JP6908104B2 - エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物及び電子部品装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物及び電子部品装置 Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物及び電子部品装置に関する。
従来から、成形品、積層板、接着剤、各種電子電気部品、塗料、インキ等の材料として、エポキシ樹脂等の硬化性樹脂が広く使用されている。特に、トランジスタ、IC(Integrated Circuit)等の電子部品素子の封止技術に関する分野では、封止材料としてエポキシ樹脂組成物が広く使用されている。この理由としては、エポキシ樹脂は、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸特性においてバランスがとれているためである。
一方、近年、電子部品の分野では高速化及び高密度化が進んでおり、それに伴って、電子部品の発熱量が顕著に増大している。また、高温下で作動する電子部品に対する需要も増加している。そのため、電子部品に使用されるプラスチック、特にエポキシ樹脂の硬化物に対しては、熱伝導性の向上が求められている。
エポキシ樹脂の硬化物の熱伝導性を向上させるための手法として、結晶性のエポキシ樹脂を用いる方法、高熱伝導性フィラーのエポキシ樹脂組成物中の充填量を増やす方法等が報告されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開2007−153969号公報 特開2012−211225号公報 特開2008−106126号公報 特開平11−323162号公報
しかしながら、上記特許文献に記載された方法では、エポキシ樹脂の軟化点の上昇又はフィラー充填量の増大を伴うため、エポキシ樹脂組成物の流動性が低下して成形性を損なう可能性がある。従って、硬化後の熱伝導性を高く維持しつつ、かつ流動性に優れるエポキシ樹脂組成物の開発が求められている。
本発明の課題は、流動性に優れるエポキシ樹脂組成物、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物であるエポキシ樹脂硬化物、並びに前記エポキシ樹脂硬化物によって封止された素子を備える電子部品装置を提供することである。
本発明は、以下の実施形態を含む。
<1> エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、沸点が50℃〜100℃である有機溶剤と、を含有するエポキシ樹脂組成物。
<2> 前記有機溶剤の含有率が、0.1質量%〜10質量%である<1>に記載のエポキシ樹脂組成物。
<3> 前記無機充填材の含有率が、55質量%〜95質量%である<1>又は<2>に記載のエポキシ樹脂組成物。
<4> 更にカップリング剤を含有する<1>〜<3>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
<5> 前記カップリング剤の含有率が、0.05質量%〜5.0質量%である<4>に記載のエポキシ樹脂組成物。
<6> タブレット状であり、かつ沸点が50℃〜100℃である有機溶剤の含有率が、0.3質量%〜3.0質量%であるエポキシ樹脂組成物。
<7> <1>〜<6>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
<8> 素子と、前記素子を封止している<7>に記載のエポキシ樹脂硬化物と、を有する電子部品装置。
本発明によれば、流動性に優れるエポキシ樹脂組成物、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物であるエポキシ樹脂硬化物、並びに前記エポキシ樹脂硬化物によって封止された素子を備える電子部品装置を提供することができる。
本明細書において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の含有量及び含有率は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有量及び含有率を意味する。
本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
<エポキシ樹脂組成物>
本発明の一実施形態におけるエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、沸点が50℃〜100℃である有機溶剤と、を含有する。これにより、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、流動性に優れる。
[エポキシ樹脂]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含有し、好ましくは、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有する。1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、ビフェニレン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種(以下、特定エポキシ樹脂ともいう)が挙げられる。中でも、ビフェニレン型エポキシ樹脂及びジフェニルメタン型エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物がエポキシ樹脂として特定エポキシ樹脂を含む場合、特定エポキシ樹脂以外のその他のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂として更に含んでもよい。その他のエポキシ樹脂としては、当該分野で通常用いられるエポキシ樹脂を挙げることができる。具体的には、例えば、柔軟性又は接着性を向上させるために官能基又は骨格を変性したエポキシ−シリカハイブリッド樹脂、及び柔軟強靭性液状エポキシ樹脂を挙げることができる。その他のエポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物がエポキシ樹脂として特定エポキシ樹脂を含む場合、エポキシ樹脂全量中の特定エポキシ樹脂の総含有率は、特定エポキシ樹脂の性能を充分に発揮する観点から、60質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、90g/eq〜500g/eqであることが好ましく、140g/eq〜450g/eqであることがより好ましく、190g/eq〜400g/eqであることが更に好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K 7236:2009に準じた方法で測定される値とする。
エポキシ樹脂の融点又は軟化点は、50℃〜250℃であることが好ましく、65℃〜200℃であることがより好ましく、80℃〜170℃であることが更に好ましい。
エポキシ樹脂の融点又は軟化点は、JIS K 7234:1986及びJIS K 7233:1986に記載の単一円筒回転粘度計法により測定される値とする。
[硬化剤]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤を含有する。硬化剤は、エポキシ樹脂と反応しうるものであれば特に制限されない。耐熱性向上の観点から、硬化剤は、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物(以下、フェノール硬化剤ともいう)が好ましい。フェノール硬化剤は、低分子のフェノール化合物であっても、低分子のフェノール化合物を高分子化したフェノール樹脂であってもよい。熱伝導性の観点からは、フェノール硬化剤はフェノール樹脂であることが好ましい。
フェノール樹脂としては、ビフェニレン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合樹脂及びトリフェニルメタン型フェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種(以下、特定フェノール硬化剤ともいう)が挙げられる。中でも、トリフェニルメタン型フェノール樹脂が好ましい。硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物が硬化剤として特定フェノール硬化剤を含む場合、特定フェノール硬化剤以外のその他の硬化剤を更に含んでもよい。その他の硬化剤としては、当該分野で通常用いられる、特定フェノール硬化剤以外のフェノール樹脂を挙げることができる。その他の硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物が硬化剤として特定フェノール硬化剤を含む場合、特定フェノール硬化剤の性能を充分に発揮する観点から、硬化剤全量中の特定フェノール硬化剤の含有率は、60質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
エポキシ樹脂組成物に含まれる硬化剤の水酸基当量は、70g/eq〜500g/eqであることが好ましく、100g/eq〜450g/eqであることがより好ましく、150g/eq〜400g/eqであることが更に好ましい。
硬化剤の水酸基当量は、JIS K 0070:1992に準じた方法により測定される値とする。
エポキシ樹脂組成物に含まれる硬化剤の融点又は軟化点は、50℃〜250℃であることが好ましく、65℃〜200℃であることがより好ましく、80℃〜170℃であることが更に好ましい。
硬化剤の融点又は軟化点は、JIS K 7234:1986及びJIS K 7233:1986に記載の単一円筒回転粘度計法により測定される値とする。
エポキシ樹脂組成物における、エポキシ樹脂と硬化剤との含有比率は、エポキシ樹脂のエポキシ基の当量数に対する硬化剤の水酸基の当量数の比率(水酸基の当量数/エポキシ基の当量数)が0.5〜2.0の範囲となるように設定されることが好ましく、0.7〜1.5となるように設定されることがより好ましく、0.8〜1.3となるように設定されることが更に好ましい。前記比率が0.5以上であると、エポキシ樹脂の硬化が充分となり、硬化物の耐熱性、耐湿性、及び電気特性に優れる傾向にある。また、前記比率が2.0以下であると、硬化樹脂中に残存するフェノール性水酸基の量が抑えられ、電気特性及び耐湿性に優れる傾向にある。
エポキシ樹脂組成物における、エポキシ樹脂と硬化剤との組み合わせの例としては、以下のものが挙げられる。
(1)エポキシ樹脂が特定エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種を含み、硬化剤が特定フェノール硬化剤から選択される少なくとも1種を含む組み合わせ
(2)エポキシ樹脂がビフェニレン型エポキシ樹脂を含み、硬化剤が特定フェノール硬化剤から選択される少なくとも1種を含む組み合わせ
(3)エポキシ樹脂がジフェニルメタン型エポキシ樹脂を含み、硬化剤がトリフェニルメタン型フェノール樹脂を含む組み合わせ
[無機充填材]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、無機充填材を含有する。エポキシ樹脂組成物が無機充填材を含有することで、エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数(線膨張係数)、熱伝導率、弾性率等の向上を図ることができる。
無機充填材は特に制限されず、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に用いられているものを適宜選択して使用することができる。無機充填材としては、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、工業用ダイヤモンド、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカ等の無機物の粒子、これらの粒子を球形化したビーズなどが挙げられる。その他、難燃効果のある無機充填材も使用できる。難燃効果のある無機充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムと亜鉛との複合水酸化物等の複合金属水酸化物、ホウ酸亜鉛などの粒子が挙げられる。無機充填材は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填材の中でも、エポキシ樹脂組成物の硬化物の線膨張係数を低減する観点からは溶融シリカ等のシリカ粒子が好ましく、エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱伝導性を向上する観点からはアルミナ粒子が好ましい。
エポキシ樹脂組成物中の無機充填材の含有率は、特に制限されない。無機充填材の含有率は、例えば、エポキシ樹脂組成物の全質量に対して55質量%〜95質量%であることが好ましく、60質量%〜90質量%であることがより好ましい。無機充填材の含有率が55質量%以上であると、エポキシ樹脂組成物の硬化物の線膨張係数、熱伝導率、弾性率等に優れる傾向にある。無機充填材の含有率が95質量%以下であると、エポキシ樹脂組成物の粘度の上昇が抑えられて流動性に優れ、パッケージの成形が容易になる傾向にある。
無機充填材の平均粒子径は、特に制限されない。無機充填材の平均粒子径は、例えば、0.1μm〜80μmであることが好ましく、0.3μm〜50μmであることがより好ましい。無機充填材の平均粒子径が0.1μm以上であると、エポキシ樹脂組成物の粘度の上昇を抑えやすい傾向にある。無機充填材の平均粒子径が80μm以下であると、エポキシ樹脂組成物と無機充填材との混合性が向上し、硬化によって得られるパッケージの状態がより均質化して特性のばらつきが抑えられる傾向にあり、更に狭い領域への充填性が向上する傾向にある。なお、無機充填材の粒子径の分布は、0.1μm〜80μmの範囲内に最大値を有することが好ましい。
本明細書において無機充填材の平均粒子径は、乾式の粒度分布計を使用して、又は、水若しくは有機溶媒中に無機充填材を分散したスラリーの状態で湿式の粒度分布測定装置を使用して測定できる。特に1μm以下の粒子を含む場合は、湿式の粒度分布計を使用して測定することが好ましい。具体的には、無機充填材の濃度を約0.01質量%に調整した水スラリーをバス式超音波洗浄機で5分間処理し、レーザー回折式粒度測定装置(LA−960、株式会社堀場製作所)を用いて検出された全粒子の平均値より求めることができる。
エポキシ樹脂組成物の流動性の観点から、無機充填材の粒子形状は角形より球形が好ましく、無機充填材の粒度分布は広範囲に分布したものが好ましい。例えば、無機充填材を55体積%以上含有する場合、その70質量%以上を球状粒子とし、この球状粒子の粒径は0.1μm〜80μmという広範囲に分布したものが好ましい。このような無機充填材は、大きさが異なる粒子が混在することで最密充填構造を形成しやすいため、無機充填材の含有率を増加させてもエポキシ樹脂組成物の粘度上昇が抑えられ、流動性に優れるエポキシ樹脂組成物が得られる傾向にある。
[有機溶剤]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、沸点が50℃〜100℃である有機溶剤(以下、特定有機溶剤ともいう)を含有する。エポキシ樹脂組成物が特定有機溶剤を含有することで、組成物の粘度が低下するため、混練性及び流動性が向上する。
特定有機溶剤は特に制限されず、例えば、沸点が50℃〜100℃であり、好ましくはエポキシ樹脂組成物中の成分と非反応性のものを適宜選択して使用することができる。特定有機溶剤としては、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。中でもアルコール系溶剤が好ましく、メタノール(沸点64.7℃)、エタノール(沸点78.37℃)、プロパノール(沸点97℃)及びイソプロパノール(沸点82.6℃)がより好ましい。特定有機溶剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、特定有機溶剤としては、エポキシ樹脂組成物を調製する際に添加されるものであってもよく、エポキシ樹脂組成物を調製する際の混練過程の反応で発生するものであってもよい。なお、本明細書において特定有機溶剤の沸点は、常圧にて測定される特定有機溶剤の沸点を指す。
エポキシ樹脂組成物中の特定有機溶剤の含有率は、特に制限されない。特定有機溶剤の含有率は、例えば、エポキシ樹脂組成物の全質量に対して0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、熱伝導性をより向上させる観点から、0.3質量%〜4.0質量%であることがより好ましく、0.3質量%〜3.0質量%であることが更に好ましく、0.3質量%〜2.5質量%であることが特に好ましい。特定有機溶剤の含有率が0.3質量%以上であると、流動性の向上効果がより高まる傾向にある。特定有機溶剤の含有率が3.0質量%以下であると、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂を硬化するときにボイドの発生がより抑制され、絶縁信頼性の低下がより抑制される傾向にある。
特定有機溶剤中のアルコール系溶剤の含有率は、特に限定されない。アルコール系溶剤の含有率は例えば、特定有機溶剤の全質量に対して50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。また、エポキシ樹脂組成物は、アルコール系溶剤以外の特定有機溶剤を実質的に含有していなくてもよい。
[硬化促進剤]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤としては、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に用いられているものを適宜選択して使用することができる。硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物、イミダゾール化合物、第3級アミン、及び第4級アンモニウム塩が挙げられる。中でも、トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物が好ましい。硬化促進剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物が硬化促進剤を含有する場合、硬化促進剤の含有率は特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂及び硬化剤の総量に対して1.0質量%〜10質量%であることが好ましく、1.5質量%〜7質量%であることがより好ましく、2.0質量%〜6質量%であることが更に好ましい。
[添加剤]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて陰イオン交換体、離型剤、難燃剤、カップリング剤、応力緩和剤、着色剤等の添加剤を含有してもよい。
(陰イオン交換体)
エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて陰イオン交換体を含有してもよい。特に、エポキシ樹脂組成物を封止用成形材料として用いる場合には、封止される素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、陰イオン交換体を含有することが好ましい。
陰イオン交換体は特に制限されず、従来から当該技術分野において一般的に使用されるものから選択できる。例えば、ハイドロタルサイト化合物、並びにマグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及びビスマスから選ばれる元素の含水酸化物が挙げられる。
陰イオン交換体は特に制限されず、従来から当該技術分野において一般に使用されるものから選択できる。陰イオン交換体としては、例えば、下記式(I)で示される組成のハイドロタルサイト化合物、並びにマグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス及びアンチモンからなる群より選ばれる元素の含水酸化物が挙げられる。陰イオン交換体は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Mg1−xAl(OH)(COx/2・mHO (I)
(0<X≦0.5、mは正の数)
ハイドロタルサイト化合物は、ハロゲンイオンなどの陰イオンを構造中のCO3と置換することで捕捉し、結晶構造の中に取り込まれたハロゲンイオンは約350℃以上で結晶構造が破壊するまで脱離しない性質を持つ化合物である。この様な性質を有するハイドロタルサイトとしては、天然物として産出されるMg6Al(OH)16CO・4HO、合成品としてMg4.3Al(OH)12.6CO・mHO等が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物が硬化剤としてフェノール硬化剤を含有する場合、フェノール硬化剤の影響でエポキシ樹脂組成物は酸性を示す(例えば、純水を使用した硬化物の抽出液がpH3〜5となる)。この場合、例えば、両性金属であるアルミニウムは、エポキシ樹脂組成物によって腐食されやすい環境となるが、酸を吸着する作用も持つハイドロタルサイト化合物をエポキシ樹脂組成物が含有することで、アルミニウムの腐食が抑制される傾向にある。
また、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の含水酸化物も、ハロゲンイオン等の陰イオンを水酸化物イオンと置換することで捕捉でき、更にこれらのイオン交換体は酸性側で優れたイオン交換能を示す。従って、これらのイオン交換体をエポキシ樹脂組成物が含有することで、ハイドロタルサイト化合物を含有する場合と同様に、アルミニウムの腐食が抑制される傾向にある。含水酸化物としては、MgO・nHO、Al・nHO、ZrO・HO、Bi・HO、Sb・nHO等が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物が陰イオン交換体を含有する場合、陰イオン交換体の含有率は、ハロゲンイオン等の陰イオンを捕捉できる充分な量であれば特に制限はない。エポキシ樹脂組成物が陰イオン交換体を含有する場合、陰イオン交換体の含有率は、例えば、0.1質量%〜30質量%であることが好ましく、1.0質量%〜5質量%であることがより好ましい。
(離型剤)
エポキシ樹脂組成物は、成形工程において金型に対する良好な離型性を発揮させる観点から、必要に応じて離型剤を含有してもよい。離型剤の種類は特に制限されず、当該技術分野において公知の離型剤が挙げられる。具体的に、離型剤としては、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。中でも、カルナバワックス及びポリオレフィン系ワックスが好ましい。離型剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオレフィン系ワックスとしては、市販品を用いてもよく、例えば、ヘキスト社製のH4、PE、PEDシリーズ等の数平均分子量が500〜10000程度の低分子量ポリエチレンなどが挙げられる。
エポキシ樹脂組成物がポリオレフィン系ワックスを含有する場合、ポリオレフィン系ワックスの含有率は、エポキシ樹脂に対して0.01質量%〜10質量%であることが好ましく、0.10質量%〜5質量%であることがより好ましい。ポリオレフィン系ワックスの含有率が0.01質量%以上であると充分な離型性が得られる傾向にあり、10質量%以下であると充分な接着性が得られる傾向にある。
また、エポキシ樹脂組成物がポリオレフィン系ワックス以外のその他の離型剤を含有する場合、又はエポキシ樹脂組成物がポリオレフィン系ワックス及びその他の離型剤を含有する場合、その他の離型剤の含有率は、エポキシ樹脂に対して0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、0.5質量%〜3質量%であることがより好ましい。
(難燃剤)
エポキシ樹脂組成物は、難燃性を付与する観点から、必要に応じて難燃剤を含有してもよい。難燃剤は特に制限されず、例えば、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む公知の有機化合物及び無機化合物、金属水酸化物並びにアセナフチレンが挙げられる。難燃剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物が難燃剤を含有する場合、難燃剤の含有率は、難燃効果が得られる量であれば特に制限はない。エポキシ樹脂組成物が難燃剤を含有する場合、難燃剤の含有率は、エポキシ樹脂に対して、1質量%〜30質量%であることが好ましく、2質量%〜15質量%であることがより好ましい。
(カップリング剤)
エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、樹脂成分と無機充填材との接着性を高める観点から、カップリング剤を含有してもよい。カップリング剤の種類は、特に制限されない。カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、メタクリルシラン、アクリルシラン、ビニルシラン等の各種シラン化合物、チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウム及びジルコニウム含有化合物などが挙げられる。カップリング剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物がカップリング剤を含有する場合、カップリング剤の含有率は、無機充填材に対して0.05質量%〜5.0質量%であることが好ましく、0.10質量%〜2.5質量%であることがより好ましい。カップリング剤の含有率が0.05質量%以上であるとフレームとの接着性が向上する傾向にあり、5質量%以下であるとパッケージの成形性に優れる傾向にある。
(応力緩和剤)
エポキシ樹脂組成物は、パッケージの反り変形量及びパッケージクラックを低減させる観点から、必要に応じて、シリコーンオイル、シリコーンゴム粒子等の応力緩和剤を含有してもよい。使用可能な応力緩和剤としては、当該技術分野で一般に用いられる公知の可とう剤(応力緩和剤)を適宜選択して使用することができる。
応力緩和剤として具体的には、シリコーン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリブタジエン等の熱可塑性エラストマー;NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴム粒子;メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体(MBS)、メタクリル酸メチル−シリコーン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体等のコア−シェル構造を有するゴム粒子;などが挙げられる。中でも、シリコーンを含有するシリコーン系応力緩和剤が好ましい。シリコーン系応力緩和剤としては、エポキシ基を有するもの、アミノ基を有するもの、これらをポリエーテル変性したもの等が挙げられる。応力緩和剤は、1種を単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
(着色剤)
エポキシ樹脂組成物は、カーボンブラック、繊維状カーボン、有機染料、有機着色剤、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の着色剤を含有してもよい。エポキシ樹脂組成物が着色剤を含有する場合、着色剤の含有率は、無機充填材に対して0.05質量%〜5.0質量%であることが好ましく、0.10質量%〜2.5質量%であることがより好ましい。
[エポキシ樹脂組成物の調製方法]
エポキシ樹脂組成物の調製には、各種成分を分散混合できるのであれば、いずれの手法を用いてもよい。一般的な手法として、所定の配合量の成分をミキサー等によって充分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。より具体的には、エポキシ樹脂組成物は、例えば、上述した成分の所定量を混合して攪拌し、予め70℃〜140℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルーダー等で混練した後、冷却し、粉砕する等の方法によって得ることができる。エポキシ樹脂組成物は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び質量でタブレット化してもよい。エポキシ樹脂組成物をタブレット化することで、取り扱いが容易になる。また、タブレット状のエポキシ樹脂組成物は、特定有機溶剤の含有率が、エポキシ樹脂組成物の全質量に対して0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、熱伝導性をより向上させる観点から、0.3質量%〜4.0質量%であることがより好ましく、0.3質量%〜3.0質量%であることが更に好ましく、0.3質量%〜2.5質量%であることが特に好ましい。
<エポキシ樹脂硬化物>
本実施形態のエポキシ樹脂硬化物は、上述したエポキシ樹脂組成物の硬化物である。本実施形態のエポキシ樹脂硬化物は、上述したエポキシ樹脂組成物を硬化して得られることから、熱伝導性に優れている傾向にある。
<電子部品装置>
本実施形態の電子部品装置は、素子と、前記素子を封止している上述したエポキシ樹脂組成物の硬化物と、を有する。電子部品装置としては、例えば、支持部材に、能動素子、受動素子等の素子が搭載され、この素子が上述したエポキシ樹脂組成物を用いて封止されたものが挙げられる。支持部材としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス板、シリコンウエハ等が挙げられる。能動素子としては、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等が挙げられる。受動素子としては、コンデンサ、抵抗体、コイル等が挙げられる。
より具体的には、例えば、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部とをワイヤボンディング又はバンプで接続した後、上述した実施形態のエポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形等によって封止した、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead Package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Pacakage)等の一般的な樹脂封止型IC;テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、上述した実施形態のエポキシ樹脂組成物で封止したTCP(Tape Carrier Package);配線板又はガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、上述した実施形態のエポキシ樹脂組成物で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール;裏面に配線板接続用の端子を形成した有機基板の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、上述した実施形態のエポキシ樹脂組成物で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package);などが挙げられる。また、プリント回路板にも上述した実施形態のエポキシ樹脂組成物は有効に使用できる。
本実施形態の電子部品装置において、素子をエポキシ樹脂硬化物で封止する方法は、特に制限されず、当技術分野において公知の方法を適用することが可能である。例えば、低圧トランスファー成形法が一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。
以下、本実施形態を実施例により具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜7及び比較例1]
以下に示す各種成分をそれぞれ表1に示す比率(質量部基準)で配合し、混練温度80℃及び混練時間15分の条件下でロール混練を行うことによって、それぞれ実施例1〜7及び比較例1のエポキシ樹脂組成物を調製した。
Figure 0006908104
エポキシ樹脂組成物の調製に用いた各成分は以下の通りである。
・エポキシ樹脂:エポキシ当量192g/eq、融点79℃のジフェニルメタン型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、商品名:YSLV−80XY)
・硬化剤(フェノール樹脂):水酸基当量102g/eq、軟化点70℃のトリフェニルメタン型フェノール樹脂(エアーウォータ株式会社製、商品名:HE910−09)
・硬化促進剤:トリフェニルホスフィン
・離型剤:カルナバワックス(株式会社セラリカNODA製)
・カップリング剤:エポキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
・着色剤:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名MA−100)
・無機充填材:平均粒径10μmのアルミナフィラー(DENKA株式会社製、商品名:DOWシリーズ混合)
[エポキシ樹脂組成物の熱伝導率評価]
実施例1〜7及び比較例1によって得られたエポキシ樹脂組成物の熱伝導率を以下に示す試験法によって評価した。評価結果を表2に示す。なお、熱伝導率測定用のエポキシ樹脂組成物の成形は、真空ハンドプレス成形機を用い、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、及び硬化時間10分の条件下で行った。また、後硬化は175℃で6時間行った。
次に、上記方法で成形した硬化物(1cm×1cm)の厚さ方向の熱拡散率を、レーザーフラッシュ法にて測定した。より具体的には、キセノンフラッシュアナライザー(装置:LFA447 nanoflash、NETZSCH社製)を用いて熱拡散率を測定した。パルス光照射は、パルス幅0.1ms、及び印加電圧247Vの条件で行った。測定は雰囲気温度25℃±1℃で行った。次いで、以下の式(1)を用いて比熱及び密度を熱拡散率に乗算することによって,熱伝導率の値を得た。なお、硬化物の比熱は、JIS K 7123:2012に準じた方法により、DSCの測定データより算出し、密度を電子比重計(アルファーミラージュ株式会社、SD−200L)によって測定した。
λ=α・Cp・ρ 式(1)
式(I)中、λは熱伝導率(W/(m・K))、αは熱拡散率(m/s)、Cpは比熱(J/(kg・K))、ρは密度(d:kg/m)をそれぞれ示す。
比較例1の熱伝導率を規準とし、熱伝導率が向上したものをA、ほぼ同等であったものをBとした。
[エポキシ樹脂組成物の流動性評価]
実施例1〜7及び比較例1によって得られたエポキシ樹脂組成物の流動性を以下に示す試験法によって評価した。評価結果を表2に示す。なお、エポキシ樹脂組成物の成形は、トランスファー成形機を用い、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件下で行った。また、後硬化は175℃で6時間行った。
スパイラルフロー試験は、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて、上記条件でエポキシ樹脂組成物を成形して流動距離(cm)を測定することにより実施した。比較例1の流動距離を規準とし、流動性が向上したものをA、流動性がやや向上したものをBとした。
[エポキシ樹脂組成物の信頼性評価]
実施例1〜7及び比較例1によって得られたエポキシ樹脂組成物の信頼性(絶縁信頼性)を以下に示す部分放電試験によって評価した。
まず、上述のトランスファー成形機を用いた成形によりエポキシ樹脂組成物から得られたエポキシ樹脂硬化物の両面に銅箔を設けた。両面銅箔付きのエポキシ樹脂硬化物(サンプルサイズ50mm×50mm、樹脂厚み0.2mm、銅箔厚み0.1mm)の一方に直径20mm円形のパターンをエッチングにより形成した。次いで、エポキシ樹脂組成物を120℃のホットプレート上で1時間乾燥し、電極形成サンプルとし以下の部分放電試験に用いた。なお、電極形成サンプルにおけるパターンが形成された面を表側とした。
次に、絶縁油(スリーエム社製 フロリナート FC−40)をステンレス容器に満たし、上記電極測定サンプルを浸漬した後、サンプル表側電極にアルミ製の重りを置いてサンプルを固定した。部分放電試験装置(総研電気株式会社 DAC−6032C)の測定ボックスにステンレス容器ごと設置し、表側電極を高圧側、ステンレス容器をアース端子に接続した。周波数を60Hz、昇降圧速度を0.1kVステップ/秒に設定し、放電電荷量を測定した。2pC以上の放電電荷が検出された電圧を部分放電開始電圧と定義し、電圧が、比較例1を基準として同等以上であったものをA、低下したものをBとした。なお、電圧が低下している場合、信頼性(絶縁信頼性)が低下していることを意味する。
Figure 0006908104
表2に示されるように、エポキシ樹脂組成物が有機溶剤を含有する実施例1〜7は、スパイラルフローで評価した流動性が有機溶剤を含有しない比較例1と比較して良好であり、特に実施例1〜5は、熱伝導率(硬化後の熱伝導性)及びスパイラルフローで評価した流動性が比較例1と比較して良好であった。また、実施例1〜6は、部分放電試験で評価した信頼性が比較例1と同等以上であった。
また、特に実施例1〜5では、低粘度化によりエポキシ樹脂の分散性が向上し硬化性(反応率)が向上し、かつエポキシ樹脂の分子運動が促進され配向性が向上することが、熱伝導率の向上に寄与していると推測される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (8)

  1. エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、沸点が50℃〜100℃である有機溶剤と、を含有し、
    前記有機溶剤はメタノールであり、前記有機溶剤の含有率はエポキシ樹脂組成物の全質量に対して0.3質量%〜4.0質量%であ封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記有機溶剤の含有率が、0.3質量%〜3.0質量%である請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記無機充填材の含有率が、55質量%〜95質量%である請求項1又は請求項2に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 更にカップリング剤を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記カップリング剤の含有率が、0.05質量%〜5.0質量%である請求項4に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 無機充填材の平均粒径が0.1μm〜10μmである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  7. タブレット状であり、かつ沸点が50℃〜100℃である有機溶剤の含有率が、0.3質量%〜3.0質量%であり、前記有機溶剤はメタノールであ封止用エポキシ樹脂組成物。
  8. 無機充填材をさらに含み、無機充填材の平均粒径が0.1μm〜10μmである請求項7に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
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