以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。包装装置1は、台紙等の台座2上に載置された物品3を帯状のフィルム24で覆い、物品3を台座2に固定することによって、物品3を包装する。以下、このようにして物品3を包装することを、「台座2及び物品3を包装する」という。包装装置1は、図1の右斜め下側から左斜め上側に向けて、物品3が載置された台座2を搬送し、台座2及び物品3を包装する。図1の上側、下側、左斜め下側、及び右斜め上側を、それぞれ、包装装置1の上側、下側、右側、及び左側という。図1の右斜め下側及び左斜め上側を、それぞれ、搬送方向の上流側及び下流側という。
<筐体800>
図1に示すように、包装装置1は筐体800を備える。筐体800の形状は、上下方向を長手方向とする略直方体である。筐体800は、上筐体801及び下筐体803を備える。上筐体801は、2つの立設部802Aと架設部802Bとを備える。2つの立設部802Aは、それぞれ、下筐体803の左右両端部から上方に延びる。架設部802Bは、2つの立設部802Aのそれぞれの上端部の間に架設される。右側の立設部802Aに、各種情報を表示可能な表示部207が設けられている。
2つの立設部802Aは、それぞれ後述の側板部材111,112(図2参照)を右側及び左側から覆う。架設部802Bは、後述のフィルムロール22(図2参照)を上側から覆う。下筐体803、2つの立設部802A、及び架設部802Bで囲まれた部分が、筐体800の内部空間を形成する。筐体800の内部空間は、筐体800の上流側及び下流側に形成された開口部805を介して、筐体800の外部と連通する。下筐体803の形状は、左右方向を長手方向とする略直方体である。ユーザが包装装置1に包装動作の開始又は停止を指示するための操作部206が、下筐体803に設けられている。
<受け台12,13>
下筐体803の上流側の側面の上端部から上流側に向けて、受け台12が水平方向に延びる。下筐体803の下流側の側面の上端部から下流側に向けて、受け台13が水平方向に延びる。受け台12,13の形状は、搬送方向を長手方向とする平面視略長方形の箱状である。受け台12は、開口部805に向けて搬送される台座2を上面で受ける。受け台13は、包装が完了した台座2及び物品3を上面で受ける。脚部121,131はそれぞれ受け台12,13を下方から支持する。
受け台12の上面を「受け面12A」といい、受け台13の上面を「受け面13A」という。受け面12A,13Aは、それぞれ水平であり、且つ互いに略同一の平面を形成する。従って受け面12A,13Aは、台座2をスムーズに搬送可能な平面である。受け面12A,13A上において台座2が搬送される部分を、「搬送経路103」(図19)という。
図2に示すように、包装装置1は、底部10及び側板部材111,112を備える。底部10の形状は、平面視矩形状である。側板部材111は、底部10の右端部から上方垂直方向に延びる。側板部材112は、底部10の左端部から上方垂直方向に延びる。側板部材111,112の各形状は、何れも上下方向を長手方向とする略長方形の板状である。側板部材111,112の各内面は対向する。受け台12は、側板部材111,112の上流側の端部に支持される。受け台13は、側板部材111,112の下流側の端部に支持される。
<搬送機構50>
図3に示すように、受け台12、13の右端部及び左端部に、それぞれ、無端状のベルト511,512が設けられる。ベルト511,512は、それぞれ内側面に歯を有する。ベルト511は、一対のプーリ52A,52Bに架け渡される。プーリ52Aは、受け台12の右側面の上流側に回転可能に設けられる。プーリ52Bは、受け台13の右側面の下流側に回転可能に設けられる。プーリ52A,52Bは、ベルト511の内側に接触し、ベルト511を回転可能に支持する。ベルト512は、一対のプーリ53A,53Bに架け渡される。プーリ53Aは、受け台12の左側面の上流側に回転可能に設けられる。プーリ53Bは、受け台13の左側面の下流側に回転可能に設けられる。プーリ53A,53Bは、ベルト512の内側に接触し、ベルト512を回転可能に支持する。
ベルト511,512の外側面のうち上方を向く部分が、受け面12A,13Aに露出して、搬送方向に延びている。ベルト511,512のそれぞれの外側面に、搬送部60が設けられる。搬送部60は、ベルト511に設けられる右搬送部61と、ベルト512に設けられる左搬送部62とをそれぞれ含む。右搬送部61は、ベルト511の外側面に対して垂直方向且つ外方向に突出する。左搬送部62は、ベルト512の外側面に対して垂直方向且つ外方向に突出する。搬送部60では、右搬送部61と左搬送部62とが左右方向に対向する。
右搬送部61は、第一搬送部61A及び第二搬送部61Bを備える。第一搬送部61A及び第二搬送部61Bは、搬送方向に離隔する。第一搬送部61Aは、上流側の側面のうちベルト511に近接する部分が、下流側に凹む。左搬送部62は、第一搬送部62A、及び第二搬送部62Bを備える。第一搬送部62A及び第二搬送部62Bは、搬送方向に離隔する。第一搬送部62Aは、上流側の側面のうちベルト512に近接する部分が、下流側に凹む。第一搬送部61A、62Aは、後述する台座2を上方から保持する。第二搬送部61B、62Bは、台座2を上流側又は下流側に押す。
モータ222(図15参照)は、プーリ52B,53Bを回転駆動する。モータ222がプーリ52B,53Bを右側面視にて反時計回り方向に回転した場合、ベルト511,512は反時計回り方向に回転する。これに伴って、搬送部60は、後述するように台座2を上流側から下流側に搬送する。一方、モータ222がプーリ52B,53Bを右側面視にて時計回り方向に回転した場合、ベルト511,512は時計回り方向に回転する。これに伴って、搬送部60は、後述するように台座2を下流側から上流側に搬送する。以下、台座2を上流側から下流側に搬送させる場合のモータ222及びベルト511、512の回転方向を、「正方向」といい、正方向と逆向きの回転方向を、「逆方向」という。ベルト511,512、搬送部60、モータ222を総称し、「搬送機構50」という。なお、以下における回転方向(時計回り又は反時計回り)の説明は、特段の限定がない限り、包装装置1を右側から見た時の方向を示すものとする。
<装着部材141、142>
図4に示すように、側板部材111の上端部の左側面に装着部材141が設けられ、側板部材112の上端部の右側面に装着部材142が設けられる。装着部材141、142の形状は左右対称である。装着部材141は、側板部材111に対して左側に離隔した板状部材141Aを備える。板状部材141Aの上端に、下方に凹んだ凹部141Dが設けられる。装着部材142は、側板部材112に対して右側に離隔した板状部142Aを備える。板状部142Aの上端に、下方に凹んだ凹部142Dが設けられる。側板部材111、112間に架設板117Aが架設される。架設板117Aの形状は板状である。架設板117Aは水平に延びる。架設板117Aは、装着部材141の下側で側板部材111に接続し、装着部材142の下側で側板部材112に接続する。後述するフィルムロール22(図5等参照)は、架設板117Aの上側に着脱可能に装着される。
架設板117Aの上流側の端部よりも上流側に、架設板117Bが設けられる。架設板117Bは、側板部材111、112間に架設される。架設板117Aの下流側の端部から上方に向けて、架設板117Cが延びる。装着部材141、142に装着されたフィルムロール22から繰り出される帯状のフィルム24は、架設板117Aの上流側の端部と架設板117Bとの間の隙間を通り、筐体800(図1参照)の内部空間まで下方に排出される。物品3が載置された台座2は、筐体800の内部空間を上流側から下流側に向けて搬送されるときに、フィルム24によって包装される。
図5は、装着部材141、142に装着された状態のフィルムロール22を示す。凹部141Dの下流側に連結ギヤ651が配置される。連結ギヤ651は、互いに噛合する複数のギヤを含む。連結ギヤ651の右側に板状部材16Aが設けられる。連結ギヤ651は、板状部材141A、16Aの間に回転可能に支持される。
連結ギヤ651の下側に連結ギヤ652が配置される。連結ギヤ652は、互いに噛合する複数のギヤを含む。連結ギヤ652の右側に板状部材16Bが設けられる。連結ギヤ652は、板状部材141Aに回転可能に支持される。板状部材16Bに、ソレノイド16C(図15参照)のプランジャ(図示略)が接続されている。連結ギヤ652は、ソレノイド16Cによって巻き取り位置と繰り出し位置とに移動可能である。
連結ギヤ652の上流側に第一プーリ(図示略)が設けられ、第一プーリの更に上流側に第二プーリ(図示略)が設けられる。第一プーリと第二プーリとの間に伝達ベルト653が架け渡される。第一プーリ及び第二プーリと伝達ベルト653とは連動して回転する。装着部材141、142に装着された状態のフィルムロール22の上流側に、ローラ654A、654B(図4参照)が設けられる。ローラ654A、654Bの左右方向の長さは、フィルム24の幅と略同一である。ローラ654Bは第二プーリに接続する。ローラ654Aは、ローラ654Bの上流側に設けられ、ローラ654Bに上流側から接触する。本実施形態では、ローラ654A,654Bは、巻き軸23とは独立して設けられている。従って、ローラ654A,654Bは、フィルム24を介さない限り、巻き軸23と連動して回転しない。
図4に示すように、モータ227は、装着部材141の板状部材141Aの左側、且つ、架設板117Cの上流側に設けられる。モータ227の回転軸は、右側に水平に延び、板状部材141Aに設けられた穴に挿通する。図5に示すように、回転軸の右端にモータギヤ670が固定される。モータギヤ670は連結ギヤ652に噛合する。
連結ギヤ652がソレノイド16Cによって巻き取り位置に移動した場合、連結ギヤ652は連結ギヤ651に連結する。この場合、モータ227の回転駆動力は、モータギヤ670及び連結ギヤ652を介して、連結ギヤ651に伝達される。一方、連結ギヤ652がソレノイド16Cによって繰り出し位置に移動した場合、連結ギヤ652は第一プーリに連結する。この場合、モータ227の回転駆動力は、モータギヤ670、連結ギヤ652、第一プーリ、伝達ベルト653、及び、第二プーリを介して、ローラ654Bに伝達される。
<エンコーダ40>
図5に示すように、板状部材16Aの右側にエンコーダ40が設けられる。エンコーダ40は、公知のインクリメンタルタイプのロータリエンコーダである。エンコーダ40は、回転可能な円盤41と光学式のセンサ42とを含む。円盤41の軸は、連結ギヤ651の軸と同軸である。これにより、円盤41は連結ギヤ651と共に回転する。円盤41は、放射線状に等間隔で設けられた複数の貫通孔41Aを有する。センサ42は円盤41に向かって光を照射する。照射された光が円盤41の貫通孔41Aとは異なる部分に当たった場合、センサ42は反射光を検出する。一方、照射された光が円盤41の貫通孔41Aを透過した場合、センサ42は反射光を検出しない。センサ42は、反射光の有無に基づいて、連結ギヤ651の回転に応じた数のパルス信号を出力する。このようにして、エンコーダ40は連結ギヤ651とフィルムギヤ23Bとを介して巻き軸23の回転を検出する。
<フィルムロール22>
フィルムロール22は、フィルム24及び巻き軸23を有する。フィルム24は帯状であり、巻き軸23に巻回される。巻き軸23は略円柱体であり、左右方向に延びる。巻き軸23の左右方向の長さは、フィルム24の左右方向の長さと略等しい。巻き軸23は、右側面から右側に突出する右凸部23Aを備える。フィルムロール22が装着部材141、142に装着された状態で、右凸部23Aは、装着部材141の凹部141Dに接触する。図示されていないが、巻き軸23は、右凸部23Aと同一形状の左凸部を左側面に備える。左凸部は、フィルムロール22が装着部材141、142に装着された状態で、装着部材142の凹部142D(図4参照)に接触する。巻き軸23は、装着部材141、142によって回転可能に支持される。右凸部23Aの右側面に、フィルムギヤ23Bが設けられる。又、フィルムロール22から繰り出されたフィルム24は、ローラ654A、654Bによって搬送方向の両側から挟まれる。
フィルムギヤ23Bは、フィルムロール22が装着部材141、142に装着された状態で、連結ギヤ651に上流側から噛合する。連結ギヤ652が巻き取り位置に移動した状態で、モータ227(図4参照)の回転駆動力は、モータギヤ670及び連結ギヤ651、652を介して、フィルムギヤ23Bに伝達される。モータ227の回転に応じ、フィルムギヤ23Bは反時計回りに回転する。フィルムギヤ23Bが反時計回りに回転した場合、巻き軸23が回転することでフィルムロール22にフィルム24が巻き取られる。
一方、連結ギヤ652が繰り出し位置に移動した状態で、モータ227の回転駆動力はローラ654Bに伝達される。モータ227の回転に応じ、ローラ654Bは時計回りに回転する。ローラ654Bが時計回りに回転した場合、ローラ654Bは、ローラ654Aとの間に挟んだ状態のフィルム24を、フィルムロール22から繰り出す。
<押下機構39>
図2に示すように、側板部材111の右側面に、モータ221の回転によって駆動するキャリッジ349が設けられる。キャリッジ349は、支持部材341(図6参照)に連結される。側板部材112の左側面に、キャリッジ350が設けられる。キャリッジ350は、支持部材342に連結される。
図6から図8に示すように、支持部材341、342の形状は左右対称である。支持部材341、342は、左右方向に離隔して配置される。支持部材341、342の左右方向の長さは、受け台12,13(図2参照)の左右方向の長さよりも僅かに短い。以下、支持部材341について説明し、支持部材342の説明は省略する。支持部材341は、基部341A、第一延設部341B、第二延設部341C、及び、第三延設部341Dを有する。基部341A、第一延設部341B、第二延設部341C、及び、第三延設部341Dは板状である。基部341A、第一延設部341B、第二延設部341C、及び、第三延設部341Dのそれぞれの平面は左右方向を向く。
基部341Aの形状は、側面視にて略長方形である。基部341Aには、上流側の部分に上下方向に並んだ2つの穴部が形成される。第一延設部341Bは、基部341Aの下流側の端部の下側の部分から、下流側に向けて水平に延びる。第一延設部341Bの形状は、側面視にて略長方形である。第一延設部341Bの上端及び下端は、下流側に向けて水平に延びる。第一延設部341Bの下流側の端部に、下方に延びる延設部3415が設けられる。第一延設部341Bの下端のうち延設部3415よりも上流側の部分に、上方に凹んだ凹部3412が設けられる。第二延設部341Cは、基部341Aの下流側の端部の上側の部分から、下流側に向けて水平に延びる。第二延設部341Cの形状は、側面視にて略長方形である。第二延設部341Cの下流側の端部は、第一延設部341Bの下流側の端部よりも下流側に配置される。第二延設部341Cの上端及び下端は、下流側に向けて水平に延びる。第一延設部341Bの上端及び第二延設部341Cの下端は、上下方向に離隔し、搬送方向に延びる隙間3414を形成する。隙間3414は、基部341Aから下流側に向けて同一幅の状態で延びる。第三延設部341Dは、基部341Aの上端の上流側の部分から、上方に垂直に延びる。第三延設部341Dの形状は、側面視にて略長方形である。第三延設部341Dは、上下方向に並ぶ3つの穴部を有する。なお、基部341A及び第三延設部341Dの複数の穴部には、支持部材341をキャリッジ349(図2参照)に連結するためのねじが挿通される。
図6、図7に示すように、支持部材342の基部342A、第一延設部342B、第二延設部342C、及び、第三延設部342Dは、それぞれ、支持部材341の基部341A、第一延設部341B、第二延設部341C、及び、第三延設部341Dに対応する。第一延設部342Bの凹部3422(図7参照)、及び、延設部3425(図7参照)は、それぞれ、第一延設部341Bの凹部3412、及び、延設部3415に対応する。第一延設部342Bと第二延設部342Cとの間の隙間3424は、第一延設部341Bと第二延設部341Cとの間の隙間3414に対応する。基部342A及び第三延設部342Dの複数の穴部には、支持部材342をキャリッジ350(図2参照)に連結するためのねじが挿通される。以下、支持部材341,342を総称して、「一対の支持部材34」という。基部341A、342Aを総称して、「一対の基部34A」という。第一延設部341B、342Bを総称して、「一対の第一延設部34B」という。第二延設部341C、342Cを総称して、「一対の第二延設部34C」という。
押下ローラ30、31、32は、一対の第一延設部34Bの下流側の部分の間に配置される。押下ローラ30〜32の右端は、第一延設部341Bによって支持される。押下ローラ30〜32の左端は、第一延設部342Bによって支持される。押下ローラ33は、一対の基部34Aの間に配置される。押下ローラ33の右端は、基部341Aによって支持される。押下ローラ33の左端は、基部342Aによって支持される。架設部材35は、一対の第二延設部34Cの上流側の部分に配置される。架設部材35の左端は、第二延設部341Cによって支持される。架設部材35の左端は、第二延設部342Cによって支持される。
図7に示すように、押下ローラ30は、分割ローラ301、302、303、304、305、306、307、308、及び、軸部材30Cを有する。分割ローラ301〜308のそれぞれは、左右方向に延びる歯車である。分割ローラ301〜308のそれぞれの左右方向長さは略同一であり、一対の第一延設部34B(図7参照)間の長さの略1/8である。分割ローラ301〜308は左右方向に並んでいる。図8に示すように、分割ローラ301〜308のそれぞれの周側面には、外側に向けて突出する複数の凸部30Aが設けられている。複数の凸部30Aのそれぞれは、隣接する他の複数の凸部30Aのそれぞれとの間に、凹部30Bを複数形成させる。複数の凸部30A、及び、複数の凹部30Bは、左右方向に延びる。以下、図7、図8に示すように、押下ローラ30の回転中心に沿って左右方向に延びる仮想線を、中心軸301Cという。
分割ローラ301〜308のそれぞれは、中心軸301Cに沿って貫通する穴部を有する。軸部材30Cは、穴部を貫通し、中心軸301Cに沿って左右方向に延びる。軸部材30Cの右端は、第一延設部341Bの延設部3415よりも上流側、且つ、凹部3412の下流側の部分に設けられた穴部に嵌る。図示されていないが、軸部材30Cの左端は、第一延設部342Bの延設部3425よりも上流側、且つ、凹部3422の下流側の部分に設けられた穴部に嵌る。分割ローラ301〜308は、遊びを持たせた状態で互いに連結する。
図6、図7に示すように、押下ローラ31は、分割ローラ311、312、313、314、及び、軸部材31Cを有する。分割ローラ311〜314のそれぞれは、左右方向に延びる円筒体である。分割ローラ311〜314は左右方向に並んでいる。分割ローラ311〜314のそれぞれは、軸線に沿って貫通する穴部を有する。軸部材31Cは、穴部を貫通して左右方向に延びる。軸部材31Cの右端は、第一延設部341Bの凹部3412の上側の部分に設けられた穴部に嵌る。軸部材31Cの左端は、第一延設部342Bの凹部3422の上側の部分に設けられた穴部に嵌る。分割ローラ311〜314は、軸部材31Cに対して、それぞれが独立して回転可能である。
押下ローラ32は、ローラ32A及び軸部材32Cを有する。ローラ32Aは、左右方向に延びる円筒体である。ローラ32Aは、軸線に沿って貫通する穴部を有する。軸部材32Cは、穴部を貫通して左右方向に延びる。軸部材32Cの右端は、第一延設部341Bの凹部3412の上流側の部分に設けられた穴部に嵌る。軸部材32Cの左端は、第一延設部342Bの凹部3422の上流側の部分に設けられた穴部に嵌る。ローラ32Aは、軸部材32Cに対して回転可能である。
押下ローラ33は、分割ローラ331、332、333、334、及び、軸部材33Cを有する。分割ローラ331〜334のそれぞれは、左右方向に延びる円筒体である。分割ローラ331〜334は左右方向に並んでいる。分割ローラ331〜334のそれぞれは、軸線に沿って貫通する穴部を有する。軸部材33Cは、穴部を貫通して左右方向に延びる。軸部材33Cの右端は、基部341Aに設けられた穴部に嵌る。軸部材33Cの左端は、基部342Aに設けられた穴部に嵌る。分割ローラ331〜334は、軸部材33Cに対して、それぞれが独立して回転可能である。
架設部材35は、第二延設部341Cの上流側の端部分と、第二延設部342Cの上流側の端部分との間に亙って延びる。図6、図8に示すように、架設部材35は、板状部材35A、35B、及び、湾曲部材35Cを有する。板状部材35A、35Bは、上下方向に離隔して対向配置する。湾曲部材35Cは、2つの板状部材35A、35Bのそれぞれの下流側の端部の間に亘って設けられる。湾曲部材35Cは、下流側に凸状に湾曲する。
図8に示すように、押下ローラ30、32は水平に並ぶ。押下ローラ30、32の下端は、第一延設部341Bの下端よりも下方に僅かに突出する。押下ローラ31は、押下ローラ30、32よりも上側に配置される。押下ローラ31の上端は、第一延設部341Bの上端よりも上方に僅かに突出する。押下ローラ33は、押下ローラ31よりも上側に配置される。以下、一対の支持部材34、押下ローラ30〜33、及び、架設部材35を、「押下機構39」という。
図2に示すように、モータ221は、キャリッジ349,350を介して、押下機構39を上下方向に移動可能である。図19は、押下機構39が最上位に配置された状態を示す。この状態で、一対の支持部材34の支持部材342のうち、第三延設部342Dは、フィルムロール22の上流側かつ下側の近傍に配置される。第一延設部342B及び第二延設部342Cは、フィルムロール22の下方に配置される。押下ローラ30〜33、及び、架設部材35は、フィルムロール22の下側に配置される。図23は、押下機構39が最下位に配置された状態を示す。この状態で、一対の支持部材34の支持部材342のうち第一延設部342Bは、搬送経路103の下側に配置される。一対の第一延設部34Bによって支持される押下ローラ30〜32は、搬送経路103の下側に配置される。第二延設部342Cは、搬送経路103を挟んで第一延設部342Bの上側に配置される。押下ローラ33及び架設部材35は、搬送経路103の上側に配置される。隙間3424(図6、図7参照)は、搬送経路103に沿って配置される。以下、一対の支持部材34の移動に伴う押下ローラ30の移動経路を、「移動経路104」という。移動経路104は、搬送経路103と直交し、鉛直方向に沿って延びる。搬送経路103と移動経路104とが交差する位置を、「交差位置105」という。
<台座ガイド部材71、保持部材72>
図9、図10に示すように、側板部材111,112(図2参照)で挟まれる部分の上流側、且つ搬送経路103(図19参照)の下側に、台座ガイド部材71が設けられる。台座ガイド部材71は、搬送経路103に下側から接する平面部71Aを有する。平面部71Aは、搬送経路103に沿って上流側から下流側に搬送される台座2を、受け台12,13間で下方から支持し、受け台12から受け台13に誘導する。台座ガイド部材71の下流側の上端部に、下流側に延びる複数の凹凸部(図12参照)が設けられる。複数の凹凸部は、左右方向に延びる。以下、台座ガイド部材71のうち、複数の凸部が設けられた下流側の上端部を、「保持部71B」という。台座ガイド部材71は、平面部71Aの下方に支持部70を有する。支持部70は箱状である。支持部70は、平面部71Aを下方から支持する。
図10に示すように、支持部70の左右側面の外側に、一対の支持部材78が設けられる。一対の支持部材78は、台座ガイド部材71の支持部70の左右側面から左右外側に突出する突出部70Dを支点として、回転可能である。一対の支持部材78のうち、突出部70Dによって支持された側と反対側に、保持部材72が設けられる。保持部材72の形状は、左右方向に延びる略四角柱である。保持部材72の左右端部は、一対の支持部材78によって支持される。保持部材72は、複数の凹凸部を有する。複数の凹凸部は左右方向に延びる。
一対の支持部材78は、モータ226(図15参照)によって回転する。一対の支持部材78の回転によって、保持部材72は、搬送経路103の下側を移動し、台座ガイド部材71の保持部71Bに近接した状態(図9、図10参照)と、台座ガイド部材71の保持部71Bから下方に離隔した状態(図12、図13参照)とに切り替わる。保持部材72が台座ガイド部材71の保持部71Bに近接した場合、保持部材72の凹凸部と、保持部71Bの凹凸部とは嵌合する。このとき、フィルムロール22から供給されたフィルム24が、それぞれの複数の凹凸によって挟まれ、搬送経路103の下側で保持される。
以下、台座ガイド部材71の保持部71Bに保持部材72が近接したときの一対の支持部材78の位置(図9、図10参照)を、「近接位置」という。台座ガイド部材71の保持部71Bから保持部材72が離隔したときの一対の支持部材78の位置(図12、図13参照)を、「離隔位置」という。
<加熱機構86>
図10に示すように、台座ガイド部材71の支持部70の下流側に、加熱機構86が設けられる。加熱機構86は、5つの加熱ユニット861、ヒータ861A、支持部材862、及び、リレー861B(図15参照)を有する。5つの加熱ユニット861は略直方体状である。5つの加熱ユニット861は、上面にヒータ861A(図15参照)を有する。ヒータ861Aは、電流を流すことによって加熱する抵抗加熱方式のヒータである。リレー861Bは、ヒータ861Aに対する通電を制御することによって、ヒータ861Aを加熱する。支持部材862は、5つの加熱ユニット861を下方から支持する。支持部材862は、下流側の側面の右端にラックギヤ862Aを有する。ラックギヤ862Aは、下流側に歯を向けた状態で、上下方向に延びる。支持部材862の下流側に、モータ223(図15参照)が設けられる。モータ223の回転軸に接続するピニオンギヤは、ラックギヤ862Aに噛合する。モータ223が回転することによって、支持部材862は上下方向に移動する。これによって、5つの加熱ユニット861も上下方向に移動する。5つの加熱ユニット861が最下位に配置された場合、それぞれの上面のヒータ861Aは、搬送経路103(図19参照)から下方に離隔する。一方、5つの加熱ユニット861が最上位に配置された場合、それぞれの上面のヒータ861Aは、搬送経路103よりも僅かに上方に配置される。
蓋部材87は、台座ガイド部材71の支持部70の下流側に設けられる。蓋部材87は略長方形状の板状部材である。蓋部材87の長手方向は左右方向に延びる。蓋部材87は、支持部70の下流側の側面に、回転可能に支持される。蓋部材87の平面は、5つの加熱ユニット861が最下位に配置された状態で、略水平に延びる。蓋部材87は、5つの加熱ユニット861のそれぞれの上側のヒータ861Aを上方から覆う。一方、5つの加熱ユニット861は、最下位から最上位に向けて移動する過程で蓋部材87に下方から接触する。5つの加熱ユニット861は、蓋部材87を上方に押し上げる。蓋部材87は回転する。5つの加熱ユニット861が最上位に配置された状態で、蓋部材87は、5つの加熱ユニット861のそれぞれの上側のヒータ861Aを上方から覆わない。
なお、ヒータ861Aに対する通電を制御するデバイスは、リレー861Bに限定されない。例えば、ヒータ861Aに対する通電を制御するトランジスタが、リレー861Bの代わりに設けられてもよい。
<回転抑制機構80>
回転抑制機構80は、加熱機構86よりも下流側に設けられる。図11に示すように、回転抑制機構80は、グリップローラ81、軸部材81C、及び、電磁ブレーキ82を備える。グリップローラ81は、左右方向に延びる歯車である。グリップローラ81は、搬送経路103(図19参照)よりも下側に配置される。グリップローラ81の左右方向の長さは、押下機構39の押下ローラ30(図7参照)の左右方向の長さと略等しい。グリップローラ81の周側面には、外側に向けて突出する複数の凸部81Aが設けられている。複数の凸部81Aのそれぞれは、隣接する他の複数の凸部81Aのそれぞれとの間に、凹部81Bを複数形成させる。複数の凸部81A、及び、複数の凹部81Bは、左右方向に延びる。以下、グリップローラ81の回転中心に沿って左右方向に延びる仮想線を、中心軸811Cという。
グリップローラ81は、中心軸811Cに沿って貫通する穴部を有する。軸部材81Cは、穴部を貫通し、中心軸811Cに沿って左右方向に延びる。軸部材81Cの左右方向の長さは、グリップローラ81の左右方向の長さよりも長い。グリップローラ81は、左右両端に配置されるカラー81Dによって、軸部材81Cに対する左右方向の位置が固定されている。軸部材81Cは、左右全域に亘ってDカットされている。軸部材81Cの左右両端部は、板部材83によって回転可能に支持されている。グリップローラ81は、軸部材81Cが回転したとき、軸部材81Cと連動して回転する。
電磁ブレーキ82は、軸部材81Cの右端よりも右側に設けられる。電磁ブレーキ82は、軸部材81Cの回転を電磁気的な力によって制御することが可能な周知の電磁ブレーキである。軸部材81Cは、連結ギヤ821を介して軸部材81Cに連結される。電磁ブレーキ82は、通電された状態で、軸部材81Cの回転を規制する。この場合、グリップローラ81の回転は電磁ブレーキ82によって規制される。一方、電磁ブレーキ82は、通電が停止された状態で、軸部材81Cの回転を規制しない。この場合、グリップローラ81は回転可能となる。
図12〜図14は、押下機構39が最下位に移動したときの状態を示す。図12、図13に示すように、軸部材81Cは、最下位に配置された状態の支持部材341の第一延設部341Bよりも下側に配置される。図12に示すように、支持部材341の第一延設部341Bの延設部3415、及び、支持部材342の第一延設部341Bの延設部3425は、軸部材81Cの下流側に配置される。第一延設部341Bの下端、及び、延設部3415の上流側の端部は、グリップローラ81の右側のカラー81Dに接触する。図示されていないが、第一延設部342Bの下端、及び、延設部3425の上流側の端部は、グリップローラ81左側のカラー81Dに接触する。
図13、図14に示すように、グリップローラ81は、最下位に配置された状態の押下機構39の押下ローラ30に対して、下流側斜め下方向に配置される。詳細には次の通りである。図14に示すように、押下ローラ30の中心軸301Cと、グリップローラ81の中心軸811Cとを含む仮想平面P1を定義する。押下ローラ30の中心軸301Cを含み、且つ、移動経路104(図19参照)に沿って延びる仮想平面P2を定義する。押下ローラ30の中心軸301Cを含み、且つ、水平に延びる仮想平面P3を定義する。この場合、仮想平面P1は、仮想平面P2、P3の何れとも交差する。仮想平面P1、P2のなす角度の鋭角は、26度である。なお、仮想平面P1、P2のなす角度の鋭角は26度に限定されず、他の角度でもよい。
グリップローラ81は、最下位に配置された押下機構39の押下ローラ30に近接する。グリップローラ81の複数の凸部81Aは、押下ローラ30の複数の凹部30Bと嵌合する。例えばこの状態で、電磁ブレーキ82(図11参照)によってグリップローラ81の回転が規制された場合、押下ローラ30の回転も規制される。
<切断部77>
図9、図10に示すように、グリップローラ81の上流側、且つ、搬送経路103の下側に、左右方向に延びるガイドレール74が設けられる。切断部77は左右方向に貫通する穴を有する。図10に示すように、切断部77は、ガイドレール74に沿って左右方向に移動可能である。ガイドレール74の左端よりも左側に、モータ225が設けられる。モータ225は、連結ギヤ772及びベルト(図示略)を介して、切断部77に接続する。モータ225は、切断部77をガイドレール74に沿って左右方向に移動させることができる。
図13、図14に示すように、切断部77は、上方に向けて突出し且つ左右方向に延びる刃部771を備える。押下機構39が最下位に配置された場合、切断部77の刃部771は、押下ローラ30、32との間、及び、押下ローラ31の下側に配置される。又、刃部771は、側方から見た状態で、第一延設部341Bの凹部3412の内部に配置される。このため、切断部77が左右方向に移動した場合に、第一延設部341Bに刃部771は接触しない。
<フィルム移動機構25>
図10に示すように、フィルム移動機構25は、保持部材261、262、及び、移動部材27を有する。保持部材261、262の形状は左右対称である。以下、保持部材261について説明し、保持部材262についての説明は省略する。保持部材261の形状は細長い板状である。保持部材261の平面は左右方向を向く。保持部材261は、第一部分261A及び第二部分261Bを有する。第一部分261Aは直線状に延びる。第二部分261Bは、第一部分261Aの一端部から略円弧状に湾曲して延びる。第一部分261Aのうち、第二部分261Bが接続する端部と反対側の端部は、回転抑制機構80の下方の支持板29に回転可能に支持される。支持板29に固定されたモータ224は、保持部材261の第一部分261Aのうち、第二部分261Bが接続する端部と反対側の端部に、連結ギヤ28を介して連結する。連結ギヤ28は、モータ224の回転駆動力を保持部材261に伝達させることによって、保持部材261を回転させることができる。
保持部材262は、第一部分262A及び第二部分262Bを有する。第一部分262A及び第二部分262Bは、それぞれ、保持部材261の第一部分261A及び第二部分261Bに対応する。第一部分262Aのうち、第二部分262Bが接続する端部と反対側の端部は、回転抑制機構80の下方の支持板に回転可能に支持される。保持部材261、262は、グリップローラ81の左右方向の長さと略同一長さ分、左右方向に離隔する。第二部分261Bのうち、第一部分261Aが接続する側と反対側の端部と、第二部分262Bのうち、第一部分262Aが接続する側と反対側の端部との間に、移動部材27が架設される。移動部材27は、細長い棒状である。以下、保持部材261、262を総称して、「保持部材26」という。
図9、図10は、モータ224の回転に応じて保持部材26が時計周りに回転した状態を示す。この状態で、保持部材26の第一部分261A、262Aは、グリップローラ81の下方からグリップローラ81の下流側まで、下流側斜め上方向に延びる。第二部分261B、262Bは、第一部分261A、262Aの上端から、グリップローラ81、ガイドレール74、及び、加熱機構86の上側を通って上流側に延びる。移動部材27は、台座ガイド部材71の保持部71Bの下側に配置される。以下、図9、図10におけるフィルム移動機構25の位置を、「退避前位置」という。
図12、図13は、モータ224の回転に応じて保持部材26が反時計回りに回転した状態を示す。この状態で、保持部材26の第一部分261A、262Aは、グリップローラ81の下方から、下流側斜め下方向に延びる。第二部分261B、262Bは、第一部分261A、262Aの下端から上側に向けて延びる。移動部材27は、グリップローラ81よりも下流側且つ下側に配置される。以下、図12、図13におけるフィルム移動機構25の位置を、「退避後位置」という。移動部材27は、フィルム移動機構25が退避前位置(図9、図10参照)から退避後位置(図12、図13参照)まで移動する過程で、搬送経路103の下側に配置された状態から、一旦搬送経路103の上側に移動する。移動部材27は、その後、再び搬送経路103の下側まで移動する。
<センサ205>
センサ205(図15参照)は、受け台13の内部空間に設けられる。センサ205は、ベルト512の下方に設けられた非接触式センサ(反射型センサ)である。センサ205は、ベルト512に設けられた反射板を検出可能である。
<台座2>
図1を参照し、台座2について説明する。台座2は略長方形状の板状部90を、曲折部911,912で折り曲げることによって作製される。曲折部911,912は、左右方向に間隔を空けて並ぶ、搬送方向に延びる折り目である。板状部90のうち曲折部911,912間の部分を、「第一板状部905」という。板状部90のうち曲折部911から立設する部分を、「第二板状部906」という。板状部90のうち曲折部912から立設する部分を、「第二板状部907」という。第一板状部905は、曲折部911,912に沿って均等間隔で形成された複数の穴927を有する。曲折部911に形成された複数の穴927は、それぞれ、曲折部912に形成された複数の穴927の何れかと左右方向に並ぶ。
複数の穴927は、それぞれ搬送部60を取り付け可能である。具体的には、図1に示すように、作業者は台座2を受け台12に載置する場合、複数の穴927のうち搬送方向の下流側にある一対の穴927に、それぞれ搬送部60を取り付ける。これにより、一対の穴927に取り付けられた搬送部60は、台座2を搬送方向の下流側に搬送できる。
<電気的構成>
図15を参照し、包装装置1の電気的構成を説明する。包装装置1は、CPU201、フラッシュメモリ202、RAM203、センサ205、センサ58、操作部206、表示部207、電磁ブレーキ82、リレー861B、ヒータ861A、及び、ソレノイド16Cを備える。CPU201は、包装装置1全体の制御を司る。CPU201は、フラッシュメモリ202に記憶されたプログラムを実行することによって、台座2に載置された物品3をフィルム24によって包装する処理を実行する。フラッシュメモリ202は、CPU201が実行する後述の各種処理のプログラム等を記憶する。リレー861Bは、ヒータ861Aと電気的に接続する。
包装装置1は、駆動部211〜217、モータ221〜227、エンコーダ232、及び、エンコーダ40を備える。駆動部211〜217は、それぞれ、モータ221〜227にパルス信号を出力することにより、モータ221〜227を駆動する。モータ221〜227はDCモータである。エンコーダ232は、モータ222の回転に応じた数のパルス信号を出力する。エンコーダ40は、巻き軸23の回転に応じた数のパルス信号を出力する。CPU201は、フラッシュメモリ202、RAM203、センサ205、センサ58、操作部206、表示部207、電磁ブレーキ82、リレー861B、ソレノイド16C、ヒータ861A、駆動部211〜217、エンコーダ232、及び、エンコーダ40と電気的に接続する。駆動部211〜217は、それぞれ、モータ221〜227と電気的に接続する。
<包装処理、監視処理>
図16〜図29を参照し、包装装置1のCPU201によって実行される包装処理(図16、図17参照)、及び、監視処理(図18参照)について説明する。なお、包装装置1の電源が投入される前に、フィルムロール22(図5参照)が装着部材141、142(図4参照)に装着されていることを前提とする。CPU201は、包装装置1に電源が投入された場合、フラッシュメモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、包装処理を開始する。なお、図19〜図27は、図2におけるA−A線の矢視方向断面図を示す。
図16に示すように、CPU201は、包装装置1の状態を初期化する(S11)。具体的には次の通りである。CPU201は、駆動部211を制御することによってモータ221を駆動し、押下機構39を上昇させて最上位に配置させる。一対の支持部材34によって支持された押下ローラ30〜33は、最上位に配置される(図19参照)。CPU201は、駆動部212を制御することによってモータ222を駆動し、搬送機構50のベルト511、512(図19参照)を回転させる。CPU201は、センサ205(図15参照)が反射板を検出した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止する。これによって、受け台12の受け面12A(図3参照)から搬送部60が上方に突出した状態とする(図19参照)。包装装置1は、ユーザが受け台12の受け面12Aに台座2をセットできる状態になる。CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、5つの加熱ユニット861を下降させて最下位に配置させる。5つの加熱ユニット861のそれぞれのヒータ861Aは、搬送経路103から下方に離隔する(図19参照)。CPU201は、駆動部214を制御してモータ224を駆動し、フィルム移動機構25を時計回りに回転させる。これによって、フィルム移動機構25は退避前位置に配置される(図19参照)。CPU201は、駆動部215を制御してモータ225を駆動し、切断部77を左側に移動させる。CPU201は、駆動部216を制御してモータ226を駆動し、一対の支持部材78を離隔位置に移動させる。保持部材72は、台座ガイド部材71の保持部71Bに対して下方に離隔した状態となる。CPU201は、電磁ブレーキ82に対する通電を停止させる。これによって、グリップローラ81は自由に回転することが可能な状態になる。CPU201は、リレー861Bを制御し、ヒータ861Aに対する通電を停止させる。
ユーザは、フィルムロール22からフィルム24を下方に引き出し、ローラ654A、654Bによってフィルム24を搬送方向の両側から挟む。ユーザは、フィルム24を更に下方に引き出し、押下ローラ33の上流側に配置させる。ユーザは、フィルム24を更に引き出し、搬送経路103(図19参照)の下側、且つ、台座ガイド部材71の保持部71Bの下流側に、フィルム24の先端を配置させる(図19参照)。ユーザは、受け台12上に台座2を載置させる(図19参照)。台座2は搬送部60によって位置決めされる。台座2の第一板状部905の辺901は下流側に配置され、辺902は上流側に配置される。台座2の第一板状部905上に物品3が載置される(図19参照)。
ユーザは、準備ができたことを包装装置1に通知するための入力操作を、操作部206を介して行う。CPU201は、駆動部216を制御してモータ226を駆動し、一対の支持部材78を近接位置に移動させる。保持部材72は、台座ガイド部材71の保持部71Bの下流側に近接する(図19参照)。フィルムロール22から引き出されたフィルム24の先端は、台座ガイド部材71の保持部71Bと保持部材72とによって搬送方向両側から挟まれる。以下、フィルム24のうち台座ガイド部材71の保持部71Bと保持部材72とによって挟まれる位置を含む先端近傍の部分を、「先端部分24A」(図28(A)参照)という。フィルム24と搬送経路103とは、フィルム24の先端部分24Aで交差する。フィルム24は、押下ローラ33の上流側と、台座ガイド部材71の保持部71Bと保持部材72とによって挟まれた部分との間を、上下方向に延びる。
CPU201は、巻き軸23に巻回されているフィルム24の量であるフィルム残量を入力する画面を、表示部207に表示する。ユーザは、使用されるフィルムロール22のフィルム残量の入力操作を、操作部206を介して行う。本実施形態では、ユーザはフィルム残量を示すフィルムロール22の直径(以下、「ロール径」という。)を入力する。CPU201は、ロール径(フィルム残量)の入力操作を、操作部206を介して検出した場合、入力されたロール径を取得する(S12)。CPU201は、取得したロール径をRAM203に記憶する。
CPU201は、包装動作の開始指示が入力されたか判断する(S13)。包装動作の開始指示が入力されていない場合(S13:NO)、CPU201は、包装動作の開始指示が入力されるまでS13の処理を繰り返す。ユーザが操作部206を介して包装動作の開始指示を入力した場合、CPU201は、包装の開始指示が入力されたと判断する(S13:YES)。CPU201は、ソレノイド16Cを駆動して連結ギヤ652(図5参照)を繰り出し位置に移動させる(S14)。これにより、包装装置1はモータ227の回転駆動力をローラ654Bに伝達可能な状態となる。CPU201は、フラッシュメモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、監視処理を開始する(S21)。CPU201は、監視処理を包装処理と並行して実行する。
図18を参照し、監視処理について説明する。監視処理は、巻き軸23の回転量を監視するための処理である。回転量はベクトル量であり、一方へ回転した場合の量が正の数で表わされた場合、他方へ回転した場合の量は負の数で表わされる。監視処理は、包装装置1による包装動作において、連結ギヤ652が繰り出し位置にあり、且つ、少なくともモータ227が駆動されている間、包装処理と並行して実行される。つまり、監視処理では、フィルム24がフィルムロール22から繰り出されている場合に、巻き軸23の回転量が監視される。
監視処理が開始されると、CPU201は、初期化処理を実行する(S100)。初期化処理では、後述のS101でRAM203に記憶された値がクリアされる。CPU201は、エンコーダ40によって出力されたパルス信号に基づいて、一定時間(例えば、0.6秒)内における巻き軸23の回転量を取得する(S101)。CPU201は、取得した巻き軸23の回転量の値、及び、取得した巻き軸23の回転量を累積した値をRAM203に記憶する。以下、累積された回転量を、「累積回転量」という。CPU201は、記憶した巻き軸23の回転量の値に基づいて、巻き軸23が回転しているかを判断する(S102)。
ここで、連結ギヤ652が繰り出し位置にあり、且つ、モータ227が駆動されている場合、モータ227の回転駆動力がローラ654Bに伝達されるため、ローラ654Bは時計回りに回転している状態である。フィルムロール22のフィルム24がある場合、ローラ654Bが時計回りに回転しているため、ローラ654Aとの間に挟んだ状態のフィルム24が、フィルムロール22から繰り出される。この場合、フィルムロール22からフィルム24が繰り出されることにより、巻き軸23が回転する。巻き軸23の回転に伴ってフィルムギヤ23Bと連結ギヤ651とが回転し、円盤41が回転する。これにより、エンコーダ40はフィルムギヤ23Bと連結ギヤ651とを介して巻き軸23の回転を検出する。一方、フィルムロール22のフィルム24がない場合、ローラ654Bが時計回りに回転しているにも関わらず、フィルムロール22から繰り出されるフィルム24がないため、巻き軸23は回転しない。この場合、連結ギヤ651も回転しないため、エンコーダ40は巻き軸23の回転を検出しない。
一定時間内における巻き軸23の回転量の値が「0」でない場合、CPU201は、巻き軸23が回転していると判断する(S102:YES)。この場合、フィルムロール22のフィルム24があると判断されるため、CPU201は、処理をそのままS101に戻し、一定時間内における巻き軸23の回転量を繰り返し取得する。一定時間内における巻き軸23の回転量が「0」である場合、CPU201は、巻き軸23が回転していないと判断する(S102:NO)。この場合、フィルムロール22のフィルム24がなくなったと判断されるため、CPU201は、駆動部211〜217を制御してモータ221〜227の駆動をそれぞれ停止させる(S103)。CPU201は、エラー音を鳴らしたり、エラーランプ(図示略)を点滅させたりすることで、ユーザに対してエラー報知する。CPU201は、並行して実行している包装処理を終了する(S104)。CPU201は、監視処理を終了する。よって、包装装置1による包装動作が停止され、ユーザは使用しているフィルムロール22のフィルム24がなくなったことを把握できる。
図16に示すように、S21の処理によって監視処理が開始された後、CPU201は、駆動部217を制御してモータ227の駆動を開始する(S22)。ローラ654Bは、モータ227の回転に応じて回転する。フィルム24は、ローラ654A、654B(図5参照)によってフィルムロール22から強制的に繰り出される(矢印171、図19参照)。このため、フィルム24は弛んだ状態となる。
CPU201は駆動部212を制御してモータ222を正方向に回転させる(S23)。ベルト511、512は正方向(図19における矢印181の方向)に回転する。搬送部60は、搬送経路103に沿って台座2を上流側から下流側に搬送する。台座2の第一板状部905の下流側の端部(辺901)はフィルム24に接触し、その後、保持部材72上を通過する(図20における矢印182)。台座2の第一板状部905の辺901は、フィルム24を下流側に押す。台座2の第一板状部905の辺901は、上流側から移動経路104に近づき、5つの加熱ユニット861の上方を通過する(図20参照)。なお、フィルム24は、台座ガイド部材71の保持部71Bと保持部材72とによって、先端が挟持されている。台座2の第一板状部905の辺901によってフィルム24が下流側に押されることで、フィルム24の先端は台座2の第一板状部905の下面に回り込む。
台座2が下流側に搬送されることによって、台座2の第一板状部905の辺901は、搬送経路103と移動経路104とが交差する交差位置105を上流側から下流側に向けて横切る。台座2は更に下流側に移動する。図21に示すように、フィルムロール22から延びるフィルム24は、押下ローラ33の上流側に接触して僅かに上流側に誘導され、押下ローラ33と接触する部分で曲折して下流側に延び、台座2の第一板状部905の辺901及び物品3の下流側に至る。台座2の第一板状部905及び物品3の上側を覆う位置にフィルム24が配置される。押下ローラ30〜32は、台座2及び物品3の上方に延びるフィルム24の上方に配置された状態になる。
図16に示すように、CPU201は、S23の処理によって台座2の下流側への搬送を開始させた後、エンコーダ232から出力されるパルス信号に応じて、台座2の搬送を開始してからのモータ222の回転量を特定する。CPU201は、台座2の第一板状部905の辺901が、最上位に配置された状態での5つの加熱ユニット861の上方位置に対して距離L1(図28(A)参照)分下流側に移動したか否かを、特定したモータ222の回転量に基づいて判断する。なお、距離L1は、台座2の辺901、902間の長さL0(図28(A)参照)よりも僅かに短い。CPU201は、台座2の第一板状部905の辺901が、5つの加熱ユニット861の上方位置よりも下流側に距離L1分移動したと判断した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止させる(S24)。台座2の下流側への搬送が停止する。
CPU201は、駆動部217を制御してモータ227の駆動を停止させる(S25)。モータ227の回転に応じて回転していたローラ654Bの回転が停止する。ローラ654A、654B(図5参照)によるフィルムロール22からのフィルム24の繰り出しが停止する。CPU201は、S21の処理によって開始した監視処理(図18参照)を終了する(S26)。
CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、5つの加熱ユニット861を上昇させる(S31)。5つの加熱ユニット861が最上位に配置された状態となった後、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223の駆動を停止し、5つの加熱ユニット861の上昇を停止させる。図21に示すように、加熱機構86が最上位まで上昇(矢印183)した場合、5つの加熱ユニット861のそれぞれの上側は、搬送経路103に下方から近接し、搬送経路103よりも僅かに上側に配置された状態になる。図28(A)に示すように、台座2の第一板状部905の辺901は、5つの加熱ユニット861の上方位置よりも距離L1分下流側に移動しており、台座2の第一板状部905の下面には、フィルム24が回り込んでいる。従って、5つの加熱ユニット861が最上位に配置された状態で、5つの加熱ユニット861の上側は、台座2の第一板状部905の下面との間にフィルム24を挟んだ状態になる。以下、図28(A)の場合において、台座2の第一板状部905の下面のうち5つの加熱ユニット861の上側部分を、「第一台座部分2A」という。第一台座部分2Aは、フィルム24を挟んで5つの加熱ユニット861と対向する。フィルム24のうち第一台座部分2Aと5つの加熱ユニット861との間に挟まれた部分を、「第一フィルム部分24B」という。
図16に示すように、CPU201は、リレー861Bを制御し、ヒータ861Aに対して通電させ、ヒータ861Aを第一温度まで加熱させる(S32)。第一温度は、フィルム24の融点である130度よりも高く、具体的には160度である。ヒータ861Aは、フィルム24の第一フィルム部分24B(図28(A)参照)を加熱し、溶融する。溶融された第一フィルム部分24Bは、台座2の第一台座部分2A(図28(A)参照)に溶着する。CPU201は、ヒータ861Aの加熱を開始してから所定時間経過後、リレー861Bを制御し、ヒータ861Aに対する通電を停止させる。ヒータ861Aの加熱が停止する。
CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、5つの加熱ユニット861を下降させる(S33、矢印184、図22参照)。5つの加熱ユニット861のそれぞれの上側は、搬送経路103から離隔する。5つの加熱ユニット861が最下位に配置された後、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223の駆動を停止させる。5つの加熱ユニット861の下降が停止する。
CPU201は、駆動部216を制御してモータ226を駆動し、一対の支持部材78を離隔位置に移動させる(S34)。図22に示すように、一対の支持部材78が矢印185の方向に揺動する。保持部材72は、台座ガイド部材71の保持部71Bに対して下方に離隔した状態となる。台座ガイド部材71の保持部71Bと保持部材72とは、挟んだ状態のフィルム24の先端部分24Aを解放する(図28(B)参照)。
図16に示すように、S41〜S46の処理は、それぞれ、先述したS21〜S26の処理と対応するため、説明を一部省略する。S43の処理では、台座2は下流側に搬送される(S43、矢印186、図22参照)。図28(B)に示すように、フィルム24の第一フィルム部分24Bは、S32(図16参照)の処理によって、台座2の第一台座部分2Aに接着した状態となっている。このため、台座2の下流側への移動に応じて、フィルム24のうち第一フィルム部分24Bよりも先端側の先端部分24Aは、下流側に移動する。なお、切断部77を移動させるためのガイドレール74は、搬送経路103の下側に配置されており、フィルム24の先端部分24Aに下側から接触する。このため、フィルム24の先端部分24Aは、台座2の移動に伴って移動するとき、搬送経路103に沿って下流側に延びた状態となる。
図22に示すように、搬送部60は受け台13上に移動し、台座2の下流側は受け台13上まで搬送される。台座2の第一板状部905の上流側の端部(辺902)が、台座ガイド部材71上を通過する。台座2の第一板状部905の辺902は、交差位置105を上流側から下流側に横切る。
図16に示すように、CPU201は、S43の処理によって台座2の下流側への搬送を開始させた後、エンコーダ232から出力されるパルス信号に応じて、台座2の搬送を開始してからのモータ222の回転量を特定する。CPU201は、台座2の第一板状部905の辺902が、交差位置105に対して距離L2(図28(B)参照)分下流側に移動したか否かを、特定したモータ222の回転量に基づいて判断する。なお、距離L2は、一対の支持部材34のそれぞれの第一延設部34Bの下流側の端部と、押下ローラ30との間の距離よりも僅かに長い。CPU201は、台座2の第一板状部905の辺902が、交差位置105に対して距離L2分下流側に移動したと判定した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止させる(S44)。台座2の下流側への搬送が停止する。
S46の処理によって監視処理が終了した後、CPU201は、駆動部214を制御してモータ224を駆動し、フィルム移動機構25を退避前位置から退避後位置まで移動させる(S51)。フィルム移動機構25の移動部材27は、台座ガイド部材71の保持部71Bの下側から、搬送経路103よりも上側に一旦移動する。移動部材27は、その後、搬送経路103よりも下側に再度移動し、グリップローラ81よりも下流側、且つ、搬送経路103の下側に配置される(矢印187、図22参照)。図28(C)に示すように、移動部材27は、搬送経路103の上側から下側に移動する過程で、フィルム24の先端部分24Aを、搬送経路103の下側、且つ、移動経路104よりも下流側に移動させる。
図16に示すように、CPU201は、監視処理(図18参照)を開始する(S52)。CPU201は、監視処理を包装処理と並行して実行する。CPU201は、駆動部217を制御してモータ227の駆動を開始する(S53)。ローラ654Bは、モータ227の回転に応じて回転する。フィルム24は、ローラ654A、654Bによってフィルムロール22から強制的に繰り出される(矢印171、図27参照)。
CPU201は、駆動部211を制御してモータ221を駆動し、押下機構39を最上位から最下位に移動させる(S54)。押下ローラ30は、移動経路104に沿って最上位から最下位に移動する。押下ローラ30,32は、移動の過程で、下方に配置された状態のフィルム24に上側から接触し、フィルム24を下方に押し下げる(矢印188、図23参照)。フィルム24は、台座2の第一板状部905及び物品3の下流側、上側、及び上流側を覆う。図23に示すように、押下機構39が最下位に配置された状態で、グリップローラ81の複数の凸部81A(図14参照)は、押下ローラ30の複数の凹部30B(図14参照)に嵌合する。フィルム24は、グリップローラ81と押下ローラ30との間に挟まれる。押下ローラ31は、搬送経路103に対して下側から接する。
図16に示すように、CPU201は、駆動部217を制御してモータ227の駆動を停止させる(S55)。モータ227の回転に応じて回転していたローラ654Bの回転が停止する。ローラ654A、654B(図5参照)によるフィルムロール22からのフィルム24の繰り出しが停止する。CPU201は、S52の処理によって開始した監視処理(図18参照)を終了する(S56)。
図17に示すように、CPU201は、ソレノイド16Cを駆動して連結ギヤ652(図5参照)を巻き取り位置に移動させる(S61)。これにより、包装装置1はモータ227の回転駆動力を巻き軸23に伝達可能な状態となる。CPU201は、駆動部217を制御してモータ227の駆動を開始する(S62)。なお、S11の初期化処理において、電磁ブレーキ82に対する通電は停止されている。このため、グリップローラ81及び押下ローラ30は回転可能な状態である。従って、モータ227の回転に応じて、巻き軸23が回転し、フィルム24はフィルムロール22に巻き取られる(矢印172、図24参照)。フィルム24に張力が作用する。フィルム24に作用する張力によって、台座2及び物品3にフィルム24が密着する。
CPU201は、駆動部212を制御してベルト511、512が逆方向に回転するように、モータ222を逆方向に回転させる(S63)。台座2は、下流側から上流側に移動する(矢印189、図24参照)。台座2の第一板状部905の辺902は、フィルム24に接触して上流側に押す。台座2の第一板状部905の辺902の左右両側の部分は、押下機構39の第一延設部342Bと第二延設部342Cとの間の隙間3424(図6等参照)に下流側から進入する。第二延設部342Cは、台座2の第一板状部905を上側から押え、台座2が上方に持ち上がることを抑制する。
台座2の第一板状部905の辺902は、下流側から交差位置105に近づく。台座2の第一板状部905の辺902は、下流側から上流側に向けて交差位置105を横切る。押下機構39の押下ローラ31は、台座2の下面に接触し、第一延設部342Bと第二延設部342Cとの間の隙間3424(図6等参照)に沿って台座2を上流側に誘導する。台座2の第一板状部905の辺902は、5つの加熱ユニット861の上方位置を通過し、上流側に移動する。更に台座2は上流側に移動する。台座2の第一台座部分2A(図28参照)は、5つの加熱ユニット861の上方位置を通過し、上流側に移動する。
CPU201は、エンコーダ232から出力されるパルス信号に応じて、S63の処理によって台座2の上流側への搬送を開始してからのモータ222の回転量を特定する。CPU201は、特定した回転量に基づいて、5つの加熱ユニット861の上方位置に対して台座2の第一台座部分2Aが距離L3(図29(D)参照)分上流側に移動したか判断する。なお、距離L3は、第一台座部分2Aの搬送方向の幅よりも長い。なお、第一台座部分2Aは、台座2のうちフィルム24の第一フィルム部分24Bがヒータ861Aによって溶着された部分に対応する。このため、第一台座部分2Aの搬送方向の幅は、ヒータ861Aの搬送方向の幅よりも僅かに大きくなる。CPU201は、台座2の第一台座部分2Aが、5つの加熱ユニット861の上方位置よりも上流側に距離L3分移動したと判断した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止させる(S64)。台座2の搬送が停止する。
図29(D)に示すように、台座2の下面のうち、第一台座部分2Aに対して距離L3分上流側の部分(以下、「第二台座部分2B」という。)が、最上位に配置された状態における5つの加熱ユニット861の上方位置に配置される。第二台座部分2Bは、第一台座部分2Aよりも下流側に配置される。第二台座部分2Bは、5つの加熱ユニット861と対向する。フィルム24は、第一台座部分2Aに溶着する第一フィルム部分24Bから、第二台座部分2Bの下側を通過して下流側に延び、台座2の第一板状部905の辺901に接触して上流側に曲折する。以下、フィルム24のうち、第二台座部分2Bと対向する部分を、「第三フィルム部分24D」という。第三フィルム部分24Dは、第一フィルム部分24Bに対して下流側に配置される。
フィルム24は、物品3の下流側、上側、及び下流側に接触して上流側に延び、台座2の第一板状部905の辺902に接触して下流側に曲折する。フィルム24は、第一フィルム部分24Bに対して第一台座部分2Aと反対側(下側)から、第一フィルム部分24Bを覆い、下流側に延びる。以下、フィルム24のうち、第一フィルム部分24Bを下側から覆う部分を、「第四フィルム部分24E」という。第一フィルム部分24Bは、台座2の第一台座部分2Aと、フィルム24の第四フィルム部分24Eとの間に配置される。
フィルム24は、第三フィルム部分24Dに対して第二台座部分2Bと反対側(下側)から、第三フィルム部分24Dを覆い、更に下流側に延びる。以下、フィルム24のうち、第三フィルム部分24Dと対向する部分を、「第二フィルム部分24C」という。第三フィルム部分24Dは、台座2の第二台座部分2Bと、フィルム24の第二フィルム部分24Cとの間に配置される。フィルム24は、グリップローラ81及び押下ローラ30によって挟まれた部分で上流側に曲折し、上流側に向けて延びる。なお、フィルム24の先端部分24Aは、台座2の上流側への移動に応じて上流側に曲折し、フィルム24の第二フィルム部分24C及び第三フィルム部分24Dとの間を通って下流側に延びる。
図17に示すように、CPU201は、電磁ブレーキ82に対する通電を開始する(S71)。これにより、グリップローラ81の回転が規制される。グリップローラ81と押下ローラ30との間に挟まれた状態のフィルム24は、グリップローラ81の複数の凸部81Aと、押下ローラ30の複数の凹部30Bとの間に挟まれた部分で移動不可能となる。S71の処理が実行されたときにフィルムロール22から繰り出されているフィルム24のうち、切断部77によって切断される部分までの長さは、長さT0(図24参照)である。CPU201は、監視処理(図18参照)を開始する(S72)。CPU201は、監視処理を包装処理と並行して実行する。
CPU201は、駆動部217を制御してモータ227の駆動を停止させる(S73)。フィルムロール22へのフィルム24の巻き取りが停止する。フィルム24の巻き取りによってフィルム24に作用していた張力が開放される。従って、フィルム24は、作用していた張力からの開放に伴って、フィルムロール22から繰り出される(矢印173、図25参照)。なお、フィルム24は、グリップローラ81の歯車と、押下ローラ30の歯車との間で挟まれて固定されている。これにより、巻き軸23が回転し、連結ギヤ651が回転する。ここで、S72の処理によって監視処理が実行されているため、使用されているフィルムロール22のフィルム24が十分にある場合、S101(図18参照)の処理によって巻き軸23の回転量が繰り返し取得されている。従って、張力からの開放によりフィルム24が繰り出されることによって回転した巻き軸23の回転量及び累積回転量は、RAM203に記憶される。
CPU201は、後述するS75の処理によってフィルム24を切断する前であって、S73の処理によってモータ227の駆動が停止されてから特定時間経過後、S72の処理によって開始した監視処理を終了する(S74)。特定時間は、少なくとも、S74の処理が実行されてから後述するS75の処理が実行されるまでの時間よりも短い。特定時間は、S73の処理によってモータ227の駆動が停止されてから、フィルム24が張力からの開放に伴って繰り出されることによって回転する連結ギヤ651の回転が停止するまでの間の時間よりも長いことが好ましい。
CPU201は、駆動部215を制御してモータ225を駆動し、ガイドレール74(図12参照)に沿って切断部77を左側から右側に移動させる(S75)。切断部77が右側に移動することによって、フィルム24は、グリップローラ81の複数の凸部81Aと、押下ローラ30の複数の凹部30Bとの間に挟まれた部分よりもフィルムロール22側、且つ、押下ローラ30、32間を延びる部分で、刃部771によって切断される。切断部77は、フィルム24のうち台座2の第一板状部905及び物品3を覆った部分を、フィルムロール22側から切り離す。S75の処理が実行されたときにフィルムロール22から繰り出されているフィルム24のうち、フィルム24の端部までの長さは、長さT1(図25参照)である。
フィルム24の切断後、フィルム24のうちフィルムロール22側から切り離された部分は、フィルム24に作用する張力によって、グリップローラ81及び押下ローラ30によって挟まれた部分から抜けようとする。しかし、グリップローラ81の複数の凸部81A及び押下ローラ30の複数の凹部30Bが嵌合してフィルム24を間に挟んでいるので、フィルム24は、グリップローラ81及び押下ローラ30によって挟まれた部分から抜けない。一方、フィルムロール22から延びるフィルム24のうち切断された端部は、台座ガイド部材71の下流側に垂れ下がる。作用していた張力からの開放により繰り出されるフィルム24の長さは一定ではないため、台座ガイド部材71の下流側に垂れ下がっているフィルム24の長さにもバラツキがある。例えば、フィルム24のうち切断された端部が保持部71Bよりも上側にある場合、後述するS86の処理で適切にフィルム24を保持することができない場合がある。更に、フィルム24のうち切断された端部が特定位置よりも下側にある場合、一対の支持部材78等、搬送経路103の下側に配置されている部材に引っかかる場合がある。特定位置は、少なくとも保持部71Bの下側の位置であって、フィルム24のうち切断された端部が一対の支持部材78等の部材に引っかからない高さの位置である。これらの場合、包装装置1は、次の包装動作をスムーズに行うことができない問題が生じる可能性がある。そこで、本発明に係る包装装置1は、以下の処理を実行する。
CPU201は、S72の処理によって開始した監視処理においてS102の処理によってRAM203に記憶された巻き軸23の累積回転量の値を読み出す(S81)。以下、S81の処理によって読み出された巻き軸23の累積回転量を、「特定回転量」という。特定回転量は、S101の処理で記憶された巻き軸23の累積回転量のうち、S72の処理によって開始され、S74の処理によって停止された監視処理において、記憶された巻き軸23の累積回転量である。本実施形態では、S72の処理は、S71の処理によってフィルム24がグリップローラ81の歯車と押下ローラ30の歯車との間で移動不可能となった場合に実行される。S74の処理は、S75の処理によってフィルム24が切断される前に実行される。特定回転量は、例えば、S73の処理によって、張力からの開放によりフィルムロール22からフィルム24が繰り出されることによって回転したときの巻き軸23の回転量である。CPU201は、S12の処理によって取得して、RAM203に記憶したロール径(フィルム残量)に所定の算出式を適用させ、通常回転量を算出する(S82)。通常回転量は、フィルムロール22からフィルム24を所定の長さだけ巻き取り又は繰り出すための巻き軸23の回転量である。本実施形態では、所定の長さは、例えばフィルム24が切断部77によって切断される位置から保持部71Bの下側近傍の位置までの長さであり、予め設定されている。所定の算出式は、ロール径に基づいて、通常回転量を算出することが可能な式である。
CPU201は、S81の処理によって特定された特定回転量とS82の処理によって算出された通常回転量との和である実回転量を算出する(S83)。CPU201は、駆動部217を制御してモータ227の駆動を開始する(S84)。S61の処理によって連結ギヤ651が巻き取り位置にあるため、フィルム24がフィルムロール22に巻き取られる(矢印192、図26参照)。CPU201は、後述するS85の処理までの間、駆動部217を制御してモータ227を駆動し、フィルム24を巻き取る制御を継続する。CPU201は、モータ227が回転したときにエンコーダ40から出力されるパルス信号に応じて、RAM203に記憶された巻き軸23の累積回転量を更新する。
CPU201は、RAM203に記憶された巻き軸23の累積回転量に基づいて、S84の処理によってフィルム24の繰り出しを開始してから、S83の処理によって算出された実回転量分、巻き軸23が回転したか判断する。CPU201は、巻き軸23が算出された実回転量分回転したと判断した場合、駆動部217を制御してモータ227の駆動を停止させる(S85)。フィルム24の巻き取りが停止する。S85の処理が実行されたときにフィルムロール22から繰り出されているフィルム24のうち、フィルム24の端部までの長さは、長さT2(図26参照)である。
以上により、フィルム24は実回転量に応じた長さだけ巻き取られる。実回転量は、特定回転量と通常回転量との和である。特定回転量に応じた長さは、長さT1と長さT0との差分の長さである。通常回転量に応じた長さ(所定の長さ)は、長さT0と長さT2との差分の長さである。つまり、実回転量に応じた長さは、長さT1と長さT2との差分の長さである。従って、フィルム24は、実回転量に応じた長さだけ巻き取られた場合、切断部77によって切断された端部が保持部71Bの下側近傍の位置に移動するまで巻き取られる。これにより、S75の処理によってフィルム24が切断され、S85の処理によってモータ227の駆動が停止した場合、フィルム24の端部は、保持部71Bの下側近傍の位置にある状態となる。
CPU201は、駆動部216を制御してモータ226を駆動し、一対の支持部材78を近接位置に移動させる(S86)。図26に示すように、一対の支持部材78は矢印190の方向に揺動する。保持部材72は、台座ガイド部材71の保持部71Bに近接した状態になる。フィルム24のうち切断部77によって切断された端部は上記の処理によって保持部71Bの下側近傍の位置にあるため、フィルム24の先端部分24Aは、台座ガイド部材71の保持部71Bと保持部材72とによって適切に挟まれる。これにより、包装装置1は次の包装動作をスムーズに行うことができる状態になる。
図16に示すように、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、5つの加熱ユニット861を上昇させる(S91)。5つの加熱ユニット861が最上位に配置された状態となった後、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223の駆動を停止し、5つの加熱ユニット861の上昇を停止させる。図26に示すように、5つの加熱ユニット861が最上位まで上昇(矢印191)した場合、5つの加熱ユニット861のそれぞれの上側は搬送経路103に下方から近接する。
図29(E)に示すように、5つの加熱ユニット861の上方位置には、台座2の第二台座部分2B、フィルム24の第二フィルム部分24C、第三フィルム部分24D、及び、先端部分24Aが配置される。5つの加熱ユニット861が最上位に配置されることによって、フィルム24の第二フィルム部分24C、第三フィルム部分24D、及び、先端部分24Aは、3層に積層した状態で、台座2の第二台座部分2Bと5つの加熱ユニット861との間に挟まれる。
図16に示すように、CPU201は、リレー861Bを制御し、ヒータ861Aに対して通電させ、ヒータ861Aを第二温度まで加熱させる(S92)。第二温度は、第一温度よりも低く、具体的には、フィルムの融点である130度である。図29(E)に示すように、ヒータ861Aは、フィルム24の第二フィルム部分24C、第三フィルム部分24D、及び、先端部分24Aを加熱し、溶融する。溶融されたフィルム24同士は溶着する。なお、第二温度は、台座2の第一台座部分2Aにフィルム24の第一フィルム部分24Bを溶着させるときのヒータ861Aの温度(第一温度)よりも低いので、台座2の第二台座部分2Bにフィルム24は溶着しない。CPU201は、ヒータ861Aの加熱を開始してから所定時間経過後、リレー861Bを制御し、ヒータ861Aに対する通電を停止させる。ヒータ861Aの加熱は停止する。
図16に示すように、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、5つの加熱ユニット861を下降させる(S93、矢印192、図27参照)。5つの加熱ユニット861の上面は、搬送経路103から離隔する。CPU201は、駆動部213を制御してモータ223の回転を停止させる。
図16に示すように、CPU201は、電磁ブレーキ82に対する通電を停止させる(S94)。これにより、グリップローラ81は回転可能な状態となる。CPU201は、駆動部212を制御して、ベルト511、512が正方向に回転するように、モータ222を正方向に回転させる(S95)。包装が完了した台座2及び物品3は、下流側に搬送される(矢印193、図27参照)。CPU201は、駆動部211を制御してモータ221を駆動し、押下機構39を最下位から最上位に移動させる(S96)。押下ローラ30は、移動経路104に沿って最下位から最上位に移動する。CPU201は、駆動部214を制御してモータ224を駆動し、フィルム移動機構25を退避後位置から退避前位置まで移動させる(S97)。CPU201は包装処理を終了する。
図29(F)は、上記の工程を経て包装された包装体93を示す。台座2及び物品3は、帯状のフィルム24によって一周以上巻かれることによって、包装されている。フィルム24の第一フィルム部分24Bと、台座2の第一台座部分2Aとが溶着している。ここで、台座2の第一板状部905を搬送方向に3等分した3つの領域905A、905B、905Cを定義する。領域905A、905B、905Cは、搬送方向に沿って下流側から順番に並ぶ。なお、領域905A、905B、905Cが並ぶ方向は、台座2に対してフィルム24が巻かれる方向に対応する。このとき、第一台座部分2Aは、領域905Cに含まれる。
又、フィルム24の第二フィルム部分24C、第三フィルム部分24D、及び、先端部分24Aは、台座2の第二台座部分2Bに対して下側に対向する位置で、互いに溶着している。台座2の第二台座部分2Bは、第一台座部分2Aに対して下流側に離隔する。フィルム24の第一フィルム部分24Bは、台座2の第一台座部分2Aとフィルム24の第四フィルム部分24Eとの間に配置されている。
<上記実施形態の主たる効果>
以上説明したように、エンコーダ40によって検出された巻き軸23の回転に基づいて、巻き軸23の回転量が取得される(S101)。物品3がフィルム24によって包装された場合に、フィルム24のうち物品3を包装した部分とは異なる部分が、グリップローラ81及び押下ローラ30によって保持される(S71)。フィルム24のうちグリップローラ81及び押下ローラ30によって保持された部分よりもフィルムロール22側の部分が、切断部77によって切断される(S75)。装着部材141,142に装着されたフィルムロール22に対して、フィルム24を巻き取り又は繰り出すモータ227の回転駆動が制御される(S22、S25、S42、S44、S53、S55、S62、S73、S84、S85)。ここで、S71の処理によってフィルム24がグリップローラ81及び押下ローラ30によって保持されてから、S84の処理によってモータ227の回転駆動が開始される前までの間の何れかの期間に、フィルム24が巻き取り又は繰り出される場合がある。例えば、フィルム24に張力が作用されている状態で切断されると、張力からの開放によりフィルムロール22に巻き取られる場合がある。又、ユーザがフィルムロール22を回転させて、フィルム24が巻き取り又は繰り出される場合がある。CPU201は、取得された巻き軸23の回転量のうち、S72の処理によって開始され、S74の処理によって終了される監視処理において実行されたS101の処理によって取得された特定回転量に応じて、モータ227の回転駆動を制御する(S84、S85)。これにより、少なくとも特定回転量分、フィルムロール22から繰り出されているフィルム24の長さを調節できる。従って、包装装置1は、フィルム24の切断後において、フィルムロール22から繰り出されているフィルム24の長さ(長さT1−長さT0)のバラツキを抑制できる。これにより、包装装置1は、フィルム24の切断された端部を特定位置に配置でき、フィルム24の先端部分24Aを保持部71Bと保持部材72とによって適切に保持できるため、次の包装動作をスムーズに行うことができる。
例えば、切断後のフィルム24の端部が特定位置よりも下側にある場合、一対の支持部材78等、搬送経路103の下側に配置されている部材に引っかかる場合がある。この場合、フィルム24は保持部71Bと保持部材72とによって適切に保持されない問題が生じる。一方、切断後のフィルム24の端部が保持部71Bよりも上側にある場合、フィルム24は保持部71Bと保持部材72とによって保持されない問題が生じる。本実施形態では、巻き軸23に巻回されているフィルム24の量であるフィルム残量が取得される(S12)。取得されたフィルム残量に基づいて、通常回転量が算出される(S82)。通常回転量は、装着部材141,142に装着されたフィルムロール22に対して、フィルム24を所定の長さだけ巻き取り又は繰り出すために巻き軸23が回転する量である。CPU201は、取得した特定回転量に加え、算出した通常回転量に応じて、モータ227の回転駆動を制御する(S84、S85)。これにより、フィルム24の切断後において、包装装置1は、装着部材141,142に装着されたフィルムロール22から繰り出されているフィルム24の長さを一定量調節できる。従って、包装装置1は、フィルム24の切断後にフィルム24を保持部71Bと保持部材72とによって適切に保持できる。これにより、包装装置1は、次の包装動作をスムーズに行うことができる。
包装装置1は、巻き軸23の回転を検出できるエンコーダ40を備える。従って、包装装置1は、巻き軸23の回転量を検出可能な他の検出装置(例えば、画像認識装置)を備えた場合に比べ、安価且つ簡易な構造で巻き軸23の回転を検出できる。
巻き軸23は、モータ227の回転駆動力が伝達された場合に、モータ227の回転駆動に伴って回転することで、装着部材141,142に装着されたフィルムロール22にフィルム24を巻き取り可能である。エンコーダ40は、巻き軸23の回転に基づいて、巻き軸23の回転量を検出する。包装装置1は、巻き軸23とは独立して設けられたローラ654A,654Bを備える。ローラ654A,654Bは、それぞれ、装着部材141,142に装着されたフィルムロール22から繰り出されたフィルム24に接触する。ローラ654A,654Bは、モータ227の回転駆動力が伝達された場合に、モータ227の回転駆動に伴って回転することで、装着部材141,142に装着されたフィルムロール22からフィルム24を繰り出し可能である。ローラ654A、654Bがモータ227の回転駆動に伴って回転している場合には、モータ227の回転駆動力の巻き軸23への伝達が解除される。この構成によれば、装着部材141,142に装着されたフィルムロール22からフィルム24が繰り出されている場合には、フィルム24の繰り出しに伴って巻き軸23が回転する。一方、巻き軸23に巻回されたフィルム24がなくなった場合、ローラ654A,654Bがモータ227の回転駆動に伴って回転してもフィルム24が繰り出されないため、巻き軸23は回転しない。ここで、ローラ654A,654Bがモータ227の回転駆動に伴って回転している場合には(S22〜S25、S42〜S44、S53〜S55、S62〜S73、S84〜S85)、S101の処理によって取得された巻き軸23の回転量に基づいて、巻き軸23が回転しているか判断される(S102)。巻き軸23が回転していないと判断された場合(S102:NO)、少なくともCPU201によるモータ227の回転駆動の制御が停止される(S103)。従って、包装装置1は、装着部材141,142に装着されたフィルムロール22のフィルム24がなくなった場合に、包装動作を停止できる。
フィルム24が切断される(S75)前に、ソレノイド16Cが駆動されて連結ギヤ652(図5参照)が巻き取り位置に移動し(S16)、モータ227の駆動が開始される(S62)。これにより、フィルム24は巻き取られて張力が付与される。モータ227の駆動が開始された(S62)後、フィルム24が切断される(S75)前に、モータ227の駆動が停止される(S73)。これにより、フィルム24は付与されていた張力から解放された状態で切断される。フィルム24は、切断によって作用されていた張力から解放されると、フィルムロール22に巻き取られたり、伸びていたフィルム24が急激に元の状態に戻ることにより、切断された部分が変形したりする場合がある。包装装置1では、フィルム24は、切断される前に、作用されていた張力から解放される。従って、フィルム24の切断後に、張力からの開放に伴ってフィルム24がフィルムロール22に巻き取られることが抑制される。更に、切断前後におけるフィルム24の状態の変化が抑制される。
監視処理は、S72の処理によって開始され、S74の処理によって終了される。S72の処理は、S71の処理によってフィルム24が保持された場合に実行される。S74の処理は、S73の処理によってモータ227の駆動が停止されてから特定時間経過後、S75の処理によってフィルム24が切断されるまでの間に実行される。従って、包装装置1は、S71の処理によってフィルム24が保持されてから監視処理が実行されている間において、巻き軸23の回転量を取得できる。さらに、S74の処理がS75の処理によってフィルム24が切断される前に実行されるため、包装装置1は、S75の処理によってフィルム24が切断された後、監視処理で取得された巻き軸23の回転量等に基づく処理をすぐに実行できる。これにより、包装装置1は包装工程にかかる時間を短縮できる。
<対応記載>
装着部材141,142が本発明の「装着部」に相当する。グリップローラ81及び押下ローラ30が本発明の「保持機構」に相当する。切断部77が本発明の「切断機構」に相当する。駆動部217が本発明の「駆動部」に相当する。エンコーダ40が本発明の「検出部」及び「エンコーダ」に相当する。図18のS101の処理を実行するCPU201が本発明の「第一取得手段」に相当する。図17のS71の処理を実行するCPU201が本発明の「保持手段」に相当する。図17のS75の処理を実行するCPU201が本発明の「切断手段」に相当する。図17のS84、S85の処理を実行するCPU201が本発明の「回転制御手段」に相当する。図16のS12の処理を実行するCPU201が本発明の「第二取得手段」に相当する。図17のS82の処理を実行するCPU201が本発明の「算出手段」に相当する。ローラ654Bが本発明の「ローラ」に相当する。図16のS14の処理を実行するCPU201が本発明の「解除手段」に相当する。図18のS102の処理を実行するCPU201が本発明の「判断手段」に相当する。図18のS103の処理を実行するCPU201が本発明の「第一停止制御手段」に相当する。図17のS62の処理を実行するCPU201が本発明の「巻取制御手段」に相当する。図17のS73の処理を実行するCPU201が本発明の「第二停止制御手段」に相当する。RAM203が本発明の「記憶部」に相当する。図17のS72の処理によって実行された監視処理における図18のS101の処理を実行するCPU201が本発明の「記憶手段」に相当する。図17のS81の処理を実行するCPU201が本発明の「読出手段」に相当する。
<変形例>
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、包装装置1のCPU201は、S73〜S75の代わりに図30に示すS731〜751を実行してもよい。以下、図30を参照し、変形例の包装装置1について説明する。なお、上記実施形態と同一のステップについては説明を省略する。S731が実行される前は、S61、S62の処理によって巻き軸23にはフィルム24を巻き取る方向に回転する力が作用しているため、フィルム24は張力が作用している状態である。CPU201は、S72の処理によって監視処理(図18参照)を開始した後、フィルム24を切断し(S731)、駆動部217を制御してモータ227の駆動を停止する(S741)。この場合、フィルム24に張力が作用されているため、包装装置1はフィルム24を切断しやすい。フィルム24は、張力が作用している状態で切断されると、張力からの開放とモータ227の駆動力とによって、フィルムロール22に巻き取られる。S72の処理によって監視処理が開始されているため、S101の処理によって張力からの開放とモータ227の駆動力とによって回転した巻き軸23の回転量はRAM203に記憶される(S101)。CPU201は、監視処理を終了する(S751)。この場合、フィルム24の切断後に回転した巻き軸23の回転量も検出できる。又、S72の処理は、S731の処理の後に実行されてもよい。なお、CPU201は、S84の処理においてフィルム24を巻き取るが、繰り出してもよい。この場合、CPU201は、S84の処理の前にソレノイド16Cを制御して連結ギヤ652を繰り出し位置に移動させてもよい。CPU201は、巻き軸23の回転量に基づいて、フィルム24を巻き取るか又は繰り出すかを判断してもよい。
上記実施形態では、S72の処によって実行される監視処理は、S71の処理によってフィルム24がグリップローラ81と押下ローラ30との間に挟まれてから、S75の処理によってフィルム24が切断される前までの間、実行されている。しかし、監視処理は、S71の処理によってフィルム24がグリップローラ81と押下ローラ30との間に挟まれてから、S86の処理によってフィルム24が保持部71Bと保持部材72とによって挟まれる前までの間の所定期間、実行されればよい。
上記実施形態では、CPU201は、S73の処理において、駆動部217を制御してモータ227の駆動を停止する代わりに、連結ギヤ652を繰り出し位置に移動させてもよい。この場合、フィルム24は、フィルムロール22から強制的に繰り出される。モータ227の駆動が制御されているため、フィルムロール22から繰り出されるフィルム24の量が安定する。更に、張力からの開放がないため、フィルム24の変形が抑制される。この場合、CPU201は、特定長さのフィルム24を繰り出したら駆動部217を制御してモータ227を停止させてもよい。CPU201は、モータ227を停止させた後であって、S75の処理によってフィルム24が切断される前にS74の処理を実行し、監視処理を終了してもよい。この場合、S74の処理によってフィルム24が切断される前に監視処理が終了されているため、包装装置1は、S74の処理によってフィルム24が切断された後、監視処理で取得された巻き軸23の回転量等に基づく処理をすぐに実行できる。CPU201は、S84の処理においてフィルム24を巻き取る場合、S84の処理の前にソレノイド16Cを制御して連結ギヤ652を巻き取り位置に移動させてもよい。なお、S73の処理において、駆動部217を制御してモータ227の駆動を停止する代わりに、連結ギヤ652を繰り出し位置に移動させるCPU201は、本発明の「繰出制御手段」に相当する。
エンコーダ40は、上記のインクリメタルタイプのロータリエンコーダに限定されず、例えばアブソリュートタイプでもよい。包装装置1は、エンコーダ40の代わりに、巻き軸23の回転を検出できる部材を備えてもよい。例えば、公知の画像認識技術を用いて巻き軸23の回転を検出してもよい。この場合、画像認識用のカメラが設けられる位置は、特段限定されない。上記実施形態では、エンコーダ40は、連結ギヤ651と同軸上に設けられるが、巻き軸23と同期して回転する位置に設けられれば、これに限定されない。例えば、巻き軸23と同軸上に設けられてもよい。この場合、他の部材(例えば連結ギヤ651)を介さないため、包装装置1は正確な巻き軸23の回転量を取得できる。S71の処理によってフィルム24を保持する方法、S75の処理によってフィルム24を切断する方法は、それぞれ、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、ローラ654B及び連結ギヤ651は、ソレノイド16Cが制御されることによりモータ227の駆動力が選択的に伝達されることによって回転する。これに対し、包装装置1は、ローラ654Bを回転させるモータと、連結ギヤ651を回転させるモータとの2つのモータを備えてもよい。CPU201は、S73の処理において、駆動部217を制御してモータ227の駆動を停止する代わりに、連結ギヤ651を回転させるモータの駆動を停止してもよい。更に、このとき、CPU201は、ローラ654Bを回転させるモータの駆動を開始してもよい。
包装装置1は、ローラ654A,654Bを備えなくてもよい。この場合、例えばCPU201は、モータ227を一方及び他方に回転させる制御を行うことで、フィルム24の巻き取り及び繰り出しを制御してもよい。この場合、タイミングベルト等の部材を備えなくてもよい。CPU201は、S102、S103の処理は実行しなくてもよい。CPU201は、S103の処理において、モータ221〜227の駆動を停止させ、エラーの報知を行うが、少なくともモータ227の駆動を停止させればよいし、包装装置1の電源を停止させてもよい。
CPU201は、S62の処理を実行しなくてもよい。この場合、S73の処理の実行時、モータ227は駆動していないため、CPU201はS73の処理を実行しなくてもよい。上記実施形態において、CPU201は、フィルム残量を取得し(S12)、取得したフィルム残量に基づいて、通常回転量を算出するが(S82)、S12、S82の処理を実行しなくてもよい。この場合、S83、S85の処理によって、特定回転量分だけ、フィルム24が巻き取り又は繰り出されることとなる。通常回転量に対応する所定の長さは、ユーザによって適宜変更設定できてもよい。所定の長さ及び通常回転量は、「0」であってもよい。
上記実施形態では、CPU201は実回転量を算出し(S83)、実回転量に基づいてモータ227の駆動制御を行う(S82、S83)。これに対し、CPU201は、S83の処理を実行せず、S81の処理によって特定した特定回転量に基づいてモータ227の駆動制御を行った後に、S82の処理によって算出した通常回転量に基づいてモータ227の駆動制御を行ってもよい。
上記実施形態では、CPU201は、ユーザによって操作部206を介して入力されたロール径(フィルム残量)を取得するが(S12)、フィルム残量の取得方法はこれに限定されない。CPU201は、例えば、フィルムの重さを取得することによって、フィルム残量を取得してもよい。フィルムロール22は、フィルム残量を示すデータが更新されて記憶されるIDチップ等を備えてもよい。この場合、包装装置1はフィルムロール22が備えるIDチップ等からフィルム残量を示すデータを読み取ることで、フィルム残量を取得してもよい。上記実施形態では、CPU201は、各種値をRAM203に記憶するが、フラッシュメモリ202に記憶してもよい。