以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。包装装置1は、台紙等の台座2上に載置された物品3をフィルム24で覆い、物品3を台座2に固定することによって、物品3を包装する。以下、このようにして物品3を包装することを、「台座2及び物品3を包装する」という。包装装置1は、図1の右斜め下側から左斜め上側に向けて、物品3が載置された台座2を搬送し、台座2及び物品3を包装する。図1の上側、下側、左斜め下側、及び右斜め上側を、それぞれ、包装装置1の上側、下側、右側、及び左側という。図1の右斜め下側及び左斜め上側を、それぞれ、搬送方向の上流及び下流という。
<筐体800>
図1に示すように、包装装置1は筐体800を備える。筐体800の形状は、上下方向を長手方向とする略直方体である。筐体800は、上筐体801及び下筐体803を備える。上筐体801は、2つの立設部802Aと架設部802Bとを備える。2つの立設部802Aは、それぞれ、下筐体803の左右両端部から上方に延びる。架設部802Bは、2つの立設部802Aのそれぞれの上端部の間に架設される。右側の立設部802Aに、各種情報を表示可能な表示部207が設けられている。
2つの立設部802Aは、それぞれ後述の側板部材111,112(図2参照)を右側及び左側から覆う。架設部802Bは、後述のフィルムロール22(図2参照)を上側から覆う。下筐体803、2つの立設部802A、及び架設部802Bで囲まれた部分が、筐体800の内部空間を形成する。筐体800の内部空間は、筐体800の上流側及び下流側に形成された開口部805を介して、筐体800の外部と連通する。下筐体803の形状は、左右方向を長手方向とする略直方体である。包装装置1に対する指示を受け付けるための操作部206が、下筐体803に設けられている。操作部206は、セットキー及び開始キーを含む。セットキー及び開始キーの詳細は後述する。
<受け台12,13>
下筐体803の上流側の側面の上端部から上流側に向けて、受け台12が水平方向に延びる。下筐体803の下流側の側面の上端部から下流側に向けて、受け台13が水平方向に延びる。受け台12,13の形状は、搬送方向を長手方向とする平面視略長方形の箱状である。受け台12は、開口部805に向けて搬送される台座2を上面で受ける。受け台13は、包装が完了した台座2及び物品3を上面で受ける。脚部121,131はそれぞれ受け台12,13を下方から支持する。
受け台12の上面を「受け面12A」といい、受け台13の上面を「受け面13A」という。受け面12A,13Aは、それぞれ水平であり、且つ互いに略同一の平面を形成する。従って受け面12A,13Aは、台座2をスムーズに搬送可能な平面である。受け面12A,13A上において台座2が搬送される部分を、「搬送経路103」(図11参照)という。
図2に示すように、包装装置1は、底部10及び側板部材111,112を備える。底部10の形状は、平面視矩形状である。側板部材111は、底部10の右端部から上方垂直方向に延びる。側板部材112は、底部10の左端部から上方垂直方向に延びる。側板部材111,112の各形状は、何れも上下方向を長手方向とする略長方形の板状である。側板部材111,112の各内面は対向する。受け台12は、側板部材111,112の上流側の端部に支持される。受け台13は、側板部材111,112の下流側の端部に支持される。
<搬送機構50>
図3に示すように、受け台12、13の右端部及び左端部に、それぞれ、無端状のベルト511,512が設けられる。ベルト511,512は、それぞれ内側面に歯を有する。ベルト511は、一対のプーリ52A,52Bに架け渡される。プーリ52Aは、受け台12の右側面の上流側に回転可能に設けられる。プーリ52Bは、受け台13の右側面の下流側に回転可能に設けられる。プーリ52A,52Bは、ベルト511の内側に接触し、ベルト511を回転可能に支持する。ベルト512は、一対のプーリ53A,53Bに架け渡される。プーリ53Aは、受け台12の左側面の上流側に回転可能に設けられる。プーリ53Bは、受け台13の左側面の下流側に回転可能に設けられる。プーリ53A,53Bは、ベルト512の内側に接触し、ベルト512を回転可能に支持する。
ベルト511,512の外側面のうち上方を向く部分が、受け面12A,13Aに露出して、搬送方向に延びている。ベルト511,512のそれぞれの外側面に、搬送部60が設けられる。搬送部60は、ベルト511に設けられる右搬送部61と、ベルト512に設けられる左搬送部62とをそれぞれ含む。右搬送部61は、ベルト511の外側面に対して垂直方向且つ外方向に突出する。左搬送部62は、ベルト512の外側面に対して垂直方向且つ外方向に突出する。搬送部60では、右搬送部61と左搬送部62とが左右方向に対向する。
右搬送部61は、第1搬送部61A及び第2搬送部61Bを備える。第1搬送部61A及び第2搬送部61Bは、搬送方向に離隔する。第1搬送部61Aは、上流側の側面のうちベルト511に近接する部分が、下流側に凹む。左搬送部62は、第1搬送部62A及び第2搬送部62Bを備える。第1搬送部62A及び第2搬送部62Bは、搬送方向に離隔する。第1搬送部62Aは、上流側の側面のうちベルト512に近接する部分が、下流側に凹む。第1搬送部61A、62Aは、後述する台座2を上方から保持する。第2搬送部61B、62Bは、台座2を上流側又は下流側に押す。
モータ222(図7参照)は、プーリ52B,53Bを回転駆動する。モータ222がプーリ52B,53Bを右側面視にて反時計回り方向に回転した場合、ベルト511,512は反時計回り方向に回転する。これに伴って、搬送部60は、後述するように台座2を上流側から下流側に搬送する。一方、モータ222がプーリ52B,53Bを右側面視にて時計回り方向に回転した場合、ベルト511,512は時計回り方向に回転する。これに伴って、搬送部60は、後述するように台座2を下流側から上流側に搬送する。以下、台座2を上流側から下流側に搬送させる場合のモータ222及びベルト511、512の回転方向を、「正方向」といい、正方向と逆向きの回転方向を、「逆方向」という。ベルト511,512、搬送部60、モータ222を総称し、「搬送機構50」という。なお、以下における回転方向(時計回り又は反時計回り)の説明は、特段の限定がない限り、包装装置1を右側から見た時の方向を示すものとする。
<フィルムロール22、フィルムロール装着部11A>
図2に示すように、フィルムロール22は、側板部材111、112のそれぞれの上端部の内側に着脱可能に装着される。フィルムロール22は、フィルム24が芯に巻回されたロール状の部材である。以下、側板部材111、112のそれぞれの上端部の内側であって、フィルムロール22が装着される部分を、「フィルムロール装着部11A」という。
<誘導機構39>
図2に示すように、側板部材111の右側面に、モータ221の回転によって駆動するキャリッジ349が設けられる。キャリッジ349は、支持部材341(図4参照)に連結される。側板部材112の左側面に、キャリッジ350が設けられる。キャリッジ350は、支持部材342(図4参照)に連結される。
図4に示すように、支持部材341、342の形状は左右対称である。支持部材341、342は、左右方向に離隔して配置される。以下、支持部材341について説明し、支持部材342の説明は省略する。支持部材341は、基部341A、第1延設部341B、第2延設部341C、及び、第3延設部341Dを有する。基部341A、第1延設部341B、第2延設部341C、及び、第3延設部341Dは板状である。基部341A、第1延設部341B、第2延設部341C、及び、第3延設部341Dのそれぞれの平面は左右方向を向く。
基部341Aの形状は、側面視にて略長方形である。第1延設部341Bは、基部341Aの下流側の端部の下側の部分から、下流側に向けて水平に延びる。第1延設部341Bの形状は、側面視にて略長方形である。第2延設部341Cは、基部341Aの下流側の端部の上側の部分から、下流側に向けて水平に延びる。第2延設部341Cの形状は、側面視にて略長方形である。第2延設部341Cの下流側の端部は、第1延設部341Bの下流側の端部よりも下流側に配置される。第1延設部341Bの上端及び第2延設部341Cの下端は、上下方向に離隔し、搬送方向に延びる隙間3414を形成する。第3延設部341Dは、基部341Aの上端の上流側の部分から、上方に垂直に延びる。第3延設部341Dの形状は、側面視にて略長方形である。なお、基部341A及び第3延設部341Dに、上下方向に並んだ複数の穴部が形成されている。複数の穴部には、支持部材341をキャリッジ349(図2参照)に連結するためのねじが挿通される。
支持部材342の基部342A、第1延設部342B、第2延設部342C、及び、第3延設部342Dは、それぞれ、支持部材341の基部341A、第1延設部341B、第2延設部341C、及び、第3延設部341Dに対応する。第1延設部342Bと第2延設部342Cとの間の隙間3424は、第1延設部341Bと第2延設部341Cとの間の隙間3414に対応する。基部342A及び第3延設部342Dの複数の穴部には、支持部材342をキャリッジ350(図2参照)に連結するためのねじが挿通される。以下、支持部材341,342を総称して、「一対の支持部材34」という。基部341A、342Aを総称して、「一対の基部34A」という。第1延設部341B、342Bを総称して、「一対の第1延設部34B」という。第2延設部341C、342Cを総称して、「一対の第2延設部34C」という。
誘導ローラ30(図11参照)、31、32(図11参照)は、一対の第1延設部34Bの下流側の部分の間に配置される。誘導ローラ30〜32の右端は、第1延設部341Bによって支持される。誘導ローラ30〜32の左端は、第1延設部342Bによって支持される。誘導ローラ33は、一対の基部34Aの間に配置される。誘導ローラ33の右端は、基部341Aによって支持される。誘導ローラ33の左端は、基部342Aによって支持される。架設部材35は、一対の第2延設部34Cの上流側の部分に配置される。架設部材35の左端は、第2延設部341Cによって支持される。架設部材35の左端は、第2延設部342Cによって支持される。
図11に示すように、誘導ローラ30、32は水平に並ぶ。誘導ローラ30、32の下端は、第1延設部342Bの下端よりも下方に僅かに突出する。誘導ローラ31は、誘導ローラ30、32よりも上側に配置される。誘導ローラ31の上端は、第1延設部342Bの上端よりも上方に僅かに突出する。誘導ローラ33は、誘導ローラ31よりも上側に配置される。架設部材35は、誘導ローラ33よりも上側に配置される。以下、一対の支持部材34、誘導ローラ30〜33、及び、架設部材35を、「誘導機構39」という。
図2に示すように、モータ221は、キャリッジ349,350を介して、誘導機構39を上下方向に移動可能である。図11は、誘導機構39が最上位に配置された状態を示す。この状態で、一対の支持部材34の支持部材342のうち、第3延設部342Dは、フィルムロール22の上流側かつ下側の近傍に配置される。第1延設部342B及び第2延設部342Cは、フィルムロール22の下方に配置される。誘導ローラ30〜33、及び、架設部材35は、フィルムロール22よりも下側に配置される。
図14は、誘導機構39が最下位に配置された状態を示す。この状態で、一対の支持部材34の支持部材342のうち第1延設部342Bは、搬送経路103の下側に配置される。一対の第1延設部34Bによって支持される誘導ローラ30〜32は、搬送経路103の下側に配置される。誘導ローラ31は、搬送経路103に下方から接する。第2延設部342Cは、搬送経路103を挟んで第1延設部342Bの上側に配置される。誘導ローラ33及び架設部材35は、搬送経路103の上側に配置される。隙間3424(図4参照)は、搬送経路103に沿って配置される。以下、図11に示すように、一対の支持部材34の移動に伴う誘導ローラ30の移動経路を、「移動経路104」という。搬送経路103と移動経路104とが交差する位置を、「交差位置105」という。
<保持機構70(台座ガイドローラ71、保持ローラ72)>
図2に示すように、側板部材111,112(図2参照)で挟まれる部分の上流側、且つ搬送経路103(図11等参照)の下側に、左右方向に延びる台座ガイドローラ71が設けられる。台座ガイドローラ71は、搬送経路103に下側から接する。台座ガイドローラ71は、搬送経路103に沿って上流側から下流側に搬送される台座2を、受け台12,13間で下方から支持し、受け台12から受け台13に誘導する。図5に示すように、台座ガイドローラ71の下方に、一対の板状部材70Bが配置される。台座ガイドローラ71の左右両側は、一対の板状部材70Bによって回転可能に支持される。
一対の板状部材70Bの左右外側に、一対の保持部材78が設けられる。一対の保持部材78は、一対の板状部材70Bから左右外側に突出する突出部70Dを支点として回転可能である。一対の保持部材78のうち、突出部70Dによって支持された側と反対側に、保持ローラ72が設けられる。保持ローラ72の左右端部は、一対の保持部材78によって回転可能に支持される。一対の保持部材78は、モータ226(図7参照)によって回転する。一対の保持部材78の回転によって、保持ローラ72は、台座ガイドローラ71の下流側に近接した状態(図5参照)と、保持ローラ72が台座ガイドローラ71から離隔した状態(図13等参照)とに切り替わる。以下、台座ガイドローラ71及び保持ローラ72を総称し、「保持機構70」という。
保持ローラ72が台座ガイドローラ71の下流側に近接した場合、例えば図11に示すように、フィルムロール22から繰り出されたフィルム24の下端部を、保持ローラ72及び台座ガイドローラ71の間に挟んで保持することが可能となる。一方、保持ローラ72が台座ガイドローラ71から離隔した場合、例えば図13に示すように、フィルムロール22から繰り出されたフィルム24の下端部は、保持ローラ72及び台座ガイドローラ71から解放される。
<加熱機構86>
図5に示すように、保持機構70の下流側に、加熱機構86が設けられる。加熱機構86は、5つの加熱ユニット861、保持部材862、及び、台座部材863を有する。
5つの加熱ユニット861のそれぞれは、略直方体状である。5つの加熱ユニット861は、それぞれ、ヒータ861Aを上面に有する。ヒータ861Aは、電流を流すことによって加熱する抵抗加熱方式のヒータである。5つの加熱ユニット861は、それぞれ、下流側の面から下流側に向けて突出する2つの突出部861Bを有する。2つの突出部861Bのそれぞれは左右方向に並ぶ。
保持部材862は、側面視にて略U字状の部材である。保持部材862には、左右方向に延びる溝が形成される。保持部材862の左右方向の長さは、受け台12,13(図2参照)の左右方向長さと略同一である。5つの加熱ユニット861は、保持部材862の溝の内部に配置される。5つの加熱ユニット861は左右方向に一直線状に並ぶ。保持部材862の下流側の板状部材に、複数の長穴部862Aが設けられる。複数の長穴部862Aは、上下方向に長い長穴である。複数の長穴部862Aは左右方向に並ぶ。5つの加熱ユニット861のそれぞれの2つの突出部861Bは、複数の長穴部862Aに上流側から進入し、下流側に突出する。5つの加熱ユニット861は、複数の長穴部862Aの上下方向の長さ分、上下方向に移動可能となる。図示しない複数のばねは、保持部材862の溝の内部の下側に接続し、5つの加熱ユニット861を上方に付勢する。5つの加熱ユニット861の上面は、保持部材862の上端よりも上方に配置される。
台座部材863は、保持部材862を下方から支持する。台座部材863は、下流側の側面の左右両端に一対のラックギヤ863Aを有する。一対のラックギヤ863Aは、下流側に歯を向けた状態で、上下方向に延びる。台座部材863の下流側に、モータ223(図7参照)が設けられる。モータ223の回転軸に接続するピニオンギヤは、一対のラックギヤ863Aのうち右側に噛合する。モータ223が回転することによって、台座部材863は上下方向に移動する。これによって、保持部材862及び5つの加熱ユニット861も上下方向に移動する。図11に示すように、5つの加熱ユニット861が最下位に配置された場合、それぞれの上面のヒータ861Aは、搬送経路103から下方に離隔する。一方、図12に示すように5つの加熱ユニット861が最上位に配置された場合、それぞれの上面のヒータ861Aは、搬送経路103よりも僅かに上方に配置される。以下、図11に示すように、5つの加熱ユニット861が最下位に配置された場合のヒータ861Aの位置を、「非溶着位置」という。図12に示すように、5つの加熱ユニット861が最上位に配置された場合のヒータ861Aの位置を、「溶着位置」という。
図5に示すように、5つの加熱ユニット861が最下位に配置された状態で、ヒータ861Aの上側に板状の蓋部材87が配置される。蓋部材87の上流側の端部は、一対の板状部材70Bによって回転可能に支持される。蓋部材87は、非溶着位置に配置されたヒータ861Aを上側から覆う。蓋部材87は、5つの加熱ユニット861が最下位から最上位に移動する過程で回転する。蓋部材87は、5つの加熱ユニット861が最上位に配置された状態で、溶着位置に配置されたヒータ861Aの上側を覆わない。
<回転抑制機構80>
図5に示すように、回転抑制機構80は、加熱機構86よりも下流側に設けられる。回転抑制機構80は、板状部材84、85を備える。板状部材85は、包装装置1に固定された板状の部材である。板状部材85は、一対の支持棒85Aのそれぞれを左右両側で支持する。板状部材84は、板状部材85の上側に配置される。板状部材84は、搬送方向に貫通する穴部を左右両側に有する。一対の支持棒85Aのそれぞれは、板状部材84の左右両側の穴部に挿通する。板状部材84は、一対の支持棒85Aに沿って搬送方向に移動可能である。
一対の支持棒82は、板状部材84から上流側に水平に延びる。ストッパ81は、一対の支持棒82の上流側の端部に設けられる。ストッパ81の形状は、断面形状が四角形の棒状である。ストッパ81は左右方向に延びる。カム83は、板状部材85の左右中心から上方に延びる回転軸に接続されている。板状部材85の下方に、モータ224(図7参照)が設けられる。カム83は、モータ224の回転に応じて回転する。カム83は、板状部材84の左右中心から上方に突出する突出部84Aに、上流側から接触する。モータ224がカム83を回転させた場合、板状部材84は搬送方向に移動する。板状部材84が搬送方向に移動することに応じ、一対の支持棒82及びストッパ81も搬送方向に移動する。
誘導機構39が最下位に配置に配置され、ストッパ81が上流側に移動した場合(図15参照)、ストッパ81は、誘導ローラ30に下流側から近接した位置に配置される。この場合、誘導ローラ30の回転は、ストッパ81によって規制される。一方、ストッパ81が下流側に移動した場合(図17参照)、誘導機構39が最下位に配置された状態でも、ストッパ81は、誘導ローラ30に対して下流側に離隔する。
<切断部77、センサ205>
図16に示すように、交差位置105の下方に、左右方向に延びるガイドレール74が設けられる。切断部77は左右方向に貫通する穴を有する。切断部77は、ガイドレール74に沿って左右方向に移動可能である。切断部77は、上方に向けて突出し且つ左右方向に延びる刃部771を備える。モータ225(図7参照)は、切断部77をガイドレール74に沿って左右方向に移動させる。
センサ205(図7参照)は、受け台13の内部空間に設けられる。センサ205は、ベルト512の下方に設けられた非接触式センサ(反射型センサ)である。センサ205は、ベルト512に設けられた反射板を検出可能である。
<台座2>
図1を参照し、台座2について説明する。台座2は略長方形状の板状部90を、曲折部911,912で折り曲げることによって作製される。曲折部911,912は、左右方向に間隔を空けて並ぶ、搬送方向に延びる折り目である。板状部90のうち曲折部911,912間に挟まれた部分を、「第1板状部905」という。板状部90のうち曲折部911から立設する部分を、「第2板状部906」という。板状部90のうち曲折部912から立設する部分を、「第2板状部907」という。第1板状部905は、曲折部911,912に沿って均等間隔で形成された複数の穴927を有する。曲折部911に形成された複数の穴927と、曲折部912に形成された複数の穴927とは、左右方向に並ぶ。
複数の穴927は、それぞれ搬送部60を取り付け可能である。具体的には、図1に示すように、作業者は台座2を受け台12に載置する場合、複数の穴927のうち搬送方向の下流側にある一対の穴927に、それぞれ搬送部60を取り付ける。これにより、一対の穴927に取り付けられた搬送部60は、台座2を搬送方向の下流側に搬送できる。
<動作モード>
包装装置1は、異なる動作モードで動作可能である。包装装置1が動作可能な動作モードは、通常モード、又は、連携モードである。通常モードは、搬送機構50のみを使用して台座2及び物品3を搬送することによって、台座2及び物品3をフィルム24によって包装する通常の動作モードを示す。連携モードは、搬送機構50に加え、外付けの搬送機構(ベルトコンベア等)を使用して台座2及び物品3を搬送することによって、台座2及び物品3をフィルム24によって包装する動作モードを示す。例えば図6に示すように、連携モードで動作する包装装置1は、外付けの搬送機構4、6に挟まれた状態で、包装システム100の一部として使用される。搬送機構4、6は、台座2を搬送可能なベルトコンベアである。搬送機構4は、包装装置1に対して上流側に配置される。搬送機構4は、下流側の包装装置1に向けて台座2を搬送し、受け台12上に台座2を受け渡す。包装装置1は、搬送機構4から受け取った台座2を、搬送機構50によって下流側に搬送する。搬送機構6は、包装装置1に対して下流側に配置される。搬送機構6は、包装装置1の受け台13から台座2を受け取り、受け取った台座2を下流側に向けて搬送する。以下、通常モード、及び、連携モードで動作するときのそれぞれにおける、台座2及び物品3の搬送速度を、総称して「第1速度」という。
<電気的構成>
図7を参照し、包装装置1の電気的構成を説明する。包装装置1は、CPU201、フラッシュROM202、RAM203、センサ205、操作部206、表示部207、及び、ヒータ861Aを備える。CPU201は、包装装置1全体の制御を司る。CPU201は、フラッシュROM202に記憶されたプログラムを実行することによって、台座2に載置された物品3をフィルム24によって包装する処理を実行する。フラッシュROM202は、CPU201が実行する後述の各種処理のプログラム等を記憶する。フラッシュROM202は、後述するモードフラグ、第1時間、第2時間、及び、第3時間を記憶する。
モードフラグには、包装装置1の動作モードを示す情報が設定される。CPU201は、操作部206を介して動作モード(通常モード、又は、連携モード)を入力する操作が行われた場合に、動作モードを示す情報を、モードフラグに設定する。第1時間及び第2時間については後述する。第3時間は、台座2の搬送が開始されてから、台座2の下流側の端部にフィルム24がヒータ861Aによって溶着されるまでに要する時間である。より詳細には、第3時間は、台座2が待機位置から包装位置まで第1速度で搬送され、次いで、台座2の下流側の端部にフィルム24を溶着するためにヒータ861Aが非溶着位置から溶着位置に移動するまでに要する時間を示す。
包装装置1が通常モードで動作する場合の待機位置は、受け台12(図1参照)上の位置を示す。包装装置1が連携モードで動作する場合の待機位置は、包装装置1に対して上流側に配置された搬送機構4(図6参照)上の位置を示す。包装位置は、側板部材111、112間で挟まれた位置である。より詳細には、包装位置は、台座2の第1板状部905の下流側の辺901が、5つの加熱ユニット861の上方位置よりも下流側に所定距離分移動した位置を示す。
通常モード、及び、連携モードのそれぞれに対応する第3時間は、フラッシュROM202に記憶されたテーブルに格納される。CPU201は、それぞれの動作モードに対応する第3時間を、フラッシュROM202に記憶されたテーブルを参照して特定できる。なお、CPU201は、動作モード、及び、第3時間を入力する操作を、操作部206を介して検出した場合、入力された動作モードを示す情報をモードフラグに設定する。CPU201は、入力された第3時間を、入力された動作モードを示す情報に対応付けて、テーブルに格納する。
包装装置1は、駆動部211〜216、モータ221〜226、エンコーダ232を備える。駆動部211〜216は、それぞれ、モータ221〜226にパルス信号を出力することによって、モータ221〜226を駆動する。モータ221〜226はDCモータである。エンコーダ232は、モータ222の回転に応じた数のパルス信号を出力する。CPU201は、フラッシュROM202、RAM203、センサ205、操作部206、表示部207、ヒータ861A、駆動部211〜216、及び、エンコーダ232と電気的に接続する。駆動部211〜216は、それぞれ、モータ221〜226と電気的に接続する。
<メイン処理>
図8〜図17を参照し、包装装置1のCPU201によって実行されるメイン処理(図8〜図10参照)について説明する。CPU201は、包装装置1に電源が投入された場合、フラッシュROM202に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、メイン処理を開始する。図11〜図17は、図2におけるA−A線の矢視方向断面図を示す。
図8に示すように、CPU201は、電源が投入された時刻(以下、「第1時刻」という。)を、RAM203に記憶する。CPU201は、包装装置1の状態を初期化する(S11)。具体的には次の通りである。CPU201は、誘導機構39を最上位に配置させる(図11参照)。CPU201は、センサ205(図7参照)が反射板を検出するまで、搬送機構50のベルト511、512(図11参照)を回転させ、受け台12の受け面12A(図3参照)から搬送部60が上方に突出した状態とする(図11参照)。CPU201は、連携モードを示す情報がモードフラグに設定されている場合、搬送機構50のベルト511、512を更に回転させることによって、外付けの搬送機構4(図6参照)によって搬送される台座2を搬送部60によって受け取ることが可能な位置に、搬送部60を配置させる。
CPU201は、加熱機構86を最下位に移動させ、ヒータ861Aを非溶着位置に配置させる。ヒータ861Aは、搬送経路103から下方に離隔する(図11参照)。CPU201は、ヒータ861Aに対する通電を停止させる。CPU201は、ストッパ81を下流側に移動させる(図11参照)。CPU201は、一対の保持部材78を揺動させ、保持ローラ72を台座ガイドローラ71から離隔させる(図13参照)。
CPU201は、第1時間及び第2時間(以下、総称して「履歴時間」ともいう。)がフラッシュROM202に記憶されているか判定する(S13)。第1時間は、包装装置1に電源が投入されてから、後述するS101(図10参照)の処理が実行される前までの経過時間を示す。第2時間は、セットキーが押下されてから、S101の処理が実行される前までの経過時間を示す。履歴時間は、後述するS43の処理によって算出され、フラッシュROM202に記憶される。CPU201は、履歴時間がフラッシュROM202に記憶されていないと判定した場合(S13:NO)、処理をS15に進める。CPU201は、操作部206のセットキーが押下されたか判定する(S15)。CPU201は、セットキーが押下されていないと判定した場合(S15:NO)、処理をS15に戻し、セットキーが押下されたかを継続して監視する。
ここで、ユーザは、包装装置1にフィルムロール22が装着されていない場合、フィルムロール装着部11Aにフィルムロール22を装着する。次に、ユーザは、装着されたフィルムロール22からフィルム24を手動で下方に繰り出し、誘導ローラ33の上流側にフィルム24を配置させる。ユーザは、更にフィルムロール22からフィルム24を手動で下方に繰り出し、搬送経路103(図10参照)の下側、且つ、台座ガイドローラ71の下流側にフィルム24の下端部を配置させる。次に、ユーザは、フィルムロール装着部11Aにフィルムロール22が装着されていることを包装装置1に通知するために、セットキーを押下する。
CPU201は、セットキーが押下されたと判定する(S15:YES)。CPU201は、セットキーが押下された時刻(以下、「第2時刻」という。)を、RAM203に記憶する。CPU201は、一対の保持部材78を揺動させ、保持ローラ72を台座ガイドローラ71の下流側に近接させる(S17)。フィルムロール22から繰り出されたフィルム24の下端部は、台座ガイドローラ71及び保持ローラ72によって搬送方向両側から挟まれ、保持される。CPU201は、開始キーが押下されたか判定する(S19)。CPU201は、開始キーが押下されていないと判定した場合(S19:NO)、処理をS19に戻し、開始キーが押下されたかを継続して監視する。
ここで、ユーザは、セットキーを押下した後、待機位置に台座2を載置させる(図11参照)。なお、包装装置1が通常モードで動作している場合、ユーザは、受け台12上に台座2を載置させ、搬送部60に台座2をセットする。一方、包装装置1が連携モードで動作している場合、ユーザは、外付けの搬送機構4上に台座2を載置させる。台座2の第1板状部905の辺901は下流側に配置され、辺902は上流側に配置される。台座2の第1板状部905上に物品3が載置される(図11参照)。ユーザは、フィルム24による物品3の包装を包装装置1に開始させるために、開始キーを押下する。
CPU201は、開始キーが押下されたと判定する(S19:YES)。CPU201は、暖機処理(図9参照)を実行する(S21)。図9を参照し、暖機処理について説明する。CPU201は、5つの加熱ユニット861(図5参照)のそれぞれのヒータ861A(図5参照)に対する通電を開始することによって、ヒータ861Aの加熱を開始する(S51)。つまり、台座2及び物品3が待機位置に配置され、ヒータ861Aが非溶着位置に配置された状態で、ヒータ861Aの加熱が開始されることになる。なお、通電される電流は、ヒータ861Aを、フィルム24の融点と同じ温度で維持させることが可能な大きさとされる。このため、通電が開始されることによって、ヒータ861Aの温度は、フィルム24の融点と同じ温度に向けて上昇を開始する。なお、ヒータ861Aは、フィルム24の融点と同じ温度まで上昇した後、通電が維持されている間、この温度で維持される。
CPU201は、包装装置1の動作モードを、フラッシュROM202に記憶されたモードフラグによって特定する。更に、CPU201は、特定した動作モードに対応する第3時間を、フラッシュROM202に記憶されたテーブルに基づいて特定する。CPU201は、特定した第3時間が所定時間(以下、「第2所定時間」という。)以上か判定する(S53)。CPU201は、第3時間が第2所定時間以上と判定した場合(S53:YES)、台座2の搬送速度として第1速度をそのまま設定する(S55)。CPU201は暖機処理を終了させ、処理をメイン処理(図8参照)に戻す。CPU201は、第3時間が第2所定時間よりも小さいと判定した場合(S53:NO)、台座2の搬送速度を、第1速度の代わりに、第1速度よりも遅い第2速度に設定する(S57)。CPU201は暖機処理を終了させ、処理をメイン処理(図8参照)に戻す。
図8に示すように、CPU201は、暖機処理(S21)の終了後、包装処理(図11参照)を開始させる(S41)。図10を参照し、包装処理について説明する。CPU201は、モータ222を正方向に回転させ、ベルト511、512を正方向(図11における矢印181の方向)に回転させる。又、CPU201は、連携モードで動作する場合、外付けの搬送機構4、6(図6参照)の駆動を開始する。これによって、台座2の待機位置からの搬送が開始される。連携モードで動作する場合、搬送機構4によって搬送された台座2が、受け台12上に受け渡される。搬送部60は、搬送経路103に沿って台座2を下流側に搬送する(S101)。このときの搬送速度は、S55(図9参照)の処理によって設定された第1速度、又は、S57(図9参照)の処理によって設定された第2速度である。CPU201は、待機位置からの台座2の搬送が開始される直前の時刻(以下、「第3時刻」という。)を、RAM203に記憶する。
台座2の第1板状部905の下流側の端部(辺901)はフィルム24に接触し、その後、保持ローラ72上を通過する(図12における矢印182)。台座2の第1板状部905の辺901は、フィルム24を下流側に押す。台座2の第1板状部905の辺901は、上流側から移動経路104に近づき、5つの加熱ユニット861の上方を通過する(図12参照)。台座2の第1板状部905の辺901によってフィルム24が下流側に押されることで、フィルム24の下端部は台座2の第1板状部905の下面に回り込む。
CPU201は、台座2の第1板状部905の辺901が、5つの加熱ユニット861の上方位置に対して所定距離分下流側に移動したか否か、言い換えれば、台座2及び物品3が包装位置まで搬送されたかを、エンコーダ232からの出力信号から特定したモータ222の回転数に基づいて判断する。CPU201は、台座2及び物品3が包装位置まで移動したと判断した場合、モータ222の駆動を停止して台座2の下流側への搬送を停止させる。CPU201は、モータ223を駆動して加熱機構86を最下位から最上位に上昇させる(S103)。これによって、ヒータ861Aは、非溶着位置から溶着位置まで移動する。加熱機構86が最上位まで上昇した後、CPU201は、モータ223の駆動を停止させて加熱機構86の上昇を停止させる。なお、5つの加熱ユニット861のそれぞれのヒータ861Aは、暖機処理(図9参照)によって通電が開始されている。ヒータ861Aは、フィルム24の融点と同じ温度で略一定に維持された状態で、非溶着位置から溶着位置まで移動する。
図12に示すように、加熱機構86が最上位まで上昇(矢印183)した場合、溶着位置に配置されたヒータ861Aは、台座2の第1板状部905の下面にフィルム24を押し付ける。ヒータ861Aはフィルム24の端部を溶融する。溶融されたフィルム24の端部は、台座2の第1板状部905の下面のうち辺901近傍に溶着する。
図10に示すように、CPU201は、加熱機構86を最上位まで上昇させてから所定時間経過後、モータ223を駆動して加熱機構86を下降させる(S105、矢印184(図13参照))。ヒータ861Aは非溶着位置に配置され、フィルム24から離隔する。CPU201は、加熱機構86が最下位まで下降したと判断した場合、モータ223の駆動を停止させて加熱機構86の下降を停止させる。
CPU201は、モータ226を駆動して一対の保持部材78を揺動させ、保持ローラ72を台座ガイドローラ71から離隔させる(S107)、図13に示すように、一対の保持部材78が矢印185の方向に揺動することによって、保持ローラ72は台座ガイドローラ71に対して下方に離隔し、フィルム24の端部は解放される。図10に示すように、CPU201は、ベルト511、512が正方向に回転するようにモータ222を正方向に回転させ、台座2を下流側に搬送させる(S109)。
図13に示すように、フィルム24の端部は、台座2の下面に溶着した状態で、台座2の移動に伴って下流側に移動する(矢印186)。台座2が下流側に移動することによって、台座2の第1板状部905の辺901、及び物品3の下流側の端部は、フィルム24に接触し、接触部分で曲折する。CPU201は、駆動部212を制御してモータ222を継続して駆動し、ベルト511、512を正方向に継続して回転させる。台座2の第1板状部905の辺902が、交差位置105を上流側から下流側に横切る。台座2の第1板状部905及び物品3の上側を覆う位置にフィルム24が配置される。誘導ローラ30〜32は、台座2及び物品3の上方に延びるフィルム24の上方に配置された状態になる。
図10に示すように、CPU201は、モータ222の駆動を停止させ、台座2の搬送を停止させる。CPU201は、モータ221を駆動して誘導機構39を最下位に移動させる(S111)。図14に示すように、誘導ローラ30は、移動経路104に沿って最上位側から最下位側に移動する(矢印187)。誘導ローラ30,32は、移動の過程で、下方に配置された状態のフィルム24に上側から接触し、フィルム24を移動経路104に沿って下方に誘導する。フィルム24は、台座2及び物品3に上方から押し当てられる。図14に示すように、誘導ローラ31は、最下位に配置された状態で、搬送経路103に対して下側から接した状態となる。フィルム24は、台座2の第1板状部905及び物品3の下流側、上側、及び上流側を覆う。
図10に示すように、CPU201は、ベルト511、512が逆方向に回転するように、モータ222を逆方向に回転させる(S113)。図14に示すように、台座2は、下流側から上流側に移動する(矢印188)。台座2の第1板状部905の辺902は、フィルム24に接触して上流側に押す。台座2の第1板状部905の辺902は、5つの加熱ユニット861の上方位置を通過し、上流側に移動する。台座2の第1板状部905の下面と誘導ローラ31との間にフィルム24が挟まれた状態になる。フィルム24は、台座2の下側に回り込む。
CPU201は、台座2の第1板状部905の辺902が、5つの加熱ユニット861の上方位置に対して所定距離分上流側に移動したかを、エンコーダ232からの出力信号から特定したモータ222の回転数に基づいて判断する。CPU201は、台座2の第1板状部905の辺902が、5つの加熱ユニット861の上方位置よりも上流側に所定距離分移動したと判断した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止し、台座2の搬送を停止させる。
図10に示すように、CPU201は、モータ224を駆動して回転抑制機構80のストッパ81を上流側に移動させる(S115)。図15に示すように、回転抑制機構80のストッパ81の上流側には、最下位に移動した誘導ローラ30が配置される。ストッパ81が上流側に移動する(矢印189)ことによって、誘導ローラ30に巻きついた状態のフィルム24は、ストッパ81と誘導ローラ30との間に挟まれ、移動不能となる。
図10に示すように、CPU201は、モータ225を駆動し、切断部77を左側から右側へ移動させる(S117)。刃部771は、フィルム24のうち、誘導ローラ30、32に接触する2箇所の間の部分を切断する。フィルム24のうち台座2の第1板状部905及び物品3を覆った部分は、フィルムロール22側から切り離される。図16に示すように、フィルム24の切断後、フィルムロール22から延びるフィルム24のうち切断された端部は、台座ガイドローラ71の下方側に垂れ下がる。
図10に示すように、CPU201は、モータ226を駆動して一対の保持部材78を揺動させ(S119)、保持ローラ72が台座ガイドローラ71の下流側に近接した状態とする。図16に示すように、一対の保持部材78は矢印190の方向に揺動する。フィルム24のうち切断部77によって切断された端部は、台座ガイドローラ71及び保持ローラ72によって挟持される。
図10に示すように、CPU201は、モータ223を駆動して加熱機構86を最下位から最上位まで上昇させる(S121、矢印191(図16参照))。加熱機構86が最上位まで上昇した後、CPU201は、モータ223の駆動を停止させ、加熱機構86の上昇を停止させる。このとき、ヒータ861Aは溶着位置に配置され、台座2に対してフィルム24を押し付ける。なお、ヒータ861Aは、フィルム24の融点と略同一温度で略一定に維持された状態で、非溶着位置から溶着位置に移動する。このため、ヒータ861Aは、フィルム24のうち切断部77によって切り取られた端部を加熱し、フィルム24を溶融する。溶解されたフィルム24は、台座2の第1板状部905の辺902近傍に溶着される。フィルムロール22から切り取られたフィルム24は、台座2及び物品3を覆った状態になる。
CPU201は、モータ223を駆動して加熱機構86を最上位から最下位まで下降させる(S123、矢印192(図17参照))。ヒータ861Aは非溶着位置に配置され、フィルム24から離隔する。CPU201は、加熱機構86が最下位まで下降した場合、モータ223の回転を停止させて加熱機構86の下降を停止させる。CPU201は、ヒータ861Aに対する通電を停止させる(S125)。
CPU201は、モータ224を駆動して回転抑制機構80のストッパ81を下流側に移動させる(S127、矢印193(図17参照))。ストッパ81は下流側に移動し、誘導ローラ30から離隔する。CPU201は、ベルト511、512が正方向に回転するように、モータ222を正方向に回転させる。台座2は、下流側に搬送される(S129、矢印194(図17参照))。包装が完了した台座2及び物品3は、下流側に搬送される。なお、包装装置1が連携モードで動作している場合、包装が完了した台座2及び物品3は、下流側の搬送機構6(図6参照)に受け渡される。CPU201は包装処理を終了させ、処理をメイン処理(図8参照)に戻す。
図8に示すように、CPU201は、包装処理(S41)の終了後、RAM203に記憶された第1時刻から第3時刻までの経過時間を、第1時間として算出する。CPU201は、RAM203に記憶された第2時刻から第3時刻までの経過時間を、第2時間として算出する。CPU201は、算出した第1時間及び第2時間を、フラッシュROM202に記憶する(S43)。CPU201はメイン処理を終了させる。
CPU201は、S13の処理によって、フラッシュROM202に履歴情報(第1時間、第2時間)が記憶されていると判定した場合(S13:YES)、処理をS23に進める。CPU201は、フラッシュROM202に記憶された第1時間が、所定時間(以下、「第1所定時間」という。)よりも小さいか判定する(S23)。CPU201は、第1時間が第1所定時間よりも短いと判定した場合(S23:YES)、暖機処理(図9参照)を実行する(S25)。暖機処理の説明は省略する。CPU201は、暖機処理の終了後、操作部206のセットキーが押下されたか判定する(S27)。CPU201は、セットキーが押下されていないと判定した場合(S27:NO)、処理をS27に戻し、セットキーが押下されたかを継続して監視する。CPU201は、セットキーが押下されたと判定した場合(S27:YES)、セットキーが押下された時刻を示す第2時刻を、RAM203に記憶する。
CPU201は、一対の保持部材78を揺動させ、保持ローラ72を台座ガイドローラ71の下流側に近接させる(S29)。フィルムロール22から繰り出されたフィルム24の下端部は、台座ガイドローラ71及び保持ローラ72によって搬送方向両側から挟まれ、保持される。CPU201は、開始キーが押下されたか判定する(S31)。CPU201は、開始キーが押下されていないと判定した場合(S31:NO)、処理をS31に戻し、開始キーが押下されたかを継続して監視する。CPU201は、開始キーが押下されたと判定した場合(S31:YES)、包装処理を実行する(S41)。CPU201は、包装処理の終了後、第1時間及び第2時刻を算出し、フラッシュROM202に記憶する(S43)。CPU201はメイン処理を終了させる。
CPU201は、S23の処理によって、第1時間が第1所定時間以上と判定した場合(S23:NO)、フラッシュROM202に記憶された第2時間が、第1所定時間よりも小さいか判定する(S33)。CPU201は、第2時間が第1所定時間よりも小さいと判定した場合(S33:YES)、操作部206のセットキーが押下されたか判定する(S35)。CPU201は、セットキーが押下されていないと判定した場合(S35:NO)、処理をS35に戻し、セットキーが押下されたかを継続して監視する。CPU201は、セットキーが押下されたと判定した場合(S35:YES)、セットキーが押下された時刻を示す第2時刻を、RAM203に記憶する。
CPU201は、一対の保持部材78を揺動させ、保持ローラ72を台座ガイドローラ71の下流側に近接させる(S37)。フィルムロール22から繰り出されたフィルム24の下端部は、台座ガイドローラ71及び保持ローラ72によって搬送方向両側から挟まれ、保持される。CPU201は、暖機処理(図9参照)を実行する(S39)。暖機処理の説明は省略する。CPU201は、開始キーが押下されたか判定する(S31)。CPU201は、開始キーが押下されていないと判定した場合(S31:NO)、処理をS31に戻し、開始キーが押下されたかを継続して監視する。CPU201は、開始キーが押下されたと判定した場合(S31:YES)、包装処理を実行する(S41)。CPU201は、包装処理の終了後、第1時間及び第2時刻を算出し、フラッシュROM202に記憶する(S43)。CPU201はメイン処理を終了させる。
CPU201は、S33の処理によって、第2時間が第1所定時間以上と判定した場合(S33:NO)、処理をS15に進める。S15〜S43の処理の説明は省略する。
<上記実施形態の主たる効果>
以上説明したように、CPU201は、台座2が包装位置まで移動する前に、暖機処理(図9参照)を実行し、ヒータ861Aに対する通電を開始して加熱を開始する(S21、S25、S39)。このため、CPU201は、台座2が包装位置まで移動したときに、温度が略一定に維持された状態のヒータ861Aを、非溶着位置から溶着位置に移動させ、フィルム24の一部を台座2に溶着させることができる。このため、CPU201は、フィルム24の一部をヒータ861Aによって加熱する場合において、ヒータ861Aの加熱不足によってフィルム24の温度が融点まで上昇しなかったり、ヒータ861Aの加熱過剰によってフィルム24が破断したりすることを抑制できる。
CPU201は、S103の処理によってヒータ861Aを溶着位置に配置させた後も、ヒータ861Aに対する通電を継続する。この場合、ヒータ861Aの温度は、フィルム24の融点と略同一温度で略一定に維持される。これによって、CPU201は、フィルム24の一部を適切に溶融させることができるので、フィルム24の一部を台座2に適切に溶着させることができる。
第1時間が第1所定時間よりも小さい場合、包装装置1の電源が投入されてから、台座2の搬送か開始される直前までの時間が相対的に短い傾向がある。このため、CPU201は、第1時間が第1所定時間よりも小さいと判定した場合(S23:YES)、フィルムロール装着部11Aがフィルムロール22に装着されたときに押下されるセットキーが押下されたと判定する(S27)前に、ヒータ861Aに対する通電を開始する(S25)。これによって、CPU201は、ヒータ861Aを使用してフィルム24の一部を台座2に溶着させるまでに、ヒータ861Aの温度をフィルム24の融点と略同一温度まで加熱させ、且つ、この温度で略一定に維持させることができる。
第1時間が第1所定時間以上であり(S23:NO)、且つ、第2時間が第1所定時間よりも小さい場合(S33:YES)、セットキーが押下されてから、台座2の搬送か開始される直前までの時間が相対的に短い傾向がある。このため、CPU201は、セットキーが押下されたと判定した(S35:YES)後、開始キーが押下されたと判定する(S31)前に、ヒータ861Aに対する通電を開始する。これによって、CPU201は、ヒータ861Aを使用してフィルム24の一部を台座2に溶着させるまでに、ヒータ861Aの温度をフィルム24の融点と略同一温度まで加熱させ、且つ、この温度で略一定に維持させることができる。又、CPU201は、第1時間が第1所定時間よりも小さい場合(S23:YES)に比べて、ヒータ861Aに対する通電を開始するタイミングを遅らせることができるので、ヒータ861Aの加熱に要する電流の消費量を抑制できる。
第1時間及び第2時間がいずれも第1所定時間以上の場合(S33:YES)、包装装置1の電源が投入されてから、台座2の搬送か開始される直前までの時間、及び、セットキーが押下されてから、台座2の搬送か開始される直前までの時間が、相対的に長い傾向がある。このため、CPU201は、開始キーが押下されたと判定した(S19:YES)後、ヒータ861Aに対する通電を開始する。これによって、CPU201は、第2時間が第1所定時間よりも小さい場合に比べて、ヒータ861Aに対する通電を開始するタイミングを遅らせることができるので、ヒータ861Aの加熱に要する電流の消費量を更に抑制できる。
CPU201は、第3時間が第2所定時間よりも小さいと判定した場合(S53:NO)、台座2及び物品3の搬送速度を、第1速度の代わりに、第1速度よりも遅い第2速度に設定する。従って、例えば通常モードで動作する場合のように、搬送機構50による搬送経路が相対的に短い場合、CPU201は、搬送速度を第2速度に設定できる。一方、例えば連携モードで動作する場合のように、台座2の搬送経路が外付け搬送機構4分長い場合、CPU201は、搬送速度を第1速度に設定できる。これによって、CPU201は、台座2が待機位置から包装位置まで移動するときに要する時間を、搬送経路の長短に関わらず確保できる。これによって、CPU201は、ヒータ861Aの温度を、フィルム24の融点と略同一温度まで加熱するために十分な時間を確保できる。従って、CPU201は、ヒータ861Aによってフィルム24を台座2に溶着するまでの間に、ヒータ861Aを適切に加熱し、フィルム24の融点と略同一温度で略一定に維持できる。
CPU201は、暖機処理(図9参照)において、それぞれのヒータ861Aの温度を、フィルム24の融点と略同一温度で略一定に維持するために必要な電流を、それぞれのヒータ861Aに通電する(S51)。このため、ヒータ861Aは、フィルム24の一部を台座2に押し当てた状態でフィルム24を融点まで加熱して溶融させ、台座2に溶着させることができる。
<変形例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記実施形態において、CPU201は、S21、S25、S39の何れかによって暖機処理(図9参照)を実行し、ヒータ861Aに対する通電を開始した。又、CPU201は、S125の処理によってそれぞれのヒータ861Aに対する通電を停止させるまで、ヒータ861Aに対する通電を継続した。これに対し、CPU201は、S103の処理によってそれぞれのヒータ861Aを溶着位置に配置させた後、ヒータ861Aに対する通電を停止させてもよい。この場合、ヒータ861Aは、余熱によってフィルム24を溶融し、台座2の第1板状部905の下面のうち辺901近傍にフィルム24の端部を溶着させることになる。又、CPU201は、S105の処理によってそれぞれのヒータ861Aを非溶着位置に配置させた後、言い換えれば、台座2の下流側にフィルム24を溶着した後、ヒータ861Aに対する通電を停止させてもよい。又、CPU201は、台座2の下流側にフィルム24を溶着した後、ヒータ861Aに対して通電する電流値を、S51の処理によって通電されるときの電流(以下、「第1電流」という。)よりも小さい第2電流としてもよい。CPU201は、S121の処理によってヒータ861Aを溶着位置に配置させる前の何れかのタイミングで、ヒータ861Aに対する第1電流の通電を再開してもよい。
CPU201は、包装装置1の電源が投入された第1時刻から、S101の処理によって、待機位置からの台座2及び物品3の搬送を開始させる直前の第3時刻までの経過時間を、第1時間として算出した。これに対し、CPU201は、第1時刻から、S19、S31の処理によって、開始キーが押下されたと判定するまでの経過時間を、第1時間として算出してもよい。CPU201は、第1時刻から、ヒータ861Aが溶着位置に移動するまでの経過時間を、第1時間として算出してもよい。CPU201は、セットキーが押下されたと判定した第2時刻から第3時刻までの経過時間を、第2時間として算出した。これに対し、CPU201は、第2時刻から、S19、S31の処理によって、開始キーが押下されたと判定するまでの経過時間を、第2時間として算出してもよい。CPU201は、第2時刻から、ヒータ861Aが溶着位置に移動するまでの経過時間を、第2時間として算出してもよい。CPU201は、セットキーが押下されたと判定した時刻を、第2時刻とした。これに対し、包装装置1は、フィルムロール22が装着されたことを検出可能なセンサを、フィルムロール装着部11Aに備えてもよい。CPU201は、センサを介して、フィルムロール装着部11Aにフィルムロール22が装着されたと判定したときの時刻を、第2時刻としてもよい。
CPU201は、第1時間が第1所定時間以上であり(S23:NO)、第2時間が第1所定時間よりも小さい場合(S33:YES)、S31の処理によって開始キーが押下されたと判定する前に、暖機処理を実行し、それぞれのヒータ861Aに対する通電を開始させた(S39)。これに対し、CPU201は、開始キーが押下されたと判定した後、S101の処理によって、待機位置からの台座2及び物品3の搬送を開始させる前までの何れかのタイミングで、暖機処理を実行し、それぞれのヒータ861Aに対する通電を開始させてもよい。
CPU201は、第1時間及び第2時間が何れも第1所定時間以上と判定した場合(S33:NO)、開始キーが押下されたと判定した後(S19:YES)、暖機処理を実行し、それぞれのヒータ861Aに対する通電を開始させた(S21)。これに対し、CPU201は、S101の処理によって、待機位置からの台座2及び物品3の搬送を開始させた後で、暖機処理を実行し、それぞれのヒータ861Aに対する通電を開始させてもよい。
CPU201は、第3時間が第2所定時間よりも小さいと判定した場合(S53:NO)、台座2及び物品3の搬送速度を、第1速度の代わりに、第1速度よりも遅い第2速度に設定した。これに対し、CPU201は、ヒータ861Aに対する通電を開始させてから、フィルム24の融点まで上昇するのに要する時間を特定してもよい。CPU201は、待機位置から包装位置までの距離を、特定した時間で除算することによって、速度を算出してもよい。CPU201は、第3時間が第2所定時間よりも小さいと判定した場合、算出した速度を、搬送速度として、第2速度の代わりに設定してもよい。
CPU201は、フィルム24の融点と略同一温度で略一定に維持するために必要な電流(第1電流)を、ヒータ861Aに通電した。ヒータ861Aに通電される電流は第1電流に限定されない。CPU201は、ヒータ861Aに通電するときの電流を、第1電流より大きくしてもよいし、小さくしてもよい。
包装装置1は、通常モード、及び、連携モードの他に、消音モードで動作してもよい。消音モードは、台座2及び物品3をフィルム24によって包装するときの動作音を抑制することが可能な動作モードである。消音モードで動作するときの台座2の搬送速度を第3速度とした場合、第3速度は、通常モード及び連携モードで動作するときの台座2の搬送速度である第1速度よりも遅い。
上記の場合において、CPU201は、S53の処理によって、動作モードが通常モード又は連携モードか、又は、消音モードであるか判定してもよい。CPU201は、消音モードであると判定した場合、搬送速度を第3速度に設定してもよい。CPU201は、通常モード又は連携モードであると判定した場合、搬送速度を、第1速度の代わりに第2速度に設定してもよい。
<その他>
搬送機構50は本発明の「搬送部」の一例である。フィルムロール装着部11Aは、本発明の「フィルム供給部」の一例である。搬送機構50、誘導機構39、保持機構70、加熱機構86、回転抑制機構80、及び切断部77は、本発明の「包装部」の一例である。CPU201は本発明の「制御部」の一例である。