域にわたって径が一定になるように研
削することはできなかった。これは、ワークの両端部で
研削力を検出しており、研削砥石がワークを押圧する
力、すなわち真の研削力と、両センサが検出する力と
は、切削抵抗やワークの弾性変形などの外乱によって必
ずしも一致しないからである。また、従来のトラバース
円筒研削盤はセンサが2箇所に必要であり、コストダウ
ンを図ることができないという問題もあった。
めになされたもので、高い精度をもって研削することが
できるとともに、製造コストが低くなるトラバース円筒
研削盤を提供することを目的とする。
め、本発明に係るトラバース円筒研削盤は、ワークの外
周面における前記砥石にワークを挟んで対向する部位に
ワークの径方向へ変位可能な状態で添接させた押圧子
と、この押圧子をワーク側へ押圧する押圧手段と、研削
力でワークが撓むことにより変位した前記押圧子の変位
量を検出する変位量検出手段と、この検出手段の検出結
果に基づいて前記押圧手段を駆動する制御手段とを備
え、前記制御手段は、研削中の押圧子の変位量が所定値
以下となるように前記押圧手段をフィードバック制御す
る構成を採っているものである。本発明によれば、ワー
クにおける研削力を受ける部位の研削力および押圧力の
合力の撓み量を押圧子の検知位置と目標押圧子位置の差
として検出し、研削時のワークの撓み量が0近くになる
ように押圧子でワークを押圧して研削することができ
る。
研削力と撓み減少化のための押圧力の両方を加える場合
のみでなくワークに研削力のみ作用させても撓みは無視
できる程小さい。また、仮研削後のトラバース研削中に
おいても、砥石が研削力の作用による撓みの大きいワー
クの長手方向中央部を通過移動する時には、押圧力を作
用させるとともに撓みを所定値以下とすべく押圧力を調
整制御して加工し、精度の最も狂い易い箇所を押さえる
ことで、全体として高い精度の研削ができる。
筒研削盤の一実施の形態を図1ないし図9によって詳細
に説明する。図1は本発明に係るトラバース円筒研削盤
の構成を示すブロック図、図2は本発明に係るトラバー
ス円筒研削盤の補正装置を基台に搭載した状態を示す側
面図、図3は補正装置の油圧シリンダと変位センサを拡
大して示す側面図、図4は油圧シリンダの断面図で、同
図は図3における油圧シリンダのIV−IV線断面図であ
る。図5は押圧子の正面図、図6は補正装置の構成を示
すブロック図、図7は補正装置の油圧系の構成を示すブ
ロック図、図8は本発明に係るトラバース円筒研削盤の
動作を説明するためのフローチャート、図9は同じくタ
イムチャートである。
実施の形態によるトラバース円筒研削盤である。この円
筒研削盤1は、長尺丸棒状のワーク2を保持して軸線方
向へ平行移動させるためのワーク保持装置3と、研削砥
石4を有する研削装置5と、研削時のワーク2の撓みを
補正する補正装置6とによって構成している。
部をチャック7によって把持する駆動モータ8と、ワー
ク2の他端部を回転自在に保持する芯押し台9とをテー
ブル10の上に装着し、前記テーブル10を図示してい
ないテーブル移動装置にワーク2の軸線方向へ平行移動
自在に支持させている。すなわち、このワーク保持装置
3は、ワーク2を駆動モータ8によって軸線回りに回転
させながら、テーブル移動装置によって軸線方向に平行
移動可能とする構造を採っている。前記芯押し台9は、
従来からよく知られているように、ワーク2を保持する
ためのセンタ9aがワーク2の軸線方向に沿って平行移
動できる構造のものを使用している。
軸受装置11により回転自在に支持させ、不図示のモー
タによってベルト駆動し研削砥石4を高速で回転させる
構造を採り、軸受装置11移動させる砥石側移動装置
(図示せず)を備えている。この砥石側移動装置は、研
削砥石4の外周面がワーク2に対して進退するように研
削装置全体を平行移動させる構造を採っている。すなわ
ち、この移動装置によって研削砥石4をワーク2に接触
させることによって、研削力がワーク2に作用するよう
になる。
における前記研削砥石4とはワーク2を挟んで対向する
部位に添接させた押圧子12と、この押圧子12をワー
ク2側へ押圧する補正用油圧シリンダ13と、前記押圧
子12の変位量を検出する変位センサ14と、前記押圧
子12、補正用油圧シリンダ13および変位センサ14
をワーク2に対して接離する方向(図1においては上下
方向)へ平行移動させる移動用油圧シリンダ15(図2
参照)と、前記変位センサ14の検出結果に基づいて前
記補正用油圧シリンダ13を駆動する制御手段16とに
よって構成している。この実施の形態では、図2に示す
ように、前記補正装置6の全体を基台17に支持させて
いる。前記補正用油圧シリンダ13が本発明に係る押圧
手段を構成し、前記変位センサ14が本発明に係る変位
量検出手段を構成している。
に示すように、ワーク2と後述する補正用油圧シリンダ
13の第1のピストンロッド部18aとの間に位置して
おり、支持部材19およびブラケット20を介して補正
用油圧シリンダに揺動自在に支持させている。この押圧
子12は、ワーク2の外周面に添接する3個のボール2
1(図5参照)と、前記第1のピストンロッド部18a
に添接する1個のボール22とをそれぞれ回転自在に設
けており、前記3個のボール21をワーク2に添接させ
るとともにボール22を第1のピストンロッド部18a
に添接させることによって、補正用油圧シリンダ13の
押圧力が押圧子12を介してワーク2の軸心に向けて作
用するようにしている。
下端部に前記押圧子12を固定するとともに、上端部
を、補正用油圧シリンダ13の上端部から前方へ突出す
るブラケット20の前端部に支軸23を介して回動自在
に支持させている。この支軸23は、軸線方向がワーク
2の軸線方向と平行になるように設けている。すなわ
ち、この押圧子12は、ワーク2の外周面にワーク2の
径方向に沿って変位可能な状態で添接するように、補正
用油圧シリンダ13に支持させている。
し図4に示すように、ハウジングを円板状のフロントプ
レート31およびエンドプレート32と、これら両プレ
ート31,32とによって挟持した円筒からなるシリン
ダ本体33とによって形成し、このハウジングの内部に
ピストン18(図4参照)を移動自在に嵌合させた複動
式のもので、前記移動用油圧シリンダ15のスライド部
材15a(図2参照)に支持させている。前記移動用油
圧シリンダ15は、シリンダ本体15bを前記基台17
に支持させるとともに、ピストンロッド15cの先端部
に前記スライド部材15aを固定している。
させることによって、補正用油圧シリンダ13の全体が
ワーク2に対して接離する方向に平行移動し、ワーク2
の装着、交換作業を行うときに作業空間を広くとること
ができるようにしている。ワーク2の交換後、ピストン
ロッド15cはテーブル10に対して所定の位置まで前
進して停止させ、後述する仮研削実施後、荷重の作用し
ないワークの中心軸に対して補正用油圧シリンダ13を
作動させ押圧子12をワーク2に接触させるようにして
いる。図4中、34はOリング、35はシールリングで
ある。
8は、図4に示すように、前記フロントプレート31を
貫通してシリンダ外に突出する前記第1のピストンロッ
ド部18aと、エンドプレート32を貫通してシリンダ
外に突出する第2のピストンロッド部18bを一体に形
成している。フロントプレート31を貫通する第1のピ
ストンロッド部18aの先端面に前記押圧子12の1個
のボール22を添接させ、エンドプレート32を貫通す
る第2のピストンロッド部18bの先端面に変位センサ
14の受圧部14aを当接させている。
に、センサ本体14bを前記エンドプレート32に支持
用ブラケット36を介して固定しており、第2のピスト
ンロッド部18bに当接する受圧部14aの変位量を検
出して検出信号を後述する制御手段16に送出する構成
を採っている。
プレート32に複数本の固定用ボルト37によって固定
しており、変位センサ14の軸線が図1に示す平面視に
おいてワーク2の軸線に直交するとともに、研削砥石4
の軸心およびワーク2の軸心を通るように変位センサ1
4を支持している。なお、補正用油圧シリンダ13の軸
線も変位センサ14の軸線と一致するようにしている。
ーク2に押圧子12が接触していると仮想した時の押圧
子12の位置(仮想位置)と、研削中の押圧子12の検
知位置との差として求められる。研削が進行するに従い
ワーク2の外形は減少し、仮想位置も変化してしまうこ
とになるが、本実施の形態では、ワーク2の外形が研磨
後の目標とする外形寸法値となる時の押圧子12の位置
を目標押圧子位置として採用している。すなわち、後述
するように、マスターワーク2に押圧子12を接触させ
たときの押圧子12の位置を取り、目標押圧子位置とし
て採用している。変位センサ14は目標押圧子位置を0
点として設定する設定部を有し、この0点からの押圧子
12の位置の変位量を検知するようにしている。変位セ
ンサ14は、前記移動用油圧シリンダ15のスライド部
材15a、前記補正用油圧シリンダ13の作動の影響を
受けないよう、前記基台17に対する押圧子12の位置
を計測している。この実施の形態では、前記支持用ブラ
ケット36の下部に切欠き36a(図3参照)を形成
し、支持用ブラケット36にねじ込まれる調整ボルト3
7aの突出量を調整することにより、受圧部14の初期
位置を微調整することができるようにしている。37b
はロック用のボルトである。
てピストン18の両側に形成した二つの油室38,39
は、図1および図7に示すように、サーボバルブ40を
介して油圧ユニット41に接続している。前記サーボバ
ルブ40は、油圧ユニット41で発生した油圧を前記二
つの油室38,39のうち何れか一方に供給する作動状
態と、前記油圧を遮断する停止状態とに切換えることが
できる構造を採っている。
って、補正用油圧シリンダ13のピストン18を移動さ
せることができる。第1のピストンロッド部18aの突
出量を増大させることによって、前記押圧子12を介し
てワーク2に押圧力が作用する。前記油圧ユニット41
は、図7に示すように、圧油をタンク42から吸い込ん
で前記サーボバルブ40側へ吐出するポンプ43と、こ
のポンプ43の吐出側とタンク42との間に介装した圧
力設定用のリリーフ弁44とを備えている。
御手段16は、図1に示すように、前記サーボバルブ4
0および油圧ユニット41と、前記変位センサ14に接
続したマイクロメータ45と、このマイクロメータ45
に接続したコントローラ46などによって構成してい
る。前記マイクロメータ45は、変位センサ14から送
出された信号(変位量を示す信号)を電圧に変換してコ
ントローラ46に送出するためのものである。前記電圧
は、図示していないフィルタを介して前記コントローラ
46に入力される。
に変換し、変位センサ14の受圧部14aが基準位置に
位置するようにサーボバルブ40に制御電流を送り、サ
ーボバルブ40(補正用油圧シリンダ13)をフィード
バック制御する回路を採っている。前記基準位置とは、
ワーク2が撓んでいない状態での受圧部14aの位置で
ある。詳述すると、図6に示すように、このコントロー
ラ46は、変位センサ14が検出した押圧子12の位置
(δy) と、予め測定してメモリ(図示せず)に記憶さ
せてある基準位置(δy0)との差(δy0−δy) から押
圧子12の変位量(Δδy)を求めあるいはマイクロメ
ータ45において目標押圧子位置(基準位置相当)を0
点として設定しておき、この0点からの押圧子12の位
置の変位量(Δδy) を算出することなく直接検知する
ようにしても良い。このΔδyの絶対値が予め定めた値
A以下になるようにサーボバルブ40を制御する回路を
採っている。この実施の形態では、前記値Aを0に近い
微小な値に設定しているが、この値Aは0でもよい。す
なわち、研削中の押圧子12の位置が研削開始前の押圧
子12の位置と略一致するか一致するようにサーボバル
ブ40に制御電流を送り、補正用油圧シリンダ13をフ
ィードバック制御している。
円筒研削盤1の動作を図8および図9によって説明す
る。このトラバース円筒研削盤1においては、図8に示
すフローチャートのステップS1に示すように、先ず、
最初のワーク2を研削する前に前記基準位置δy0を設定
する。基準位置δyoの設定は、目標とする製品と略等し
い寸法に形成されたマスターワーク(図示せず)をワー
ク保持装置3に装着し、移動用油圧シリンダ15を前進
端まで動作させてマスターワーク2の外周面に押圧子1
2を接触させることによって実施する。
を接触させるとともに、押圧子12に補正用油圧シリン
ダ13の第1のピストンロッド部18aが接触する状態
で、変位センサ14の検出値を基準位置δy0としてコン
トローラ46のメモリに記憶させておく。基準位置δy0
を設定した後は、移動用油圧シリンダ15が後退端へ動
作し、前記押圧子12や補正用油圧シリンダ13が後退
位置に移動する。
テップS2に示すように、ワーク保持装置3にワーク2
を装着する。ワーク2の装着は、ワーク2の一端部をワ
ーク保持装置3の駆動モータ側チャック7に把持させ、
他端部を芯押し台9に仮に装着した状態で、トラバース
円筒研削盤1の起動スイッチ(図示せず)をオン操作す
ることによって実施する。前記起動スイッチをON操作
(図9のタイムチャートにおいて点Aで示す)すると、
図9において点Bに示すように、芯押し台9のセンタ9
aが後退端から前進端へ前進し、ワーク2を前記チャッ
ク7とともに支持するようになる。なお、ワーク保持装
置3のテーブル10は、研削終了時に図1において右側
へ移動端まで移動しており、ワーク装着時には、図1に
おいてワーク2の左側の端部が研削砥石4に対向するよ
うになっている。
ステップS3に示すように、ワーク2の一端部に仮研削
を実施する。この仮研削は、上述したようにワーク2を
装着した後に自動的に実施されるようになっている。す
なわち、ワーク2の装着動作が終了した後、研削装置5
のモータ11とワーク保持装置3の駆動モータ8が回転
を開始し、研削砥石4とワーク2を回転させる。研削砥
石4とワーク2の回転方向を図3中に矢印で示す。
後、図9において点Cで示すように、研削装置5の図示
していない移動装置が研削砥石4を後退端から荒研削開
始点まで予め定めた前進速度で前進させる。荒研削開始
点まで研削砥石4が前進した後、図9において点Dで示
すように、前進速度を低下させて一定速度で中仕上げ開
始点を経て仕上げ研削開始点まで研削砥石4を前進させ
る。仕上げ研削開始点に達した後、図9中に点Eで示す
ように、更に前進速度を低下させて一定速度で研削砥石
4を前進端まで前進させる。
時、ワーク2の外形寸法は所定の目標外形寸法と一致す
るか、その目標外形寸法との差が微小な値となるように
する。このためには、研削砥石4の前進端位置までの前
進量を予め決めておくか、押圧子12をワーク2に接触
させつつ変位センサ14の検出値が基準位置δy0と一致
する時点で研削砥石4の前進を停止させるようにする。
本実施の形態においては、前進量を予め決めるととも
に、研削砥石4の磨耗量に応じて補正すべく、トラバー
ス研削を終了するワーク2が所定数毎となる度に、仮研
削箇所の外形寸法を測定し、この想定値と外形寸法が目
標外形寸法域内の下限近傍値との差の分だけ、前進量を
増加補正するようにする。
において点Fで示すように、研削砥石4は待機位置まで
後退する。このように仮研削が終了した後、図8のステ
ップS4に示すように、ワーク2を軸線方向へ移動させ
てトラバース研削を開始する。トラバース研削時には、
先ず、図9中に点Gで示すように、移動用油圧シリンダ
15が後退端から前進端まで動作し、押圧子12と補正
用油圧シリンダ13および変位センサ14が研削位置に
移動する。これとともに、同図中に点Hで示すように、
補正装置6がON状態になる。すなわち、押圧子12の
位置が前記基準位置に一致するように補正用油圧シリン
ダ13が押圧子12を押圧するようになる。
寸法が所定の目標外形寸法域値となる箇所に接触するの
で、変位センサ14の押圧子12の位置の検出値が基準
位置δy0と略一致し(押圧子12の変位量が0または略
0)、補正用油圧シリンダ13の押圧力は0あるいは極
めて0に近いものとなる。
て、予め定めた時間t1が経過した後に、図9中に点I
で示すように、研削装置5が研削砥石4を前記待機位置
から荒研削開始点まで前進させ、さらに、仮研削時と同
様に研削砥石4を前進端まで前進させる。このときに
は、テーブル10が初期位置に停止した状態でワーク2
は移動していないから、研削力がワーク2に作用するこ
とはなく、押圧力も作用しない。
定めた時間t2が経過した後、図9中に点Jで示すよう
に、テーブル10が一定速度で移動を開始する。テーブ
ル10が移動することによって、ワーク2が研削砥石4
に対して平行移動し、研削が開始される。平行移動に伴
い研削砥石4からワーク2に大きな切削力が作用し撓も
うとするが、直ちに押圧手段である補正用油圧シリンダ
13による押圧力がワーク2に作用し、且つ研削力と押
圧力との合力によるワーク2の撓み量は、トラバース研
削中の変位センサ14で検知するワーク2の位置の検出
値は所定の目標値である基準位置δy0と一致するかその
差が所定値以下とされるので、ほとんど0か所定値以下
とできる。このときの押圧子12の変位量は数μm程度
である。この結果、トラバース研削中にワーク2が撓む
ことは殆どなく、且つ、ワーク2に接触される押圧子1
2の位置は、少なくともトラバース研削開始直前の時期
より前記トラバース研削中、常に研削が略終了した箇所
となるので、仮研削箇所からトラバース研削箇所まで外
形寸法を略目標外形寸法と一致させることができる。
点Kで示す)てから予め定めた時間t3が経過した後、
補正装置6がOFF状態になり、補正用油圧シリンダ1
3による押圧が停止される。補正装置6がOFF状態に
移行した後、図9において点Lで示すように、研削装置
5が研削砥石4を後退端まで移動させるとともに、点M
で示すように、移動用シリンダが後退端まで動作して押
圧子12や補正用油圧シリンダ13を後退させる。その
後、図9において点Nで示すように、ワーク保持装置3
のテーブル10が初期位置に復帰する。
図8のフローチャートのステップS5に示すように、ワ
ーク2をワーク保持装置3から取外す。この作業は、図
9において点Oで示すように芯押し台9のセンタ9aを
後退端へ移動させ、駆動モータ側のチャック7からワー
ク2を外すことによって行う。他のワーク2を研削する
ときには、図8のステップS6からステップS2に戻っ
て上述した操作を繰り返す。
バース円筒研削盤1によれば、ワーク2における研削力
を受ける部位と対向する部位の外径位置の変化量を検出
し、研削時のワーク2の撓み量が0近くになるように押
圧子12でワーク2を押圧して研削することができるか
ら、ワーク2の一端から他端まで外径が同一でしかも真
円度が高くなるようにワーク2を研削することができ
る。
を行う場合には一つのワークに対してトラバース研削を
15〜20回実施していたのに対し、この実施の形態に
よるトラバース円筒研削盤1を使用することによって、
トラバース研削の回数を1〜2回に低減することができ
た。上記実施の形態においては、トラバース研削開始直
前の時期より前記トラバース研削中、常に押圧手段を作
動させたが、撓みの大きくなるワーク2の長手方向中央
部のみ押圧手段を作動させるようにしても良い。なお、
研削砥石4の外周形状は、ワーク2の中心軸と平行とな
る円筒部とトラバース時の先頭側となるテーパ部よりな
るようにすると良い。テーパ部の大径側の半径は円筒部
半径に一致し、小径側の半径は、研削取りしろより僅か
に大きい値分だけ円筒部半径より小さくなるようにす
る。
ークにおける研削力を受ける部位と対向する部位の外径
位置の変化量を検出し、研削時のワークの撓み量が0近
くになるように押圧子でワークを押圧して研削すること
ができるから、ワークの軸線方向の全域にわたって外径
および真円度が一定になるように研削することができ
る。また、研削力を検出するための検出手段は一つでよ
いから、従来のものに較べてコストダウンを図ることが
できる。したがって、高い精度をもって研削することが
できるとともに、製造コストが低くなるトラバース円筒
研削盤を提供することができる。
示すブロック図である。
置を基台に搭載した状態を示す側面図である。
して示す側面図である。
る油圧シリンダのIV−IV線断面図である。
ある。
説明するためのフローチャートである。
説明するためのタイムチャートである。
持装置、4…研削砥石、6…補正装置、12…押圧子、
13…補正用油圧シリンダ、14…変位センサ、16…
制御手段、46…コントローラ。
Claims (3)
- 【請求項1】 長尺丸棒状のワークを両端で回転自在に
支持し、回転する砥石をワークの外周面に押し付けた状
態で砥石に対してワークを相対的に軸線方向へ平行移動
させてトラバース研削を行うトラバース円筒研削盤にお
いて、前記ワークの外周面における前記砥石にワークを
挟んで対向する部位にワークの径方向へ変位可能な状態
で添接させた押圧子と、この押圧子をワーク側へ押圧す
る押圧手段と、研削力でワークが撓むことにより変位し
た前記押圧子の変位量を検出する変位量検出手段と、こ
の検出手段の検出結果に基づいて前記押圧手段を駆動す
る制御手段とを備え、前記制御手段は、研削中の押圧子
の変位量が所定値以下となるように前記押圧手段をフィ
ードバック制御する構成を採っていることを特徴とする
トラバース円筒研削盤。 - 【請求項2】 前記変位量検出手段は、前記押圧子の位
置を検出する位置検出手段と、所定の外形寸法のワーク
に接触する状態の前記押圧子の位置を目標押圧子位置と
して記憶する記憶手段を備え、研削中の前記押圧子の位
置と前記目標押圧子位置との差を前記変位量として検知
するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のトラ
バース円筒研削盤。 - 【請求項3】 請求項2に記載のトラバース円筒研削盤
を使用し、ワークの長手方向の端部において前記砥石を
回転するワークに押圧作用させる仮研削を行い、しかる
後前記トラバース研削を実施するとともに、このトラバ
ース研削中砥石が少なくともワークの長手方向中央部を
通過移動する時、前記制御手段は、研削中の押圧子の位
置が前記目標押圧子位置との差が所定値以下となるよう
に前記押圧手段をフィードバック制御するようにしたこ
とを特徴とする長尺丸棒状のワークの円筒研削方法。
Priority Applications (1)
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JP2000188349A JP2002001656A (ja) | 2000-06-22 | 2000-06-22 | トラバース円筒研削盤および長尺丸棒状のワークの円筒研削方法 |
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JP2000188349A JP2002001656A (ja) | 2000-06-22 | 2000-06-22 | トラバース円筒研削盤および長尺丸棒状のワークの円筒研削方法 |
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