JP7455384B2 - 誘導加熱コイル及び誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークを誘導加熱するための誘導加熱コイル及び誘導加熱装置に関する。
例えば車両用エンジンの吸気バルブ等のワークを誘導加熱するための誘導加熱コイルが知られている。ワークは、棒状の軸部と、当該軸部の一端部から軸部の長手方向と直交する方向に突出する傘部とを有する。
特許文献1に開示された誘導加熱コイルは、銅製のパイプが螺旋状に巻回されたマルチターンコイルで構成されている。ワークを誘導加熱する際には、誘導加熱コイルは、ワークの軸部及び傘部を囲むように配置される。
特開2013-146784号公報
上述したワークの傘部の径方向における外周部のヒートマス(熱容量)は、ワークの傘部の径方向における中央部のヒートマスよりも小さい。このようなワークを上述した従来の誘導加熱コイルで誘導加熱する際には、ワークの傘部の径方向における外周部と誘導加熱コイルとのギャップが、ワークの傘部の径方向における中央部と誘導加熱コイルとのギャップよりも小さくなるため、ワークの傘部の径方向における外周部のみが過熱されてしまう。その結果、ワークの傘部をほぼ均一に誘導加熱することができないという課題が生じる。
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、ワークの傘部をほぼ均一に誘導加熱することができる誘導加熱コイル及び誘導加熱装置を提供することである。
本発明の一態様に係る誘導加熱コイルは、棒状の軸部と、前記軸部の一端部から前記軸部の長手方向と交差する方向に突出する傘部と、を有するワークを誘導加熱するための誘導加熱コイルであって、第1の方向に延びる第1の辺部と、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記第1の辺部に対向して配置され、前記第1の方向に延びる第2の辺部と、前記第1の辺部及び前記第2の辺部の各両端部をそれぞれ接続し、前記第2の方向に延びる一対の第3の辺部と、を備え、前記第1の辺部は、前記第2の辺部に向けて突出する第1の突部を有し、前記第2の辺部は、前記第1の突部に対向して配置された凹部であって、前記第1の方向及び前記第2の方向の各々と交差する第3の方向に向けて凹状に形成された凹部を有し、前記ワークを誘導加熱する際には、前記第1の突部は、前記傘部の先端面における中央部に対向して配置され、且つ、前記一対の第3の辺部の各々は、前記傘部の前記先端面における外周部に対向して配置され、且つ、前記凹部は、前記傘部と前記軸部との境界部近傍に対向して配置される。
本態様によれば、第1の突部は、ワークの傘部の先端面における中央部に対向して配置され、一対の第3の辺部の各々は、ワークの傘部の先端面における外周部に対向して配置される。これにより、ヒートマスの比較的小さいワークの傘部の径方向における外周部と誘導加熱コイル(一対の第3の辺部)との間のギャップを、ヒートマスの比較的大きいワークの傘部の径方向における中央部と誘導加熱コイル(第1の突部)との間のギャップよりも大きくすることができる。その結果、ワークの傘部の径方向における外周部のみが過熱されるのを抑制することができ、ワークの傘部をほぼ均一に誘導加熱することができる。また、凹部は、ワークの傘部と軸部との境界部近傍に対向して配置される。これにより、ワークの傘部と軸部との境界部近傍と、誘導加熱コイル(凹部の内周面)との間のギャップを比較的小さくすることができ、ワークの傘部と軸部との境界部近傍を効果的に誘導加熱することができる。
例えば、前記第2の辺部は、さらに、前記凹部の内周面の前記第1の突部側における一端部から前記第1の辺部に向けて突出し、前記凹部の内周面の周方向に沿って延びる第2の突部を有するように構成してもよい。
本態様によれば、凹部の内周面の第1の突部側における一端部には、第2の突部が形成されている。これにより、ワークの傘部と軸部との境界部近傍と、誘導加熱コイル(第2の突部)との間のギャップをより小さくすることができ、ワークの傘部と軸部との境界部近傍をより効果的に誘導加熱することができる。
例えば、前記凹部の内周面は、当該内周面の径が前記第1の突部側に向かって漸減するテーパ状に形成されているように構成してもよい。
本態様によれば、凹部の内周面は、当該内周面の径が第1の突部側に向かって漸減するテーパ状に形成されている。これにより、第2の突部に流れる高周波電流の密度が増大するので、第2の突部における磁場を増大させることができる。その結果、ワークの傘部と軸部との境界部近傍をより一層効果的に誘導加熱することができる。
本発明の一態様に係る誘導加熱装置は、上述したいずれかの誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに対して前記ワークを前記軸部周りに回転させる駆動部と、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給する電源部と、を備える。
本態様によれば、上述と同様に、ワークの傘部をほぼ均一に誘導加熱することができる。
本発明の一態様に係る誘導加熱コイル等によれば、ワークの傘部をほぼ均一に誘導加熱することができる。
実施の形態に係る誘導加熱装置を示す斜視図である。 実施の形態に係る誘導加熱コイルを示す斜視図である。 図2とは異なる方向から見た状態での、実施の形態に係る誘導加熱コイルを示す斜視図である。 実施の形態に係る誘導加熱コイルを示す正面図である。 図2のV-V線による、実施の形態に係る誘導加熱コイルの断面図である。 ワークの誘導加熱時における、実施の形態に係る誘導加熱コイルを示す斜視図である。 ワークの誘導加熱時における、実施の形態に係る誘導加熱コイルを示す正面図である。 ワークの誘導加熱時における、比較例に係る誘導加熱コイルを示す斜視図である。 比較例及び実施例の実験条件及び実験結果を示す図である。 比較例に係る誘導加熱コイルによりワークを誘導加熱した際の、ワークの温度の時間変化を示すグラフである。 実施例に係る誘導加熱コイルによりワークを誘導加熱した際の、ワークの温度の時間変化を示すグラフである。 実施の形態の変形例に係る誘導加熱コイルを示す正面図である。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、特許請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
[1.誘導加熱装置の構成]
まず、図1を参照しながら、実施の形態に係る誘導加熱装置2の構成について説明する。図1は、実施の形態に係る誘導加熱装置2を示す斜視図である。
なお、図1において、誘導加熱装置2の左右方向をX軸方向、誘導加熱装置2の前後方向をY軸方向、誘導加熱装置2の上下方向をZ軸方向とする。また、図1において、Z軸のプラス側を「上方」、Z軸のマイナス側を「下方」とする。
図1に示すように、誘導加熱装置2は、ワーク4を高周波で誘導加熱(いわゆる、高周波焼き入れ)するための装置である。高周波焼き入れとは、例えば数kHz~数十kHz程度の高周波の電磁誘導を起こすことにより、ワーク4の表面を加熱させて焼き入れを行う熱処理である。
ワーク4は、長尺状の円柱状(棒状の一例)の軸部6と、当該軸部6の一端部6aから軸部6の長手方向(Z軸方向)と直交する方向に傘状に突出する傘部8とを有する金属部品である。ワーク4は、例えば耐熱鋼SUH11で形成された車両用エンジンの吸気バルブ等である。後述する図6及び図7に示すように、ワーク4の傘部8の先端面8a(軸部6とは反対側の面)は、円形状の平坦面に形成されている。ワーク4の傘部8の直径は、軸部6の長手方向に沿って、軸部6の一端部6aから傘部8の先端面8aに向けて漸増している。また、ワーク4の傘部8の肉厚(Z軸方向における大きさ)は、傘部8の径方向に沿って、傘部8の径方向における外周部から中央部に向けて漸増している。なお、ワーク4の全長は例えば約115mm、ワーク4の軸部6の直径は例えば約6mm、ワーク4の傘部8の最大直径は例えば約33mmである。
図1に示すように、誘導加熱装置2は、ベース部10と、誘導加熱コイル12と、電源部14と、駆動部16とを備えている。
ベース部10は、誘導加熱コイル12を支持するための部材である。
誘導加熱コイル12は、ワーク4を誘導加熱するためのものであり、例えば銅又は銅合金等の金属で形成されている。誘導加熱コイル12は、例えば銅又は銅合金等の金属で形成された一対のリード18,20に電気的に接続されている。一対のリード18,20は、互いに近接して配置され、ベース部10に支持されている。一対のリード18,20の間には、シート状の絶縁部材22が介在されている。一対のリード18,20の各内部は中空状に形成され、一対のリード18,20の各内部には、冷却液を流すための流路(図示せず)が形成されている。誘導加熱コイル12の構成については、後で詳述する。
電源部14は、一対のリード18,20に電気的に接続されている。電源部14は、例えば数kHz~数十kHz程度の高周波電流を生成し、生成した高周波電流を、一対のリード18,20を介して誘導加熱コイル12に供給する。
駆動部16は、誘導加熱コイル12に対してワーク4を軸部6周りに回転させるためのスピンドルユニットであり、誘導加熱コイル12の下方に配置されている。駆動部16は、ワーク4の軸部6の他端部6b(傘部8とは反対側の端部)をチャックすることにより、傘部8の先端面8aが上方を向くようにして、ワーク4を上下方向に立てた状態に保持する。この状態で、駆動部16は、誘導加熱コイル12に対してワーク4を軸部6周りに回転させる。
[2.誘導加熱コイルの構成]
次に、図2~図5を参照しながら、実施の形態に係る誘導加熱コイル12の構成について説明する。図2は、実施の形態に係る誘導加熱コイル12を示す斜視図である。図3は、図2とは異なる方向から見た状態での、実施の形態に係る誘導加熱コイル12を示す斜視図である。図4は、実施の形態に係る誘導加熱コイル12を示す正面図である。図5は、図2のV-V線による、実施の形態に係る誘導加熱コイル12の断面図である。
図2及び図3に示すように、誘導加熱コイル12は、コイル本体24と、一対の接続部26,28とを備えている。
図2~図4に示すように、コイル本体24は、第1の辺部30と、第2の辺部32と、一対の第3の辺部34,36とを有している。図5に示すように、コイル本体24の内部は中空状に形成されており、コイル本体24の内部には、冷却液を流すための流路38が形成されている。
第1の辺部30は、断面矩形状のパイプ状に形成され、第1の方向(X軸方向)に直線状に延びている。第1の辺部30の下面(第2の辺部32に対向する側の面)において、第1の辺部30の長手方向(第1の方向)における中央部には、第2の辺部32に向けて突出する第1の突部40が形成されている。第1の突部40は、例えばXY平面視で矩形状に形成されている。
第2の辺部32は、第1の辺部30の下方において第1の辺部30に対向して配置され、第1の方向に屈曲及び湾曲しながら延びている。すなわち、第2の辺部32は、第1の方向と直交する第2の方向(Z軸方向)に、第1の辺部30に対向して配置されている。第2の辺部32は、直線部42,44と、円弧部46,48とを有している。
直線部42,44は、第1の方向において間隔を置いて配置されている。直線部42,44の各々は、断面矩形状のパイプ状に形成され、第1の方向に直線状に延びている。
円弧部46,48は、直線部42と直線部44との間に配置されている。円弧部46,48の各々は、断面多角形状のパイプ状に形成され、第1の方向及び第2の方向の各々と直交する第3の方向(Y軸方向)に向けて略1/4円弧状に突出している。すなわち、円弧部46,48は全体として、第3の方向に向けて略1/2円弧状に突出している。円弧部46の周方向における一端部は、直線部42の第1の方向における一端部とろう付けにより接続されている。また、円弧部48の周方向における一端部は、直線部44の第1の方向における一端部とろう付けにより接続されている。
図2、図4及び図5に示すように、円弧部46,48の各内周面は、第3の方向に向けて凹状に形成された凹部50を構成する。凹部50は、第1の突部40の下方において第1の突部40に対向して配置されている。円弧部46,48の各内周面(すなわち、凹部50の内周面)は、当該内周面の径が第1の突部40側に向かって漸減するテーパ状に形成されている。また、円弧部46,48の各上面(第1の辺部30に対向する側の面)にはそれぞれ、第2の突部52,54が形成されている。第2の突部52,54はそれぞれ、円弧部46,48の各内周面の第1の突部40側における一端部から第1の辺部30に向けて突出し、円弧部46,48の各内周面の周方向に沿って略1/4円弧状に延びている。
一対の第3の辺部34,36はそれぞれ、第1の辺部30の第1の方向における両端部と、第2の辺部32の第1の方向における両端部(すなわち、直線部42,44の第1の方向における各他端部)とを接続する。一対の第3の辺部34,36の各々は、断面矩形状のパイプ状に形成され、第2の方向に直線状に延びている。なお、第1の辺部30、一対の第3の辺部34,36及び一対の直線部42,44は、一体的に形成されている。
図3に示すように、一対の接続部26,28の各々は、断面矩形状のパイプ状に形成され、第3の方向に略直線状に延びている。接続部26の一端部は、円弧部46の周方向における他端部とろう付けにより接続されている。また、接続部28の一端部は、円弧部48の周方向における他端部とろう付けにより接続されている。なお、図1に示すように、一対の接続部26,28の各他端部はそれぞれ、一対のリード18,20の各一端部とろう付けにより接続されている。一対の接続部26,28は、互いに近接して配置され、一対の接続部26,28の間には、上述した絶縁部材22(図1参照)が介在されている。
図3に示すように、一対の接続部26,28の各内部にはそれぞれ、冷却液を流すための流路56,58が形成されている。流路56は、コイル本体24の円弧部46の流路38と連通し、且つ、リード18の流路と連通している。また、流路58は、コイル本体24の円弧部48の流路38と連通し、且つ、リード20の流路と連通している。
[3.ワークの誘導加熱方法]
次に、図1、図6及び図7を参照しながら、実施の形態に係る誘導加熱コイル12によるワーク4の傘部8の誘導加熱方法について説明する。図6は、ワーク4の誘導加熱時における、実施の形態に係る誘導加熱コイル12を示す斜視図である。図7は、ワーク4の誘導加熱時における、実施の形態に係る誘導加熱コイル12を示す正面図である。
まず、図1に示すように、誘導加熱すべきワーク4の生材を、駆動部16により上下方向に立てた状態に保持する。この時、ワーク4の傘部8は、誘導加熱コイル12のコイル本体24の第1の辺部30、第2の辺部32及び一対の第3の辺部34,36により囲まれた領域に配置される。
具体的には、図6及び図7に示すように、第1の突部40は、ワーク4の傘部8の先端面8aにおける中央部60に対向して配置される。第1の突部40と、ワーク4の傘部8の先端面8aとの間のギャップG1は、例えば約2mmである。また、一対の第3の辺部34,36の各々は、ワーク4の傘部8の先端面8aにおける外周部に対向して配置される。一対の第3の辺部34,36の各々と、ワーク4の傘部8の先端面8aにおける外周部との間のギャップG2は、例えば約10mmである。また、凹部50は、ワーク4の傘部8と軸部6との境界部62近傍に対向して配置される。第2の突部52,54の各上面とワーク4の傘部8との間のギャップG3は、例えば約1.5mmである。
駆動部16は、誘導加熱コイル12に対してワーク4を軸部6周りに回転させる。この状態で、電源部14は、高周波電流を所定時間(例えば、数秒~十数秒程度)の間、一対のリード18,20を介して誘導加熱コイル12に供給する。これにより、ワーク4の傘部8は、誘導加熱コイル12により誘導加熱される。
この時、ワーク4の傘部8の先端面8aにおける中央部60は、主に第1の突部40により誘導加熱される。また、ワーク4の傘部8の先端面8aにおける外周部は、主に一対の第3の辺部34,36の各々により誘導加熱される。また、ワーク4の傘部8と軸部6との境界部62近傍は、主に凹部50及び第2の突部52,54により誘導加熱される。
ワーク4の誘導加熱時は、冷却液が、リード18の流路、接続部26の流路56、コイル本体24の流路38、接続部28の流路58及びリード20の流路を通して流れることにより、誘導加熱コイル12の温度上昇が抑制される。
上記所定時間の経過後、電源部14は、誘導加熱コイル12への高周波電流の供給を停止し、駆動部16は、ワーク4の軸部6周りの回転を停止する。
なお、上述のようにワーク4の傘部8を誘導加熱した後、別工程(マルチターンコイルによる誘導加熱、又は、炉加熱等)でワーク4の軸部6を加熱すればよい。
[4.効果]
以下、図7及び図8を参照しながら、実施の形態に係る誘導加熱コイル12と比較例に係る誘導加熱コイル100とを比較することにより、実施の形態に係る誘導加熱コイル12により得られる効果について説明する。図8は、ワーク4の誘導加熱時における、比較例に係る誘導加熱コイル100を示す斜視図である。
ワーク4の傘部8の肉厚は、傘部8の径方向に沿って、傘部8の径方向における外周部から中央部に向けて漸増しているため、傘部8の径方向における外周部のヒートマスは、傘部8の径方向における中央部のヒートマスよりも小さい。また、ワーク4のうち、誘導加熱コイルとの間のギャップが小さい部位ほど、誘導加熱により温度上昇されやすくなる。
図8に示すように、比較例に係る誘導加熱コイル100は、銅製のパイプが螺旋状に巻回されたマルチターンコイルで構成されている。誘導加熱コイル100は、ワーク4の軸部6及び傘部8を囲むように配置される。
この時、ヒートマスの比較的小さいワーク4の傘部8の径方向における外周部と誘導加熱コイル100との間のギャップは、ヒートマスの比較的大きいワーク4の傘部8の径方向における中央部と誘導加熱コイル100との間のギャップよりも小さい。そのため、ワーク4の傘部8の径方向における外周部のみが過熱されてしまい、ワーク4の傘部8をほぼ均一に誘導加熱することができないという課題が生じる。
これに対して、図7に示すように、実施の形態に係る誘導加熱コイル12では、第1の突部40は、ワーク4の傘部8の先端面8aにおける中央部60に対向して配置される。また、一対の第3の辺部34,36の各々は、ワーク4の傘部8の先端面8aにおける外周部に対向して配置される。
これにより、ヒートマスの比較的小さいワーク4の傘部8の径方向における外周部と誘導加熱コイル12との間のギャップ(G2)を、ヒートマスの比較的大きいワーク4の傘部8の径方向における中央部と誘導加熱コイル12との間のギャップ(G1)よりも大きくすることができる。その結果、ワーク4の傘部8の径方向における外周部のみが過熱されるのを抑制することができ、ワーク4の傘部8をほぼ均一に誘導加熱することができる。
また、実施の形態に係る誘導加熱コイル12では、凹部50は、ワーク4の傘部8と軸部6との境界部62近傍に対向して配置される。これにより、ワーク4の傘部8と軸部6との境界部62近傍と、誘導加熱コイル12(凹部50の内周面)との間のギャップを比較的小さくすることができ、ワーク4の傘部8と軸部6との境界部62近傍を効果的に誘導加熱することができる。
また、凹部50の内周面の第1の突部40側における一端部には、第2の突部52,54が形成されている。これにより、第2の突部52,54を、ワーク4の傘部8と軸部6との境界部62近傍における凹形状に沿って配置することができる。その結果、ワーク4の傘部8と軸部6との境界部62近傍と、誘導加熱コイル12(第2の突部52,54)との間のギャップ(G4)をより小さくすることができ、ワーク4の傘部8と軸部6との境界部62近傍をより効果的に誘導加熱することができる。
さらに、凹部50の内周面は、当該内周面の径が第1の突部40側に向かって漸減するテーパ状に形成されている。これにより、第2の突部52,54に流れる高周波電流の密度が増大するので、第2の突部52,54における磁場をより増大させることができる。その結果、ワーク4の傘部8と軸部6との境界部62近傍をより一層効果的に誘導加熱することができる。
[5.実施例及び比較例]
本実施の形態による効果、すなわち、ワーク4の傘部8をほぼ均一に誘導加熱することができる効果を確認するため、以下の実験を行った。図9は、比較例及び実施例の実験条件及び実験結果を示す図である。図10は、比較例に係る誘導加熱コイルによりワークを誘導加熱した際の、ワークの温度の時間変化を示すグラフである。図11は、実施例に係る誘導加熱コイルによりワークを誘導加熱した際の、ワークの温度の時間変化を示すグラフである。
比較例及び実施例では、図9の(a)に示すワークの生材に対して、目標温度を1050±50℃として誘導加熱コイルにより誘導加熱した。ワークは、軸部及び傘部を有する車両用エンジンの吸気バルブであり、ワークの材質はSUH11であった。ワークの全長は115mm、ワークの軸部の直径は5.7mm、ワークの傘部の最大直径は33.4mmであった。誘導加熱コイルによりワークを誘導加熱した際の、ワークの傘部の径方向における外周部(図9の(a)における位置1)の最高温度と、ワークの傘部と軸部との境界部(図9の(a)における位置2)の最高温度と、ワークの傘部の径方向における中央部(図9の(a)における位置3)のビッカース硬さとを測定した。なお、図9の(a)における位置3は、ワークの傘部の先端面における径中心から、ワークの長手方向に沿って5mm離れた位置であった。また、ビッカース硬さの荷重は、4.903Nであった。
比較例及び実施例の実験結果は、以下の通りであった。ワークの傘部の径方向における中央部のビッカース硬さが700HV以上であれば、ワークの傘部の径方向における中央部まで十分に誘導加熱できていると評価した。
図9の(b)に示すように、比較例では、ワークの生材に対して、周波数200kHz及び加熱時間15秒の加熱条件で、図8に示すマルチターンコイルの誘導加熱コイルにより誘導加熱した。図9の(b)及び図10に示すように、誘導加熱の開始から15秒が経過した時点で、ワークの傘部の径方向における外周部の温度は1206.0℃まで上昇し、ワークの傘部と軸部との境界部の温度は1040.6℃まで上昇した。また、図9の(b)に示すように、ワークの傘部の径方向における中央部のビッカース硬さは、395HVであった。
すなわち、比較例では、ワークの傘部の径方向における外周部の最高温度、及び、ワークの傘部と軸部との境界部の最高温度は比較的高温となったにも拘らず、ワークの傘部の径方向における中央部のビッカース硬さは、700HVを大きく下回った。このことから、比較例では、ワークの傘部の径方向における中央部まで十分に誘導加熱できていなかったことが理解できる。
一方、図9の(b)に示すように、実施例では、ワークの生材に対して、周波数50kHz及び加熱時間5秒の加熱条件で、図2~図7に示す誘導加熱コイルにより誘導加熱した。図9の(b)及び図11に示すように、誘導加熱の開始から5秒が経過した時点で、ワークの傘部の径方向における外周部の温度は1018.9℃まで上昇し、ワークの傘部と軸部との境界部の温度は823.3℃まで上昇した。また、図9の(b)に示すように、ワークの傘部の径方向における中央部のビッカース硬さは、750HVであった。
すなわち、実施例では、ワークの傘部の径方向における外周部の最高温度、及び、ワークの傘部と軸部との境界部の最高温度は、比較例には及ばなかったものの、ワークの傘部の径方向における中央部のビッカース硬さは、700HVを上回った。このことから、実施例では、ワークの傘部の径方向における中央部まで十分に誘導加熱できていたことが理解できる。
以上のことから、実施の形態に係る誘導加熱コイル12では、ワーク4の傘部8をほぼ均一に誘導加熱することができる効果を得られることが確認された。
[6.変形例]
次に、図12を参照しながら、実施の形態の変形例に係る誘導加熱コイル12Aの構成について説明する。図12は、実施の形態の変形例に係る誘導加熱コイル12Aを示す正面図である。
図12に示すように、実施の形態の変形例に係る誘導加熱コイル12Aでは、第1の突部40Aは、第1の辺部30の長手方向における中央部が第2の辺部32に向けて屈曲されることにより形成されている。このような構成であっても、上述と同様の効果を得ることができる。
(他の変形例等)
以上、本発明の1つ又は複数の態様に係る誘導加熱コイル及び誘導加熱装置について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の1つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
上記実施の形態では、第1の突部40をXY平面視で矩形状に形成したが、これに限定されず、例えばXY平面視で円形状、楕円形状又は多角形状等に形成してもよい。
また、上記実施の形態では、ワーク4を車両用エンジンの吸気バルブとしたが、これに限定されず、例えば車両用エンジンの排気バルブ等としてもよい。
本発明は、例えば金属部品の高周波焼き入れを行うための誘導加熱装置等に適用することができる。
2 誘導加熱装置
4 ワーク
6 軸部
6a 一端部
6b 他端部
8 傘部
8a 先端面
10 ベース部
12,12A,100 誘導加熱コイル
14 電源部
16 駆動部
18,20 リード
22 絶縁部材
24 コイル本体
26,28 接続部
30 第1の辺部
32 第2の辺部
34,36 第3の辺部
38,56,58 流路
40,40A 第1の突部
42,44 直線部
46,48 円弧部
50 凹部
52,54 第2の突部
60 中央部
62 境界部

Claims (4)

  1. 棒状の軸部と、前記軸部の一端部から前記軸部の長手方向と交差する方向に突出する傘部と、を有するワークを誘導加熱するための誘導加熱コイルであって、
    第1の方向に延びる第1の辺部と、
    前記第1の方向と交差する第2の方向に前記第1の辺部に対向して配置され、前記第1の方向に延びる第2の辺部と、
    前記第1の辺部及び前記第2の辺部の各両端部をそれぞれ接続し、前記第2の方向に延びる一対の第3の辺部と、を備え、
    前記第1の辺部は、前記第2の辺部に向けて突出する第1の突部を有し、
    前記第2の辺部は、前記第1の突部に対向して配置された凹部であって、前記第1の方向及び前記第2の方向の各々と交差する第3の方向に向けて凹状に形成された凹部を有し、
    前記ワークを誘導加熱する際には、前記第1の突部は、前記傘部の先端面における中央部に対向して配置され、且つ、前記一対の第3の辺部の各々は、前記傘部の前記先端面における外周部に対向して配置され、且つ、前記凹部は、前記傘部と前記軸部との境界部近傍に対向して配置される
    誘導加熱コイル。
  2. 前記第2の辺部は、さらに、前記凹部の内周面の前記第1の突部側における一端部から前記第1の辺部に向けて突出し、前記凹部の内周面の周方向に沿って延びる第2の突部を有する
    請求項1に記載の誘導加熱コイル。
  3. 前記凹部の内周面は、当該内周面の径が前記第1の突部側に向かって漸減するテーパ状に形成されている
    請求項2に記載の誘導加熱コイル。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の誘導加熱コイルと、
    前記誘導加熱コイルに対して前記ワークを前記軸部周りに回転させる駆動部と、
    前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給する電源部と、を備える
    誘導加熱装置。
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