本発明の実施形態を説明する。以下説明は図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。接着装置1は二枚の接着対象物を接着剤Z(図18参照)で接着する接着動作を行う。接着対象物は可撓性を有するシート状であり、例えば下布C1と上布C2(図18参照)である。
図1〜図14を参照し接着装置1の機械的構成を説明する。図1に示す如く、接着装置1は台座部2、脚柱部3、アーム部4、頭部5を備える。台座部2は直方体状であり、作業台に固定する。脚柱部3は柱状であり、台座部2上面から上方に延びる。アーム部4は脚柱部3上端部から左方に延びる。頭部5はアーム部4左端部から左方に突出する。
台座部2は取付部材31を支持する。取付部材31は固定部32と保持部33を備える。固定部32は台座部2の下側まで延びる左側面視矩形板状であり、台座部2左面に固定する。固定部32前端上部は台座部2の前側まで延びる。保持部33は固定部32下部から左方に延び且つ上方と左方に開放する箱状である。
保持部33は固定部34を固定する。固定部34は矩形板状であり、水平面と略平行に延びる。固定部34は上側に保持部35を固定する。保持部35は左側面視三角形状である。保持部35上面は後側が上方に傾斜する。
図2、図3に示す如く、保持部35は上側に下送りアーム7と下ローラ駆動機構15を保持する。下送りアーム7は上下方向に延びる箱状であり、且つ上側が前方に傾斜する腕状である。下送りアーム7は先端部に下回転軸211を支持する。下回転軸211は左右方向に延び、下送りアーム7から左方に突出する。下回転軸211は左端部にて下ローラ18を支持する。
図2、図3に示す如く、下ローラ駆動機構15は下搬送モータ111、第一プーリ、タイミングベルト、第二プーリを備える。下搬送モータ111は下送りアーム7の右側で保持部35に固定する。第一プーリは下搬送モータ111の出力軸に固定する。第二プーリは下送りアーム7内部で下回転軸211右端部に固定する。タイミングベルトは第一プーリと第二プーリの間に架け渡す。下搬送モータ111の動力は第一プーリ、タイミングベルト、第二プーリ、下回転軸211を介して下ローラ18に伝達する。故に下ローラ駆動機構15は下搬送モータ111の動力で下ローラ18を回転する。
頭部5(図1参照)は支持アーム16、上エアシリンダ122(図15参照)、上ローラ駆動機構21を支持する。支持アーム16は、頭部5後端部から下方に延び更に前方に突出する左側面視略L字の箱状である。支持アーム16は前端部に軸部5Bを支持する。軸部5Bは左右方向に延びる。
軸部5Bは上送りアーム6を回動可能に支持する。上送りアーム6は前後方向に延びる箱状であり、且つ前側が前下方に傾斜して延びる腕状である。上送りアーム6後端部は支持アーム16下端部内部に設け、軸部5B後方にある。上送りアーム6は前端部に上回転軸72を支持する。上回転軸72は左右方向に延び、上送りアーム6から左方に突出する。上回転軸72は左端部に上ローラ12を支持する。
上エアシリンダ122は上下方向に沿う姿勢で支持アーム16内部に設ける。上エアシリンダ122の可動部は上下方向に延びる。上エアシリンダ122の可動部は上送りアーム6後端部に連結する。上送りアーム6は上エアシリンダ122の駆動により軸部5Bを中心に揺動する。上ローラ12は上送りアーム6の揺動に伴い、下ローラ18に接近又は離隔する。
上ローラ駆動機構21は上搬送モータ112、第一プーリ21A、第一タイミングベルト21B、第二プーリ、第二タイミングベルト、第三プーリを備える。上搬送モータ112は頭部5後側左上部に固定する。第一プーリ21Aは上搬送モータ112の出力軸112Aに固定する。第二プーリは上送りアーム6内部に設ける。第一タイミングベルト21Bは第一プーリ21Aと第二プーリの間に架け渡す。第三プーリは上ローラ12の内部で上回転軸72右端部に固定する。第二タイミングベルトは第二プーリと第三プーリの間に架け渡す。上搬送モータ112の動力は第一プーリ21A、第一タイミングベルト21B、第二プーリ、第二タイミングベルト、第三プーリ、上回転軸72を介して上ローラ12に伝達する。故に上ローラ駆動機構21は上搬送モータ112の動力で上ローラ12を回転する。
下ローラ18と上ローラ12は上下方向に対向する。下ローラ18と上ローラ12は上下に重なる下布C1と上布C2(図9参照)を上下方向から挟む。以下、下ローラ18と上ローラ12が下布C1と上布C2を挟む位置を挟持位置P(図9参照)といい、上ローラ12と下ローラ18を総称して搬送手段14という。搬送手段14は挟持位置Pにて、接着剤Z(図18参照)を介して下布C1の上に上布C2を重ね合わせて圧着しながら搬送する。以下、搬送手段14が下布C1と上布C2を搬送する方向を搬送方向(図9矢印M参照)という。搬送方向は上下方向に交差し、上ローラ12と下ローラ18の前側から後側を向く。
頭部5はノズルレバー9、ノズルレバー揺動機構22を備える。ノズルレバー9は頭部5内部の左側から下側へ延びる腕状である。ノズルレバー9は下端部にノズル支持部10を着脱可能に装着する。図4、図5に示す如く、ノズル支持部10は第一部分10Aと第二部分10Bを備える。第一部分10Aは略角柱状であり、上面をノズルレバー9に固定する。第二部分10Bは略棒状であり、第一部分10A下面から下方に延びる。第二部分10Bは下端部にノズル11を支持する。
ノズル11は略棒状であり、第二部分10B下端部から右方に延びる。ノズル11の延出方向に直交する断面形状は三角形状である。ノズル11は搬送手段14の搬送方向上流側且つ上下方向において下布C1と上布C2の間に配置する。ノズル11は第一面11A、第二面11B、傾斜面11Cを備える。第一面11Aは下方を向き、前後方向と左右方向に延びる。第二面11Bは前方を向き、第一面11A前端部から上方に延びる。傾斜面11Cは第一面11Aの上側且つ第二面11Bの後側に設け、前方から後方に向かって下方に傾斜する。傾斜面11Cは第一面11A前端部と第二面11B上端部を接続する。
第一面11Aは吐出口11Dを有する。吐出口11Dは左右方向に並ぶ複数の貫通孔であり、ノズル11の前後方向中央部より前側に設ける。本実施形態では吐出口11Dは第一面11A前端部近傍に設ける。ノズル11は吐出口11Dから下方に向けて下布C1上面(以下、接着面Eという)に接着剤Zを吐出する(図18参照)。接着面Eはノズル11の搬送方向下流側で上布C2下面と上下方向に対向する。
図2、図3に示す如く、カバー29はノズルレバー9を覆う箱状である。カバー29はノズルレバー9に固定する。ノズルレバー揺動機構22はノズルモータ113、減速機構23を備える。ノズルモータ113はパルスモータであり、頭部5内部の左側に設ける。ノズルモータ113の出力軸はノズルモータ113から前方に延びる。減速機構23はウォーム、支持軸26、ウォームホイール25を備える。ウォームはノズルモータ113の出力軸に固定する。ウォームは搬送方向に延びる軸線を中心に、ノズルモータ113の出力軸と一体的に回転可能である。支持軸26はウォーム上方で左右方向に延びる筒状である。支持軸26左端部はノズルレバー9上端部に連結する。支持軸26左端は閉塞し、支持軸26右端は開放する。ウォームホイール25はノズルレバー9の右方に設ける。ウォームホイール25は支持軸26に固定し、ウォーム上端部と噛み合う。ウォームがノズルモータ113の駆動によって回動することで、ウォームホイール25は支持軸26と一体的に回動する。減速機構23はノズルモータ113の動力を所定の減速比(本実施形態では1:50)でノズルレバー9に伝達する。
ノズルレバー9はノズルモータ113の駆動により支持軸26を中心に揺動する。ノズル11はノズルレバー9の揺動に伴い、搬送手段14の前側で搬送手段14に対して接近又は離隔する方向に移動する。ノズルレバー9はノズル11を近接位置と退避位置の間を移動可能に支持する。ノズル11が近接位置にある時、吐出口11Dは下ローラ18外周面に対し隙間を空けて対向する。ノズル11が退避位置にある時、ノズル11は近接位置にある時よりも搬送手段14から前上方に離隔する。
頭部5は装着部41と供給機構45を備える。装着部41は頭部5略中央部に設け、カバー41A(図1参照)、収容部41B、蓋41C、ヒータ131(図15参照)を備える。カバー41Aは略直方体の箱状であり、頭部5上面から上方に延びる。カバー41Aは上下方向に開口する。収容部41Bはカバー41A内部に設ける。収容部41Bは略直方体の箱状であり、頭部5内部からカバー41A上端まで延びる。収容部41Bは上方に開口する。収容部41Bは内部にカートリッジ(図示略)を着脱可能に収容する。蓋41Cは収容部41Bの上側に着脱可能に設け、収容部41B上部開口を開閉する。カートリッジは熱溶融性の接着剤Z(図18参照)を収納する。接着剤Zは所定温度に加熱すると液化し、所定温度より低い温度で固化する。ヒータ131は収容部41Bに設ける。ヒータ131は収容部41Bに収容したカートリッジを加熱する。接着剤Zはヒータ131の加熱により液化する。
供給機構45はポンプモータ114とギアポンプ46を備える。ポンプモータ114はアーム部4(図1参照)内部に設ける。ポンプモータ114の出力軸114Aはポンプモータ114から左方に延びる。ギアポンプ46は装着部41前側に設け、支持軸26右端部に接続する。出力軸114Aはギア46Aを介してギアポンプ46に連結する。ギアポンプ46は収容部41Bに収容したカートリッジから接着剤Zを吸引する。ギアポンプ46は吸引した接着剤Zをノズル11に供給する。
接着剤Z(図18参照)の流路(図示略)を説明する。接着剤Zはギアポンプ46内部、支持軸26内部、ノズルレバー9内部、ノズル支持部10内部、ノズル11内部の各流路を流れて吐出口11D(図5参照)に達する。ノズルレバー9は内部の流路近傍にヒータ132(図15参照)を備える。ヒータ132の熱はノズル支持部10を介してノズル11まで伝導する。ヒータ132はノズルレバー9内部を吐出口11Dに向けて流れる接着剤Zを加熱する。
ポンプモータ114が駆動することで、ギアポンプ46は収容部41Bに収容したカートリッジから接着剤Zを吸引する。ヒータ131、132は接着剤Zを加熱し、接着剤Zはカートリッジから各流路を流れ、吐出口11Dは接着剤Zを下方へ吐出する。
図6、図7を参照し下布支持機構400を説明する。図6に示す如く、接着装置1は下布支持機構400を備える。下布支持機構400は下ローラ18の搬送方向上流側に設け、台座部2(図1参照)に固定する。下布支持機構400はベース405、位置調整機構410、下布支持部420を備える。下布支持部420はノズル11の下側に設け、上下動できる。下布支持部420上面(以下、下布支持面420Aという)はノズル11が吐出口11Dから吐出する接着剤Zの吐出軌跡と交差する位置に配置し、水平面と平行に延びる。下布支持面420Aはノズル11の下側で、下布C1のうち接着剤Zが接着面Eに付着する部位を下側から支持し、且つ上ローラ12と下ローラ18の間に下布C1を案内する。下布支持面420Aは下布C1のうち接着剤Zが接着面Eに付着する部位の上下位置を決める。
ベース405は正面視略矩形板状であり、台座部2左面に固定する。ベース405は位置調整機構410を支持する。位置調整機構410は下布支持部420を上下動可能に支持し、下布支持部420の上下位置を調整する。下布支持機構400は位置調整機構410により下布支持部420を上下動することで、吐出口11Dと下布支持面420Aの間の距離(以下、ノズル隙間Xという)を調整する。接着装置1はノズル隙間X(図18参照)を調整することで、吐出口11Dと下布支持面420A上に載置した下布C1の接着面Eの間の距離(以下、吐出距離Yという)を調整できる。詳しくは後述するが、本実施形態では接着装置1はノズル隙間Xを調整して吐出距離Y(図18参照)を一定に保つ制御を行う。
図7に示す如く、位置調整機構410は調整モータ412、螺子軸414、連結ベルト415、連結基部413(図6参照)、噛合体417を備える。調整モータ412はベース405下端に固定する。調整モータ412の出力軸412Aは下方へ突出する。出力軸412Aは調整モータ412の駆動により第一出力方向と第二出力方向に回転する。第二出力方向は第一出力方向とは反対の回転方向である。出力軸412Aはプーリ412Bを固定する。螺子軸414は出力軸412Aに対して右後方にずれた位置に設ける。螺子軸414は上下方向に延びる軸線を中心に回転可能である。螺子軸414下端はプーリ414Aを固定する。連結ベルト415は環状であり、プーリ412Bとプーリ414Aに架け渡す。螺子軸414上端はベース405にて回転可能に支持する。螺子軸414は外周面に螺子部を備える。図7は螺子軸414の螺子部の図示を省略する。螺子軸414の螺子部は連結ベルト415の上方で螺子軸414の軸線に沿って螺旋状に形成する。
図6に示す如く、連結基部413は正面視で上下方向に延びる矩形状である。連結基部413は下布支持部420を支持する。連結基部413は挿通孔416を備える。挿通孔416は上下方向に延びる。挿通孔416上端部は挿通孔416の他の部位に比べて拡径する。螺子軸414は挿通孔416に挿通する。
図7に示す如く、噛合体417は上下方向に沿う筒状であり、挿通孔416(図6参照)上端部に嵌め込んで固定する。噛合体417は孔部417Aを備える。孔部417A内周面は螺子部を形成する。図7は孔部417Aの螺子部の図示を省略する。螺子部は孔部417Aの中心線に沿って螺旋状に形成する。噛合体417の螺子部は螺子軸414の螺子部と噛み合う。
調整モータ412の動力は連結ベルト415を介して螺子軸414に伝わり、螺子軸414は回転する。螺子軸414の回転に伴って、噛合体417は連結基部413、下布支持部420と一体的に上下動する。調整モータ412の駆動により出力軸412Aが第一出力方向に回転すると、下布支持部420は下降する。調整モータ412の駆動により出力軸412Aが第二出力方向に回転すると、下布支持部420は上昇する。故に位置調整機構410は調整モータ412の駆動力で下布支持部420の上下位置を調整できる。
図1、図8〜図14を参照し搬送制御ユニット50を説明する。図12は下ローラ18、ノズル支持部10、ノズル11、下布支持部420等の図示を省略する。接着装置1は搬送制御ユニット50を備える。搬送制御ユニット50は下布C1右端部(以下、特定端部Fという。図12参照)の左右位置を制御する。接着装置1は搬送制御ユニット50を着脱可能に装着する。図8、図9に示す如く、搬送制御ユニット50は基部51、カバー501、上布支持板53、保持部54、移動機構55、左右エアシリンダ123を備える。
基部51は左側面視矩形板状であり、固定部32左面の前端部に螺子で固定する。基部51前端部は台座部2よりも前側に位置する。作業者は基部51を固定部32に固定し又は取り外すことで、搬送制御ユニット50を接着装置1に対して着脱する。基部51は受け部511,512を支持する。受け部511は上方に開口する略棒状であり、基部51前端部上部から左方に延びる。受け部511は左端部に壁部514を有する。壁部514は受け部511左端部から後方に延びる。図9に示す如く、受け部512は平面視板状であり、基部51下部から左方に延びる。受け部512は受け部513を支持する。受け部513は正面視板状であり、受け部512前端部から上方に延びる。
図1に示す如く、カバー501は下方、後方、右方に開口する箱状であり、上壁部を受け部513(図9参照)上端に固定する。カバー501上壁部は下布支持板52である。下布支持板52は水平面と平行に延び、後述の第一ローラ56(図9参照)と第二ローラ57の前側に設ける。下布支持板52はノズル11(図2参照)よりも下側に位置する。下布支持板52は下布C1を下側から支持し、第一ローラ56と第二ローラ57の間に下布C1を案内する。
図8に示す如く、基部51は受け部511の後側に第一案内部材51A、第二案内部材51B、第三案内部材51Cを支持する。第一案内部材51A、第二案内部材51B、第三案内部材51Cは円柱状であり、基部51左面と壁部514の間を夫々平行に左右方向に延びる。第一案内部材51A、第三案内部材51C、第二案内部材51Bは順に前方から後方へと並ぶ。第一案内部材51Aは第二案内部材51Bと第三案内部材51Cの上側に位置する。
図8、図9に示す如く、上布支持板53は搬送手段14の前側且つノズル11(図10参照)の上側に設ける。即ち下布支持板52は上布支持板53の下側に位置する。上布支持板53は保持部54等を上側から覆う。上布支持板53は上布C2を下側から支持し、上ローラ12と下ローラ18の間に案内する。上布支持板53の前側半分の部位(以下、第一部位53Aという)は水平面と略平行に延びる。上布支持板53の後側半分の部位(以下、第二部位53Bという)は第一部位53A後端から後下方に傾斜して延びる。上布支持板53は第一部位53Aから第二部位53Bにかけて湾曲する。第二部位53B後端部はノズル11後端部の上側に位置する。第二部位53B後端部は傾斜面11C(図4参照)に沿って延びる。
上布支持板53は連結部60を備える。第一案内部材51A、第三案内部材51Cは連結部60を左右方向に移動可能に支持する。連結部60は第一連結部61、第二連結部62、延設部63を備える。第一連結部61と第二連結部62は前後方向に延び、且つ後端部から下方に延び、第一案内部材51Aが左右方向に移動可能に支持する。第二連結部62は第一連結部61の左側に第一連結部61と平行に並ぶ。第一連結部61と第二連結部62は第一部位53A下面に連結する。延設部63は第一連結部61と第二連結部62に連結する。延設部63は第一連結部61後端部と第二連結部62下端部から後方に延び、第三案内部材51Cを通って第二案内部材51B近傍まで延びる。延設部63は第三案内部材51Cが左右方向に移動可能に支持する。
上布支持板53は連結部60の左右方向への移動に伴い、第一位置(図10参照)と第二位置(図11参照)の間を左右方向に移動できる。連結部60が最も左方へ移動した時、上布支持板53は第一位置にある。連結部60が最も右方へ移動した時、上布支持板53は第二位置にある。図10に示す如く、上布支持板53が第一位置にある時、第二部位53B左後端部はノズル11の搬送方向上流側に並ぶ。即ち第一位置では上布支持板53はノズル11の移動経路上に進入する。図11に示す如く、上布支持板53が第二位置にある時、上布支持板53は第一位置から右側にずれる。即ち第二位置では上布支持板53はノズル11右端部よりも右側に位置し、ノズル11の移動経路外に退避する。
保持部54は下布支持板52の上側且つ上布支持板53の下側に設け、後述の光センサ141、第二ローラ57等を保持する。図8、図9に示す如く、保持部54は移動部54A、係合部54B、第一部位541、第二部位542、第三部位543、第四部位544、第五部位545を備える。図8に示す如く、移動部54Aは前側に開口する略U字状であり、第二案内部材51Bが左右方向に移動可能に支持する。係合部54Bは移動部54A左前端部から前方に延びる。係合部54Bは第三案内部材51Cが左右方向に移動可能に支持する。係合部54Bは延設部63に左側から接触して係合できる。
図8、図9に示す如く、第一部位541は移動部54A左後端部から左方に延びる。第二部位542は平面視矩形状であり、第一部位541前端部の左側から前方に延びる。第二部位542はセンサケース542Aを保持する。センサケース542Aは左側面視矩形状であり、内部に後述の磁気センサ143(図15参照)を収納する。第三部位543は第一部位541後面を左右方向に延び、左端部が後下方に屈曲して延びる。第四部位544は第三部位543の下後方への屈曲部分から下方に延びる。第五部位545は第四部位544下端部から左方に延びる。
図12に示す如く、保持部54は第五部位545先端にて光センサ141を支持する。光センサ141は吐出口11D(図5参照)の前側且つ後述の第一ローラ56と第二ローラ57の後側に位置する。光センサ141は挟持位置Pの下側且つ第一ローラ56中心から右側にずれた位置にある。光センサ141は発光部と受光部が一体型の反射型フォトセンサである。保持部54は第三部位543後端部にて反射板141Aを支持する。反射板141Aは第三部位543後端部から左方に、光センサ141の上方まで延びる。反射板141A下面は反射面であり、上下方向に直交する。
光センサ141の発光部は反射板141Aに向けて上方に発光する。反射板141Aは光センサ141の発光部が発光した光を光センサ141の受光部に向けて反射する。光センサ141の受光部は反射板141Aが反射した光を受光する。光の進行経路Lは光センサ141と反射板141Aの間を延びる直線状である。光センサ141の発光部が発光した光の進行経路L上に下布C1がある時、下布C1は光センサ141の発光部が発光した光を遮る。反射板141Aは光を反射できず、光センサ141の受光部は光センサ141の発光部が発光した光を受光しない。光センサ141は発光部が発光した光を受光部が受光するか否かに基づき、所定の検出位置Aに下布C1があるか否かを検出する。検出位置Aは光センサ141の発光部が発光した光の進行経路Lと下布C1の搬送経路の交点であり、吐出口11Dの搬送方向上流側且つ後述の第一ローラ56と第二ローラ57の搬送方向下流側にある。検出位置Aは第一ローラ56中心と右端部の間に位置する。
図9に示す如く、移動機構55は検出位置Aの搬送方向上流側で下布C1を左右方向に移動する。移動機構55は左右搬送モータ115、第一ローラ56、第二ローラ57、ローラ揺動機構68を備える。左右搬送モータ115は受け部512上面から上方に延びるブラケット(図示略)に固定する。左右搬送モータ115の出力軸115Aは左右搬送モータ115から後方に延びる。出力軸115Aは左右搬送モータ115の駆動により背面視反時計回り方向(以下、第三出力方向という)と時計回り方向(以下、第四出力方向という)に回転する。支持棒115Bは円柱状であり、出力軸115Aの上側に設ける。支持棒115Bは左右搬送モータ115の後上方を前後方向に延びる。支持棒115Bはブラケットが支持する。出力軸115Aは第一ギア48Aを固定する。支持棒115Bは前端部で第二ギア48Bを回転可能に支持する。第二ギア48Bは第一ギア48A上端部と噛み合う。
第一ローラ56は前後方向に所定の幅を有する背面視円盤状であり、検出位置Aの前側に設ける。第一ローラ56は上端部で下布C1を下側から支持し、回転軸56Aを備える。回転軸56Aは前後方向に貫通する貫通孔を有する筒状であり、第一ローラ56中心から前側に突出する。回転軸56Aの貫通孔には支持棒115Bが挿通する。支持棒115Bは後端部で回転軸56Aを回転可能に支持する。回転軸56A前端部は第二ギア48Bに連結する。即ち出力軸115Aは第一ギア48Aと第二ギア48Bを介して第一ローラ56と連結する。接着装置1は第一ギア48Aと第二ギア48Bを介することで、出力軸115Aを回転軸56Aの下側に配置できる。故に接着装置1は下布支持板52の下側に左右搬送モータ115を収容できる。
図12に示す如く、第一ローラ56中心を通る回動軸線(以下、第一軸線Q1という)は搬送方向と平行(即ち前後方向)に延びる。第一ローラ56は第一軸線Q1を中心に背面視時計回り方向(以下、第一回動方向R1という)と反時計回り方向(以下、第二回動方向R2という)に往復回動できる。左右搬送モータ115の駆動により出力軸115Aが第三出力方向に回転すると(図9参照)、第一ローラ56は第一ギア48Aと第二ギア48Bを介して第一回動方向R1に回動する。左右搬送モータ115の駆動により出力軸115Aが第四出力方向に回転すると、第一ローラ56は第一ギア48Aと第二ギア48Bを介して第二回動方向R2に回動する。図9に示す如く、第一ローラ56は外周面の周方向に亘って等間隔に複数の溝56Bを有する。複数の溝56Bは夫々搬送方向と平行(即ち第一軸線Q1と平行)に延びる。
図12に示す如く、第二ローラ57は第一ローラ56に上方から対向し且つ上下動できる。第二ローラ57は例えば樹脂製であり、表面が滑らかな外周面を有する。第二ローラ57は対向部57Aを含む。対向部57Aは左右方向において第二ローラ57外周面の少なくとも一部が第一ローラ56の形状に沿って径方向(第二ローラ57の回転軸に直交する方向)内側に凹む。即ち対向部57Aは背面視第一軸線Q1を中心とした円弧状である。第二ローラ57は第一ローラ56との間に下布C1を配置した状態で対向部57Aが下布C1の接着面Eに接触できる(図18参照)。第二ローラ57の中心を通る回転軸線(以下、第二軸線Q2という)は第一軸線Q1と直交する方向(即ち左右方向)に延びる。第二ローラ57は第二軸線Q2を中心に右側面視時計回り方向に回転できる。第二ローラ57は下布C1の接着面Eに接触することで下布C1が第一ローラ56から浮き上がることを防止し、且つ下布C1の搬送に伴って従動回転することで下布C1の搬送を補助する。
図8、図9に示す如く、ローラ揺動機構68は支持部材58、付勢部材59、揺動エアシリンダ124を備える。支持部材58は支持軸部58A、一対の腕部58B、揺動軸部58C、連結腕58Dを備え、第二ローラ57を上下方向に揺動可能に支持する。
支持軸部58Aは左右方向に延び、第二ローラ57を回転可能に支持する。一対の腕部58Bは搬送方向に沿って延び、互いに左右方向に離隔する。一対の腕部58Bは各後端部にて支持軸部58A両端部を支持する。一対の腕部58B後端部は第一ローラ56の上側に設ける。一対の腕部58Bのうち左側の腕部58Bは前端部に磁性体91を備える。磁性体91は永久磁石であり、センサケース542A(磁気センサ143)の左側近傍に位置する。一対の腕部58Bは各後端部近傍を連結腕58Dで連結する。連結腕58Dは第二ローラ57よりも前方で一対の腕部58Bの間を左右方向に延びる。
図9、図13に示す如く、一対の揺動軸部58Cは支持軸部58Aと平行に延び、支持軸部58Aに対して搬送方向上流側且つ磁性体91に対して搬送方向下流側に設ける。磁性体91は揺動軸部58Cに対して支持軸部58Aとは反対側にある。揺動軸部58Cと磁性体91の間の距離T1は揺動軸部58Cと支持軸部58Aの間の距離T2よりも大きい。一対の揺動軸部58Cは一対の腕部58B中央部を揺動可能に支持する。一対の腕部58Bは揺動軸部58Cを中心に揺動する。一対の腕部58Bの揺動に伴い、第二ローラ57は対向部57Aが第一ローラ56に接近又は離隔する方向に変位できる。
図8、図9に示す如く、付勢部材59は腕部58Bの上側且つ前後方向において連結腕58Dの位置に設ける。本実施形態の付勢部材59は圧縮コイルばねである。付勢部材59一端は固定部59A下面に固定する。固定部59Aは第一部位541下面に設け、一対の腕部58B左右方向中間位置にて第一部位541後端部から後方に突出する。付勢部材59他端は連結腕58Dに係合する。付勢部材59は一対の腕部58Bを介して第二ローラ57を下方に付勢する。付勢部材59は第二ローラ57を付勢することで、下布C1が第一ローラ56から浮き上がることを防止できる。
図8に示す如く、揺動エアシリンダ124は第二部位542上面に設ける。揺動エアシリンダ124の可動部は腕部58Bに連結する。腕部58Bは揺動エアシリンダ124の駆動に伴い、略上下方向に揺動する。第二ローラ57は腕部58Bの揺動に伴い、第三位置(図9参照)と第四位置(図13参照)の間を変位できる。図9に示す如く、第二ローラ57が第三位置にある時、対向部57Aは第一ローラ56に上側から対向し、第一ローラ56外周面に沿って下布C1の接着面Eに接触する。図13に示す如く、第二ローラ57が第四位置にある時、対向部57Aは第二ローラ57が第三位置にある時よりも第一ローラ56から上方に離隔し、第二ローラ57下端は第一ローラ56上端の上側に位置する。
図8に示す如く、左右エアシリンダ123は前後方向において第一案内部材51Aと第三案内部材51Cの間に設け、基部51上端に固定する。左右エアシリンダ123は延設部63の上側に位置する。左右エアシリンダ123の可動部123Aは先端部を第二部位542上面に連結する。可動部123Aは左右エアシリンダ123の駆動に伴い、左右方向に移動する。保持部54は左右エアシリンダ123の駆動に伴い、第一位置(図10、図11参照)と第二位置(図14参照)の間を移動できる。図10、図11に示す如く、保持部54が第一位置にある時、第二ローラ57はノズル11の搬送方向上流側に並ぶ。即ち第一位置では第二ローラ57はノズル11の移動経路上に進入する。図14に示す如く、保持部54が第二位置にある時、第二ローラ57は第一位置から右側にずれる。即ち第二位置では第二ローラ57はノズル11右端部よりも右側に位置し、ノズル11の移動経路外に退避する。
図9に示す如く、上布支持板53は保持部54に対して左右方向に移動できる。保持部54が第一位置(図10参照)から第二位置(図14参照)に移動する時、係合部54B(図8参照)は延設部63(図8参照)に左側から接触して係合する。係合部54Bは延設部63に左側から係合することで、上布支持板53を第一位置から第二位置に移動する。保持部54が第二位置(図14参照)から第一位置(図11参照)に移動する時、係合部54Bは延設部63に対して左方に離隔するので、延設部63との係合を解除する。上布支持板53は第二位置を維持する(図11参照)。
図15を参照し接着装置1の電気的構成を説明する。接着装置1は制御装置100を備える。制御装置100はCPU101、ROM102、RAM103、記憶装置104、駆動回路105,106を備える。CPU101は接着装置1の動作を統括制御する。CPU101はROM102、RAM103、記憶装置104、駆動回路105,106、スイッチ19、踏板8、ヒータ131,132、光センサ141、近接センサ142、磁気センサ143、スピーカ151と接続する。
ROM102は各種処理を実行するプログラムを記憶する。ROM102は例えば後述の離隔距離H(図18参照)の情報を記憶する。RAM103は後述の上昇フラグ、下降フラグ等、各種情報を一時的に記憶する。記憶装置104は不揮発性であり、各種設定値等を記憶する。駆動回路105はCPU101からの指令に基づき、下搬送モータ111、上搬送モータ112、ノズルモータ113、ポンプモータ114、左右搬送モータ115、調整モータ412を夫々駆動制御する。駆動回路106はCPU101からの指令に基づき、上エアシリンダ122、左右エアシリンダ123、揺動エアシリンダ124を夫々駆動制御する。
スイッチ19は頭部5前面下部に複数設ける。スイッチ19は作業者の操作に応じた各種指示をCPU101に入力する。踏板8は作業台下部に設け、作業者が足で操作する。踏板8は作業者の操作に応じて接着動作の開始と終了をCPU101に指示する。CPU101はヒータ131,132の温度を夫々制御する。光センサ141は光を受光した場合、オン信号をCPU101に出力し、光を受光しない場合、オフ信号をCPU101に出力する。近接センサ142は保持部54の左右位置を検出する。近接センサ142は第一位置に保持部54がある場合、オン信号をCPU101に出力し、第一位置に保持部54がない場合、オフ信号をCPU101に出力する。スピーカ151は各種音を出力する。磁気センサ143は磁性体91の上下位置を非接触で検出できるMR素子である。磁性体91と第二ローラ57は一つの部材(腕部58B)に設け、且つ腕部58Bは揺動軸部58Cが揺動可能に支持するので、磁性体91の上下位置は第二ローラ57の上下位置と対応する。故に磁気センサ143は第二ローラ57の上下位置を検出できる。
図16を参照し第一処理を説明する。作業者が接着装置1の電源をオンして接着装置1を起動すると、CPU101はROM102からプログラムを読み込み、第一処理を実行する。
CPU101はスイッチ19からの信号に基づき、左右エアシリンダ123を駆動して保持部54を第二位置(図14参照)に移動する指示(以下、第一指示という)を取得したか否かを判断する(S21)。第一指示がない場合(S21:NO)、CPU101は処理をS31に移す。
作業者がスイッチ19を操作して第一指示を入力した場合、CPU101は第一指示を取得する(S21:YES)。CPU101は揺動エアシリンダ124を制御することで、第二ローラ57を第四位置(図13参照)に移動する(S22)。保持部54が第一位置(図10参照)と第二位置(図14参照)の間を移動しても、第二ローラ57は第一ローラ56に干渉しない状態となる。CPU101は左右エアシリンダ123を制御することで、保持部54を第二位置に移動する(S23)。保持部54が第一位置から第二位置に移動する時、係合部54Bが延設部63に係合して上布支持板53も第二位置に移動するので、ノズル11は近接位置(図2参照)と退避位置(図3参照)の間を移動しても保持部54と上布支持板53に干渉しない状態となる。CPU101は揺動エアシリンダ124を制御することで、第二ローラ57を第三位置(図9参照)に移動する(S24)。CPU101は処理をS31に移す。
CPU101はスイッチ19からの信号に基づき、ノズルモータ113を駆動してノズル11を退避位置(図3参照)に移動する指示(以下、退避指示という)を取得したか否かを判断する(S31)。退避指示がない場合(S31:NO)、CPU101は処理をS41に移す。
作業者がスイッチ19を操作して退避指示を入力した場合、CPU101は退避指示を取得する(S31:YES)。CPU101は近接センサ142からの信号に基づき、保持部54が第一位置(図10参照)にあるか否かを判断する(S32)。近接センサ142からオン信号を受信した場合、CPU101は保持部54が第一位置にあると判断する(S32:YES)。保持部54が第一位置にある時にノズル11が近接位置と退避位置の間を移動すると、ノズル11は第二ローラ57又は上布支持板53に干渉する可能性がある。CPU101はノズルモータ113の駆動によるノズルレバー9の揺動を禁止し、エラー報知を行う(S33)。エラー報知ではCPU101はスピーカ151から警告音を出力する。CPU101は表示部に警告表示してもよい。CPU101は処理をS41に移す。作業者はスイッチ19を操作して保持部54を第二位置に移動した後、スイッチ19を再度操作して退避指示を接着装置1に入力する。
近接センサ142からオフ信号を受信した場合、CPU101は保持部54が第一位置にないと判断する(S32:NO)。保持部54が第一位置にない場合、上布支持板53も第一位置にない(図14参照)。保持部54と上布支持板53が第一位置にない時にノズル11が近接位置と退避位置の間を移動しても、ノズル11は第二ローラ57と上布支持板53に干渉しない。CPU101はノズルモータ113を制御することで、ノズルレバー9を揺動し、ノズル11を退避位置に移動する(S34)。CPU101は処理をS41に移す。ノズル11が退避位置にある状態で、作業者はノズル11等の清掃を行う(図3参照)。
CPU101はスイッチ19からの信号に基づき、ノズルモータ113を駆動してノズル11を近接位置(図2参照)に移動する指示(以下、接近指示という)を取得したか否かを判断する(S41)。接近指示がない場合(S41:NO)、CPU101は処理をS51に移す。
作業者がスイッチ19を操作して接近指示を入力した場合、CPU101は近接指示を取得する(S41:YES)。CPU101は近接センサ142からの信号に基づき、保持部54が第一位置にあるか否かを判断する(S42)。近接センサ142からオン信号を受信した場合、CPU101は保持部54が第一位置にあると判断する(S42:YES)。CPU101はノズルモータ113の駆動によるノズルレバー9の揺動を禁止し、エラー報知を行う(S43)。CPU101は処理をS51に移す。作業者はスイッチ19を操作して保持部54を第二位置に移動した後、スイッチ19を再度操作して接近指示を接着装置1に入力する。
近接センサ142からオフ信号を受信した場合、CPU101は保持部54が第一位置にないと判断する(S42:NO)。CPU101はノズルモータ113を制御することで、ノズルレバー9を揺動し、ノズル11を近接位置に移動する(S44)。CPU101は処理をS51に移す。
CPU101はスイッチ19からの信号に基づき、左右エアシリンダ123を駆動して保持部54を第一位置(図11参照)に移動する指示(以下、第二指示という)を取得したか否かを判断する(S51)。第二指示がない場合(S51:NO)、CPU101は処理をS61に移す。
作業者がスイッチ19を操作して第二指示を入力した場合、CPU101は第二指示を取得する(S51:YES)。CPU101は揺動エアシリンダ124を制御することで、第二ローラ57を第四位置に移動する(S52)。CPU101は左右エアシリンダ123を制御することで、保持部54を第一位置に移動する(S53)。保持部54が第二位置から第一位置に移動する時、係合部54Bは延設部63との係合を解除するので、上布支持板53は第二位置を維持する(図11参照)。CPU101は揺動エアシリンダ124を制御することで、第二ローラ57を第三位置に移動する(S54)。CPU101は処理をS61に移す。
図11に示す如く、下布支持板52の上方に上布支持板53がない状態で、作業者は下布支持板52上で第一ローラ56と第二ローラ57の間に下布C1を配置する。作業者は下布C1の搬送方向下流側端部を上ローラ12と下ローラ18の間に配置する。作業者は上布支持板53を第二位置から第一位置に手動で移動する。作業者は上布支持板53上に上布C2を配置する。作業者は上布C2の搬送方向下流側端部を上ローラ12と下ローラ18の間で下布C1の上側に重ねる。
図16に示す如く、CPU101は踏板8からの信号に基づき、接着動作を開始する指示(以下、接着開始指示という)を取得したか否かを判断する(S61)。接着開始指示がない場合(S61:NO)、CPU101は処理をS21に戻す。作業者が踏板8を足で操作して接着開始指示を入力した場合、CPU101は接着開始指示を取得する(S61)。CPU101は接着処理を実行する(S62)。
図17を参照し接着処理を説明する。接着処理ではCPU101は後述のノズル隙間調整処理(図19参照)に関する処理を行うと共に、下搬送モータ111、上搬送モータ112、ポンプモータ114を制御して、吐出口11Dから接着剤Zを吐出して下布C1の特定端部Fに接着剤Zを塗布しながら、下布C1と上布C2を互いに圧着して搬送する。
CPU101はROM102から離隔距離H(図18参照)の情報を取得する(S71)。離隔距離Hは第一通過点S1と第二通過点S2の間の搬送方向に沿った距離である(図18参照)。第一通過点S1は第一ローラ56と第二ローラ57の間の搬送方向位置である。詳細には第一通過点S1は第二ローラ57が下布C1に接触する位置である。第二通過点S2は吐出口11Dと下布支持面420Aの間の搬送方向位置である。詳細には第二通過点S2はノズル11が吐出口11Dから吐出する接着剤Zの吐出軌跡と下布C1の搬送経路が交差する位置である。
CPU101は下布C1と上布C2の搬送速度の情報をRAM103から取得する(S72)。下布C1と上布C2の搬送速度は下搬送モータ111と上搬送モータ112の回転速度に対応する。搬送速度の情報は予めRAM103に記憶する。CPU101は離隔距離Hと搬送速度に基づき遅延時間を算出する(S73)。第二通過点S2が第一通過点S1の搬送方向下流側にあるので、下布C1の搬送方向の特定点が第一通過点S1を通過してから第二通過点S2を通過するまでには時間差がある。遅延時間は下布C1の搬送方向の特定点が第一通過点S1を通過してから第二通過点S2を通過するまでの時間差に相当する。
CPU101は上エアシリンダ122を制御することで、上送りアーム6を下方に揺動する(S74)。上送りアーム6の下方への揺動に伴い、上ローラ12は下ローラ18との間で上布C2を下布C1の上側に重ね合わせて挟む。CPU101はノズル隙間調整処理を実行する(S75)。
図18、図19を参照しノズル隙間調整処理を説明する。図18は便宜的に複数の部材の図示を省略する。図18に示す如く、本実施形態では接着装置1は搬送方向において厚みが変わる部分(以下、段部という。)を含む下布C1を接着する場合がある。例えば二枚の布の互いの端部を予め接着した接着部分がある場合、接着部分は布の厚みが厚くなる段部K1(図18(A)、(B)参照)と布の厚みが薄くなる段部K2(図18(C)、(D)参照)を有する。段部K1、K2が第一通過点S1を通過すると、第二ローラ57は下布C1の厚みの変化量(即ち段部K1、K2の高さ)に応じて上方又は下方に揺動する。第二ローラ57の上昇量又は下降量は段部K1、K2の高さに等しい。第二ローラ57の揺動に応じて、一対の腕部58Bは揺動軸部58Cを中心に揺動する。一対の腕部58Bの揺動に伴い、磁性体91は第二ローラ57の揺動量に応じた量だけ揺動する。
段部K1、K2が第二通過点S2を通過すると、仮にノズル隙間Xが一定の場合、吐出距離Yが変化する。該場合、吐出距離Yの変化に起因する接着不具合が生じる可能性がある。接着装置1では吐出距離Yは一定に保つことが好ましい。ノズル隙間調整処理ではCPU101は第二ローラ57の上下位置(即ち下布C1の厚み)の変化に応じてノズル隙間Xを調整することで吐出距離Yを一定に維持できる。故に接着装置1はノズル隙間調整処理を実行することで、吐出距離Yの変化に起因する接着不具合を抑制できる。
図19に示す如く、CPU101は磁気センサ143が検出した第二ローラ57(磁性体91)の上下位置を取得する(S81)。CPU101は第二ローラ57の上下位置が上方に変位したか否かを判断する(S82)。該判断は、S81での磁気センサ143の検出結果に基づき判断する。第二ローラ57の上下位置が上方に変位していない場合(S82:NO)、CPU101は処理をS85に移す。図18(A)に示す如く、段部K1が第一通過点S1を通過すると、第二ローラ57は段部K1の高さの量だけ上昇する。磁性体91は第二ローラ57の上昇量に応じた量だけ下降する(矢印J1参照)。CPU101は磁性体91の下降を検出すると、第二ローラ57の上下位置が上方に変位したことを検出する(S82:YES)。CPU101は磁性体91の下降量に応じて第二ローラ57の上昇量(即ち段部K1の高さ)を検出する。CPU101は上昇フラグをオンする(S83)。CPU101はS83でオンした上昇フラグに対応するタイマカウンタで遅延時間の計測を開始する(S84)。タイマカウンタはRAM103に記憶する。図18(A)、(B)に示す如く、段部K1が第一通過点S1を通過した場合、段部K1は第一通過点S1を通過してから所定の遅延時間経過後に第二通過点S2を通過する。
CPU101は第二ローラ57の上下位置が下方に変位したか否かを判断する(S85)。第二ローラ57の上下位置が下方に変位していない場合(S85:NO)、CPU101は処理をS91に移す。図18(C)に示す如く、段部K2が第一通過点S1を通過すると、第二ローラ57は段部K2の高さの量だけ下降する。磁性体91は第二ローラ57の下降量に応じた量だけ上昇する(矢印J3参照)。CPU101は磁性体91の上昇を検出すると、第二ローラ57の上下位置が下方に変位したことを検出する(S85:YES)。CPU101は磁性体91の上昇量に応じて第二ローラ57の下降量を検出する。CPU101は下降フラグをオンする(S86)。CPU101はS86でオンした下降フラグに対応するタイマカウンタで遅延時間の計測を開始する(S87)。図18(C)、(D)に示す如く、段部K2が第一通過点S1を通過した場合、段部K2は第一通過点S1を通過してから遅延時間経過後に第二通過点S2を通過する。
CPU101は上昇フラグがオンか否かを判断する(S91)。上昇フラグがオフの場合(S91:NO)、CPU101は処理をS95に移す。上昇フラグがオンの場合(S91:YES)、CPU101はRAM103のタイマカウンタを参照して遅延時間が経過したか否かを判断する(S92)。遅延時間が経過していない場合(S92:NO)、段部K1は第二ローラ57と吐出口11Dの間の搬送方向位置にある。CPU101は処理をS95に移す。
図18(B)に示す如く、遅延時間が経過した場合(S92:YES)、段部K1は第二通過点S2にある。段部K1が第二通過点S2を通過すると、仮にノズル隙間Xが一定の場合、吐出距離Yは段部K1の高さ分だけ小さくなる。CPU101は調整モータ412を制御することで、第二ローラ57の上昇量(即ち段部K1の高さ)に応じて出力軸412Aを第一出力方向に回転する(S93)。出力軸412Aの第一出力方向への回転に伴い、下布支持部420は位置が下降する(矢印J2参照)。下布C1の厚みが厚くなった分だけノズル隙間Xが大きくなるので、接着装置1は吐出距離Yを一定に維持できる。CPU101は遅延時間が経過したタイマカウンタに対応する上昇フラグをオフする(S94)。遅延時間が経過したタイマカウンタはリセットする。
CPU101は下降フラグがオンか否かを判断する(S95)。下降フラグがオフの場合(S95:NO)、CPU101は処理を接着処理(図17参照)に戻す。下降フラグがオンの場合(S95:YES)、CPU101はRAM103のタイマカウンタを参照して遅延時間が経過したか否かを判断する(S96)。遅延時間が経過していない場合(S96:NO)、段部K2は第二ローラ57と吐出口11Dの間の搬送方向位置にある。CPU101は処理を接着処理に戻す。
図18(D)に示す如く、遅延時間が経過した場合(S96:YES)、段部K2は第二通過点S2にある。段部K2が第二通過点S2を通過すると、仮にノズル隙間Xが一定の場合、吐出距離Yは段部K2の高さの分だけ大きくなる。CPU101は調整モータ412を制御することで、第二ローラ57の下降量に応じて出力軸412Aを第二出力方向に回転する(S97)。出力軸412Aの第二出力方向への回転に伴い、下布支持部420は位置が上昇する(矢印J4参照)。下布C1の厚みが薄くなった分だけノズル隙間Xが小さくなるので、接着装置1は吐出距離Yを一定に維持できる。CPU101は遅延時間が経過したタイマカウンタに対応する下降フラグをオフする(S98)。遅延時間が経過したタイマカウンタはリセットする。CPU101は処理を接着処理に戻す。
図17に示す如く、CPU101はポンプモータ114を制御することで、収容部41Bに収容したカートリッジから接着剤Zをノズル11に供給する(S76)。ノズル11は吐出口11Dから接着剤Zを下布支持面420Aが支持する下布C1の接着面Eに吐出する。CPU101は下搬送モータ111と上搬送モータ112を夫々制御することで、上ローラ12と下ローラ18を回転する(S77)。上ローラ12と下ローラ18は夫々回転することで、接着剤Zを介して下布C1と上布C2を上下に重ね合わせて圧着しながら、搬送方向に搬送する。下布C1が搬送方向に移動することで、第二ローラ57も従動回転する。
CPU101は踏板8からの信号に基づき、接着動作を終了する指示(以下、接着終了指示という)を取得したか否かを判断する(S78)。接着終了指示がない場合(S78:NO)、CPU101は処理をS76に戻し、接着終了指示があるまでノズル隙間調整処理(S75)と接着動作(S76、S77)を行う。作業者は踏板8を足で操作して接着終了指示を入力した場合、CPU101は接着終了指示を取得する(S78:YES)。CPU101はノズル隙間調整処理と接着動作を終了し、処理を第一処理のS21(図16参照)に戻す。
図20を参照し第二処理を説明する。作業者が接着装置1の電源をオンして接着装置1を起動すると、CPU101はROM102からプログラムを読み込み、第二処理を実行する。CPU101は第一処理(図16参照)と並行して第二処理を実行する。
CPU101はスイッチ19からの信号に基づき、移動機構55の制御を開始する指示(以下、搬送制御開始指示という)があるか否かを判断する(S101)。搬送制御開始指示がない場合(S101:NO)、CPU101は搬送制御開始指示があるまでS101を繰り返す。
作業者は例えば接着開始指示を入力する前に搬送制御開始指示を入力する。作業者がスイッチ19を操作して搬送制御開始指示を入力した場合、CPU101は搬送制御開始指示を取得する(S101:YES)。CPU101は光センサ141からの信号に基づき、検出位置Aに下布C1があるか否かを判断する(S102)。光センサ141からオフ信号を受信した場合、CPU101は検出位置Aに下布C1があると判断する(S102:YES)。CPU101は左右搬送モータ115を制御することで、出力軸115Aを第三出力方向に回転する(S103)。出力軸115Aの第三出力方向への回転に伴い、第一ローラ56は第一回動方向R1に回動する。第一ローラ56は第一回動方向R1に回動することで、対向部57Aとの間で挟んだ下布C1を左側に移動する。CPU101は処理をS105に移す。
光センサ141からオン信号を受信した場合、CPU101は検出位置Aに下布C1がないと判断する(S102:NO)。CPU101は左右搬送モータ115を制御することで、出力軸115Aを第四出力方向に回転する(S104)。出力軸115Aの第四出力方向への回転に伴い、第一ローラ56は第二回動方向R2に回動する。第一ローラ56は第二回動方向R2に回動することで、対向部57Aとの間で挟んだ下布C1を右側に移動する。CPU101は処理をS105に移す。
CPU101はスイッチ19からの信号に基づき、移動機構55の制御を終了する指示(以下、搬送制御終了指示という)があるか否かを判断する(S105)。搬送制御終了指示がない場合(S105:NO)、CPU101は処理をS102に戻し、S102〜S104を一定周期で繰り返す。作業者は例えば接着終了指示を入力した後に搬送制御終了指示を入力する。作業者がスイッチ19を操作して搬送制御終了指示を入力した場合、CPU101は搬送制御終了指示を取得する(S105:YES)。CPU101は左右搬送モータ115の駆動を停止し、処理をS101に戻す。
以上説明の如く、下布C1の段部K1、K2が第一ローラ56と第二ローラ57の間(即ち第一通過点S1)を通過すると、第二ローラ57が上下方向に揺動する。磁気センサ143は上下方向に変位する第二ローラ57の上下位置を検出する。故に磁気センサ143は段部K1、K2が第一通過点S1を通過した場合、下布C1の厚みの変化量(即ち段部K1、K2の高さ)を検出できる。厚みが厚くなる下布C1の段部K1が第一通過点S1を通過して第二ローラ57が上昇すると(S82:YES、S91:YES)、下布支持部420が下降する(S93)。厚みが薄くなる下布C1の段部K2が第一通過点S1を通過して第二ローラ57が下降すると(S85:YES、S95:YES)、下布支持部420が上昇する(S97)。下布支持部420はノズル11の下側にて下布支持面420Aで下布C1を下側から支持するので、下布支持部420が上下動すると、ノズル隙間Xが変わる。即ち下布C1の段部が第一通過点S1を通過すると、接着装置1は下布C1の厚みの変化量に応じてノズル隙間Xを調整することで吐出距離Yを調節できる。故に接着装置1は段部がある下布C1の接着時の作業効率低下を抑制しつつ、吐出距離Yの変化に起因する接着不具合を抑制できる。
検出位置Aに下布C1がある場合、接着装置1は第一ローラ56を第一回動方向R1に回動することで、検出位置Aにある下布C1を検出位置Aから外れる方向(即ち左側)に移動できる。検出位置Aに下布C1がない場合、接着装置1は第一ローラ56を第二回動方向R2に回動することで、検出位置Aから外れた位置にある下布C1を検出位置Aに向かう方向(即ち右側)に移動できる。接着装置1はS102〜S104を繰り返すことで、下布C1を検出位置Aから外れる方向又は検出位置Aに向かう方向の何れかの方向に繰り返し移動するので、特定端部Fの左右位置を制御できる。接着装置1は第一処理と第二処理を並行して実行するので、特定端部Fの左右位置を制御しながら、接着剤Zを吐出口11Dから吐出できる。即ち接着装置1は左右位置を制御する下布C1の特定端部Fに吐出口11Dから接着剤Zを吐出することで、特定端部Fに接着剤を塗布できる。故に接着装置1は下布C1の特定端部Fへの接着剤の塗布精度を安定化できる。第二ローラ57は下布C1の接着面Eに接触するので、下布C1が浮き上がって第一ローラ56の回動に追従できないことを抑制できる。接着装置1は第二ローラ57を利用して特定端部Fの左右位置を制御しつつ、第二ローラ57の上下位置に応じて吐出距離Yを調整できる。故に特定端部Fの左右位置を制御する第二ローラ57に相当する部材と、吐出距離Yを調整する第二ローラ57に相当する部材を別部材で設ける必要がないので、接着装置1は装置の拡大化を抑制できる。
例えば支持部材58が第二ローラ57を上下方向に直動可能に支持する場合、支持部材58の配置位置は第二ローラ57の上方に限るので、支持部材58の配置位置の設計自由度は低くなる。これに対し、揺動軸部58Cが支持軸部58Aに対して搬送方向にずれるので、腕部58Bの配置位置の設計自由度は高くなる。故に接着装置1は腕部58Bの周囲に配置した部材を考慮して腕部58Bの配置位置を決定し易い。
腕部58Bが支持軸部58Aを支持し、支持軸部58Aが第二ローラ57を支持し、腕部58Bのうち揺動軸部58Cに対して搬送方向にずれた位置に磁気センサ143があるので、磁気センサ143は磁性体91の上下位置を検出することで第二ローラ57の上下位置を検出できる。第二ローラ57の上下位置を検出する磁気センサ143は非接触なので、接着装置1は第二ローラ57等の損傷を抑制できる。
接着装置は布の縫製を行う縫製工場等で使用する可能性がある。例えば縫製工場は布による埃が多い場合がある。磁気センサ143は光センサ等に比べて埃等の異物の影響を受け難いので、例えば埃が多い環境でも第二ローラ57の上下位置を精度良く検出できる。故に接着装置1は吐出距離Yの変化に起因する接着不具合を抑制できる
下布C1の段部K1、K2が第一通過点S1を通過すると、腕部58Bは揺動軸部58Cを中心に揺動する。揺動軸部58Cと磁性体91の間の距離T1が揺動軸部58Cと支持軸部58Aの間の距離T2よりも大きいので、第二ローラ57の上下方向の移動量よりも磁性体91の上下方向の移動量の方が大きくなる。故に磁気センサ143は第二ローラ57の上下方向の移動量が小さくても上下方向の移動量の大きい磁性体91の上下位置を検出することで第二ローラ57の上下位置を精度良く検出できる。故に接着装置1は吐出距離Yの変化に起因する接着不具合を抑制できる。
第二ローラ57が吐出口11Dよりも搬送方向上流側にあるので、下布C1の搬送方向の特定点が第一通過点S1を通過してから下布支持面420Aと吐出口11Dの間(即ち第二通過点S2)を通過するまでには時間差がある。該時間差は搬送方向における第二ローラ57と吐出口11Dの間の距離(即ち離隔距離H)と下布C1の搬送速度に応じて変動する。接着装置1は第二ローラ57の上下位置を磁気センサ143から取得してから該時間差に対応する時間(即ち遅延時間)の経過後に(S92:YES、S96:YES)下布支持部420を上下動する(S93、S97)。故に接着装置1は特定点が第一通過点S1を通過したときの第二ローラ57の上下位置に応じて、特定点が第二通過点S2を通過するときに下布支持部420を上下動できる。
上記実施形態の下布C1は本発明の第一シートに相当する。上布C2は第二シートに相当する。供給機構45は供給手段に相当する。接着装置1の左右方向は特定方向に相当する。接着装置1の右方は特定方向の一方に相当する。接着装置1の左方は特定方向の他方に相当する。図17のS76とS77を実行するCPU101は吐出搬送制御手段に相当する。下布支持面420Aは支持面に相当する。下布支持部420は支持手段に相当する。第一ローラ56は特定部材に相当する。第二ローラ57は対向部材に相当する。支持部材58は支持部材に相当する。磁気センサ143は第一検出手段に相当する。調整モータ412は第一駆動手段に相当する。図19のS93、S97を実行するCPU101は上下動制御手段に相当する。図19のS93を実行するCPU101は第一上下動制御手段に相当する。S97を実行するCPU101は第二上下動制御手段に相当する。光センサ141は第二検出手段に相当する。左右搬送モータ115は第二駆動手段に相当する。図20のS103、S104を実行するCPU101は移動制御手段に相当する。図20のS103を実行するCPU101は第一移動制御手段に相当する。S104を実行するCPU101は第二移動制御手段に相当する。支持軸部58Aは支持部に相当する。腕部58Bは腕部に相当する。揺動軸部58Cは揺動軸部に相当する。図19のS81を実行するCPU101は取得手段に相当する。磁性体91は被検体に相当する。
本発明は上記実施形態から種々変更できる。例えば接着装置1は反射型フォトセンサである光センサ141の代わりに透過型フォトセンサ、CCDカメラ等を採用してもよい。以下、図21を参照し接着装置1が光センサ141の代わりに透過型フォトセンサである光センサ241を備えた場合を説明する。上記実施形態と同一機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。光センサ241は発光部241Aと受光部241Bを備える。発光部241Aは第一ローラ56と第二ローラ57の左側に設ける。発光部241Aは吐出口11Dの前側且つ第一ローラ56と第二ローラ57の後側に位置する。発光部241Aは第一ローラ56上端部の上側の位置から左方に発光する。受光部241Bは下布支持部420の下側且つ第一ローラ56中心と左端部の間に設ける。受光部241Bは吐出口11Dの前側且つ第一ローラ56と第二ローラ57の後側に位置する。下布支持面420Aは受光部241Bに対応する位置に受光窓52Bを備える。受光窓52Bは下布支持面420Aを上下方向に貫通する開口である。接着装置1は反射板141Aの代わりに反射板241Cを備える。反射板241C左端部は反射面であり、上側が左方に傾斜する方向に延びる。反射面は第一ローラ56中心と左端部の間に配置する。
発光部241Aは反射板241Cに向けて発光する。反射板241Cは発光部241Aが発光した光を受光部241Bに向けて下方に反射する。受光部241Bは反射板241Cが反射した光を受光窓52Bを介して受光する。光の進行経路Lは発光部241Aから反射板241Cまで延びて下方に折れ曲がり、受光部241Bまで延びるL字状である。発光部241Aが発光した光の進行経路L上に下布C1がある時、下布C1は発光部241Aが発光した光を遮る。受光部241Bは発光部241Aが発光した光を受光しない。光センサ241は発光部241Aが発光した光を受光部241Bが受光するか否かに基づき、検出位置Aに下布C1があるか否かを検出する。検出位置Aは左右方向において第一ローラ56中心と左端部の間に位置する。
変形例では特定端部Fは下布C1左端部である。第一回動方向R1は背面視反時計回り方向である。第二回動方向R2は背面視時計回り方向である。第三出力方向は背面視時計回り方向である。第四出力方向は背面視反時計回り方向である。
上記実施形態では光センサ141は吐出口11Dの前側且つ第一ローラ56と第二ローラ57の後側に設けるが、第一ローラ56と第二ローラ57の前側又は吐出口11Dの後側に設けてもよい。該場合、光センサ141の発光部が発光する光が、吐出口11Dの前側にある検出位置Aに届くように光の進行経路Lを調節すればよい。光センサ141が発行する光は、可視光でもよいし、可視光以外でもよい。光センサ141が発行する光は、連続光でもよいし、パルス状の光でもよい。
近接センサ142は第二位置に保持部54があるか否かを検出してもよい。CPU101はS32、S42において近接センサ142からの信号に基づき、第二位置に保持部54がない場合、S33、S43を実行してもよい。CPU101は第二位置に保持部54がある場合、S34、S44を実行してもよい。
第二ローラ57は対向部57Aを有するが、対向部57Aを有しなくてもよい。即ち第二ローラ57は円柱状であってもよい。接着装置1は第二ローラ57の代わりに例えば弾性部材を備えてもよい。弾性部材は下布C1の接着面Eに接触し、厚みが異なる下布C1でも第一ローラ56から下布C1が浮き上がることを防止できる。
ノズル11の左右方向に直交する断面形状は三角形状であるが、例えば円形状であってもよいし、多角形状であってもよい。上記実施形態では保持部54は係合部54Bを備えるが、備えなくてもよい。作業者は上布支持板53を第一位置と第二位置に手動で移動してもよい。作業者は保持部54を第一位置と第二位置に手動で移動してもよい。
第一ローラ56は外周面の周方向に亘って等間隔に複数の溝56Bを有するが、外周面の一部に少なくとも一つの溝56Bを備えてもよい。溝56Bは搬送方向と平行でなくてもよい。溝56Bは例えば格子状に並んでもよい。溝56Bは省略してもよく、溝56Bの代わりに凹み又は突起でもよい。接着装置1は搬送制御ユニット50を省略してもよい。接着装置1は第一ローラ56の代わりに支持台を備えてもよい。支持台は第二ローラ57との間で下布C1を下側から支持してもよい。搬送手段14は上ローラ12と下ローラ18であるが、例えばベルトを採用してもよい。接着対象物は布に限定せず、例えば長尺状のテープでもよい。ノズルレバー9はノズル11を左右方向又は前後方向に移動可能に支持してもよい。
図22に示す如く、移動機構55は第二ローラ57の代わりに板状体571を備え、支持部材58の代わりに支持部材581を備えてもよい。図22は上記実施形態と同じ機能を有する部材を同一符号で示し、説明を省略する。支持部材581は固定部581A、一対の腕部58B、一対の揺動軸部58C、連結腕58Dを備え、板状体571を上下方向に揺動可能に支持する。固定部581Aは一対の腕部58Bの各後端部である。固定部581Aは本発明の支持部に相当する。板状体571は平面視矩形状である。板状体571は固定部581Aに固定する。板状体571は固定部581Aの下側で第一ローラ56に上方から対向する。一対の腕部58Bの揺動に伴い、板状体571は下面が第一ローラ56に接近又は離隔する方向に変位できる。板状体571下面は平面を呈す。板状体571は第一ローラ56との間に下布C1を配置した状態で下面が下布C1の接着面Eに接触できる。板状体571の搬送方向上流側端部571Aと下流側端部571Bは夫々上方に湾曲するR形状を有する。
固定部581Aに板状体571を固定するので、接着装置1は例えば板状体571が第二ローラ57の如く回転等する場合に比べ、板状体571を配置する為に必要なスペースの拡大化を抑制できる。故に接着装置1は装置の拡大化を抑制できる。上流側端部571Aが上方に湾曲するので、下布C1が板状体571の下側に進入する場合、上流側端部571Aが上方に湾曲しない場合に比べ、下布C1が上流側端部571Aに引っかかり難くなる。下流側端部571Bが上方に湾曲するので、下布C1が板状体571の下側を通過する場合、下流側端部571Bが上方に湾曲しない場合に比べ、下布C1が下流側端部571Bに引っかかり難くなる。故に板状体571は下布C1の搬送を妨げることを抑制しつつ、下布C1が浮き上がって第一ローラ56の回動に追従できないことを抑制できる。
支持部材58は第二ローラ57を上下方向に揺動可能に支持するが、上下方向に直動可能に支持してもよい。例えば接着装置1は支持部材58としてばね等の付勢部材を備えてもよい。接着装置1は例えば第二ローラ57の上方に固定部を備えてもよい。付勢部材の一端は固定部に固定してもよい。付勢部材の他端は第二ローラ57に固定してもよい。付勢部材は第二ローラ57を下方に付勢してもよい。磁性体91は揺動軸部58Cに対して支持軸部58Aとは反対側にあるが、同じ側にあってもよい。該場合、例えば支持軸部58Aは揺動軸部58Cと磁性体91との間にあればよい。
磁性体91は永久磁石の代わりに電磁石でもよい。磁気センサ143はMR素子の代わりにホール素子でもよいし、他のセンサでもよい。他のセンサは例えば近接センサ(誘導形近接センサ、静電容量形近接センサ、レーザー変位計等)が好ましい。近接センサは非接触で被検体の位置を検出可能なセンサの総称である。
CPU101は第二ローラ57の上下位置に応じてノズル隙間Xを調整することで吐出距離Yを一定に保つ制御(ノズル隙間調整処理)を行うが、必ずしも吐出距離Yを一定に保たなくてもよい。CPU101は例えば下布C1の段部を接着する時に接着剤Zの吐出量が変わる場合、接着剤Zの吐出量に応じた吐出距離Yになるように、ノズル隙間Xを調整してもよい。
調整モータ412は螺子軸414から搬送方向と左右方向にずれた位置に出力軸412Aを設ける代わりに、例えば螺子軸414と同軸となる位置に出力軸412Aを設けてもよい。例えば接着装置1は調整モータ412を螺子軸414の下方に設けてもよい。出力軸412Aは調整モータ412から上方に突出してもよい。接着装置1は連結ベルト415を備えなくてよい。接着装置1は連結ベルト415の代わりにチェーン又は歯車を設けてもよい。接着装置1は調整モータ412の代わりに油圧、エアシリンダ等で下布支持部420を上下動してもよい。