ところで、特許文献1、2のように、空調用バッフルプレートや送風ガイドをケーシングの内部に配設することで、各吹出モードに応じて冷風や温風を別々に所望の方向に案内することができるようになると考えられる。
ところが、車両用空調装置によっては後席乗員へも調和空気を供給するように構成されたものがある。後席乗員へも調和空気を供給するということは、ケーシングに後席乗員用の調和空気の出口を形成する必要があり、ケーシングの構造だけでなく、ケーシング内における空気の流れが大きく変わることになる。このため、特許文献1のような温風用の通路部や冷風用の吹き抜け部を備えた空調用バッフルプレートや、特許文献2のような温風案内筒、調節プレート及び整流プレートを備えた送風ガイドをケーシングの内部に単純に設けただけでは、各吹出口に所望温度の調和空気を供給することが困難になることがある。
例えば、後席乗員用の調和空気の出口と、冷風通路の下流端との位置関係によっては、冷風が後席乗員用の調和空気の出口へ向かって流れ易くなり、後席乗員用の調和空気の温度が低くなりがちになることがある。また、後席乗員用の調和空気の出口を設けるために、足元へ供給される調和空気の出口と、温風通路の下流端とが接近してしまうことがあり、こうなると足元へ供給される調和空気の温度が高くなりがちになることがある。これらのことは、乗員の快適性を低下させる要因になるので解消したいのであるが、特許文献1、2のような空調用バッフルプレートや送風ガイドを用いて解消しようとしても、それらは後席乗員へ調和空気を供給することが前提とはなっていないので、上述した問題を解決することができるものではない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、前席だけでなく後席乗員にも調和空気を供給する場合に、各吹出口へ供給される調和空気の温度が高くなり過ぎたり、低くなり過ぎるのを抑制して乗員の快適性を向上させることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、ケーシングの内部に設けたバッフルプレートによって温風を後席用通路に積極的に導くことで後席乗員用の調和空気の温度の適正化を図るとともに、バッフルプレートによって冷風を足元供給用通路に積極的に導くことで足元用の調和空気の温度も適正化できるようにした。
第1の発明は、空調用空気を冷却する冷却用熱交換器と、空調用空気を加熱する加熱用熱交換器と、上記冷却用熱交換器により冷却された冷風と上記加熱用熱交換器により加熱された温風との混合比を決定するエアミックスダンパと、上記冷却用熱交換器、上記加熱用熱交換器及び上記エアミックスダンパを収容する空調ケーシングとを備え、上記エアミックスダンパによって決定された混合比となるように温風及び冷風を混合して調和空気を生成し、生成された調和空気を車室の各部に供給するように構成された車両用空調装置において、上記空調ケーシングの内部には、上記加熱用熱交換器により加熱された温風が流通する温風通路と、該温風通路の下方に設けられ、上記冷却用熱交換器により冷却された冷風が流通する冷風通路と、該空調ケーシングの下部に設けられ、後席乗員へ調和空気を供給する後席用通路と、該後席用通路の上方に設けられ、乗員の足下近傍へ調和空気を供給する足元供給用通路とが形成され、上記ケーシングの内部には、上記温風通路の下流端から流出する温風を上記後席用通路へ案内するための温風案内部と、上記冷風通路の下流端から流出する冷風を上記足元供給用通路へ案内するための冷風案内部とを備えるバッフルプレートが配設され、上記バッフルプレートの上記冷風案内部は、上下方向に延び、上記温風通路の下流端と対向するように配置される対向壁部を有し、上記対向壁部は、上側へ行くほど上記温風通路の下流端から離れるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、冷風通路が温風通路の下方に設けられているので、冷風が空調ケーシングの下部へ流れ易くなり、この空調ケーシングの下部には後席用通路が設けられているので、後席用通路には冷風が流れ易い構成となるが、バッフルプレートの温風案内部によって温風通路の下流端から流出する温風が後席用通路へ案内されるので、後席乗員用の調和空気の温度が適正になる。
また、温風通路は冷風通路の上方に設けられており、足元供給用通路は後席用通路の上方に設けられているので、温風が足元供給用通路に流れ易い構成となるが、バッフルプレートの冷風案内部によって冷風通路の下流端から流出する冷風が足元供給用通路へ案内されるので、足元用の調和空気の温度も適正になる。
また、バッフルプレートの冷風案内部の対向壁部と、温風通路の下流端との間に温風を流出させるための隙間が形成される。
第2の発明は、第1の発明において、上記バッフルプレートの上記冷風案内部は、上記温風通路の下流端から上記足元供給用通路へ流れる温風の流れを遮るように配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、温風通路の下流端から足元供給用通路へ流れる温風の流れがバッフルプレートの冷風案内部によって遮られるので、足元用の調和空気の温度上昇が抑制される。
第3の発明は、第1または2の発明において、上記バッフルプレートの上記温風案内部は、上記冷風通路の下流端から上記後席用通路へ流れる冷風量を低下させるように配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、冷風通路の下流端から後席用通路へ流れる冷風量がバッフルプレートの温風案内部によって低下するので、後席乗員用の調和空気の温度低下が抑制される。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、上記バッフルプレートの上記温風案内部と上記冷風案内部とは車幅方向に交互に配置され、車幅方向から見たとき、上記温風案内部による温風の案内方向と、上記冷風案内部による温風の案内方向とが交差することを特徴とする。
この構成によれば、温風の案内方向と冷風の案内方向とを互いに干渉させることなく、任意の方向に設定することが可能になるので、後席乗員用の調和空気の温度及び足元用の調和空気の温度を狙いの温度にすることが容易になる。
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、上記空調ケーシングの上部における車幅方向中央部には、前席乗員の上半身へ調和空気を供給するセンターベント吹出口が形成され、上記バッフルプレートの上記冷風案内部は、上記空調ケーシングの車幅方向中央部に設けられ、冷風を上方へ案内することを特徴とする。
この構成によれば、バッフルプレートの冷風案内部によって冷風をセンターベント吹出口へ向けて流すことが可能になる。これにより、センターベント吹出口から吹き出す冷風量が増加する。
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、上記バッフルプレートの上記温風案内部は、車幅方向に間隔をあけて複数設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、温風が後席用通路に分散して流入することになるので、後席乗員用の調和空気の温度ムラが生じ難くなる。
第7の発明は、第1から6のいずれか1つの発明において、上記空調ケーシングの車幅方向中央部には中間プレートが設けられ、上記バッフルプレートは、上記中間プレートに一体成形されていることを特徴とする。
この構成によれば、空調ケーシングの車幅方向中央部に中間プレートを設けることにより、例えば運転席側と助手席側とで異なる温度の調和空気を生成して供給することが可能になる。この中間プレートとバッフルプレートとを一体成形することで部品点数が削減される。
第8の発明は、第1から7のいずれか1つの発明において、上記加熱用熱交換器は、車両に搭載されたエンジンの冷却水が流れるヒータコア、電気ヒータ及び冷媒凝縮器のうち、少なくとも1つであることを特徴とする。
この構成によれば、車両の種類に応じて適切な熱源を使用することが可能になる。
第1の発明によれば、温風通路の下流端から流出する温風を後席用通路へ案内するための温風案内部と、冷風通路の下流端から流出する冷風を足元供給用通路へ案内するための冷風案内部とを備えるバッフルプレートをケーシングの内部に配設したので、後席乗員用の調和空気の温度及び足元用の調和空気の温度を適正化することができ、乗員の快適性を向上させることができる。
また、バッフルプレートの冷風案内部の対向壁部と、温風通路の下流端との間に温風を流出させるための隙間を形成することができるので、温風の流通抵抗を減少させることができる。
第2の発明によれば、バッフルプレートの冷風案内部が温風通路の下流端から足元供給用通路へ流れる温風の流れを遮ることで足元用の調和空気の温度上昇を抑制できる。
第3の発明によれば、バッフルプレートの温風案内部が冷風通路の下流端から後席用通路へ流れる冷風量を低下させることで後席乗員用の調和空気の温度低下を抑制できる。
第4の発明によれば、バッフルプレートの温風案内部と冷風案内部とを車幅方向に交互に配置し、温風案内部による温風の案内方向と、冷風案内部による温風の案内方向とが交差するようにしたので、温風の案内方向と冷風の案内方向とを互いに干渉させることなく、任意の方向に設定することができる。これにより、後席乗員用の調和空気の温度及び足元用の調和空気の温度を狙いの温度にすることが容易になる。
第5の発明によれば、バッフルプレートの冷風案内部によって冷風をセンターベント吹出口へ案内することができるので、センターベント吹出口から吹き出す冷風量を増加させることができ、特に夏季における乗員の快適性を向上させることができる。
第6の発明によれば、温風が後席用通路に分散して流入することになるので、後席乗員用の調和空気の温度ムラが生じ難くなり、乗員の快適性をより一層向上させることができる。
第7の発明によれば、中間プレートとバッフルプレートとを一体成形することで、部品点数を削減することができる。
第8の発明によれば、車両に応じて適切な熱源を使用することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る車両用空調装置1を示すものである。車両用空調装置1は、例えば自動車の車室内に設けられているインストルメントパネル(図示せず)の内部に収容された状態で車体に取り付けられるようになっている。車両用空調装置1は、図示しないが送風ユニットを備えている。送風ユニットは、車室内の空気と車室外の空気とのうち、一方を選択して導入し、送風機によって送風するように構成されている。送風ユニットは、車幅方向の一方側に配設することができる。
尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」というものとする。また、この実施形態では車両用空調装置1を車両に搭載した状態であると仮定して前後左右を定義する。
図6及び図7に示すように、車両用空調装置1は、空調用空気を冷却する冷却用熱交換器2と、空調用空気を加熱する加熱用熱交換器3及び電気ヒータ4と、冷却用熱交換器2により冷却された冷風と加熱用熱交換器3及び電気ヒータ4により加熱された温風との混合比を決定する上側エアミックスダンパ5及び下側エアミックスダンパ6と、冷却用熱交換器2、加熱用熱交換器3、電気ヒータ4及びエアミックスダンパ5、6を収容する空調ケーシング10(図1等に示す)とを備えている。
図1〜図5にも示すように、空調ケーシング10は、前後方向の中間部において分割可能に構成されている。空調ケーシング10の前側部分は、上下方向の中間部において分割可能に構成されていて、上側ケーシング構成部材11と、下側ケーシング構成部材12とを有している。空調ケーシング10の後側部分は、左右方向の中間部において分割可能に構成されていて、右側ケーシング構成部材13と、左側ケーシング構成部材14とを有している。上側ケーシング構成部材11、下側ケーシング構成部材12、右側ケーシング構成部材13及び左側ケーシング構成部材14は樹脂材からなるものであり、互いに締結部材等によって締結されて一体化されている。
図6に示すように、上側ケーシング構成部材11及び下側ケーシング構成部材12の内部に冷却用熱交換器2が収容されている。右側ケーシング構成部材13及び左側ケーシング構成部材14の内部に加熱用熱交換器3、電気ヒータ4及びエアミックスダンパ5、6が収容されている。
また、車両用空調装置1は、デフロスタダンパ20、ベントダンパ21、ヒートダンパ22及び後席ベント用ダンパ23を有しており、デフロスタダンパ20、ベントダンパ21、ヒートダンパ22及び後席ベント用ダンパ23は右側ケーシング構成部材13及び左側ケーシング構成部材14の内部に収容されている。デフロスタダンパ20、ベントダンパ21、ヒートダンパ22及び後席ベント用ダンパ23は調和空気の吹出方向を切り替えるための吹出方向切替ダンパである。つまり、車両用空調装置1は、上側エアミックスダンパ5及び下側エアミックスダンパ6によって決定された混合比となるように温風及び冷風を混合して調和空気を生成し、生成された調和空気を、デフロスタダンパ20、ベントダンパ21、ヒートダンパ22及び後席ベント用ダンパ23の動作に応じて車室の各部に供給するように構成されている。
さらに、車両用空調装置1は、詳細は後述するがバッフルプレート50を備えている。このバッフルプレート50は冷風及び温風を所望の方向に案内することによって調和空気の温度を適正化するための部材であり、空調ケーシング10の内部に配設されている。
図4に示すように、空調ケーシング10の右側壁部の前部には、空調用空気を導入するための空気導入口24が形成されている。空気導入口24は上下方向に長い形状とされている。空気導入口24には、送風ユニットが接続されている。
図1等に示すように、空調ケーシング10の上壁部(上部)には、調和空気が吹き出すデフロスタ吹出口25が形成されている。このデフロスタ吹出口25は左右方向に長い形状となっている。デフロスタ吹出口25から吹き出す調和空気は、車両のフロントガラス(図示せず)の内面に向けて供給される。デフロスタ吹出口25には、デフロスタダクト(図示せず)を接続することができる。
空調ケーシング10の上壁部におけるデフロスタ吹出口25よりも後側には、左側ベント吹出口26aと、右側ベント吹出口26bと、センターベント吹出口26cとが形成されている。左側ベント吹出口26aは、空調ケーシング10の左側部分に開口しており、左側ベント吹出口26aから吹き出す調和空気は、前席の左側に着座している乗員の上半身に向けて供給される。右側ベント吹出口26bは、空調ケーシング10の右側部分に開口しており、右側ベント吹出口26bから吹き出す調和空気は、前席の右側に着座している乗員の上半身に向けて供給される。センターベント吹出口26cは、空調ケーシング10の上部における車幅方向中央部、即ち、左側ベント吹出口26aと、右側ベント吹出口26bとの間に開口している。センターベント吹出口26cから吹き出す調和空気は、主に前席に着座している乗員の上半身に向けて供給される。左側ベント吹出口26a、右側ベント吹出口26b及びセンターベント吹出口26cには、ベントダクト(図示せず)を接続することができる。
図6等に示すように、空調ケーシング10の後壁部には、上下方向の中間部にヒート吹出口27が形成されている。ヒート吹出口27から吹き出す調和空気は、乗員の足下近傍に供給される。ヒート吹出口27から吹き出す調和空気を前席乗員の足下近傍だけでなく、後席乗員の足下近傍にも供給することができる。ヒート吹出口27には、ヒートダクト(図示せず)を接続することができる。
空調ケーシング10の後壁部におけるヒート吹出口27よりも下側には、後席用吹出口28が形成されている。後席用吹出口28から吹き出す調和空気は、後席に着座している乗員(後席乗員)の例えば上半身に供給される。後席用吹出口28は左右方向に長い形状とされており、空調ケーシング10の左右方向中央部に位置している。後席用吹出口28には、後席近傍まで延びる後席用ダクト(図示せず)を接続することができる。
空調ケーシング10の内部には、冷却用熱交換器2が配置される冷却用熱交換器配置通路30と、温風通路31と、上側冷風通路32と、下側冷風通路(空気通路)33と、デフロスタ通路34と、ベント通路35と、ヒート通路(足元供給用通路)36と、後席用通路37とが形成されている。
冷却用熱交換器配置通路30は、空調ケーシング10の内部において前部に形成されている。この冷却用熱交換器配置通路30の上流端には空気導入口24が連通しており、送風ユニットから送風された空調用空気は全量が冷却用熱交換器配置通路30に導入されるようになっている。冷却用熱交換器配置通路30の縦断面は、空調ケーシング10の上部から下部に亘るとともに、空調ケーシング10の左側から右側に亘っており、広い断面となっている。
冷却用熱交換器配置通路30に配置されている冷却用熱交換器2は、冷凍サイクルの蒸発器(エバポレータ)で構成されている。冷却用熱交換器配置通路30は、空気通過面が上下方向に延びる姿勢とされている。冷却用熱交換器配置通路30の上部は上側ケーシング構成部材11に保持される一方、冷却用熱交換器配置通路30の下部は下側ケーシング構成部材12に保持されている。冷却用熱交換器配置通路30には減圧弁(図示せず)を経て減圧された冷媒が流入するようになっており、この冷媒と空調用空気とが熱交換することによって空調用空気が冷却されるようになっている。空調用空気の冷却時に発生した凝縮水は、下側ケーシング構成部材12に形成されたドレン部10a(図2等に示す)から空調ケーシング10の外部に排出されるようになっている。
温風通路31は、加熱用熱交換器3により加熱された温風が流通する通路であり、この実施形態では電気ヒータ4によって加熱された温風も流通するようになっている。温風通路31は、空調ケーシング10の内部において上下方向中間部に形成されており、前後方向に延びている。温風通路31の縦断面は、冷却用熱交換器配置通路30の縦断面よりも狭く設定されている。
温風通路31の上流端は、冷却用熱交換器配置通路30の下流端における上下方向中間部に連通するようになっている。温風通路31には、加熱用熱交換器3及び電気ヒータ4が配置されている。加熱用熱交換器3は、車両に搭載されたエンジン(図示せず)の冷却水が流れるヒータコアで構成されている。加熱用熱交換器3を流れるエンジンの冷却水と空調用空気とが熱交換することによって空調用空気が加熱されるようになっている。また、電気ヒータ4は、例えば車両のバッテリ(図示せず)等から電力を供給することによって発熱する発熱素子(図示せず)を有しており、この発熱素子が発した熱によって空調用空気が加熱されるようになっている。尚、電気ヒータ4は、省略してもよい。また、加熱用熱交換器3の代わりに、電気ヒータ4を用いてもよいし、冷媒を凝縮する冷媒凝縮器を用いてもよい。また、これら熱源は任意に組み合わせて用いることができ、例えば、冷媒凝縮器と電気ヒータ4とを併用することもできる。電気自動車の場合には、エンジンが無いので、冷媒凝縮器や電気ヒータ4を使用することができる。
上側冷風通路32は、空調ケーシング10の内部において温風通路31の上方に設けられている。上側冷風通路32は、前後方向に延びており、上流端は冷却用熱交換器配置通路30の下流端における上部に連通している。
下側冷風通路33は、空調ケーシング10の内部において温風通路31の下方に設けられている。下側冷風通路33は、前後方向に延びており、上流端は冷却用熱交換器配置通路30の下流端における下部に連通している。下側冷風通路33は、空調ケーシング10の底壁部に沿って後方へ延びた後、上方へ屈曲している。
上側冷風通路32及び下側冷風通路33には、冷却用熱交換器2により冷却された冷風が流通する。上側冷風通路32及び下側冷風通路33を流通した冷風は、温風通路31をバイパスして流れることになる。
デフロスタ通路34は、空調ケーシング10の内部において上側冷風通路32の上方に設けられ、上下方向に延びている。デフロスタ通路34の上流端(下端部)は、上側冷風通路32の上流端近傍に位置している。デフロスタ通路34の下流端(上端部)は、デフロスタ吹出口25に接続されている。
ベント通路35は、空調ケーシング10の内部において上側冷風通路32の上方に設けられ、上下方向に延びている。ベント通路35の上流端(下端部)は、上側冷風通路32の上流端近傍に位置している。ベント通路35の下流端(上端部)は、左側ベント吹出口26aと、右側ベント吹出口26bと、センターベント吹出口26cとに接続されている。
後席用通路37は、空調ケーシング10の下部に設けられており、後席乗員へ調和空気を供給するための通路である。後席用通路37は前後方向に延びている。後席用通路37の上流端(前端部)は、下側冷風通路33の下流端近傍に位置している。後席用通路37の下流端(後端部)は、後席用吹出口28に接続されている。
ヒート通路36は、空調ケーシング10の内部において上側冷風通路32の下方であって、かつ、下側冷風通路33の上方に設けられている。つまり、ヒート通路36は、後席用通路37の上方に設けられている。そして、ヒート通路36は、乗員の足下近傍へ調和空気を供給するためのものである。
空調ケーシング10の内部には、加熱用熱交換器3よりも前側に離れた部分に、上下方向に延びる中間縦壁部10bが形成されている。また、空調ケーシング10の内部には、中間縦壁部10bから上側に離れた部分に、上下方向に延びる上側縦壁部10cが形成されている。さらに、空調ケーシング10の内部には、中間縦壁部10bから下側に離れた部分に、上下方向に延びる下側縦壁部10dが形成されている。
そして、上側縦壁部10cの下端部と中間縦壁部10bの上端部との間には上側開口部10eが形成され、また、下側縦壁部10dの上端部と中間縦壁部10bの下端部との間には下側開口部10fが形成されている。上側エアミックスダンパ5は、上側開口部10e内で動作し、冷却用熱交換器配置通路30から上側冷風通路32に流入する冷風量と、冷却用熱交換器配置通路30から温風通路31の上側に流入する冷風量との比率を変更する。
すなわち、上側エアミックスダンパ5は、左右方向に延びる回動軸5aと、回動軸5aの径方向に延びる板部5bとを有している。回動軸5aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。上側エアミックスダンパ5が回動軸5a周りに上方へいっぱいまで回動すると、冷却用熱交換器配置通路30から上側冷風通路32に流入する冷風量が0となり、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は上側開口部10eから温風通路31の上側に流入する。一方、上側エアミックスダンパ5が回動軸5a周りに下方へいっぱいまで回動すると、冷却用熱交換器配置通路30から温風通路31に流入する冷風量が0となり、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は上側開口部10eから上側冷風通路32に流入する。
上側エアミックスダンパ5が中間の回動位置にあるときには、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は上側開口部10eから上側冷風通路32及び温風通路31の両方に流入する。上側エアミックスダンパ5の回動位置によって上側冷風通路32に流入する冷風量と、温風通路31に流入して加熱されることになる冷風量との比率が変更される。つまり、上側エアミックスダンパ5は、冷却用熱交換器2により冷却された冷風と、加熱用熱交換器3(及び電気ヒータ4)により加熱された温風との混合比を決定するためのものである。
また、下側エアミックスダンパ6は、下側開口部10f内で動作し、冷却用熱交換器配置通路30から下側冷風通路33に流入する冷風量と、冷却用熱交換器配置通路30から温風通路31の下側に流入する冷風量との比率を変更する。
すなわち、下側エアミックスダンパ6は、左右方向に延びる回動軸6aと、回動軸6aの径方向に延びる板部6bとを有している。回動軸6aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。下側エアミックスダンパ6が回動軸6a周りに下方へいっぱいまで回動すると、冷却用熱交換器配置通路30から下側冷風通路33に流入する冷風量が0となり、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は下側開口部10fから温風通路31の下側に流入する。一方、下側エアミックスダンパ6が回動軸6a周りに上方へいっぱいまで回動すると、冷却用熱交換器配置通路30から温風通路31に流入する冷風量が0となり、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は下側開口部10fから下側冷風通路33に流入する。
下側エアミックスダンパ6が中間の回動位置にあるときには、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は下側開口部10fから下側冷風通路33及び温風通路31の両方に流入する。下側エアミックスダンパ6の回動位置によって下側冷風通路33に流入する冷風量と、温風通路31に流入して加熱されることになる冷風量との比率が変更される。つまり、下側エアミックスダンパ6は、冷却用熱交換器2により冷却された冷風と、加熱用熱交換器3(及び電気ヒータ4)により加熱された温風との混合比を決定するためのものである。
デフロスタ通路34には、デフロスタ通路34を開閉するためのデフロスタダンパ20が配設されている。デフロスタダンパ20は、左右方向に延びる回動軸20aと、回動軸20aの径方向に延びる板部20bとを有している。回動軸20aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。デフロスタダンパ20が回動軸20a周りに回動することによってデフロスタ通路34が開閉される。
ベント通路35には、ベント通路35を開閉するためのベントダンパ21が配設されている。ベントダンパ21は、左右方向に延びる回動軸21aと、回動軸21aから径方向に離れた状態で該回動軸21aに支持される板部21bとを有している。回動軸21aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。ベントダンパ21が回動軸21a周りに回動することによってベント通路35が開閉される。
ヒート通路36には、ヒート通路36を開閉するためのヒートダンパ22が配設されている。ヒートダンパ22は、左右方向に延びる回動軸22aと、回動軸22aの径方向に延びる板部22bとを有している。回動軸22aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。ヒートダンパ22が回動軸22a周りに回動することによってヒート通路36が開閉される。
後席用通路37には、後席用通路37を開閉するための後席ベント用ダンパ23が配設されている。後席ベント用ダンパ23は、左右方向に延びる回動軸23aと、回動軸23aから径方向に延びる板部23bとを有している。回動軸23aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。後席ベント用ダンパ23が回動軸23a周りに回動することによって後席用通路37が開閉される。
(バッフルプレート50の構造)
バッフルプレート50は、樹脂材からなるものであり、図10等に示すように右側バッフルプレート構成部材50Aと左側バッフルプレート構成部材50Bとが組み合わされて構成されていて、図6等に示すように空調ケーシング10の内部の後側において下部に配設されている。尚、バッフルプレート50は、右側バッフルプレート構成部材50Aと左側バッフルプレート構成部材50Bの2部材からなるものではなく、一体成形品であってもよい。
バッフルプレート50は、右側温風案内部51及び左側温風案内部52と、右側冷風案内部53、左側冷風案内部54及び中央冷風案内部55とを備えている。右側温風案内部51及び左側温風案内部52は、温風通路31の下流端から流出する温風を後席用通路37へ案内するための部分である。図6等に示すように、右側温風案内部51及び左側温風案内部52は、温風通路31の下流端の下側から後側へ向かって斜め下方へ延びる通路を形成している。右側温風案内部51及び左側温風案内部52の下流端は、後席用通路37の上流端の上側に接続されている。図10に示すように右側温風案内部51及び左側温風案内部52は、バッフルプレート50の左右方向中央寄りの部分において左右方向に互いに間隔をあけて配置されている。
図7に示すように、右側冷風案内部53、左側冷風案内部54及び中央冷風案内部55は、下側冷風通路33の下流端から流出する冷風をヒート通路36へ案内するための部分である。右側冷風案内部53、左側冷風案内部54及び中央冷風案内部55は、下側冷風通路33の下流端から上方、即ちヒート通路36の上流端へ向かって延びる通路を形成している。右側冷風案内部53、左側冷風案内部54及び中央冷風案内部55の下流端は、ヒート通路36の上流端近傍に位置している。
図10に示すように右側冷風案内部53は、バッフルプレート50の右端に設けられており、右側に開放するように形成されている。この右側冷風案内部53の右側の開放部分は空調ケーシング10の右側壁部の内面によって閉塞されてヒート通路36の上流端へ向かって延びる通路が形成されるようになっている。
左側冷風案内部54は、バッフルプレート50の左端に設けられており、左側に開放するように形成されている。この左側冷風案内部54の左側の開放部分は空調ケーシング10の左側壁部の内面によって閉塞されてヒート通路36の上流端へ向かって延びる通路が形成されるようになっている。
中央冷風案内部55はバッフルプレート50の左右方向中央部に設けられていて、右側バッフルプレート構成部材50Aと左側バッフルプレート構成部材50Bとを組み合わせることによって形成される。この中央冷風案内部55の右側に右側温風案内部51が配置され、中央冷風案内部55の左側に左側温風案内部52が配置されている。従って、バッフルプレート50の温風案内部51、52と冷風案内部53、54、55とは車幅方向に交互に配置されることになり、車幅方向(左右方向)から見たとき、温風案内部51、52による温風の案内方向と、冷風案内部53、54、55による温風の案内方向とが交差するようになっている。また、中央冷風案内部55は空調ケーシング10の車幅方向中央部に設けられ、冷風を上方へ案内する。
図7に示すようにバッフルプレート50の冷風案内部53、54、55は、温風通路31の下流端からヒート通路36へ流れる温風の流れを遮るように配置されている。すなわち、冷風案内部53、54、55を構成している前側壁部53a、54a、55a(図10にも示す)は、上下方向に延びるとともに、温風通路31の下流端の下側に対向するように配置された対向壁部とされており、これら前側壁部53a、54a、55aが温風通路31の下流端とヒート通路36との間に配置されることで、温風通路31の下流端から流出する温風がヒート通路36へ直接的に流れ難くなる。これにより、バッフルプレート50の冷風案内部53、54、55が温風通路31の下流端からヒート通路36へ流れる温風の流れを遮ることで足元用の調和空気の温度上昇を抑制できる。
また、冷風案内部53、54、55の前側壁部53a、54a、55aは、上側へ行くほど温風通路31の下流端から離れるように形成されている。これにより、バッフルプレート50の冷風案内部53、54、55の前側壁部53a、54a、55aと、温風通路31の下流端との間に温風を流出させるための隙間を形成することができ、温風の流通抵抗を減少させることができる。
また、バッフルプレート50の温風案内部51、52は、下側冷風通路33の下流端から後席用通路37へ流れる冷風量を低下させるように配置されている。すなわち、例えば図6に示すように、温風案内部51、52の下壁部51a、52a(図10にも示す)は、後側へ行くほど下に位置するように傾斜して下側冷風通路33の下流端と対向するように配置されている。そして、下側冷風通路33から流出する冷風が下壁部51a、52aに当たることによって後席用通路37へ向けて流れ難くなる。
図10に示すように、バッフルプレート50における右側温風案内部51と右側冷風案内部53との間には、右側開口部56が形成されている。さらに、バッフルプレート50における左側温風案内部52と左側冷風案内部54との間には、左側開口部57が形成されている。右側開口部56及び左側開口部57には空気が流通するようになっている。
バッフルプレート50は、空調ケーシング10における下側冷風通路33に圧入される圧入部としての右側固定用板部58と左側固定用板部59とを備えている。右側固定用板部58は、右側バッフルプレート構成部材50Aから下方へ延出するとともに、上下方向に延び、さらに下側冷風通路33に沿って前後方向にも延びている。右側固定用板部58の上縁部が、右側ケーシング構成部材13に形成されている下側冷風通路33の上面に当接し、右側固定用板部58の下縁部が下側冷風通路33の下面に当接することによって右側固定用板部58が下側冷風通路33の下流側に圧入されるようになっている。
また、左側固定用板部59は、左側バッフルプレート構成部材50Bから下方へ延出するとともに、上下方向に延び、さらに、下側冷風通路33に沿って前後方向にも延びている。左側固定用板部59の上縁部が、左側ケーシング構成部材14に形成されている下側冷風通路33の上面に当接し、左側固定用板部59の下縁部が下側冷風通路33の下面に当接することによって左側固定用板部59が下側冷風通路33の下流側に圧入されるようになっている。つまり、右側バッフルプレート構成部材50Aを右側ケーシング構成部材13に仮固定することができ、左側バッフルプレート構成部材50Bを左側ケーシング構成部材14に仮固定することができるようになっている。
(バッフルプレートの位置決め構造)
図9に示すように、右側ケーシング構成部材13には、バッフルプレート50の右側バッフルプレート構成部材50Aを仮固定状態で位置決めするための位置決め用凹部(係合部)13dが形成されている。位置決め用凹部13dは、右側ケーシング構成部材13における下側冷風通路33の下面に形成されている。位置決め用凹部13dには、右側固定用板部58の下縁部の一部が嵌まることによって係合する。左側ケーシング構成部材14にも同様な位置決め構造を設けることができる。
(バッフルプレートの組み付け要領)
次に、バッフルプレート50の組み付け要領について説明する。右側バッフルプレート構成部材50Aを右側ケーシング構成部材13に仮固定するとともに、左側バッフルプレート構成部材50Bを左側ケーシング構成部材14に仮固定した後に、右側ケーシング構成部材13と左側ケーシング構成部材14とを組み合わせる。
すなわち、図14に示すように、右側ケーシング構成部材13に対して右側バッフルプレート構成部材50Aを仮固定する際には、右側バッフルプレート構成部材50Aの右側固定用板部58を右側ケーシング構成部材13の下側冷風通路33に圧入する。圧入後の状態を図15に示す。右側固定用板部58を右側ケーシング構成部材13の下側冷風通路33に圧入すると、右側固定用板部58の下縁部が位置決め用凹部13dに係合して位置決めされる。同様にして、左側バッフルプレート構成部材50Bの左側固定用板部59を左側ケーシング構成部材14の下側冷風通路33に圧入して左側バッフルプレート構成部材50Bを左側ケーシング構成部材14に仮固定する。また、加熱用熱交換器3、電気ヒータ4、エアミックスダンパ5、6等を右側ケーシング構成部材13または左側ケーシング構成部材14に組み付けておく。
また、図16に示すように、中間プレート60を右側ケーシング構成部材13組み付ける。中間プレート60は、空調ケーシング10の内部を左側と右側とに区画するための部材であり、空調ケーシング10の内部において前後方向及び上下方向に延びている。空調ケーシング10の内部において中間プレート60よりも右側の空間は、車室の右側領域に供給する調和空気を生成する空間となり、空調ケーシング10の内部において中間プレート60よりも左側の空間は、車室の左側領域に供給する調和空気を生成する空間となる。つまり、中間プレート60を設けることで、左右独立温度コントロールタイプの車両用空調装置1にすることができる。尚、中間プレート60は省略してもよい。
その後、右側ケーシング構成部材13と左側ケーシング構成部材14とを組み合わせると、右側バッフルプレート構成部材50Aと左側バッフルプレート構成部材50Bとが合わさってバッフルプレート50が構成される。右側ケーシング構成部材13と左側ケーシング構成部材14とを組み合わせるとき、右側バッフルプレート構成部材50A及び左側バッフルプレート構成部材50Bが仮固定されているので、右側ケーシング構成部材13と左側ケーシング構成部材14とを組み合わせる途中で右側バッフルプレート構成部材50A及び左側バッフルプレート構成部材50Bが落下することはないとともに、位置ずれすることもない。これにより、組み付け作業性が向上する。
(実施形態の作用効果)
この実施形態に係る車両用空調装置1によれば、下側冷風通路33が温風通路31の下方に設けられているので、冷風が空調ケーシング10の下部へ流れ易くなり、この空調ケーシング10の下部には後席用通路37が設けられているので、後席用通路37には冷風が流れ易い構成となるが、バッフルプレート50の右側温風案内部51及び左側温風案内部52によって温風通路31の下流端から流出する温風が後席用通路37へ案内されるので、後席乗員用の調和空気の温度が適正になる。
また、温風通路31は下側冷風通路33の上方に設けられており、ヒート通路36は後席用通路37の上方に設けられているので、温風がヒート通路36に流れ易い構成となるが、バッフルプレート50の右側冷風案内部53、左側冷風案内部54及び中央冷風案内部55によって下側冷風通路33の下流端から流出する冷風がヒート通路36へ案内されるので、足元用の調和空気の温度も適正になる。これにより、乗員の快適性を向上させることができる。
また、バッフルプレート50の右側冷風案内部53、左側冷風案内部54及び中央冷風案内部55が温風通路31の下流端からヒート通路36へ流れる温風の流れを遮ることで足元用の調和空気の温度上昇を抑制できる。
また、バッフルプレート50の右側温風案内部51及び左側温風案内部52が下側冷風通路33の下流端から後席用通路37へ流れる冷風量を低下させることで後席乗員用の調和空気の温度低下を抑制できる。
また、バッフルプレート50の右側冷風案内部53、左側冷風案内部54及び中央冷風案内部55の対向壁部53a、54a、55aと、温風通路31の下流端との間に温風を流出させるための隙間を形成することができるので、温風の流通抵抗を減少させることができる。
また、バッフルプレート50の右側温風案内部51及び左側温風案内部52と、右側冷風案内部53、左側冷風案内部54及び中央冷風案内部55とを車幅方向に交互に配置し、温風案内部51、52による温風の案内方向と、冷風案内部53、54、55による温風の案内方向とが交差するようにしたので、温風の案内方向と冷風の案内方向とを互いに干渉させることなく、任意の方向に設定することができる。これにより、後席乗員用の調和空気の温度及び足元用の調和空気の温度を狙いの温度にすることが容易になる。
また、バッフルプレート50に右側固定用板部58と左側固定用板部59を設けて、車両用空調装置1の製造時にバッフルプレート50を空調ケーシング10に仮固定しておくようにしたので、組立作業性が容易になる。
(実施形態2)
図17〜図19は、本発明の実施形態2に係る車両用空調装置1の一部を示すものである。この実施形態2では、空調ケーシング10の車幅方向中央部に中間プレート60が設けられ、バッフルプレート50が中間プレート60に一体成形されている点で実施形態1とは異なっており、他の部分は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と同じ部分には実施形態1と同じ符号を付して説明を省略し、実施形態1とは異なる部分について説明する。
中間プレート60の下部に、バッフルプレート50が左右方向に突出するように一体成形されている。この実施形態2では、実施形態1と同様な作用効果を奏することができるとともに、中間プレート60を、右側ケーシング構成部材13または左側ケーシング構成部材14に組み付けることで、バッフルプレート50も同時に組み付けることができる。また、バッフルプレート50を中間プレート60に一体成形することで部品点数を削減することができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。