JP2024048582A - 接着装置 - Google Patents

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和人 西村
Kazuto Nishimura
到 柴田
Itaru Shibata
和俊 梅田
Kazutoshi Umeda
裕一朗 皆川
Yuichiro Minagawa
智行 鈴木
Satoyuki Suzuki
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Abstract

【課題】接着動作の開始直後から、シートを適切に搬送して接着することが可能な接着装置を提供する。【解決手段】接着装置は、下搬送ローラとの間にシートを挟む上搬送ローラ4A、上搬送ローラ41に対して搬送方向の上流側に設けられた補助搬送ローラ4B、上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bを支持する支持腕部40、支持腕部40を第1腕位置と第2腕位置とに切り替えるエアシリンダ4Fを備える。支持腕部40が第1腕位置に配置された状態で、補助搬送ローラ4Bは上支持部との間にシートを挟んだ第1補助位置に配置され、上搬送ローラ4Aは下搬送ローラとの間にシートを挟んだ第1上搬送位置に配置される。支持腕部40が第2腕位置に配置された状態で、補助搬送ローラ4Bは第1補助位置に配置され、上搬送ローラ4Aは第1上搬送位置よりも上方の第2上搬送位置に配置される。【選択図】図20

Description

本発明は、接着装置に関する。
特許文献1は、布接着装置を開示する。布接着装置は、ノズル、上搬送ローラ、下搬送ローラを有する。上搬送ローラ及び下搬送ローラは、ノズルに対して上シート及び下シートの搬送方向の下流側に設けられる。ノズルは、上シートと下シートとの間に接着剤を吐出する。上搬送ローラ及び下搬送ローラは、上シート及び下シートを挟み、接着しながら搬送する。
特開2021-110060号公報
接着動作の開始直後、上シート及び下シートにおける搬送方向の下流側の端部が上搬送ローラ及び下搬送ローラに到達するまでの間、上搬送ローラ及び下搬送ローラは上シート及び下シートを搬送できない。このため、接着装置の使用者は、この間、上シート及び下シートを手動で上搬送ローラ及び下搬送ローラに向けて送り出す操作を行う必要があり、操作が煩わしいという問題点がある。
本発明の目的は、接着動作の開始直後から、シートを適切に搬送して接着することが可能な接着装置を提供することである。
本発明に係る接着装置は、シートを搬送方向に搬送する搬送機構と、重ねられた前記シートの間に接着剤を吐出する吐出口を有するノズルと、前記ノズルよりも前記搬送方向の上流側に設けられ、重ねられた前記シートのうち上側の部分を下方から支持する上支持部とを備えた接着装置であって、前記搬送機構は、前記ノズルに対して前記搬送方向の下流側に設けられ、前記搬送方向と上下方向とに直交する回転軸を中心として回転可能であり、前記シートに下側から接触する下搬送ローラと、前記搬送方向と上下方向とに直交する回転軸を中心として回転可能であり、前記シートに上側から接触し、前記下搬送ローラとの間に前記シートを挟む上搬送ローラと、前記上搬送ローラに対して前記搬送方向の上流側に設けられ、重ねられた前記シートのうち上側の部分を前記上支持部との間で上側から挟む補助搬送ローラと、前記上搬送ローラ及び前記補助搬送ローラを、一方の端部側の第1支持部で回転可能に支持し、第1腕位置と第2腕位置とに移動可能な支持腕部と、前記支持腕部を前記第1腕位置と前記第2腕位置とに切り替えるアクチュエータと、を備え、前記支持腕部が前記第1腕位置に配置された状態で、前記補助搬送ローラは、前記上支持部との間に前記シートを挟んだ第1補助位置に配置され、且つ、前記上搬送ローラは、前記下搬送ローラとの間に前記シートを挟んだ第1上搬送位置に配置され、前記支持腕部が前記第2腕位置に配置された状態で、前記補助搬送ローラは前記第1補助位置に配置され、且つ、前記上搬送ローラは、前記第1上搬送位置よりも上方の第2上搬送位置に配置されることを特徴とする。
接着装置は、上搬送ローラ及び下搬送ローラよりも搬送方向の上流側で、補助搬送ローラと上支持部との間にシートを挟み搬送できる。この場合、使用者は、シートの搬送方向の下流側の端部が上搬送ローラ及び下搬送ローラに到達するまでの間も、シートを送り出す操作を行う必要がない。従って、接着装置は、接着動作の開始直後から、シートを適切に搬送してシートを接着させることができる。
本発明において、前記搬送機構は、前記支持腕部の前記第1支持部に揺動可能に支持され、前記上搬送ローラ及び前記補助搬送ローラを回転可能に支持するローラユニットを有し、前記上搬送ローラは、前記支持腕部の移動と、前記ローラユニットの揺動とに応じて、前記第1上搬送位置又は前記第2上搬送位置に配置されてもよい。接着装置は、上搬送ローラ移動を、ローラユニットの揺動により効率良く行うことが可能となる。
本発明において、前記ローラユニットは、第1ユニット位置と第2ユニット位置との間で揺動し、前記支持腕部が前記第1腕位置に配置され、且つ、前記ローラユニットが前記第1ユニット位置に配置された状態で、前記補助搬送ローラは前記第1補助位置に配置され且つ前記上搬送ローラは前記第1上搬送位置に配置され、前記支持腕部が前記第2腕位置に配置され、且つ、前記ローラユニットが前記第2ユニット位置に配置された状態で、前記補助搬送ローラは前記第1補助位置に配置され且つ前記上搬送ローラは前記第2上搬送位置に配置され、前記搬送機構は、前記ローラユニットを前記第1ユニット位置から前記第2ユニット位置に向けて付勢するバネを備えてもよい。接着装置は、バネの付勢力に抗してローラユニットを揺動させることにより、上搬送ローラを第1上搬送位置に配置させることができる。一方、接着装置は、バネの付勢力に応じてローラユニットを移動させることにより、上搬送ローラを第2上搬送位置に配置させることができる。
本発明において、前記第1ユニット位置から前記第2ユニット位置に向けた前記ローラユニットの揺動を規制するストッパを備えてもよい。接着装置は、上搬送ローラが第2搬送位置に配置された状態を安定的に維持できる。
本発明において、前記支持腕部は、更に、第3腕位置に移動可能であり、前記アクチュエータは、前記支持腕部を前記第3腕位置に切り替え可能であり、前記支持腕部が前記第3腕位置に配置された状態で、前記補助搬送ローラは、前記第1補助位置よりも上方の第2補助位置に配置され、且つ、前記上搬送ローラは、前記第2上搬送位置よりも上方の第3上搬送位置に配置されてもよい。使用者は、支持腕部が第3腕位置に配置された状態で、シートの交換を容易に行うことができる。
本発明において、第1リンクと、前記第1リンクの前記搬送方向の上流側に設けた第2リンクとを有するリンク機構を備え、前記第1リンクは、一方側の端部である第1一端部を、前記支持腕部の前記一方の端部と反対側の他端部側の第2支持部が回動可能に支持し、他方側の端部である第1他端部を中心に回動可能であり、前記第2リンクは、一方側の端部である第2一端部を、前記支持腕部の前記第1支持部と前記第2支持部の間の部位が回動可能に支持し、他方側の端部である第2他端部を中心に回動可能であり、前記上搬送ローラが前記第1上搬送位置又は前記第2上搬送位置にある時、前記第2リンクは、前記第2一端部から前記第2他端部へ上方に延び、前記第1リンクは、前記第1一端部が前記第1他端部よりも前記搬送方向の上流側且つ下側に位置するように延び、前記上搬送ローラが前記第3上搬送位置にある時、前記第2リンクは、前記第2一端部が前記第2他端部よりも前記搬送方向の下流側且つ下側に位置するように延びてもよい。
支持腕部が第3腕位置から第2腕位置に移動する場合、支持腕部は、第2リンクのうち第2一端部を支持する部位がリンク機構により搬送方向上流側に移動する。このため、支持腕部の搬送方向の上流側の端部は、搬送方向の下流側に移動し難い。従って接着装置は、支持腕部が第3腕位置から第2腕位置に移動する場合に上搬送ローラが搬送方向に移動する量を従来よりも減少できる。
接着装置は、支持腕部が移動する場合において、上搬送ローラが他の部材と干渉し難くできるので、上搬送ローラの移動量を大きくできる。この場合、接着装置は、支持腕部の下方の作業空間を従来よりも拡大できるので、接着装置にシートを配置する等の作業性を向上できる。
本発明において、前記搬送機構は、前記搬送方向の下流側の端部に前記下搬送ローラを有し、前記搬送方向に延びる筒状部と、前記下搬送ローラを駆動する下駆動部を収容する収容部とを備え、前記収容部は、前記筒状部に対して前記搬送方向の上流側に設けられ、且つ、支持軸を介して前記筒状部を上下方向に揺動可能に支持し、前記支持軸が前記収容部に設けられてもよい。接着装置は、支持軸を筒状部に設ける時と比べ、筒状部を小型化できる。従って、接着装置は、筒状部にシートを巻き付けて筒状に接着することで、接着後のシートの径を小さい筒状にできる。
本発明において、前記搬送機構は、前記上搬送ローラ及び前記補助搬送ローラを駆動する上搬送部を有し、前記支持腕部が前記上搬送部を支持してもよい。接着装置は、支持腕部以外の部位で上搬送部を支持する場合に比べ、上搬送部の動力を上搬送ローラ及び補助搬送ローラに伝達する構成を簡単にできる。接着装置は、上搬送ローラ及び補助搬送ローラの移動時に上搬送部の出力軸の回転位置と上搬送ローラ及び補助搬送ローラの回転位置の位置関係を変わり難くできる。従って、接着装置は、位置関係が変わることに起因して上搬送ローラ及び補助搬送ローラが移動時に回転するのを防ぐことができる。
本発明において、前記上搬送部は、前記上搬送ローラによる前記シートの送り量と、前記補助搬送ローラによる前記シートの送り量とが等しくなるように駆動してもよい。接着装置は、シートの接着部分に皺が発生する可能性を軽減できる。
本発明において、前記アクチュエータは、前記搬送方向に延びるエアシリンダであってもよい。接着装置は、上下方向に延びるアクチュエータを備える時よりも、上下方向にコンパクトな構成となる。接着装置は、支持腕部下部の作業空間を従来よりも拡大できるので、接着装置にシートを配置する等の作業性を向上できる。
接着装置1の斜視図。 接着装置1の正面図。 接着装置1の左側面図。 上搬送機構10B、上移動機構10C、下搬送機構10Aの斜視図。 上搬送機構10B、下搬送機構10Aの斜視図。 下搬送機構10Aの斜視図。 下搬送機構10Aの内部構造の斜視図。 下搬送機構10Aの内部構造の斜視図。 筒状部32の左側面図(下搬送ローラ3A:下接触位置)。 筒状部32の左側面図(下搬送ローラ3A:下離隔位置)。 伝達機構3F、切替部3G、下挟持ローラ3Cの斜視図。 ノズル移動機構10Dの斜視図 ノズル6Aの斜視図。 ノズル6Aの平面図。 ノズル6Aの右側面図。 ノズル6Aの底面図。 上支持部6Bの斜視図。 上搬送ユニット10の斜視図。 上搬送機構10B、リンク機構4Eの斜視図。 上搬送機構10Bの内部構造、リンク機構4Eの斜視図。 上搬送機構10Bの分解斜視図。 第3腕位置にある支持腕部40の右側面図。 第3腕位置にある支持腕部40の左側面図。 第2腕位置にある支持腕部40の右側面図。 第2腕位置にある支持腕部40の左側面図。 第1腕位置にある支持腕部40の右側面図。 第1腕位置にある支持腕部40の左側面図。 接着装置1の電気的構成図。 メイン処理を示すフローチャート。 メイン処理を示すフローチャートであって、図29の続き。 第1接着処理を示すフローチャート。 第2接着処理を示すフローチャート。
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。接着装置1は、上シート9Aと下シート9Bを接着剤で接着する(図12照)。上シート9Aは、下シート9Bに上側から重なる。上シート9A及び下シート9Bは、例えば可撓性を有する布である。本実施形態では、一例として、シート90のうち左端部近傍で折り返された縁部が上シート9Aであり、シート90のうち縁部を除く部分が下シート9Bである(図12参照)。接着装置1は、下シート9Bと上シート9Aとを、接着剤を介して接着する。
<接着装置1の構成概要>
図1~図3を参照し、接着装置1の構成の概要を説明する。図1、図2に示すように、接着装置1は、台座部1A、脚柱部1B、腕部1C、頭部1Dを有する。台座部1Aは直方体状であり、作業台に固定される。脚柱部1Bは、台座部1Aの上端部から上方に延びる。腕部1Cは、脚柱部1Bの上端部から左方に延びる。腕部1Cの左端部は、頭部1Dである。
台座部1Aは、固定部1Eを支持する。固定部1Eは前後方向に延び、台座部1Aの左面に固定される。固定部1Eの前部は、台座部1Aの前端よりも前側に延び、前端で下搬送機構10Aを支持する。下搬送機構10Aは、下搬送ローラ3A、ノズル下ローラ3B、下挟持ローラ3C、下駆動部3D(図8参照)等を備える。下搬送ローラ3A、ノズル下ローラ3B、下挟持ローラ3Cは夫々、下シート9Bに下方から接触する。下搬送ローラ3A、ノズル下ローラ3B、下挟持ローラ3Cは夫々、下駆動部3Dにより駆動する。下搬送ローラ3A及びノズル下ローラ3Bは、下シート9Bを後方に搬送し、下挟持ローラ3Cは、下シート9Bを左右方向に移動する。下搬送機構10Aの詳細は後述する。
頭部1Dは、カートリッジを装着する為の装着部11を上端に有する。装着部11は、頭部1Dの上面から上方に延びる箱状のカバー11Aを有する。装着部11は、カバー11Aの内部に、収容部、ヒータ208(図28参照)等を備える。収容部は、カートリッジを着脱可能である。カートリッジは、熱溶融性の接着剤を収容する。接着剤は、所定温度以上で液化し、所定温度未満で固化する。ヒータ208は、収容部に収容されたカートリッジを加熱し、接着剤を溶融して液化する。
接着装置1は、カートリッジ内の接着剤をノズル6A(図3参照)に供給するポンプモータ210(図28参照)を備える。ポンプモータ210の駆動により、カートリッジ内の接着剤は吸引される。
図1~図3に示すように、頭部1Dは、上搬送機構10B(図3参照)、上移動機構10C(図1、図2参照)、ノズル移動機構10D等を支持する。図4に示すように、上搬送機構10Bは、上搬送ローラ4A、補助搬送ローラ4B、上搬送モータ4C等を備える。上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bは、上搬送モータ4Cにより駆動し、上シート9Aに上方から接触して上シート9Aを後方に搬送する。上移動機構10Cは、上挟持ローラ5A、上駆動部5B等を備える。上挟持ローラ5Aは、上駆動部5Bにより駆動し、上シート9Aに上方から接触して上シート9Aを左右方向に移動する。図3に示すように、ノズル移動機構10Dはノズル6A、上支持部6B等を備える。ノズル6Aは、上シート9Aと下シート9Bとの間に接着剤を吐出する。上支持部6Bは、下シート9Bの上方に位置し、上シート9Aを下側から支持する。上搬送機構10B、上移動機構10C、及びノズル移動機構10Dの詳細は後述する。
図1、図2に示すように、脚柱部1Bは、前面左端部にスイッチ12を備える。スイッチ12は、上下方向に並ぶ複数の押ボタンを含む。作業者は、接着装置1に対する操作指示を行う時、スイッチ12に入力する。
<下搬送機構10A>
図6に示すように、下搬送機構10Aは、収容部31及び筒状部32を有する。収容部31は、固定部1E(図1参照)の前端に接続する。収容部31は、左右方向に延びる箱状を有し、前後方向において台座部1A、脚柱部1B、腕部1C、頭部1Dよりも前側にある。収容部31は、下駆動部3D及び切替部3G(図7参照)を収納する。収容部31は、後端且つ左右方向中央に、後側に突出した突出部31Aを有する。図3に示すように、突出部31Aには、左右方向に延びる円柱状の支持軸33が設けられる。
筒状部32は細長い箱状を有し、収容部31から後側に延びる。筒状部32に対して前側に収容部31が位置する。筒状部32の上面は、収容部31の上面と略同一平面状に配置する。筒状部32の下面は、収容部31の下面よりも上側に配置する。筒状部32は、下シート9Bを下方から支持する。
筒状部32は、左壁32L及び延伸板34B(図7参照)を有する。延伸板34Bは筒状部32の右側面を形成する。図7に示すように、筒状部32は、下搬送ローラ3A、ノズル下ローラ3B、下挟持ローラ3C、ベルト3E、伝達機構3Fを収容する。左壁32Lは、延伸板34Bと平行に延びる板状を有する。左壁32Lは、筒状部32の左側面を形成する。
筒状部32の前側の一部は、収容部31の突出部31A内に位置する。図8に示すように、延伸板34Bのうち収容部31の突出部31A内に位置する部分に、孔320Aが設けられる。孔320Aは、延伸板34Bの前後方向中央部より前側に位置する。筒状部32の左壁32Lのうち収容部31の突出部31A内に位置する部分に、孔320Bが設けられる。孔320Bは、左壁32Lの前端部近傍に位置する。収容部31の突出部31Aに設けられた支持軸33は、孔320A、320Bに挿通する。収容部31は、支持軸33を介して筒状部32を回転可能に支持する。非図示のバネは、筒状部32の前側を上方に付勢する。
下駆動部3Dは、下隙間モータ30A、下搬送モータ30B、下モータ30C、エアシリンダ30Dを有する。下隙間モータ30Aは、筒状部32を上下方向に揺動する為の駆動源である。下搬送モータ30Bは、下搬送ローラ3Aとノズル下ローラ3Bを回転する為の駆動源である。下モータ30Cは、下挟持ローラ3Cを回転する為の駆動源である。エアシリンダ30Dは、下挟持ローラ3Cを上下動する為の駆動源である。
偏心カム34Aは、左方に延びる下隙間モータ30Aの回転軸301に接続する。偏心カム34Aは円板カムである。偏心カム34Aは、外周と回転軸301との間の距離が変化するように偏心する。延伸板34Bは、下隙間モータ30Aの左方から上方に向けて延び、後側に曲折して搬送方向に沿って延びる。延伸板34Bは、前端部に孔341を有する。孔341は、内側に突出した当接部341Aを備える。孔341の径は、当接部341Aで小さくなる。偏心カム34Aは孔341内に位置する。筒状部32の前側を上方に付勢するバネにより、偏心カム34Aは当接部341Aに当接した状態を維持する。
偏心カム34Aが下隙間モータ30Aにより孔341内で回転することに応じ、孔341の当接部341Aに当接する偏心カム34Aの部位が切り替わる。この場合、下隙間モータ30Aの回転軸301と当接部341Aとの間の距離が変動し、延伸板34Bの前端部は上下方向に移動する。延伸板34Bは支持軸33を中心として回転し、後端部を上下方向に揺動する。この場合、筒状部32は、支持軸33を中心として後端部を上下方向に揺動する。具体的には、図9に示すように、偏心カム34Aの回転により延伸板34Bの前端部が下側に移動した時(矢印Y11)、筒状部32の後端部は上側に移動する(矢印Y12)。一方、図10に示すように、偏心カム34Aの回転により延伸板34Bの前端部が上側に移動した時(矢印Y13)、筒状部32の後端部は下側に移動する(矢印Y14)。
図7、図8に示すように、筒状部32は、後端部に下搬送ローラ3A、ノズル下ローラ3B、下挟持ローラ3Cを収容する。下搬送ローラ3Aは、筒状部32内の最後端部に位置する。筒状部32は、左右方向に延びる軸321を後端部で回転可能に支持する。軸321は、下搬送ローラ3Aに挿通し、下搬送ローラ3Aと共に回転する。従って、筒状部32は、軸321を介して下搬送ローラ3Aを回転可能に支持する。軸321は、下搬送ローラ3Aよりも右側にプーリ38Aを備える。
ノズル下ローラ3Bは、筒状部32内のうち下搬送ローラ3Aに対して前側に隣接する。筒状部32は、左右方向に延びる軸322を、軸321の前側で回転可能に支持する。軸322は、ノズル下ローラ3Bに挿通し、ノズル下ローラ3Bと共に回転する。従って、筒状部32は、軸322を介してノズル下ローラ3Bを回転可能に支持する。軸322は、ノズル下ローラ3Bよりも右側にプーリ38Bを備える。
下挟持ローラ3Cは、筒状部32内のうちノズル下ローラ3Bに対して前側に隣接する。下挟持ローラ3Cは、後述の伝達機構3Fにより、前後方向と平行に延びる回転軸を中心として回転可能に支持される。図11に示すように、下挟持ローラ3Cは、定径部39A及び縮径部39Bを有する。定径部39Aは、回転軸を中心とした径が一定の部分である。縮径部39Bは、定径部39Aの前方に隣接する。縮径部39Bは、回転軸を中心とした径が、前方に向かうに従い小さくなる部分である。
以下、図12に示すように、前側から視た状態における下挟持ローラ3Cの回転方向を規定する。時計回りの方向を、下第1回転方向C21といい、反時計回りの方向を、下第2回転方向C22という。下第1回転方向C21は、下挟持ローラ3Cの上端が右側に向かう回転方向である。下第2回転方向C22は、下挟持ローラ3Cの上端が左側に向かう回転方向である。
図6に示すように、筒状部32はカバー323、35を備える。カバー323は前後方向に延びる板状で、延伸板34Bと左壁32Lとの夫々の上端部に固定して筒状部32の前側の上面を形成する。カバー323は、後端部にカバー323を前側に切り欠いた切欠32Cを有する。下挟持ローラ3Cは切欠32Cの下方に位置する。筒状部32の後端部且つ上面において、カバー323は後側に開口35Aを有する。開口35Aの下方に、下搬送ローラ3A及びノズル下ローラ3Bが位置する。板状のカバー35は金属製であり、延伸板34B、左壁32Lの後上端部に設けた磁石の磁力により筒状部32に装着可能である。カバー35は筒状部32に装着された状態で、開口35Aを閉塞する。
カバー35は、切欠32A、孔32Bを有する。切欠32Aは、カバー35の後端部を前側に切り欠いた部分である。孔32Bは、切欠32Aの前側に設けた平面視略矩形状である。下搬送ローラ3Aは、切欠32Aの下方に位置し、上端部が切欠32Aから上方に僅かに突出する。ノズル下ローラ3Bは、孔32Bの下方に位置し、上端部が孔32Bから上方に僅かに突出する。
下搬送ローラ3A及びノズル下ローラ3Bは、下隙間モータ30Aの駆動により筒状部32が揺動した時、上下方向に移動する(図9、図10参照)。下隙間モータ30Aの駆動により筒状部32の後端部が上方に移動した時、後述のノズル6Aとカバー35の間の隙間は小さくなる。図9に示すように、筒状部32の後端部が最も上方に移動した時、後述のノズル6Aとカバー35の間の隙間は最小になる。この場合の下搬送ローラ3A及びノズル下ローラ3Bの位置を、下接触位置と称す。
下隙間モータ30Aの駆動により筒状部32の後端部が下方に移動した時、後述のノズル6Aとカバー35の間の隙間は大きくなる。図10に示すように、筒状部32の後端部が最も下方に移動した時、後述のノズル6Aとカバー35の間の隙間は最大になる。この場合の下搬送ローラ3A及びノズル下ローラ3Bの位置を、下離隔位置と称す。
図8に示すように、下搬送モータ30Bは、延伸板34Bの前端部の右側面に固定される。下搬送モータ30Bの回転軸は左方に延び、延伸板34Bに設けられた孔34Hから左方に突出する。回転軸は先端にプーリを備える。下搬送ローラ3Aに挿通する軸321に設けられたプーリ38A、及び、ノズル下ローラ3Bに挿通する軸322に設けられたプーリ38Bと、下搬送モータ30Bのプーリの間に、ベルト3Eが架け渡されている。ベルト3Eは、筒状部32内を搬送方向に延びる。ベルト3Eは、下搬送モータ30Bの駆動力を、プーリ38A、38Bを介して下搬送ローラ3A及びノズル下ローラ3Bに伝達する。下搬送ローラ3A及びノズル下ローラ3Bは、下搬送モータ30Bの駆動に応じて回転する。尚、プーリ38A、38Bの径の大きさは同一である。従って、下搬送モータ30Bの駆動に応じ、下搬送ローラ3A及びノズル下ローラ3Bは、同じ速度で同じ方向に回転駆動する。
下搬送ローラ3A及びノズル下ローラ3Bは、下シート9Bを下方から支持し、回転により下シート9Bを搬送方向に沿って下流側に搬送する。
図8、図11に示すように、下モータ30Cは延伸板34Bの左方に設けられる。下モータ30Cの回転軸は後側に延びる。伝達機構3Fは、支持部37A、腕部37B、延伸部36、ベルト36A、プーリ36B、36Cを備える。支持部37Aは箱状を有し、下モータ30Cの後側に設けられる。支持部37Aは、前後方向に貫通する孔371を有する。腕部37Bは、ベルト36Aを内側に収容し、下モータ30Cに固定される。腕部37Bは、連結板部372、円柱部373、円筒部374、連結部375を有する。
連結板部372は、下モータ30Cの後面に固定される。連結板部372は、後面視で矩形状である。円柱部373は、連結板部372の後面から後方に延びる後面視円形状である。円柱部373と連結板部372は、前後方向に貫通する孔部を有し、この孔部は支持部37Aの孔371の前側に位置する。円筒部374は後面視円形状であり、支持部37Aの孔371と、円柱部373と連結板部372の孔部との内側を前後方向に延びる。円筒部374の後部は、支持部37Aの後側に位置する。円筒部374の前部は、円柱部373に固定される。支持部37Aは、円筒部374を回転可能に支持する。支持部37Aは、前方に延びる板状の規制板335を左面に有する。
連結部375は、円筒部374の後端部に固定される。連結部375は、基部375A、板部375B、375Cを備える。基部375Aは、円筒部374の後端部に、4つの螺子370で固定される。基部375Aは、前後方向の厚みを有する。基部375Aは、右上方から左下方に切り欠いた切欠部376を備える。
基部375Aの前端から、弧状の板部375Bが、右上方に延びる。基部375Aの後端から、弧状の板部375Cが、右上方に延びる。板部375B,375Cの右上部は、延伸部36を回転可能に支持する。延伸部36は、筒状部32の内側を、前後方向に延びる。延伸部36は、下挟持ローラ3Cを後端部に固定される。下挟持ローラ3Cは、搬送方向と平行な回転軸を中心として回転し、下シート9Bを左右方向に移動する。
駆動軸302は、円筒部374の内側に設けた孔部を通って、連結部375の切欠部376の内側に延びる。駆動軸302の前端部は、下モータ30Cの出力軸と連結し、下モータ30Cの駆動で回転する。プーリ36Bは、駆動軸302の後端部に設けられる。プーリ36Cは、延伸部36において、板部375B、375Cの間に設けられる。ベルト36Aは、プーリ36B、36Cに架け渡される。腕部37Bは、板部375B、375C間と、切欠部376の内側に、ベルト36Aを収容する。下モータ30Cが駆動すると、駆動軸302、プーリ36B、ベルト36A、プーリ36C、延伸部36を介して、下挟持ローラ3Cが回転する。
切替部3Gは、下挟持ローラ3Cを上下動する。切替部3Gは、支持部37Aの左方にエアシリンダ30Dを有する。エアシリンダ30Dのロッド331は、上方に延びる。ロッド331は、上端部に当接部331Aを備える。当接部331Aは円柱状である。
軸部332は、腕部37Bの円柱部373から左方に延びる。円筒部374は、後部左面に軸部345を備える。軸部345は左方に延びる。バネ342の上端は、軸部345に係止する。バネ342の下端は、支持部37Aに固定されたボルト343に係止する。
支持部37Aは、腕部37Bの円筒部374を回転可能に支持する。従って、腕部37Bは、下モータ30Cの駆動軸302を中心に揺動可能である。バネ342は、軸部345を下方に付勢することで、腕部37Bを介して下挟持ローラ3Cを上方に付勢する。エアシリンダ30Dのロッド331が下方に移動した状態で、下挟持ローラ3Cは最上位に位置する。最上位にある下挟持ローラ3Cの位置を、下挟持位置と称す。この場合、下挟持ローラ3Cの上端は切欠32Cから上方に僅かに突出し、下シート9Bに接触可能となる。
エアシリンダ30Dのロッド331が上方に移動した状態で、当接部331Aは軸部332を上方に動かす。軸部332の移動に伴い、腕部37Bは、バネ342の付勢力に抗して駆動軸302を中心に揺動する。この場合、下挟持ローラ3Cは下方に移動する。軸部332が規制板335に接触する迄上方に移動した時、下挟持ローラ3Cは最下位に位置する。最下位にある下挟持ローラ3Cの位置を、下方位置と称す。下挟持ローラ3Cは切欠32Cよりも下方に位置し、下シート9Bから下方に離隔する。
下挟持ローラ3Cは、下挟持位置にある時、下シート9Bに下方から接触し、上支持部6B(後述)との間に下シート9Bを挟む。この状態で、伝達機構3Fが下モータ30Cの駆動力を下挟持ローラ3Cに伝達した場合、下挟持ローラ3Cは回転し、下シート9Bを左右方向に移動する。
<ノズル移動機構10D>
図12に示すように、ノズル移動機構10Dは、ノズル支持部60、ノズル6A、上支持部6B、ノズルモータ69A(図28参照)、支持軸690、ヒータ209(図28参照)を有する。ノズル支持部60は、上下方向に延びる。ノズル支持部60の上端部は、頭部1D(図1~図3参照)の下端部に揺動可能に支持される。ノズル支持部60は、左右方向に延びる支持軸690を中心として揺動可能である。ノズル6A及び上支持部6Bは、ノズル支持部60の下端部に設けられ、下方に突出する。ノズル支持部60の揺動に応じ、ノズル6Aは、接近位置(図1~図3、図12参照)と退避位置の間で移動する。接近位置にあるノズル6Aは、下搬送機構10Aの筒状部32に上方から接近する。退避位置にあるノズル6Aは、接近位置にあるノズル6A(図2、図3参照)の位置に対して前方に離隔する。ノズル支持部60は、ノズル6Aを接近位置と退避位置の間で移動可能に支持する。ノズル6A及び上支持部6Bの詳細は後述する。
ノズルモータ69Aは、頭部1Dの内部左側に設けられる。ノズル支持部60は、ノズルモータ69Aの回転により、支持軸690を中心として揺動する。支持軸690は、内部に接着剤の流路を有する。ポンプモータ210(図28参照)は、収容部に収容されたカートリッジから吸引した接着剤を、支持軸690内の流路に供給する。ヒータ209は、流路の接着剤を加熱する。
<ノズル6A>
図13~図16を参照し、ノズル6Aについて説明する。ノズル6Aは、延伸支持部67A、延設部67B、延伸部67Cを有する。延伸支持部67Aは、ノズル支持部60(図12参照)の下端に連結する。延伸支持部67Aには、ノズル支持部60に設けられた接着剤の流路に連通する孔600(図14参照)が形成される。延設部67Bは、延伸支持部67Aから下方に延びる。延伸部67Cは、延設部67Bの下端から右方に向けて水平に延びる。ノズル6Aは、延伸支持部67A、延設部67B、延伸部67Cの夫々の内部に亘って接着剤の供給路を有する。
図14及び図15に示すように、延伸部67Cの上面は、第1上面673、第2上面674、及び第3上面675を有する。第1上面673は、延設部67Bとの連結部分から、延伸部67Cの右端部までの間に亘って、水平に延びる。第2上面674は、延伸部67Cの左右方向の略中央よりも右側、且つ、前後方向において前端部よりも僅かに後側に配置される。第2上面674は、前端部から後端部に向けて、下方に傾斜する。第3上面675は、第2上面674により囲まれた部分に位置し、水平に延びる。
図15、図16に示すように、延伸部67Cの下面は、第1下面670A及び第2下面670Bを有する。第1下面670Aは、延設部67Bとの連結部分から、延伸部67Cの左右方向の略中央よりも右側部分までの間に亘って形成される。第2下面670Bは、延伸部67Cの左右方向の略中央よりも右側部分から右端部までの間に亘って形成される。
第1下面670Aは平面状を有し、水平に延びる。第2下面670Bを左右方向から視た断面は、弧状に湾曲する。第2下面670Bの前端部は第1下面670Aよりも下側に位置し、第2下面670Bの後端部は第1下面670Aよりも上側に位置する。第1下面670Aと第2下面670Bとの境界部分に段差が形成される。
図16に示すように、第2下面670Bの前端側に複数の吐出口68が設けられる。ノズル6Aの供給路は、複数の吐出口68に連通する。カートリッジから供給された接着剤は、ノズル6Aの供給路を流れ、複数の吐出口68から下方に吐出される。
複数の吐出口68は、複数の左側吐出口68A及び複数の右側吐出口68Bを有する。複数の左側吐出口68A及び複数の右側吐出口68Bは、夫々、吐出口68を2つずつ有する。複数の左側吐出口68Aは左右方向に並び、複数の右側吐出口68Bは左右方向に並ぶ。更に、複数の左側吐出口68A及び複数の右側吐出口68Bは、左右方向に一直線状に並ぶ。
複数の左側吐出口68Aは、複数の右側吐出口68Bに対して左側に配置される。複数の左側吐出口68Aのうち右側に位置する吐出口と、複数の右側吐出口68Bのうち左側に位置する吐出口とは、左右方向に離隔する。複数の左側吐出口68Aは、突起部671に対して左側に配置される。
第2下面670Bのうち複数の左側吐出口68Aと複数の右側吐出口68Bの間の部分に、突起部671が設けられる。図15に示すように、突起部671は、延伸部67Cの第2下面670Bから下方に突出し、第1下面670Aよりも下方まで延びる。突起部671の下面671Aの形状は四角形であり、ノズル6Aが接近位置にある状態で水平に延びる。突起部671の下面671Aと、延伸部67Cの第2下面670Bとの間の上下方向の間隔は、突起部671の突出量L11に対応する。突起部671の突出量L11は、0.1mm以上0.4mm以下となるように調整される。
図16に示すように、複数の左側吐出口68Aのうち左側に位置する吐出口と、複数の右側吐出口68Bのうち右側に位置する吐出口との間の左右方向の間隔を、L21と表記する。間隔L21は、複数の吐出口68のうち最も左側に位置する吐出口と、複数の吐出口68のうち最も右側に位置する吐出口との間の左右方向の長さに対応する。突起部671の左右方向の長さを、L22と表記する。間隔L21に対する長さL22の割合(L22/L21)は、15%以上55%以下となるように調整される。
図9に示すように、接近位置にあるノズル6Aは、前後方向において、下搬送ローラ3Aよりも前側、且つ下挟持ローラ3Cよりも後側に位置する。接近位置にあるノズル6Aの延伸部67Cは、ノズル下ローラ3Bの上方に位置し、ノズル下ローラ3Bと上下方向に対向する。
<上支持部6B>
図17に示すように、上支持部6Bは、連結部66A、延設部66B、66Cを有する。連結部66Aは、ノズル支持部60の下端、且つ、ノズル6Aの前方に連結する(図12参照)。延設部66Bは、連結部66Aから下方に延びる。延設部66Cは、延設部66Bの下端から右方に向けて水平に延びる。延設部66Cは板状を有する。延設部66Cの右端部を含む部分を、ガイド部66Dという。ガイド部66Dは、前後方向に沿って延びる。ガイド部66Dの右端部は、前後方向から視た状態で、右方に突出するように湾曲する。
図12に示すように、シート90は、右端部の近傍でガイド部66Dにより折り返される。下シート9Bは延設部66Cの下側に位置し、上シート9Aは延設部66Cの上側に位置する。上シート9Aは、延設部66Cにより下方から支持される。
延設部66Cは、右端近傍から後側に突出する突出部661を有する。突出部661の後端部は、ノズル6Aの延伸部67Cの前端部の近傍まで延びる。延設部66Cは、反射部660を上面に有する。反射部660は、後述する上検出部6Eの発光部が発光した光を、受光部に向けて反射する。
ノズル6Aが接近位置にある時、上支持部6Bは、ノズル6Aよりも前側に位置する。より詳細には、上支持部6Bの連結部66A、延設部66B,66Cは、夫々、ノズル6Aの延伸支持部67A、延設部67B,延伸部67Cの前側に位置する。上支持部6Bの延設部66Cの上面662と、ノズル6Aの第1上面673とは、上下方向において同じ高さに位置する。
ノズル6Aが接近位置にある時、上支持部6Bの延設部66Cは、下挟持ローラ3Cの上方に対向する。延設部66Cは、下挟持ローラ3Cとの間に下シート9Bを挟む。なお、下挟持ローラ3Cは、下搬送機構10Aの切替部3Gにより上下動することに応じ、延設部66Cとの間に下シート9Bを挟む挟持力を調整可能である。
<上検出部6E>
図12に示すように、上検出部6Eは頭部1Dに固定される。上検出部6Eは発光部と受光部を備える。発光部は、上支持部6Bの延設部66Cの反射部660に向けて光を発光する。受光部は、発光部が発光し且つ反射部660が反射した光を受光可能である。発光部が発光した光の経路上で、上シート9Aが重なる位置を、上検出位置Pと称す。上検出位置Pは、前後方向において、ノズル6Aの吐出口68と下挟持ローラ3Cとの間に位置する。上検出部6Eは、上シート9Aが上検出位置Pにあるかを検出可能である。
<上搬送ユニット10>
図4、図5、図18に示すように、後述の上搬送機構10B及び上移動機構10Cは、上搬送ユニット10に設けられる。上搬送ユニット10は、接着装置1のうち頭部1D(図1参照)を構成する枠体に装着される。上搬送ユニット10は、台座部71、及び装着部72を備える。台座部71は水平に延びる板状である。上搬送機構10B及び上移動機構10Cは、台座部71に固定される。装着部72は、台座部71に固定された上搬送機構10B及び上移動機構10Cを、接着装置1の頭部1Dの枠体に取り外し可能に装着する。装着部72は、台座部71の右後端から上方に延び、上方にて左方に屈曲する。
装着部72は、接着装置1に対する上搬送ユニット10の左右方向の位置を調整可能なユニット位置調整部75を有する。ユニット位置調整部75は、左右方向に延びる長孔77~79を有する。長孔77~79は、互いに同じ形状であり、前後方向に貫通する。上搬送ユニット10は、長孔77~79に螺子を通し、接着装置1の頭部1Dの枠体に設けられた螺子孔に締結することで、接着装置1の頭部1Dの枠体に固定される。長孔77、78は、装着部72の上方において左右に並ぶ。長孔77は、長孔78の右方にある。長孔79は、長孔77下方にある。
上搬送ユニット10が接着装置1の頭部1Dの枠体に装着された状態で、装着部72は、頭部1Dの内部に配置される。ユニット位置調整部75は、螺子に対する長孔77~79の位置を調整することで、接着装置1に対する上搬送ユニット10の左右方向の位置を調整できる。
<上搬送機構10B>
図19、図20に示すように、上搬送機構10Bは、上搬送ローラ4A、補助搬送ローラ4B、支持腕部40、上搬送モータ4C、ローラユニット4D、リンク機構4E、エアシリンダ4F、バネ4Gを備える。
図19に示すように、支持腕部40は、細長い棒状である。支持腕部40は、後端部から前端部に向けて、斜め下方に延びる。支持腕部40は、夫々が細長い板状を有する上壁40U、右壁40R、及び左壁40L(図20参照)を有する。左壁40Lの後端部の左面に、枠体400Lが設けられる。
図20に示すように、支持腕部40の右壁40R及び左壁40Lの夫々の前端部に、左右方向に延びる回転軸41が挿通する。回転軸41は、右壁40R及び左壁40Lによって回転可能に支持される。回転軸41の右端部は、右壁40Rから右側に突出する。回転軸41のうち右壁40Rから右側に突出する部分に、プーリ41Bが設けられる。回転軸41の左端部は、左壁40Lから左側に突出する。回転軸41のうち左壁40Lから左側に突出する部分に、上搬送ローラ4Aが設けられる。回転軸41のうち右壁40R及び左壁40Lにより挟まれた部分に、プーリ41Aが設けられる。上搬送ローラ4A、プーリ41A、41Bは、回転軸41の回転に伴って回転する。
揺動板43Aは、左右方向において右壁40Rとプーリ41Bとの間に設けられる。揺動板43Aは、左右方向と直交する。揺動板43Aの後端部に設けられた非図示の孔に、回転軸41が挿通する。揺動板43Bは、左右方向において左壁40Lと上搬送ローラ4Aとの間に設けられる。揺動板43Bは、左右方向と直交する。揺動板43Bの後端部に設けられた非図示の孔に、回転軸41が挿通する。揺動板43A、43B間に、架設部43Cが架け渡される。揺動板43A、43B、架設部43Cは、回転軸41を中心として揺動可能である。
揺動板43A、43Bの夫々の前端部に設けられた孔に、左右方向に延びる回転軸42が挿通する。回転軸42は、揺動板43A、43Bによって回転可能に支持される。回転軸42の右端部は、揺動板43Aから右側に突出する。回転軸42のうち揺動板43Aから右側に突出する部分に、プーリ42Aが設けられる。回転軸42の左端部は、揺動板43Bから左側に突出する。回転軸42のうち揺動板43Bから左側に突出する部分に、補助搬送ローラ4Bが設けられる。補助搬送ローラ4Bは、上搬送ローラ4Aに対して前側に配置される。補助搬送ローラ4Bの径は、上搬送ローラ4Aよりも小さい。補助搬送ローラ4B、プーリ42Aは、回転軸42の回転に伴って回転する。補助搬送ローラ4B、プーリ42Aは、揺動板43A、43Bが回転軸41を中心として揺動することに伴って揺動する。
プーリ41B、42A間に、ベルト44が架け渡される。ベルト44は、回転軸41に作用する回転駆動力を、プーリ42Aを介して回転軸42に伝達する。揺動板43Aの右面に、テンションローラ45が回転可能に支持される。テンションローラ45はベルト44に接触し、ベルト44に作用する張力が一定以上になるよう調整する。
図19に示すように、揺動板43Aの右面にカバー46Aが設けられる。カバー46Aは、プーリ41B、42A、ベルト44、及びテンションローラ45(図20参照)を覆う。回転軸42及び架設部43Cの周囲に、カバー46Bが設けられる。
図20に示す、回転軸41、42、プーリ41A、41B、42A、揺動板43A、43B、架設部43C、ベルト44、テンションローラ45、及び、図19に示すカバー46A、46Bは、ローラユニット4Dを形成する。ローラユニット4Dは、支持腕部40の前端部に揺動可能に支持される。ローラユニット4Dは、上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bを回転可能に支持する。つまり、支持腕部40は、ローラユニット4Dを介して上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bを回転可能に支持する。
図20に示すように、ローラユニット4Dの揺動板43Aは、後方に突出する突出部461を後端部に有する。支持腕部40の右壁40Rのうち突出部461の上方に、曲折した板状の取付部462が取り付けられる。取付部462は、右壁40Rに沿って上方に延び、上端部で右側に曲折して右方に延びる。取付部462の下端部は、ねじ460によって右壁40Rに固定される。突出部461の後端部と取付部462の右端部との間に、バネ4Gが取り付けられる。バネ4Gは引張ばねである。バネ4Gは、右側から視た状態で反時計回り方向の付勢力を、ローラユニット4Dに付与する付勢部材として機能する。ローラユニット4Dが右側から視た状態で反時計回り方向に揺動した場合、突出部461の上端部は、ねじ460に接触する。ねじ460は、ローラユニット4Dが右側から視た状態で反時計回り方向に揺動することを規制するストッパとして機能する。
上搬送モータ4Cは、支持腕部40の後端部の左方に設けられる。上搬送モータ4Cは、上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bを駆動する。
図21に示すように、上搬送モータ4Cの出力軸411は右方に延び、連結部材413を介して連結軸412に接続する。連結軸412は、支持腕部40の右壁40R及び左壁40Lに設けられた孔に挿通する。連結軸412は、左壁40L及び右壁40Rの夫々の孔に設けられた非図示の軸受により、回転可能に支持される。つまり、上搬送モータ4Cは、連結軸412を介して支持腕部40により支持される。連結軸412の右端部に、軸止め952が接続される。図19、図20に示すように、軸止め952は、連結軸412のうち右壁40Rよりも右方に突出する部分に連結する。
図21に示すように、連結軸412のうち、右壁40R及び左壁40Lにより左右方向から挟まれる部分に、プーリ41Cが接続される。プーリ41A、41C間に、ベルト414が架け渡される。図20に示すように、ベルト414は、支持腕部40の右壁40Rと左壁40Lとの間、即ち、支持腕部40内に配置される。
上搬送モータ4Cの回転駆動力は、出力軸411、連結部材413、連結軸412、プーリ41C、ベルト414、プーリ41A、及び回転軸41を介して、上搬送ローラ4Aに伝達される。上搬送ローラ4Aは、回転軸41を中心として回転する。又、上搬送モータ4Cの回転駆動力は、出力軸411、連結部材413、連結軸412、プーリ41C、ベルト414、プーリ41A、回転軸41、プーリ41B、ベルト44、プーリ42A、及び回転軸42を介して、補助搬送ローラ4Bに伝達される。補助搬送ローラ4Bは、回転軸42を中心として回転する。
上搬送機構10Bでは、上搬送モータ4Cの回転駆動に伴い回転する上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bの夫々の周速が一致するよう、プーリ41B、42Aの径が調整されている。
<リンク機構4E>
図19~図21に示すように、リンク機構4Eは、第1リンク91、第2リンク92を有する。第1リンク91は、下端部を支持腕部40の後端部が回動可能に支持し、上端部を中心に回動できる。第1リンク91は正面視T字状であり、本体部912、腕部913、連結軸914、951を備える。本体部912は棒状を有し、左右方向に延びる。腕部913は、本体部912の左右方向中央から下方に向けて延びる。腕部931の下端部に、連結軸951を介して支持腕部40の左壁40Lの後端部が連結する。連結軸951は、左右方向に延びる。第1リンク91は、腕部913の下端部を、支持腕部40の後端部により回動可能に支持される。連結軸914は左右方向に延びる。連結軸914は、本体部912を左右方向に貫通する。連結軸914は、台座部71により支持される。第1リンク91は、台座部71により連結軸914を中心として回動可能に支持される。
第2リンク92は、第1リンク91に対して前側に設けられる。第2リンク92は、正面視逆U字状であり、本体部927、凹部921、腕部922、923、連結軸926を備える。本体部927は、第2リンク92の上部である。凹部921は、第2リンク92の下端から上方に凹む。凹部921は、左右方向において腕部922、923の間にある。腕部922は、本体部927の右下部から下方に延びる。腕部923は、本体部927の左下部から下方に延びる。第2リンク92は、凹部921に支持腕部40を配置する。腕部922は、右壁40Rの右方にある。腕部923は、左壁40Lの左方にある。
腕部922、923の下端部には、左右方向に延びる孔が設けられる。連結軸412は、この孔に挿通する。第2リンク92は、腕部922、923の下端部を、支持腕部40の前端部と後端部の間の部位により回動可能に支持される。即ち、上搬送モータ4Cの出力軸411、連結軸412及び、第2リンク92の腕部922、923の孔は、夫々、左右方向に延びる共通の軸に沿って配置される。第2リンク92は、台座部71により連結軸926を中心として回動可能に支持される。
図19、図20に示すように、第1リンク91及び第2リンク92は、支持腕部40と共に四節リンク機構を構成する。第1リンク91のうち連結軸914が位置する端部と、第2リンク92のうち連結軸926が位置する端部は、固定端である。第1リンク91のうち連結軸951が位置する端部と、第2リンク92のうち連結軸412(図21参照)が位置する端部は、自由端である。
エアシリンダ4Fは、連結リンク機構120を介して動力を支持腕部40に伝達することで、支持腕部40の前端部を上下に移動できる。エアシリンダ4Fは、前後方向に延びる。エアシリンダ4Fの出力軸103(図24、図26参照)は、エアシリンダ4Fの本体部400しから前方に向けて延びる。出力軸103は、本体部400内に設けられたピストンと連結する。エアシリンダ4Fは、ピストンに連結した出力軸103を前後に移動させることが可能である。固定部104は、エアシリンダ4Fの後部に設けられる。固定部104は、エアシリンダ4Fを台座部71(図4、図5等参照)の下面に固定される。
連結リンク機構120は、エアシリンダ4Fの出力軸103と支持腕部40に連結する。連結リンク機構120は、リンク122、125、126、連結軸123、124、127、128、連結部129を有する。連結軸124、127、128は、左右方向に延びる棒状部材である。リンク125の下端部は、支持腕部40に回動可能に支持される。詳細には、リンク125は、支持腕部40の左右方向両側を上下に延びる左右一対の板状であり、下端部に、支持腕部40に向かって突出する連結軸128を備える。連結軸128は、支持腕部40の右壁40R及び左壁40Lに設けられた孔に挿通する。リンク125の上端部は、連結軸124によりリンク126の後端と連結される。リンク126は板状部材であり、左右一対のリンク125の間に位置する。リンク126の前端部は、連結軸127に固定し、連結軸127によりリンク122の上端と連結する。連結軸127は、台座部71により回動可能に支持される。リンク122は、左右方向においてリンク125、126よりも右方に配置される。リンク122は矩形の板状部材であり、下端部に上方に凹む凹部を有する。リンク122の下端部は、連結軸123により連結部129の前端と連結する。リンク122は、凹部に連結部129を配置する。連結部129は前後方向に延び、エアシリンダ4Fの出力軸103と連結する。
エアシリンダ4Fの駆動により、支持腕部40は、第1腕位置(図26,図27)、第2腕位置(図24、図25)、及び第3腕位置(図22、図23)の間で移動可能である。第3腕位置は、前端部が最も上方に移動した状態での支持腕部40の位置である。第1腕位置は、前端部が最も下方に移動した状態での支持腕部40の位置である。第2腕位置は、第1腕位置と第3腕位置との間にある支持腕部40の位置である。
図22、図23に示すように、エアシリンダ4Fの出力軸103が最も後方に移動した状態で、支持腕部40は第3腕位置に配置される。支持腕部40が第3腕位置に配置された状態で、上搬送ローラ4Aは下搬送ローラ3A(図6等参照)に対して上方に離隔し、上搬送ローラ4Aと下搬送ローラ3Aとの間に隙間が形成される。又、補助搬送ローラ4Bは上支持部6B(図6等参照)に対して上方に離隔し、補助搬送ローラ4Bと上支持部6Bとの間に隙間が形成される。支持腕部40が第3腕位置に配置された状態での上搬送ローラ4Aの位置を、第3上搬送位置という。支持腕部40が第3腕位置に配置された状態での補助搬送ローラ4Bの位置を、第2補助位置という。
図22に示すように、支持腕部40が第3腕位置に配置された状態で、第2リンク92は、連結軸412(図21参照)側の端部が連結軸926側の端部よりも後側且つ下側に位置するように延びる。
ローラユニット4Dは、バネ4Gの付勢力に応じ、右側から視た状態(図22に示す状態)で反時計回り方向の付勢力を受け、揺動する。ローラユニット4Dの揺動は、揺動板43Aの突出部461がねじ460に下方から接触することにより規制される。この状態でのローラユニット4Dの位置を、第3ユニット位置という。ローラユニット4Dが第3ユニット位置に配置された状態において、補助搬送ローラ4Bの回転軸42は、上下方向において、上搬送ローラ4Aの回転軸41よりも下方に位置する。
図24、図25に示すように、エアシリンダ4Fの出力軸103が図22、図23に示す状態から前方に移動した場合、支持腕部40は第2腕位置に配置される。支持腕部40が第2腕位置に配置された状態で、上搬送ローラ4Aは、ノズル6Aよりも後方に位置し、補助搬送ローラ4Bは、ノズル6Aよりも前方に位置する。
上搬送ローラ4Aは下搬送ローラ3Aに対して上方に離隔し、上搬送ローラ4Aと下搬送ローラ3Aとの間に隙間が形成される。一方、補助搬送ローラ4Bは、上支持部6Bの延設部66Cの上面662に近接する。このため、補助搬送ローラ4Bと上支持部6Bとの間に上シート9Aがある場合、上シート9Aは、補助搬送ローラ4B及び上支持部6Bによって上下方向から挟持される。補助搬送ローラ4Bは、この状態で回転することにより、上シート9Aを後方に搬送可能である。
支持腕部40が第2腕位置に配置された状態での上搬送ローラ4Aの位置を、第2上搬送位置という。第2上搬送位置は、第3上搬送位置よりも下方に位置する。支持腕部40が第2腕位置に配置された状態での補助搬送ローラ4Bの位置を、第1補助位置という。第1補助位置は、第2補助位置よりも下方に位置する。
支持腕部40が第2腕位置に配置された状態で、第2リンク92は、連結軸412(図21参照)側の端部から連結軸926側の端部に向けて上方に延びる。第1リンク91は、連結軸951側の端部が連結軸914側の端部よりも前側且つ下側に位置する。
ローラユニット4Dは、揺動板43Aの突出部461がねじ460に下方から接触した状態で維持される。このため、補助搬送ローラ4Bの回転軸42は、上下方向において、上搬送ローラ4Aの回転軸41よりも下方に位置する。この状態でのローラユニット4Dの位置を、第2ユニット位置という。
図26、図27に示すように、エアシリンダ4Fの出力軸103が図24、図25に示す状態から更に前方に移動した場合、支持腕部40は第1腕位置に配置される。支持腕部40が第1腕位置に配置された状態で、上搬送ローラ4Aは、ノズル6Aよりも後方に位置し、補助搬送ローラ4Bは、ノズル6Aよりも前方に位置する。
上搬送ローラ4Aは下搬送ローラ3Aに上方から近接する。このため、上搬送ローラ4Aと下搬送ローラ3Aとの間に上シート9A及び下シート9Bがある場合、上シート9A及び下シート9Bは、上搬送ローラ4A及び下搬送ローラ3Aによって上下方向から挟持される。上搬送ローラ4A及び下搬送ローラ3Aは、この状態で回転することにより、上シート9A及び下シート9Bを後方に搬送可能である。
又、補助搬送ローラ4Bは、上支持部6Bの延設部66Cの上面662に上方から近接する。このため、補助搬送ローラ4Bと上支持部6Bとの間に上シート9Aがある場合、上シート9Aは、補助搬送ローラ4B及び上支持部6Bによって上下方向から挟持される。補助搬送ローラ4Bは、この状態で回転することにより、上シート9Aを後方に搬送可能である。
支持腕部40が第1腕位置に配置された状態での上搬送ローラ4Aの位置を、第1上搬送位置という。第1上搬送位置は、第2上搬送位置よりも下方に位置する。支持腕部40が第1腕位置に配置された状態での補助搬送ローラ4Bの位置は、支持腕部40が第2腕位置に配置された場合と同一であり、第1補助位置である。
支持腕部40が第1腕位置に配置された状態で、第2リンク92は、連結軸412(図21参照)側の端部から連結軸926側の端部に向けて上方に延びる。第1リンク91は、連結軸951側の端部が連結軸914側の端部よりも前側且つ下側に位置する。支持腕部40が第1腕位置に配置された状態での第1リンク91及び第2リンク92の状態は、支持腕部40が第2腕位置に配置された状態での第1リンク91及び第2リンク92の状態と略同一である。
ローラユニット4Dは、バネ4Gの付勢力に抗し、右側から視た状態(図26に示す状態)で時計回り方向に回転する。揺動板43Aの突出部461は、ねじ460に対して下方に離隔する。この状態でのローラユニット4Dの位置を、第1ユニット位置という。ローラユニット4Dが第1ユニット位置に配置された状態において、補助搬送ローラ4Bの回転軸42と、上搬送ローラ4Aの回転軸41との上下方向の位置は略同一となる。
<上移動機構10C>
図2、図4に示すように、上移動機構10Cは、上挟持ローラ5A、上駆動部5B、上アーム50、エアシリンダ501(図2参照)を備える。上アーム50は、腕部1C下端から左方に延び、左端で左斜め下方に湾曲して更に延びる。上アーム50は、下端部に上挟持ローラ5Aを回転可能に支持する。図12に示すように、上挟持ローラ5Aは、前後方向に延びる回転軸を中心として回転する。図2に示すように、エアシリンダ501は、ピストンに接続された出力軸の進退移動により、上アーム50の下端部を上下方向に揺動可能である。
図2、図4は、上アーム50の下方への揺動に応じて上挟持ローラ5Aが下方に移動した状態を示す。この状態で、上挟持ローラ5Aは筒状部32に対して上方から近接する。又、上挟持ローラ5Aは、接近位置にあるノズル6Aの搬送方向上流側に位置し、且つ、上支持部6Bの延設部66Cの上方に位置する。上挟持ローラ5Aは、延設部66Cと上下方向に対向する。この状態での上挟持ローラ5Aの位置を、上挟持位置と称す。図12に示すように、上挟持ローラ5Aが上挟持位置にある時、上検出部6Eによる上シート9Aの上検出位置Pは、前後方向において、ノズル6Aの吐出口68と上挟持ローラ5Aとの間に位置する。
一方、上アーム50の上方への揺動に応じて上挟持ローラ5Aが上方に移動した時、上挟持ローラ5Aは、筒状部32に対して上方に離隔する。この状態における上挟持ローラ5Aの位置を、上方位置と称す。
図2、図4に示すように、上駆動部5Bは上モータ50Aを有する。上アーム50の内部に設けた伝達機構は、上モータ50Aの駆動力を上挟持ローラ5Aに伝達する。上挟持ローラ5Aは上モータ50Aの駆動に応じて回転する。上挟持ローラ5Aは、上挟持位置にある時、上シート9Aに上側から接触する。上挟持ローラ5Aは、上支持部6Bの延設部66Cとの間に上シート9Aを挟む。上挟持ローラ5Aは、回転により上シート9Aを左右方向に移動させることが可能である。
以下、図12に示すように、前側から視た状態における上挟持ローラ5Aの回転方向を規定する。時計回りの方向を、上第1回転方向C11といい、反時計回りの方向を、上第2回転方向C12という。上第1回転方向C11は、上挟持ローラ5Aの下端が左側に向かう回転方向である。上第2回転方向C12は、上挟持ローラ5Aの下端が右側に向かう回転方向である。
<電気的構成>
図28を作成し、接着装置1の電気的構成を説明する。接着装置1は、制御装置100を備える。制御装置100は、CPU201、ROM202、RAM203、記憶装置204、駆動回路205、206を備える。CPU201は、接着装置1の動作を統括制御する。CPU201は、ROM202、RAM203、記憶装置204、スイッチ12、踏板207、上検出部6E、ヒータ208、209、駆動回路205、206と接続する。ROM202は、各種処理を実行するプログラムを記憶する。RAM203は、各種情報を一時的に記憶する。記憶装置204は不揮発性であり、各種設定値等を記憶する。スイッチ12は、各種指示を示す情報を検出結果としてCPU201に出力する。踏板207は、作業者が足で操作する。作業者は、踏板207を介して、後述の接着処理の開始指示又は終了指示を入力する。踏板207は、接着処理の開始指示又は終了指示を示す情報を、検出結果としてCPU201に出力する。上検出部6Eは、検出結果をCPU201に出力する。
CPU201は、駆動回路205を介して、下搬送モータ30B、上搬送モータ4C、ノズルモータ69A、ポンプモータ210、下隙間モータ30A、下モータ30C、上モータ50Aの夫々に対して制御信号を送信して駆動制御する。CPU201は、駆動回路206を介して、エアシリンダ4F、30D、501の夫々を駆動制御する。CPU201は、ヒータ208、209を駆動させる。ヒータ208は、収容部に収容したカートリッジを加熱する。ヒータ209は、接着剤の流路を加熱する。接着剤は、ヒータ208、209の加熱により溶融して液化する。
<メイン処理>
図29、図30を参照し、メイン処理を説明する。例えば、作業者がメイン処理の開始指示をスイッチ12に入力する。CPU201は、メイン処理を開始するプログラムをROM202から読み出して、メイン処理を開始する。メイン処理の開始前、接着装置1は初期状態である。接着装置1が初期状態である場合、ノズル6Aは接近位置にある。支持腕部40は第2腕位置にある為、上搬送ローラ4Aは第2上搬送位置にあり、補助搬送ローラ4Bは第1補助位置にある。下搬送ローラ3A及びノズル下ローラ3Bは下接触位置にある。下挟持ローラ3Cは下挟持位置にある。上挟持ローラ5Aは上挟持位置にある。
CPU201は、スイッチ12の検出結果に基づき、ローラ移動指示を検出したか否かを判断する(S11)。ローラ移動指示は、上搬送ローラ4A、補助搬送ローラ4B、下挟持ローラ3C、上挟持ローラ5Aを夫々移動させる指示である。CPU201は、ローラ移動指示を検出するまで(S11:NO)、待機する。作業者がスイッチ12にローラ移動指示を入力すると(S11:YES)、CPU201は、エアシリンダ4F(図19、図20参照)を駆動制御し、支持腕部40を第2腕位置(図24、図25参照)から第3腕位置(図22、図23参照)まで移動させる(S13)。上搬送ローラ4Aは第3上搬送位置に移動し、補助搬送ローラ4Bは第2補助位置に移動する。
CPU201は、エアシリンダ30Dを駆動制御して、下挟持ローラ3Cを下挟持位置から下方位置まで移動させる(S15)。CPU201は、エアシリンダ501を駆動制御して、上挟持ローラ5Aを上挟持位置から上方位置まで移動させる(S17)。CPU201は、下隙間モータ30Aを駆動制御して筒状部32を移動させ、下搬送ローラ3A及びノズル下ローラ3Bを下接触位置(図9参照)から下離隔位置(図10参照)まで移動させる(S19)。
CPU201は、スイッチ12の検出結果に基づき、ノズル変位指示を検出したか否を判断する(S21)。ノズル変位指示は、ノズル6Aを変位させる指示である。CPU201は、ノズル変位指示を検出するまで(S21:NO)、待機する。作業者がノズル変位指示をスイッチ12に入力すると(S21:YES)、CPU201は、ノズルモータ69Aを駆動制御して、ノズル6Aを接近位置から退避位置に変位させる(S23)。CPU201は、スイッチ12の検出結果に基づき、再度ノズル変位指示を検出したか否かを判断する(S25)。CPU201は、ノズル変位指示を検出するまで(S25:NO)、待機する。
CPU201の待機中(S25:NO)、作業者は、筒状部32のカバー323にシート90を載置する。作業者は、シート90を載置した後、スイッチ12にノズル変位指示を入力する。CPU201は、作業者がノズル変位指示をスイッチ12に入力すると(S25:YES)、ノズルモータ69Aを駆動制御し、ノズル6Aを退避位置から接近位置まで変位させる(S27)。上支持部6Bの延設部66Cは、上方からシート90に対向する。なお、作業者は、シート90の後端部が、ノズル6Aの吐出口68の真下に配置されるよう、シート90の前後方向の位置を調整する。このため、ノズル6Aから前方にシート90が配置されることなり、ノズル6Aの延伸部67C(図16参照)の下方にシート90が配置される。この場合、接着処理の開始と同時に接着剤を塗布し、且つ速やかに搬送を開始することにより、接着装置1は、シート90の後端近傍から接着剤を塗布させる。
CPU201は、高さ調整処理を実行する(S29)。高さ調整処理は、筒状部32の上下方向位置を調整する処理である。例えば作業者が、筒状部32を上昇する指示又は下降する指示を、スイッチ12に入力する。CPU201は、スイッチ12の検出結果に応じて、下隙間モータ30A(図8参照)を駆動制御して、筒状部32を上下動する(図9の矢印Y12、又は、図10の矢印Y14)。又、作業者は、ノズル6Aの下方に配置されたノズル下ローラ3Bにより、シート9がノズル6Aに適度な力で押し付けられるよう、スイッチ12を操作する。作業者が、高さ調整処理を終了する指示をスイッチ12に入力すると、CPU201は処理をS31(図30)に移行する。
図30に示すように、CPU201は、スイッチ12の検出結果に基づき、ローラ移動指示を検出したか否かを判断する(S31)。CPU201は、ローラ移動指示を検出するまで(S31:NO)、待機する。CPU201の待機中(S31:NO)、作業者は、上支持部6Bの延設部66Cのガイド部66D(図17参照)に沿って、シート90の右端部近傍を折り返す。上支持部6Bの延設部66Cの上側に重ねられた部分が上シート9Aに対応し、シート90のうち延設部66Cの下側で筒状部32との間に挟まれた部分が、下シート9Bに対応する。
シート90を折り返した後、作業者は、スイッチ12にローラ移動指示を入力する。CPU201は、作業者がスイッチ12にローラ移動指示を入力すると(S31:YES)、エアシリンダ501を駆動制御して、上挟持ローラ5Aを上方位置から上挟持位置まで移動させる(S33)。上挟持ローラ5Aは、上支持部6Bの延設部66Cの上側にある上シート9Aに接触し、上支持部6Bの延設部66Cとの間に上シート9Aを挟む。CPU201は、エアシリンダ4Fを駆動制御して、支持腕部40を第3腕位置(図22、図23参照)から第2腕位置(図24、図25参照)まで移動させる(S35)。図24に示すように、補助搬送ローラ4Bは、第2補助位置から第1補助位置に移動し、上支持部6Bの延設部66Cとの間に上シート9Aを挟む。又、上搬送ローラ4Aは、第3上搬送位置から第2上搬送位置に移動する。第2上搬送位置に配置された上搬送ローラ4Aと、下搬送ローラ3Aとの間には、隙間が形成される。なお、シート90の後端部は、ノズル6Aの吐出口68の真下に配置されている。このため、ノズル6Aよりも後側にある上搬送ローラ4Aと下搬送ローラ3Aとの間にシート90は配置されない。
CPU201は、エアシリンダ30Dを駆動制御して、下挟持ローラ3Cを下方位置から下挟持位置まで移動させる(S37)。下挟持ローラ3Cは、上支持部6Bの延設部66Cの下側にある下シート9Bに接触し、上支持部6Bの延設部66Cとの間に下シート9Bを挟む。CPU201は、第1接着処理を実行する(S39)。
図31を参照し、第1接着処理を説明する。第1接着処理は、下シート9Bの後端部近傍に接着剤を吐出しながら、シート90を後方に搬送する処理である。例えば、作業者が踏板207を足で操作すると、CPU201は第1接着処理を開始する。
CPU201は、ヒータ208、209を駆動し、且つポンプモータ210を駆動制御し、接着剤の吐出を開始する(S51)。ヒータ208、209の発熱によって、接着剤は液化する。ポンプモータ210は、流路を介して接着剤をノズル6Aに供給する。接着剤は、ノズル6Aの複数の吐出口68(図6参照)から下シート9Bに向けて吐出され、下シート9Bに付着する。
CPU201は、上搬送モータ4Cを駆動制御して、上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bの駆動を開始し、且つ、下搬送モータ30Bを駆動制御して、下搬送ローラ3Aの駆動を開始する(S53)。なお、補助搬送ローラ4Bは第1補助位置に配置されており、上支持部6Bとの間に上シート9Aを挟んでいる。このため、補助搬送ローラ4Bの回転により、シート90は後方に向けて搬送される。一方、シート90の搬送開始直後、シート90の後端部は上搬送ローラ4Aまで到達していない。作業者は、下シート9Bの一部がノズル6Aとノズル下ローラ3Bとの間に進入し、ノズル6Aの下方に下シート9Bが配置されるよう、シート90を誘導する。
補助搬送ローラ4Bの駆動により後方に搬送されるシート90の後端部は、上搬送ローラ4Aに徐々に近づく。ここで、上搬送ローラ4Aは第2上搬送位置に配置されており、下搬送ローラ3Aとの間に隙間が形成されている。従ってシート90は、上搬送ローラ4Aに引っ掛ることなく、上搬送ローラ4Aと下搬送ローラ3Aとの間にスムーズに進入する。
CPU201は、接着処理の終了指示を検出するまで待機する(S55:NO)。作業者は、シート90の後端部が上搬送ローラ4Aまで到達した場合、踏板207を足で操作して接着処理の終了指示を入力する。CPU201は、作業者が接着処理の終了指示を入力すると(S57:YES)、上搬送モータ4C、下搬送モータ30B、及びポンプモータ210の駆動を停止し、ヒータ208、209の夫々の駆動を停止する(S57)。CPU201は、処理をメイン処理に戻す。
図30に示すように、CPU201は、第1接着処理(S39)の終了後、スイッチ12の検出結果に基づき、ローラ移動指示を検出したか否かを判断する(S41)。CPU201は、ローラ移動指示を検出するまで(S41:NO)、待機する。作業者は、スイッチ12にローラ移動指示を入力する。CPU201は、作業者がローラ移動指示を入力すると(S41:YES)、エアシリンダ4Fを駆動制御して、支持腕部40を第2腕位置(図24、図25参照)から第1腕位置(図26、図27参照)まで移動させる(S43)。補助搬送ローラ4Bは、第2補助位置で維持され、上支持部6Bの延設部66Cとの間に上シート9Aを継続して挟む。又、上搬送ローラ4Aは、第2上搬送位置から第1上搬送位置に移動し、下搬送ローラ3Aに近接する。第1上搬送位置に配置された上搬送ローラ4Aは、下搬送ローラ3Aとの間にシート90の後端部を挟む。CPU201は、第2接着処理を実行する(S45)。
図32を参照し、第2接着処理を説明する。第2接着処理は、上シート9Aと下シート9Bとを接着剤で接着することにより、シート90の右端部を折り返して接着する処理である。例えば、作業者が踏板207を足で操作すると、CPU201は第2接着処理を開始する。
CPU201は、ヒータ208、209を駆動し、且つポンプモータ210を駆動制御し、接着剤の吐出を開始する(S61)。ヒータ208、209の発熱によって、接着剤は液化する。ポンプモータ210は、流路を介して接着剤をノズル6Aに供給する。接着剤は、ノズル6Aの複数の吐出口68(図6参照)から下シート9Bに向けて吐出される。
CPU201は、上搬送モータ4Cを駆動制御して、上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bの駆動を開始し、且つ、下搬送モータ30Bを駆動制御して、下搬送ローラ3Aの駆動を開始する(S63)。なお、補助搬送ローラ4Bは第1補助位置に配置されており、上支持部6Bとの間に上シート9Aを挟んでいる。このため、補助搬送ローラ4Bの回転により、シート90は後方に向けて搬送される。又、上搬送ローラ4Aは第1上搬送位置に配置されており、下搬送ローラ3Aとの間に上シート9A及び下シート9Bを挟んでいる。このため、上搬送ローラ4A及び下搬送ローラ3Aの回転により、シート90は後方に向けて搬送される。又、上シート9Aと下シート9Bは、上搬送ローラ4A及び下搬送ローラ3Aにより上下方向から挟持されるので、接着剤により接着される。
なお、上搬送モータ4Cの回転駆動に伴い回転する上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bの夫々の周速は一致する。このため、上搬送ローラ4Aにより搬送されるシート90の単位時間当たりの送り量と、補助搬送ローラ4Bにより搬送されるシート90の単位時間当たりの送り量は等しい。
CPU201は、下挟持ローラ3Cに対して下第2回転方向C22(図12参照)の回転トルクが付与されるよう、下モータ30Cを駆動制御する(S65)。なお、下第2回転方向C22は、下挟持ローラ3Cと上支持部6Bとの間に挟んだ下シート9Bを左側に移動させることが可能な回転方向である。下挟持ローラ3Cは、下第2回転方向C22の回転トルクが付与されることに応じ、下シート9Bに対して空回りしながら一定の回転速度で回転する。下シート9Bは、左側に移動しようとする力を下挟持ローラ3Cから受ける。結果、下シート9Bには張力が付与される。CPU201は、処理をS67に移行する。
CPU201は、上検出部6Eの検出結果に基づき、上シート9Aが上検出位置Pにあるか否かを判断する(S67)。上検出位置Pに上シート9Aがあることを上検出部6Eが検出した場合、CPU201は、上シート9Aが上検出位置Pにあると判断する(S67:YES)。CPU201は、上挟持ローラ5Aに対して上第2回転方向C12(図12参照)の回転トルクが付与されるよう、上モータ50Aを駆動制御する(S69)。なお、上第2回転方向C12は、上挟持ローラ5Aと上支持部6Bとの間に挟んだ上シート9Aを右側に移動させることが可能な回転方向である。上シート9Aは、上挟持ローラ5Aに上第2回転方向C12の回転トルクが付与されることに応じ、右側に移動しようとする力を受ける。結果、上シート9Aは右側に移動する。CPU201は処理をS73に移行する。
上検出位置Pに上シート9Aがないことを上検出部6Eが検出した場合、CPU201は、上シート9Aが上検出位置Pにないと判断する(S67:NO)。CPU201は、上挟持ローラ5Aに対して上第1回転方向C11(図12参照)の回転トルクが付与されるよう、上モータ50Aを駆動制御する(S71)。なお、上第1回転方向C11は、上挟持ローラ5Aと上支持部6Bとの間に挟んだ上シート9Aを左側に移動させることが可能な回転方向である。上シート9Aは、上挟持ローラ5Aに上第1回転方向C11の回転トルクが付与されることに応じ、左側に移動しようとする力を受ける。結果、上シート9Aは左側に移動する。CPU201は処理をS73に移行する。
CPU201は、踏板207の検出結果に基づき、接着処理の終了指示を検出したか否かを判断する(S73)。CPU201は、接着処理の終了指示を検出するまで(S73:NO)、S67~S71を繰り返し実行する。該場合、ポンプモータ210、上搬送モータ4C、下搬送モータ30B、下モータ30C、上モータ50Aは継続して駆動し、且つ、ヒータ208、209は継続して発熱する。
CPU201がS67~S71を繰り返し実行する間、上シート9Aと下シート9Bとの間には、ノズル6Aの複数の吐出口68から吐出された接着剤が付着する。接着剤が付着したシート90は、上搬送ローラ4A、下搬送ローラ3A、ノズル下ローラ3Bにより後側に搬送される。上シート9A及び下シート9Bは、上搬送ローラ4Aと下搬送ローラ3Aにより挟持され、接着剤により接着される。
又、CPU201がS67~S71を繰り返し実行する間、上挟持ローラ5Aは上第1回転方向C11又は上第2回転方向C12に回転し、上シート9Aを左右方向に移動させる。これにより、上シート9Aの左端部である縁端部90A(図12参照)が上検出位置Pの近傍を通過するように、上シート9Aの左右方向の位置が調整される。又、下挟持ローラ3Cに対し、下第2回転方向C22の回転トルクが継続して付与される。これにより、下シート9Bに対して左向きの張力が常に付与され、シート90の弛みが抑制される。
作業者が踏板207を足で操作して接着処理の終了指示を入力すると(S73:YES)、CPU201は、上搬送モータ4C、下搬送モータ30B、ポンプモータ210、下モータ30C、上モータ50Aの夫々の駆動を停止し、ヒータ208、209の夫々の駆動を停止する(S75)。CPU201は第2接着処理を終了し、処理をメイン処理に戻す。図30に示すように、CPU201は、第2接着処理(S45)の終了後、メイン処理を終了させる。
<本実施形態の作用、効果>
接着装置1は、上搬送ローラ4A及び下搬送ローラ3Aよりも前側、即ち、シート90の搬送方向の上流側で、補助搬送ローラ4Bと上支持部6Bとの間に上シート9Aを挟んで搬送できる。この場合、作業者は、シート90の後端部、即ち、シート90における搬送方向の下流側の端部が、上搬送ローラ4A及び下搬送ローラ3Aに到達するまでの間、シート90を搬送方向の下流側に送り出す操作を行う必要がない。従って、接着装置1は、接着処理の開始直後から、シート90を適切に搬送して上シート9Aと下シート9Bとを接着させることができる。
接着装置1は、支持腕部40が第2腕位置から第1腕位置に移動し、且つ、ローラユニット4Dが揺動することによって、上搬送ローラ4Aを第2上搬送位置から第1上搬送位置に移動させる。接着装置1は、ローラユニット4Dの揺動により、補助搬送ローラ4Bを第1補助位置で維持しつつ上搬送ローラ4Aを移動させるので、上搬送ローラ4Aの移動を簡単な機構で効率良く行うことが可能となる。
接着装置1は、バネ4Gの付勢力に応じてローラユニット4Dを揺動させることにより、上搬送ローラ4Aを第2上搬送位置に配置させることができる。一方、接着装置1は、バネ4Gの付勢力に抗してローラユニット4Dを揺動させることにより、上搬送ローラ4Aを第1上搬送位置に配置させることができる。接着装置1は、バネ4Gの付勢力を利用することにより、上搬送ローラ4Aを第1上搬送位置と第2上搬送位置との間で適切に移動させることができる。
接着装置1は、ローラユニット4Dが第1ユニット位置から前記第2ユニット位置に向けて揺動するのを規制するねじ460を有する。ローラユニット4Dは、ローラユニット4Dの突出部461がねじ460に接触することにより、第2上搬送位置で維持される。従って接着装置1は、上搬送ローラ4Aが第2上搬送位置に配置された状態を安定的に維持できる。
支持腕部40は、第3腕位置に配置可能である。支持腕部40が第3腕位置に配置された状態で、上搬送ローラ4Aは下搬送ローラ3Aに対して上方に離隔し、且つ、補助搬送ローラ4Bは上支持部6Bに対して上方に離隔する。従って作業者は、支持腕部40が第3腕位置に配置された状態で、シート90の交換を容易に行うことができる。
接着装置1は、第1リンク91及び第2リンク92により、支持腕部40を揺動させて上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bを移動させる。例えば、支持腕部40が第3腕位置から第2腕位置に移動する場合、支持腕部40において第2リンク92のうち連結軸412を支持する部位は、前側、即ち、搬送方向上流側に移動する。このため、支持腕部40の前側の端部は、後側、即ち、搬送方向の下流側に移動し難い。このように接着装置1は、支持腕部40が第3腕位置から第2腕位置に移動する場合に上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bが搬送方向に移動する量を、従来よりも減少できる。
接着装置1は、支持腕部40が移動する場合において、上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bが他の部材と干渉し難くできるので、上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bの移動量を大きくできる。この場合、接着装置1は、支持腕部40の下方の作業空間を従来よりも拡大できるので、接着装置1にシート90を配置する等の作業性を向上できる。
下搬送機構10Aの収容部31は、筒状部32に対して前側、即ち、搬送方向の上流側に設けられる。収容部31は、収容部31に設けられた支持軸33を介して、筒状部32を上下方向に揺動可能に支持する。接着装置1は、支持軸33を筒状部32に設ける時と比べ、筒状部32を小型化できる。従って、接着装置1は、例えば筒状部32にシート90を巻き付けて筒状に接着する場合、接着後のシート90の径を小さい筒状にできる。
接着装置1は、上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bを駆動する上搬送モータ4Cを有する。接着装置1では、支持腕部40が上搬送モータ4Cを支持する。接着装置1は、支持腕部40以外の部位で上搬送モータ4Cを支持する場合に比べ、上搬送モータ4Cの動力を上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bに伝達する構成を簡単にできる。接着装置1は、上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bの移動時に上搬送モータ4Cの出力軸の回転位置と、上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bの回転位置の位置関係を、変わり難くできる。従って接着装置1は、位置関係が変わることに起因して上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bが移動時に回転するのを防ぐことができる。
上搬送モータ4Cの回転駆動に伴い回転する上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bの夫々の周速は一致する。上搬送ローラ4Aにより搬送されるシート90の単位時間当たりの送り量と、補助搬送ローラ4Bにより搬送されるシート90の単位時間当たりの送り量は等しい。このため接着装置1は、シート90が弛んで接着部分に皺が発生する可能性を軽減できる。
支持腕部40を駆動するエアシリンダ4Fは、前後方向、即ち、シート90の搬送方向に沿って延びる。この場合、接着装置1は、上下方向に延びるエアシリンダを備える場合よりも、上下方向にコンパクトな構成となる。接着装置1は、支持腕部40の下部の作業空間を従来よりも拡大できるので、接着装置1にシート90を配置する等の作業性を向上できる。
<変形例>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。接着装置1は、互いに異なる上シートと下シートとを接着剤により接着してもよい。補助搬送ローラ4Bの径は、上搬送ローラ4Aの径よりも大きくてもよい。接着装置1は上支持部6Bのうち第1補助位置にある補助搬送ローラ4Bに対して下側に対向する位置に、下補助搬送ローラを有していてもよい。補助搬送ローラ4Bは、下補助搬送ローラと協働して上シート9Aを後側に搬送してもよい。補助搬送ローラ4Bとして、複数のローラを有してもよい。ローラユニット4Dは、支持腕部40の前端部に設けられていたが、支持腕部40の前端部依りに設けられるものであってもよい。
接着装置1は、上搬送ローラ4Aよりも後側に、シート90を検出するセンサを有してもよい。接着装置1は、第1接着装置による接着処理後、センサがシート90を検出した場合、エアシリンダ4Fを駆動制御して、支持腕部40を第2腕位置から第1腕位置まで移動させてもよい(S43)。これにより作業者は、S41の処理に対応する操作を行わずに済むので、作業効率を向上させることができる。
上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bは、夫々個別に支持腕部40に支持されていてもよい。この場合、接着装置1はローラユニット4Dを有さなくてもよい。
接着装置1は、バネ4Gの代わりにエアシリンダ等のアクチュエータを用いてローラユニット4Dを揺動させることにより、上搬送ローラ4Aを第1上搬送位置と第2上搬送位置との間で移動させてもよい。この場合、接着装置1は、バネ4Gによるローラユニット4Dの揺動を規制するねじ460を有さなくてもよい。
接着装置1は、支持腕部40を第1腕位置と第2腕位置との間でのみ移動可能とし、第3腕位置に移動不可能としてもよい。
接着装置1はリンク機構4Eを有さなくてもよい。例えば支持腕部40は、後端部が上搬送ユニット10に揺動可能に支持されてもよい。又、例えば支持腕部40は、上搬送ユニット10に対して上下方向に垂直移動可能に支持されてもよい。
下搬送機構10Aの収容部31は、筒状部32に設けられた支持軸を介して、筒状部32を上下方向に揺動可能に支持してもよい。筒状部32は、収容部31に対して固定され、揺動不可能であってもよい。
上搬送モータ4Cの出力軸411及び連結軸412の位置と、支持腕部40の揺動中心とは異なっていてもよい。例えば上搬送モータ4Cは、ベルト等を介して連結軸412を回転させることにより、上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bを駆動してもよい。
上搬送モータ4Cの回転駆動に伴い回転する上搬送ローラ4A及び補助搬送ローラ4Bの夫々の周速は、異なっていてもよい。例えば、上搬送ローラ4Aにより搬送されるシート90の単位時間当たりの送り量の方が、補助搬送ローラ4Bにより搬送されるシート90の単位時間当たりの送り量よりも僅かに大きくてもよい。
エアシリンダ4Fは、前後方向と交差する方向に延びていてもよい。接着装置1は、エアシリンダ4Fの代わりに別のアクチュエータを用い、支持腕部40を駆動してもよい。例えば接着装置1は、モータの回転駆動により支持腕部40を駆動してもよい。
<その他>
尚、本明細書において「端部」は、その部材の端縁のみを指すのではなく、端縁及びその近傍を含む意図で用いられている。前後方向は、本発明の「搬送方向」の一例である。前側は、本発明の「上流側」の一例である。後側は、本発明の「下流側」の一例である。上搬送機構10B及び下搬送機構10Aは、本発明の「搬送機構」の一例である。エアシリンダ4Fは、本発明の「アクチュエータ」の一例である。バネ4Gは、本発明の「付勢部材」の一例である。ねじ460は、本発明の「ストッパ」の一例である。支持腕部40の前端部は、本発明の「第1支持部」の一例であり、支持腕部40の後端部は、本発明の「第2支持部」の一例である。第1リンク91のうち、連結軸951が位置する端部は、本発明の「第1一端部」の一例であり、連結軸914が位置する端部は、本発明の「第1他端部」の一例である。第2リンク92のうち、連結軸412が位置する端部は、本発明の「第2一端部」の一例であり、連結軸926が位置する端部は、本発明の「第2他端部」の一例である。上搬送モータ4Cは、本発明の「上搬送部」の一例である。
1 :接着装置
3A :下搬送ローラ
3C :下挟持ローラ
4A :上搬送ローラ
4B :補助搬送ローラ
4C :上搬送モータ
4D :ローラユニット
4E :リンク機構
4F :エアシリンダ
4G :バネ
5A :上挟持ローラ
6A :ノズル
6B :上支持部
9 :シート
9A :上シート
9B :下シート
10A :下搬送機構
10B :上搬送機構
31 :収容部
32 :筒状部
33 :支持軸

Claims (10)

  1. シートを搬送方向に搬送する搬送機構と、
    重ねられた前記シートの間に接着剤を吐出する吐出口を有するノズルと、
    前記ノズルよりも前記搬送方向の上流側に設けられ、重ねられた前記シートのうち上側の部分を下方から支持する上支持部と
    を備えた接着装置であって、
    前記搬送機構は、
    前記ノズルに対して前記搬送方向の下流側に設けられ、前記搬送方向と上下方向とに直交する回転軸を中心として回転可能であり、前記シートに下側から接触する下搬送ローラと、
    前記搬送方向と上下方向とに直交する回転軸を中心として回転可能であり、前記シートに上側から接触し、前記下搬送ローラとの間に前記シートを挟む上搬送ローラと、
    前記上搬送ローラに対して前記搬送方向の上流側に設けられ、重ねられた前記シートのうち上側の部分を前記上支持部との間で上側から挟む補助搬送ローラと、
    前記上搬送ローラ及び前記補助搬送ローラを、一方の端部側の第1支持部で回転可能に支持し、第1腕位置と第2腕位置とに移動可能な支持腕部と、
    前記支持腕部を前記第1腕位置と前記第2腕位置とに切り替えるアクチュエータと、
    を備え、
    前記支持腕部が前記第1腕位置に配置された状態で、
    前記補助搬送ローラは、前記上支持部との間に前記シートを挟んだ第1補助位置に配置され、且つ、前記上搬送ローラは、前記下搬送ローラとの間に前記シートを挟んだ第1上搬送位置に配置され、
    前記支持腕部が前記第2腕位置に配置された状態で、
    前記補助搬送ローラは前記第1補助位置に配置され、且つ、前記上搬送ローラは、前記第1上搬送位置よりも上方の第2上搬送位置に配置される
    ことを特徴とする接着装置。
  2. 前記搬送機構は、
    前記支持腕部の前記第1支持部に揺動可能に支持され、前記上搬送ローラ及び前記補助搬送ローラを回転可能に支持するローラユニットを有し、
    前記上搬送ローラは、
    前記支持腕部の移動と、前記ローラユニットの揺動とに応じて、前記第1上搬送位置又は前記第2上搬送位置に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の接着装置。
  3. 前記ローラユニットは、第1ユニット位置と第2ユニット位置との間で揺動し、
    前記支持腕部が前記第1腕位置に配置され、且つ、前記ローラユニットが前記第1ユニット位置に配置された状態で、前記補助搬送ローラは前記第1補助位置に配置され且つ前記上搬送ローラは前記第1上搬送位置に配置され、
    前記支持腕部が前記第2腕位置に配置され、且つ、前記ローラユニットが前記第2ユニット位置に配置された状態で、前記補助搬送ローラは前記第1補助位置に配置され且つ前記上搬送ローラは前記第2上搬送位置に配置され、
    前記搬送機構は、
    前記ローラユニットを前記第1ユニット位置から前記第2ユニット位置に向けて付勢する付勢部材を備えたことを特徴とする請求項2に記載の接着装置。
  4. 前記第1ユニット位置から前記第2ユニット位置に向けた前記ローラユニットの揺動を規制するストッパを備えたことを特徴とする請求項3に記載の接着装置。
  5. 前記支持腕部は、更に、第3腕位置に移動可能であり、
    前記アクチュエータは、前記支持腕部を前記第3腕位置に切り替え可能であり、
    前記支持腕部が前記第3腕位置に配置された状態で、
    前記補助搬送ローラは、前記第1補助位置よりも上方の第2補助位置に配置され、且つ、前記上搬送ローラは、前記第2上搬送位置よりも上方の第3上搬送位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の接着装置。
  6. 第1リンクと、前記第1リンクの前記搬送方向の上流側に設けた第2リンクとを有するリンク機構を備え、
    前記第1リンクは、
    一方側の端部である第1一端部を、前記支持腕部の前記一方の端部と反対の他端側の第2支持部が回動可能に支持し、他方側の端部である第1他端部を中心に回動可能であり、
    前記第2リンクは、
    一方側の端部である第2一端部を、前記支持腕部の前記第1支持部と前記第2支持部の間の部位が回動可能に支持し、他方側の端部である第2他端部を中心に回動可能であり、
    前記上搬送ローラが前記第1上搬送位置又は前記第2上搬送位置にある時、
    前記第2リンクは、前記第2一端部から前記第2他端部へ上方に延び、
    前記第1リンクは、前記第1一端部が前記第1他端部よりも前記搬送方向の上流側且つ下側に位置するように延び、
    前記上搬送ローラが前記第3上搬送位置にある時、
    前記第2リンクは、前記第2一端部が前記第2他端部よりも前記搬送方向の下流側且つ下側に位置するように延びる
    ことを特徴とする請求項5に記載の接着装置。
  7. 前記搬送機構は、
    前記搬送方向の下流側の端部に前記下搬送ローラを有し、前記搬送方向に延びる筒状部と、
    前記下搬送ローラを駆動する下駆動部を収容する収容部と
    を備え、
    前記収容部は、前記筒状部に対して前記搬送方向の上流側に設けられ、且つ、支持軸を介して前記筒状部を上下方向に揺動可能に支持し、
    前記支持軸が前記収容部に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の接着装置。
  8. 前記搬送機構は、
    前記上搬送ローラ及び前記補助搬送ローラを駆動する上搬送部を有し、
    前記支持腕部が前記上搬送部を支持することを特徴とする請求項1に記載の接着装置。
  9. 前記上搬送部は、前記上搬送ローラによる前記シートの送り量と、前記補助搬送ローラによる前記シートの送り量とが等しくなるように駆動することを特徴とする請求項8に記載の接着装置。
  10. 前記アクチュエータは、前記搬送方向に延びるエアシリンダであることを特徴とする請求項1に記載の接着装置。
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