JP6855282B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される車両用空調装置に関し、特に、ケーシングの内部を流れる空気流を制御するダンパを備えた構造の技術分野に属する。
一般に、車両用空調装置は、空調用空気を冷却する冷却用熱交換器、空調用空気を加熱する加熱用熱交換器、冷風と温風の混合比を決定するエアミックスダンパ、吹出方向を切り替えるための吹き出し方向切替用ダンパ等を備えており、これらはケーシングに収容されるようになっている。また、車両用空調装置は、車両のインストルメントパネルの内部に配設されている(例えば特許文献1〜3参照)。
ケーシングの内部には、送風機により送風された空調用空気が流通する空気通路が形成されていて、この空気通路にエアミックスダンパ及び吹き出し方向切替用ダンパが配置されている。エアミックスダンパは車幅方向に延びる回動軸周りに回動することによって冷風量と温風量との比率を変更し、これにより、目標温度の調和空気を生成することが可能になっている。また、吹き出し方向切替用ダンパはデフロスタ吹出口を開閉するデフロスタダンパやヒート吹出口を開閉するヒートダンパ等からなり、いずれも車幅方向に延びる回動軸周りに回動することによってデフロスタ吹出口やヒート吹出口を開閉し、これにより、車室の所望の箇所に調和空気を供給することが可能になっている。
また、特許文献3の車両用空調装置は、ケーシングの下側に車室内の空気を導入し、上側に車室外の空気を導入する内外気二層流構造とされている。
特開2008−62659号公報 特開2012−158219号公報 特開2015−646号公報
ところで、車両用空調装置が配設されているインストルメントパネルの内部には例えばナビゲーション装置等の別の機器等も配設する必要があることから、車両用空調装置の更なる小型化が望まれている。一方で、乗員の快適性を向上させるべく、従来のデフロスタ吹出口、ベント吹出口、ヒート吹出口の他に、後席乗員用のベント吹出口やヒート吹出口等が設けられることがあり、車両用空調装置のケーシング構造が複雑化するとともに、吹き出し方向切替用ダンパも複雑化している。また、特許文献3のように車室内の空気と車室外の空気とをケーシングに同時に導入可能な内外気二層流構造の場合には更なる構造の複雑化を招く。従って、ケーシングの内部に設けるダンパの配設自由度が低下しており、いかにして空気流を制御するかが問題となっている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ダンパを所定の回動角度で停止したままの状態で空気を複数方向に同時に流すことができるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、ダンパが有する回動軸を径方向に挟んで一方側と他方側とにそれぞれ空気を流すことができるように複数の空気通路を形成可能に構成した。
第1の発明は、送風機により送風された空気が導入されるとともに、熱交換器が収容されたケーシングと、上記ケーシング内部に配設され、該ケーシング内部を流れる空気流を制御するためのダンパとを備え、上記熱交換器を通過して温度調節された空気を車室の各部に供給するように構成された車両用空調装置において、上記ケーシングには、空気が吹き出す第1吹出口と第2吹出口とが互いに離れて形成され、上記ダンパは、上記ケーシングに回動可能に支持される回動軸と、該回動軸から径方向に離れて該回動軸と一体に設けられ、上記ケーシング内部の空気流を制御する制御板部とを備え、上記ダンパは、所定の回動角度で停止したときに、上記回動軸方向に見て、上記制御板部と上記回動軸との間に上記第1吹出口に連通する第1空気通路を形成し、上記回動軸を挟んで上記第1空気通路側とは径方向の反対側に上記第2吹出口に連通する第2空気通路を形成し、上記第1空気通路と、上記第2空気通路とは、上記ダンパの上記回動軸方向に並んでいることを特徴とする。
この構成によれば、ダンパが所定の回動角度で停止すると、第1吹出口に連通する第1空気通路がダンパの制御板部と回動軸との間に形成され、第2吹出口に連通する第2空気通路が回動軸を挟んで第1空気通路側とは径方向の反対側に形成されることになる。つまり、ダンパを停止させた状態で、互いに離れたところに形成されている第1吹出口及び第2吹出口に同時に空気を流すことが可能になる。
また、第1空気通路と第2空気通路とが回動軸方向に並ぶので、両方の通路断面を広く確保するように形状設定することが可能になる。
第2の発明は、第1の発明において、上記ケーシングの車両後壁部に上記第1吹出口及び上記第2吹出口が形成され、上記第1吹出口は上記第2吹出口の上方に形成され、上記ダンパの上記回動軸は、車幅方向に延びており、上記ダンパが所定の回動角度で停止したときに、上記制御板部が上記回動軸の上方に配置され、上記制御板部と上記回動軸との間に上記第1空気通路が形成され、上記第1空気通路の下方に上記第2空気通路が形成されることを特徴とする。
この構成によれば、ケーシングの後壁部に上下方向に並ぶように第1吹出口及び第2吹出口が形成されている場合に、ダンパを所定の回動角度で停止させた状態で、第1吹出口及び第2吹出口の両方に同時に空気を流すことが可能になる。
第3の発明は、第2の発明において、上記第1吹出口は、車両の前席乗員の足元近傍に空気を供給するためのフロントヒート吹出口であり、上記第2吹出口は、車両の後席乗員の足元近傍に空気を供給するためのリヤヒート吹出口であることを特徴とする。
この構成によれば、フロントヒート吹出口及びリヤヒート吹出口は共に暖房時に同時に使用される吹出口であり、これらヒート吹出口へダンパの回動動作によって同時に温風を流すことが可能になる
の発明は、第1からのいずれか1つの発明において、上記ケーシング内部には、空気が上下二層流状態で導入され、上記ダンパの上記制御板部は、所定の回動角度で停止したときに、上記ケーシング内部を上層と下層とに仕切るように配置されることを特徴とする。
この構成によれば、ケーシング内部に例えば車室内の空気と車室外の空気とを二層流状態で導入する場合に、ダンパの制御板部を利用してケーシング内部を上層と下層とに仕切ることが可能になるので、別途仕切板等を配設せずに済む。
の発明は、第の発明において、上記ケーシング内部における下層側に連通するように上記第1吹出口及び上記第2吹出口が形成され、上記第1吹出口及び上記第2吹出口は乗員の足元近傍に空気を供給するためのヒート吹出口であることを特徴とする。
この構成によれば、ケーシング内部における下層側に流入した空気が第1吹出口及び第2吹出口から乗員の足下近傍に供給される。この下層側に車室内の空気を導入することで暖房効率が高まる。
の発明は、第4の発明において、上記ダンパには、上記第1空気通路と上記第2空気通路とを仕切る仕切板が上記回動軸の径方向に延びるように設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、第1空気通路と第2空気通路とが仕切板によって仕切られるので、第1空気通路を流れる空気と、第2空気通路を流れる空気とが混ざり難くなる。
の発明は、第1からのいずれか1つの発明において、上記ダンパの上記制御板部には、上記ケーシング内面に接触して該ケーシング内面と上記制御板部との間をシールするためのゴム製シール材が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、制御板部にゴム製シール材を設けたことで、ケーシング内面と制御板部との間のシール性が良好になる。
第1の発明によれば、ダンパが所定の回動角度で停止したときに、制御板部と回動軸との間に第1吹出口に連通する第1空気通路を形成し、回動軸を挟んで第1空気通路側とは反対側に第2吹出口に連通する第2空気通路を形成するようにしたので、空気を複数方向に同時に流すことができ、空調装置の構造をシンプルにすることができる。
また、第1空気通路と第2空気通路とをダンパの回動軸方向に並ぶように形成することで両方の通路断面を広く確保することができる。
第2の発明によれば、ケーシングの車両後壁部に上下方向に並ぶように第1吹出口及び第2吹出口が形成されている場合に、両方の吹出口に同時に空気を流すことができる。
第3の発明によれば、ダンパの回動動作によってフロントヒート吹出口及びリヤヒート吹出口へ同時に温風を流すことができる
の発明によれば、空気が上下二層流状態で導入される場合に、ダンパの制御板部を利用してケーシング内部を上層と下層とに仕切ることができるので、ケーシングの構造をより一層シンプルにすることができる。
の発明によれば、ケーシング内部における下層側に車室内の空気を導入して第1吹出口及び第2吹出口から乗員の足下近傍に供給することができるので、暖房効率を高めることができる。
の発明によれば、ダンパに第1空気通路と第2空気通路とを仕切る仕切板を設けたので、第1空気通路を流れる空気と、第2空気通路を流れる空気とが混ざり難くなる。
の発明によれば、ダンパの制御板部にゴム製シール材を設けたので、ケーシング内面と制御板部との間のシール性を良好にすることができる。
実施形態1に係る車両用空調装置を後側から見た図である。 実施形態1に係る車両用空調装置の左側面図である。 実施形態1に係る車両用空調装置の後側部分の分解斜視図であり、熱交換器やデフロスタダンパ、ベントダンパ等を省略した図である。 ヒートダンパを左上方から見た斜視図である。 ヒートダンパを右上方から見た斜視図である。 ヒートダンパの正面図である。 ヒートダンパの平面図である。 ヒートダンパの底面図である。 ヒートダンパの右側面図である。 ヒートダンパの左側面図である。 図6におけるXI−XI線断面図である。 図6におけるXII−XII線断面図である。 図6におけるXIII−XIII線断面図である。 ヒートモード時における図1のXIV−XIV線断面図である。 ヒートモード時における図1のXV−XV線断面図である。 ベントモード時における図1のXIV−XIV線断面図である。 ベントモード時における図1のXV−XV線断面図である。 実施形態2に係る図14相当図である。 実施形態2に係る図16相当図である。 実施形態2に係る図6相当図である。 実施形態2に係る図7相当図である。 実施形態2に係る図8相当図である。 図20のXXIII−XXIII線断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る車両用空調装置1を示すものである。車両用空調装置1は、例えば自動車の車室内に設けられているインストルメントパネル(図示せず)の内部に収容された状態で車体に取り付けられるようになっている。車両用空調装置1は、図示しないが送風機を有する送風ユニットを備えている。送風ユニットは、車室内の空気または車室外の空気の一方のみが導入可能であるとともに、車室内の空気及び車室外の空気を同時に導入して上下二層流状態で送風することが可能に構成されている。二層流状態では、車室外の空気が上層で、車室内の空気が下層になる。二層流状態で送風可能な構造の具体例は、たとえば特許文献3等に開示されているので詳細な説明は省略する。この送風ユニットは、車幅方向の一方側に配設することができる。
尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」というものとする。また、この実施形態では車両用空調装置1を車両に搭載した状態であると仮定して前後左右を定義する。
(車両用空調装置の概略構造)
図14に示すように、車両用空調装置1は、空調用空気を冷却する冷却用熱交換器2と、空調用空気を加熱する加熱用熱交換器3及び電気ヒータ4と、冷却用熱交換器2により冷却された冷風と加熱用熱交換器3及び電気ヒータ4により加熱された温風との混合比を決定する上側エアミックスダンパ5及び下側エアミックスダンパ6と、冷却用熱交換器2、加熱用熱交換器3、電気ヒータ4及びエアミックスダンパ5、6を収容する空調ケーシング10(図1等に示す)とを備えている。
図2にも示すように、空調ケーシング10は、前後方向の中間部において分割可能に構成されている。空調ケーシング10の前側部分は、上下方向の中間部において分割可能に構成されていて、上側ケーシング構成部材11と、下側ケーシング構成部材12とを有している。図3に示すように、空調ケーシング10の後側部分は、左右方向の中間部において分割可能に構成されていて、右側ケーシング構成部材13と、左側ケーシング構成部材14とを有している。上側ケーシング構成部材11、下側ケーシング構成部材12、右側ケーシング構成部材13及び左側ケーシング構成部材14は樹脂材からなるものであり、互いに締結部材等によって締結されて一体化されている。
図14に示すように、上側ケーシング構成部材11及び下側ケーシング構成部材12の内部に冷却用熱交換器2が収容されている。右側ケーシング構成部材13及び左側ケーシング構成部材14の内部に加熱用熱交換器3、電気ヒータ4及びエアミックスダンパ5、6が収容されている。
また、車両用空調装置1は、デフロスタダンパ20、ベントダンパ21、ヒートダンパ70、80(図3に示す)及び後席ベント用ダンパ23を有しており、デフロスタダンパ20、ベントダンパ21、ヒートダンパ70、80及び後席ベント用ダンパ23は右側ケーシング構成部材13及び左側ケーシング構成部材14の内部に収容されている。デフロスタダンパ20、ベントダンパ21、ヒートダンパ70、80及び後席ベント用ダンパ23は、空調ケーシング10内部を流れる空気流を制御することによって調和空気の吹出方向を切り替えるための吹出方向切替ダンパである。「空気流を制御する」とは、例えば空気の流れを止めたり、空気の流れる方向を変更したりすることである。
つまり、車両用空調装置1は、上側エアミックスダンパ5及び下側エアミックスダンパ6によって決定された混合比となるように温風及び冷風を混合して調和空気を生成し、生成された調和空気を、デフロスタダンパ20、ベントダンパ21、ヒートダンパ70、80及び後席ベント用ダンパ23の動作に応じて車室の各部に供給するように構成されている。
図1等に示すように、空調ケーシング10の上壁部(上部)には、調和空気が吹き出すデフロスタ吹出口25が形成されている。このデフロスタ吹出口25は左右方向に長い形状となっている。デフロスタ吹出口25から吹き出す調和空気は、車両のフロントガラス(図示せず)の内面に向けて供給される。デフロスタ吹出口25には、デフロスタダクト(図示せず)を接続することができる。
空調ケーシング10の上壁部におけるデフロスタ吹出口25よりも後側には、左側ベント吹出口26aと、右側ベント吹出口26bと、センターベント吹出口26cとが形成されている。左側ベント吹出口26aは、空調ケーシング10の左側部分に開口しており、左側ベント吹出口26aから吹き出す調和空気は、前席の左側に着座している乗員の上半身に向けて供給される。右側ベント吹出口26bは、空調ケーシング10の右側部分に開口しており、右側ベント吹出口26bから吹き出す調和空気は、前席の右側に着座している乗員の上半身に向けて供給される。センターベント吹出口26cは、空調ケーシング10の上部における車幅方向中央部、即ち、左側ベント吹出口26aと、右側ベント吹出口26bとの間に開口している。センターベント吹出口26cから吹き出す調和空気は、主に前席に着座している乗員の上半身に向けて供給される。左側ベント吹出口26a、右側ベント吹出口26b及びセンターベント吹出口26cには、ベントダクト(図示せず)を接続することができる。
図2及び図15に示すように、空調ケーシング10の後壁部には、上下方向の中間部にフロントヒート吹出口(第1吹出口)27aと、リヤヒート吹出口(第2吹出口)27bとが上下方向に互いに離れて形成されている。フロントヒート吹出口27aは、空調ケーシング10の左側及び右側に向けてそれぞれ開口しており、フロントヒート吹出口27aから吹き出す調和空気は、車両の前席乗員の足下近傍において運転席側及び助手席側にそれぞれ供給される。リヤヒート吹出口27bは、空調ケーシング10の左側及び右側に向けてそれぞれ開口しており、リヤヒート吹出口27bから吹き出す調和空気は、車両の後席乗員の足下近傍において左右両側にそれぞれ供給される。フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bには、ヒートダクト(図示せず)を接続することができる。また、図15に示すように、フロントヒート吹出口27aはリヤヒート吹出口27bの上方に形成されている。
空調ケーシング10の後壁部におけるフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bよりも下側には、後席用吹出口28が形成されている。後席用吹出口28から吹き出す調和空気は、後席に着座している乗員(後席乗員)の例えば上半身に供給される。後席用吹出口28は左右方向に長い形状とされており、空調ケーシング10の左右方向中央部に位置している。後席用吹出口28には、後席近傍まで延びる後席用ダクト(図示せず)を接続することができる。
図14や図15に示すように、空調ケーシング10の内部には、冷却用熱交換器2が配置される冷却用熱交換器配置通路30と、温風通路31と、上側冷風通路32と、下側冷風通路33と、デフロスタ通路34と、ベント通路35と、フロントヒート通路36a及びリヤヒート通路36bと、後席用通路37とが形成されている。冷却用熱交換器配置通路30は、図示しない送風機により送風された空調用空気を冷却用熱交換器2に送るための空気通路である。
また、図14に示すように、空調ケーシング10の右側壁部の前部には、空調用空気を導入するための空気導入口24が形成されている。空気導入口24は上下方向に長い形状とされている。空気導入口24には、送風ユニットが接続されている。また、この空気導入口24は、冷却用熱交換器配置通路30と連通している。
冷却用熱交換器配置通路30は、上層通路30aと下層通路30bとからなり、上層通路30aと下層通路30bとの間には左右方向及び前後方向に延びる仕切板(図示せず)を配設することができる。上層通路30aには、送風ユニットから送風された上層空気が導入され、下層通路30bには、送風ユニットから送風された下層空気が導入される。つまり、空調ケーシング10内部には、送風ユニットから送風された空気が上下二層流状態で導入される場合があり、この導入モードを内外気二層流モードと呼ぶことができる。尚、送風ユニットの動作により、上層通路30aと下層通路30bに車室外の空気が導入される外気導入モードや、上層通路30aと下層通路30bに車室内の空気が導入される内気循環モードにも切り替えられる。
冷却用熱交換器配置通路30は、空調ケーシング10の内部において前部に形成されている。この冷却用熱交換器配置通路30の上流端には空気導入口24が連通しており、送風ユニットから送風された空調用空気は全量が冷却用熱交換器配置通路30に導入されるようになっている。冷却用熱交換器配置通路30の縦断面は、空調ケーシング10の上部から下部に亘るとともに、空調ケーシング10の左側から右側に亘っており、広い断面となっている。
冷却用熱交換器配置通路30に配置されている冷却用熱交換器2は、冷凍サイクルの蒸発器(エバポレータ)で構成されている。冷却用熱交換器配置通路30は、空気通過面が上下方向に延びる姿勢とされている。冷却用熱交換器配置通路30の上部は上側ケーシング構成部材11に保持される一方、冷却用熱交換器配置通路30の下部は下側ケーシング構成部材12に保持されている。上層通路30aの空気は冷却用熱交換器配置通路30の上側を通過し、下層通路30bの空気は冷却用熱交換器配置通路30の下側を通過することになる。
冷却用熱交換器配置通路30には減圧弁(図示せず)を経て減圧された冷媒が流入するようになっており、この冷媒と空調用空気とが熱交換することによって空調用空気が冷却されるようになっている。空調用空気の冷却時に発生した凝縮水は、下側ケーシング構成部材12に形成されたドレン部(図示せず)から空調ケーシング10の外部に排出されるようになっている。
温風通路31は、加熱用熱交換器3により加熱された温風が流通する通路であり、この実施形態では電気ヒータ4によって加熱された温風も流通するようになっている。温風通路31は、空調ケーシング10の内部において上下方向中間部に形成されており、前後方向に延びている。温風通路31の縦断面は、冷却用熱交換器配置通路30の縦断面よりも狭く設定されている。
温風通路31の上流端は、冷却用熱交換器配置通路30の下流端における上下方向中間部に連通するようになっている。温風通路31には、加熱用熱交換器3及び電気ヒータ4が配置されている。加熱用熱交換器3は、車両に搭載されたエンジン(図示せず)の冷却水が流れるヒータコアで構成されている。加熱用熱交換器3を流れるエンジンの冷却水と空調用空気とが熱交換することによって空調用空気が加熱されるようになっている。上層通路30aの空気は加熱用熱交換器3の上側を通過し、下層通路30bの空気は加熱用熱交換器3の下側を通過することになる。
また、電気ヒータ4は、例えば車両のバッテリ(図示せず)等から電力を供給することによって発熱する発熱素子(図示せず)を有しており、この発熱素子が発した熱によって空調用空気が加熱されるようになっている。上層通路30aの空気は電気ヒータ4の上側を通過し、下層通路30bの空気は電気ヒータ4の下側を通過することになる。
尚、電気ヒータ4は、省略してもよい。また、加熱用熱交換器3の代わりに、電気ヒータ4を用いてもよいし、冷媒を凝縮する冷媒凝縮器を用いてもよい。また、これら熱源は任意に組み合わせて用いることができ、例えば、冷媒凝縮器と電気ヒータ4とを併用することもできる。電気自動車の場合には、エンジンが無いので、冷媒凝縮器や電気ヒータ4を使用することができる。
上側冷風通路32は、空調ケーシング10の内部において温風通路31の上方に設けられている。上側冷風通路32は、前後方向に延びており、上流端は冷却用熱交換器配置通路30の下流端における上部に連通している。
下側冷風通路33は、空調ケーシング10の内部において温風通路31の下方に設けられている。下側冷風通路33は、前後方向に延びており、上流端は冷却用熱交換器配置通路30の下流端における下部に連通している。下側冷風通路33は、空調ケーシング10の底壁部に沿って後方へ延びた後、上方へ屈曲している。
上側冷風通路32及び下側冷風通路33には、冷却用熱交換器2により冷却された冷風が流通する。上側冷風通路32及び下側冷風通路33を流通した冷風は、温風通路31をバイパスして流れることになる。
デフロスタ通路34は、空調ケーシング10の内部において上側冷風通路32の上方に設けられ、上下方向に延びている。デフロスタ通路34の上流端(下端部)は、上側冷風通路32の上流端近傍に位置している。デフロスタ通路34の下流端(上端部)は、デフロスタ吹出口25に接続されている。
ベント通路35は、空調ケーシング10の内部において上側冷風通路32の上方に設けられ、上下方向に延びている。ベント通路35の上流端(下端部)は、上側冷風通路32の上流端近傍に位置している。ベント通路35の下流端(上端部)は、左側ベント吹出口26aと、右側ベント吹出口26bと、センターベント吹出口26cとに接続されている。
後席用通路37は、空調ケーシング10の下部に設けられており、後席乗員へ調和空気を供給するための通路である。後席用通路37は前後方向に延びている。後席用通路37の上流端(前端部)は、下側冷風通路33の下流端近傍に位置している。後席用通路37の下流端(後端部)は、後席用吹出口28に接続されている。
フロントヒート通路36a及びリヤヒート通路36bは、空調ケーシング10の内部において上側冷風通路32の下方であって、かつ、下側冷風通路33の上方に設けられている。つまり、フロントヒート通路36a及びリヤヒート通路36bは、後席用通路37の上方に設けられている。そして、フロントヒート通路36a及びリヤヒート通路36bは、乗員の足下近傍へ調和空気を供給するためのものである。
具体的には、フロントヒート通路36aの上流端は、空調ケーシング10の内面に前側へ向けて開口しており、フロントヒート通路36aはそこから左右両方向に延びた後、左右両端部(下流端)が、左右のフロントヒート吹出口27aにそれぞれ接続されている。リヤヒート通路36bの上流端は、空調ケーシング10の内面に前側へ向けて開口しており、フロントヒート通路36aの上流端の下方に位置している。リヤヒート通路36bはそこから左右両方向に延びた後、左右両端部(下流端)が、左右のリヤヒート吹出口27bにそれぞれ接続されている。リヤヒート通路36bは、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bの形成位置に対応するように、フロントヒート通路36aよりも下に形成されている。
空調ケーシング10の内部には、加熱用熱交換器3よりも前側に離れた部分に、上下方向に延びる中間縦壁部10bが形成されている。また、空調ケーシング10の内部には、中間縦壁部10bから上側に離れた部分に、上下方向に延びる上側縦壁部10cが形成されている。さらに、空調ケーシング10の内部には、中間縦壁部10bから下側に離れた部分に、上下方向に延びる下側縦壁部10dが形成されている。
そして、上側縦壁部10cの下端部と中間縦壁部10bの上端部との間には上側開口部10eが形成され、また、下側縦壁部10dの上端部と中間縦壁部10bの下端部との間には下側開口部10fが形成されている。上側エアミックスダンパ5は、上側開口部10e内で動作し、冷却用熱交換器配置通路30から上側冷風通路32に流入する冷風量と、冷却用熱交換器配置通路30から温風通路31の上側に流入する冷風量との比率を変更する。
すなわち、上側エアミックスダンパ5は、左右方向に延びる回動軸5aと、回動軸5aの径方向に延びる板部5bとを有している。回動軸5aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。上側エアミックスダンパ5が回動軸5a周りに上方へいっぱいまで回動すると、冷却用熱交換器配置通路30から上側冷風通路32に流入する冷風量が0となり、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は上側開口部10eから温風通路31の上側に流入する。一方、上側エアミックスダンパ5が回動軸5a周りに下方へいっぱいまで回動すると、冷却用熱交換器配置通路30から温風通路31に流入する冷風量が0となり、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は上側開口部10eから上側冷風通路32に流入する。
上側エアミックスダンパ5が中間の回動位置にあるときには、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は上側開口部10eから上側冷風通路32及び温風通路31の両方に流入する。上側エアミックスダンパ5の回動位置によって上側冷風通路32に流入する冷風量と、温風通路31に流入して加熱されることになる冷風量との比率が変更される。つまり、上側エアミックスダンパ5は、冷却用熱交換器2により冷却された冷風と、加熱用熱交換器3(及び電気ヒータ4)により加熱された温風との混合比を決定するためのものである。
また、下側エアミックスダンパ6は、下側開口部10f内で動作し、冷却用熱交換器配置通路30から下側冷風通路33に流入する冷風量と、冷却用熱交換器配置通路30から温風通路31の下側に流入する冷風量との比率を変更する。
すなわち、下側エアミックスダンパ6は、左右方向に延びる回動軸6aと、回動軸6aの径方向に延びる板部6bとを有している。回動軸6aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。下側エアミックスダンパ6が回動軸6a周りに下方へいっぱいまで回動すると、冷却用熱交換器配置通路30から下側冷風通路33に流入する冷風量が0となり、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は下側開口部10fから温風通路31の下側に流入する。一方、下側エアミックスダンパ6が回動軸6a周りに上方へいっぱいまで回動すると、冷却用熱交換器配置通路30から温風通路31に流入する冷風量が0となり、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は下側開口部10fから下側冷風通路33に流入する。
下側エアミックスダンパ6が中間の回動位置にあるときには、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は下側開口部10fから下側冷風通路33及び温風通路31の両方に流入する。下側エアミックスダンパ6の回動位置によって下側冷風通路33に流入する冷風量と、温風通路31に流入して加熱されることになる冷風量との比率が変更される。つまり、下側エアミックスダンパ6は、冷却用熱交換器2により冷却された冷風と、加熱用熱交換器3(及び電気ヒータ4)により加熱された温風との混合比を決定するためのものである。
空調ケーシング10の内部には、中間縦壁部10bの上下方向中間部から後側へ向けて延びる中間板部10gが形成されている。この中間板部10gは左右方向に延びている。中間板部10gよりも上側を送風ユニットから送風された上層の空気が流通し、中間板部10gよりも下側を送風ユニットから送風された下層の空気が流通する。中間縦壁部10bは加熱用熱交換器3の空気流れ方向上流側の面近傍まで延びている。
デフロスタ通路34には、デフロスタ通路34を開閉するためのデフロスタダンパ20が配設されている。デフロスタダンパ20は、左右方向に延びる回動軸20aと、回動軸20aの径方向に延びる板部20bとを有している。回動軸20aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。デフロスタダンパ20が回動軸20a周りに回動することによってデフロスタ通路34が開閉される。
ベント通路35には、ベント通路35を開閉するためのベントダンパ21が配設されている。ベントダンパ21は、左右方向に延びる回動軸21aと、回動軸21aから径方向に離れた状態で該回動軸21aに支持される板部21bとを有している。回動軸21aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。ベントダンパ21が回動軸21a周りに回動することによってベント通路35が開閉される。
後席用通路37には、後席用通路37を開閉するための後席ベント用ダンパ23が配設されている。後席ベント用ダンパ23は、左右方向に延びる回動軸23aと、回動軸23aから径方向に延びる板部23bとを有している。回動軸23aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。後席ベント用ダンパ23が回動軸23a周りに回動することによって後席用通路37が開閉される。
また、図3に示すように、車両用空調装置1は中間プレート60を備えている。中間プレート60は、空調ケーシング10の一部を構成しており、空調ケーシング10の内部を左側と右側とに区画するための部材であり、空調ケーシング10の内部において前後方向及び上下方向に延びている。空調ケーシング10の内部において中間プレート60よりも右側の空間は、車室の右側領域に供給する調和空気を生成する空間となり、空調ケーシング10の内部において中間プレート60よりも左側の空間は、車室の左側領域に供給する調和空気を生成する空間となる。つまり、中間プレート60を設けることで、左右独立温度コントロールタイプの車両用空調装置1にすることができる。尚、左右独立温度コントロールタイプの車両用空調装置1にしない場合には、中間プレート60を省略してもよい。
図3に示すように、左右独立温度コントロールタイプの車両用空調装置1では、2つのヒートダンパ70、80が設けられている。これは中間プレート60よりも右側の空間と、中間プレート60よりも左側の空間とで別々に吹出方向を切り替えるためである。2つのヒートダンパ70、80は同じ構造のものであることから、以下、左側に設けられるヒートダンパ70の構造について詳細に説明する。尚、図3では、熱交換器2、3やデフロスタダンパ20、ベントダンパ21等を省略している。
ヒートダンパ70は、空気流を制御することにより、フロントヒート通路36a及びリヤヒート通路36bに空気を流入させる状態と、流入させない状態とに切り替えるための部材である。図4及び図5等にも示すように、ヒートダンパ70は、左右方向に延びる回動軸71と、回動軸71から径方向に離れて該回動軸71と一体に設けられ、空調ケーシング10内部の空気流を制御する制御板部72と、制御板部72の左端部に設けられる左端板部73と、制御板部72の右端部に設けられる右端板部74と、回動軸71の径方向に延びる第1板部75及び第2板部76と、ガイド板部77とを備えている。回動軸71、制御板部72、左端板部73、右端板部74、第1板部75、第2板部76及びガイド板部77は樹脂材により一体成形することもできるが、別々に成形した後、組み立てて一体化するようにしてもよい。また、ヒートダンパ70の縁部にはゴム製シール材78が設けられている。
回動軸71は、その左端部が空調ケーシング10の左側壁部に回動可能に支持され、右端部が中間プレート60に回動可能に支持される。回動軸71には、図1や図2に示すアクチュータBの駆動力が入力されるようになっているが、これに限らず、乗員による操作力が入力されるように構成してもよい。
制御板部72は、ヒートダンパ70の左側(車幅方向外側)に配置される一方、第1板部75、第2板部76及びガイド板部77はヒートダンパ70の右側(車幅方向内側)に配置される。左端板部73と右端板部74とは、回動軸71の径方向に延びており、制御板部72を回動軸71に連結するための部分である。
図15に示すように、制御板部72と回動軸71との間には、フロントヒート吹出口27aに連通する第1空気通路R1が形成されるようになっている。第1空気通路R1は、左端板部73と右端板部74とによって左右両側が仕切られる。この第1空気通路R1は、ヒートダンパ70の回動角度がヒートモードとなる回動角度(所定の回動角度)で停止したときに、フロントヒート吹出口27aに連通するとともに、空調ケーシング10内部に連通し、空調ケーシング10内部の調和空気をフロントヒート吹出口27aに流すための通路である。ヒートモードとは、図14及び図15に示すモードであり、デフロスタダンパ20を90%以上閉じ、かつ、ベントダンパ21を全閉にし、さらに、ヒートダンパ70を全開にしてフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bに調和空気(温風)を流すモードである。また、ヒートモードでは、後席ベント用ダンパ23が開いた状態になる。
ヒートダンパ70は、ヒートモードとなる回動角度で停止したときに、回動軸71方向(左右方向)に見て、制御板部72と回動軸71との間に上述したフロントヒート吹出口27aに連通する第1空気通路R1を形成するともに、回動軸71を挟んで第1空気通路R1側とは径方向の反対側にリヤヒート吹出口27bに連通する第2空気通路R2を形成するように構成されている。ヒートダンパ70がヒートモードとなる回動角度で停止したときには、制御板部72が回動軸71の上方に位置することになるので、第1空気通路R1の下方に第2空気通路R2が形成される。これは、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27b(フロントヒート通路36a及びリヤヒート通路36b)の位置に対応させるためである。
また、制御板部72は、ヒートダンパ70がヒートモードとなる回動角度で停止したときに、電気ヒータ4の空気流れ方向下流側の面近傍から後側へ延びる姿勢となる。この状態で、制御板部72の後側に設けられているゴム製シール材78が空調ケーシング10の内面に接触するように配置される。ゴム製シール材78は、空調ケーシング10の内面に接触して該空調ケーシング10の内面と制御板部72の周縁部との間をシールするための部材である。また、ヒートダンパ70がヒートモードとなる回動角度で停止したときには、制御板部72が空調ケーシング10の上下方向中間部に位置付けられ、空調ケーシング10の内部を上層と下層とに仕切るように配置される。そして、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bは、空調ケーシング10の内部において制御板部72よりも下側の空間に連通することになる。つまり、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bは、空調ケーシング10の内部における下層側に連通するように形成されている。
第1板部75は、回動軸71の径方向に延びており、ヒートダンパ70がヒートモードとなる回動角度で停止したときに、図14に示すように、電気ヒータ4の空気流れ方向下流側の面近傍から後側へ延びるように配置されるとともに、空調ケーシング10内部で上下方向の中間部に配置される。ヒートダンパ70がヒートモードとなる回動角度で停止したときにおける第1板部75の姿勢は、後側へ行くほど下に位置するように傾斜している。また、このときの第1板部75の前端部の高さは、中間板部10gの高さと略等しく設定されている。
第2板部76は、回動軸71の径方向であって第1板部75と交差する方向に延びている。ヒートダンパ70がヒートモードとなる回動角度で停止したときに、第2板部76は、回動軸71から上方へ延び、先端部に設けられているゴム製シール材78が空調ケーシング10の内面に接触するように配置される。
ガイド板部77は、回動軸71の径方向であって第1板部75とは反対側へ延びている。第1板部75及びガイド板部77の下方には、リヤヒート吹出口27bに連通する第2空気通路R2が形成される。この第1板部75及びガイド板部77の下方に形成される第2空気通路R2は、ヒートダンパ70を回動軸71方向に見て、回動軸71を挟んで第1空気通路R1側とは径方向の反対側に形成されることになる。また、第1板部75及びガイド板部77の下方に形成される第2空気通路R2と、第1空気通路R1とは、ヒートダンパ70の回動軸71方向(左右方向)に並ぶように形成される。上記ガイド板部77は、ヒートダンパ70がヒートモードとなる回動角度で停止したときに、下層の空気をリヤヒート吹出口27b側へガイドするように、後側へ行くほど下に位置するように形成されている。
一方、図16及び図17に示すベントモードでは、デフロスタダンパ20を全閉にし、かつ、ベントダンパ21を全開にし、さらに、ヒートダンパ70を全閉にして調和空気(温風)を左側ベント吹出口26aと、右側ベント吹出口26bと、センターベント吹出口26cとに流すモードである。また、ベントモードでは、後席ベント用ダンパ23が開いた状態になる。
図16に示すように、ヒートダンパ70がベントモードとなる回動角度で停止したときには、第1板部75と、ガイド板部77とが上下方向に延びる姿勢となってフロントヒート通路36a及びリヤヒート通路36bが閉塞されて、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bに向けて空気が流れなくなる。また、図17に示すように、ヒートダンパ70がベントモードとなる回動角度で停止したときには、制御板部72、左端板部73及び右端板部74によってフロントヒート吹出口27aへの空気の流れが遮断されることになる。
以上説明したように、この実施形態に係る車両用空調装置1によれば、ヒートダンパ70がヒートモードとなる回動角度で停止すると、フロントヒート吹出口27aに連通する第1空気通路R1がヒートダンパ70の制御板部72と回動軸71との間に形成され、リヤヒート吹出口27bに連通する第2空気通路R2が回動軸71を挟んで第1空気通路R1側とは径方向の反対側に形成されることになる。つまり、ヒートダンパ70を停止させた状態で、互いに離れたところに形成されているフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bに同時に空気を流すことができる。
また、空調ケーシング10の後壁部に上下方向に並ぶようにフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bが形成されている場合に、ヒートダンパ70を所定の回動角度で停止させた状態で、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bの両方に同時に空気を流すことができる。そして、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bは共に暖房時に同時に使用される吹出口であり、これらヒート吹出口27a、27bへヒートダンパ70の回動動作によって同時に温風を流すことが可能になる。
また、空調ケーシング10の内部に例えば車室内の空気と車室外の空気とを二層流状態で導入する場合に、ヒートダンパ70の制御板部71を利用して空調ケーシング10の内部を上層と下層とに仕切ることが可能になるので、別途仕切板等を配設せずに済む。
(実施形態2)
図18〜図23は、本発明の実施形態2に係る車両用空調装置1及びヒートダンパ70を示すものである。この実施形態2では、ヒートダンパ70に、回動軸71方向に並ぶ第1空気通路R1と第2空気通路R2とを仕切るための仕切板79が回動軸71の径方向に延びるように設けられている点で実施形態1とは異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
図20等に示すように、仕切板79は、ヒートダンパ70の回動軸71方向の中間部に設けられており、第2板部76の延びる方向とは反対側へ突出するように形成されている。仕切板79の基端側は、第1板部75からガイド板部77まで延びている。仕切板79は突出方向先端側へ向かって尖った形状となっている。
この実施形態2では、実施形態1と同様な作用効果を奏することができるとともに、回動軸71方向に並ぶ第1空気通路R1を流れる空気と第2空気通路R2を流れる空気とが混ざり難くなる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る車両用空調装置は、例えば自動車等に搭載することができる。
1 車両用空調装置
2 冷却用熱交換器
3 加熱用熱交換器
10 空調ケーシング
27a フロントヒート吹出口(第1吹出口)
27b リヤヒート吹出口(第2吹出口)
30a 上層通路
30b 下層通路
70 ヒートダンパ
71 回動軸
72 制御板部
79 仕切板
R1 第1空気通路
R2 第2空気通路

Claims (7)

  1. 送風機により送風された空気が導入されるとともに、熱交換器が収容されたケーシングと、
    上記ケーシング内部に配設され、該ケーシング内部を流れる空気流を制御するためのダンパとを備え、
    上記熱交換器を通過して温度調節された空気を車室の各部に供給するように構成された車両用空調装置において、
    上記ケーシングには、空気が吹き出す第1吹出口と第2吹出口とが互いに離れて形成され、
    上記ダンパは、上記ケーシングに回動可能に支持される回動軸と、該回動軸から径方向に離れて該回動軸と一体に設けられ、上記ケーシング内部の空気流を制御する制御板部とを備え、
    上記ダンパは、所定の回動角度で停止したときに、上記回動軸方向に見て、上記制御板部と上記回動軸との間に上記第1吹出口に連通する第1空気通路を形成し、上記回動軸を挟んで上記第1空気通路側とは径方向の反対側に上記第2吹出口に連通する第2空気通路を形成し、上記第1空気通路と、上記第2空気通路とは、上記ダンパの上記回動軸方向に並んでいることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    上記ケーシングの車両後壁部に上記第1吹出口及び上記第2吹出口が形成され、上記第1吹出口は上記第2吹出口の上方に形成され、
    上記ダンパの上記回動軸は、車幅方向に延びており、
    上記ダンパが所定の回動角度で停止したときに、上記制御板部が上記回動軸の上方に配置され、上記制御板部と上記回動軸との間に上記第1空気通路が形成され、上記第1空気通路の下方に上記第2空気通路が形成されることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項2に記載の車両用空調装置において、
    上記第1吹出口は、車両の前席乗員の足元近傍に空気を供給するためのフロントヒート吹出口であり、
    上記第2吹出口は、車両の後席乗員の足元近傍に空気を供給するためのリヤヒート吹出口であることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1からのいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記ケーシング内部には、空気が上下二層流状態で導入され、
    上記ダンパの上記制御板部は、所定の回動角度で停止したときに、上記ケーシング内部を上層と下層とに仕切るように配置されることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項に記載の車両用空調装置において、
    上記ケーシング内部における下層側に連通するように上記第1吹出口及び上記第2吹出口が形成され、上記第1吹出口及び上記第2吹出口は乗員の足元近傍に空気を供給するためのヒート吹出口であることを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項に記載の車両用空調装置において、
    上記ダンパには、上記第1空気通路と上記第2空気通路とを仕切る仕切板が上記回動軸の径方向に延びるように設けられていることを特徴とする車両用空調装置。
  7. 請求項1からのいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記ダンパの上記制御板部には、上記ケーシング内面に接触して該ケーシング内面と上記制御板部との間をシールするためのゴム製シール材が設けられていることを特徴とする車両用空調装置。
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