以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。包装装置1は、台紙等の台座2上に載置された物品3をフィルム24で覆い、物品3を台座2に固定することによって、物品3を包装する。以下、このようにして物品3を包装することを、台座2及び物品3を包装するという。包装装置1は、図1の右斜め下側から左斜め上側に向けて、物品3が載置された台座2を搬送し、台座2及び物品3を包装する。図1の上側、下側、左斜め下側、及び右斜め上側を、夫々、包装装置1の上側、下側、右側、及び左側という。図1の右斜め下側及び左斜め上側を、夫々、搬送方向の上流側及び下流側という。
<筐体800>
図1に示すように、包装装置1は筐体800を備える。筐体800の形状は、上下方向を長手方向とする略直方体である。筐体800は、上筐体801及び下筐体803を備える。上筐体801は、2つの立設部802Aと架設部802Bとを備える。2つの立設部802Aは、夫々、下筐体803の左右両端部から上方に延びる。架設部802Bは、2つの立設部802Aの夫々の上端部の間に架設される。右側の立設部802Aに、各種情報を表示可能な表示部207が設けられている。
2つの立設部802Aは、それぞれ後述の側板部111,112(図2参照)を右側及び左側から覆う。架設部802Bは、後述のフィルムロール22(図2参照)を上側から覆う。下筐体803、2つの立設部802A、及び架設部802Bで囲まれた部分が、筐体800の内部空間を形成する。筐体800の内部空間は、筐体800の上流側及び下流側に形成された開口部805を介して、筐体800の外部と連通する。下筐体803の形状は、左右方向を長手方向とする略直方体である。ユーザが包装装置1に包装動作の開始又は停止を指示するための操作部206が、下筐体803に設けられている。
<受け台12,13>
下筐体803の上流側の側面の上端部から上流側に向けて、受け台12が水平方向に延びる。下筐体803の下流側の側面の上端部から下流側に向けて、受け台13が水平方向に延びる。受け台12,13の形状は、搬送方向を長手方向とする平面視略長方形の箱状である。受け台12は、開口部805に向けて搬送される台座2を上面で受ける。受け台13は、包装が完了した台座2及び物品3を上面で受ける。脚部121,131はそれぞれ受け台12,13を下方から支持する。
受け台12の上面を受け面12Aといい、受け台13の上面を受け面13Aという。受け面12A,13Aは、それぞれ水平であり、且つ互いに略同一の平面を形成する。従って受け面12A,13Aは、台座2をスムーズに搬送可能な平面である。受け面12A,13A上において台座2が搬送される部分を、搬送経路103(図23等参照)という。
図2に示すように、包装装置1は、底部10及び側板部111,112を備える。底部10の形状は、平面視矩形状である。側板部111は、底部10の右端部から上方垂直方向に延びる。側板部112は、底部10の左端部から上方垂直方向に延びる。側板部111,112の各形状は、いずれも上下方向を長手方向とする略長方形の板状である。側板部111,112の各内面は対向する。受け台12は、側板部111,112の上流側の端部に支持される。受け台13は、側板部111,112の下流側の端部に支持される。
<搬送機構50、搬送部60>
図3に示すように、受け台12、13の右端部及び左端部に、夫々、無端状のベルト511,512が設けられる。ベルト511,512は、それぞれ内側面に歯を有する。ベルト511は、一対のプーリ52A,52Bに架け渡される。プーリ52Aは、受け台12の右側面の上流側に回転可能に設けられる。プーリ52Bは、受け台13の右側面の下流側に回転可能に設けられる。プーリ52A,52Bは、ベルト511の内側に接触し、ベルト511を回転可能に支持する。ベルト512は、一対のプーリ53A,53Bに架け渡される。プーリ53Aは、受け台12の左側面の上流側に回転可能に設けられる。プーリ53Bは、受け台13の左側面の下流側に回転可能に設けられる。プーリ53A,53Bは、ベルト512の内側に接触し、ベルト512を回転可能に支持する。
ベルト511,512の外側面のうち上方を向く部分が、受け面12A,13Aに露出して、搬送方向に延びている。ベルト511,512の夫々の外側面に、搬送部60が設けられる。搬送部60は、ベルト511に設けられる右搬送部61と、ベルト512に設けられる左搬送部62とをそれぞれ含む。搬送部60では、右搬送部61と左搬送部62とが左右方向に対向する。
モータ222(図27参照)は、プーリ52B,53Bを回転駆動する。モータ222がプーリ52B,53Bを右側面視にて反時計回り方向に回転した場合、ベルト511,512が反時計回り方向に回転する。これに伴って、複数組の搬送部60は、後述するように台座2を上流側から下流側に搬送する。ベルト511,512、複数組の搬送部60、モータ222を総称し、搬送機構50という。
なお、以下における回転方向(時計回り又は反時計回り)の説明は、特段の限定がない限り、包装装置1を右側から見た時の方向を示すものとする。
<センサ204、センサ205>
図2に示すように、センサ204は、側板部111,112の上流側端部に設けられた非接触式センサであり、上流側の開口部805を経由する物体を検出可能である。センサ204は、上下方向に並んだ7つの検出部204A〜204Gを備える。7つの検出部204A〜204Gは、下から上に向けて順番に等間隔に並ぶ。7つの検出部204A〜204Gのそれぞれは、水平方向の内側に物体がある場合、信号を出力する。センサ205(図27参照)は、側板部111の内側に設けられる。センサ205は、ベルト512の外側面に設けられた反射板を検出することが可能な、非接触式センサである。センサ205は、ベルト512の下方に配置され、上方に光を照射する。センサ205は、反射板からの反射光を検出することによって、反射板を検出できる。なお、センサ205が反射板を検出した場合、ベルト511、512に設けられた搬送部60は、受け台12の受け面12Aから上方に突出した状態(図3の状態)になる。
<装着部材14>
図4に示すように、側板部111の上端部の左側面に装着部材141が設けられ、側板部112の上端部の右側面に装着部材142が設けられる。装着部材141、142の形状は左右対称である。以下、装着部材141について説明し、装着部材142の説明は省略する。装着部材141は、板状部141A、141B、141Cを備える。板状部141Bは、側板部111の上端部の上流側から左方に延びる。板状部141Cは、側板部111の上端部の下流側から左方に延びる。板状部141B、141Cの各面は搬送方向を向く。板状部141Aは、板状部141B、141Cの左端の間に架設される。板状部141Aの各面は左右方向を向く。
板状部141Aの上端に、下方に凹んだ凹部141Dが設けられる。凹部141Dは、端辺1411、1412、1413を有する。端辺1411、1412、1413は、それぞれ、凹部141Dの下側、上流側、及び、下流側の各辺である。端辺1411は搬送方向に直線状に延びる。端辺1412、1413は、上下方向に直線状に延びる。端辺1411の長さは、端辺1412、1413の長さよりも長い。
側板部111、112間に架設板117Aが架設される。架設板117Aの形状は板状である。架設板117Aは水平に延びる。架設板117Aは、装着部材141の下側で側板部111に接続し、装着部材142の下側で側板部112に接続する。後述するフィルムロール22(図5等参照)は、架設板117Aの上側に着脱可能に装着される。架設板117Aの上流側の端部よりも上流側に、架設板117Bが設けられる。架設板117Bは、側板部111、112間に架設される。架設板117Aの下流側の端部から上方に向けて、架設板117Cが延びる。
図5に示すように、架設板117Bは、側部1171、1172、架設部1173、1174を有する。側部1171は、側板部111(図4参照)の左側面から左方に延びる。側部1172は、側板部112(図4参照)の右側面から右方に延びる。架設部1173は、側部1171、1172の夫々の上端の間に架設される。架設部1174は、側部1171、1172の夫々の下端の間に架設される。
装着部材141に装着されたフィルムロール22から繰り出されるフィルム24(図5参照)は、架設板117Aの上流側の端部と、架設板117Bの架設部1174との間の隙間を通り、筐体800の内部空間まで下方に排出される。物品3が載置された台座2は、筐体800の内部空間を上流側から下流側に向けて搬送されると、フィルム24によって包装される。
<モータ227>
図4に示すように、モータ227は、装着部材141の板状部141Aの左側、且つ、架設板117Cの上流側に設けられる。モータ227の回転軸は、右側に水平に延び、板状部141Aに設けられた穴に挿通する。回転軸の右端は、板状部141Aよりも右側に突出する。モータ227の回転軸の右端に、ギヤ670(図5等参照)が固定されている。ギヤ670は平歯車である。
<フィルムロール22>
図5に示すように、フィルムロール22は、巻き軸23、及び、巻き軸23に巻回されたフィルム24を有する。巻き軸23は略円柱状であり、左右方向に延びる。巻き軸23の左右方向の長さは、フィルム24の左右方向の長さと略等しい。巻き軸23は、右側面から右側に突出する右凸部23Aを備える。右凸部23Aは略円柱状である。巻き軸23と右凸部23Aとのそれぞれの軸心の位置は一致する。右凸部23Aの直径は、装着部材141の凹部141Dの端辺1412、1413(図4参照)間の長さと等しい。フィルムロール22が包装装置1に装着された状態で、右凸部23Aの下側、上流側、及び下流側は、それぞれ、凹部141Dの端辺1411、1412、1413に接触する。
図示されていないが、巻き軸23は、右凸部23Aと同一形状の左凸部を左側面に備える。左凸部は、フィルムロール22が包装装置1に装着された状態で、装着部材142の凹部に接触する。巻き軸23は、装着部材141、142によって回転可能に支持される。
右凸部23Aの右側面に、フィルムギヤ23Bが設けられる。フィルムギヤ23Bは平歯車である。巻き軸23とフィルムギヤ23Bとのそれぞれの軸心の位置は一致する。フィルムギヤ23Bは、巻き軸23が装着部材141、142に支持された状態で、装着部材141の板状部141Aの延びる平面よりも右側に突出する。
<巻取ギヤ651、652>
図6に示すように、装着部材141の板状部141Aのうち凹部141D(図4参照)の下流側に、回転軸653が回転可能に支持される。回転軸653は、板状部141Aから右方水平方向に延びる。回転軸653に巻取ギヤ651、652が固定される。巻取ギヤ651は、板状部141Aの右側面の右側に配置される。巻取ギヤ652は、巻取ギヤ651の右側面の右側に配置される。巻取ギヤ651の右側面と、巻取ギヤ652の左側面とは接触する。巻取ギヤ651、652は、回転軸653を軸として回転可能である。巻取ギヤ651の直径は、巻取ギヤ652の直径の略1/2である。巻取ギヤ651は、フィルムロール22が装着部材141、142に装着された状態で、フィルムギヤ23Bに下流側から噛合する。詳細は後述するが、フィルムギヤ23Bは、巻取ギヤ651、652の回転に応じて、反時計回りに回転する。この場合、フィルムロール22にフィルム24が巻き取られる。
図5に示すように、巻取ギヤ652の右側に板状部材15が設けられる。板状部材15は、巻取ギヤ651、652、フィルムギヤ23Bの一部、及び、後述するソレノイド17(図6参照)を右側から覆う。板状部材15は、装着部材141の板状部141Aに固定される。回転軸653の右側の端部は、板状部材15に回転可能に支持される。
<繰出し機構40>
繰出し機構40は、伝達部材41、繰出し部材45、及び、レバー部材471、472、を備える。繰出し機構40は、フィルムロール22からフィルム24を引き出すための機構である。以下、それぞれについて説明する。
伝達部材41について説明する。図7に示すように、伝達部材41は、ギヤ411、412、413、415(図6参照)、ローラ414、416(図6参照)、及び、ベルト43を備える。ギヤ411、412、413、415は平歯車である。ギヤ411、413、415のそれぞれの直径は、ギヤ412、ローラ414、416のそれぞれの直径よりも僅かに小さい。
ギヤ411、412は、左右水平方向に延びる回転軸421に固定され、回転軸421を軸として回転可能である。ギヤ411は、ギヤ412の左側に配置される。ギヤ411の右側面と、ギヤ412の左側面とは接触する。ギヤ413及びローラ414は、左右方向に延びる回転軸422に固定され、回転軸422を軸として回転可能である。ギヤ413は、ローラ414の左側に配置される。ギヤ413の右側面と、ローラ414の左側面とは接触する。図6に示すように、ギヤ415及びローラ416は、左右方向に延びる回転軸423Aに固定され、回転軸423Aを軸として回転可能である。ギヤ415は、ローラ416の左側に配置される。ギヤ415の右側面と、ローラ416の左側面とは接触する。
図7に示すように、回転軸421は、装着部材141の板状部141Aの下端部且つ搬送方向略中央に回転可能に支持される。回転軸422は、装着部材141の板状部141Aの下端部且つ上流側に回転可能に支持される。回転軸423Aは、架設板117Bの側部1171(図5参照)に回転可能に支持される。回転軸421、422、423Aは、下流側から上流側に向けて略一直線上に並んで配置される。
ベルト43は、内側に歯を有する無端ベルトである。ベルト43は、ギヤ411、415間に架設される。ギヤ413は、ベルト43の下側部分のうち搬送方向略中央部分に内側から接触する。ギヤ413は、ベルト43の下側部分を下方に屈曲させることによって、ベルト43の弛みを調整する。ベルト43の内側の歯は、ギヤ411、413、415に噛合する。
繰出し部材45について説明する。図8、図9に示すように、繰出し部材45は、繰出ローラ451、プラテンローラ461、及び、除電ローラ462(図5参照)を備える。図7に示すように、繰出し部材45は、フィルムロール22が装着部材141、142(図4参照)に装着された状態で、フィルムロール22の上流側の端部の下方に配置される。
繰出ローラ451は、軸部451A及び7つの接触部451Bを備える。軸部451Aは円柱形であり、左右水平方向に延びる。軸部451Aの左右方向の長さは、側板部111、112(図4参照)間の長さと略同一である。以下、軸部451Aの直径、詳細には、軸部451Aの軸心と直交する平面で軸部451Aを切断したときの断面の直径を、第1径という。軸部451Aの右端部に、ローラ451Cが設けられる。
7つの接触部451Bは、軸部451Aの周囲に設けられる。7つの接触部451Bのそれぞれの左右方向の長さは、軸部451Aの左右方向の長さの略1/16である。7つの接触部451Bのそれぞれは、軸部451Aに対して左右方向に等間隔に並んで配置される。以下、7つの接触部451Bのそれぞれの直径、詳細には、7つの接触部451Bのそれぞれを軸部451Aの軸心と直交する平面で切断したときの断面の直径を、第2径という。
繰出ローラ451の直径は、7つの接触部451Bが設けられていない部分で第1径となり、7つの接触部451Bが設けられた部分で第2径となる。繰出ローラ451は、7つの接触部451Bのそれぞれの部分で、軸部451Aよりも直径が大きくなる。
図8に示すように、繰出ローラ451の上流側にプラテンローラ461が設けられる。プラテンローラ461は円柱状である。プラテンローラ461の直径は、繰出ローラ451の7つの接触部451Bのそれぞれの直径(第2径)と略同一である。図5に示すように、プラテンローラ461の右端は、架設板117Bの側部1171に回転可能に支持される。プラテンローラ461の左端は、架設板117Bの側部1172に回転可能に支持される。
除電ローラ462は、プラテンローラ461の下側に設けられる。除電ローラ462は円柱状である。除電ローラ462の直径は、プラテンローラ461の直径と略同一である。除電ローラ462の右端は、架設板117Bの側部1171に回転可能に支持される。除電ローラ462の左端は、架設板117Bの側部1172に回転可能に支持される。除電ローラ462とプラテンローラ461とは、上下方向に離隔する。除電ローラ462は、フィルム24と接触した場合に、フィルム24に帯電した静電気を除電できる。除電ローラ462の材料の具体例として、カーボン繊維、金属繊維などの導電性繊維が挙げられる。
図9に示すように、繰出ローラ451の近傍に巻付防止部材49が設けられる。図10に示すように、巻付防止部材49は、第1覆部491A、491B、第2覆部492、6つの第3覆部493、及び、接続部494A、494Bを備える。
第1覆部491A、491Bは、湾曲した板状部材である。第1覆部491Aは、軸部451Aの上流側のうち、軸部451Aの右端部から、最も右側に配置された接触部451B(図9参照)までの間の部分を覆う。第1覆部491Bは、軸部451Aの上流側のうち、軸部451Aの左端部から、最も左側に配置された接触部451B(図9参照)までの間の部分を覆う。第1覆部491A、491Bの曲率半径は、軸部451Aの半径(第1径の半分)よりも大きく、7つの接触部451Bの夫々の半径(第2径の半分)よりも小さい。従って、第1覆部491A、491B及び7つの接触部451Bを側面側から見たときに、第1覆部491A、491Bは、7つの接触部451Bよりも軸部451A側に配置され、7つの接触部451Bの外側に突出しない。
第2覆部492は、第1覆部491Aの左端と第1覆部491Bの右端との間に延びる板状部材である。図11に示すように、第2覆部492は、繰出ローラ451の下側から下流側に水平に延びる。図10に示すように、6つの第3覆部493は、それぞれ、第2覆部492の上流側の端部から延びる。6つの第3覆部493は、湾曲した板状部材である。6つの第3覆部493のそれぞれは、繰出ローラ451の軸部451Aのうち、隣接する2つの接触部451B(図9参照)で挟まれた6つの部分のそれぞれの上流側を覆う。
図11に示すように、6つの第3覆部493の曲率半径は、軸部451Aの半径(第1径の半分)よりも僅かに大きく、7つの接触部451Bの夫々の半径(第2径の半分)よりも小さい。6つの第3覆部493の曲率半径は、第1覆部491A、491Bの曲率半径と同一である。7つの接触部451B及び6つの第3覆部493を側面から見たときに、6つの第3覆部493は、7つの接触部451Bよりも軸部451A側に配置され、7つの接触部451Bの外側に突出しない。
図10に示すように、接続部494Aは、第1覆部491Aの右端に設けられ、接続部494Bは、第1覆部491Bの左端に設けられる。図9に示すように、接続部494Aは、後述する支持部材481に巻付防止部材49を固定し、接続部494Bは、後述する支持部材482に巻付防止部材49を固定する。接続部494Aは、軸部451Aの右端部のローラ451Cを上側から覆う。
支持部材481は、繰出ローラ451の軸部451Aの右端、且つ、架設板117Bの側部1171(図5参照)の下流側に設けられる。支持部材482は、繰出ローラ451の軸部451Aの左端、且つ、架設板117Bの側部1172(図5参照)の下流側に設けられる。支持部材481、482は、上下方向に延びる板状の部材である。支持部材481、482の各面は、左右方向を向く。支持部材481は、上下方向略中央で、軸部451Aの右端を回転可能に支持する。支持部材481のうち軸部451Aを支持する部分の上側に、接続部494Aが固定される。支持部材482は、上下方向略中央で、軸部451Aの左端を回転可能に支持する。支持部材482のうち軸部451Aを支持する部分の上側に、接続部494Bが固定される。
支持部材481は、上端に、右側に突出する軸部481Aを備える。支持部材482は、上端に、左側に突出する軸部482Aを備える。支持部材481、482は、それぞれ、下端に穴を有する。支持部材481の下端の穴に、回転軸423Aが挿通する。支持部材481は、回転軸423Aを軸として回動可能である。回転軸423Aに固定されたローラ416は、支持部材481の下端の左側に配置される。ローラ416は、ローラ451Cに下側から接触する。図8に示すように、支持部材482の下端の穴に、側板部112(図4参照)から右方水平方向に延びる回転軸423Bが挿通する。支持部材482は、回転軸423Bを軸として回動可能である。
図9に示すように、支持部材481の下端の右側に、ばね417Aが設けられる。支持部材482の下端の左側に、ばね417Bが設けられる。ばね417A、417Bはねじりばねである。ばね417A、417Bは、支持部材481、482を、右側面視にて時計回りに付勢する。
レバー部材471、472について説明する。図8に示すように、レバー部材471は、支持部材481の右側及び上側に設けられる。図12に示すように、レバー部材471は、第1部471A及び第2部471Bを有する。第1部471Aは上下方向に延びる。第2部471Bは、第1部471Aの上端から上流側に向けて斜め上方向に延びる。第1部471Aのうち第2部471Bと接続する側と反対側の端部471Dは、搬送方向と平行に延びる。図8に示すように、第1部471Aは、支持部材481の右側、且つ、架設板117Bの側部1171(図5参照)の下流側に配置される。第2部471Bは、架設板117Bの架設部1173(図5参照)の上端の上方を、下流側から上流側に向けて通過し、側部1171よりも上流側に突出する。
図12に示すように、レバー部材471の第1部471Aは、第2部471Bとの接続部分の下側に、左右方向に貫通する穴471Cを有する。図8に示すように、支持部材481の上端の軸部481Aは、穴471Cに左側から挿通する。
レバー部材472の形状は、レバー部材471と左右対称である。レバー部材472の第1部472Aは、支持部材482の左側、且つ、架設板117Bの側部1172(図5参照)の下流側に配置される。第2部471Bは、架設板117Bの架設部1173の上端の上方を、下流側から上流側に向けて通過し、側部1172よりも上流側に突出する。第1部472Aの穴に、軸部482Aが右側から挿通する。
レバー部材471は、第1部471Aの上流側の端部に対して下流側斜め上方向に力が作用した場合、図8の状態から、穴471Cに挿通する軸部481Aを軸として、右側面視にて反時計回りに回動する。レバー部材472は、第1部472Aの上流側の端部に対して下流側斜め上方向に力が作用した場合、図8の状態から、第1部472Aの穴に挿通する軸部482Aを軸として、右側面視にて反時計回りに回動する。以下、回動する前のレバー部材471、472の状態(図8、図13(後述)の状態)を、「挟持状態」という。回動した後のレバー部材471、472の状態(図14参照、後述)を、「解放状態」という。
図13を参照し、挟持状態について説明する。以下では、レバー部材471について説明し、レバー部材472については説明を省略する。挟持状態において、レバー部材471の第1部471A及び支持部材481は、架設板117Bの側部1171の下流側を上下方向に延びた状態になる。繰出ローラ451の7つの接触部451B(図8、図9参照)とプラテンローラ461とは接触する。巻付防止部材49の6つの第3覆部493(図9、図10参照)の夫々は、プラテンローラ461と接触しない。フィルムロール22からフィルム24が下方に繰り出される場合、7つの接触部451Bとプラテンローラ461とは、搬送方向の両側からフィルム24を挟み支持できる。除電ローラ462は、7つの接触部451Bとプラテンローラ461との間から下方に延びるフィルムロール22に接触可能である。なお、ばね417Aは、支持部材481を、右側面視にて時計回りに付勢する。ばね417Aは、レバー部材471の回動を抑制する。このため、レバー部材471、472は挟持状態で安定する。
挟持状態から解放状態に切り替わる過程でレバー部材471が右側面視にて反時計回りに回動する場合、第1部471Aの穴471Cに挿通する軸部481Aは、下流側に移動する。支持部材481は、下端の穴に挿通する回転軸423Aを軸として、右側面視にて反時計回りに回動する。第1部471Aの端部471Dは、レバー部材471の回動に応じて、架設板117Bの側部1171に沿って上方に移動する。なお、ばね417Aは、支持部材481を右側面視にて時計回りに付勢するので、解放状態に切り替わるまでの間、レバー部材471には、挟持状態に戻る向きの力が作用する。
図14を参照し、解放状態について説明する。解放状態において、レバー部材471は、第1部471Aが搬送方向に略水平に延び、第2部471Bが上下方向に垂直に延びた状態になる。支持部材481の上端の軸部481Aは、架設板117Bの側部1171から、第1部471Aの長さ分下流側に離隔する。支持部材481は、下端の回転軸423Aから下流側斜め上方向に延びる。第1部471Aの端部471Dは、架設板117Bの側部1171に接触する。第1部471Aの端部471Dの延びる方向と、側部1171の延びる方向とは一致し、レバー部材471の回動は抑制される。このため、ばね417Aから支持部材481に対して付勢力が作用しても、レバー部材471は解放状態で安定する。
解放状態において、繰出ローラ451の7つの接触部451B(図8、図9参照)とプラテンローラ461とは、搬送方向に離隔する。この場合、ユーザは、フィルムロール22から下方に引き出したフィルム24を、7つの接触部451Bとプラテンローラ461との間に容易に配置させることができる。
<伝達機構65>
伝達機構65は、モータ227の回転駆動力を、巻取ギヤ651、652又は繰出ローラ451に選択的に伝達させるための機構である。伝達機構65は、ソレノイド17、支持部材16、及び、伝達ギヤ67を備える。図6に示すように、ソレノイド17は、装着部材141の板状部141Aの右側面のうち凹部141D(図4参照)の下側に固定される。支持部材16は、装着部材141の板状部141Aの右側面の右側且つソレノイド17の下流側に設けられる。伝達ギヤ67は、支持部材16によって支持される。以下、それぞれについて説明する。
図15に示すように、ソレノイド17は、本体部171、プランジャ172、及びコイル(図示略)を備える。本体部171は略円柱状である。本体部171の軸心は搬送方向に延びる。本体部171は、軸心に沿って延びる穴171Aを備える。プランジャ172は、円柱形の第1部172A、及び、第1部172Aの径よりも小さい円柱形の第2部172Bを備える。プランジャ172は搬送方向に延びる。第1部172Aの上流側は穴171A内に配置され、下流側は本体部171から下流側に突出する。第2部172Bは、第1部172Aの下流側の端部から下流側に突出する。第2部172Bの下流側の端部に、外側に突出する突出部172Cが設けられる。プランジャ172は、穴171Aに沿って搬送方向に移動可能である。
本体部171は、穴171Aの周囲にコイル(図示略)を備える。コイルは、プランジャ172の第1部172Aの一部の周囲に巻回する。コイルに電流が通電した場合、プランジャ172に対して、下流側から上流側に向かう方向に磁気的な力が作用する。この場合、プランジャ172は上流側に移動する。
プランジャ172のうち、本体部171から下流側に突出する部分に、コイル状のばね174が巻回する。ばね174は圧縮ばねである。ばね174は、支持部材16の板状部16C(図16参照)と、ソレノイド17の本体部171との間に介在する。ばね174は、板状部16Cを下流側に付勢する。ばね174は、板状部16Cを下流側に付勢する。コイルに電流が通電しない場合、プランジャ172に磁気的な力は作用しない。この場合、ばね174によって板状部16Cが下流側に付勢され、板状部16Cは下流側に移動する。板状部16Cが下流側に移動することに応じて、板状部16Cからプランジャ172に対して、上流側から下流側に向かう方向の力が作用する。この場合、図15に示すように、プランジャ172は下流側に移動する。
図16、図17に示すように、支持部材16は、板状部16A、16B、16Cを備える。板状部16Aは、装着部材141の板状部141A(図6参照)の右側面の右側に配置される。板状部16Aは、右側面視にて上下方向に長い略長方形状である。板状部16Aの下端は、上流側から下流側に向けて下方に傾斜する。板状部16Aの各面は左右方向を向く。板状部16Bは、板状部16Aの右側に配置される。板状部16Bは、右側面視にて上下方向に長い略長方形状である。板状部16Bの下端は、下流側から上流側に向けて下方に傾斜する。板状部16Bの各面は左右方向を向く。板状部16A、16B間は、左右方向に離隔する。
板状部16A、16Bのそれぞれの上流側の端部の間に、板状部16Cが架設される。板状部16Cの各面は搬送方向を向く。板状部16Cの上端の左右方向略中央よりも左側に、下方に凹んだ凹部16Dが設けられる。凹部16Dの左右方向の長さは、ソレノイド17のプランジャ172の第2部172B(図15参照)の径よりも僅かに大きく、突出部172C(図15参照)の径よりも小さい。図15に示すように、凹部16Dに第2部172Bが挿通する。第2部172Bの突出部172Cは、板状部16Cの下流側に配置される。プランジャ172は、凹部16Dに沿って上下方向に移動可能である。
図16に示すように、板状部16A、16Bは、それぞれ、回転軸681、682を回転可能に支持する。回転軸681、682は、板状部16A、16B間に架設される。回転軸681は、板状部16A、16Bのそれぞれの下流側の下端部の間を左右水平方向に延びる。回転軸682は、板状部16A、16Bのそれぞれの下流側の上端部の間を左右水平方向に延びる。回転軸685は、板状部16Bの上流側の下端部から左方水平方向に延びる。
回転軸681の右端部は、板状部16Bから右方に突出する。回転軸681の右端部は、側板部111(図4参照)に回転可能に支持される。回転軸681の左端部は、板状部16Aから左方に突出する。回転軸681の左端部は、装着部材141の板状部141A(図4参照)に回転可能に支持される。回転軸682の右端部は、板状部16Bから右側に突出する。回転軸682の右端部は、側板部111に設けられた長穴111A(図15参照)に挿通する。図15に示すように、長穴111Aは搬送方向に略水平に延びる。支持部材16は、回転軸681を軸として、長穴111Aの長手方向の範囲で揺動可能である。
図16、図17に示すように、伝達ギヤ67は、ギヤ671〜675を備える。ギヤ671〜675は平歯車である。ギヤ671、672は、回転軸681に固定され、回転軸681を軸として回転可能である。ギヤ672の直径は、ギヤ671の直径の略1/4である。ギヤ671の右側面に、ギヤ672の左側面が固定される。ギヤ673、674は、回転軸682に固定され、回転軸682を軸として回転可能である。ギヤ674の直径は、ギヤ673の直径の略1/4である。ギヤ673の右側面に、ギヤ674の左側面が固定される。ギヤ675は、回転軸685に固定され、回転軸685を軸として回転可能である。ギヤ673、675は、ギヤ672に噛合する。図15に示すように、モータ227の回転軸の右端に固定されたギヤ670とギヤ671と間に、ベルト684が架設される。
モータ227が反時計回りに回転した場合、ベルト684を介して回転駆動力がギヤ671、672に伝達され、ギヤ671、672は反時計回りに回転する。ギヤ672の回転駆動力は、ギヤ672に噛合するギヤ674、675に伝達される。ギヤ673、674、675は時計回りに回転する。一方、モータ227が時計回りに回転した場合、ギヤ671、672は時計回りに回転し、ギヤ673、674、675は反時計回りに回転する。
図18を参照し、ソレノイド17のコイルに電流が通電しない場合について説明する。この場合、プランジャ172に磁気的な力は作用しない。支持部材16は、ばね174の付勢力によって、回転軸681を軸として右側面視にて反時計回りに揺動する。ギヤ675は上流側斜め上方向に移動し、ギヤ412の下流側且つ斜め下側に噛合する。ギヤ674は下流側に移動し、巻取ギヤ652から離隔する。以下、ソレノイド17のコイルに電流が通電しない状態での支持部材16の位置を、「繰出位置」という。
支持部材16が繰出位置に配置された場合、ギヤ674と巻取ギヤ652とは離隔するので、巻取ギヤ651、652は自由に回転可能となる。なお、包装装置1の電源がオフされた場合、ソレノイド17のコイルへの電流の通電は停止される。このため、包装装置1の電源がオフされた状態で、巻取ギヤ651、652は自由に回転可能な状態となる。従って、フィルムロール22の装着時にフィルムギヤ23Bを巻取ギヤ651に噛み合わせようとする場合、巻取ギヤ651の回転は妨げられない。このためユーザは、包装装置1の電源がオフされた状態でフィルムロール22を包装装置1に装着させる場合に、フィルムギヤ23Bを巻取ギヤ651に容易に噛合させることができる。
モータ227が反時計回りに回転した場合を例に挙げる。以下、モータ227が反時計回りに回転することを、「モータ227が繰出方向に回転する」という。この場合、ギヤ675は時計回りに回転する。ギヤ675に噛合するギヤ412は反時計回りに回転する。図19に示すように、ばね174の付勢力によってギヤ675が移動するときのギヤ675の移動方向は、上流側斜め上方向(矢印675Aの方向)を向く。一方、ギヤ675とギヤ412との噛合部分においてギヤ675からギヤ412に対して、上流側斜め下方向(矢印412Aの方向)に力が作用し、ギヤ412からギヤ675に対して、矢印412Aと反対方向(下流側斜め上方向、矢印675Bの方向)に力が作用する。従って、ギヤ675に作用する2つの力のそれぞれの方向(矢印675A、675Bの方向)は、何れも同じ上方向を向く。このためギヤ675は、ばね174の付勢力によってギヤ675が移動するときの移動方向(矢印675Aの方向)と逆方向(下流側斜め下方向、矢印675Cの方向)に移動し難くなるので、ギヤ675の歯は、ギヤ412の歯から外れ難くなる。
ギヤ412が回転することに応じて、ギヤ411も反時計回りに回転する。ギヤ411の回転駆動力は、ベルト43によってギヤ415に伝達され、ギヤ415は反時計回りに回転する。ギヤ415が回転することに応じて、ローラ416も反時計回りに回転する。図6に示すように、ローラ416の上方に接触するローラ451Cは時計回りに回転する。ローラ451Cが回転することに応じて、繰出ローラ451も時計回りに回転する。
レバー部材471、472(図5参照)が挟持状態であり、且つ、フィルムロール22から繰り出されたフィルム24が、繰出ローラ451の7つの接触部451Bとプラテンローラ461との間に挟持された状態を例に挙げる。この状態でモータ227が反時計回りに回転した場合、繰出ローラ451は、プラテンローラ461によって7つの接触部451Bにフィルム24が押し付けられた状態で、時計回りに回転する。7つの接触部451Bは、フィルム24を下方に送り出す。フィルム24は、繰出ローラ451及びプラテンローラ461の間を通って下方に移動する。フィルム24は、フィルムロール22から繰り出される。このように、プラテンローラ461がフィルム24を繰出ローラ451に押し付けながら繰出ローラ451が回転することによって、フィルム24はフィルムロール22から適切に繰出される。
また、除電ローラ462は繰出ローラ451及びプラテンローラ461の間を通って下方に移動したフィルム24に、上流側から接触する。除電ローラ462は、フィルム24に帯電した静電気を除電する。
なお、プラテンローラ461がフィルム24を7つの接触部451Bに押し付けることによって、フィルム24は、7つの接触部451Bの表面に付着する。この場合、フィルム24は、繰出ローラ451の回転に応じて7つの接触部451Bに巻き付こうとする。これに対し、繰出ローラ451の近傍に設けられた巻付防止部材49の6つの第3覆部493(図9参照)は、7つの接触部451Bに付着したフィルム24を、7つの接触部451Bから剥がす。巻付防止部材49は、7つの接触部451Bにフィルム24が巻き付くことを抑制できる。従って、繰出ローラ451の回転に応じてフィルムロール22から繰出されたフィルム24を、繰出ローラ451及びプラテンローラ461の間から下方に適切に移動させることができる。
支持部材16が繰出位置に配置された状態では、巻取ギヤ651、652は自由に回転可能となる。従って、巻取ギヤ651、652は、フィルム24が繰出されることに応じてフィルムロール22が回転することを妨げない。
繰出ローラ451によるフィルム24の繰り出しに応じてフィルムロール22が回転するとき、フィルムロール22に対して、巻き軸23の延びる方向(左右方向)と直交する方向且つ上流側斜め下方向(矢印241の方向)に力が作用する。矢印241の方向の力は、繰出ローラ451が回転したときに、繰出ローラ451とフィルム24との接触位置241Aでフィルム24が下方に繰り出されることに応じて発生する。このため矢印241の方向は、接触位置241Aとフィルムロール22の軸心との位置関係、及び、接触位置241Aと、繰出されたフィルム24がフィルムロール22から離隔する位置241Bに応じて決定される。フィルムロール22は、繰出ローラ451の回転によってフィルム24が繰り出されることに応じて回転するときに作用する矢印241の方向の力によって、装着部材14から外れようとする。
これに対し、矢印241に沿って巻き軸23の軸心から延びる仮想線241Cは、装着部材141の凹部141Dの端辺1413と交差する。端辺1413は、フィルムロール22が装着された状態で、巻き軸23の右凸部23Aに接触する。このため、端辺1413は、矢印241の方向の力がフィルムロール22に作用した場合に、フィルムロール22が矢印241の方向に移動することを規制できる。このため、凹部141Dの端辺1413は、繰出ローラ451の回転によるフィルムロール22からのフィルム24の繰り出し時に、フィルムロール22が装着部材141から外れることを抑制できる。
図20を参照し、ソレノイド17のコイルの電流が通電した状態について説明する。この場合、プランジャ172に磁気的な力が作用する。支持部材16は、プランジャ172が下流側に移動することに応じて、回転軸681を軸として右側面視にて時計回りに揺動する。ギヤ674は上流側斜め下方向に移動し、巻取ギヤ652に噛合する。ギヤ675は下流側に移動し、ギヤ412から離隔する。以下、ソレノイド17のコイルに電流が通電した状態での支持部材16の位置を、「巻取位置」という。
モータ227が時計回りに回転した場合を例に挙げる。以下、モータ227が時計回りに回転することを、「モータ227が巻取方向に回転する」という。この場合、ギヤ674は反時計回りに回転する。ギヤ674に噛合する巻取ギヤ652は、時計回りに回転する。巻取ギヤ652が回転することに応じて、巻取ギヤ651も時計回りに回転する。フィルムロール22が装着された状態で、巻取ギヤ651に嵌合するフィルムギヤ23Bは、巻取ギヤ651の回転に応じて反時計回りに回転する。フィルムギヤ23Bが反時計回りに回転した場合、巻き軸23は反時計回りに回転する。この場合、フィルムロール22にフィルム24が巻き取られる。
なお、図21に示すように、プランジャ172の移動によってギヤ674が移動するときのギヤ674の移動方向は、上流側方向(矢印674Aの方向)を向く。一方、ギヤ674と巻取ギヤ652との噛合部分においてギヤ674から巻取ギヤ652に対して、下流側斜め上方向(矢印652Aの方向)に力が作用し、巻取ギヤ652からギヤ674に対して、矢印652Aと反対方向(上流側斜め下方向、矢印674Bの方向)に力が作用する。従って、ギヤ674に作用する2つの力のそれぞれの方向(矢印674A、674Bの方向)は、何れも同じ上流側方向を向く。このためギヤ674は、プランジャ172の移動によって移動するときの移動方向(矢印674Aの方向)と逆方向(下流側方向、矢印674Cの方向)に移動し難くなるので、ギヤ674の歯は、巻取ギヤ652の歯から外れ難くなる。
なお、支持部材16が巻取位置に配置された状態では、ギヤ675とギヤ412とは離隔するので、ベルト43、ローラ416、及び、繰出ローラ451は自由に回転可能となる。従って、繰出ローラ451がプラテンローラ461との間にフィルム24を挟持した状態でフィルム24がフィルムロール22に巻き取られる場合でも、繰出ローラ451は自由に回転し、フィルムロール22への巻き取りに応じてフィルム24が上方に移動することを妨げない。
巻取ギヤ651の回転に応じてフィルムギヤ23B及び巻き軸23が回転し、フィルムロール22が回転するとき、フィルムロール22に対して、巻き軸23の延びる方向(左右方向)と直交する方向且つ上流側斜め下方向(矢印242の方向)に力が作用する。矢印242の方向は、図18の矢印241の方向と略同一である。矢印242の方向の力は、巻取ギヤ651が時計回りに回転するときに、フィルムギヤ23Bと噛合する噛合位置242Aでフィルムギヤ23Bを上流側斜め下方向に送り出すことに応じて発生する。このため、矢印242の方向は、噛合位置242Aとフィルムロール22との位置関係、及び、巻取ギヤ651とフィルムギヤ23Bとの回転方向に応じて決定される。フィルムロール22は、巻取ギヤ651及びフィルムギヤ23Bの回転に応じて回転するときに作用する矢印242の方向の力によって、装着部材14から外れようとする。
これに対し、矢印242に沿って巻き軸23の軸心から延びる仮想線242Cは、装着部材141の凹部141Dの端辺1413と交差する。端辺1413は、フィルムロール22が装着された状態で、巻き軸23の右凸部23Aに接触する。このため、端辺1413は、矢印242の方向の力がフィルムロール22に作用した場合に、フィルムロール22が矢印242の方向に移動することを規制できる。このため、凹部141Dの端辺1413は、巻取ギヤ651の回転によるフィルムロール22へのフィルム24の巻き取り時に、フィルムロール22が装着部材141から外れることを抑制できる。
<可動ローラ30>
図2に示すように、側板部111の右側面に、モータ221の回転によって駆動するキャリッジ349が設けられる。キャリッジ349は、支持部341(図22参照)に連結されている。側板部112の左側面に、キャリッジ350が設けられる。キャリッジ350は、支持部342(図22参照)に連結されている。
図22に示すように、支持部341,342を総称して支持部34という。誘導ローラ31、第1補助ローラ32、及び第2補助ローラ33を総称して可動ローラ30という。可動ローラ30は左右方向に延びる円柱体である。可動ローラ30の左右方向長さは、受け台12,13(図2参照)の左右方向長さと略同一である。支持部34は、可動ローラ30の左右両端部を回転自在に支持する。
支持部34は、右側面視略逆L字状の板状部材である。誘導ローラ31は、支持部34の下流側端部で支持される。第1補助ローラ32は、誘導ローラ31よりも若干上流側で、支持部34によって支持される。第2補助ローラ33は、第1補助ローラ32よりも上流側且つ上側で、支持部34によって支持される。つまり誘導ローラ31、第1補助ローラ32、及び第2補助ローラ33は、下流側から上流側に順番に並ぶ。
モータ221は、キャリッジ349,350を介して、可動ローラ30を支持する支持部34を上下方向に移動可能である。図23は、支持部34が最上位に配置された状態を示す。この状態で、支持部34のうち上下方向に延びる部分は、フィルムロール22の上流側の近傍に配置される。支持部34のうち搬送方向に延びる部分は、フィルムロール22の下方に配置される。可動ローラ30はフィルムロール22よりも下側に配置される。
図24は、支持部34が最下位に配置された状態を示す。この状態で、支持部34のうち搬送方向に延びる部分は、搬送経路103の下側に配置される。支持部34の移動に伴う誘導ローラ31の移動経路を、移動経路104という。誘導ローラ31が移動経路104に沿って最下位に移動した場合、誘導ローラ31は搬送経路103の下側に配置される。搬送経路103と移動経路104とが交差する位置を、交差位置105という。
<切断部77>
図23〜図25に示すように、交差位置105の下方に、左右方向に延びるガイドレール74が設けられる。ガイドレール74は、ベルト511よりも右側に延び、且つベルト512よりも左側に延びる。切断部77は、ガイドレール74の上流側に連結されており、且つガイドレール74に沿って移動可能である。切断部77は、上方に向けて突出し且つ左右方向に延びる刃部771を備える。モータ225(図27参照)は、切断部77をガイドレール74に沿って左右方向に移動する。
図24に示すように、支持部34が最下位に配置された場合、誘導ローラ31はガイドレール74の上方に配置される。誘導ローラ31と第1補助ローラ32との間に、切断部77から上方に延びる刃部771が配置される。この状態で、切断部77が左右方向に移動されると、刃部771はフィルムロール22から供給されたフィルム24を幅方向に切断できる。
<台座ガイドローラ71、保持ローラ72、加熱部86、回転抑制部80>
図23〜図25に示すように、側板部111,112(図2参照)で挟まれる部分の上流側、且つ搬送経路103の下側に、左右方向に延びる台座ガイドローラ71が設けられる。台座ガイドローラ71は、搬送経路103に下側から接する。台座ガイドローラ71は、搬送経路103に沿って上流側から下流側に搬送される台座2を、受け台12,13間で下方から支持し、受け台12から受け台13に誘導する。図24に示すように、支持部34が最下位に配置された場合、第2補助ローラ33は台座ガイドローラ71の上方近傍に配置される。
台座ガイドローラ71の下流側に、左右方向に延びる保持ローラ72が設けられる。保持ローラ72の左右端部は、保持部78によって回転可能に支持される。保持部78は、台座ガイドローラ71の下方に設けられた左右方向に延びる軸を中心に揺動可能である。保持部78は、モータ226(図27参照)によって揺動する。保持部78の揺動によって、保持ローラ72が台座ガイドローラ71の下流側に近接した状態(図23参照)と、保持ローラ72が台座ガイドローラ71から下方に離隔した状態(図24参照)とに切り替わる。図23に示すように、保持ローラ72が台座ガイドローラ71の下流側に近接した場合、保持ローラ72は搬送経路103に下側から接する。このとき、フィルムロール22から供給されたフィルム24が、保持ローラ72と台座ガイドローラ71とに挟まれる。
図25及び図26に示すように、保持ローラ72の下流側の近傍に、加熱部86が設けられる。加熱部86は、上端に3つの加熱ユニットを備える。加熱ユニットは、上面にヒータ871を備える。ヒータ871は、フィルム24に接触してフィルム24を加熱できる。モータ223(図27参照)が回転することで、加熱部86は上下方向に移動する。加熱部86が最上位に配置された状態(図25参照)で、3つの加熱ユニットの夫々の上面は、搬送経路103(図23、図24参照)に近接する。加熱部86が移動し、最下位に配置された状態(図23、図24参照)で、3つの加熱ユニットの夫々の上面は、搬送経路103から離隔する。
加熱部86の下流側に回転抑制部80が設けられる。回転抑制部80は、カム851、2つの支持棒82、及びストッパ81を備える。2つの支持棒82は搬送方向に延びる。ストッパ81は、2つの支持棒82の夫々の上流側端部に設けられ、且つ左右方向に延びる。ストッパ81の形状は、断面形状が四角形の棒状である。ストッパ81の上流側の面にゴムが設けられる。モータ224(図27参照)がカム851を回転した場合、2つの支持棒82は搬送方向に移動して、ストッパ81も搬送方向に移動する。
図26は、支持部34が最下位に配置され、台座ガイドローラ71と保持ローラ72とが近接し、加熱部86が最上位に配置され、ストッパ81が上流側に配置された状態を示す。ストッパ81は、誘導ローラ31に接触可能な位置に配置される。ストッパ81のゴムは、誘導ローラ31を上流側に押す。これによって、誘導ローラ31の回転は抑制される。加熱部86は、第1補助ローラ32と保持ローラ72との間を通って上方に突出する。
<台座2>
図1を参照し、台座2を説明する。台座2は略長方形状の板状部90を、曲折部911,912で折り曲げることによって作製される。曲折部911,912は、左右方向に間隔を空けて並ぶ、搬送方向に延びる折り目である。板状部90のうち曲折部911,912間に挟まれた部分を、第1板状部905という。板状部90のうち曲折部911から立設する部分を、第2板状部906という。板状部90のうち曲折部912から立設する部分を、第2板状部907という。第1板状部905は、曲折部911,912に沿って均等間隔で形成された複数の穴927を有する。曲折部911に形成された複数の穴927は、それぞれ、曲折部912に形成された複数の穴927のいずれかと左右方向に並ぶ。
複数の穴927は、それぞれ搬送部60を取り付け可能である。具体的には、図1に示すように、作業者は台座2を受け台12に載置する場合、複数の穴927のうち搬送方向の下流側にある一対の穴927に、それぞれ一組の搬送部60を取り付ける。これにより、一対の穴927に取り付けられた一組の搬送部60は、台座2を搬送方向の下流側に搬送できる。
<電気的構成>
図27を参照し、包装装置1の電気的構成を説明する。包装装置1は、CPU201、フラッシュROM202、RAM203、センサ204、205、操作部206、表示部207、ソレノイド17、及び、ヒータ871を備える。CPU201は、包装装置1全体の制御を司る。CPU201は、フラッシュROM202に記憶されたプログラムを実行することによって、台座2に載置された物品3をフィルム24によって包装する処理を実行する。フラッシュROM202は、CPU201が実行する後述の各種処理のプログラム等を記憶する。
包装装置1は、駆動部211〜217、モータ221〜227、エンコーダ231、232を備える。駆動部211〜217は、それぞれ、モータ221〜227にパルス信号を出力することによって、モータ221〜227を駆動する。モータ221〜227はDCモータである。エンコーダ231,232は、それぞれ、モータ221,222の回転に応じた数のパルス信号を出力する。CPU201は、フラッシュROM202、RAM203、センサ204、205、操作部206、表示部207、ソレノイド17、ヒータ871、駆動部211〜217、及び、エンコーダ231,232と電気的に接続する。駆動部211〜217は、夫々、モータ221〜227と電気的に接続する。
<パラメータテーブル2021>
図28を参照し、パラメータテーブル2021について説明する。パラメータテーブル2021では、受け台12(図1参照)上の台座2(図1参照)に載置された状態での物品3の上下方向の長さ(以下、「物品3の高さ」という。)、第1搬送速度、第2搬送速度、第3搬送速度、及び、第4搬送速度が関連付けられている。
物品3の高さは、「1」〜「7」及び「未定」の何れかである。物品3の高さ「1」〜「7」は、センサ204の検出部204A〜204Gに対応する。物品3の高さ「2」〜「7」は、最小の物品3の高さ「1」に対する相対値である。第1搬送速度、第2搬送速度、第3搬送速度、及び、第4搬送速度は、それぞれ、第1搬送工程〜第4搬送工程(後述)の各工程での台座2及び物品3の搬送速度を示す。第2搬送速度及び第3搬送速度は、物品3の高さが変化しても常に一致する。第2搬送速度及び第3搬送速度は、物品3の高さが大きい程小さい。第1搬送速度は、第2搬送速度及び第3搬送速度よりも小さい。第4搬送速度は、第2搬送速度及び第3搬送速度よりも大きい。CPU201は、パラメータテーブル2021に基づいて、各工程での台座2及び物品3の搬送速度を特定可能である。
<前準備>
ユーザは、包装装置1の電源を投入する前に、次の手順で前準備を行う。ユーザは、フィルムロール22(図5参照)を装着部材141、142(図4参照)に装着する。フィルムロール22のフィルムギヤ23B(図5参照)は、巻取ギヤ651(図5参照)に噛合する。なお、包装装置1は電源投入前の状態であるので、ソレノイド17のコイルに電流は通電していない。従って、支持部材16は繰出位置(図18参照)に配置され、巻取ギヤ651は自由に回転可能である。ユーザは、フィルムギヤ23Bを巻取ギヤ651に容易に噛合させることができる。
次にユーザは、レバー部材471、472を挟持状態(図13参照)から解放状態(図14参照)に切り替える。繰出ローラ451の7つの接触部451B(図8参照)とプラテンローラ461(図8参照)とは、搬送方向に離隔する。ユーザは、装着されたフィルムロール22からフィルム24を引き出し、繰出ローラ451とプラテンローラ461との間に通す。ユーザは、第2補助ローラ33の上流側にフィルム24を配置させて下方に手動で引き出す。次にユーザは、レバー部材471、472を解放状態から挟持状態に切り替える。繰出ローラ451の7つの接触部451Bとプラテンローラ461とは、搬送方向両側からフィルム24を挟む。以上で前準備は終了する。ユーザは、包装装置1の電源を投入する。
<包装処理、監視処理>
図29〜図38を参照し、包装装置1のCPU201によって実行される包装処理(図29参照)及び監視処理(図30参照)について説明する。CPU201は、包装装置1に電源が投入された場合、フラッシュROM202に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、包装処理を開始する。監視処理は、包装処理のS3の処理によって開始される。包装処理及び監視処理は並列して実行される。なお、図31から図38は、図2におけるA−A線の矢視方向断面図を示す。
CPU201は、包装処理及び監視処理を実行する場合、RAM203に記憶された搬送速度情報、及び、繰出速度情報を使用する。搬送速度情報には、第1搬送速度〜第4搬送速度が設定される。繰出速度情報には、繰出し機構40によってフィルムロール22からフィルム24が繰り出される場合のフィルム24の移動速度(以下、「繰出速度」という。)として、第1搬送速度、及び第2搬送速度が設定される。
図29を参照し、包装処理について説明する。CPU201は、包装装置1の状態を初期化する(S1)。具体的には次の通りである。CPU201は、駆動部211を制御することによってモータ221を駆動し、支持部34を上昇させて最上位に配置させる。これによって、支持部34によって支持された可動ローラ30は、最上位に配置される(図31参照)。CPU201は、駆動部212を制御することによってモータ222を駆動し、搬送機構50のベルト511、512(図31参照)を回転させる。CPU201は、センサ205(図27参照)が反射板を検出した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止する。これによって、受け台12の受け面12A(図3参照)から搬送部60が上方に突出した状態とする(図31参照)。包装装置1は、ユーザが受け台12の受け面12Aに台座2をセットできる状態になる。
CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、加熱部86を下降させて最下位に配置させる。これによって、加熱部86の上面のヒータ871は、搬送経路103から離隔した状態となる(図31参照)。CPU201は、駆動部214を制御してモータ224を駆動し、ストッパ81を下流側に移動させる(図31参照)。CPU201は、駆動部215を制御してモータ225を駆動し、切断部77を左側に移動させる。CPU201は、駆動部216を制御してモータ226を駆動し、保持部78を揺動させる。保持ローラ72は、台座ガイドローラ71に対して下方に離隔した状態(図24参照)となる。CPU201は、ソレノイド17のコイルに対する電流の通電を停止させる。これによって、支持部材16は繰出位置に移動する。
CPU201は、監視処理(図30参照)を開始する(S3)。図30を参照し、監視処理について説明する。CPU201は、搬送速度情報及び繰出速度情報を次のように初期化する(S71)。CPU201は、パラメータテーブル2021(図28参照)のうち、高さ「未定」に対応する第1搬送速度を、搬送速度情報に設定する。CPU201は、設定した搬送速度情報(第1搬送速度)に基づいて、フィルム24の繰出速度を特定する。以下、第1搬送速度に基づいて特定される繰出速度を、第1繰出速度という。CPU201は、特定した第1繰出速度を繰出速度情報に設定する。
なお、繰出速度として、搬送速度情報に設定された搬送速度が大きい程、大きい値が特定される。具体的には、CPU201は、搬送速度情報に設定された搬送速度を、所定の演算式に適用することによって、繰出速度を算出し、算出した繰出速度を繰出速度情報に設定する。なお、CPU201は、他の方法によって繰出速度を特定してもよい。例えば、パラメータテーブル2021のそれぞれの搬送速度に、繰出速度が関連付けられてもよい。CPU201は、パラメータテーブル2021に基づき、搬送速度に関連付けられた繰出速度を特定し、特定した繰出速度を繰出速度情報に設定してもよい。
CPU201は、センサ204の7の検出部204A〜204Gの夫々から出力される信号に基づいて、センサ204の内側に物体があるか否かを判断する(S73)。CPU201は、検出部204A〜204Gの何れかから信号を検出した場合、センサ204の内側に物体があると判断する。CPU201は、センサ204の内側に物体があると判断した場合(S73:YES)、包装処理が禁止された状態であることをユーザに通知するための画像(以下、「禁止画像」という。)を、表示部207に表示させる(S77)。CPU201は処理をS73に戻す。CPU201は、センサ204の内側に物体がないと判断した場合(S73:NO)、包装処理が許可された状態であることをユーザに通知するための画像(以下、「許可画像」という。)を、表示部207に表示させる(S75)。CPU201は処理をS79に進める。
以上のように、CPU201は、包装処理が実際に開始される前にセンサ204の内側に物体があると判断した場合、禁止画像を表示部27に表示させ、ユーザに通知する。これによって包装装置1は、開口部805内に異物が侵入していることをユーザに通知する。又、CPU201は、包装処理の開始前にセンサ204の内側に物体があると判断した場合、包装処理の実行を禁止する。これによって包装装置1は、開口部805内に侵入した異物が誤って包装されることを抑制する。
ユーザは、前準備で下方に引き出したフィルム24の先端を、搬送経路103(図31参照)の下側まで引っ張り、台座ガイドローラ71の下流側に配置させる(図31参照)。ユーザは、受け台12上に台座2を載置する(図31参照)。台座2は搬送部60によって位置決めされる。台座2の第1板状部905の辺901は下流側に配置され、辺902は上流側に配置される。台座2の第1板状部905上に物品3が載置される(図31参照)。
ユーザは、フィルム24の準備ができたことを包装装置1に通知するための入力操作を、操作部206を介して行う。CPU201は、駆動部216を制御してモータ226を駆動し、保持部78を揺動させる。保持部78が揺動することによって、保持ローラ72は台座ガイドローラ71の下流側に近接した状態になる(図31参照)。フィルムロール22から排出されたフィルム24の先端は、台座ガイドローラ71及び保持ローラ72によって搬送方向両側から挟まれる。フィルム24と搬送経路103とは、フィルム24の先端近傍で交差する。フィルム24は、第2補助ローラ33の上流側と、台座ガイドローラ71及び保持ローラ72によって挟まれた部分との間を、上下方向に真っ直ぐに延びた状態になる。
図30に示すように、CPU201は、台座2及び物品3のフィルム24による包装を開始する指示が操作部206を介して入力されたか判断する(S79)。包装の開始指示が入力されていない場合(S79:NO)、CPU201は処理をS73に戻す。CPU201は、物体があるか否かの判断をしながら、開始指示の入力を継続して待ち受ける。同様に、CPU201は、図29の包装処理において、包装の開始指示が入力されたか判断する(S5)。CPU201は、包装の開始指示が入力されていない場合(S5:NO)、処理をS5に戻す。
ユーザは、操作部206を介して包装の開始指示を入力する。図29に示すように、包装の開始指示が入力された場合(S5:YES)、CPU201は、繰出速度情報に設定された第1繰出速度を取得する。CPU201は、駆動部217を制御する。CPU201は、取得された第1繰出速度でフィルム24を繰り出すことが可能な回転速度で、モータ227を繰出方向に回転させる(S7)。CPU201は、S12(後述)の処理によってモータ227の繰出方向の回転が一時停止されるまでの間、繰出速度情報に設定された第1繰出速度を周期的に繰り返し、取得した第1繰出速度に基づいてモータ227を繰出方向に回転させる処理を繰り返す(S7)。
なお、前準備によって、レバー部材471、472は解放状態から挟持状態に切り替えられている。又、初期化処理(S1)によって支持部材16は繰出位置(図18参照)に配置されている。従って、繰出ローラ451の7つの接触部451Bは、プラテンローラ461との間にフィルム24を挟んだ状態で、フィルムロール22からフィルム24を繰り出す向き(図31における矢印161の方向)に回転する。フィルム24は、フィルムロール22から強制的に繰出される。フィルム24は弛む。
CPU201は、第1搬送工程の処理を、以下のように実行する。CPU201は、搬送速度情報に設定された第1搬送速度を取得する。CPU201は、駆動部212を制御する。CPU201は、上流側から下流側に台座2が搬送される向きにベルト511、512が回転し、且つ、取得した第1搬送速度でベルト511、512が移動するように、モータ222を回転させる。ベルト511、512は、受け台12の受け面12Aから上方に突出する搬送部60が上流側から下流側に移動する向き(図31における矢印181の方向)に回転する。搬送部60は、搬送経路103に沿って台座2を上流側から下流側に第1搬送速度で搬送する(S9)。以下、台座2を上流側から下流側に搬送させる場合のモータ222及びベルト511、512の回転方向を正方向といい、正方向と逆向きの回転方向を逆方向という。
台座2及び物品3の下流側は、センサ204(図27参照)の内側を通過してフィルム24に徐々に近づく。センサ204の7つの検出部204A〜204Gの夫々は、台座2及び物品3が内側を通過したことに応じて、信号を出力する。
図30に示すように、CPU201は、包装の開始指示が入力された場合(S79:YES)、センサ204の7つの検出部204A〜204Gの夫々から出力される信号の監視を開始する。CPU201は、センサ204の7つの検出部204A〜204Gの少なくとも何れかから信号を検出したか否か判断する(S81)。CPU201は、センサ204の7つの検出部204A〜204Gの少なくとも何れから信号を検出したと判断した場合、センサ204の内側に台座2及び物品3があると判断する(S81:YES)。
CPU201は、信号を出力した検出部204A〜204Gに基づいて、物品3の高さを特定する(S83)。具体的には、CPU201は、信号を出力した検出部204A〜204Gのうち、最も上位に配置された検出部204A〜204Gの何れかを特定する。CPU201は、特定した検出部204A〜204Gの何れかの位置を、7段階の高さ「1〜7」の何れかとして特定する。例えばCPU201は、検出部204Aを特定した場合、高さを「1」として特定し、検出部204Gを特定した場合、高さを「7」として特定する。
なお、図31等に示すように、台座2の第2板状部906、907(図1参照)の上下方向の長さが、物品3の上下方向の長さよりも大きい場合がある。この場合、センサ204の7つ検出部204A〜204Gから出力される信号に基づいてCPU201が特定可能な高さは、台座2の第2板状部906、907の高さとなり、CPU201は物品3の高さを特定できない。しかしながら、通常ユーザは、物品3の大きさに応じた高さの第2板状部906、907を有する台座2を使用し、台座2及び物品3を包装装置1によって包装する。物品3の高さが大きい程、第2板状部906、907の高さの大きい台座2が使用される場合が多い。従って、CPU201は、台座2の第2板状部906、907(図1参照)の上下方向の長さが物品3の上下方向の長さよりも大きい場合でも、特定した高さ(第2板状部906、907の高さ)を物品3の高さとみなし、以後の処理を行う。
CPU201はパラメータテーブル2021を参照する。CPU201は、S83の処理によって特定された物品3の高さ(「1」〜「7」の何れか)に関連付けられた第1搬送速度〜第4搬送速度を取得する(S85)。CPU201は、取得した第1搬送速度〜第4搬送速度の夫々を、搬送速度情報に設定する(S85)。CPU201は、取得した第1搬送速度、及び、第2搬送速度のそれぞれに対応する繰出速度を特定する。以下、第1搬送速度、及び、第2搬送速度のそれぞれに対応する繰出速度を、第1繰出速度、及び、第2繰出速度という。CPU201は、第1繰出速度、及び、第2繰出速度を繰出速度情報に設定する(S87)。CPU201は処理をS81に戻す。
台座2及び物品3の搬送に応じて、特定される物品3の高さが変化した場合、S85の処理によって、変化後の高さに応じた第1搬送速度〜第4搬送速度が取得されて搬送速度情報に設定される。又、S87の処理によって、第1繰出速度、第2繰出速度が特定されて繰出速度情報に設定される。従って、例えば後述する第2搬送工程又は第3搬送工程の処理の実行中に、特定される物品3の高さが変化した場合、CPU201は、変化後の高さに応じた搬送速度で台座2及び物品3が搬送されるように、駆動部212を制御してモータ222を駆動できる。又、例えば後述する第2搬送工程の処理の実行中に、特定される物品3の高さが変化した場合、CPU201は、変化後の高さに応じた繰出速度でフィルムロール22からフィルム24が繰り出されるように、駆動部217を制御してモータ227を駆動できる。
図29に示すように、CPU201は、S9の処理によって台座2の下流側への搬送を開始させた後、駆動部212を制御してモータ222を継続して駆動し、ベルト511、512を正方向に継続して回転させる。台座2が下流側に継続して搬送されることに応じて、第1板状部905の下流側の端部(辺901)はフィルム24に接触し、その後、保持ローラ72上を通過する(図32における矢印182)。台座2の第1板状部905の辺901は、フィルム24を下流側に押す。台座2の第1板状部905の辺901は、上流側から移動経路104に近づき、加熱部86の上方を通過する(図32参照)。
なお、フィルム24は、台座ガイドローラ71及び保持ローラ72によって先端が挟持されている。台座2の第1板状部905の辺901によってフィルム24が下流側に押されることで、フィルム24の先端は台座2の第1板状部905の下面に回り込む。
CPU201は、S9の処理によって台座2の下流側への搬送を開始させた後、エンコーダ232から出力されるパルス信号に応じて、台座2の搬送を開始してからのモータ222の回転数を特定する。CPU201は、台座2の第1板状部905の辺901が加熱部86の上方位置に対して所定距離分下流側に移動したか否かを、特定したモータ222の回転数に基づいて判断する。CPU201は、台座2の第1板状部905の辺901が、加熱部86の上方位置よりも下流側に所定距離分移動したと判断した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止し、台座2の下流側への搬送を停止させる(S11)。第1搬送工程の処理は終了する。CPU201は、駆動部217を制御することによって、S7の処理によって開始させたモータ227の繰出方向への回転を一時的に停止させる(S12)。フィルムロール22からのフィルム24の繰り出しは停止される。
CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、加熱部86を上昇させる(S13)。加熱部86が最上位に配置された状態となった後、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223の駆動を停止し、加熱部86の上昇を停止させる。図32に示すように、加熱部86が最上位まで上昇(矢印183)した場合、加熱部86の上面は、搬送経路103に下方から近接した状態になる。台座2の第1板状部905の辺901は、加熱部86の上方位置よりも所定距離分下流側に移動しており、台座2の第1板状部905の下面には、フィルム24が回り込んでいる。従って、加熱部86が最上位に配置された状態で、加熱部86の上面は、台座2の第1板状部905の下面との間にフィルム24を挟んだ状態になる。
図29に示すように、CPU201は、加熱部86のヒータ871を加熱する(S15)。ヒータ871はフィルム24の先端を加熱し、溶融する。溶融されたフィルム24の先端は、台座2の第1板状部905の下面のうち辺901近傍に接着する(S15)。CPU201は、ヒータ871の加熱を開始してから所定時間経過後、ヒータ871の加熱を停止する(S17)。所定時間は、ヒータ871によってフィルム24の温度を融点まで加熱させるために必要な時間である。CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、加熱部86を下降させる(S19、矢印184(図33参照))。加熱部86の上面は、搬送経路103から離隔する。加熱部86が最下位に配置された後、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223の駆動を停止し、加熱部86の下降を停止させる。
CPU201は、駆動部216を制御してモータ226を駆動し、保持部78を揺動させる(S21)。図33に示すように、保持部78が矢印185の方向に揺動することによって、保持ローラ72は台座ガイドローラ71に対して下方に離隔した状態となる。台座ガイドローラ71及び保持ローラ72は、挟んだ状態のフィルム24の先端を解放する。なお、フィルム24の先端は、S15(図29参照)の処理によって加熱されたヒータ871によって溶融し、台座2の下面に接着した状態となっている。
図29に示すように、CPU201は、第2搬送工程の処理を、以下のように実行する。CPU201は、搬送速度情報に設定された第2搬送速度を取得する。CPU201は、駆動部212を制御してモータ222を駆動する。CPU201は、ベルト511、512が正方向に回転し、且つ、取得した第2搬送速度でベルト511、512が移動するように、モータ222を回転させる。台座2は、下流側に第2搬送速度で搬送される(S23)。CPU201は、S25(後述)の処理によって第2搬送工程の処理が終了するまでの間、搬送速度情報に設定された第2搬送速度を周期的に繰り返し取得し、取得した第2搬送速度でベルト511、512が移動するようにモータ222を回転させる処理を繰り返す。
CPU201は、駆動部217を制御することによって、S12の処理によって一時停止させたモータ227の繰出方向への回転を再開させる(S24)。具体的には次の通りである。CPU201は、繰出速度情報に設定された第2繰出速度を取得する。CPU201は、取得した第2繰出速度でフィルム24を繰り出すことが可能な回転速度で、モータ227を繰出方向に回転させる(S24)。モータ227は、第2繰出速度でフィルム24を繰り出すことが可能な回転速度で繰出方向に回転される。繰出ローラ451の7つの接触部451Bは、フィルムロール22からフィルム24を繰り出す向き(図33における矢印162の方向)に回転する。CPU201は、S31(後述)の処理によってモータ227の繰出方向の回転が停止されるまでの間、繰出速度情報に設定された第2繰出速度を周期的に繰り返し取得し、取得した第2繰出速度に基づいてモータ227を繰出方向に回転させる処理を繰り返す。
搬送部60は搬送経路103に沿って上流側から下流側に移動し、台座2を下流側に搬送する(矢印186、図33参照)。フィルム24の先端は台座ガイドローラ71及び保持ローラ72から解放されている。フィルム24の先端は、台座2の下面に接着した状態で、台座2の移動に伴って下流側に移動する。なお、S24の処理によってモータ227の繰出方向への回転が再開されている。フィルム24は第2繰出速度でフィルムロール22から繰出されている(矢印162、図33参照)。フィルム24は弛んでいる。従って、台座2の移動に伴ってフィルム24の先端が下流側に移動した場合でも、フィルム24に強い張力は作用しない。このため、台座2の下流側への移動は、フィルム24によって妨げられない。
台座2が下流側に継続して搬送されることによって、台座2の第1板状部905の辺901は、搬送経路103と移動経路104とが交差する交差位置105を上流側から下流側に向けて横切る。台座2は更に下流側に移動する(矢印186、図33参照)。台座2が下流側に移動することによって、台座2の第1板状部905の辺901、及び物品3の下流側の端部は、フィルム24に接触し、接触部分で曲折する。なお、フィルム24に強い張力は作用していないので、台座2の第1板状部905の辺901及び物品3の下流側の端部にフィルム24が押し当てられる場合の力は小さい。
CPU201は、駆動部212を制御してモータ222を継続して駆動し、ベルト511、512を正方向に継続して回転させる。搬送部60は受け台13上に移動し、台座2の下流側は受け台13上まで搬送される。台座2の第1板状部905及び物品3の上側を覆う位置にフィルム24が配置される。台座2の第1板状部905の上流側の端部(辺902)が、台座ガイドローラ71上を通過する。更に台座2が下流側に搬送される(矢印186、図33参照)。
台座2及び物品3がセンサ204の内側を下流側に通過した後、センサ204の7つの検出部204A〜204Gは、信号の出力を停止させる。図30に示すように、CPU201は、センサ204の7つの検出部204A〜204Gの何れからも信号を検出しないと判断した場合、センサ204の内側を台座2及び物品3が下流側に通過したと判断する(S81:NO)。CPU201は処理をS91に進める。
CPU201は、センサ204の複数の検出部204A〜204Gの夫々から出力される信号に基づいて、センサ204の内側に物体があるか否かを判断する(S91)。なお、台座2及び物品3はセンサ204の右側を既に通過した後の状態であるので、このタイミングでセンサ204によって検出される物体は、台座2及び物品3ではない。CPU201は、センサ204の内側に物体があると判断した場合(S91:YES)、動作中の包装処理(図29参照)を停止させる(S97)。CPU201は、包装処理が停止された状態であることをユーザに通知するための画像を、表示部207に表示させる(S99)。CPU201は監視処理を終了させる。
CPU201は、センサ204の内側に物体がないと判断した場合(S91:NO)、動作中の包装処理(図29参照)を継続させる(S93)。CPU201は、包装処理が継続していることをユーザに通知するための画像を、表示部207を点灯させる(S95)。CPU201は処理をS101に進める。
CPU201は、台座2及び物品3のフィルム24による包装を終了させる指示が、操作部206を介して入力されたか判断する(S101)。包装の終了指示が入力されていないと判断した場合(S101:NO)、CPU201は処理をS91に戻す。CPU201は、終了指示の入力を継続して待ち受ける。CPU201は、包装処理の終了指示が入力されたと判断した場合(S101:YES)、監視処理を終了させる。
図33に示すように、台座2の第1板状部905の辺902は、交差位置105を上流側から下流側に横切り、下流側に配置される。フィルムロール22から延びるフィルム24は、第2補助ローラ33の上流側に接触して僅かに上流側に誘導され、第2補助ローラ33の下側に接触して下流側に延び、第1補助ローラ32の下側に接触してさらに下流側に延び、台座2の第1板状部905の辺901及び物品3の下流側に至る。誘導ローラ31は、第1補助ローラ32と台座2及び物品3との間に延びるフィルム24の上方に配置された状態になる。
図29に示すように、CPU201は、エンコーダ232から出力されるパルス信号に応じて、S23(図29参照)で台座2の下流側への搬送を開始してからのモータ222の回転数を特定する。CPU201は、台座2の第1板状部905の辺902が交差位置105よりも下流側に移動したか否かを、モータ222の回転数に基づいて判断する。CPU201は、辺902が交差位置105よりも下流側に移動したと判断した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止し、台座2の搬送を停止させる(S25)。第2搬送工程の処理は終了する。
CPU201は、駆動部211を制御してモータ221を駆動し、支持部34を下方に移動させる。支持部34に支持された誘導ローラ31は、移動経路104に沿って最上位側から最下位側に移動し始める(S27)。誘導ローラ31は、下方に配置された状態のフィルム24に上側から接触し、フィルム24を移動経路104に沿って下方に誘導する(矢印187、図34参照)。フィルム24は、台座2及び物品3に情報から押し当てられる。
なお、S24の処理によってモータ227の繰出し方向への回転が再開され、フィルム24はフィルムロール22から繰出されている(矢印163、図34参照)。フィルム24は弛んでいる。従って、誘導ローラ31の移動に伴ってフィルム24が移動経路104に沿って下方に移動した場合でも、フィルム24に強い張力は作用しない。このため、誘導ローラ31の下側への移動は、フィルム24によって妨げられない。又、台座2及び物品3にフィルム24が押し当てられる場合の力は小さい。
CPU201は、エンコーダ231から出力されるパルス信号に応じて、S27で誘導ローラ31の下方への移動を開始してからのモータ221の回転数を特定する。CPU201は、特定した回転数に基づいて、誘導ローラ31が最下位に配置されたか判断する。CPU201は、誘導ローラ31が最下位に移動したと判断した場合、モータ221の駆動を停止させ、誘導ローラ31の下方への移動を停止させる(S29)。図34に示すように、誘導ローラ31は、最下位に配置された状態で、搬送経路103に対して下側から接した状態となる。フィルム24は、台座2の第1板状部905及び物品3の下流側、上側、及び上流側を覆う。
CPU201は、駆動部217を制御してモータ227の繰出方向の回転を停止させる(S31)。フィルムロール22からのフィルム24の繰り出しは停止される。CPU201は、ソレノイド17のコイルに対して電流を通電させる。これによって、支持部材16は巻取位置に移動する(S33)。CPU201は、駆動部217を制御し、所定の回転速度でモータ227を巻取方向に回転させる(S33)。フィルムギヤ23B及び巻き軸23は、フィルムロール22にフィルム24を巻き取る向き(図35における矢印164の方向)に回転する。フィルム24はフィルムロール22に巻き取られる。フィルム24に張力が作用する。フィルム24に作用する張力によって、台座2及び物品3にフィルム24が密着する。
CPU201は、第3搬送工程の処理を、以下のように実行する。CPU201は、搬送速度情報に設定された第3搬送情報を取得する。CPU201は、駆動部212を制御してモータ222を駆動する。CPU201は、ベルト511、512が逆方向に回転し、且つ、取得した第3搬送速度でベルト511、512が移動するように、モータ222を回転させる。台座2は、上流側に第3搬送速度で搬送される(S35)。CPU201は、S37(後述)の処理によって第3搬送工程の処理が終了するまでの間、搬送速度情報に設定された第3搬送情報を周期的に繰り返し取得し、取得した第3搬送速度でベルト511、512が移動するようにモータ222を回転させる処理を繰り返す。
台座2が下流側から上流側に移動する(矢印188、図35参照)ことによって、台座2の第1板状部905の辺902は、フィルム24に接触して上流側に押す。台座2の第1板状部905の辺902は、下流側から交差位置105に近づく。台座2の第1板状部905の辺902は、下流側から上流側に向けて交差位置105を横切る。台座2の第1板状部905の辺902は、加熱部86の上方位置を通過し、上流側に移動する。誘導ローラ31は、台座2の第1板状部905の下面に下側から接した状態で、辺902から下流側に向けて相対的に移動する。台座2の第1板状部905の下面と誘導ローラ31との間には、フィルム24が挟まれた状態になる。フィルム24は、台座2の下側に回り込む。
CPU201は、エンコーダ232から出力されるパルス信号に応じて、S35で台座2の上流側への搬送を開始してからのモータ222の回転数を特定する。CPU201は、特定した回転数に基づいて、台座2の第1板状部905の辺902が加熱部86の上方位置に対して所定距離分上流側に移動したか判断する。CPU201は、台座2の第1板状部905の辺902が加熱部86の上方位置よりも上流側に所定距離分移動したと判断した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止し、台座2の搬送を停止させる(S37)。第3搬送工程の処理は終了する。
CPU201は、駆動部214を制御してモータ224を駆動し、回転抑制部80のストッパ81を上流側に移動させる(S39)。図36に示すように、回転抑制部80のストッパ81の上流側には、最下位に移動した誘導ローラ31が配置される。ストッパ81が上流側に移動する(矢印189)ことによって、ストッパ81のゴムは、誘導ローラ31に近接し、誘導ローラ31に巻きついた状態のフィルム24を誘導ローラ31との間に挟む。ストッパ81のゴムがフィルム24を介して誘導ローラ31を上流側に押すことによって、誘導ローラ31の回転は禁止される。誘導ローラ31とストッパ81のゴムとの間にフィルム24が挟まれる。
図29に示すように、CPU201は、駆動部217を制御してモータ227の巻取方向の回転を停止させる(S41)。フィルムロール22へのフィルム24の巻き取りは停止される。
CPU201は、駆動部215を制御してモータ225を駆動し、ガイドレール74(図25参照)に沿って切断部77を左側から右側に移動させる(S43)。切断部77が右側に移動することによって、フィルム24は、誘導ローラ31とストッパ81のゴムとの間に挟まれた部分よりもフィルムロール22側で刃部771によって切断される。切断部77は、フィルム24のうち台座2の第1板状部905及び物品3を覆った部分を、フィルムロール22側から切り離す。
フィルム24の切断後、フィルムロール22から延びるフィルム24のうち切断された端部は、台座ガイドローラ71の下方側に垂れ下がる。CPU201は、駆動部216を制御してモータ226を駆動し、保持部78を揺動させる(S45)。図37に示すように、保持部78は矢印190の方向に揺動する。台座ガイドローラ71の下流側に保持ローラ72が近接配置された状態になる。フィルム24のうち切断部77によって切断された端部は、台座ガイドローラ71及び保持ローラ72によって挟持される。
図29に示すように、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、加熱部86を上昇させる(S47)。加熱部86が最上位に配置された状態となった後、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223の駆動を停止し、加熱部86の上昇を停止させる。図37に示すように、加熱部86が最上位まで上昇(矢印191)した状態で、加熱部86の上面は、搬送経路103に下方から近接した状態になる。なお、台座2の第1板状部905の辺902は、加熱部86の上方位置よりも所定距離分上流側に移動している。台座2の第1板状部905の下面のうち辺902の近傍には、誘導ローラ31によって誘導されたフィルム24が下面に沿って配置された状態となっている。従って、加熱部86が上昇して最上位に配置された場合、加熱部86の上面は、台座2との間にフィルム24を挟んだ状態となる。
図29に示すように、CPU201は加熱部86のヒータ871を加熱する(S49)。ヒータ871は、フィルム24のうち切断部77によって切り取られた端部を加熱し、フィルム24を溶融する。溶解されたフィルム24は、台座2の第1板状部905の辺902近傍に接着される(S49)。フィルムロール22から切り取られたフィルム24は、台座2及び物品3を覆った状態になる。CPU201は、S49でヒータ871の加熱を開始してから所定時間経過後、ヒータ871の加熱を停止する(S51)。CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、加熱部86を下降させる(S53、矢印192(図38参照))。加熱部86の上面は、搬送経路103から離隔する。加熱部86が最下位に配置された後、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223の回転を停止させる。
図29に示すように、CPU201は、駆動部214を制御してモータ224を駆動し、回転抑制部80のストッパ81を下流側に移動させる(S55、矢印193(図38参照))。ストッパ81は下流側に移動し、ストッパ81に設けられたゴムは誘導ローラ31から離隔する。誘導ローラ31は回転可能な状態になる。
CPU201は、第4搬送工程の処理を、以下のように実行する。CPU201は、搬送速度情報に設定された第4搬送速度を取得する。CPU201は、駆動部212を制御してモータ222を駆動する。CPU201は、ベルト511、512が正方向に回転し、且つ、取得した第4搬送速度でベルト511、512が移動するように、モータ222を回転させる。台座2は、下流側に第4搬送速度で搬送される(S57、矢印193(図38参照))。包装が完了した台座2及び物品3は、下流側に搬送される。
CPU201は、エンコーダ232から出力されるパルス信号に応じて、S57で台座2の下流側への搬送を開始してからのモータ222の回転数を特定する。CPU201は、特定した回転数に基づいて、搬送部60が下流側に移動して受け台13の下流側の端部に到達したか否かを判断する。CPU201は、搬送部60が下流側に移動して受け台13の下流側の端部に到達したと判断した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止し、台座2の搬送を停止させる(S59)。第4搬送工程の処理は終了する。包装処理は終了する。
以上説明したように、包装装置1のCPU201は、第1搬送工程(S9、S11)での台座2及び物品3の搬送速度(第1搬送速度)を、第2搬送工程(S23、S25)、第3搬送工程(S35、S37)、第4搬送工程(S57、S59)での台座2及び物品3の搬送速度(第2搬送速度〜第4搬送速度)よりも相対的に遅くする。この場合、搬送に応じて物品3に作用する勢いは小さくなる。従ってCPU201は、フィルム24によって物品3が台座2に固定される前の状態で、物品3が倒れることを抑制できる。又、搬送時において物品3が台座2上を滑ることも抑制できる。
CPU201は、第4搬送工程(S57、S59)での台座2及び物品3の搬送速度(第4搬送速度)を、第1搬送工程(S9、S11)、第2搬送工程(S23、S25)、第3搬送工程(S35、S37)での台座2及び物品3の搬送速度(第1搬送速度〜第3搬送速度)よりも相対的に速くする。これによってCPU201は、フィルム24による包装が完了した台座2及び物品3を包装装置1から短時間で排出できる。従って、CPU201は、台座2及び物品3の包装を短時間で終了させることができる。
物品3は、高さが大きい程重心位置が高くなるので、搬送時に倒れやすくなる。これに対して、CPU201は、物品3の高さが大きい程、第2搬送速度及び第3搬送速度を相対的に小さくする。この場合、搬送に応じて物品3に作用する勢いは小さくなる。従ってCPU201は、第2搬送工程及び第3搬送工程において台座2及び物品3が搬送される過程、即ち、フィルム24による包装が行われる過程で、物品3が倒れることを抑制できる。
CPU201は、パラメータテーブル2021を参照し、搬送工程に応じた第2搬送速度及び第3搬送速度を取得できる。この場合、CPU201は、第2搬送速度及び第3搬送速度を、パラメータテーブル2021に基づいて容易に決定できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記実施形態では、パラメータテーブル2021に記憶された第2搬送速度及び第3搬送速度は同じ値となった。これに対し、第3搬送速度を第2搬送速度よりも小さくしてもよい。この場合、CPU201は、S27〜S29の処理によって誘導ローラ31を下方に移動させた後で台座2及び物品3を上流側に搬送させるときの搬送速度(第3搬送速度)を、誘導ローラ31を移動させる前に台座2及び物品3を下流側に搬送させるときの搬送速度(第2搬送速度)よりも相対的に遅くする。これによって、誘導ローラ31を移動させた後で台座2及び物品3を上流側に搬送させる過程で、フィルム24にしわが発生することを抑制できる。従って、CPU201は、台座2及び物品3を適切に包装できる。
CPU201は、台座2及び物品3の重さを検出可能な重量センサを、受け台12の受け面12Aに備えてもよい。パラメータテーブル2021には、物品の重さと第1搬送速度〜第4搬送速度とが関連付けて記憶されてもよい。第2搬送速度及び第3搬送速度は、重さが大きい程、相対的に小さくてもよい。CPU201は、S83の処理によって、重量センサを介して台座2及び物品3の重さを特定してもよい。CPU201は、S85の処理によって、特定した重さに応じた第1搬送速度〜第4搬送速度を特定し、搬送速度情報に設定してもよい。
物品3は、重さが大きい程、搬送時に倒れやすくなる。これに対して、CPU201は、物品の重さが大きい程、第2搬送速度及び第3搬送速度を相対的に小さくする。この場合、搬送に応じて物品3に作用する勢いは小さくなる。従ってCPU201は、第2搬送工程及び第3搬送工程において台座2及び物品3が搬送される過程、即ち、フィルム24による包装が行われる過程で、物品3が倒れることを抑制できる。
CPU201は、物品3の高さを、センサ204によって特定し、物品3の大きさとして特定した(S83、S85)。CPU201は、センサ204を用いた方法とは別の方法で物品3の高さ及び長さを特定してもよい。例えば包装装置1は、架設板117Aの下側に測距センサを備えてもよい。測距センサは、架設板117の下方を通過する物品3までの距離を計測し、計測結果を出力してもよい。CPU201は、測距センサから出力された計測結果に応じて、物品3の高さを特定してもよい。この場合、物品3の高さよりも、台座2の第2板状部906、907の高さの方が大きい場合でも、CPU201は、物品3の高さを正確に特定できる。
ユーザは、物品3の高さを入力する操作を、操作部206に対して行ってもよい。CPU201は、操作部206に対して操作が行われた場合、操作の内容に基づいて物品3の高さを特定してもよい。
上記実施形態では、台座2の第2板状部906、907の高さよりも物品3の高さが小さいことを例に挙げて具体的に説明した。これに対し、台座2の第2板状部906、907の高さの方が物品3の高さよりも小さくてもよい。この場合、CPU201は、センサ204によって物品3の高さを直接的に特定できる。
CPU201は、パラメータテーブル2021を用いずに第1搬送速度〜第4搬送速度を特定してもよい。例えばCPU201は、物品3の高さを所定の計算式に代入することによって、第1搬送速度〜第4搬送速度を算出してもよい。
包装装置1は、誘導ローラ31が下端に移動した状態で、誘導ローラ31を搬送方向に移動させる機構を備えてもよい。CPU201は、S51の処理によって台座2及び物品3を上流側に搬送させる代わりに、誘導ローラ31を下流側に移動させてもよい。
物品3の高さに応じて変化させる搬送速度は、第2搬送速度及び第3搬送速度の両方に限られず、何れか一方であってもよい。CPU201は、第2搬送工程及び第3搬送工程において、物品3の高さに関わらず一定の第2搬送速度及び第3搬送速度で台座2及び物品3を搬送してもよい。CPU201は、第1搬送工程及び第2搬送工程において、物品3の高さに関わらず一定の繰出速度でフィルム24がフィルムロール22から繰出されるように、モータ227を繰出方向に回転させてもよい。
なお、誘導ローラ31が本発明の「誘導部」に相当する。S9の処理を行うCPU201は本発明の「第1搬送手段」の一例である。S15の処理を行うCPU201は本発明の「第1接着手段」の一例である。S23の処理を行うCPU201は本発明の「第2搬送手段」の一例である。S27の処理を行うCPU201は本発明の「誘導部移動手段」の一例である。S35の処理を行うCPU201は本発明の「相対移動手段」の一例である。S49の処理を行うCPU201は本発明の「第2接着手段」の一例である。S57の処理を行うCPU201は本発明の「第3搬送手段」の一例である。S83の処理を行うCPU201は本発明の「第1特定手段」「第2特定手段」の一例である。S85の処理を行うCPU201は本発明の「第1決定手段」「第2決定手段」の一例である。