JP6908829B2 - コールドクルーシブル溶解炉 - Google Patents

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Description

本発明は、コールドクルーシブル溶解炉に関する。特に、省電力でありながら炉床のオリフィス部付近の金属溶解効率を高めることで、安定した出湯を確保し、かつ溶解炉の装置損傷を低減できる炉床を有する溶解炉に関する。
コールドクルーシブル誘導溶解法は、るつぼとして、水冷された銅製の溶解炉を用いる溶解法であり、雰囲気制御されたチェンバ内で、チタンをはじめとする高融点でかつ活性な金属の無汚染溶解が可能である。
誘導加熱コイルからの磁束は、溶解炉側壁のセグメント間のスリットの空隙を通してるつぼ内の溶解対象となる金属に作用する。溶融した金属はピンチ力によりドーム形状となり、側方は炉側壁と相対し、下方は同じく銅製の炉床と接することとなるが、どちらも水冷されているため、表面が冷やされて凝固スカルを形成する。凝固スカルはその内部の溶融金属と溶解炉を構成する銅との接触を阻止するため、本溶解法は、無汚染で高純度の金属を得る有用な手段となっている。
そのため、コールドクルーシブル溶解炉は、高価な金属を少量融解させる、小型溶解炉として使用するケースがある。特に、アトマイズ処理等の次工程に受渡しする際には、細い出湯ノズルを用いることが多いため、高熱にさらされるノズルが正常に機能する寿命を考えると、小型溶解炉を使いまわす方が望ましい。
溶融金属の出湯のために、従来はるつぼを傾けて出湯する傾動法が一般的であったが、出湯歩留まり、温度低下しやすいこと、安全性等様々な問題があるため、現在では、炉床から直接出湯する方法も多く工夫されている。
特表2008−545885号公報
炉床から直接出湯するためには、凝固スカルを溶解する必要がある。そこで、炉床の下方に別途、高周波誘導加熱コイルを設けて、炉側壁と独立して加熱する必要が生じるが、大容量の電力を消費することや、炉床の下方から加熱する際に、コイルの磁場の範囲内に入る溶解炉側壁の下部やそれに付属する構造物も同時に誘導加熱し、損傷してしまう等の問題がある。
出湯のための加熱は、金属溶解のための加熱に比べて、冷却されている箇所を加熱するので余分なエネルギーが必要である。また、コールドクルーシブル溶解炉においては、大型になるにつれて、炉側壁からの金属を溶解するための加熱に要する電力原単位(単位重量あたり溶解電力量)は低下するが、出湯のための炉床下方からの加熱に要する電力量は大型であっても小型であっても同程度必要である。そのため、小型の溶解炉においては、炉側壁からの加熱と同程度の大容量の電力が必要であると言われているため、特に問題が大きい。
炉床の形状を漏斗状にした場合、出湯出口となるオリフィス部に至る漏斗状の傾斜部分、垂直部分に対応させて、誘導加熱コイルを斜め方向と垂直方向に配置することとなり、複雑な磁束が誘導されるため、出湯炉床の出湯出口付近の凝固スカルに均一に電磁誘導加熱することが困難であり、また、平板形状に比べて炉床の加熱面積が大きくなるため、消費電力も大きくなる。
一方、平板形状で出湯出口に漏斗形状のオリフィス部を有する炉床は、磁束を集中しやすいという特徴の他にも、溶融金属と出湯構造との接触を最小限にできるため、「温度低下させずに次工程へ受け渡せる」、「必要電力の最小化が図れる」というアドバンテージがある。
特許文献1では、チタンを次工程のアトマイズ加工に受け渡すための構成として、平板形状の炉床を用いることで、出口部分のオリフィス部に均一な磁場を形成するとともに、磁性体である鉄粉を当該部分に混合することにより、さらに磁束を集中させやすくする構成を示している。
ところで、安定した出湯のためには、出湯出口となるオリフィス部付近の強力な誘導加熱が必要とされ、そのためには、炉床の下方にあるコイルからの磁束を多く当該部分に集める必要がある。しかし、不要な磁束は、コイル損失となるとともに、炉側壁やその付属装置、及び炉床そのものも誘導加熱により損傷してしまう。したがって、不要な磁束は、軌道修正ができることが望ましい。
この点、上記特許文献1に示す構成では、下方の誘導加熱コイルからの磁束を上方に大きく促進するものではなく、また、オリフィス部そのものに混合された磁性体は、若干磁束を軌道修正して誘導加熱を促進するかもしれないが、その効果は弱く、オリフィス部自身の耐久性にとっても好ましくない。
特に小型のコールドクルーシブル溶解炉においては、スカル溶解に十分な誘導加熱のために必要なコイルの大きさが炉側壁内面の範囲内に納まりきらない事態も出現し、このような態様では、コイル損失が大きい事に加え、漏れ磁束による炉側壁の下部やその付属装置の損傷も大きな問題となっており、磁束の軌道修正を可能とする方法が望まれている。
本発明は、上記のような課題を解消することを目的としており、具体的には、出湯出口のオリフィス部分を誘導加熱する磁束の軌道修正を可能とすることで、安定した出湯が実現できると同時に、省電力で、装置の損傷を最小限に抑えることができる炉床を備えたコールドクルーシブル溶解炉を提供することを目的とする。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明のコールドクルーシブル溶解炉は、溶解対象物が投入される炉側壁で囲われた溶解炉と、前記溶解炉の底部を構成する炉床と、前記炉床内に、外部に溶解対象物を出湯するためのオリフィス部及び出湯ノズルを具備し、さらに前記炉床下方に、出湯のための誘導加熱を行うコイルを具備し、前記炉床は円周方向に略分割形成されたセグメントからなり、前記セグメント間の開放されたスリットを介して炉床上部に下方の前記コイルで発生する磁束を導入する構成であって、さらに、前記炉床内には、前記炉側壁より外側の炉床下面から炉床上面かつ炉床中心方向へ連続して延びる磁束誘導空間又は磁束誘導部材が設けられることを特徴とする。
本発明のコールドクルーシブル溶解炉は、溶解対象物が投入される炉側壁で囲われた溶解炉と、前記溶解炉の底部を構成する炉床と、前記炉床内に、外部に溶解対象物を出湯するためのオリフィス部及び出湯ノズルを具備し、さらに前記炉床下方に、出湯のための誘導加熱を行うコイルを具備し、前記炉床は円周方向に略分割形成されたセグメントからなり、前記セグメント間の開放されたスリットを介して炉床上部に下方の前記コイルで発生する磁束を導入する構成であって、さらに、前記炉床内には、前記コイルの外周端に対応した位置の炉床下面から炉床上面かつ炉床中心方向へ連続して延びる磁束誘導空間又は磁束誘導部材が設けられることを特徴とする。
ここで「略分割形成されたセグメント」とは、全体が完全に分離したセグメントからなる場合のみでなく、セグメント同士が部分的につながった形状である場合を含む。
これにより、炉床下方のコイルからの磁束を、出湯オリフィス部のある炉床上面かつ炉床円周中心に向けて、より多く伝えることができるため、炉床上面にある凝固スカルの厚みを薄くすることができ、より安定した出湯を得ることができる。
当該中心方向への磁束の誘導機構は、主として上方向へ磁束を促進する前記スリットと協働できるように設けることが望ましく、具体的には、上方かつ中心方向となる斜め方向の方向性を有した磁束誘導空間又は磁束誘導部材を前記スリットの下方に接合して備えることが好ましい。
凝固スカルを溶解するとともに、炉側壁及びその付属装置を加熱し、余分な損失につながるのは、主として、スリットの空隙を介して上方に向かう漏れ磁束であるため、これを軌道修正することが最も効率的だからである。
上方向に向かう磁束を円周中心方向に向かって横方向に誘導することは修正角度が大きすぎて不可能なため、上方かつ中心方向となる斜め方向に誘導することが好ましい。
特に、小型のコールドクルーシブル溶解炉においては、炉側壁内周を超える位置にあるコイルからの磁束を上方かつ中心方向へ集中させる機構を有する炉床とすることが望ましい。
炉側壁内面の範囲からはみ出たコイルの上方に向かう磁束は、全て漏れ磁束となって、溶解炉本体やその付属構造を誘導加熱すると同時に、余分な損失となる。したがって、これらの磁束を炉側壁内面からより円周中心の方向へ向かって軌道修正することで、損傷を低減し、コイル損失を減らすことができる。
炉床上面方向へのコイル磁束の誘導を促進することを目的として、前記炉床の各セグメントの中央部に短絡化した中間スリットを備えることが望ましい。
さらに、中間スリットの下方に接合して前記磁束誘導空間又は磁束誘導部材を備えることで、磁束誘導効果を高めることができる。
炉床には、構造物内部に循環水冷機構を備えることが望ましい。
出湯のために、特に集中して誘導加熱されるオリフィス部付近では、構造物の損傷を防ぐために、冷却は必須である。
前記磁束を誘導する機構として、上方かつ炉床中心部への方向性を有する磁束誘導空間又は磁束誘導部材を炉床の円周と同心円状のリング状に、できるだけ切れ目なく配置することができ、本態様は、磁束の炉床上方への誘導機構との協働により、最大の磁束の誘導効果を生むことができる。
本発明は、以上説明した構成であるから、確実に凝固スカルを溶解して安定した出湯を実現するとともに、出湯排出に関わる電力を省力することができ、同時に、炉床部分の余分な加熱も抑制することができる。
コールドクルーシブル溶解炉の正面断面図及び炉床部分の正面断面図 炉床全体の斜視図 炉床とコイルの断面図及び磁束誘導の模式図 炉床の1セグメントを水冷機構とともに示す上面図
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1aは、本実施形態のコールドクルーシブル溶解炉1の正面断面図である。図示されない機構により水冷された銅製の炉側壁11は、図示されていないが、短冊状のセグメントに分断されており、断面が示されている誘導加熱のためのコイル3がその外周に螺旋状に巻きついた構成となっている。コイル3の電流により誘導された磁場は、前記セグメント間のスリットの空隙を介して、るつぼ内の金属に渦電流を惹起し、金属は自己加熱する。
一方、溶解炉1の底部は炉側壁11の外周より大きい平板形状の炉床2となっており、その中心部から溶融金属を溶解炉の外に排出することのできるオリフィス部21及び出湯ノズル22を備えている。炉床2も前記炉側壁11と同様に、水冷された銅製で、中心部においてはつながっているものの、円周方向に略分割されたセグメント201の集合体となっている。加熱されて融解した金属7は、水冷されている炉側壁11と相対する外側、及び炉床2との接触面から凝固する。冷やされて、炉床上面に形成された金属塊を凝固スカル8という。炉床2のオリフィス部21から溶湯を直接出湯するためには、この凝固スカルを溶融させる必要がある。
図1bはコールドクルーシブ溶解炉の正面断面図のうち、炉床2付近を拡大したものである。
炉床2の出湯出口にあたる漏斗状の形状をしたオリフィス部21は炉床2の円周中心に接合されている。当該オリフィス部21の漏斗形状の傾斜部分21aは炉床構造物と同一平面状にあり、垂直部分以下21bの構造は、炉床2の構造物から下方に突出している。この突出部分の周囲にコイル4が同一平面状に渦巻状に巻きついている。そのため、コイル4に電流を流すと、誘導された磁束がスリット210の空隙を介して炉床上方にあるスカル8底部からコイル4の中心にあるオリフィス部21にかけて誘導加熱することができ、炉床構造物以下にあるオリフィス部21b等についても誘導加熱することができる。
コイル4の下方には板状の磁性体5と冷却プレート6が配置されている。
前記オリフィス部21と一体として下方に接合された出湯ノズル22は、内面がカーボンコートされた円柱構造物で、上記冷却プレート6の構造物からさらに一段下方に突出しており、出湯した金属溶解物を次工程に直接受渡しやすい構造となっている。
図2は、炉床2の斜視図である。
円板状の銅製炉床2は、円周方向に略8分割されており、各セグメント201の間は例えば幅1mmのスリット210となっていて、炉床下方のコイル4からの磁束を上方へ誘導する。本実施形態では各セグメント201の構造物中央にも、磁束誘導機構として短絡的に開放したスリット211を設け、下方のコイル4からの磁束の上方への誘導を促進している。
このような構成とすることで、炉床下方にあるコイルからの磁束を炉床上面に、より多く伝えることができるため、炉床上面にある凝固スカルの厚みを薄くして、より安定した出湯が可能となる。コイルの磁束はコイル中心に向かうため、中間スリット211は単独でも、炉床上面かつ中心方向への磁束誘導機構として効果を有する。
図2に示すように、炉床2には磁束を誘導する空間として、炉床2の下方にあるコイルの外周端に対応した位置から、上方かつ中心方向に向かって斜めに、上方に貫通しない形で、円柱様の凹空間(220a)を設けている。これは同時に、炉床上方にある、炉側壁内面よりも内側に円柱様凹空間の上面が対応するように設けられている。当該磁束誘導空間は、上記セグメント間のスリット(210)、又は上記セグメント中央のスリット(211)の空隙部分に対応して16箇所設けている。
これにより、コイル損失に最も大きな影響の出る、炉側壁の内周をはみ出したコイル部分の磁束において、スリット210,211の空隙を介して上方に向かうものを、効果的に炉側壁内周から中心方向にある凝固スカル8に振り向けることができる。
当該磁束誘導空間220a,221aに、フェライトを始めとする磁性体220b,221bを導入することで、より強力な磁束誘導効果が期待できる。
このような構成とすることで、漏れ磁束の軌道を修正して凝固スカルを誘導するための磁束を増やすとともに、漏れ磁束を減らすことで装置への余分な加熱を低減し、コイル損失を減らすことができる。
特に高純度金属の溶解に有用とされる小型のコールドクルーシブル溶解炉1においては、コイル4の巻き数を確保しようとすると、凝固スカル8の存在する、炉側壁11の範囲を超えないように、径の細いコイルを選択することとなる。すると、図3aに示すように誘起磁場の範囲は必要面積部分に限定できて、炉床上面直近のスカルを薄くできるが、断面積の小さいコイル材の為、コイル損失が増大して、出力電力が大きい高周波電源を用意しなければならない。
一方、図3bのように、幅広のコイル4を用いた場合、巻き数を確保すると、出湯に必要な強さと範囲の溶解は得られるものの、誘導される磁場が炉側壁11の範囲を超えてしまうため、目標とする溶解対象の金属のみでなく、はみ出た部分の上部にある炉側壁11の下部やその付属構造物を加熱してしまう。また、これを防止するためのアイソレータープレート等を設置したとしても、余分な損失は免れない。
これに対し、本実施形態を模式的に図示した図3cでは、セグメント間の開放スリット210や後述する短絡化したスリット211に対応する形で、磁束誘導空間220a,221aあるいは磁束誘導部材220b,221bの追加することにより、磁束の通り道を炉床上面かつオリフィス部21に効果的に誘導することが可能となる。同じ幅広コイルを用いた図3bの場合と比べても、より強い渦電流を出湯出口付近に惹起することができるため、細い出湯ノズルでも安定した溶融金属の出湯が可能となり、コイル損失も低減できる。また同時に、図3bと比べて、コイル4上方にある炉側壁11構造物の誘導加熱による余分な加熱も低減することができる。
本実施例に至るまでに行った比較実験によると、幅広コイルの巻き数を炉側壁の外周に合わせて4ターンにした場合に比べ、はみ出して6ターン巻いた場合には、はみ出した部分への損失が大きくなって、溶解炉1内のるつぼへの供給電力量は3%低下するのに対し、本願発明に係る中央部のスリットと磁性体による磁束誘導機構を導入することで、これを5%回復することができた。
図4は、炉床2の1セグメント201の上面図を示す。
磁束誘導機構として中央部を短絡したスリット211を設けることで、炉床2下方のコイル4から上方に向けた磁束の抜け道をできるだけ増やすとともに、炉床内部に中心のオリフィス21の周辺部まで折り返すことのできる冷却水路230を確保することができる。これにより、最も損傷の激しいオリフィス中心部21の寿命を延ばせるとともに、構造物を内部から冷却することで、出湯部の温度に極力影響を与えない範囲で、構造物を冷却することができる。
以上説明したように、本実施例のコールドクルーシブル溶解炉1は、溶解対象物が投入される炉側壁11で囲われた溶解炉と、この溶解炉の底部となる炉床2、及び前記炉床の円周中心にあって溶解炉内の溶湯を外部に出湯するオリフィス部21及び出湯ノズル22を具備し、前記炉床2は円周方向に略分割形成されたセグメント201を継ぎ合わせた集合体からなり、セグメント間の開放されたスリット210を介して炉床上部に下方のコイル4からの誘導磁場を導入する構成であって、前記セグメント間のスリット210以外に、前記炉床下方にあるコイル4で発生する磁束を炉床上面かつ炉床中心方向へ導く誘導機構をさらに有するよう構成されている。
このような構成であるから、炉床下方のコイル4からの磁束を、出湯オリフィス部21のある炉床2上面かつ炉床2円周中心に向けて、より多く伝えることができるため、炉床2上面にある凝固スカル8の厚みを薄くすることができ、より安定した出湯を得ることができる。
本実施例は、小型のコールドクルーシブル溶解炉1であり、磁束を上方かつ中心方向へ集中させる磁束の誘導機構の一つとして、220a、220b、221a、221bを有する構成となっている。
特に、炉側壁11内周の範囲からはみ出たコイル4の上方に向かう磁束は、全て漏れ磁束となって、溶解炉1本体やその付属構造を誘導加熱して余分な損失となる。したがって、これらの磁束を炉側壁内面からより円周中心の方向へ向かって軌道修正することで、余分な損失を減らすことができる。
主として上方向へ強く磁束を促進する磁束誘導機構である前記スリット210の下方に接合する形で、磁束誘導空間220a又は磁束誘導部材220bは設けられており、スリットの空隙を介して上方に向かう漏れ磁束を効果的に軌道修正することができる構成としている。
また本実施例においては、前記スリット210に加えて、さらなる磁束誘導機構として、前記炉床セグメント201の中央部に設けた短絡した中間スリット211が設けられており、これと協働できるように下方に接合して設けられた磁束誘導空間221a又は磁束誘導部材221bを備える構成としている。
これらの構成により、凝固スカル8を効率的に溶解するとともに、炉側壁11及びその付属装置を余分に加熱した上に、コイル損失につながる主な原因であるスリット210や211を介して上方に向かう漏れ磁束を軌道修正することができる。
本実施例では、炉床1の構造物内部に循環水冷機構230を備えることを特徴とする。
このような構成とすることで、出湯のために、特に集中して誘導加熱されるオリフィス部21付近の構造物の損傷を防ぐことができる。冷却は必須であるが、水冷プレート等による外部からの冷却は、高温を保持したいオリフィス部21中心の温度を低下させるおそれがあるとともに、加熱と冷却を同時に行うこととなり、明らかに冷却効率が悪い。
その他、具体的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
理論的には、スリットや磁束誘導体の数が多いほど、磁束の上方かつ中心方向への誘導効果が高くなり、本願発明の目的を達成し易くなる。したがって、磁束誘導空間や磁束誘導部材をリング状に配置したり、上述したような構成の炉床のセグメントの数を増やすことで、スリット数を増やす構成も考えられる。
1… コールドクルーシブ溶解炉
11…炉側壁
2…炉床
21…オリフィス部
21a…漏斗状オリフィス傾斜部
21b…漏斗状オリフィス垂直部
22…出湯ノズル
3…金属溶解用加熱コイル
4…出湯用加熱コイル
5…磁性体プレート
6…水冷プレート
61…水冷通路
7…溶湯金属
8…凝固スカル
201…炉床セグメント
210…炉床セグメント間スリット
211…炉床セグメント中央部スリット
220a、b…炉床セグメント間スリット下磁束誘導空間、部材
221a、b…炉床セグメント中央部スリット下磁束誘導空間、部材
230…炉床セグメント構造内水冷通路

Claims (4)

  1. 溶解対象物が投入される炉側壁で囲われた溶解炉と、前記溶解炉の底部を構成する炉床と、前記炉床内に、外部に溶解対象物を出湯するためのオリフィス部及び出湯ノズルを具備し、
    さらに前記炉床下方に、出湯のための誘導加熱を行うコイルを具備し、
    前記炉床は円周方向に略分割形成されたセグメントからなり、前記セグメント間の開放されたスリットを介して炉床上部に下方の前記コイルで発生する磁束を導入する構成であって、
    さらに、前記炉床内には、前記炉側壁より外側の炉床下面から炉床上面かつ炉床中心方向へ連続して延びる磁束誘導空間又は磁束誘導部材が設けられることを特徴とするコールドクルーシブル溶解炉。
  2. 溶解対象物が投入される炉側壁で囲われた溶解炉と、前記溶解炉の底部を構成する炉床と、前記炉床内に、外部に溶解対象物を出湯するためのオリフィス部及び出湯ノズルを具備し、
    さらに前記炉床下方に、出湯のための誘導加熱を行うコイルを具備し、
    前記炉床は円周方向に略分割形成されたセグメントからなり、前記セグメント間の開放されたスリットを介して炉床上部に下方の前記コイルで発生する磁束を導入する構成であって、
    さらに、前記炉床内には、前記コイルの外周端に対応した位置の炉床下面から炉床上面かつ炉床中心方向へ連続して延びる磁束誘導空間又は磁束誘導部材が設けられることを特徴とするコールドクルーシブル溶解炉。
  3. 前記磁束誘導空間又は磁束誘導部材は、前記スリットの空隙部分に対応して設けられる請求項1または2に記載のコールドクルーシブル溶解炉。
  4. 前記炉床は、前記スリット以外に、各セグメントの中央部に設けられた中間スリットを有し、
    前記磁束誘導空間又は磁束誘導部材が、前記スリット及び前記中間スリットの空隙部分に対応して設けられる請求項3に記載のコールドクルーシブル溶解炉。
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